JPH07139676A - 管継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可撓管を曲げた場合にも亀裂が発生する恐れ
のない管継手を提供することにある。 【構成】 略中央に鍔部１１、一端に接続部１２、他端
に円筒状の案内部１３及びその奥に雄ねじ１５が設けら
れた継手本体１と、継手本体１の雄ねじ１５に螺合する
雌ねじ２１が先部内周に設けられ基部内周に逆テーパー
部２２が設けられた袋ナット２とを有し、袋ナット２を
継手本体１の雄ねじ１５にねじ込むことにより袋ナット
２の逆テーパー部２２の内方への押圧によって継手本体
１の円筒状案内部１３に外挿される接続管３を挟圧する
管継手であって、袋ナット２の基部先端が継手本体１の
円筒状の案内部１３の先端よりも側方に突出されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレン管のよう
な可撓管の接続に使用して好適な管継手に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、特開平３−１８６６８４
号公報に記載されているように、略中央に鍔部、一端に
接続部、他端に円筒状の案内部及びその奥に雄ねじが設
けられ、円筒状の案内部に形成されたシール溝にシール
部材が挿入された継手本体と、継手本体の雄ねじに螺合
する雌ねじが先部内周に設けられ基部内周に逆テーパー
部が設けられた袋ナットとを有し、袋ナットを継手本体
の雄ねじにねじ込むことにより袋ナットの逆テーパー部
の内方への押圧によって継手本体の円筒状案内部に外挿
される接続管を挟圧する管継手が知られている。

【０００３】この管継手は、図５に示すように、略中央
に鍔部１１、一端に接続部１２、他端に円筒状の案内部
１３及びその奥に雄ねじ１４が設けられた継手本体１
と、継手本体１の雄ねじ１４に螺合する雌ねじ２１が先
部内周に設けられ基部内周に逆テーパー部２２が設けら
れた袋ナット２とを有し、袋ナット２を継手本体１の雄
ねじ１４にねじ込むことにより袋ナット２の逆テーパー
部２２の内方への押圧によって継手本体１の円筒状案内
部１３に外挿されるポリエチレン管のような可撓管３の
端部を挟圧するようになっている。尚、図５において、
１６は円筒状の案内部１３の表面に形成されたシール溝
に挿入されたシール部材である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の管継
手を使用して可撓管３を接続する場合には、可撓管３を
曲げた場合には、可撓管３の内面が円筒状の案内部１３
の先端角部に強く当たる結果、図６の拡大断面図に示す
ように、可撓管３の曲折部表面に亀裂３１が発生する恐
れがある。又、可撓管として、アルミニウム箔の層の内
外面を架橋ポリエチレンの層で被覆積層した３層の複合
管を使用した場合には、複合管を曲げるとアルミニウム
箔に亀裂が発生し裂断される恐れがある。

【０００５】本発明は、このような従来の管継手におけ
る問題点に着目してなされたものであり、その目的とす
るところは、従来の問題点を解決し、可撓管を曲げた場
合にも亀裂が発生する恐れのない管継手を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の本発明管継手は、略中央に鍔部、一
端に接続部、他端に円筒状の案内部及びその奥に雄ねじ
が設けられ、円筒状の案内部に形成されたシール溝にシ
ール部材が挿入された継手本体と、継手本体の雄ねじに
螺合する雌ねじが先部内周に設けられ基部内周に逆テー
パー部が設けられた袋ナットとを有し、袋ナットを継手
本体の雄ねじにねじ込むことにより袋ナットの逆テーパ
ー部の内方への押圧によって継手本体の円筒状案内部に
外挿される接続管を挟圧する管継手であって、袋ナット
の基部先端が継手本体の円筒状の案内部の先端よりも側
方に突出されていることを特徴とするものである。

【０００７】又、請求項２記載の本発明管継手は、略中
央に鍔部、一端に接続部、他端に円筒状の案内部及びそ
の奥に雄ねじが設けられ、円筒状の案内部に形成された
シール溝にシール部材が挿入された継手本体と、継手本
体の雄ねじに螺合する雌ねじが先部内周に設けられ基部
内周に逆テーパー部が設けられた袋ナットとを有し、袋
ナットを継手本体の雄ねじにねじ込むことにより袋ナッ
トの逆テーパー部の内方への押圧によって継手本体の円
筒状案内部に外挿される接続管を挟圧する管継手であっ
て、袋ナットに外筒の一端が外挿され、外筒の他端が袋
ナット基部の外側方に延設されていることを特徴とする
ものである。

