JPH07138905A - 透水性舗装構造 - Google Patents

透水性舗装構造

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JPH07138905A
JPH07138905A JP29078593A JP29078593A JPH07138905A JP H07138905 A JPH07138905 A JP H07138905A JP 29078593 A JP29078593 A JP 29078593A JP 29078593 A JP29078593 A JP 29078593A JP H07138905 A JPH07138905 A JP H07138905A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車道に用いることができる透水性舗装構造を
提供する。 【構成】 透水性アスファルト混合物である表層1(5
cm)、単粒砕石S−1375部、高炉水砕スラグ20
部、石灰3部及び極微粒の高炉水砕スラグ2部の混合物
を路盤材料とする上層路盤2(35cm)及び高炉水砕ス
ラグ95部、石灰3部及び極微粒の高炉水砕スラグ2部
を路盤材料とする下層路盤3(35cm)及び高炉水砕ス
ラグである路床改良部分4(20cm)を路床5上に有す
る透水性舗装構造は各層の透水性が良好である上、車両
の重荷に耐え得る強度を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透水機能を有し、かつ車
両の重荷重に耐え得る舗装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の透水性舗装(不透水層を設けず、
表層に浸透した水を路盤、路床にまで浸透させるもの)
は車両の重荷重条件には耐えられないため歩行者系道路
の舗装にのみ使用されている。そして車道の舗装は全て
排水性舗装(表層下面に不透水層を設け、表層に浸透し
た水をそれ以下の舗装体内に浸透させず、路外に排水さ
せるもの)である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、排水性舗装は
排水施設の設置が別に必要とされる。また排水性舗装か
らの雨水は排水施設からさらに下水道施設へと流れ込む
が、台風等による集中豪雨時には排水性舗装からの雨水
が下水道施設の能力を越える危険性が生じる。また新規
開発事業等の造成では山林や田畑であった部分が道路等
に変り、舗装される為自然環境に大きな変化が生じ、下
水道施設に流れ込む雨水量も急に増大するため上記の危
険性も大きい。そこで本発明の課題は車両の重荷重条件
に耐えられる強度を有する透水性舗装構造を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する為、
請求項1に記載の透水性舗装構造は透水性アスファルト
混合物である表層及びこの表層の下に上層路盤を有し、
この上層路盤は単粒砕石S−13及び/又はS−20を
70〜80重量部と高炉水砕スラグ15〜30重量部と
アルカリ性刺激剤2〜4重量部及び微粒の高炉水砕スラ
グ1〜3重量部を混合してなる路盤材に基づいて形成さ
れていることを特徴とし、また、前記上層路盤の下には
下層路盤を有し、この下層路盤は高炉水砕スラグ90〜
97重量部及びアルカリ性刺激剤1.8〜6重量部及び
微粒の高炉水砕スラグ1.2〜4重量部を混合してなる
路盤材に基づいて形成されていることを特徴とする。
【0005】前記透水性アスファルト混合物とは従来の
排水性舗装の表層に使用されている市販の材料であり、
密粒アスファルトに較べ目が粗く雨水を通過させうる
上、重荷や摩減に対する強度を有している。そして前記
単粒砕石S−13及び/又はS−20とはアスファルト
舗装要綱(編集、発行所 社団法人 日本道路協会)の
砕石の粒度(JIS K50011988)のS−13
及び/又はS−20の規格の粒度の砕石を意味する。ま
た単粒砕石とは一定の綱目のふるいを通過する細かい粒
度のものは含まない砕石であることを意味する。本発明
の路盤材を使用して作成する層の厚さに応じて単粒砕石
S−13のみを又はS−20のみを使用してもよく又は
これらを混合して使用してもよい。そして単粒砕石S−
13又は単粒砕石S−20単独で70〜80重量部又は
