JPH07135938A - 飲料用香味劣化防止剤 - Google Patents
飲料用香味劣化防止剤Info
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- JPH07135938A JPH07135938A JP5314451A JP31445193A JPH07135938A JP H07135938 A JPH07135938 A JP H07135938A JP 5314451 A JP5314451 A JP 5314451A JP 31445193 A JP31445193 A JP 31445193A JP H07135938 A JPH07135938 A JP H07135938A
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Abstract
飲料を提供する。 【構成】 炭酸飲料や果汁飲料等の飲料にコーヒー豆の
水およびまたはアルコールで抽出される成分と金属封鎖
剤を添加、もしくはこれにフラボノール類を併用して添
加することにより、相乗効果が発揮され、飲料の製造工
程中、流通段階および保存中における光、熱、空気等に
よる香味の劣化を防止し、良好な香味を長期間保つこと
ができ、品質の安定した飲料を提供することができる。
Description
よび飲料の香味劣化防止方法に関するものである。
び保存中の各段階において経時的に香味が劣化してお
り、特に透明ガラスビンや透明プラスチック容器入りの
場合において劣化の度合は著しく、そのままでは本来の
香味が消失したり、香味の劣化による異味異臭が発生し
たり等の問題が生じやすい。最近、健康維持に関する要
望が強く、飲料に健康保持に寄与する成分、例えばβ−
カロテン、α−カロテン、リコペン、ビタミンB群、ビ
タミンC、ビタミンD、ビタミンE、ニコチン酸等のビ
タミン関連化合物、その他イコサペンタエン酸(EP
A)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、α−リノレン
酸、γ−リノレン酸などの多不飽和脂肪酸関連化合物を
添加したものなどの開発が進められているが、これらの
化合物は安定性に乏しく、異味異臭の発生因子となる。
コルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、
ブチルヒドロキシアニソール(BHA)などの合成酸化
防止剤、トコフェロール、没食子酸、ルチン、酵素処理
ルチン、生コーヒー豆抽出物(特開平4−27374、
特開平4−345693)、その他天然物を起源とする
酸化防止剤の添加による方法、低温での流通・保存、ま
た光や外気を極力遮断した容器を用いる等の方法がとら
れているが、未だ充分な香味劣化防止方法は確立されて
いないのが現状である。
飲料は製造工程中、流通段階および保存中において光、
熱、空気等による影響を受け、香味が変化し品質の低下
をまねくことがあるが、本発明は、こうした飲料の香味
劣化を防止し、品質の安定した飲料を提供することを目
的とする。
劣化防止について鋭意研究した結果、コーヒー豆から
水、およびまたはアルコールで抽出される成分(以下コ
ーヒー抽出物という)と、またはこれにフラボノール類
を併用したものに金属封鎖剤を併用することにより飲料
の香味劣化防止に非常に顕著な効果があることを見いだ
した。すなわちコーヒー抽出物またはこれにフラボノー
ル類を併用したものに金属封鎖剤を併用して飲料に適宜
添加することにより、飲料の香味には影響を及ぼさずに
良好な香味を長期間保つことができることを見いだし、
本発明に至ったものである。以下に本発明を詳しく説明
する。本発明でいう飲料とは特に限定されるものではな
く、例えば炭酸飲料、果汁、果汁飲料、乳性飲料、茶類
飲料、アルコール飲料、機能性食品素材含有飲料、その
他を挙げることができる。
コーヒー豆抽出物またはこれにフラボノール類を併用し
たものに金属封鎖剤を併用して添加すること以外は従来
からの飲料の製法を使用することができる。すなわち飲
料の原料としては砂糖、異性化糖、ステビア、アスパル
