JPH07138224A - ビニルスルホン酸ソーダ水溶液の製造方法 - Google Patents

ビニルスルホン酸ソーダ水溶液の製造方法

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JPH07138224A
JPH07138224A JP28803893A JP28803893A JPH07138224A JP H07138224 A JPH07138224 A JP H07138224A JP 28803893 A JP28803893 A JP 28803893A JP 28803893 A JP28803893 A JP 28803893A JP H07138224 A JPH07138224 A JP H07138224A
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sodium
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vsm
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Toru Matsuoka
亨 松岡
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Abstract

(57)【要約】 【構成】β−クロロエタンスルホン酸ソーダと苛性ソー
ダとを反応させて得られた、副生食塩を含むビニルスル
ホン酸ソーダ水溶液に、0〜常温の低温度域で食塩より
著しく低い溶解度を有し、常温〜70℃の高温度域で食
塩より高い溶解度を有する化合物を添加し、初めに、ビ
ニルスルホン酸ソーダ濃度が40〜60%に濃度が高め
られた状態で、当該水溶液温度を常温〜70℃の高温度
域に保ち、食塩を晶出させて除き、次いで冷却して、0
〜常温の低温度域で先に添加した化合物を晶出させて除
くことを特徴とするビニルスルホン酸ソーダ水溶液の製
造方法。 【効果】本発明の技術によりたる場合、副生食塩、添加
化合物等狭雑物が高度に除かれたVSM(Na)水溶液
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、β−クロロエタンスル
ホン酸ソーダを原料として、これを苛性ソーダと反応さ
せて得られる副生食塩が除去され、高度に純化されたビ
ニルスルホン酸ソーダ水溶液の製造方法に関する。
【0002】このビニルスルホン酸ソーダは水溶性を有
する重合性化合物であり、アクリル繊維の染色改良剤と
して利用されており、また、その他の重合性化合物の重
合に際し、反応性乳化剤としても利用され、その他、メ
ッキの光耀を増す助剤として、あるいは、写真用助剤等
広範な用途を有する有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】ビニルスルホン酸ソーダ(以下、VSM
(Na)と記す。)は水に対する溶解度が65〜70%
と高く、非常に水溶性に富む化合物であるが、濃度が高
いと重合劣化しやすい。これが為、その長期貯蔵安定性
も勘案し、通常pH=9〜13の約25%水溶液として
市販されている。
【0004】製造方法としては従来以下の方法が知られ
ている。
【0005】(1)カルビルサルフェート法 (D.S.Brealow,Encyc.Polym.Sci.&. Eng.,1986,vol.6,P
564-70,wiley Inter.Sci.,)
【0006】
【化1】
【0007】(2)β−クロロエタンスルホン酸ソーダ
法(同上)
【0008】
【化2】
【0009】(1)の製造法はエチレンと無水硫酸から
合成された固形カルビルサルフェートと25%苛性ソー
ダ水溶液から芒硝の副生を伴って合成され、この合成水
溶液を0℃に冷却し、副生芒硝をその10水塩として晶
出させて除くことにより製造される。
【0010】同法によりたる場合、副生芒硝はほぼ完全
に除去できるが、文献(J.Am.Chem.Soc., Vol.79, p.50
00〜2(1957) )に記載されているように、原料カルビル
サルフェートはエチレンと無水硫酸を気相で反応させ、
強酸性の生成カルビルフェートは固体で生成するので、
その製造には困難を伴い、その結果、高価であるという
欠点を有する。
【0011】一方(2)の方法は、原料β−クロロエタ
ンスルホン酸ソーダ(以下CESと称す。)は、安価で
大量に生産されている1, 2エタンジクロライドと亜硫
酸ソーダ、または、ビニルクロライドと重亜硫酸ソーダ
から容易に製造され、化2に示す反応は、文献(E.F.La
ndou,W.F.Whitmore and P.Doty, J.Am.Chem.Soc., Vol.