【０００８】本発明において、継手本体や袋ナットや外
筒の材質としては、特に限定されないが、例えば、硬質
塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイ
ロン、ポリアセタール等の合成樹脂、或いは、鋳鉄、真
鍮、砲金、アルミニウム等の金属が使用できる。

【０００９】

【作用】請求項１記載の本発明においては、袋ナットの
基部先端が継手本体の円筒状の案内部の先端よりも側方
に突出されているので、可撓管を曲げた場合には、可撓
管が突出された袋ナットの基部先端により曲がりが抑制
される結果、可撓管の内面が円筒状の案内部の先端角部
に強く当たることはなく、可撓管の表面に亀裂が発生せ
ず、可撓管としてアルミウム箔強化複合管を使用した場
合にもアルミニウム箔等に亀裂が発生しない。

【００１０】又、請求項２記載の本発明においては、袋
ナットに外筒の一端が外挿され、外筒の他端が袋ナット
基部の外側方に延設されているので、可撓管を曲げた場
合には、可撓管が延設された外筒の他端により曲がりが
抑制される結果、可撓管の内面が円筒状の案内部の先端
角部に強く当たることはなく、可撓管の表面に亀裂が発
生せず、可撓管としてアルミウム箔強化複合管を使用し
た場合にもアルミウムアルミニウム箔等に亀裂が発生し
ない。

【００１１】

【実施例】次に、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら、説明する。 〔実施例１＝請求項１記載の発明の実施例〕図１は本発
明管継手の一例を示す上半部切欠正面図である。図１に
おいて、１は砲金製継手本体であり、その略中央に鍔部
１１、一端に接続部１２、他端に円筒状の案内部１３及
びその奥に管挿入間隙１４が設けられ、管挿入間隙１４
の外側にテーパー状雄ねじ１５が設けられている。円筒
状の案内部１３の表面にシール溝が設けられ、シール溝
にはシール部材１６が挿入されている。

【００１２】円筒状の案内部１３の先端角部は図２に拡
大して示すように円弧面１３１が設けられ、可撓管３の
表面に局部的に強く当たらないようになっている。尚、
可撓管３として、アルミニウム箔の内外面に架橋ポリエ
チレン層が被覆された複合管が使用されている。

【００１３】２はナイロン製袋ナットであり、その先部
内周に継手本体１の雄ねじ１５に螺合する逆テーパー状
雌ねじ２１が設けられ、基部内周に逆テーパー部２２が
設けられている。

【００１４】袋ナット２を継手本体１の雄ねじ１５にね
じ込むことにより袋ナット２の逆テーパー部２２の内方
への押圧によって継手本体１の円筒状案内部１３に外挿
され管挿入間隙１４に挿入されるポリエチレン製可撓管
３を挟圧するようになっている。

【００１５】袋ナット２を継手本体１の雄ねじ１５にね
じ込んだ場合には、袋ナット２の基部先端は継手本体１
の円筒状案内部１３の先端よりも外側方に突出されるよ
うになっている。この袋ナット２の基部先端の継手本体
１の円筒状案内部１３の先端からの突出長さは可撓管３
の外径の１／５程度である。袋ナット２の基部内面角部
は図３に拡大して示すように円弧面２３が設けられ、可
撓管３の表面に局部的に強く当たらないようになってい
る。

【００１６】〔実施例１の作用〕次に図１に示す本発明
管継手の作用について説明する。図１に示すように、袋
ナット２を継手本体１の雄ねじ１５にねじ込むことによ
り袋ナット２の逆テーパー部２２の内方への押圧によっ
て継手本体１の円筒状案内部１３に外挿され管挿入間隙
１４に挿入されるポリエチレン製可撓管３を挟圧した状
態において、可撓管３を曲げると可撓管３は突出された
袋ナット２の基部先端により曲がりが抑制される結果、
可撓管３の内面が円筒状の案内部１３の先端角部に強く
当たることはなく、可撓管３の表面やアルミニウム箔に
亀裂が発生しない。可撓管３の外径及び袋ナット２の基
部先端の継手本体１の円筒状案内部１３からの突出長さ
のデーターを例示すると表１のようになる。

【００１７】

【表１】

【００１８】〔実施例２＝請求項２記載の発明の実施
例〕図４は、本発明管継手の他の一例を示し、図４に示
す本発明管継手においては、図１に示す本発明管継手に
おいて、袋ナット２の基部先端を継手本体の円筒状の案
内部１３よりも突出させる代わりに、袋ナット２ａに硬
質塩化ビニル樹脂製外筒４ａの一端が外挿され、外筒４
ａの他端が袋ナット２ａ基部の外側方に延設され、外筒
４ａの他端は縮径されて可撓管３の表面に添設されてい
る。

