JP2001185064A - 回転陽極型x線管及びその製造方法 - Google Patents

回転陽極型x線管及びその製造方法

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JP2001185064A
JP2001185064A JP36454699A JP36454699A JP2001185064A JP 2001185064 A JP2001185064 A JP 2001185064A JP 36454699 A JP36454699 A JP 36454699A JP 36454699 A JP36454699 A JP 36454699A JP 2001185064 A JP2001185064 A JP 2001185064A
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anode
container portion
ray tube
central container
heat absorbing
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Hideo Abu
秀郎 阿武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたり耐電圧性能を安定に維持し、か
つ、安価で軽量な回転陽極型X線管およびその製造方法
を提供すること。 【解決手段】 電子ビームを放出する陰極構体13と、
電子ビームの衝突によってX線を発生する陽極ターゲッ
ト12aを有する陽極構体12と、陰極構体13および
陽極構体12を収納し、かつ、陽極ターゲット12a部
分を包囲する中央容器部分11aが金属で構成された真
空外囲器11とを具備した回転陽極型X線管において、
中央容器部分11aを純鉄または室温における熱伝導率
が45W/m・K以上の鉄合金で形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転陽極型X線
管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、回転状態にある陽
極ターゲットに電子ビームを衝突させ、陽極ターゲット
からX線を発生させる電子管で、医療用診断装置などに
利用されている。
【0003】ここで、従来の回転陽極型X線管について
図5を参照して説明する。符号31は収容容器で、収容
容器31内に回転陽極型X線管32が収容されている。
収容容器32と回転陽極型X線管32の隙間に絶縁油が
満たされている。絶縁油は、図示しない冷却器やポンプ
などによって冷却され、かつ、収容容器31の内部を循
環する構成になっている。
【0004】回転陽極型X線管32は全体が真空外囲器
33で構成され、真空外囲器33内に、回転陽極構体3
4および電子ビームを放出する陰極構体35などが配置
されている。回転陽極構体34の表面には、電子ビーム
の衝突によってX線を発生する陽極ターゲット34aが
環状に設けられている。真空外囲器33は、回転陽極構
体34や陰極構体35などの部分を包囲する径の大きい
中央容器部分33a、および、陰極構体35の支持機構
部分36を囲む陰極側容器部分33b、回転陽極構体3
4の回転機構部分37を囲む陽極側容器部分33cなど
から構成されている。
【0005】真空外囲器33の中央容器部分33aは、
CTスキャナなどに使用される大容量の回転陽極型X線
管の場合、通常、金属で構成されている。陰極側容器部
分33bや陽極側容器部分33cはガラスなどの絶縁物
で形成され、これらの各部分は互いに気密接合されてい
る。中央容器部分33aには、陽極ターゲット34aの
横方向に、X線を取り出すX線放射窓38が設けられて
いる。X線放射窓38の延長上の収容容器31の側壁に
も、X線を外部に取り出すX線放射窓39が設けられて
いる。
【0006】上記の構成において、回転陽極型X線管3
2を動作させる場合、一方の高電圧ケーブル接続端子4
0から陰極端子35aにマイナスの高電圧が印加され
る。また、もう一方の高電圧ケーブル接続端子41から
陽極端子34aにプラスの高電圧が印加される。真空外
囲器33の中央容器部分33aは収容容器31とともに
接地電位に保たれる。
【0007】そして、回転する陽極ターゲット34aに
陰極35から電子ビームを衝突させ、陽極ターゲット3
4aからX線を発生させる。発生したX線は、矢印Yで
示すように、真空外囲器33に形成されたX線放射窓3
8、さらに、収容容器31に形成されたX線放射窓39
を通して外部に出力される。
【0008】上記した構成の回転陽極型X線管32の場
合、真空外囲器33の中央容器部分33aを構成する金
属には、通常、ステンレスまたは銅が使用されている。
また、陽極ターゲット34aが発生した熱を効率的に吸
収できるように、中央容器部分33aの内面に、褐色な
いし黒色の酸化膜などからなる熱吸収膜(図示せず)が
形成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転陽極型X線
