JPH0713533B2 - 石油燃焼器の故障検出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は２つのバーナを備え、比較的短いサイクルでオ
ンオフを繰り返すオンオフサイクル燃焼によって、設定
された温度の温水を瞬間給湯するようにした石油給湯器
の故障検出装置に関する。

＜従来技術とその課題＞ １個の共通の燃料供給ポンプからの石油を夫々の燃料供
給開閉弁を介して２つのバーナに供給し、必要に応じて
１つ又は２つのバーナを燃焼させる石油燃焼器において
は、各々のバーナに設けられる炎検出器は、他方のバー
ナの燃焼炎光をも検出することから、一方のバーナだけ
を燃焼させている場合に、他方のバーナに燃料供給開閉
弁の故障等により石油が漏れ供給され、燃焼が行われて
しまっても、その故障側のバーナの炎検出器の炎検出を
もって、その故障側のバーナが本当に故障であるか否か
を判断することができない。

そして従来は燃焼運転スイッチのオフ信号により、燃料
供給開閉弁の閉止動作と同時に燃料供給ポンプも停止す
るようにしていたため、燃焼運転スイッチがオフされれ
ば、例え燃料供給弁が故障で開いたままになっていて
も、バーナへの燃料供給は停止され、燃焼がストップさ
れる。すなわち燃料供給開閉弁の故障漏れが検出できな
かった。

そこで本出願人は上記欠点を解消するために、特願平２
−109591号にて燃料供給開閉弁の故障漏れをチェックす
る装置を提供した。

ところがこの特願平２−109591号の発明は、燃焼の停止
指令がある毎にチェックを行う装置であることから、燃
焼のオンオフを頻繁に繰り返す燃焼器にはチェック過剰
の欠点があった。すなわち、燃焼のオン時間とオフ時間
の比率を必要熱量から演算し、その比率で燃焼のオンと
オフを比較的短いサイクルで繰り返すことにより、所定
の設定温度の温水を瞬間給湯するようにした給湯器にあ
っては、燃焼のオフ指令がある毎にチェックを行う機構
とすると、チェック回数が過剰となると同時にチェック
時に残炎があれば燃焼オン時間がその都度延長されるこ
ととなり、実質上、オンとオフの比率が演算値からず
れ、出湯温度が高温側へシフトする等、出湯特性が悪く
なる問題があった。

そこで本発明は上記従来の問題を解消し、オンオフサイ
クル燃焼による瞬間式の２バーナ式石油給湯器におい
て、出湯特性が悪くならず、しかも燃料供給開閉弁の故
障による漏れを確実に検出することができる故障検出装
置の提供を目的とする。

＜課題を解決するための手段＞ 上記目的を達成するため、本発明の石油燃焼器の故障検
出装置は、それぞれに燃料供給開閉弁と炎検出器を備え
た２個のバーナと、該バーナへ前記燃料供給開閉弁を介
して石油を送るための共通の燃料供給ポンプと、給湯器
各部の動作制御を行う制御部とを少なくとも有し、比較
的短いサイクルでオンオフを繰り返すオンオフサイクル
燃焼によって、設定された温度の温水を瞬間給湯するよ
うにした石油給湯器における故障検出装置であって、前
記制御部は、サイクル燃焼開始に伴う第１サイクル目の
燃焼時間経過時には、まず前記燃料供給開閉弁の閉止信
号を出力すると共に、前記炎検出器からの炎非検出信号
の入力をまって前記燃料供給ポンプの停止信号を出力す
るようにし、且つ前記炎検出器からの炎非検出信号を一
定時間経過しても入力しない場合には故障報知信号を出
力するよう構成したことを第１の特徴としている。

また本発明の石油燃焼器の故障検出装置は、上記第１の
特徴に加えて、燃料供給開閉弁の閉止信号出力後、一定
時間経過しても炎検出器からの炎非検出信号を入力しな
い場合には、制御部がサイクル燃焼の停止信号も合わせ
て出力するよう構成したことを第２の特徴としている。

＜作用＞ 上記本発明の第１の特徴によれば、燃料供給開閉弁に故
障がなければ、燃料供給開閉弁の閉止信号により燃料供
給開閉弁が確実に燃料供給路を閉止するので、多少の時
間の残炎が残ることがあるにせよ、確実に消火され、炎
検出器からの炎非検出信号によって制御部を介して燃料
供給ポンプが停止される。一方、燃料供給開閉弁が故障
している場合には、燃料供給開閉弁の閉止信号によって
も燃料供給開閉弁は経路を閉止できない状態にあるの
で、引き続き駆動中の燃料供給ポンプからの燃料が故障
の開閉弁を通ってバーナに送られ、燃焼を続ける。よっ
て炎検出器が炎検出信号を出し続けることになり、制御
部は一定時間以上炎検出信号を入力しない結果、燃料供
給開閉弁の故障と判定し、故障報知信号を出力する。こ
れによって使用者は燃料供給開閉弁の故障を知ることが
できる。

