JPH07137562A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 運転情報を表示する表示体を収納するインス
トルメントパネルの開口部に、外来入射光による反射光
をフロントガラスもしくはフロントガラスに設けた投影
部材を介し反射させ、前記外来入射光の反射光を運転者
のアイポイント近傍に集光させる防塵カバーを設けるこ
とにより視認性を向上させる。 【構成】 プロジェクタ（表示体）６からの表示光Ｌを
運転者10前方のコンバイナ（投影部材）３に投影する車
両用表示装置に関する。防塵カバー９は、プロジェクタ
６を収納するインストルメントパネル４の開口窓（開口
部）５に設けられる。この防塵カバー９は、外来入射光
による反射光をフロントガラス１もしくはフロントガラ
ス１に設けたコンバイナ３を介し反射させ、前記外来入
射光を運転者10のアイポイント近傍に集光させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両用表示装置に関
し、特に外来入射光による反射光に対し視認性の向上を
させる防塵カバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、車速，走行距離，燃料残量または
時刻等の運転情報をインストルメントパネル（インパ
ネ）に設けられた計器部材にて表示していたが、最近運
転者がこれらの情報を見るために前方視界からあまり視
線を動かさなくてすむように、前記計器部材の運転情報
を運転者前方の投影部材に投影させることにより、表示
像をフロントガラス外側の前方視野内に結像させ、視野
内の風景とかさなるようにみえるようにした車両用表示
装置が開発され、実用化されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような車両用表示
装置は、特開平３−１５３４２４号公報に開示されてい
るように、表示器，反射ミラー等から構成され運転情報
を表示する表示体に、ゴミやチリ等の異物の侵入を防ぐ
ため、表示体のフロントガラス側（表示体からフロント
ガラスに向けて表示光を照射する方向）に透光性材料か
らなるシリンドリカル（２次曲面）形状の防塵カバーを
表示体を設けている。

【０００４】このような防塵カバーを備えた表示体は、
略真上から外来入射光が照射する場合（外来入射光が最
も強く照射する角度）、防塵カバーの真上で反射光が集
光するため、この集光した反射光が防塵カバーの横方向
の幅で帯状となって運転者に視認させることになり、ま
た、集光後の散乱した反射光はフロントガラスで反射さ
れ、運転者側へ照射させるため、運転者はこの反射光と
運転情報の表示光とを、フロントガラスを介して視認す
ることになり、運転情報たる表示光が非常に見えにくい
という問題があった。

【０００５】かかる問題を解決する手段として、実開平
４−５７８８１号公報では、インパネの開口部にフロン
トガラス側に傾斜したカバーガラスを備え、外来入射光
による反射光を運転者に照射させない防塵カバーが開示
されている。

【０００６】しかしながら、フロントガラス側に傾斜し
たカバーガラスを備えた防塵カバーは、インパネ上に配
設させるため、運転者の前方下方の視認性が低下してし
まうと言った問題点があり、また、このような防塵カバ
ーをインパネより下方に配設した場合、ガバーガラスを
傾けるために深さ方向のスペースが必要となり、防塵カ
バーを備えた表示体が大型化してしまうため、スペース
が無い場合において、このような表示体を設置すること
ができないという問題があった。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このような問題に着目し
て、本発明は、表示体の表示光を運転者前方の投影部材
に投影する車両用表示装置において、前記表示体を収納
するインパネの開口部に、外来入射光による反射光をフ
ロントガラスもしくはフロントガラスに設けた投影部材
を介し反射させ、前記外来入射光を運転者のアイポイン
ト近傍に集光させる防塵カバーを備えたことを特徴とす
る。

【作用】

【０００８】運転情報を表示する表示体を収納するイン
パネの開口部に、外来入射光による反射光をフロントガ
ラスもしくはフロントガラスに設けた投影部材を介し反
射させ、前記外来入射光を運転者のアイポイント近傍に
集光させる防塵カバーを設けることにより、視認性を向
上できる。

【実施例】

【０００９】以下、本発明を図１〜３に記載した実施例
に基づき説明するが、図１は車両用表示装置の概略説明
図、図２は外来入射光の反射状態を示す概略説明図、図
３は放物線説明図である。

【００１０】１は車両２のフロントガラスで、表示像
（後述する）を投影し、フロントガラス１の内面または
表面に蒸着やコーティングなどの方法により形成したコ
ンバイナ（投影部材）３を形成している。４は不透光性
の材料からなるインパネであり、プロジェクタ（後述す
る）に連通する開口窓（開口部）５が設けられている。
６はインパネ４内に設けられ、運転情報を表示光Ｌとし
て照射する表示器７と、表示器７からの表示光Ｌをフロ
ントガラス１側に反射させるミラー８と、開口窓５の近
傍に設けられ、例えばトロイダル形状（３次曲面）の防
塵カバー９とを含むプロジェクタ（表示体）である。
尚、10は運転者、11はフロントガラス１の外側前方に結
像された表示像、12は前方の風景である。

【００１１】かかる構成により、プロジェクタ６から照
射された運転情報としての表示光Ｌは、フロントガラス
１に形成されているコンバイナ３で運転者10側へ反射さ
れるが、それにより運転者10は、フロントガラス１の外
側前方に表示像11と風景12とを重ね合わせて見ることが
できる。

