JPH07138786A - ラミネート鋼板およびその原板 - Google Patents
ラミネート鋼板およびその原板Info
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- JPH07138786A JPH07138786A JP5307225A JP30722593A JPH07138786A JP H07138786 A JPH07138786 A JP H07138786A JP 5307225 A JP5307225 A JP 5307225A JP 30722593 A JP30722593 A JP 30722593A JP H07138786 A JPH07138786 A JP H07138786A
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Abstract
たラミネート鋼板を提供する。 【構成】 鋼板の少なくとも片面に熱可塑性樹脂フィル
ムを被覆したラミネート鋼板であって、鋼板の一方の面
に、めっき量が鋼板側から順次30〜300mg/m2
のクロムめっき層(A)、50〜1000mg/m2 の
錫めっき層(B)、5〜300mg/m2 のクロムめっ
き層(C)、クロム換算で2〜40mg/m2 のクロム
水和酸化物層(D)が形成され、鋼板の他方の面に、め
っき量が鋼板側から順次30〜300mg/m2 のクロ
ムめっき層(E)、クロム換算で2〜40mg/m2 の
クロム水和酸化物層(F)が形成されている。
Description
および耐食性に優れたラミネート鋼板およびその原板に
関するのものである。
ネート鋼板の原板として用いられる表面処理鋼板として
は、例えば、特開平3−236954「スリーピース缶
用フィルム積層鋼帯およびその製造方法」に記載された
ような、Ni、Sn、Crの少なくとも1種をめっきし
た鋼板がある。
鋼板は、従来からある溶接性の改善を主目的として提案
された表面処理鋼板であって、熱可塑性樹脂フィルムと
の密着性の良否について特に検討したものではないた
め、深絞り缶や、缶エンドなど加工の厳しい用途への適
用は困難であった。深絞り缶や、缶エンドなどの加工後
も優れた密着性と耐食性を確保するためには、めっき金
属の種類や厚み、めっき層の加工性等を具体的に検討し
て、めっき皮膜組成の決定が必要とされる。そこで本発
明の目的は、従来の表面処理鋼板の欠点を改善しつつ、
加工後のフィルム密着性および耐食性に優れたラミネー
ト鋼板およびその原板を提供することにある。
ネート鋼板は、鋼板の一方の面に、めっき量が鋼板側か
ら順次30〜300mg/m2 のクロムめっき層
(A)、50〜1000mg/m2 の錫めっき層
(B)、5〜300mg/m2 のクロムめっき層
(C)、クロム換算で2〜40mg/m2 のクロム水和
酸化物層(D)が形成され、鋼板の他方の面に、めっき
量が鋼板側から順次30〜300mg/m2のクロムめ
っき層(E)、クロム換算で2〜40mg/m2のクロ
ム水和酸化物層(F)が形成されていることを特徴とす
る、加工後のフィルム密着性および耐食性に優れたもの
である。また、缶に成形する場合には、前記鋼板の一方
の面を缶の内側とすることが望ましい。さらに前記鋼板
の少なくとも一方の表層に、ニッケル、錫またはクロム
のいずれかの成分またはそれらの合金と前記鋼板との拡
散層が形成されていることが好ましく、前記拡散層中に
含まれているニッケル、錫またはクロムのいずれかの成
分またはそれらの合金の含有量が、50〜600mg/
m2 であることが望ましい。さらにラミネート鋼板の原
板としては、鋼板の一方の面に、鋼板側から順次30〜
300mg/m2 のクロムめっき層(A)、50〜10
00mg/m2 の錫めっき層(B)、5〜300mg/
m2 のクロムめっき層(C)、クロム換算で2〜40m
g/m2 のクロム水和酸化物層(D)が形成され、鋼板
の他方の面に、鋼板側から順次30〜300mg/m2
のクロムめっき層(E)、クロム換算で2〜40mg/
m2 のクロム水和酸化物層(F)が形成されていること
