JPH07134958A - 回転陽極型x線管及びその製造方法 - Google Patents

回転陽極型x線管及びその製造方法

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JPH07134958A
JPH07134958A JP5282189A JP28218993A JPH07134958A JP H07134958 A JPH07134958 A JP H07134958A JP 5282189 A JP5282189 A JP 5282189A JP 28218993 A JP28218993 A JP 28218993A JP H07134958 A JPH07134958 A JP H07134958A
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JP
Japan
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ray tube
base material
metal container
black layer
anode
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Pending
Application number
JP5282189A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Ono
勝弘 小野
Koichi Kitade
康一 北出
Hideo Abu
秀郎 阿武
Yoshihiro Kobayashi
喜広 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、金属容器部分の内面の黒色層の
付着強度が高く、且つ外面が絶縁油と容易に反応せず、
長期間にわたり安定した熱伝導性を維持する回転陽極型
X線管、及びその製造方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 この発明は、陽極ターゲット14を包囲する
真空容器21の一部である金属容器16が、母材16a
の少なくとも外面に保護層16b,16cが付着され、
内面に酸化鉄からなる黒色層16cが付着されてなる回
転陽極型X線管である。またその製造方法は、母材の内
面に、酸素を含む所定の減圧雰囲気中で鉄を蒸着、スパ
ッタリング又はイオンプレーティングにより付着させて
酸化鉄からなる黒色層16cを付着することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回転陽極型X線管及
びその製造方法に係わり、とくにその金属製の真空容器
部分の構成及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】X線管装置は、図3に示し且つ周知のよ
うに、回転陽極型X線管11を絶縁油が満たされたX線
管収容容器12の内部に収容し、X線放射口13からX
線を放出するようにしたものである。例えばCTスキャ
ナに使用されるような大容量の回転陽極型X線管11
は、真空容器の中央部すなわち回転陽極ターゲット14
及び電子ビーム放出用陰極構体15を包囲する部分が金
属容器16で構成される。そして、その一端開口部には
ガラスのような陰極端子側絶縁容器17、他端開口部に
は陽極端子側絶縁容器18がそれぞれ気密接合されてい
る。このX線管装置の動作にあたっては、金属容器16
はX線管収容容器12とともに接地電位に保たれ、陰極
端子15aに一方の高電圧ケーブル接続端子19からマ
イナスの高電圧が印加され、陽極端子14aに他方の高
電圧ケーブル接続端子20からプラスの高電圧が印加さ
れる。また、X線管収容容器12の内部空間に満たされ
た絶縁油は、図示しない冷却器及びポンプにより冷却さ
れ且つ循環される。絶縁油としては、周知のように、鉱
物性絶縁油が使用される。
【0003】真空容器のうちの金属容器16は、機械的
及び熱的なショックに十分耐えられ且つ熱伝導性のよい
材料でなければならない。このような条件を考慮して、
金属容器の内面側をステンレスとし外面側を銅とした張
り合わせ材を用い、内面に黒色層を付着する例が、実公
平4−36048号公報に開示されている。一方、近来
は金属容器を銅のみで構成し、内面に黒色層を付着した
X線管が実用になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示された構成によれば、金属容器部分の機械的な強度
は必要十分得られるものの、ステンレス鋼の部分の熱伝
導が低いため、最近求められている大容量の回転陽極型
X線管には放熱性の点でなお改善の余地がある。一方、
金属容器を銅のみで構成した場合は、内面の黒色層の付
