JPH07137432A - インクジェット記録用専用紙 - Google Patents

インクジェット記録用専用紙

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JPH07137432A
JPH07137432A JP5284918A JP28491893A JPH07137432A JP H07137432 A JPH07137432 A JP H07137432A JP 5284918 A JP5284918 A JP 5284918A JP 28491893 A JP28491893 A JP 28491893A JP H07137432 A JPH07137432 A JP H07137432A
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JP
Japan
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acid
particles
polyester
paper
polyester resin
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Pending
Application number
JP5284918A
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English (en)
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Yasunari Hotsuta
泰業 堀田
Shigeru Yoneda
茂 米田
Masanori Kobayashi
正典 小林
Yozo Yamada
陽三 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07137432A publication Critical patent/JPH07137432A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5263Macromolecular coatings characterised by the use of polymers obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • B41M5/5272Polyesters; Polycarbonates

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクジェット記録用紙の改良。 【構成】 イオン性基含有不飽和ポリエステルを水分散
し、緩凝集させることにより粒子化し、加熱による吸脱
水作用による中空化処理とシ−ド重合による架橋をへて
内部に空孔を有する中空架橋ポリエステルを得る。次い
で支持紙表面に得られた粒子とバインダ−からなるイン
ク吸収層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用専
用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微細なインク滴を記録紙に吹き付けるこ
とにより印字ないしは画像形成をおこなうインクジェッ
ト記録方式は低騒音でありかつ機器の小型化が容易であ
るために産業用マ−キング、あるいはOA用プリンタと
して広く用いられている。インクジェット用インクとし
ては油性インクあるいは水性インクが用いられている
が、OA用に関しては環境上の問題より主に水性インク
が用いられている。インクジェット記録方式の最大の弱
点はインクが乾燥することによりジェットヘッドに目詰
まりが生じる可能性があることであり、その対策の一環
として水性インクにグリコ−ル類、グリセリン類に代表
される保湿剤が配合されている。ジェットヘッドの信頼
性を高める目的で導入されるこれら保湿剤は、印字され
た記録紙上でのインク乾燥速度が遅いという問題点に跳
ね返ることになる。
【0003】かかる問題点を記録紙側から改良するため
に、記録紙表面にインク吸収層を設け、インク中の液体
成分を素早く吸収し乾燥を速めると共に「にじみ」を押
え、記録画像品質を高めようという試みがある。インク
ジェット記録用紙には一般に「普通紙タイプ」と「専用
紙」がある。前者は「普通紙タイプ」といえども正確な
意味での普通紙ではなく、普通紙的な感触を損なわない
程度にサイズプレス加工された特殊紙である。普通紙タ
イプの場合インク吸収性の制御は体質顔料や内添サイズ
剤の種類と量、サイズプレスおける表面処理液等によ
る。体質顔料としてはタルク、カオリン、焼成カオリ
ン、シリカ、炭酸カルシウム、等が使用される。内添サ
イズ剤としてはロジンサイズ、アルキルケテンダイマ
−、サイズプレスでは澱粉、ポリビニルアルコ−ル等が
用いられる。インクジェット記録の要求にサイズプレス
処理では対応しきれない場合には記録紙表面に多孔性の
コ−ト層を設けた「専用紙」を用いる必要がある。多孔
性コ−ト層は顔料、バインダ−、助剤から構成される。
顔料としては高いインク吸収性と発色濃度を得るために
多孔性で低屈折率の材料が用いられる。具体的には無定
型シリカ、水和アルミナ、軟質炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、タルク、が用いられ、無定型シリカが最も
よく使用される。またバインダ−としてはポリビニルア
ルコ−ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性バインダ−
樹脂が用いられる。これらインク吸収用多孔性コ−トに
よりインクが紙のパルプ繊維に沿ってヒゲ状ににじむフ
ェザ−リングが抑えられ、インク滴の真円性が向上し記
録画質が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上、従来からインク
ジェット記録用専用紙におけるインク吸収層について述
べてきたが従来の技術には以下に述べる問題点がある。
インク吸収層のみでジェットインクを吸収するためには
インク吸収層の厚みをかなり厚くしなければならない。
しかしながら、吸収層を厚くすると記録紙の機械的強度
の低下を招く。また、無定型シリカは高い吸収性を持つ
がその反面、高濃度の吸収層形成用コ−ト液の調製が困
難である。そのため厚い吸収層を形成するためには多層
コ−トが不可欠になり製造コスト著しく引き上げてしま
う。インク吸収層と支持体である紙との両方でインクを
吸収させる場合には吸収層の厚みを抑えることが可能で
あるが、インク裏抜け等を防止するためにはインクを支
持紙の表面付近にとどめるため支持紙にあらかじめ焼成
カオリン、シリカ、軟質炭酸カルシウムなどの多孔性顔
料によりサイズ処理を行う必要がある。そのため同様に
製造コスト上の問題を引き起こす。また両者とも普通紙
に比較して無機の顔料を大量に使用するために記録紙が
重くなり、紙の腰が無くなり、さらに鉛筆筆記性等の事
務用適性が低下する。さらにシリカ粒子の表面に存在す
るシラノ−ル基は光活性の影響により耐光性、保存性を
劣下させる場合がある。本発明者等はかかる現状に鑑
み、インク乾燥速度が速く、かつ、高い画像耐久性を付
与できるインクジェット記録用専用紙について鋭意研究
を進めた結果、次なる発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、支持
体上にインク吸収層が被覆されてなるインクジェット記
録用専用紙において、該吸収層が、内孔を有するポリエ
ステル樹脂粒子を含有することを特徴をするインクジェ
ット記録用専用紙である。
【0006】本発明における内孔含有ポリエステル粒子
は、好ましくは5mol%以上の不飽和多価カルボン酸を含
有する多価カルボン酸成分と多価アルコ−ル成分の縮合
により得られる、(好ましくは、20〜2000eq.