これらを混合した合計量で70〜80重量部使用するこ
とにより優れた透水性及び強度を有する請求項1中の上
層路盤に用いられる路盤材を得ることができる。
【0006】前記高炉水砕スラグとは高炉より発生する
溶融スラグを水で急速に冷却して製造した白い砂状のガ
ラス質の物質であり、アルカリ性刺激材及び水を混合す
ると硬化する性質を有している。この高炉水砕の化学成
分、粒度及び特性値を各々表1、表2及び表3に示す。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】
【0009】
【表3】
【0010】なお高炉の原料又は高炉滓の冷却方法や冷
却速度等により得られる高炉水砕の物理的特性(粒度、
密度等)には多少の変動があり、例えば硬質と軟質とに
分類される。前記上層路盤の路盤材には硬質及び軟質の
どちらも使用可能であるが硬質の方が粒子がよりつぶれ
にくく、従って粒子間隙が狭くなりにくいのでより好ま
しい。高炉水砕スラグには前記したように物理的特性に
は多少の変動があるもののその粒径はほとんどが1.3 〜
0.3mm であり単粒度である。そして高炉水砕スラグを1
5〜30重量部使用すれば、多少の物理的特性の変動を
有するものであっても前記上層路盤の路盤材を得ること
が可能である。
【0011】また前記アルカリ性刺激剤とは前記高炉水
砕スラグのガラス質の部分を適当な水分とともに溶解
(膨潤)し、再結晶させて硬化させる材料であり、例え
ば生石灰、消石灰及び/又は普通ポルトランド、高炉セ
メントB,C種等のセメントがある。
【0012】そして前記微粒の高炉水砕スラグとは前記
高炉水砕スラグを乾燥後粉砕し、ふるい分けて得られる
0.3mm 以下の微粒の高炉水砕スラグを意味し、0.074mm
以下の極微粒のものを使用するとさらに好ましい。
【0013】前記アルカリ性刺激剤及び微粒の高炉水砕
スラグを各々2〜4重量部及び1〜3重量部混合するの
は、各々上記範囲量混合することにより請求項1中の上
層路盤に用いられる路盤材の効果である透水性及び強度
が生じる為である。すなわち本発明の上層路盤に用いら
れる路盤材によると一定の粒径の単粒砕石を一定量有し
ているので、この砕石の間隙が大きく、さらにこの間隙
には透水性の良好な高炉水砕スラグが存在するのでこの
路盤材は良好な透水性を有している。さらに適当量含有
されるアルカリ性刺激材が高炉水砕スラグのガラス質の
部分を溶解(膨潤)し、再結晶させて硬化させる(以
下、この性質を水硬性という)ことにより、砕石の粒子
接触面を化学的に結合する。従って構成粒子間の摩擦力
や圧縮力により強度が保持される従来の路盤材とは異な
り、本発明の上層路盤に用いられる路盤材は砕石の粒子
接触面の化学的結合により強度が保持されるので大量の
雨が砕石粒子間に浸透してもその強度は良好に保たれ得
る。また本発明の上層路盤に用いられる路盤材によると
微粒の高炉水砕スラグが適量混合されているのでアルカ
リ性刺激材の反応が促進され、硬化速度がより速くな
り、また硬度もより大きくなるので、路盤材の強度も大
きくなる。従って本発明の路盤材は交通量の多い道路に
も透水性路盤材として使用可能である。本発明の下層路
盤に用いられる路盤材は透水性の良好な高炉水砕スラグ
90−97部を使用しているので、透水性が良好であ
り、アルカリ性刺激剤1.8〜6部及び微粒の高炉水砕
スラグ1.2〜4部の存在により高炉水砕スラグの水硬
性が迅速にかつより強く生じ、化学的結合により下層路
盤の強度が生じる。従って大量の雨が本発明の下層路盤
の路盤材に浸透してもその強度は良好に保たれうる。こ
の下層路盤に用いられる路盤材は、上層路盤よりも小さ
い転圧により規定の強度が生じるので弱い路床の上に使
用することができる。またこの路盤材は前記の上層路盤
に用いられる路盤材よりも比重が小さいので弱い路床の
上に使用することができる。なお前記下層路盤に用いら
れる路盤材は前記上層路盤に用いられる路盤材よりも強
度は弱いが、優れた強度を有する上層路盤が上に存在す
るので、車両等の荷重は下層路盤には分散されて伝達さ
れる為、下層路盤の強度が弱くとも足りる。前記表層、
上層路盤及び下層路盤の厚さは路床の設計CBRと設計
交通量に応じてアスファルト舗装要綱にあるTA 法によ
り計算して目標とするTA (等値換算厚)を下回らない