【００１９】〔実施例２の作用〕このような図４に示す
本発明管継手においては、袋ナット２ａに硬質塩化ビニ
ル樹脂製外筒４ａの一端部が外挿され、外筒４ａの他端
部が袋ナット２ａ基部の外側方に延設され、外筒４ａの
他端部は縮径されて可撓管３の表面に添設されているの
で、可撓管３を曲げた場合には、可撓管３が延設された
外筒４ａの他端部により曲がりが抑制される結果、可撓
管３の内面が円筒状の案内部１３ａの先端角部に強く当
たることはなく、可撓管の表面に亀裂が発生しない。

【００２０】以上、本発明の実施例を図により説明した
が、本発明の具体的な構成は図示の実施例に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない設計変更は本
発明に含まれる。

【００２１】例えば、図示の実施例においては、継手本
体において、円筒状の案内部の奥に管挿入間隙が設けら
れているが、管挿入間隙が必ずしも設けられていなくて
もよい。

【００２２】又、図示の実施例のように管挿入間隙が設
けられる場合に、管挿入間隙の外側の雄ねじが設けられ
る部分は図示の実施例のように継手本体と一体に設ける
代わりに、例えば特開平３−１８６６８４号公報に記載
されているスリットリングのように、別個のものを継手
本体に取付けるようにしてもよい。

【００２３】

【発明の効果】請求項１記載の本発明においては、可撓
管を曲げた場合には、可撓管が突出された袋ナットの基
部先端により曲がりが抑制される結果、可撓管の内面が
円筒状の案内部の先端角部に強く当たることはなく、可
撓管の表面や、可撓管としてアルミニウム箔補強複合管
を使用した場合に複合管のアルミニウム箔等に亀裂が発
生しない。

【００２４】又、請求項２記載の本発明においては、可
撓管を曲げた場合には、可撓管が延設された外筒の他端
により曲がりが抑制される結果、可撓管の内面が円筒状
の案内部の先端角部に強く当たることはなく、可撓管の
表面や、可撓管としてアルミニウム箔補強複合管を使用
した場合に複合管のアルミニウム箔等に亀裂が発生しな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明管継手の一例を示す上半部切欠正面図。

【図２】図１に示す本発明管継手の要部拡大断面図。

【図３】図１に示す本発明管継手の他の要部拡大断面
図。

【図４】本発明管継手の他の一例を示す上半部切欠正面
図。

【図５】従来の管継手を示す上半部切欠正面図。

【図６】図５に示す従来の管継手の要部拡大断面図。

【符号の説明】

１ 継手本体 １１ 鍔部 １２ 接続部 １３ 案内部 １４ 管挿入間隙 １５ 雄ねじ １６ シール部材 ２ 袋ナット ２１ 雌ねじ ２２ 逆テーパー部 ３ 接続管 ４ 外筒

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略中央に鍔部、一端に接続部、他端に円
   筒状の案内部及びその奥に雄ねじが設けられ、円筒状の
   案内部に形成されたシール溝にシール部材が挿入された
   継手本体と、継手本体の雄ねじに螺合する雌ねじが先部
   内周に設けられ基部内周に逆テーパー部が設けられた袋
   ナットとを有し、袋ナットを継手本体の雄ねじにねじ込
   むことにより袋ナットの逆テーパー部の内方への押圧に
   よって継手本体の円筒状案内部に外挿される接続管を挟
   圧する管継手であって、袋ナットの基部先端が継手本体
   の円筒状の案内部の先端よりも側方に突出されているこ
   とを特徴とする管継手。
2. 【請求項２】 略中央に鍔部、一端に接続部、他端に円
   筒状の案内部及びその奥に雄ねじが設けられ、円筒状の
   案内部に形成されたシール溝にシール部材が挿入された
   継手本体と、継手本体の雄ねじに螺合する雌ねじが先部
   内周に設けられ基部内周に逆テーパー部が設けられた袋
   ナットとを有し、袋ナットを継手本体の雄ねじにねじ込
   むことにより袋ナットの逆テーパー部の内方への押圧に
   よって継手本体の円筒状案内部に外挿される接続管を挟
   圧する管継手であって、袋ナットに外筒の一端が外挿さ
   れ、外筒の他端が袋ナット基部の外側方に延設されてい
   ることを特徴とする管継手。