/tonの範囲でイオン性基を含有する)ポリエステル
樹脂1〜95重量%に、ビニル系モノマ−5〜99重量
%を含ませた後に重合させることにより得られる架橋樹
脂を主成分とするものであり、体積平均粒子径Dが0.
5〜100μmの範囲であり、粒子内部に気体または液
体にて満たされた単一または複数の独立空孔ないしはた
がいに細孔等により連絡された空孔が存在し、空孔率が
1〜99vol%の範囲である架橋ポリエステルの中空粒子
である。本発明の粒子は体積平均径Dが0.5〜100
μmの範囲であることが好ましく、1〜50μmの範囲
が好ましく、さらに2〜25μmの範囲が、またさらに
2〜15μmが、なおさらに2〜9μmの範囲が好まし
い。体積平均径がこの範囲以下では粒子のハンドリング
が困難となり、またこの範囲以上では塗料用添加剤等と
しては実用的でない。本発明の粒子の粒子径分布は、粒
子径0.5D〜2.0Dの範囲の粒子が全体の70wt%
以上を占めることが望ましく、好ましくは80wt%以
上、さらには85wt%以上、また さらには90wt%以
上を占めることが好ましい。また、別表現によれば、7
0wt%以上が占める粒子径範囲は0.6D〜1.8Dの
範囲が好ましく、さらに0.7D〜1.5Dの範囲が、
またさらには0.8D〜1.3Dの範囲が、なおさらに
は0.9D〜1.2Dの範囲であることが好ましい。ま
た、標準偏差を平均値で除した値である変動係数は30
%以下であることが望ましく、好ましくは20%以下、
さらに好ましくは15%以下、またさらには10%以下
であることが好ましい。
【0007】本発明の粒子は粒子内部に単一または複数
の独立空孔を有するものである。本発明ではそのいずれ
の場合においても空孔率が1〜99vol%の範囲であるこ
とを必須とする。ここに空孔率とは粒子の内孔容積を粒
子の見かけ体積で除した値である。空孔率は2〜98vo
l%の範囲が好ましく、さらに5〜95vol%が、またさら
には10〜95vol%の範囲が、なおさらには20〜90
vol%の範囲が好ましい。かかる空孔は気体または液体に
て満たされており、気体としては空気、窒素、2酸化炭
素等が好ましく、液体としては水が好ましい。本発明の
粒子は特にこれを限定するものではないが、乾燥した
際、すなわち空孔が気体で満たされた場合の見かけ比重
が0.1〜1.3の範囲であることが好ましく、さらに
0.2〜1.2の範囲が、またさらに0.5〜1.0の
範囲が好ましい。
【0008】本発明の粒子はポリエステル樹脂1〜95
重量%に、ビニル系モノマ−5〜99重量%を含ませた
後に重合させることにより得られる架橋樹脂を主成分と
する。ここにポリエステル樹脂は全樹脂成分の10〜9
0wt%の使用が好ましく、20〜80wt%以上がさらに
好ましく、30〜70wt%の使用がなお好ましい。本発
明におけるポリエステル樹脂とは多価カルボン酸類と多
価アルコ−ル類からなる。ポリエステル樹脂に用いられ
る多価カルボン酸類としては、例えば、 ・テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,
5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジ
カルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸、
9,10−アントラセンジプロピオン酸、ジフェン酸、
スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−ス
ルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボ
ン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スル
ホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、アンモ
ニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、 ・p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安
息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、 ・コハク酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカ
ルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、 ・フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シ
トラコン酸、等の脂肪族不飽和多価カルボン酸、 ・フェニレンジアクリル酸等の芳香族不飽和多価カルボ
ン酸 ・ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の
脂環族ジカルボン酸、 ・トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の
三価以上の多価カルボン酸 等を例示できる。本発明においては、多価カルボン酸類
に一部、モノカルボン酸類を併用しても良い。モノカル
ボン酸類としては芳香族モノカルボン酸類が好ましい。
芳香族モノカルボン酸としては例えば、安息香酸、クロ
ロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香
酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香酸、3メ
チル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル
酢酸、およびこれらの低級アルキルエステル、スルホ安