ように各層の厚さを決定することができる。
【0014】
【作用】前記構成の透水性舗装構造によると表層、上層
路盤及び下層路盤共に透水性を有するので雨はこれらの
層を通過し、路床へと移動し、地下水となる。大量の雨
が降り全ての雨が路床へ移動しきれない場合にも上下層
路盤はその各路盤材の間隙が大きい為貯水性も有してい
るので上下層路盤中に貯水されその後徐々に路床へ貯水
された雨水が移動し、地下水とされる。また表層及び上
層路盤は優れた強度を有しているので車両の荷重に耐え
ることができ、また上層路盤は車両の荷重を分散して下
層路盤に伝達する。前記下層路盤はこの分散された荷重
に耐えうる強度を有し、さらにこの下層路盤に用いられ
ている路盤材は上層路盤よりも小さい転圧で締め固める
ことができる上、比重が小さいので弱い路床の上に下層
路盤を設けることができ、この下層路盤の上により大き
い転圧で締め固める上層路盤を設けることができる。
【0015】
【実施例】実施例1 本例1の透水性舗装の構造は図1に示される様に、上層
から順に表層1(厚さ5cm)上層路盤2(厚さ35c
m)、下層路盤3(厚さ35cm)及び路床改良部分4
(厚さ20cm)を有してなり、路床改良部分4は路床5
(約1m)の直ぐ上に設けられる。表層1の材料として
は従来の排水舗装用アスファルト混合物を使用した。表
層1は透水係数10-2cm/sec 以上を有し、空隙率は1
8%であった。表層1のすぐ下は約35cmの厚さの上層
路盤2とされ、この上層路盤2の材料としては表4に示
される材料を各配合量、パグミル式の混合プラントで混
合した透水性路盤材を使用した。この透水性路盤材の特
性値を表5に示す。
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
【0018】表4中、単粒度砕石は単粒砕石S−13及
び/又はS−20の単独物又は混合物である。また石灰
は3mm以下の粒径である。表5中、粒度が規準粒度範囲
内とあるのはJIS A−1120の粒度試験(ふるい
分け試験)の結果、透水性路盤材に使用した材料の各粒
径の粒子を各量づつ混合した場合に計算して得られる規
定粒度の範囲内に透水性路盤材の実測の粒度が含まれて
いたことを意味している。
【0019】また表5中、一軸圧縮強度はAs舗装要綱
に準拠した方法により締め固め度95%の場合において
材令14日における値を測定した。供試体の作成方法は
モールドは内径10cm、高さ12.7cm、ランマーは重量4.
5kg 及び落下高45cmとし、突固め回数は42回/層
(3層)とした。また供試体の養生方法は気温20℃の
定温室に13日間養生後さらに水温15℃の水中に24
時間養生する方法とした。一軸圧縮強度はより詳細に
は、単粒砕石としてS−13のみを使用した場合は27.3
kg/cm2 であり、単粒砕石としてS−20を38重量部
及びS−13を37重量部使用した場合は24.4kg/cm2
であった。そして表5中、透水係数を調べる為の透水試
験JIS A 1218(定水位)としては上層路盤の
路盤材4140gを内径10.0cm、長さ12.7cm体積100
0cm3 の容器に入れ、突き固め(2.5kgh、30cm 25
回/3層)により供試体を作成しこの試料の上下より水
道水に水浸させることにより行った。また透水試験は供
試体を作成後14日間又は1年間土中に埋込したものに
ついて各々実施した。透水係数はさらに詳細には単粒砕
石としてS−13のみを使用した場合は材令14日では
9.16×10-2cm/sec であり、材令1年では1.08×10
-1cm/sec であった。また単粒砕石としてS−20を3
8重量部及びS−13を37重量部使用した場合は材令
14日では1.38×10-1であり、材令1年では1.41×1
-1であり、全て10-2以上の透水係数を有していた。
【0020】この上層路盤2の直下の下層路盤3の材料
としては表6で示される材料を各配合量、パグミル式の
混合プラントで混合した路盤材を使用した。この路盤材
の特性値を表7に示す。
【0021】
【表6】
【0022】
【表7】
【0023】表7中の各項目については表5の項目と同
様の試験を実施した。
【0024】下層路盤3の直下であって路床5の直上に
は路床改良部分4が設けられ、この材料としては高炉水
砕スラグが使用され、この材料は表3に示される様に透
