JPH07138352A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH07138352A
JPH07138352A JP30750593A JP30750593A JPH07138352A JP H07138352 A JPH07138352 A JP H07138352A JP 30750593 A JP30750593 A JP 30750593A JP 30750593 A JP30750593 A JP 30750593A JP H07138352 A JPH07138352 A JP H07138352A
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divalent
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JP30750593A
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Tomoki Hiiro
知樹 日色
Haruo Tomita
春生 冨田
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I)で示される芳香族ジオールと、
一般式(II)で示されるジカルボン酸を重縮合反応せし
めてポリエステルを製造するに際し、一般式(III)で示
される環状のカルボン酸無水物の存在下で重縮合反応せ
しめることを特徴とするポリエステルの製造方法。 【化1】HO−R1 −OH (I) 【化2】HOOC−R2 −COOH (II) 【化3】 〔(I)式中のR1 は2価の芳香族炭化水素基等、(I
I)式中のR2 は炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水
素基等、(III)式中のR3 は炭素数6〜20の2価の芳
香族炭化水素基等を示す。〕 【効果】 着色度が少なく、ガラス転移温度が高く耐熱
性に優れたポリエステルが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリエステルの製
造方法に関するものである。更に詳しくは、芳香族ジオ
ールとジカルボン酸を重縮合反応せしめてポリエステル
を製造するに際し、環状のカルボン酸無水物の存在下で
重縮合反応せしめることを特徴とするポリエステルの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルを製造する方法は
種々知られているが、最も一般的な方法は、ジカルボン
酸とジオールを触媒の存在下で溶融重縮合反応させるも
のである。しかし、該方法はジオールとしてエチレング
リコール等に代表される脂肪族のジオールを用いるポリ
エステルの製造には有効であるものの、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)等に代表される芳香族のジオールを用いるポリエス
テルの製造においては、芳香族のジオールの反応性が乏
しく、重合度の高いポリエステルを得ようとすると、厳
しい条件での反応が必要となり、その結果得られたポリ
マーの着色が激しいという問題があった。
【0003】このような問題を回避するために、ジオー
ルをアセチル化する方法が知られている。この方法は、
芳香族のジオールを無水酢酸によりアセチル化し、重縮
合反応において酢酸を脱離させることにより反応性を高
めたものである。しかしながら、この方法では温和な条
件での重合が可能であるためポリマーの着色は低減でき
るもの、大量の無水酢酸使用すること、また副生した酢
酸の回収が必要であること等コスト的に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のポリエステルの製造方法が有する欠点を克服し、
安価で低着色であるポリエステルの新規製造方法を提供
することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、芳香族ジオール
とジカルボン酸の重縮合反応において、環状のカルボン
酸無水物を共存させることにより、重合度が高く、着色
の少ないポリエステルが製造可能であり、その目的を達
成しうることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の第1は、一般式(I)
で示される芳香族ジオールと、一般式(II)で示される
ジカルボン酸を重縮合反応せしめてポリエステルを製造
するに際し、一般式(III)で示される環状のカルボン酸
無水物の存在下で重縮合反応せしめることを特徴とする
ポリエステルの製造方法を内容とする。
【0007】
【化5】HO−R1 −OH (I)
【0008】
【化6】HOOC−R2 −COOH (II)
【0009】
【化7】
【0010】〔(I)式中のR1 は2価の芳香族炭化水
素基、R4 −X−R5 基(但し、R4及びR5 は2価の
芳香族炭化水素基であり、Xは酸素原子、硫黄原子、ス