息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリ
ウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n-
ドデシルアミノカルボニル安息香酸、タ−シャルブチル
安息香酸、、ナフタレンカルボン酸、アントラセンカル
ボン酸、タ−シャルブチルナフタレンカルボン酸等を用
いることができ、また特にタ−シャルブチル安息香酸を
使用することがより好ましい。該芳香族モノカルボン酸
の使用量は酸成分に対して2〜25mol%、さらに5〜2
0mol%、またさらに8〜16mol%の使用がより好まし
い。
【0009】本発明ではかかる多価カルボン酸成分の5
mol%以上の不飽和脂肪族多価カルボン酸を用いることが
必須である。本発明における不飽和多価カルボン酸とし
てはフマル酸、マレイン酸の使用が好ましくさらにフマ
ル酸の使用が好ましい。不飽和多価カルボン酸の使用は
酸成分に対し5mol%以上が必須であり、20〜50mol%
が好ましく、30〜50mol%がさらに好ましい。
【0010】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。 ・脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。 ・脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−シクロヘキ
サンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、
スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、水素化ビ
スフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロ
ピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオ−ル、
トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示できる。 ・芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレングリコ
−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレングリコ
−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニ
レングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビスフェ
ノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示できる。 ・さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロラ
クトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクト
ン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示することができ
る。 ・またカルボン酸類と同様、脂肪族アルコ−ル、芳香族
アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用
いることができる。
【0011】本発明におけるポリエステル樹脂のガラス
転移点は40℃以上が好ましく、45℃以上、好ましく
は50℃以上、さらに好ましくは60℃以上、またさら
に好ましくは70℃以上である。ガラス転移点がこれよ
り低い場合には、取扱い中あるいは保存中にブロッキン
グする傾向がみられ、得られる粉体をハンドリングする
ことが困難となる場合がある。本発明のポリエステル樹
脂の数平均分子量は1000〜20000の範囲が好ま
しい。また、2000以上5000以下の範囲が好まし
く、3000以上4000以下の範囲がさらに好まし
い。
【0012】本発明においてはイオン性基を20〜20
00eq./tonの範囲でポリエステル樹脂に含有す
ることが好ましい。イオン性基としては、スルホン酸
基、カルボキシル基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸
基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、
金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級ア
ミン基等のカチオン性基であり、好ましくは、スルホン
酸アルカリ金属塩の基、カルボン酸アンモニウム塩基を
用いることができる。これらイオン性基はポリエステル
に共重合された形態、あるいは高分子末端に導入された
形態にて含有されることが好ましい。ポリエステルに共
重合可能なスルホン酸金属塩基含有多価カルボン酸とし
ては、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジ
カルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル
酸、およびまたはそれらの塩を例示することができる。
またスルホ安息香酸の金属塩を併用することによって高
分子末端にスルホン酸金属塩基を導入することができ
る。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe、Ni、Co、Al等の塩
があげられ、特に好ましいものはK塩またはNa塩であ
る。カルボキシル基はポリエステルの重合末期にトリメ
リット酸等の多価カルボン酸を系内に導入することによ
り高分子末端に付加することができる。さらにこれをア