管は、真空外囲器の中央容器部分をステンレスで構成し
た場合、ウェット水素処理などによって熱吸収膜を容易
に形成できる。また、ステンレスは、機械的強度が高く
熱変形が少ないため、肉厚を薄くでき、軽量化できる。
しかし、ステンレスは熱伝導率が低く(室温で約15W
/m・K)、熱吸収膜で吸収した熱が中央容器部分の外
面や絶縁油に伝わりにくい。そのため、中央容器部分が
局部的に加熱され、ガスが放出し、管内放電が発生し易
い。また、熱吸収膜に緑色の酸化クロムが多く含まれ、
膜の構成も緻密でなく、黒化度も低いため熱吸収性能が
劣る。
【0010】真空外囲器の中央容器部分を銅で構成した
場合、銅は熱伝導率が高く(室温で約390W/m・
K)、伝熱性に優れている。しかし、機械的強度が弱
く、また、製造プロセス中のアニーリングによる強度の
低下があり、動作中に変形し易いという問題がある。そ
のため、中央容器部分の肉厚を厚くしなければならず、
重量が大きくなる。また、中央容器部分の内面に熱吸収
膜を形成する場合、溶射法やイオンプレーティング法な
ど、特殊なコーティング方法が必要となり、製造コスト
が高くなる。また、中央容器部分は、製造上の都合か
ら、通常、2分割した構造に形成され、その後の工程
で、分割されたどうしを気密溶接する構造になってい
る。このため、溶接し易い鉄合金でできた溶接用部品
を、2分割した銅製の中央容器部分に予めろう付けする
必要があり、製造コストが増大する。
【0011】この発明は、上記した欠点を解決し、長期
にわたり耐電圧性能を安定に維持し、かつ、安価で軽量
な回転陽極型X線管およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子ビームを
放出する陰極構体と、前記電子ビームの衝突によってX
線を発生する陽極ターゲットを有する陽極構体と、前記
陰極構体および前記陽極構体を収納し、かつ、前記陽極
ターゲット部分を包囲する容器部分が金属で構成された
真空外囲器とを具備した回転陽極型X線管において、前
記容器部分の材質が純鉄または室温における熱伝導率が
45W/m・K以上の鉄合金であることを特徴とする。
【0013】また、本発明の回転陽極型X線管の製造方
法は、回転陽極型X線管を構成する真空外囲器のうちそ
の中央部に位置する中央容器部分を純鉄または鉄合金で
形成する第1工程と、純鉄または鉄合金で形成された前
記中央容器部分を、酸素または酸素を含むガス雰囲気中
で加熱して前記中央容器部分の内面に酸化鉄からなる熱
吸収膜を形成する第2工程と、前記熱吸収膜が形成され
た前記中央容器部分を気密に接合する第3工程とからな
っている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、完成
状態の要部を示した図1を参照して説明する。符号11
は、回転陽極型X線管を構成する真空外囲器で、真空外
囲器11内に、回転陽極構体12および電子ビームを放
出する陰極構体13などが配置されている。回転陽極構
体12の表面には、電子ビームの衝突でX線を発生する
陽極ターゲット12aが環状に設けられている。回転陽
極構体12は、回転体や固定体などで構成された回転機
構14に連結され、回転機構14部分を通して真空外囲
器11の一端に固定されている。陰極構体13はその支
持機構15部分を通して真空外囲器11の他端に固定さ
れている。
【0015】真空外囲器11は、回転陽極構体12や陰
極構体13などの各部分を包囲する径の大きい中央容器
部分11a、および、陰極構体13の支持機構15部分
を包囲する陰極側容器部分11b、回転陽極構体12の
回転機構14部分を包囲する陽極側容器部分11cなど
から構成されている。中央容器部分11aには、陽極タ
ーゲット12aの横方向に、X線を出力するX線放射窓
16が設けられている。
【0016】真空外囲器11の中央容器部分11aは、
たとえば純鉄などの金属で構成され、陰極側容器部分1
1bや陽極側容器部分11cはガラスなどの絶縁物で構
成されている。中央容器部分11aと陰極側容器部分1
1bは、それぞれに固定された封着リング17、18の
ヘリアーク溶接部Wによって気密接合されている。中央
容器部分11aと陽極側容器部分11cは、それぞれに
固定された封着リング19、20のヘリアーク溶接部W
によって気密接合されている。中央容器部分11aの両
端に位置するコロナリング部21a、21bは、それぞ
れ陰極側容器部分11bや陽極側容器部分11cの内側
に入り込む形になっている。
【0017】中央容器部分11aの内外両面には、図示
の円R内を拡大して示すように、保護層22a、22b
が形成されている。保護層22a、22bは、ニッケ
ル、クロム、銀、金の中から選択された金属、または、
その少なくとも1つを主体とする合金で形成されてい
る。そして、中央容器部分11aの内面には、たとえば
保護層22a上に褐色ないし黒色の酸化膜、いわゆる熱
吸収膜23が形成されている。この場合、中央容器部分
11aと陰極側容器部分11bの接続部、および、中央
容器部分11aと陽極側容器部分11cの接続部をそれ
ぞれ覆うコロナリング部21a、21bの内面に、熱吸