68, p.816 〜9(1946) )に記載されている如く、非常に
高い値の反応速度定数を有する簡便な反応である。
【0012】しかしながら、副生食塩の除去が不完全で
あり、少量ながらもかなりの量の食塩が残存した、VS
M(Na)水溶液しか製造できないという欠点を有して
いた。
【0013】即ち、独国特許第836, 491号によれ
ば、粗CES結晶と等モルの苛性ソーダ水溶液を約60
℃で、30分〜2時間反応させ、晶出した副生食塩を除
き、その分離液として、VSM(Na)=50〜55
%、食塩=2.7〜3.8%を含む水溶液を取得するも
のであった。
【0014】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、C
ESと苛性ソーダから合成される副生食塩を含むVSM
(Na)水溶液から、副生食塩等無機塩が高度に除かれ
たるVSM(Na)水溶液を製造する方法を提出せんと
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、CES
と苛性ソーダから合成される、副生食塩を含有するビニ
ルスルホン酸ソーダ水溶液に、その水に対する溶解度
が、温度依存性を有し、0〜常温では食塩より著しく低
い値であるが、常温〜70℃では食塩より高い溶解度を
有する化合物(以下このような化合物を単に「添加化合
物」と称す。)を添加し、系をVSM(Na)−食塩−
水系からVSM(Na)−食塩−添加化合物−水系とな
し、その溶解平衡を利用して、初めに、常温〜70℃の
高温度域でVSM(Na)濃度=40〜60%の高濃度
下に食塩を晶出させ、この晶出食塩をろ過等の固−液分
離法により除去したる分離液をそのまま、もしくは、若
干量の水を添加して稀釈し、VSM(Na)−添加化合
物−水系となった水溶液を冷却し、0〜常温の低温度域
に保ち、添加化合物を晶出させて除くことによる高度に
純化されたビニルスルホン酸ソーダ水溶液の製造方法に
あり、以下その詳細について説明する。
【0016】
【作用】VSM(Na)は前記した如く、水に対する溶
解度が非常に高く、温度依存性もない。従って、VSM
(Na)水溶液からその溶解平衡関係を利用したVSM
(Na)結晶の単離は不可能である。
【0017】そこで、従来技術の一つであるカルビルサ
ルフェート法にあっては、生成系がVSM(Na)−芒
硝−水系となっているので、その合成水溶液を約0℃に
冷却し、その水に対する溶解度が33〜35℃以下では
著しい温度依存性を有する芒硝を晶出させて除去する方
法が考案されたものと考える。
【0018】しかるに従来技術のもう一つの方法である
β−クロロエタンスルホン酸ソーダ法では副生物が食塩
であり、この食塩の水に対する溶解度は衆知の如く、0
〜100℃の間で26.3〜28.5%の値であり、ほ
とんど温度依存性がないので、独国特許第836, 49
1号の方法はVSM(Na)濃度を高め、その塩析作用
により、食塩を晶出せしめんとしたものであるが、この
場合、大部分の食塩は晶出・除去できるものの、尚、少
量の食塩は残存する。
【0019】本発明者はVSM(Na)濃度をさらに高
め、63.7%とする実験を試みたが、約2%の食塩が
含まれており、VSM(Na)>65%とすると、VS
M(Na)の一部が食塩と共に一部晶出するばかりでな
く、溶液粘度が著しく高くなり、ろ過操作が不能となっ
た。即ち、本発明者はVSM(Na)−食塩−水系溶液
から高度に食塩の除かれたVSM(Na)を得ることは
不可能と考えるものである。
【0020】そこで本発明者は、上記系に、前記した如
く、高温度域で食塩より高い溶解度を有し、低温度域で
食塩より著しく低い溶解度を有する有する化合物を添加
し、系をVSM(Na)−食塩−添加化合物−水系と
し、[VSM(Na)+添加化合物]の塩析作用によ