ンモニア、水酸化ナトリウム等にて中和することにより
カルボン酸塩の基に交換することができる。これらイオ
ン性基の含有量は、該ポリエステル樹脂に対し、20〜
2000eq./tonの範囲が必須であり、好ましく
は20〜500eq./ton、さらの好ましくは50
〜200eq./tonである。
【0013】本発明においてポリエステル樹脂を架橋さ
せるために用いられるビニル系モノマ−としては例えば
アルキル基の炭素数が1〜10である(メタ)アクリル
酸アルキル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
フェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、グリシ
ジル(メタ)アクリレ−ト、等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類、メチルビニルケトン、フェニルビニルケト
ン、メチルイソプロペニルケトン等の不飽和ケトン類、
蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルブタン酸
ビニル等のビニルエステル類、メチルビニルエ−テル、
エチルビニルエ−テル、プロピルビニルエ−テル、等の
ビニルエ−テル類、ハロゲン化ビニルおよびハロゲン化
ビニリデン類、アクリルアミドおよびそのアルキル置換
体、スチレン、ジビニルベンゼン、スチレンのアルキル
置換体、スチレンのハロゲン置換体、アリルアルコ−ル
およびそのエステルまたはエ−テル類、アクロレイン、
メタアクロレイン等のビニルアルデヒド類、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等の
ビニルモノマ−、ならびにアクリル酸、メタクリル酸、
フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸およびこれらの塩類、ビニルスルホン酸、アクリルス
ルホン酸、パラスチレンスルホン酸等の不飽和炭化水素
スルホン酸およびそれらの塩類、二重結合を有するリン
酸エステル類、およびその塩類、ピリジン、ビニルピロ
リドン、ビニルイミダゾ−ル、ビニルカルバゾ−ル、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルア
ミノエチル(メタアクリレ−ト等を用いることができ
る。 またこれらに加えてシロキサン類、ラクトン類、
ラクタム類、エポキシ化合物等の開環重合系モノマ−を
併用してもよい。
【0014】反応開始剤としては特に制限される物では
なく公知の開始剤を使用すればよい。例えばベンゾイル
パ−オキサイド、パラクロロベンゾイルパ−オキサイ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルパ−オキサイド、カプ
リリルパ−オキサイド、ラウルイルパ−オキサイド、ア
セチルパ−オキサイド、メチルエチルケトンパ−オキサ
イド、シクロヘキサノンパ−オキサイド、ビス(1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルパ−オキサイド)、ヒドロキシ
ヘプチルパ−オキサイド、t−ブチルハイドロパ−オキ
サイド、p−メンタンパ−オキサイド、クメンハイド
ロ、2,5−ジメチルヘキシル−2,5−ジヒドロパ−
オキサイド、ジ−t−ブチルパ−オキサイド、ジクミル
パ−オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パ−
オキシベンゾエ−ト)、t−ブチルパ−ベンゾエ−ト、
t−ブチルパ−アセテ−ト、t−ブチルパ−オクテ−
ト、t−ブチルパ−オキシイソブチレ−ト、ジ−t−ブ
チルジ−パ−フタレ−ト、過酸化琥珀酸等の有機過酸化
物系開始剤、アゾイソブチルニトリル、ジスオキシベン
ゾイル、フェニルアセトアルデヒド、フェニルピロ葡萄
糖、ピナコン酸誘導体等の開始剤を用いることができ
る。反応促進剤としてはコバルト系、バナジウム系、マ
ンガン系、第3級アミン系、第4級アンモニウム塩系、
メルカプタン系等の反応促進剤を用いることができる。
【0015】以下に本発明の中空架橋ポリエステル樹脂
粒子を得るための具体的方法について述べる。本発明の
中空架橋ポリエステル樹脂粒子を得る方法としては、
中空ポリエステル粒子形成し、次いで粒子をビニルモノ
マ−にて膨潤させ、後架橋する方法。中空ポリエステ
ル粒子の形成と同時に架橋する方法。の2種に大別でき
る。
【0016】中空ポリエステル樹脂粒子を得る方法と
しては、 1)ポリエステル粒子の形成と同時に中空化する方法。 a)例えば、イオン性基含有ポリエステル樹脂を水溶性有
機化合物に溶解し、ついで水を添加することによりW/
O/W型エマルジョンを形成させて中空粒子を得る方
法。 2)中実ポリエステル粒子を後処理により中空化する方
法。 a)イオン性基含有ポリエステル樹脂の中実粒子を水系媒
体中にてガラス転移温度以上に加熱処理する方法、 b)イオン性基含有ポリエステル樹脂粒子の水系分散体に
水溶性有機化合物を添加した後に共沸により該水溶性有
機化合物を除去する際に中空化する方法、 c)イオン性基含有ポリエステル樹脂粒子の水系分散体に
溶剤を添加し、粒子を膨潤せしめた後にスプレイドライ
等の方法にて乾燥させる際に中空化する方法、 等を例示することができる。後者2)−a)〜b)の各方法に
おいて用いられる中実ポリエステル粒子としては、イオ
ン性基含有ポリエステル樹脂を粉砕分級して得られる樹
脂粒子を用いても良いが、好ましくは後述する水系造粒
法にて得られるポリエステル樹脂粒子を用いることが好
ましい。かくして得られた中空粒子をビニルモノマ−に
て膨潤させ後架橋させることにより架橋ポリエステルか
らなる中空粒子を得ることができる。