テーム等の甘味料、クエン酸、乳酸等の酸味料、香料、
乳化剤、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、ビ
タミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ニ
コチン酸等のビタミン類等の強化剤、機能性食品素材例
えばイコペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、α−リノ
レン酸、γ−リノレン酸等の多価不飽和脂肪酸含有油脂
及びその加工品、果汁、野菜汁、乳、乳製品、酒等のア
ルコール飲料、茶類等の抽出液、炭酸ガス、無機成分等
および飲料用水であり、これらを単独もしくは複数組み
合せて使用すればよいが特にこれらに制限されるもので
はなく、飲料に適した原料を適宜選択し使用すれば良
い。原料を混和、溶解、懸濁、酵素処理、発酵等の処理
をして調製し、殺菌、濾過、容器詰め等のいくつかの工
程を経て飲料として供されるものである。こうして製造
された飲料は製造工程中、流通段階および保存中におい
て光、熱、空気等による影響を受け徐々に香味は変化
し、製品価値が少しずつ低下していく。
ウジ酸、グルコン酸、フィチン酸、ピロリン酸、ポリリ
ン酸、メタリン酸、エチレンジアミン四酢酸及びこれら
の塩類、キチン、キトサンを挙げることができ、これら
からなる群の1種又は2種以上が採用される。本発明中
のコーヒー抽出物の原料として使用されるコーヒー豆は
産地や収穫時期等について限定されるものではないが、
特に好ましくはコーヒー生豆、もしくは加熱処理を行な
ったものであっても褐変や、加熱による香気の少ないも
のがよい。本発明で使用するコーヒー抽出物は、コーヒ
ー豆を水およびまたはアルコールで抽出される成分であ
ればよいが、好ましくは抽出物が脱色、脱臭及びカフェ
インの除去操作が施されたものの方がよい。所望により
更にクロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸に分離して
これらの群から1種または2種以上を組合わせて使用し
てもよく、いづれも本発明に使用することが出来る。
は炭素数1から4の脂肪族アルコールを指す。例えばメ
タノール、エタノール、プロパノール、その他があげら
れる。本発明でいうフラボノール類にはイソケルセチ
ン、ルチン、酵素処理ルチン、ケルセチン、ゴシピン、
ゴシペチン、ミリシトリン、ミリセチン、モリン、その
他が挙げられ、これらからなる群の1種もしくは2種以
上が選ばれる。飲料にコーヒー抽出物および金属封鎖
剤、フラボノール類を添加する時期については特に限定
されるものではなく、飲料の製造工程中のどの段階で添
加してもかまわない。
については添加対象の飲料や金属封鎖剤の種類及び併用
するフラボノール類の種類及び添加量により異なるが、
期待される効果や香味上の問題から自ずと定まってくる
ものである。例えば超臨界流体抽出により脱脂、脱臭、
脱カフェインした生のコーヒー豆を50%含水エタノー
ルで抽出したコーヒー豆抽出物の場合、無果汁炭酸飲料
に使用する際には固形分として5〜1000ppm程度
の添加が好ましい。この範囲以下の濃度の添加では期待
される効果は得られず、これ以上の濃度の添加では添加
するコーヒー豆抽出物が飲料の香味に影響する。
飲料の種類、使用する水質等により変動するが一般的に
は飲料に対して1ppm以上添加することが望ましい。
併せて使用するフラボノール類の使用量は選択するフラ
ボノールによってもその使用量は異なるが、イソケルセ
チンを選択する場合にあっては、飲料に対して1〜20
0ppm程度の添加量が望ましい。この範囲以下の添加
量では期待される効果が充分に発揮されず、これ以上の
添加ではイソケルセチンの飲料に対する溶解度が低いた
め析出物を生じるといった問題点があり、また香味にも
影響する。
物またはこれにフラボノール類を併用したものに金属封
鎖剤を併用することによって相乗効果により所望の効果
が得られるが、必要に応じて他の酸化防止剤等を併用し
てもかまわない。また香味劣化防止剤の剤形としては液
状や粉末等どのようなものであってもかまわないし、香