り、高温度域で食塩を晶出により除き、系をVSM(N
a)−添加化合物−水系としたる後、カルビルサルフェ
ート法同様、これを冷却して、低温度域で添加化合物を
晶出させて除き、高度に純化されたVSM(Na)水溶
液を取得する方法を提案するものである。
【0021】添加化合物の高温度域での溶解度が、食塩
より低い溶解度を有する化合物の場合は高温度域での食
塩の晶析に際し、添加化合物が食塩と共に晶析されるの
で効果がない。
【0022】また0〜常温の低温度域で、その水に対す
る溶解度が約5%以下でないと、水溶液を0℃に冷却し
ても、添加化合物を高度に晶出させて除くことはできな
い。つまり、本発明の技術に用いられる添加化合物の種
類としては、単に溶解度が温度依存性を有するだけでな
く、前記条件を満たす性状を具備した化合物でなければ
ならない。
【0023】このような種類の化合物として、芒硝、オ
ルトリン酸2ナトリウム塩、メタホウ酸ソーダを挙げる
ことができる。但し、メタホウ酸ソーダは32℃以上の
高温度では食塩以上の溶解度を有し、食塩の晶析による
除去はできるが、低温度域での溶解度が高く、冷却して
もこれを晶析により完全に除くことができない。
【0024】そこで本発明の技術にあっては、食塩を除
いた分離液に硫酸、オルトリン酸、ホウ酸等の鉱酸、ま
たはシュウ酸を加え、pH=9.0〜9.5に調整し、
テトラホウ酸ソーダに変換し、各々、芒硝、リン酸2ナ
トリウム、シュウ酸ナトリウム等との混合物となし、こ
れを冷却し、晶析して、濾過等の操作により分離するこ
とにより、除くものである。
【0025】pH調整酸が、ホウ酸、シュウ酸の場合は
冷却温度は常温にすれば、テトラホウ酸ソーダ、また
は、テトラホウ酸ソーダとシュウ酸ソーダの混合物とし
て完全に除去できる。pH調整酸がリン酸の場合は、1
0℃まで冷却しないとリン酸塩が完全に除けない。また
硫酸の場合は0℃まで冷却しないと芒硝を高度に除くこ
とができない。
【0026】これら添加化合物はその食塩が除かれた水
溶液にあって、0〜常温に冷却し、これを晶析せんとす
ると、いづれも10〜12分子の結晶水をもった水和塩
を形成するので、VSM(Na)濃度が高くなり、それ
にともない粘度も上昇し、濾過等の分離操作が困難にな
る場合がある。この場合は水を加えて、VSM(Na)
濃度を約40%程度に稀釈してから冷却すれば、これら
添加化合物を高度に除くことができ、且つ、晶析物の分
離操作も容易にすることができる。
【0027】また、VSM(Na)−食塩−添加化合物
−水系で高温域で食塩を高度に晶析させて除くには、V
SM(Na)濃度があまりに低いと、多量の添加化合物
を要し、VSM(Na)濃度が高くなるほど、添加化合
物濃度が少なくても良いことは、論をまたない。
【0028】しかし、あまりにVSM(Na)濃度が高
いと、前記した如く、その溶液粘度も高くなるので、V
SM(Na)=40〜60%、望ましくは、50〜55
%であるのが好都合である。
【0029】さらに、同上系で、食塩の晶析温度の上限
を70℃としたのは、VSM(Na)の重合劣化を防ぐ
ためである。
【0030】一般にVSM(Na)は濃度が高いほど、
温度が高いほど重合劣化し易いが、少量の重合禁止剤、
例えば、ベンゾキノン等のキノンエーテル類を添加して
おけば、VSM(Na)濃度=40〜60%、水溶液温
度=60〜70℃の高温度でも重合劣化を最小限に止め
ることができる。
【0031】製品VSM(Na)水溶液に上記重合禁止
剤の混入が不都合な場合は、食塩、添加化合物の除かれ
た分離液を常温下に活性炭と接触せしむれば、これを吸
着により除くことができる。
【0032】以上の説明で明らかなように、水を媒体と
して、CESと苛性ソーダから食塩の副生を伴い合成さ
れた、VSM(Na)−食塩−水系の溶液を用い、本発