【0017】中空ポリエステル粒子の形成と同時に架
橋する方法としては、 1)イオン性基含有ポリエステル樹脂の中実粒子を水系媒
体中にてビニルモノマ−にて膨潤させ、同時にガラス転
移温度以上に加熱処理することにより中空化と架橋を同
時に行わせる方法を例示できる。この際に用いられる中
実ポリエステル粒子としては、前述と同様、イオン性基
含有ポリエステル樹脂を粉砕分級して得られる樹脂粒子
を用いても良いが、できるなら水系造粒法にて得られる
ポリエステル樹脂粒子を用いることが好ましい。
【0018】以下、水系造粒法によるポリエステル粒子
の形成法について説明する。本発明におけるイオン性基
含有ポリエステル樹脂は水分散性を有する。本発明のイ
オン性基含有ポリエステル樹脂の水系微分散体は公知の
任意の方法によって製造することができる。すなわち、
イオン性基含有ポリエステル樹脂と水溶性有機化合物と
を50〜200℃であらかじめ混合し、これに水を加え
るか、あるいはイオン性基含有ポリエステル系樹脂と水
溶性有機化合物との混合物を水に加え、40〜120℃
で撹拌することにより製造される。あるいは水と水溶性
有機化合物との混合溶液中にイオン性基含有ポリエステ
ル系樹脂を添加し、40〜100℃で撹拌して分散させ
る方法によっても製造される。水溶性有機化合物として
はエタノ−ル、ブタノ−ル、イソプロパノ−ル、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、等を使用
することができる。界面活性剤を併用は好ましくない
が、特に使用を制限するものではない。このようにして
得られる水系微分散体の平均粒子径は概ね0.01〜
1.0μm程度である。かかるイオン性基含有ポリエス
テル樹脂の水系微分散体に、該イオン性基含有ポリエス
テル樹脂が可塑化する条件下において、電解質等の添加
等の手段により、該微分散粒子を緩凝集領域に導き粒子
成長させることによりポリエステル粒子を得ることがで
きる。
【0019】本発明において用いられる電解質として
は、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウ
ム、硫酸マグネシウム、りん酸ナトリウム、りん酸二水
素ナトリウム、りん酸水素二ナトリウム、塩化アンモニ
ウム、塩化カルシウム、塩化コバルト、塩化ストロンチ
ウム、塩化セシウム、塩化バリウム、塩化ニッケル、塩
化マグネシウム、塩化ルビジウム、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、酢酸
カリウム、安息香酸ナトリウム等に代表される一般的な
無機あるいは有機の水溶性塩を用いることができる。こ
れら電解質の濃度は1価の電解質を用いる場合0.01
〜2.0mol/l、さらには0.1〜1.0mol/l、また
さらには0.2〜0.8mol/lの範囲が好ましい。さら
に多価の電解質を用いる場合その添加量はより少ない量
でよい。本発明においては、前記電解質を系内にあらか
じめ仕込むか、ないしは後添加することにより目的を十
分に達成することが可能であるが、好ましくは「電解質
前駆体を添加した後に電解質化する」ことによりさらに
良質のポリエステル樹脂粒子を得ることができる。電解
質前駆体としては例えば低温で難溶性、高温にて易溶性
の塩、pH、温度、圧力、光照射、等で分解し電解質化
する化合物、等を例示できる。本発明ではアミノアルコ
−ル類とカルボン酸類とのエステル化合物類を好ましい
電解質前駆体として使用できる。かかるエステル化合物
はアミノ基を有するため水溶性を示し、その水溶液はア
ルカリ性を示す浴。かかるアルカリ水溶液を昇温した場
合エステル結合は加水分解しアミノアルコ−ル類とカル
ボン酸との塩となる。アミノ基は実際には第一級アンモ
ニウム基ないし第3級アンモニウム基として機能する。
本発明において好ましいアミノアルコ−ル類としてはア
ミノエタノ−ル、1,3−アミノプロパノ−ル、1,4
−アミノブタノ−ル、ジメチルアミノエタノ−ル、1,
3−ジメチルアミノプロパノ−ル、ジエチルアミノエタ
ノ−ル、ジエチルアミノプロパノ−ル等を用いることが
できる。カルボン酸類としては例えば、安息香酸および
その誘導体、ナフタレンカルボン酸、およびその誘導
体、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ドデ
カン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、アクリル酸、メタ
クリル酸等を用いることができる。さらに本発明におい
てはこれらアミノアルコ−ル類とカルボン酸類との任意
の組合せのエステルを電解質前駆体として好ましく用い
ることができる。
【0020】このようにして得られたポリエステル粒子
は、実質球形であり、かつ、シャ−プな粒子径分布を有
し、高濃度に高温分散染色が可能である。かくして得ら
れるポリエステル粒子は体積平均粒子径Dを1〜100
μmの範囲にて自由に制御可能であり(電解質濃度と温
度、時間による)、粒子径分布は粒子径0.5D〜2.
0Dの範囲の粒子が全体の80重量%以上を占め、変動
係数が30%以下のシャ−プなものとなり、平均真球度
(短径/長径)0.8以上という実質的に球形のポリエ
ステル粒子となる。懸濁重合等により得られるビニル系
ポリマ−の粒子に対する本発明の粒子の特異性はポリエ
ステル樹脂の物性の多様性のみならず、このようなポリ
エステル粒子の形状、粒子径分布にも発揮される。一般
の懸濁重合粒子は特に粒子径分布がブロ−ドであり変動
係数30%程度以上のものしか得られない。本発明では
粒子化条件の調整により粒子径0.5D〜2.0Dの範
囲の粒子が全体の80重量%以上、好ましくは85重量
%以上、さらに好ましくは90重量%以上、またさらに
好ましくは95重量%以上のものを得ることができn