が望ましい。そして、缶の内側と成るべき面が、前記鋼
板の一方の面である原板が望ましく、鋼板の少なくとも
一方の表層に、ニッケル、錫またはクロムのいずれかの
成分またはそれらの合金が前記鋼板へ拡散している拡散
層が形成されていることが望ましい。また、拡散層中に
含まれているニッケル、錫またはクロムのいずれかの成
分またはそれらの合金の含有量が、50〜600mg/
m2 であることが好ましい。
密着性および耐食性に優れており、深絞り缶や、缶エン
ドなど加工の厳しい用途への適用ができる。また、この
ラミネート鋼板の一方の面を缶の内側として成形するこ
とにより、優れた内部耐食性を有する缶ができる(請求
項2)。さらに鋼板の少なくとも一方の表層に、ニッケ
ル、錫またはクロムのいずれかの成分またはそれらの合
金を拡散させることにより、より優れた加工後のフィル
ム密着性および耐食性を有するラミネート鋼板が得られ
る(請求項3および4)。そして請求項5〜8に記載の
原板は、上記ラミネート鋼板用として用いると優れた加
工後のフィルム密着性および耐食性を備えたラミネート
鋼板を提供できる。
する。図1は本発明のラミネート鋼板の一実施例の模式
的断面図である。図1において、10は鋼板、20は熱
可塑性樹脂フィルム、(A)はクロムめっき層、(B)
は錫めっき層、(C)はクロムめっき層、(D)はクロ
ム水和酸化物層であり、(E)はクロムめっき層、
(F)はクロム水和酸化物層である。鋼板10は通常の
低炭素鋼、極低炭素、高炭素鋼などが用いられる。熱可
塑性樹脂フィルム20としては、(1)ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、エチ
レンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリルエステ
ル共重合体、アイオノマー等のオレフィン系樹脂フィル
ム、(2)ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン
テレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエス
テル、(3)ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン1
1、ナイロン12等のポリアミド、(4)ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等をあげることができる。これ
らの熱可塑性樹脂フィルム20は、耐熱性、耐食性、鋼
板との接着性の点において、それぞれ、異なる特徴を有
するが、食缶の内容物に応じて使い分けることができ
る。また、これら熱可塑性樹脂フィルムの原板への密着
性が十分でない場合には、例えば、エポキシ系接着剤、
フェノール系接着剤、アミド系接着剤、ウレタン系接着
剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミド系接
着剤、コポリエステル系接着剤、これらのブレンド物な
どを介在させることもできる。また、熱可塑性樹脂フィ
ルムの厚みは、一般に、3〜50μmの範囲にあること
が望ましい。厚みが3μm以下の場合は被覆作業性が著
しく低下するとともに、ピンホールが発生し易く十分な
加工耐食性が得られない。一方、50μmを超えた場合
は、製缶分野で広く用いられている塗料と比較して経済
的でない。熱可塑性樹脂フィルム20は、原板の両面に
被覆される場合、片面に被覆される場合がある。
300mg/m2 が施されている。望ましくは30〜1
00mg/m2 である。下限を30mg/m2 とする理
由はラミネート時の加熱により錫−鉄合金層が形成され
るのを防ぐためであり、上限を300mg/m2 とする
理由はこれ以上、増やしても効果が飽和し、経済的でな
くなるためである。
00mg/m2 が施されている。望ましくは50〜50
0mg/m2 である。下限を50mg/m2 とする理由
は錫の防食効果が発揮される必要最小限の量であり、上
限を1000mg/m2 とする理由は、錫をこれ以上増