水係数が10-2cm/sec 秒以上である。
【0025】アスファルト舗装要綱によれば、下層路盤
に用いるクラッシャーランの等値換算係数は0.25であ
り、上層路盤に用いる瀝青安定処理は0.80である。表
5、表7の等値換算係数を比較すれば、本例の下層路盤
3の等値換算係数は0.35であり、上層路盤2の等値換算
係数は0.85である。従って本例の透水性舗装の築造工法
に用いる路盤材は、従来の路盤材より通常の状態(路盤
に水が浸透しない状態)においても、強度的に優れてい
ることが分かる。一方、同じくアスファルト舗装要綱に
よる透水機能を有する目標値は、透水係数K15が10-2
cm/sec以上となっている。よって、表5、表7の数
値から本材料は、透水機能も有していると判断できる。
【0026】そして下層路盤3は上層路盤2よりも小さ
い転圧で規定の強度とすることができた。従って路床5
が弱い場合にも路床5上により強い層である下層路盤3
を小さい転圧をかけることにより設けることができ、こ
のより強い下層路盤3の上により大きい転圧で締め固め
る上層路盤2を設けることが可能とされる。
【0027】路床改良部分4は路床5の泥が下層路盤3
に混入しない為の遮断層としての役割も果している。路
床改良部分4の材料として高炉水砕スラグを使用するこ
とにより、透水係数が一定とされ、また経時により水硬
性により強度が上昇する。例えば砂を使用した場合には
透水係数も種類により不均一であるが、高炉水砕スラグ
を材料とすると、一定の透水性が得られる上、その水硬
性により経時により徐々に強度が生ずる。そして本例1
の透水性舗装構造の各層1〜4の透水係数は何れも、1
-2cm/sec以上である。これは、一時間当りに36
0mmの雨水を浸透させる機能を持つ舗装であると言い換
える事が出来る。道路土工・排水工指針によれば、『路
面排水施設などに用いる標準降雨強度』は、60mm/h
(北海道)〜130mm/h(沖縄、小笠原諸島)であ
る。予想される降雨量の約3倍〜6倍の浸透能力がある
ことになる。また表3、表5、表7に示される様に本例
の透水性舗装構造の各層1〜4は、何れも大きい空隙を
有している。従って本例1の透水性舗装構造は貯水能力
も優れていることがわかる。すなわち、各層1〜4の有
する間隙率が有効であり、自然含水比を10%と仮定す
るならば、計算によると本例の舗装構造内には1m2
り234mmの水を貯溜する能力がある。
【0028】本例1の舗装構造の各層の厚さはTA 法に
より決定した。その設計条件は以下の通りである。 路床条件:設計CBR 1.5% 設計交通量:D交通 TA の目標値:45.3cm(路床設計 CBR=3%の
場合) この条件を満足する各層厚の決定は次の計算による。 表層1(排水舗装様アスファルト混合物)の層厚T1
= 5cmの等値換算厚TA1= 5×1.00=5.00cm 上層路盤2の層厚T2 =35cmの等値換算厚TA2=35×
0.85=29.75cm 下層路盤3の層厚T3 =35cmの等値換算厚TA3=35×
0.35=12.25cm 全舗装厚T=T1 +T2 +T3 = 5cm+35cm=75cm 全等値換算厚TA =TA1+TA2+TA3=5.0cm +29.75c
m +12.25cm =47cm>45.3cm 路床CBRを3%以上に改良する為の路床改良部分4
(高炉水砕スラグ)厚さを20cmとした時の CBR={(80 ×1.51/3+20×201/3 ÷100 }3 =3.1
%>3.0 % 同じ設計条件で従来の排水性舗装の断面算定を行うと次
の様になる。 表層(排水舗装用アスファルト混合物)の層厚T1
5cmの等値換算厚TA1=5×1.00=5.00cm 基層(粗粒アスファルト混合物)の層厚T2 =10cmの
等値換算厚TA1=10×1.00=10.00cm 上層路盤(瀝青安定処理)の層厚T3 =10cmの等値換
算厚TA3=10×0.80=8.00cm 上層路盤(粒度調整砕石)の層厚T4 =35cmの等値換
算厚TA4=35×0.35=12.25cm 下層路盤(クラッシャーラン)の層厚T5 =40cmの等
値換算厚TA5=45×0.25=11.25cm 全舗装厚T=T1 +T2 +T3 +T4 +T5 =5cm +10
cm+10cm+35cm+45cm=105cm 全等値換算厚TA =TA1+TA2+TA3+TA4+TA5=5.