る。また変動係数は30%以下、好ましくは20%以
下、さらに好ましくは15%以下、またさらに好ましく
は10%以下とすることができる。また平均真球度(短
径/長径)0.8以上、好ましくは0.85以上、さら
に好ましくは0.9以上、なおさらに好ましくは0.9
5以上とすることができる。なおここに変動係数とは標
準偏差を平均値にて除した値を云う。
【0021】本発明では好ましくは、かくして得られる
ポリエステル粒子を種粒子として用い、中空化、架橋を
行うわけであるが、この水系造粒法により得られるポリ
エステル粒子は水系媒体中における分散安定性が極めて
高く、ビニルモノマ−による膨潤操作、あるいは、ガラ
ス転移温度以上での加熱処理等を行っても凝集すること
はなく、かくして得られる架橋中空樹脂粒子はポリエス
テル種粒子の粒子径分布を維持し、粒子径0.5D〜
2.0Dの範囲の粒子が全体の80重量%以上、好まし
くは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以
上、またさらに好ましくは95重量%以上となり、また
変動係数は30%以下、好ましくは20%以下、さらに
好ましくは15%以下、またさらに好ましくは10%以
下、なおされに好ましくは7%以下とすることができ
る。本発明においては・ガラス転移温度以上に加熱処理
する方法を用いることが最も好ましく、この方法によれ
ば、加熱処理の温度、系内の電界質濃度により中空度を
任意に制御できる。処理温度としてはポリエステル樹脂
のガラス転移温度から200℃までの間の温度が好まし
く、140℃以下の温度がさらに好ましく100℃以下
がなお好ましく90℃以下がさらに好ましい。電解質濃
度は0.2mol/l以下の範囲が好ましく、0.1mol/l
以下がなお好ましく、0.05mol/l以下がさらに好ま
しい。
【0022】本発明のポリエステル樹脂粒子には、粒子
成長過程においてヘテロ凝集により異種の水分散体を取
り込むことができる。また染料等にて着色されたポリエ
ステル微分散体をもちいることもできる。このようにし
て粒子の着色および機能化が可能である。異種の水分散
体とは例えば顔料、ラテックス、カ−ボンブラック、等
の分散体である。得られた粒子は洗浄・脱水の後、凍結
乾燥、噴霧乾燥、流動乾燥、真空乾燥等の手段により乾
燥粉体として取り出される。もちろん用途によっては水
系媒体に分散した状態のまま使用される。また内部空孔
の内容物を置換して使用することも可能である。
【0023】以上述べてきた内孔含有ポリエステル粒子
は必要に応じてバインダ−類、助剤類とともに塗液とさ
れ、支持体上に塗布・乾燥することにより吸収層を形成
する。バインダ−類としては、例えば変性澱粉、カルボ
キシメチルセルロ−ズ、ヒドロキシエチルセルロ−ズ、
メチルセルロ−ズ、カゼイン、ゼラチン、天然ゴム等の
天然あるいは半合成高分子、ポリビニルアルコ−ル、ポ
リビニルピロリドン、イソプレン、ネオプレン、ポリブ
タジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチ
レン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン
類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)ア
クリルアミド、メチルビニルエ−テル等のビニル系重合
体や共重合体類、ポリエステル類、ポリウレタン類、ポ
リアミド類、スチレン・ブタジエン系、メチルメタクリ
レ−ト・ブタジエン・マレイン酸系等の合成ゴムラテッ
クス等の合成高分子等のような、いわゆるコ−ティング
用バインダ−類が挙げられる。本発明では水溶性バイン
ダ−を用いることが好ましい。
【0024】なお、バインダ−類の使用量は中空多孔粒
子の作用効果を損なわない範囲で調節されるが、一般に
粒子の500重量%以下、好ましくは0.01〜200
重量%程度の範囲で使用される。また、各種の助剤とし
ては、例えば炭酸カルシウム、タルク、カオリン、酸化
チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、尿素・ホルム
アルデヒド樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子、グアナミ
ン樹脂微粒子等の無機や有機の顔料類、色調や白色度を
コントロ−ルするための染料類、保存性を改良するため
の紫外線吸収剤や酸化防止剤、塗抹適性を付与するため
の分散剤、温潤剤、消泡剤等を添加することができる。
なお、本発明のインクジェット記録用専用紙において、
吸収層の膜厚が1μmより薄くなると、所望の効果が期
待できなくなってしまうため、吸収層の膜厚は3μm以
上、好ましくは5〜50μm程度の範囲で調節するのが
望ましい。吸収層を構成する中空多孔樹脂粒子の平均粒
子径が1μmより小さいと、吸収効果が殆ど得られず、
逆に50μmを越えると、表面特性が劣化する。そのた
め中空粒子の平均粒子径を1〜20μm程度の範囲に調
節することは、本発明の好ましい実施態様の一つであ
る。
【0025】さらに、吸収層には筆記性向上等の目的
で、例えば重質や軽質の炭酸カルシウム、タルク、クレ
−、天然や合成の珪酸類、酸化チタン、水酸化アルミニ
ウム、酸化亜鉛、尿素樹脂、アルデヒド樹脂粉末等の無
機や有機の顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、離型剤、滑剤等の各種助剤を適宜添加することがで
きる。支持体としては普通紙、合成紙、合成樹脂フィル
ム等が適宜使用できる。ここでいう普通紙とは、例えば
セルロ−ズパルプを主成分とし、紙力増強剤、サイズ
剤、定着剤、無機や有機の槙料等を添加して、普通に抄
造して得られた紙、およびこれに酸化澱粉等をサイズプ