やすと、更なる防食効果は認められるが、錫層と後処理
層間の密着不良を原因とするフィルム剥離が深絞り加工
時に起こり易いためである。したがって、錫めっき層の
めっき量は上記範囲に特定する。
00mg/m2 が施されている。望ましくは5〜100
mg/m2 である。下限を5mg/m2 とする理由は錫
層とクロムめっき層の加工密着性を向上させるためであ
り、上限を300mg/m2 とする理由はこれ以上、増
やしても加工密着性の効果が飽和し、外観が黒味を帯び
るためである。
でめっき量2〜40mg/m2 が施されている。望まし
くは2〜20mg/m2 である。下限を2mg/m2 と
する理由は、これ以下ではフィルムとの密着性に劣るた
めであり、上限を40mg/m2 とする理由は、これ以
上増やしても密着性の効果が飽和し、外観が暗褐色とな
るためである。
g/m2 が施されている。望ましくは30〜100mg
/m2 である。下限を30mg/m2 とする理由は塗装
印刷後の耐食性を持たせるためであり、上限を300m
g/m2 とする理由は、これ以上増やしても耐食性の効
果が飽和し、経済的でなくなるためである。
で2〜40mg/m2 が施されている。望ましくは2〜
20mg/m2 である。下限を2mg/m2 とする理由
は、これ以下ではフィルムとの密着性に劣るためであ
り、上限を40mg/m2 とする理由は、これ以上増や
しても効果が飽和し、外観が暗褐色となるためである。
は、拡散層が形成されているものが好ましい。拡散層を
設ける理由は以下のようである。即ち、上記のように金
属錫による防食効果を本発明では期待するものである
が、厳しい加工を受けると、めっき層は破壊され下地の
基板の露出が多くなる。このような条件下では、防食に
多量の金属錫を必要とするため経済的でなくなる。通
常、冷延鋼板は圧延後に焼鈍処理工程を経るので、少量
のめっきを焼鈍前に鋼板に施せば容易に拡散層を形成さ
せることができる。この拡散層は鋼の電位を貴にする
外、鋼の耐食電流も小さくする傾向があるため、耐食性
向上に寄与するところが大きい。拡散層を形成する金属
としてはSn、Ni、Crなどが好適であり、めっき量
はいずれも50〜600mg/m2 の範囲が適当であ
る。下限を50mg/m2とした理由は、これ以上では
拡散層の効果が明瞭でなくなるからであり、上限を60
0mg/m2 とした理由は、これ以上にすると通常の焼
鈍条件でめっき金属が鋼中に拡散しきれないからであ
る。
製造方法について述べる。まず、鋼板表面を脱脂、酸洗
する。その後、無水クロム酸を主体とした浴に、めっき
助剤として少量の硫酸、硫酸塩、弗酸、弗化物、硅弗化
物のうち1種以上添加した電解クロム酸浴中で、鋼板を
陰極としてクロムめっき層(A)を析出させる。このク
ロムめっき層上にはクロム水和酸化物が必然的に形成さ
れるが、このクロム水和酸化物は、錫めっき層(B)の
電着性を阻害するので極力少なくするようにクロムめっ
き条件を設定しておく必要がある。公知のクロムめっき
技術においてクロム水和酸化物を少なくするめっき条件
は経験上次のことが良く知られており実施も容易であ
る。
で行われているが、濃度を高め(80〜300g/l)
にした方が、クロム水和酸化物の生成は少ない。代表的
な助剤として硫酸を使用する。その他、弗酸、硅弗酸、
ホウ弗酸やそれらのアルカリ金属塩の単独または硫酸と
の併用添加も行われる。一般に弗素系の助剤の方が硫酸
系の助剤よりもクロム水和酸化物の生成を少なくする傾
向がある。助剤の量は、その種類により若干異なってく
るが、クロム酸濃度の1〜10重量%程度が適当であ
る。浴温度は、通常30〜60℃で行われているが、5
0〜60℃と高めにした方がクロム水和酸化物の生成は
少ない傾向にある。陰極電流密度は、通常10から10
0A/dm2 で行われるが、30〜100A/dm2 と
高めの方がクロム水和酸化物の生成は少ない傾向にあ
る。
て、クロム水和酸化物の生成が少なくなる条件を選定
し、更に必要に応じてクロムめっき通電終了後に、同浴
中で数秒間浸漬保持することにより、クロム水和酸化物