着強度が十分得にくく、また、外面が長期間比較的高温
状態で絶縁油と接触するので、次第に銅と絶縁油とのス
ラッジ状反応物が生成されやすいことが判明した。とく
に、内面の黒色層を酸化物層により構成する場合は、銅
の内面に酸化銅ができやすく、その上に酸化物からなる
黒色層を被覆させても、付着強度が弱くなるためであ
る。また、外面に生成したスラッジ状反応物は、金属容
器から絶縁油への熱放散を妨げるとともに、徐々に絶縁
油中に分散して油の電気絶縁性を低下させてしまう。
【0005】この発明は、以上のような不都合を解消
し、金属容器部分の内面の黒色層の付着強度が強く、且
つ外面が絶縁油と容易には反応せず、長期間にわたり安
定した熱伝導性を維持する回転陽極型X線管、及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、陽極ターゲ
ットを包囲する真空容器の一部である金属容器が、母材
の少なくとも外面に絶縁油と反応を生じにくい材料から
なる保護層が被覆されており、且つ母材の内面に直接又
は保護層上に酸化鉄からなる黒色層が付着されてなる回
転陽極型X線管である。
【0007】またその製造方法は、真空容器の一部分で
ある金属容器としての母材の少なくとも外面に保護層を
付着し、その後、この内面に酸素を含む所定の減圧雰囲
気中で鉄を蒸着、スパッタリング又はイオンプレーティ
ングにより付着させて酸化鉄からなる黒色層を付着する
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】この発明によれば、母材の少なくとも外面に付
着した保護層により母材と絶縁油との反応が抑制され、
母材内面側においては酸化鉄のような黒色層の付着強度
が強く、X線管装置の長期にわたる良好な耐電圧性能を
維持する。こうして、陽極ターゲットから絶縁油への熱
伝導性にすぐれ、且つ絶縁油の劣化を防止することがで
き、長期間安定した動作を保証することができる。
【0009】
【実施例】以下図面を参照してその実施例を説明する。
図1は完成状態の要部をあらわしている。真空容器21
は、回転陽極ターゲット14及び陰極構体15を包囲す
る中央部分が銅材からなる金属容器16であり、その両
端部にガラス容器17,18がヘリアーク溶接部22,
23でそれぞれ気密接合されている。一方のガラス容器
17の内側には陰極支持体15bが延長配置され、他方
のガラス容器18の内側には陽極回転体14bが延長配
置されている。金属容器16の一部には、X線放射窓2
4が設けられている。
【0010】そこで、金属容器16は、図示の円内を拡
大して示すように、容器の母材である厚さが例えば3m
mの無酸素銅の容器壁16aの内外両面に、保護層であ
る厚さが約10μmのニッケル層16b,16cが付着
され、内面側においてはさらにこのニッケル層16cの
上に黒色層16dが付着されている。なお、黒色層16
dは、各ガラス容器との接続部を内側で覆うコロナリン
グ部16m,16nの内面には形成していない。それに
よって、これらコロナリング部の内面の平滑性を高め、
帯電や放電を防止する。これらコロナリングは、金属容
器とは別の部品として用意し、組み立ててもよい。
【0011】次に、図2も参照して、好ましい製造方法
を説明する。金属容器16は、予め、陽極側の主要な漏
斗状部161と、陰極側の漏斗状部162とに別けて製
作する。各漏斗状部の両開口端部の所定位置に、薄肉の
ステンレス鋼からなる封着リング25〜28を気密ろう
接する。そして、各漏斗状部161,162の内外面に
ニッケルのめっき層16b,16cを約10μmに厚さ
に付着形成する。次に、各漏斗状部161,162を、
酸素を含む所定の減圧ベルジャ内に配置するとともに、
コロナリング部の内面を所定範囲だけマスキングする。
各漏斗状部を所定温度、例えば200〜300℃の範囲
の温度に加熱し、純鉄のロッドからなるヒータに通電し
て内面に蒸着し、酸素との反応による酸化鉄の黒色層1
6dを被覆形成する。内面のニッケル層は幾分多孔質で
あるため、その上に被覆される黒色層との高い付着強度
が得られる。次にこれらを真空中で例えば600〜80
0℃の範囲の温度で加熱処理し、それによって不所望な
ガスの放出と黒色層の付着力を高める。
【0012】このように製作した漏斗状部の一方161
の封着リング25に、ガラス容器18の先端封着リング
29を合致させ、ヘリアーク溶接部23において気密接
合する。また、それらの内側に回転陽極ターゲット14
及び回転体14bを挿着して図示しない陽極端子部で気
密接合する。他方の漏斗状部162の封着リング28
に、ガラス容器17の先端封着リング30を合致させ、
ヘリアーク溶接部22において気密接合する。これらの
内側には、陰極構体15及びその支持体15bを挿着し