レスしたり、クリ−等の顔料を主成分とするプレコ−ト
層を設けて表面物性を改良した紙等が含まれるが、ア−
ト紙、コ−ト紙、キャストコ−ト紙等のように、表面の
平滑性に優れた紙が特に好ましく用いられる。また合成
紙としてはポリエステル系、ないしはポリプロピレン系
の合成紙が好ましく用いられる。本発明ではポリエステ
ル系の合成紙がバインダ−樹脂との接着が優れる故に特
に好ましく用いられる。なお、これらの支持体には、吸
収層を設ける前や後に、例えば接着性、バリヤ−性、平
滑性、隠蔽性等をコントロ−ルするために、アンカ−コ
−ト層を設けたり、薄膜フィルム基材をラミネ−トした
り、貼り合わせることも可能である。
【0026】かくして得られる本発明のインクジェット
記録用専用紙は、良好なインク吸収特性を有するため
に、インクの乾燥が速く、またニジミがないため高品位
な印字、良好な画像形成が可能である。また添加粒子と
バインダ−樹脂、支持紙との接着が良好であるため、機
械的強度に優れ、腰のある、軽快で、鉛筆筆記性の良い
良好な事務用適性を有すものである。
【0027】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらになんら限定される物で
はない。
【実施例】
[ポリエステル樹脂(A1)の重合]温度計、撹拌機を
備えたオ−トクレ−ブ中に、 テレフタル酸ジメチルエステル 45 重量部、 イソフタル酸ジメチルエステル 45 重量部、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 9 重量部、 エチレングリコ−ル 20 重量部、 ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物 260 重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1 重量部、 を仕込み120〜220℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、反応系の温度を180℃
に下げ、 フマル酸 58 重量部 ハイドロキノン 0.1 重量部 を加え、200℃にて60分間反応を続け、その後、反
応系の温度を220〜240℃に上げ、系の圧力1〜1
0mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重合ポ
リエステル樹脂(A1)を得た。得られた共重合ポリエ
ステル樹脂(A1)の組成はNMR分析により、 テレフタル酸 23 mol%、 イソフタル酸 23 mol%、 フマル酸 50 mol%、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 4 mol%、 エチレングリコ−ル 25 mol%、 ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物 75 mol%、 であった。ガラス転移温度は61℃、酸価0.08[mg
/KOHg ]、GPCにより求めた数平均分子量は450
0、S元素の蛍光X線分析により求めたスルホン酸ナト
リウム基当量は98m当量/kgであった。
【0028】[ポリエステル樹脂(A2)の重合]温度
計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、 無水マレイン酸 196重量部、 ビスフェノ−ルAのプロピレンオキサイド付加物 700重量部、 ハイドロキノン1重量部 を仕込み、反応系内に窒素ガスを導入し不活性雰囲気に
保ち、 ジブチル錫オキサイド 0.05重量部 を加え200度にて反応させポリエステル樹脂(A2)
を得た。得られた共重合ポリエステル樹脂(A2)のガ
ラス転移温度は57℃、酸価24.1[mg/KOHg]、G
PCにより求めた数平均分子量は1800であった。
【0029】[ポリエステル水系微分散体の製造]ポリ
エステル樹脂(A1)300重量部、メチルエチルケト
ン150重量部、テトラヒドロフラン140重量部を8
0℃にて溶解した後80℃の水680部を添加し、粒子
径約0.1μmの共重合ポリエステル樹脂の水系微分散
体とした後、蒸留用フラスコに入れ、留分温度が100
℃に達するまで蒸留し、冷却後に水を加え脱溶剤された
固形分濃度30%のポリエステル水系微分散粒子(B
1)を得た。
【0030】ポリエステル(A2)300部に、ブタノ
−ル100部を加え90℃で溶解した後、80℃まで冷
却した。さらに共重合ポリエステルの酸価に等量となる
ように1Nのアンモニア水溶液を加え、80℃を保持し
30分間撹拌した後80℃の水500部を添加し共重合
ポリエステルの水系微分散体を得た。さらに得られた水
微分散体を蒸留用フラスコに入れ、留分温度100℃に
達するまで蒸留した後冷却し、最終的に脱溶剤された固
形分濃度30%の共重合ポリエステルの水微分散体(B
2)を得た。
【0031】[ポリエステル粒子の製造]温度計、コン
デンサ−、撹拌羽根を備えた四つ口の1リットルセパラ
ブルフラスコに、ポリエステル水系微分散体(B1)3
00重量部を仕込み80℃に昇温した。次いで、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレ−ト20重量%水溶液40重
量部を60分間に渡って添加し(0.2mol/l)、
さらに300分間80℃に保った状態で撹拌を続けた。
系内の伝導度は約1mSから25mSに上昇、pHは1
0.8から6.7にまで下降した。これより、添加した
ジメチルアミノエチルメタクリレ−トはほぼ後完全に加
水分解し、ジメチルアミノエタノ−ルとメタクリル酸の
塩になっていることが確認された。ポリエステル水系ミ
クロ分散体に存在したサブミクロンオ−ダ−の粒子径の
共重合体は時間とともに合体粒子成長しコ−ルタ−カウ