明の技術にあっては、常温〜70℃の高温度域で食塩よ
り高い溶解度を有し、0〜常温の低温度域で溶解度が5
%以下であるような食塩に比し、著しく低い溶解度を有
する化合物を添加し、系をVSM(Na)−食塩−添加
化合物−水系にて高温度域で添加化合物の塩析作用によ
り、食塩を晶出させて除き、次いで食塩が除かれ、VS
M(Na)−添加化合物−水系になりたる分離液を0〜
常温に冷却し、添加物を晶出させて除くものである。
【0033】以下、本発明を実施例をもってさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0034】
【実施例】
実施例1 CES=98.3%、食塩=0.24%のCES粉末を
841.8gの水に溶解して調整した、37%のCES
水溶液1350.0gを2リットルのセパラブルフラス
コに入れ、CESと等化学当量の苛性ソーダを含有する
48%水溶液250.0gと、重合禁止剤としてP−メ
トキシフェノン0.35g、芒硝29.1gを加え、フ
ラスコをオイルバスに浸積させ、その沸点が60℃を越
えざるように減圧下で水を蒸発させて濃縮しつつ反応さ
せた。
【0035】メスシリンダーに捕集された蒸発水量が約
270ミリリットルになったところで濃縮液は晶出塩に
より白濁したが、さらに濃縮を続け、合計約2hrかけ
て蒸発水量が約730ミリリットルとなったところで濃
縮を止めた。
【0036】この濃縮スラリーを65℃の温水をジャケ
ットに循環して温められた遠心ろ過機に注ぎ、遠心濾液
として、透明液701.7gを得た。
【0037】容器を約15gの水で洗い、その洗浄水は
遠心ろ過ケーキの洗浄に供し、さらに新しい水33.6
gで遠心ケーキを洗浄して、洗浄食塩ケーキ181.6
gと塩洗浄回収水49.4gを得た。
【0038】これらの分析はビニルスルホン酸ソーダに
ついてはBromide−bromate法により、食
塩、芒硝については塩素根、硫酸根を滴定法で分析し、
洗浄食塩ケーキでは、ビニルスルホン酸ソーダ=0.1
4%、食塩=91.98%、Na2SO4=0.53%、
食塩ケーキ洗浄回収水では、ビニルスルホン酸ソーダ=
18.78%、食塩=10.30%、Na2SO4=1.
48%の値を得た。
【0039】前記脱塩濾液に272.4gの水を加えて
稀釈した水溶液974.1gの入ったフラスコを氷−水
の入ったウォーターバスに浸し、0℃で約2hr保ち固
形物を晶出させた後、同じく氷−水で0〜2℃に冷却さ
れた水を、ジャケットに循環した遠心濾過機にかけ、濾
過し、濾液903.2gを得た。容器の壁に付着した固
形物は0〜2℃の水で洗い出し、これはケーキの洗浄に
用い、さらに新しい水で遠心ケーキを洗い、洗浄ケーキ
61.0gと洗浄回収水16.0gを得た。
【0040】これらの分析値は、濾液では、VSM(N
a)=39.17%、食塩=0.36%、芒硝=0.1
7%、洗浄ケーキでは、VSM(Na)=0.19%、
食塩=trace 、芒硝=40.34%、その他は水分であ
った。また洗浄回収水はVSM(Na)=22.99
%、食塩=0.24%、芒硝=3.74%であった。
【0041】即ち、本実験ではCES、苛性ソーダの
他、化学量論量の生成VSM(Na)に対し、0.1重
量%量の重合禁止剤と、同じく、その約7.5重量%に
相当する無水芒硝を添加して、65℃を越えざるよう減
圧下に水を蒸発して濃縮しつつ、約1時間反応させ、晶
出した副生食塩は65℃の高温度で、濾過により除き、
その濾液に、濾液量の約43%の水を加えて稀釈し、約
0℃に冷却した。
【0042】添加した芒硝を晶出・濾過により除き、濾
液として、若干褐色を帯びたVSM(Na)=39.1
7%、食塩=0.36%、芒硝=0.17%の高度に純
化された透明液903.2gを得たことになる。
【0043】なお、この水溶液880.0gに373.