は直ちに溶解を開始するので、クロム水和酸化物を2〜
40mg/m2 程度にする事が可能である。このように
して、本発明のクロムめっき層(A)とクロムめっき層
(E)およびクロム水和酸化物層(F)とが一工程で形
成される。クロムめっきに引き続いて錫めっき層(B)
を形成するため、錫めっきが施される。前述したように
錫めっき層(B)の錫めっき量は50〜1000mg/
m2 が適性範囲である。錫めっき後に光沢を付与するた
めのリフロー処理を施しても、施さなくても本発明の効
果に変わりはない。
製造において使用されている公知の錫めっき浴の錫イオ
ン濃度を通常濃度の約1/3以下に選定する。即ち、錫
めっき浴としての酸濃度や添加剤の種類などは、基本的
に公知の錫めっき浴である硫酸第一錫浴、塩化第一錫浴
で用いられているものと同じであるが、本発明において
は、錫イオン濃度を下げ、錫析出電流効率を約60%以
下とする必要がある。電流効率を下げることにより、ク
ロムめっき表面での水素発生が激しくなり、クロム水和
酸化物が剥離してクロムめっき表面は著しく活性化さ
れ、錫の良好な電着がクロムめっき層上に達成されると
推定される。例えば、硫酸第一錫浴の場合は通常錫イオ
ン濃度として20〜30g/l以上で使用されている
が、クロムめっき上に適用するに際しては錫濃度を10
g/l以下とすることにより実施でき、めっき条件とし
ては例えば、下記の通りである。
っき層(B)が一方の面にのみ形成されていることであ
る。他方の面に錫が析出するのを防止するためには、電
流の裏回りをエッジマスクで防止するなどの工夫が必要
である。クロムめっき層(C)およびクロム水和酸化物
層(D)の形成は通常のクロメート処理法が使用され
る。例えば、クロム酸、重クロム酸塩(重クロム酸ソー
ダ、重クロム酸カリ、重クロム酸アンモン)などの水溶
液中で陰極電解する。なお、上記の浴においてクロム水
和酸化物の析出効率のために、少量の硫酸、弗化物など
通常クロムめっきで使われている助剤を加えることもで
きる。この場合、同時に金属クロムも析出するが本発明
の特性を阻害するものではない。クロム酸、重クロム酸
塩を使用し、助剤を全く添加しない場合は、Cr+6濃
度:5〜30g/l、温度:30〜70℃、陰極電流密
度:1〜50A/dm2 、電気量:1〜40クーロン/
dm2 で処理される。クロム酸を使用し助剤を添加する
場合は、CrO3 濃度を10〜50g/lとし、助剤は
クロム酸濃度に対して0.2〜1重量%添加する。浴温
度は30〜60℃、陰極電流密度は5〜100A/dm
2 、電気量は0.5〜50クーロン/dm2 でそれぞれ
処理される。
ケル、錫、クロムのめっき方法は、公知のめっき方法が
用いられる。例えば、錫拡散層を形成させるには、フェ
ロスタン浴を用いるのが好ましく、浴温は30〜60
℃、電流密度は1〜10A/dm2 が好適である。また
ニッケル拡散層を形成させるには、ワット浴を用いるの
が好ましく、浴温は30〜50℃、電流密度は1〜20
A/dm2 が好適である。さらに、クロム拡散層を形成
させるには、無水クロム酸浴に硫酸あるいはフッ化物の
助剤を加えた浴が好適であり、浴温は30〜60℃、電
流密度は10〜100A/dm2 が好適である。
に説明する。 (実施例1)板厚0.16mmの冷延鋼板を通常の方法
で電解脱脂、酸洗した後、CrO3:100g/l、N
aF:5g/lのクロムめっき浴を用い、浴温度:45
℃、電流密度:50A/dm2 で、100mg/m2 の
金属クロムを板の両面にめっきした。すなわち、クロム
めっき層(A)、クロムめっき層(E)およびクロム水
和酸化物層(F)を形成した。その後、直ちに硫酸第一
錫5g/l(錫イオンとして)、硫酸20g/l、エト
キシ化αナフトール:5g/l、浴温:45℃の錫めっ
き浴中で、クロムめっき層(A)の上部に電気量0.1
5クーロン/dm2 を通電し、500mg/m2 の錫め
っき層(B)を形成させた。更に引き続いて、CrO
3 :30g/l、硫酸:0.20g/l、浴温度:60
℃の後処理浴を用いて、錫めっき層(B)の上部に電気