味劣化防止剤に必要に応じて添加される添加物について
も特に限定されるものではない。例えば溶剤として水、
アルコールやグリセリン、プロピレングリコール、その
他の有機溶剤、賦形剤としてデキストリン等の糖類、そ
の他を適宜使用して製剤化することができる。本発明の
効果は、缶容器、紙パック容器、アルミニウムラミネー
トポリ容器などに充填された飲料に使用しても十分な効
果を発揮するが、光照射の影響をうけやすいガラスびん
やプラスチック製の容器に充填したものであっては、特
に著しい効果を発揮する。
装置の2L容量の抽出槽に仕込み、二酸化炭素とエント
レーナとして水を用いて45℃、200気圧で6時間抽
出して脱脂、脱臭、脱カフェインした。次いで50%エ
タノール5Lを加えて4時間50℃で撹拌抽出した。固
形分を除去し、抽出液を減圧乾固し、コーヒー抽出物6
5gを得た。
これにナリンギナーゼ(天野製薬株式会社、商品名ナリ
ンギナーゼ”アマノ”)を50g添加した。この系はの
pHは7であった。これを5時間50℃に保持したの
ち、濃縮し、50Lとした。冷却したところイソケルセ
チンが沈殿した。沈殿物をろ別して集め、乾燥すること
によりイソケルセチン320gを得た。
スターチ800gを添加し、均質にし、これにCGTa
se(天野製薬株式会社、商品名コンチザイム)200
mlを添加し温度55℃、pH6.8にて12時間保持
した。この溶液を吸着樹脂カラム(三菱化成(株)製ダ
イヤイオンHP−21)に通してケルセチン−3−O−
配糖体を吸着させ、ついで50%V/Vメタノール水溶
液で脱着させた。脱着液を濃縮乾固して固形物550g
を得た。この固形物は、未反応のイソケルセチンやグル
コース残基数の異なる配糖体をを含むケルセチン−3−
O−配糖体混合物であった。この配糖体の混合物をケル
セチン配糖体1と呼ぶ。
水を加え、コーンスターチ2kgを添加し、均質にし、
これにCGTase(天野製薬株式会社、商品名コンチ
ザイム)100mlを添加し温度50℃に12時間保持
した。(pH6.8)。これを濃縮乾固して固形物3k
gを得た。この固形物は、未反応のケルセチンルチノシ
ドやグルコース残基数の異なる配糖体を含むケルセチン
−3−O−配糖体混合物であった。この配糖体の混合物
をケルセチン配糖体2と呼ぶ。
よびデキストリン53.4gをイオン交換水300ml
に溶解させた溶液を、スプレードライヤーを使用してイ
ンレット温度150℃、アウトレット温度80℃で噴霧
乾燥を行ない、乾燥粉末である香味劣化防止剤1を3
9.1g調製した。
化物) VミックスNO.23894 0.01% (三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製ビタミン混合物) 水 87.69% 合計 100.00%
菌後、以下の試験区分に分けて200ml容透明ガラス
びん充填後40℃の暗所で一カ月間放置した後、10名
のパネラーによる官能評価を以下の5段階の評価基準で
行なったところ表1のような結果となった。
添加 試験区3:メタリン酸ナトリウムを10ppmとなるよ
うに添加 試験区4:香味劣化防止剤2を0.05%添加(飲料に
対しコーヒー抽出物として50ppm、メタリン酸ナト
リウムとして5ppm含有)
ると試験区4は他の試験区に比べて際だってすぐれてお
り、魚臭的な劣化臭が少なく、日光照射前の良好な香味
が残っており、バランスのとれた香味を有しているとの
評価となった。
し50℃に加温しながら、コーヒー抽出物10g、エチ
レンジアミン四酢酸二ナトリウム1g、イソケルセチン
5gを溶解させた後室温まで冷却し、香味劣化防止剤2
を100g調製した。
のシロップをプレーンソーダで1000mlとする。
容透明ガラスびんに静かに移しかえ、以下の試験区に分
けて、11月上旬の晴天の日に2日間日光照射した後、
官能評価を実施例2と同様に行なったところ表2のよう
な結果となった。
添加 試験区3:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを10
ppmとなるように添加 試験区4:イソケルセチンを50ppmとなるように添