て陰極端子付近で気密接合する。
【0013】そして、陽極側の組立体と、陰極側の組立
体とを、各々の漏斗状金属容器の同一内径の開口部にろ
う接してある2つの封着リング26,27を密に嵌合さ
せ各先端をヘリアーク溶接により気密接合して一体化す
る。そのヘリアーク溶接部を図1に符号31であらわし
ている。その後、X線管内を排気して完成し、図3に示
すように、X線管収容容器内に固定し、容器内に前述の
材質からなる絶縁油を満たし、冷却、循環させるように
組み立てる。
【0014】なお、母材は、銅又は銅主体の合金に限ら
ず、比較的熱伝導性のすぐれた金属であればよい。ま
た、ニッケル保護層の厚さは、3〜20μmの範囲が、
上記効果を確実に得るうえで好ましい。さらにまた、保
護層は、上記ニッケルの他、クロム、銀、金の中から選
択された金属又はその少なくとも1つを主体とする合金
であってもよい。これらは、鉱物性絶縁油と比較的高温
で接触しても、反応を生じにくく、好適である。なおま
た、酸化鉄からなる黒色層の形成方法としては、上記の
蒸着法の他、スパッタリング法や、又はイオンプレーテ
ィング法、その他により付着させることができる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
金属容器の内面の黒色層の付着強度が強く、外面の保護
層と絶縁油との反応が抑制され、X線管装置の長期にわ
たる良好な耐電圧性能を維持する。こうして、陽極ター
ゲットから絶縁油への熱伝導性にすぐれ、且つ絶縁油の
劣化を防止することができ、長期間安定した動作を保証
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す要部半断面図である。
【図2】図1のものの組立て状態を示す分解半断面図で
ある。
【図3】一般的なX線管装置の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
15…陰極構体 14…回転陽極ターゲット 21…真空容器 16…金属容器 16a…母材 16b,16c…保護層 16d…黒色層
フロントページの続き (72)発明者 小林 喜広 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須電子管工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム放出用陰極に対向して設けら
    れた陽極ターゲットを包囲する真空容器部分が金属容器
    である回転陽極型X線管において、 上記金属容器は、母材の少なくとも外面に絶縁油と反応
    を生じにくい材料からなる保護層が被覆されており、且
    つ母材の内面に直接又は前記保護層上に酸化鉄からなる
    黒色層が付着されてなることを特徴とする回転陽極型X
    線管。
  2. 【請求項2】 母材は銅又は銅主体の合金であり、保護
    層はニッケル、クロム、銀、金の中から選択された金属
    又はその少なくとも1つを主体とする合金からなる請求
    項1記載の回転陽極型X線管。
  3. 【請求項3】 電子ビーム放出用陰極に対向して設けら
    れた陽極ターゲットを包囲する真空容器部分が金属容器
    である回転陽極型X線管の製造方法において、 上記金属容器を構成する母材の少なくとも外面に絶縁油
    と反応を生じにくい材料からなる保護層を付着し、その
    後、前記母材の内面に直接又は前記保護層上に、酸素を
    含む所定の減圧雰囲気中で鉄を蒸着、スパッタリング又
    はイオンプレーティングにより付着させて酸化鉄からな
    る黒色層を形成することを特徴とする回転陽極型X線管
    の製造方法。
JP5282189A 1993-11-11 1993-11-11 回転陽極型x線管及びその製造方法 Pending JPH07134958A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19629539C2 (de) * 1996-07-22 1999-06-17 Siemens Ag Röntgenröhre mit metallischem Vakuumgehäuse und Verfahren zur Herstellung einer solchen Röntgenröhre
JP2005516367A (ja) * 2002-01-30 2005-06-02 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 一体型コロナ・シールドを備えたx線管エンベロープ

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