量:4クーロン/dm2 を通電し、10mg/m2 のク
ロムめっき層(C)と8mg/m2 のクロム水和酸化物
層(D)を形成させた原板を製造した。さらにこの原板
のクロム水和酸化物層(D)の上にポリエチレンテレフ
タレート/イソフタレート共重合樹脂フィルムを250
℃で熱融着させた。
2 の錫めっきを施し、600〜750℃、30秒〜3分
の熱処理条件で焼鈍炉中でめっき錫を鋼板表面に拡散さ
せた。その後実施例1と同様に、30mg/m2 の金属
クロムを、板の両面に直ちにめっきした(クロムめっき
層(A)、クロムめっき層(E)およびクロム水和酸化
物層(F)を形成)。さらにその後実施例1と同様、錫
めっき浴で100mg/m2 の錫めっき層(B)を片面
に形成させ、引き続いて実施例1と同様の後処理浴を用
いて50mg/m2 のクロムめっき層(C)と15mg
/m2 のクロム水和酸化物層(D)を、錫めっき層
(B)上に形成させた原板を製造した。さらにこの原板
の両面上にポリエチレンテレフタレート/イソフタレー
ト共重合樹脂フィルムを250℃で熱融着させた。
のクロムめっきを施し、600〜750℃、30秒〜3
分の熱処理条件で焼鈍炉中で金属クロムを鋼板の表面に
拡散させた。続いて実施例1と同様のクロムめっき浴
で、30mg/m2 の金属クロムを、板の両面に直ちに
めっきした(クロムめっき層(A)、クロムめっき層
(E)およびクロム水和酸化物層(F)を形成)。さら
にその後実施例1と同様、錫めっき浴で500mg/m
2 の錫めっき層(B)を片面に形成させ、引き続いて実
施例1と同様の後処理浴を用いて5mg/m2 のクロム
めっき層(C)と2mg/m2 のクロム水和酸化物層
(D)を、錫めっき層(B)上に形成させた原板を製造
した。さらにこの原板のクロム水和酸化物層(D)の上
にポリエチレンテレフタレートフィルムを熱融着で接着
した。
2 のニッケルめっきを施し、600〜750℃、30秒
〜3分の熱処理条件で焼鈍炉中でNiを鋼板の表面に拡
散させた。続いて実施例1と同様のクロムめっき浴で、
300mg/m2 の金属クロムをめっきした(クロムめ
っき層(A)、クロムめっき層(E)およびクロム水和
酸化物層(F)を形成)。その後直ちに実施例1と同
様、錫めっき浴で100mg/m2 の錫めっき層(B)
を片面に形成させ、引き続いて実施例1と同様の後処理
浴を用いて300mg/m2 のクロムめっき層(C)と
40mg/m2 のクロム水和酸化物層(D)を、錫めっ
き層(B)上に形成させた原板を製造した。さらにこの
原板のクロム水和酸化物層(D)の上にポリエチレンテ
レフタレートフィルムを熱融着で接着した。
2 のクロムめっきを施した後、その上に200mg/m
2 の錫めっきを施し、600〜750℃、30秒〜3分
の熱処理条件で焼鈍炉中で鋼板の表面にクロム−錫拡散
層を形成させた。その後実施例1と同様に、100mg
/m2 の金属クロムをめっきした(クロムめっき層
(A)、クロムめっき層(E)およびクロム水和酸化物
層(F)を形成)。その後直ちに実施例1と同様、錫め
っき浴で1000mg/m2 の錫めっき層(B)を片面
に形成させ、引き続いて実施例1と同様の後処理浴を用
いて8mg/m2 のクロムめっき層(C)と20mg/
m2 のクロム水和酸化物層(D)を、錫めっき層(B)
上に形成させた原板を製造した。さらにこの原板の両面
上にポリエチレンテレフタレートフィルムを熱融着で接
着した。
2 のニッケルめっきを施した後、その上に150mg/
m2 の錫めっきを施し、600〜750℃、30秒〜3
分の熱処理条件で焼鈍炉中で鋼板の表面にニッケル−錫
拡散層を形成させた。その後実施例1と同様に、200
mg/m2 の金属クロムをめっきした(クロムめっき層
(A)、クロムめっき層(E)およびクロム水和酸化物
層(F)を形成)。さらにその後直ちに実施例1と同
様、錫めっき浴で100mg/m2 の錫めっき層(B)
を片面に形成させ、引き続いて実施例1と同様の後処理
浴を用いて30mg/m2 のクロムめっき層(C)と1
5mg/m2 のクロム水和酸化物層(D)を、錫めっき