ルホニル基、カルボニル基、炭化水素基、エステル基又
は直接結合を示す。)を示し(但し、芳香族環の水素原
子はハロゲン原子、炭化水素基、アルコキシ基又はフェ
ノキシ基等で置換されていてもよい。)、(II)式中の
2 は炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基、炭素
数4〜20の2価の脂環式炭化水素基又は/及び炭素数
1〜40の2価の脂肪族炭化水酸化基(但し、芳香族炭
化水素基の芳香族環の水素原子はハロゲン原子、炭素数
1〜4のアルキル又はアルコキシ基で置換されていても
よい。)を示し、(III)式中のR3 は炭素数6〜20の
2価の芳香族炭化水素基、炭素数2〜20の2価の脂肪
族炭化水素基又は/及び炭素数4〜20の脂環式炭化水
素基を示す。〕。
【0011】本発明の第2は、一般式(I)で示される
芳香族ジオール0〜0.999当量と、一般式(I)で
示される芳香族ジオールと一般式(III)で表される環状
のカルボン酸無水物を反応せしめて得られる、一般式
(IV)で示される芳香族ジエステル1〜0.001当量
とからなる混合物と、一般式(II)で示されるジカルボ
ン酸を重縮合反応せしめることを特徴とするポリエステ
ルの製造方法を内容とする。
【0012】
【化8】
【0013】〔式中、R1 及びR3 は一般式(I)及び
(III)におけると同義〕。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、原料として使用される芳香族ジオールは、上記
一般式(I)で表される化合物である。かかる芳香族ジ
オールの具体例としては、例えば、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キシルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、
4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビス
フェノールA等が挙げられる。
【0015】その他の芳香族ジオールの具体例として
は、例えばジヒドロキシジフェニル、ハイドロキノン、
レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキ
シアントラセン、フェノールフタレイン、フェルオレセ
イン、2,2′−ジヒドロキシ−1,1−ジナフチルメ
タン、4,4′−ジヒドロキシジナフチル等が挙げられ
る。これらのジオールはそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これ
らの中で物性面、コスト面からビスフェノールAを用い
ることが特に好ましい。
【0016】もう一つの原料であるジカルボン酸は、上
記一般式(II)で表される化合物である。かかるジカル
ボン酸の具体例としては、テレフタル酸、メトキシテレ
フタル酸、エトキシテレフタル酸、フルオロテレフタル
酸、クロロテレフタル酸、メチルテレフタル酸、イソフ
タル酸、フタル酸、メトキシイソフタル酸、ジフェニル
メタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−
3,3′−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,
4′−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボ
ン酸、ナフタリン−1,5−ジカルボン酸、ナフタリン
−1,4−ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ア
ゼライン酸、スベリン酸、ドデカンジカルボン酸、3−
メチルアゼライン酸、グルタル酸、コハク酸、シクロヘ
キサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,
3−ジカルボン酸、シクロペンタン−1,3−ジカルボ
ン酸などが挙げられる。これらは単独で用いてもよい
し、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中
で、物性面、コスト面からテレフタル酸、イソフタル酸
を用いるのが特に好ましい。
【0017】本発明において使用される環状カルボン酸
の無水物は、上記一般式(III)で表される化合物であ
る。かかる環状カルボン酸の無水物の具体例としては、
無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水2,2−ジメ
チルコハク酸、無水2,3−ジメチルコハク酸、無水フ
ェニルコハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、
無水ジメチルマレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタ
ル酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水
メチルヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフラン
酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メ
チルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸などが挙げら
れる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。これらの中で、入手のしやすさ、コ
スト面から無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク
酸を用いるのが特に好ましい。
【0018】本発明のポリエステルの製造方法は、芳香
族ジオールとジカルボン酸の重縮合反応を環状の無水カ
ルボン酸の存在下で行なうことを特徴としている。本発
明において、環状の無水カルボン酸は、重縮合反応に先
だって芳香族ジオールと反応し、芳香族ジオールのエス
テルを生成するものと考えられる。さらに、ここで生成
した芳香族ジエステルとジカルボン酸の反応により、目
的とするポリエステルが生成するとともに、環状の無水
カルボン酸が開環したジカルボン酸を与えるものと考え
られる。芳香族ジエステルとジカルボン酸の反応は、芳
香族ジオールとジカルボン酸の反応に比べ進行し易く、
より温和な条件での重合が可能であるため、生成するポ
リエステルは低着色性となる。また、ここで副生したジ
カルボン酸は、加熱することにより容易に脱水し、出発
原料である環状の無水カルボン酸を再生するため、回収
したジカルボン酸は再度重縮合に利用することが可能で
ありコスト的にも有利である。
【0019】さらに、上述の副生したジカルボン酸から
の脱水反応は重合系中でも進行することから、環状のカ
ルボン酸無水物の使用量を化学量論量以下(触媒量)と
することも可能である。このような無水カルボン酸を触
媒量使用する系では、原料コストが抑えられるばかりで
なく、回収に要するコストも低下するため、コスト的に
は更に有利となる。コストと反応速度のバランスから、
このような触媒反応系でのカルボン酸無水物の使用量
は、好ましくは芳香族ジオールに対し0.001〜2当
量、より好ましくは0.01〜0.5当量の範囲であ
る。
【0020】また、本発明においては、出発原料とし
て、一般式(I)で示される芳香族ジオールと、一般式
(I)で示される芳香族ジオールと一般式(III)で表さ
れる環状のカルボン酸無水物を反応せしめて得られる、
上記一般式(IV)で示される芳香族ジエステルを併用し
てもよい。一般式(I)で示される芳香族ジオールと一
般式(IV)で示される芳香族ジエステルの使用量は、モ
ル比で0:100〜999:1(芳香族ジオール:芳香
族ジエステル)の範囲から選ぶことができるが、コスト
と反応速度のバランスから1:1〜99:1が好まし
い。芳香族ジエステルは、芳香族ジオールと環状のカル
ボン酸無水物を溶媒中あるいは無溶媒で0〜150℃に
加熱することで合成することができる。また、この反応
は、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン
化合物、亜鉛化合物、錫化合物、アンチモン化合物、マ
ンガン化合物等によって促進してもよい。
【0021】本発明のポリエステルの製造方法として
は、一般に知られた種々の方法で行なうことができる。
例えば、均一溶液中でのエステル交換法、溶融エステル
交換法等が挙げられ、また、バッチ式、連続式のいずれ
の方法で行なってもよい。この中でも、溶融エステル交
換法が好ましい。
【0022】また、エステル交換反応を効率よく進行さ
せるために、生成するジカルボン酸を系外に除去しなが
ら反応を行なってもよい。また、触媒量の環状カルボン
酸無水物を使用する場合には、副生したジカルボン酸か
ら脱離する水を系外に除去することによって、カルボン
酸無水物が再生し、更に反応が進行する。溶融エステル
交換法においては、適当な補助溶媒、例えば、ジフェニ
ルエーテル、置換されたシクロヘキサン、デカヒドロナ
フタレン等を使用してもよい。また、この反応は、例え
ば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン化合物、
亜鉛化合物、錫化合物、アンチモン化合物、マンガン化
合物等によって促進してもよい。これらの化合物は、芳
香族ジオールと無水カルボン酸のエステル化反応、及び
芳香族ジエステルとジカルボン酸の重縮合反応を促進す
る。
【0023】また、本発明においては、種々の性質を付
与するために、種々の化合物を加えてもよい。例えば、
粘度を調節するために分岐剤等を用いることも可能であ
る。また、低着色のポリエステルを得るために、例え
ば、酸化防止剤等を加えてもよい。また、本発明におい
ては、分子量調節及び末端封止のために、一官能性のフ
ェノール又は/及び一官能性のカルボン酸を少量添加し
てもよい。
【0024】本発明により得られるポリエステルの重量