【００１２】また、フロントガラス１側から照射される
外来入射光ｇ１は、コンバイナ３より上方の所定位置に
焦点（後述する）を持つ防塵カバー９で反射されて反射
光ｇ２となり、この反射光ｇ２はフロントガラス１もし
くはコンバイナ３により再び反射され、運転者10のアイ
ポイント近傍を焦点ｆとして集光する反射光ｇ３とな
る。従って、従来のような散乱した反射光ではない集光
させた反射光ｇ３となるため、反射光ｇ３が運転者10の
視野内に入ることは極めて少ない。

【００１３】次に、本実施例における外来入射光ｇ１の
反射状態を図３を用いて説明するが、フロントガラス１
は平面に仮定し、また、略真上から照射される外来入射
光ｇ１（最も多くの量が防塵カバー９へ照射され、最も
運転者10に対する影響が大きい）について説明する。

【００１４】図３で示す放物線９ａは、防塵カバー９を
側面から見た時の曲線と類似な放物線であり、一般に放
物線９ａの上方側からの平行線である外来入射光ｇ１を
放物線９ａで反射させると、反射光ｇ２は全て焦点ｆ’
で集光することは周知であり、焦点距離ｆ’＝Ｒ／２の
式で表すことができる（Ｒは放物線９ａに近似させた円
の曲率半径である）。

【００１５】この焦点距離ｆ’間の所定位置にフロント
ガラス１が設けられているため、反射光ｇ２はフロント
ガラス１で反射光ｇ３となって運転者10のアイポイント
近傍の焦点ｆに集光される。そして、放物線９ａからフ
ロントガラス１までの距離をＡ、フロントガラス１から
運転者10近傍の焦点ｆまでの距離をＢとした場合、焦点
距離ｆ＝Ｒ／２＝Ａ＋Ｂの式で表すことができる。

【００１６】従って、フロントガラス１から運転者10近
傍までの距離と防塵カバー９からフロントガラス１まで
の距離とを考慮し、曲率半径Ｒを決定することにより
（Ｒ＝２×ｆ＝２×（Ａ＋Ｂ））、外来入射光ｇ１によ
る反射光ｇ３を運転者10近傍に集光させることができ
る。

【００１７】以上述べた実施例によれば、外来入射光ｇ
１が略真上から照射する場合において、運転者10のアイ
ポイント近傍に反射光ｇ３を集光させるため、運転者10
が反射光ｇ３を視認することは極めて少なく、図１に示
すプロジェクタ６から照射させる表示光Ｌに基づく表示
像11を良好に視認することができ、また、防塵カバー９
をインパネ４の表面に配設することができるため、イン
パネ４の深さ方向のスペースを大きく必要とせずに小型
化が図れるものである。

【００１８】ところで、外来入射光g1は、車両２の走行
に応じてその入射方向が変化する。本発明の実施例にお
いては、防塵カバー９で反射される可能性のあるあらゆ
る方向からの外来入射光ｇ１に対応する形状に防塵カバ
ー９を設計することが望ましいが、少なくとも運転者10
に対する影響が最も大きいと思われる外来入射光ｇ１を
想定し、それについて前記実施例の構成を採用すること
でも大きな効果を得ることができる。

【００１９】また、車両２のフロントガラス１は、実際
には２次あるいは３次曲面であって、防塵カバー９の設
計や製造に当たっては、ＣＡＤ（Computer Aided Desig
n ）／ＣＡＭ（Computer Aided Manufacturing）を用い
ることが有効である。

【００２０】尚、本発明はその要旨の範囲内で種々の変
更が可能であり、例えば前記実施例の防塵カバー９はト
ロイダル形状としたが、これに限定させるものではな
く、外来入射光ｇ１により反射光ｇ３を運転者10のアイ
ポイント近傍に集光させるものであれば良く、例えば、
シリンドリカル形状であっても良い。

【００２１】

【発明の効果】本発明は、表示体の表示光を運転者前方
の投影部材に投影する車両用表示装置において、前記表
示体を収納するインパネの開口部に、外来入射光による
反射光をフロントガラスもしくはフロントガラスに設け
た投影部材を介し反射させ、前記外来入射光を運転者の
アイポイント近傍に集光させる防塵カバーを備えたこと
を特徴とするものであり、運転者のアイポイント近傍に
反射光を集光させるため、運転者が反射光を視認するこ
とは極めて少なく、プロジェクタから照射させる表示光
を良好に視認することができるばがりでなく、従来のよ
うに、防塵カバーを傾けインパネの内壁面に反射光を照
射させる必要がないため、インパネの深さ方向のスペー
スを大きく必要としない小型化を実現し得る車両用表示
装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す概略説明図。

【図２】同上実施例の外来入射光の反射状態を示す概略
説明図。

【図３】同上実施例の放物線説明図。

【符号の説明】

１ フロントガラス ３ コンバイナ（投影部材） ４ インストルメントパネル ５ 開口窓（開口部） ６ プロジェクタ（表示体） ９ 防塵カバー 10 運転者 Ｌ 表示光 ｆ，ｆ’ 焦点 ｇ１ 外来入射光 ｇ２，ｇ３ 反射光

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示体の表示光を運転者前方の投影部材
   に投影する車両用表示装置において、前記表示体を収納
   するインストルメントパネルの開口部に、外来入射光に
   よる反射光をフロントガラスもしくはフロントガラスに
   設けた投影部材を介し反射させ、前記外来入射光を運転
   者のアイポイント近傍に集光させる防塵カバーを備えた
   ことを特徴とする車両用表示装置。