層(B)上に形成させた原板を製造した。さらにこの原
板の両面上にポリエチレンテレフタレートフィルムを熱
融着で接着した。
2 のニッケルめっきを施した後、その上に100mg/
m2 のクロムめっきを施し、600〜750℃、30秒
〜3分の熱処理条件で焼鈍炉中で鋼板の表面にニッケル
−クロム拡散層を形成させた。その後実施例1と同様
に、150mg/m2 の金属クロムをめっきした(クロ
ムめっき層(A)、クロムめっき層(E)およびクロム
水和酸化物層(F)を形成)。さらにその後直ちに実施
例1と同様、錫めっき浴で500mg/m2 の錫めっき
層(B)を片面に形成させ、引き続いて実施例1と同様
の後処理浴を用いて100mg/m2 のクロムめっき層
(C)と8mg/m2 のクロム水和酸化物層(D)を、
錫めっき層(B)上に形成させた原板を製造した。さら
にこの原板の両面上に酸変性ポリプロピレンフィルムを
熱融着で接着した。
形成 板厚0.16mmの冷延鋼板の両面に、150mg/m
2 のニッケルめっきを施した後、その上に150mg/
m2 のクロムめっきを施し、さらにその上に300mg
/m2 の錫めっきを施し、600〜750℃、30秒〜
3分の熱処理条件で焼鈍炉中で鋼板の表面にニッケル−
クロム−錫拡散層を形成させた。その後実施例1と同様
に、30mg/m2 の金属クロムをめっきした(クロム
めっき層(A)、クロムめっき層(E)およびクロム水
和酸化物層(F)を形成)。さらにその後直ちに実施例
1と同様、錫めっき浴で50mg/m2 の錫めっき層
(B)を片面に形成させ、引き続いて実施例1と同様の
後処理浴を用いて15mg/m2 のクロムめっき層
(C)と5mg/m2 のクロム水和酸化物層(D)を、
錫めっき層(B)上に形成させた原板を製造した。さら
にこの原板の両面上に共重合ポリエステルフィルムを熱
融着で接着した。
略した原板を製造した。また、比較例2として、実施例
2と同様の錫拡散層を形成させた後、通常のクロム酸処
理でクロムめっき層とクロム水和酸化物層を形成させた
原板を製造した。これらの原板にポリエチレンテレフタ
レート/イソフタレート共重合樹脂フィルムを250℃
で熱融着させた。
にして示した。評価結果についても表1に示す。
た。 (1).フィルム密着性 熱可塑性樹脂フィルムをラミネートした試料を、絞り比
2.8の深絞り缶に加工した。加工後のフランジ部から
のフィルム剥離の有無で、フィルム密着性を評価した。
本発明のラミネート鋼板はいずれもフィルムの剥離がみ
られず優れた結果が得られた。これに比べ、比較例1の
ラミネート鋼板は缶上部より40mm剥離が生じた。 (2).耐食性 前記(1)のフィルム密着性の欄で述べたと同様の条件
で製缶後、缶胴中央部を切り出し、5℃で硬球による落
下デントをしてフィルムに微細なクラックを与えた後、
1.5%クエン酸+1.5%食塩のモデル試験液に38
℃、1週間浸漬後の溶出鉄量を測定した。本発明のラミ
ネート鋼板はいずれも溶出鉄量の値が低く優れた結果が
得られた。これに比べ、比較例2のラミネート鋼板は溶
出鉄量の値が高く劣っている。
ィルム密着性および耐食性に優れており、深絞り缶や、
缶エンドなど加工の厳しい用途への適用ができる。ま
た、このラミネート鋼板の一方の面を缶の内側として成
形することにより、優れた内部耐食性を有する缶ができ
る。さらに鋼板の少なくとも一方の表層に、ニッケル、
錫またはクロムのいずれかの成分またはそれらの合金を
冷延鋼板へ拡散させることにより、より優れた加工後の
フィルム密着性および耐食性を有するラミネート鋼板が
得られる。そして本発明の原板をラミネート鋼板用とし
て用いると、優れた加工後のフィルム密着性および耐食
性を備えたラミネート鋼板を提供できる。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 鋼板の少なくとも片面に熱可塑性樹脂フ
ィルムを被覆したラミネート鋼板であって、鋼板の一方
の面に、めっき量が鋼板側から順次30〜300mg/
m2 のクロムめっき層(A)、50〜1000mg/m