平均分子量は、ポリスチレン換算で3000〜1500
00の範囲が好ましく、30000〜100000の範
囲が更に好ましい。また、本発明により得られるポリエ
ステルには、染料、顔料、安定剤、防炎剤、難燃剤、充
填剤、及び強化物質、例えばガラス繊維、炭素繊維、あ
るいは、その他の助剤を含有させてもよい。その添加量
は、目的とする用途に応じて適宜決定される。本発明に
より得られるポリエステルは、形状のある物品、繊維、
フィラメント及びフィルム等の製造のために使用してよ
い。本発明により得られるポリエステルは、耐熱性、強
さ(toughness)、耐加水分解性、耐クリープ性、耐応力
亀裂性等に優れており、これらが要求される分野、例え
ば、電気分野、照明分野、並びに自動車分野等に特に好
適である。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく
説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更実
施可能である。
【0026】なお、ポリマーの特性は、次に示す方法に
従って測定した。 (1)ポリマーの重量平均分子量〔Mw〕 Waters社製510型GPCシステムを用い、クロ
ロホルム溶媒中、ポリマー濃度2mg/mlでカラム温度3
5℃で測定した。重量平均分子量は、ポリスチレンを標
準試料として用い算出した。 (2)ポリマーのガラス転移温度〔Tg〕 Perkin−Elmer社製DSC−7示差走査熱量
計を用い、窒素気流中、昇温速度20℃/min の条件で
測定した。 (3)ポリマーの黄色度指数〔YI〕 日本電色工業製Z−Σ80色差計を用い、JISK70
13に基づき透過法により測定した。
【0027】実施例1 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス反応容器
に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
228.3g(1.0モル)、無水マレイン酸196g
(2.0モル)、テレフタル酸83g(0.5モル)、
イソフタル酸83g(0.5モル)、チタニウム(IV)
ブトキシド170.1mg(0.5ミリモル)を仕込み、
窒素置換した後、窒素フローの状態でオイルバスで20
0℃に加熱した。その後、20mmHgまで圧力を下げその
まま30分間保持した。300℃まで2時間かけて昇温
し、1時間後に圧力が2.0mmHgになった時点で、反応
を終了した。反応混合物を塩化メチレンに溶解し、アセ
トンを加えることにより、ポリマー330gを得た。得
られたポリマーの分子量(重量平均分子量)はGPC測
定より49000(ポリスチレン換算)、ガラス転位温
度はDSC測定から194℃であった。また、得られた
ポリエステルの1/8インチ成形品の黄色度指数(Y.
I.)は28であった。
【0028】実施例2 攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラス反応容器
に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
228.3g(1.0モル)、無水マレイン酸19.6
g(0.2モル)、テレフタル酸83g(0.5モ
ル)、イソフタル酸83g(0.5モル)、チタニウム
(IV)ブトキシド170.1mg(0.5ミリモル)を仕
込み、窒素置換した後、窒素フローの状態でオイルバス
で200℃に加熱した。その後、20mmHgまで圧力を下
げそのまま30分間保持した。320℃まで2時間かけ
て昇温し、1時間後に圧力が2.0mmHgになった時点
で、反応を終了した。反応混合物を塩化メチレンに溶解
し、アセトンを加えることにより、ポリマー310gを
得た。得られたポリマーの分子量(重量平均分子量)は
GPC測定より48000(ポリスチレン換算)、ガラ
ス転位温度はDSC測定から192℃であった。また、
得られたポリエステルの1/8インチ成形品の黄色度指
数(Y.I.)は28であった。
【0029】実施例3 攪拌翼、窒素導入口を備えたガラス反応容器に、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228.3
g(1.0モル)に1N水酸化ナトリウム水溶液1リッ
トルを加え、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンが溶解するまで、窒素気流中10分間攪拌し
た。無水マレイン酸196g(2.0モル)を加え、無
水マレイン酸が溶解するするまで20分間攪拌した。完
全に溶解した後、反応混合物を氷冷した1N塩酸1.2
リットルに注ぎ、析出した白色固体を濾過し、乾燥後、
360gの化合物を得た。
【0030】
【化9】
【0031】攪拌翼、窒素導入口、減圧口を備えたガラ
ス反応容器に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン216.9g(0.95モル)、化合物
21.4g(0.05モル)、テレフタル酸83g