0cm +10cm+ 8cm+12.25cm +11.25cm =46.5cm>45.3
cm 以上の計算より、本例1の透水性舗装構造は、従来の排
水性舗装構造に比べ、同設計条件(路床CBR=1.5
%,D交通)のもとで、全層厚で30cm薄くなり、層の
数も2層、少なくなることが分かる。これは、本例1の
舗装構造にて用いる路盤材が全て、高強度の為である。
【0029】また本例1の透水性舗装構造によると路床
5の直ぐ上に路床改良部分4(20cm)を設けており、
この路床改良部分4の材料として高炉水砕スラグを用い
ている。これにより路床5のCBRが低い場合にも路床
5のCBRが3%以上に改良することができる。
【0030】なお本例1では路床5のCBRが小さい場
合を想定し路床改良部分4を設けたが、路床5のCBR
値が大きい場合には路床改良部分4は省略することがで
きる。また各層の厚さも設計条件により異なる。
【0031】実施例2 次に設計条件がB交通、路床CBR3%以上である場合
に実施例1と同様のT A 法により舗装構造の各層の厚さ
を決定した。この場合に本例2の透水性舗装構造は図2
に示される様に舗装表面から下へ表層1(5cm)上層路
盤2(25cm)及び下層路盤3(25cm)の三層とさ
れ、下層路盤3が路床4(約1m)の直ぐ上に設けられ
る。各層1〜3の各材料は実施例1の各層と同じであ
る。この場合の各層1〜3の透水係数及び貯水能力を表
8に示す。
【0032】
【表8】
【0033】表8中、透水係数について、現場測定値と
は「社団法人日本道路協会編 透水性舗装ハンドブッ
ク」に定める方法で測定した値である。また貯水能力は
現場測定値の空隙率より自然含水比(10%)を差し引
き、貯水比を算定して厚さを掛けることにより求めた値
である。各層の貯水能力を求めるための計算を以下に示
す。表層1(空隙率18%)の貯水能力=50mm×0.18
=9.0mm 上層路盤2については 通常の締め固め状態で湿潤密度γt =2.15t/m3 乾燥密度γd =1.65t/m3 比重G=2.3t/m3 程度であるからγw (水の単位体積重
量)=1とすると 間隙比e=(γw /γd )×G−1=(G/γd )−1
=(2.3/1.65)−1=0.39 間隙比e=(含水比+空隙比)とすると (含水+空隙の占める%)n={e/(1+e)}×1
00=28.1% 含水比Wn =(Ww /WS )×100=10% (但し重量
比) 含水(重量)率=1−{Ww /(1+Wn )}=0.091 含水量VW =1.65×0.091 =0.151(15.1%) 空隙率VS =n−VW =28.1−15.1=13.0% 従って上層路盤2の貯水能力=250mm(上層路盤2の
厚み)×0.13=32.5mm下層路盤3(遮断層を含む)につ
いては 通常の締め固め状態で湿潤密度γt =1.56t/m3 乾燥密度γd =1.28t/m3 比重G=1.7t/m3 程度であるからγw (水の単位体積重
量)=1とすると 間隙比e=(γw /γd )×G−1=(G/γd )−1
=(1.7/1.28)−1=0.328 間隙比e=(含水比+空隙比)とすると (含水+空隙の占める%)n={e/(1+e)}*1
00=24.69% 含水比Wn =(Ww /WS )×100=10% (但し重量
比) 含水(重量)率=1−{Ww /(1+Wn )=0.091 含水量Vw =1.28×0.091 =0.116(11.6%) 空隙率Va =n−Vw =24.69 −11.6=13.1% 従って下層路盤3の貯水能力=250mm(下層路盤3の
厚み)×0.131 =32.75mm である。表8の貯水能力の結
果から本例2の舗装構造は1m2 当り74.3mmの水を貯留
する能力がある。すなわち、10,000m2 の舗装面
積に換算すると、743m 3 の貯水能力があると言え、
これは、ほぼ10m×10m×7m(高さ)の貯水槽を
地下に設置したと同等である。なお前記した本例1の舗
装構造の貯溜能力も上記と同様の計算により求めた値で
ある。
【0034】また同じ設定条件で従来の標準舗装又は排