4gの水を加え、全量を1253.4gとしたVSM
(Na)=27.5%の水溶液を2ヶ月冷暗所に貯蔵し
たものは、VSM(Na)=27.11%の濃度であ
り、ほとんど重合劣化は見られなかった。
【0044】実施例2 2リットルのセパラブルフラスコに実施例1で用いたと
同一の粉末CES508.3gと水535.4gを入
れ、55℃で完全溶解後、48%苛性ソーダ水溶液25
0.1gとパラメキトシフェノン0.38gを入れ、フ
ラスコをオイルバスに浸し、65℃で約1時間半反応さ
せた後、試薬オルトリン酸2ナトリウム42.2gを加
え、減圧下に温度が65℃を越えざるように水を蒸発し
て濃縮した。
【0045】濃縮後すぐに液は晶出物により白濁し、蒸
発水量433ミリリットルの時点で濃縮を中止し、その
スラリーをあらかじめ65℃の温水をジャケットに循環
して加熱した遠心濾過機により晶出物を濾過により分離
した。
【0046】濾液はやや褐色がかった透明液であり、7
01.6gであった。ケーキは実施例1の場合と同様、
先ず約15gの水で器壁付着物を溶解し、ケーキの洗浄
に用い、さらに新しい水34.5gでケーキを洗浄し、
洗浄食塩ケーキ=185.0gと、ケーキ洗浄回収水=
50.1gを得た。
【0047】洗浄食塩の分析値はVSM(Na)=0.
13%、オルトリン酸2ソーダ=0.79%、食塩=9
1.73%であり、洗浄回収水は、VSM(Na)=1
8.61%、オルトリン酸2ソーダ=2.14%、食塩
=9.60%であった。
【0048】濾液にその約35%に相当する244.9
gの水を加えて稀釈し、この稀釈液を氷−水で冷却し、
5〜10℃で1時間保持し、リン酸ソーダを晶析し、遠
心ろ過により晶出物を分離した。分離ろ液は832.9
gあり、VSM(Na)=41.82%、食塩=0.0
8%、オルトリン酸2ソーダ=0.02%であった。濾
過ケーキは、合計28.4gの水で洗浄し、洗浄ケーキ
=105.9gと洗浄回収水溶液=23.5gを得た。
【0049】これらの分析値は、洗浄ケーキで、VSM
(Na)=0.13%、食塩=trace 、オルトリン酸2
ソーダ=34.49%、洗浄回収水では、VSM(N
a)=21.21%、食塩=0.07%、オルトリン酸
2ソーダ=0.27%であった。
【0050】当実施例では、添加化合物にオルトリン酸
2ナトリウムを用い、初めに65℃の高温度で、食塩を
晶析で除き、次いで、この濾液を5〜10℃の低温度と
して、添加化合物を晶析除去し、濾液として、濃度=4
1.8%の高度に純化されたVSM(Na)水溶液が得
られた。
【0051】実施例3 1リットルのセパラブルフラスコに実施例1で用いたも
のと同一の粉末CES510.0gと34.2%苛性ソ
ーダ水溶液352.2g、パラメトキシキノン0.40
gを入れ、フラスコをウォーターバスに浸漬し、60℃
で70分反応させたところ、スラリーとなった。晶出物
を遠心濾過機にかけて除き、濾液692.4gを得た。
【0052】濾液組成は、VSM(Na)=53.06
%、食塩=3.66%で、多量の食塩が残存していた。
ケーキは実施例1と同様、合計42.5gの水で洗浄
し、洗浄ケーキ=157.8gと洗浄回収水=42.3
gを得た。
【0053】洗浄ケーキの分析値はVSM(Na)=
0.15%、食塩=92.48%、洗浄回収水の分析値
は、VSM(Na)=20.63%、食塩=11.03
%であった。
【0054】濾液の一部682.2gに試薬メタホウ酸
ソーダ37.8gを入れ、撹拌下、65℃で1時間保持
した後、晶出物をあらかじめ、65〜70℃の温水をジ
ャケットに循環し、温められた遠心濾過機にかけ、濾別
し、濾液684.4gと遠心濾過ケーキを得た。
【0055】ケーキは先の場合と同様、合計20.0g
の水で洗浄し、洗浄ケーキ=22.3gと、洗浄回収水
=19.7gを得た。
【0056】洗浄ケーキの分析値は、VSM(Na)=
0.41%、食塩=87.43%、メタホウ酸ソーダ=
3.68%、洗浄回収水の分析値はVSM(Na)=1
9.66%、食塩=14.72%、メタホウ酸ソーダ=
3.19%であった。
【0057】この濾液に184.5gの水と、試薬ホウ
酸結晶33.8gを入れ、撹拌下に、PH=9.3とし
た後、25℃で1時間保持し、晶出物を遠心濾過機によ
り濾別し、濾液=781.3gとケーキを得た。ケーキ
は合計30.3gの水で洗浄し、洗浄ケーキ=112.