加 試験区5:香味劣化防止剤2を0.05%添加(飲料に
対しコーヒー抽出物として50ppm、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウムとして5ppm、イソケルセチン
として25ppm含有)
ると試験区5は他の試験区に比べて際だってすぐれてお
り、いやな劣化臭が少なく、日光照射前のレモン的な香
味が残っており、バランスのとれた香味を有していると
の評価となった。
ン交換水24gをあらかじめ混合しコーヒー抽出物10
g、フィチン酸1g、ケルセチン配糖体1を5g溶解さ
せ、香味劣化防止剤3を100g調製した。
試験区に分け缶充填後レトルト殺菌(120℃、4分)
し、60℃で2週間保存した後、10名のパネラーによ
る官能評価を以下の5段階で行なったところ表1のよう
な結果となった。
添加 試験区3:フィチン酸を10ppmとなるように添加 試験区4:ケルセチン配糖体1を50ppmとなるよう
に添加 試験区5:香味劣化防止剤0.05%添加(飲料に対し
コーヒー抽出物として50ppm、フィチン酸として5
ppm、ケルセチン配糖体1として25ppm含有)
ると試験区5は他の試験区に比べて際だってすぐれてお
り、イモ臭的な劣化臭が少なく、日光照射前の紅茶らし
さを保っており、バランスのとれた香味を有していると
の評価となった。
配糖体2を3gおよびデキストリン50.4gをイオン
交換水300mlに溶解させた溶液を、スプレードライ
ヤーを使用してインレット温度150℃、アウトレット
温度80℃で噴霧乾燥を行ない、乾燥粉末である香味劣
化防止剤1を43.1g調製した
ターム) 脱脂粉乳 2.00g クエン酸(結晶) 0.42g ヨーグルト香料 0.10g 水で全量を 200mlとする
て200ml容透明ガラスびんに充填後80℃で20分
間殺菌し、冷却後10℃にて蛍光灯照射下(約4000
ルクス)で6日間放置した後、官能評価を実施例2と同
様に行なったところ表4のような結果となった。
添加 試験区3:グルコン酸を10ppmとなるように添加 試験区4:ケルセチン配糖体2を50ppmとなるよう
に添加 試験区5:香味劣化防止剤0.05%添加(飲料に対し
コーヒー抽出物として50ppm、グルコン酸として5
ppm、ケルセチン配糖体2として25ppm含有)
ると試験区5は他の試験区に比べて際だってすぐれてお
り、むれたようないやな劣化臭が少なく、日光照射前の
さわやかな香味を保っており、バランスのとれた香味を
有しているとの評価となった。
添加することにより、飲料そのものの香味には影響を与
えずに、飲料の製造工程中、流通段階および保存中にお
ける光、熱、空気等による香味の劣化を非常に顕著に防
止し、良好な香味を長期間保つことができ、品質の安定
した飲料を提供することができた。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属封鎖剤とコーヒー豆から水およびま
たはアルコールで抽出される成分を含むことを特徴とす
る飲料用香味劣化防止剤。 - 【請求項2】 金属封鎖剤とコーヒー豆から水およびま
たはアルコールで抽出される成分を飲料に含有せしめる
ことを特徴とする香味劣化防止方法。 - 【請求項3】 金属封鎖剤とコーヒー豆から水およびま
たはアルコールで抽出される成分及びフラボノール類を
含むことを特徴とする飲料用香味劣化防止剤。 - 【請求項4】 金属封鎖剤とコーヒー豆から水およびま
たはアルコールで抽出される成分及びフラボノール類を
飲料に含有せしめることを特徴とする香味劣化防止方
法。
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---|---|---|---|
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-
1993
- 1993-11-19 JP JP31445193A patent/JP3429040B2/ja not_active Expired - Fee Related
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