水舗装(建設省)の構成を設定すると、共に表層1の直
下に基層(粗粒アスファルト混合物)を要し、全体の層
厚も60cmとなる。従って本例2の透水性舗装構造は同
設計条件(路床CBR3%以上、B交通)のもとで全層
厚で5cm薄くなり、層の数も1層少なくなる。これは本
例の舗装構造に用いる路盤材が高強度のためである。
【0035】本例1及び2の透水性舗装構造によると透
水性が良好でありかつ車両の重荷重に耐えうる強度を有
しているので車道に用いることができる。そして排水性
舗装とは異なり、本例1及び2の舗装構造は水を貯溜す
る能力を備えているので降雨量が路床5の透水能力を超
えている場合にも舗装体内に一時雨水が貯溜されその後
この雨水は徐々に路床5に浸透し、地下水に還流され
る。従って排水性舗装の様に排水施設を備える必要がな
く、従前の下水道施設に負担がかかることもない。また
従来の排水性舗装と同様に舗装面に水が溜まらないので
車道では滑り抵抗の増大、ハイドロプレーン現象の防
止、水跳ねの防止、夜間・雨天時の視認性の向上、走行
騒音の低減等の効果が生じる。
【0036】
【発明の効果】本発明の透水性舗装構造によると良好な
透水性を有しているので別に排水施設を設ける必要がな
く、また降雨は地下水とされるので地下水の涵養、街路
樹の活性化に資する。また新規開発事業等の造成では、
山林や田畑であった部分が工場用地、住宅用地、道路等
に変り当然、舗装も築造される。そうなると、自然環境
に大きな変化が興り、下水道施設に流れ込む雨水量も増
大する。この変化を抑制する効果が、透水性舗装には有
る。そして本発明の透水性舗装構造は車両の重荷に耐え
得る強度を有しているので車道に使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本例1の透水性舗装構造の断面説明図である。
【図2】本例2の透水性舗装構造の断面説明図である。
【符号の説明】
1 表層 2 上層路盤 3 下層路盤 4 路床改良部分 5 路床
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花井 太郎 福岡県北九州市八幡東区川淵町9番27号 太平舗道株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透水性アスファルト混合物である表層及
    びこの表層の下に上層路盤を有し、この上層路盤は単粒
    砕石S−13及び/又はS−20を70〜80重量部と
    高炉水砕スラグ15〜30重量部とアルカリ性刺激剤2
    〜4重量部及び微粒の高炉水砕スラグ1〜3重量部を混
    合してなる路盤材に基づいて形成されていることを特徴
    とし、また、前記上層路盤の下には下層路盤を有し、こ
    の下層路盤は高炉水砕スラグ90〜97重量部及びアル
    カリ性刺激剤1.8〜6重量部及び微粒の高炉水砕スラ
    グ1.2〜4重量部を混合してなる路盤材に基づいて形
    成されていることを特徴とする透水性舗装構造。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001011811A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Obayashi Road Corp 透水性舗装構造
JP2001011803A (ja) * 1999-06-29 2001-01-16 Obayashi Road Corp 歩道部舗装構造
JP2010163759A (ja) * 2009-01-13 2010-07-29 Jfe Mineral Co Ltd 舗装の補修方法
JP2020200740A (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 大林道路株式会社 透水コンクリート舗装の舗装構造及び施工方法

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