2 の錫めっき層(B)、5〜300mg/m2 のクロム
めっき層(C)、クロム換算で2〜40mg/m2 のク
ロム水和酸化物層(D)が形成され、鋼板の他方の面
に、めっき量が鋼板側から順次30〜300mg/m2
のクロムめっき層(E)、クロム換算で2〜40mg/
m2 のクロム水和酸化物層(F)が形成されていること
を特徴とする、加工後のフィルム密着性および耐食性に
優れたラミネート鋼板。 - 【請求項2】 缶の内側と成るべき面が、前記鋼板の一
方の面である請求項1記載のラミネート鋼板。 - 【請求項3】 前記鋼板の少なくとも一方の表層に、ニ
ッケル、錫またはクロムのいずれかの成分またはそれら
の合金が前記鋼板へ拡散している拡散層が形成されてい
る請求項1または2記載のラミネート鋼板。 - 【請求項4】 前記拡散層中に含まれているニッケル、
錫またはクロムのいずれかの成分またはそれらの合金の
含有量が、50〜600mg/m2 である請求項3記載
のラミネート鋼板。 - 【請求項5】 鋼板の少なくとも片面に熱可塑性樹脂フ
ィルムを被覆したラミネート鋼板用の原板であって、鋼
板の一方の面に、めっき量が鋼板側から順次30〜30
0mg/m2 のクロムめっき層(A)、50〜1000
mg/m2 の錫めっき層(B)、5〜300mg/m2
のクロムめっき層(C)、クロム換算で2〜40mg/
m2 のクロム水和酸化物層(D)が形成され、鋼板の他
方の面に、めっき量が鋼板側から順次30〜300mg
/m2 のクロムめっき層(E)、クロム換算で2〜40
mg/m2 のクロム水和酸化物層(F)が形成されてい
ることを特徴とする、加工後のフィルム密着性および耐
食性に優れたラミネート鋼板用の原板。 - 【請求項6】 缶の内側と成るべき面が、前記鋼板の一
方の面である請求項5記載のラミネート鋼板用の原板。 - 【請求項7】 前記鋼板の少なくとも一方の表層に、ニ
ッケル、錫またはクロムのいずれかの成分またはそれら
の合金が前記鋼板へ拡散している拡散層が形成されてい
る請求項5または6記載のラミネート鋼板用の原板。 - 【請求項8】 前記拡散層中に含まれているニッケル、
錫またはクロムのいずれかの成分またはそれらの合金の
含有量が、50〜600mg/m2 である請求項7記載
のラミネート鋼板用の原板。
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997016582A1 (fr) * | 1995-11-02 | 1997-05-09 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Processus de production de tole d'acier laminee, tole d'acier laminee et tole d'acier ayant subi un traitement de surface utilisee dans ce processus |
WO2001004380A1 (fr) * | 1999-07-08 | 2001-01-18 | Nippon Steel Corporation | Tole en acier pour contenant feuillete et procede de fabrication de boite l'utilisant et boite associee |
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JPH05177763A (ja) * | 1991-12-27 | 1993-07-20 | Nkk Corp | 溶接缶用ラミネート鋼板 |
-
1993
- 1993-11-11 JP JP05307225A patent/JP3093917B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JP3093917B2 (ja) | 2000-10-03 |
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