ンタ−法により求めた平均粒子径D5.2μm、粒子径
0.5D〜2.0Dの範囲の占有率98%以上であるポ
リエステル球状粒子(C1)を得た。以下同様に原料お
よび条件を変えて実験を行い、平均粒子径3.4Dμ
m、0.5D〜2.0D占有率96%以上のポリエステ
ル粒子(C2)を得た。
【0032】[中空粒子の作成]ポリエステル粒子(C
1)を脱水洗浄し水に再分散した後、脱イオン水にて希
釈し固形分濃度を5%に調整したポリエステル粒子水分
散体とした。ポリエステル水分散体を1000重量部を
セパラブルフラスコに仕込み静かに撹拌しながら、系の
温度を90℃に上げ30分間後に脱イオン水2000重
量部を注ぐことにより冷却した。得られた粒子を吸引ロ
ウトにて脱水洗浄し水に再分散して中空ポリエステル粒
子(D1)を得た。以下同様にポリエステル粒子(C
2)から中空粒子(D2)を得た。 [架橋]中空ポリエステル粒子(D1)の水分散体を脱
イオン水にて希釈し固形分濃度を5%に調整したポリエ
ステル粒子水分散体とした。ポリエステル水分散体10
00重量部をセパラブルフラスコに仕込み静かに撹拌し
ながら、過酸化ベンゾイル1重量%を溶解した蒸留スチ
レン50重量部を滴下し30分間撹拌を続けたのち、系
の温度を80℃に上げ300分間反応を続けた。系を室
温まで冷却後、得られた粒子を吸引ロウトにて脱水洗浄
し真空乾燥して中空架橋ポリエステル乾燥粒子(E1)
を得た。得られた粒子の平均粒子径Dは6.6μm、
0.5D〜2.0D占有率98%以上、変動係数8.7
%、空孔率54%であった。なお空孔率は粒子の密度差
より求めた。以下同様にして中空粒子(D2)から平均
粒子径Dは4.3μm、0.5D〜2.0D占有率97
%以上、変動係数9.2%、空孔率45%の中空架橋粒
子(E2)を得た。
【0033】[塗工]
【実施例1】かくして得られた内孔を含有する中空架橋
ポリエステル粒子(E1)100部(固型分)に対し、
バインダ−として水性ポリエステル樹脂東洋紡バイロナ
−ルMD1200(固形分濃度34%)200部とを加
え、吸収層用塗液(固型分濃度30%)を調製し、市販
の上質紙(坪量81g/m2 ,紙圧80μm)上に乾燥
重量が10g/m2 となるように塗布乾燥し、インクジ
ェット記録用専用紙(F1)を得た。
【0034】
【実施例2】以下同様に中空架橋粒子(E2)を用いイ
ンクジェット記録用専用紙(F2)を得た。
【0035】
【実施例3】さらに支持体を上質紙からポリプロピレン
製合成紙ユポFPG−80[王子油化合成紙(株)製]
に替え、中空架橋ポリエステル粒子(E1)を用い、以
下同様に(F3)を得た。
【0036】
【実施例4】またさらに支持体を上質紙からポリエステ
ル系合成紙クリスパ−1G1111[東洋紡績(株)
製]に替え、中空架橋ポリエステル粒子(E1)を用
い、以下同様に(F4)を得た。
【0037】
【実施例5】なおさらに支持体を上質紙からポリエステ
ル系合成紙クリスパ−1G1212(コロナ処理グレ−
ド)[東洋紡績(株)製]に替え、中空架橋ポリエステ
ル粒子(E1)を用い、以下同様に(F5)を得た。
【0038】
【比較例1】吸収層用塗液として、無定型シリカ粒子8
5重量部、タルク粉末15重量部をポリエステル中空粒
子と替えた以外は実施例1と同様にしてインクジェット
記録用専用紙(F6)を得た。
【0039】
【比較例2】吸収層用塗液として、熱膨張性中空粒子
(マイクロスフェアF−30[松本油脂製薬社製])1
5重量部、酸化チタン粉末85重量部をポリエステル中
空粒子と替えた以外は実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録用専用紙(F7)を得た。
【0040】
【比較例3】吸収層用塗液として、実施例1により得ら
れた中空架橋前の粒子(C1)100重量部をポリエス
テル中空粒子と替えた以外は実施例1と同様にしてイン
クジェット記録用専用紙(F8)を得た。
【0041】[評価]かくして得られた8種類のインク
ジェット記録用専用紙について、以下の品質比較テスト
を行い、その結果を表1に記載した。即ち、25℃60
%RHの標準環境下におかれたインクジェットプリンタ
MJ−500[セイコ−エプソン(株)製]と同標準イ
ンクを用い、実施例、比較例により得られた記録しに7
0mm×70mmのベタパタ−ンと漢字のテスト印字と
を行った。マクベス濃度計(RD−914)を使用し
て、ベタパタ−ン部の記録濃度を測定した。漢字テスト
印字部を印字10秒後に指触し、指に対するインク汚染
の有無にて乾燥速度を評価した。漢字テスト印字部を2
5倍ル−ペで観察し、ドットの再現性とにじみを目視判
定し、下記の評価基準に基づきそれぞれ評価した。 (評価基準) A:にじみがなく、ドットの真円性が良好。 B:ややにじみが少し認められるが、実用上の問題はな
い。 C:にじみが目立ち、ドットの真円性が不良。 D:にじみにより、ドット真円性が欠如、実用性が全く
ない。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】表1.の結果から明かなように本発明の
実施例で得られたインクジェット記録用専用紙では乾燥
速度が速く、高濃度でかつドット真円性の高い記録画像
が得られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 正典 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にインク吸収層が被覆されてな
    るインクジェット記録用専用紙において、該吸収層が、
    内孔を有するポリエステル樹脂粒子を含有することを特
    徴をするインクジェット記録用専用紙。
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