特に燃料供給開閉弁の閉止信号を伴う燃料供給開閉弁の
故障チェックはオンオフサイクル燃焼が開始される毎に
行われるので、燃料供給開閉弁の故障チェックが確実に
行える。しかも燃料供給開閉弁の故障チェックはオンオ
フサイクル燃焼開始後の第１サイクル目の燃焼時間経過
時に限定されるので、例えチェック時に燃焼時間が延長
されるようなことがあっても、それは第１回目に限ら
れ、第２回以後に生じることがない。よって予め演算さ
れたオン時間とオフ時間の比率を維持することができ、
出湯温度の高温側へのシフトが防止される。

また本発明の第２の特徴によれば、上記第１の特徴によ
る作用に加えて、燃料供給開閉弁に故障がある場合には
オンオフサイクル燃焼を停止して安全性を確保すること
ができる。

＜実施例＞ 第１図は本発明実施装置の全体構成図、第２図は制御部
による燃料供給開閉弁の故障チェックのタイミング制御
動作例を示すフローチャート、第３図は制御部による燃
料供給開閉弁の故障チェック時の制御動作例を示すフロ
ーチャート、第４図はオンオフサイクル燃焼時の各部の
動作タイミングチャートである。

燃焼缶体10の燃焼室11に対して２つのガンタイプバーナ
20、30が臨んでいる。このうち上のバーナ20は小バーナ
で、これを第１バーナ20とする。また下のバーナ30は大
バーナで、これを第２バーナとする。第１バーナ20と第
２バーナ30にはそれぞれ、第１、第２の噴出ノズル21、
31、点火用の第１、第２のイグナイタ22、32、第１、第
２の炎検出器23、33、及び第１、第２の燃料供給開閉弁
24、34が設けられている。第１、第２の噴出ノズル21、
31へは共通の燃料供給ポンプ40からそれぞれ第１、第２
の燃料供給開閉弁24、34を介して燃料が送られる。50は
送風ファンである。

前記燃焼室11には給湯用の熱交換器60が設けられ、入水
管61、出湯管62が接続されている。入水管61には水量セ
ンサ63が設けられ、この水量センサ63は一定の最低作動
水量（MOQ）以上を検出すると、その検出信号を制御部7
0に入力する。

装置各部の動作は制御部70によって制御される。すなわ
ち制御部70はマイクロコンピュータを内蔵し、リモート
コントローラ（以下リモコンとする）80からの指令、及
び炎検出器23、33、水量センサ63等からの信号を入力
し、イグナイタ22、32、燃料供給開閉弁24、34、燃料供
給ポンプ40、送風ファン50等に動作指令を出力する。

前記リモコン80には給湯運転スイッチ81、故障表示ラン
プ82が少なくとも設けられている。前記給湯運転スイッ
チ81がオンされると、水量センサ63が最低作動水量（MO
Q）を検出することを条件に制御部70が前記何れか一方
のバーナ20、30又は両方のバーナをオンオフサイクル燃
焼させる。すなわち、制御部70は設定された給湯温度と
入水温度と入水流量とから必要な熱量を演算し、それに
よって何れのバーナ又は両バーナを使うかを決定し、且
つ選択したバーナの単位時間当たりの発熱量と前記必要
熱量とから、バーナのオン時間とオフ時間の比率を定
め、比較的短時間（例えば３秒〜10秒）でオンとオフが
繰り返されるオンオフサイクル燃焼を行う。

オンオフサイクル燃焼は、運転スイッチ81がオンされて
いる状態で、使用者が出湯管62の図示しないカランを開
き、水量センサ63が最低作動水量以上を検出した時に、
制御部70がまずイグナイタ22、32を働かせ、次に若干の
時間差をもって燃料供給開閉弁24、34を開き、燃料供給
ポンプ40を駆動させることによって行われる。

オンオフサイクル燃焼の停止は、使用者がカランを閉め
ることによって水量センサ63が最低作動水量未満になる
と、制御部70を介して燃料供給開閉弁24、34、ポンプ40
が閉止されることによって行われる。

さらにオンオフサイクル燃焼中、第２サイクル目以後の
各サイクルにおける燃焼停止は燃料供給開閉弁24、34と
ポンプ40とが同時にオフされることにより行われる（第
４図参照）。

一方、オンオフサイクル燃焼中、第１サイクル目の燃焼
停止は、燃焼時間の経過により、まず制御部70から燃料
供給開閉弁24、34の閉止指令が出され、炎検出器23、33
からの炎非検出信号を制御部70が入力した時点でポンプ
40の停止信号を出力することにより行われる（第４図参
照）。