(0.5モル)、イソフタル酸83g(0.5モル)、
チタニウム(IV)ブトキシド170.1mg(0.5ミリ
モル)を仕込み、窒素置換した後、窒素フローの状態で
オイルバスで200℃に加熱した。その後、20mmHgま
で圧力を下げそのまま30分間保持した。320℃まで
2時間かけて昇温し、1時間後に圧力が2.0mmHgにな
った時点で、反応を終了した。反応混合物を塩化メチレ
ンに溶解し、アセトンを加えることにより、ポリマー3
00gを得た。得られたポリマーの分子量(重量平均分
子量)はGPC測定より49000(ポリスチレン換
算)、ガラス転位温度はDSC測定から191℃であっ
た。また、得られたポリエステルの1/8インチ成形品
の黄色度指数(Y.I.)は29であった。
【0032】比較例1 実施例2において、無水マレイン酸を使用しない他は同
様に重合した。得られたポリマーの分子量(重量平均分
子量)はGPC測定より28000(ポリスチレン換
算)、ガラス転位温度はDSC測定から183℃であっ
た。また、得られたポリエステルの1/8インチ成形品
の黄色度指数(Y.I.)は168であった。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
着色度が少なく、ガラス転位温度が高く耐熱性に優れた
新規ポリエステルが、簡便で安価な方法で製造可能であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で示される芳香族ジオール
    と、一般式(II)で示されるジカルボン酸を重縮合反応
    せしめてポリエステルを製造するに際し、一般式(III)
    で示される環状のカルボン酸無水物の存在下で重縮合反
    応せしめることを特徴とするポリエステルの製造方法。 【化1】HO−R1 −OH (I) 【化2】HOOC−R2 −COOH (II) 【化3】 〔(I)式中のR1 は2価の芳香族炭化水素基、R4
    X−R5 基(但し、R4及びR5 は2価の芳香族炭化水
    素基であり、Xは酸素原子、硫黄原子、スルホニル基、
    カルボニル基、炭化水素基、エステル基又は直接結合を
    示す。)を示し(但し、芳香族環の水素原子はハロゲン
    原子、炭化水素基、アルコキシ基又はフェノキシ基等で
    置換されていてもよい。)、(II)式中のR2 は炭素数
    6〜20の2価の芳香族炭化水素基、炭素数4〜20の
    2価の脂環式炭化水素基又は/及び炭素数1〜40の2
    価の脂肪族炭化水酸化基(但し、芳香族炭化水素基の芳
    香族環の水素原子はハロゲン原子、炭素数1〜4のアル
    キル又はアルコキシ基で置換されていてもよい。)を示
    し、(III)式中のR3 は炭素数6〜20の2価の芳香族
    炭化水素基、炭素数2〜20の2価の脂肪族炭化水素基
    又は/及び炭素数4〜20の脂環式炭化水素基を示
    す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(III)で示される環状のカルボン
    酸無水物の使用量が、一般式(I)で示される芳香族ジ
    オールに対し0.001〜2当量である請求項1記載の
    ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で示される芳香族ジオール
    が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンで
    あり、一般式(II)で示されるジカルボン酸がテレフタ
    ル酸又は/及びイソフタル酸である請求項1記載のポリ
    エステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(III)で示される環状のカルボン
    酸無水物が無水マレイン酸、無水フタル酸及び無水コハ
    ク酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求
    項1記載のポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で示される芳香族ジオール
    0〜0.999当量と、一般式(I)で示される芳香族
    ジオールと一般式(III)で表される環状のカルボン酸無
    水物を反応せしめて得られる、一般式(IV)で示される
    芳香族ジエステル1〜0.001当量とからなる混合物
    と、一般式(II)で示されるジカルボン酸を重縮合反応
    せしめることを特徴とするポリエステルの製造方法。 【化4】 〔式中、R1 及びR3 は一般式(I)及び(III)におけ
    ると同義〕
JP30750593A 1993-11-12 1993-11-12 ポリエステルの製造方法 Withdrawn JPH07138352A (ja)

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