8gと洗浄回収水=26.3gを得た。
【0058】これらの分析値は、濾液で、VSM(N
a)=42.70%、食塩=0.07%、テトラホウ酸
ソーダ=0.02%、洗浄ケーキはVSM(Na)=
0.15%、食塩=trace 、テトラホウ酸ソーダ=4
5.48%、洗浄回収水はVSM(Na)=22.83
%、食塩=0.06%、テトラホウ酸ソーダ=0.88
%であった。
【0059】即ち、当実施例では、初めに、CESと苛
性ソーダから合成されたVSM(Na)−食塩−水系の
液から食塩を晶出させたが、食塩を高度に除くことはで
きなかったが、メタホウ酸ソーダを加え、VSM(N
a)−食塩−メタホウ酸ソーダ−水系とすることによ
り、65℃で食塩を晶出させ、濾過し、食塩を高度に除
き、次いで、その濾液を稀釈するとともに、ホウ酸を加
え、PHを調整し、メタホウ酸ソーダをテトラホウ酸ソ
ーダに変換し、系をVSM(Na)−テトラホウ酸ソー
ダ−水系としてから、常温に冷却することにより、テト
ラホウ酸ソーダを晶出・濾過により除き、その濾液とし
て、高度に純化されたVSM(Na)水溶液を得ること
ができた。
【0060】
【発明の効果】本発明の技術によりたる場合、副生食
塩、添加化合物等狭雑物が高度に除かれたVSM(N
a)水溶液が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−クロロエタンスルホン酸ソーダと苛性
    ソーダとを反応させて得られた、副生食塩を含むビニル
    スルホン酸ソーダ水溶液に、0〜常温の低温度域で食塩
    より著しく低い溶解度を有し、常温〜70℃の高温度域
    で食塩より高い溶解度を有する化合物を添加し、初め
    に、ビニルスルホン酸ソーダ濃度が40〜60%に濃度
    が高められた状態で、当該水溶液温度を常温〜70℃の
    高温度域に保ち、食塩を晶出させて除き、次いで冷却し
    て、0〜常温の低温度域で先に添加した化合物を晶出さ
    せて除くことを特徴とするビニルスルホン酸ソーダ水溶
    液の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1にあって、添加される化合物が、
    芒硝、オルトリン酸2ナトリウム塩であることを特徴と
    する請求項1に記載のビニルスルホン酸ソーダ水溶液の
    製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1にあって、添加される化合物がメ
    タホウ酸ソーダであり、請求項1に記載の方法により食
    塩が晶析除去された水溶液に硫酸、ホウ酸、リン酸等の
    鉱酸またはシュウ酸が加えられ、そのPH値が9.0〜
    9.5に調整され、先に添加されたメタホウ酸ソーダを
    テトラホウ酸ソーダに変換し、0〜常温に冷却すること
    により、添加物を除くことを特徴とする請求項1に記載
    のビニルスルホン酸ソーダ水溶液の製造方法。
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