制御部70による燃料供給開閉弁24、34の故障チェックの
ための動作制御につき、さらに第２図〜第４図を用いて
説明する。

今、リモコン80の運転スイッチ81がオンされると（ステ
ップ101）、水量センサ63が最低作動水量（MOQ）以上を
検出することを条件に（ステップ102）、制御部70はオ
ンオフ燃焼を開始する。そして第１サイクル目の燃焼が
あると（ステップ104）、故障チェックを行う（ステッ
プ105）。第１サイクル目の燃焼でない場合は故障チェ
ックは行わない。故障チェックの結果、正常であれば第
２サイクル以後の燃焼を続ける（ステップ107）。開閉
弁24、34に故障があれば安全動作として燃焼を停止する
（ステップ108）。サイクル燃焼中に入水量が最低作動
水量（MOQ）未満になると（ステップ109）、サイクル燃
焼を停止する（ステップ110）。

前記故障チェックは、第１サイクル目の燃焼時間が経過
した時点で（ステップ201）、制御部70によりまず開い
ている燃料供給開閉弁24、34の閉止指令を行い（ステッ
プ202）、炎検出器23、33が炎非検出となれば（ステッ
プ203）、正常と判定すると共に燃料供給ポンプ40の停
止指令を出す（ステップ204）。これで第１サイクル燃
焼が終了する。なお第１サイクル目の燃焼時間経過時に
はイグナイタ22、32を再駆動する（第４図参照）。一
方、前記ステップ203の炎検出判定において、炎検出器2
3、33が炎検出を続ける場合は、一定時間Ｔ引き続き炎
検出を続けることを条件に（ステップ205）、故障報知
信号として表示信号を出力し、表示206を故障表示ラン
プ82で行う。そしてポンプ40をオフする（ステップ20
7）。

前記一定時間Ｔは、燃料供給開閉弁24、34を閉止した時
に生じることがある残炎を考慮したもので、該生じ得る
残炎の時間よりも長く設定する。なお残炎があると、そ
の分だけ燃焼オン時間が演算された時間より延びること
になる。

第２サイクル目以後の各サイクルでの燃焼時間経過に際
しては、チェックは行わない。その場合には燃料供給開
閉弁24、34とポンプ40の閉止は同時に行い、イグナイタ
22、32は駆動させない。

また上記において、サイクル燃焼を両バーナ20、30を用
いて行う場合には、バーナの故障については、何れかの
バーナが故障していることがわかるだけである。が何れ
か一方のバーナだけがサイクル燃焼に用いられた場合に
は、そのバーナの故障が確実にわかる。

＜効果＞ 本発明は以上の構成よりなり、請求項１に記載の石油給
湯器の故障検出装置によれば、第１サイクル目の燃焼時
間経過時にまず燃料供給開閉べんだけに閉止信号を出力
して、炎非検出をまって燃料供給ポンプの停止信号を出
力するようにしているので、燃料供給開閉弁に故障があ
れば、これを確実に検出することができ、これを報知す
ることができる。しかも故障有無のチェックは、オンオ
フサイクル燃焼が行われる場合には、必ず行われるの
で、故障チェックが確実に行える。さらに故障有無のチ
ェックはオンオフサイクルの第１サイクル目に限定され
るので、チェック回数が過剰とならず、燃焼オン時間が
長時間側へシフトするような出湯特性上の問題も生じな
い。

また請求項２に記載の石油給湯器の故障検出装置によれ
ば、上記請求項１に記載の構成による効果に加えて、燃
料供給開閉弁に故障がある場合にはサイクル燃焼が停止
されるので、安全性も確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施装置の全体構成図、第２図制御部に
よる燃料供給開閉弁の故障チェックのタイミング制御動
作を示すフローチャート、第３図は制御部による燃料供
給開閉弁の故障チェック時の制御動作例を示すフローチ
ャート、第４図はオンオフサイクル燃焼時の各部の動作
タイミングチャートである。 20、30:バーナ 22、32:イグナイタ 23、33:炎検出器 24、34:燃料供給開閉弁 40:燃料供給ポンプ 63:水量センサ 70:制御部 80:リモートコントローラ 81:給湯運転スイッチ 82:故障表示ランプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれに燃料供給開閉弁と炎検出器を備
   えた２個のバーナと、該バーナへ前記燃料供給開閉弁を
   介して石油を送るための共通の燃料供給ポンプと、給湯
   器各部の動作制御を行う制御部とを少なくとも有し、比
   較的短いサイクルでオンオフを繰り返すオンオフサイク
   ル燃焼によって、設定された温度の温水を瞬間給湯する
   ようにした石油給湯器における故障検出装置であって、
   前記制御部は、サイクル燃焼開始に伴う第１サイクル目
   の燃焼時間経過時には、まず前記燃料供給開閉弁の閉止
   信号を出力すると共に、前記炎検出器からの炎非検出信
   号の入力をまって前記燃料供給ポンプの停止信号を出力
   するようにし、且つ前記炎検出器からの炎非検出信号を
   一定時間経過しても入力しない場合には故障報知信号を
   出力するよう構成したことを特徴とする石油給湯器の故
   障検出装置。
2. 【請求項２】燃料供給開閉弁の閉止信号出力後、一定時
   間経過しても炎検出器からの炎非検出信号を入力しない
   場合には、制御部がサイクル燃焼の停止信号も合わせて
   出力するよう構成した請求項１に記載の石油給湯器の故
   障検出装置。