収膜23が形成されないようにし、コロナリング部21
a、21bの内面の平滑性を高め、帯電や放電を防止し
ている。
【0018】上記の構成において、回転陽極型X線管を
動作させる場合、陰極構体13にマイナスの高電圧を印
加し、回転陽極構体12にプラスの高電圧を印加する。
真空外囲器11の中央容器部分11aは接地電位に保た
れる。そして、回転する陽極ターゲット12aに陰極構
体13から電子ビームを衝突させ、陽極ターゲット12
aからX線を発生させる。発生したX線は、真空外囲器
11に形成されたX線放射窓16を通して出力される。
【0019】次に、上記した構成の回転陽極型X線管の
製造方法について図1および図2を参照して説明する。
図2では、図1に対応する部分には同じ符号を付し、重
複する説明は一部省略する。
【0020】まず、中央容器部分11aが、陽極側の漏
斗状部111と陰極側の漏斗状部112との2つに分け
て製作される。その後、漏斗状部111の両端開口部
に、薄肉のステンレス鋼からなる封着リング19、24
を気密ろう接する。また、漏斗状部112の両端開口部
に、薄肉のステンレス鋼からなる封着リング17、25
を気密ろう接する。
【0021】次に、各漏斗状部111、112の内面お
よび外面に保護層22a、22b、たとえばニッケルの
めっき層を約10μmの厚さに付着形成する。
【0022】次に、各漏斗状部111、112をベルジ
ャ内に配置し、同時に、コロナリング部21a、21b
の内面およびX線放射窓16近傍の内面を所定範囲にわ
たってマスキングする。そして、ベルジャ内を、酸素を
含む所定の減圧状態にして鉄を蒸発させることにより、
各漏斗状部111、112の内面に、褐色ないし黒色の
酸化膜、いわゆる熱吸収膜23を形成する。このとき、
各漏斗状部111、112の内面に形成された保護層2
2aたとえばニッケルのめっき層が多孔質であるため、
熱吸収膜23と保護層22aとの間には高い付着強度が
得られる。
【0023】次に、保護層22a、22bや熱吸収膜2
3を形成した漏斗状部111の封着リング19に、陽極
側容器部分11cの封着リング20を合わせ、封着リン
グ19と封着リング20をヘリアーク溶接部W1(図
1)で気密接合する。その後、気密接合された漏斗状部
111と陽極側容器部分11cの内側に、回転陽極構体
12および回転機構14を収納し、たとえば回転機構1
4部分を陽極側容器部分11cの端部に気密接合し、陽
極側組立体を完成する。
【0024】また、他方の漏斗状部112の封着リング
17に、陰極側容器部分11bの封着リング18を合わ
せ、封着リング17と封着リング18をヘリアーク溶接
部W2で気密接合する。その後、気密接合された漏斗状
部112と陰極側容器部分11bの内側に、陰極構体1
3およびその支持機構15を収納し、支持機構15部分
を陰極側容器部分11bの端部に気密接合し、陰極側組
立体を完成する。
【0025】次に、上記の方法で組み立てた陽極側組立
体および陰極側組立体を、それぞれの漏斗状部111、
112の開口部にろう接されている2つの封着リング2
4、25どうしを密に嵌合させ、その先端部分をヘリア
ーク溶接したヘリアーク溶接部W3(図1)によって気
密接合して一体化する。
【0026】次に、X線管内を排気して回転陽極型X線
管を完成する。その後、回転陽極型X線管は、たとえば
図3に示すように、収容容器内に固定される。さらに、
収容容器内の回転陽極型X線管との隙間に絶縁油が満た
される。
【0027】上記した構成によれば、真空外囲器を構成
する中央容器部分を純鉄で構成している。純鉄は機械的
強度が高いため、厚さを薄くでき、軽量で熱変形の少な
い真空外囲器を構成できる。また、純鉄を用いているた
め、熱吸収膜の形成も容易で、中央容器部分の温度上昇
が抑えられ、ガスの放出を防止できる。その結果、長期
にわたって耐電圧性能が安定で、かつ、安価で軽量な回
転陽極型X線管が得られる。
【0028】本発明の他の実施形態について、完成状態
の要部を示した図3を参照して説明する。保護膜22
a、22b及び熱吸収膜23の被着形態及び被着部位が
異なる以外は前記の実施例と全く同一であるので、対応
する部分には同じ符号を付し、重複する説明は省略す
る。
【0029】中央容器部分11aのX線放射窓16近傍
の内面と、コロナリング部21a、21bの内面以外の
内面には保護層は形成されていない。容器11aの内面
と容器11aの外面には、図示の円R内を拡大して示す
ように、褐色ないし黒色の酸化膜、いわゆる熱吸収膜2
3と保護層22bが形成されている。保護層22a、2
2bは、ニッケル、クロム、銀、金の中から選択された
金属、または、その少なくとも1つを主体とする合金で
形成されている。
【0030】この場合、中央容器部分11aのX線放射
窓16近傍の内面と、中央容器部分11aと陰極側容器
部分11bの接続部、および、中央容器部分11aと陽
極側容器部分11cの接続部をそれぞれ覆うコロナリン
グ部21a、21bの内面には熱吸収膜23が形成され
ないようにして表面の平滑性を高め、帯電や放電を防止
している。
【0031】上記の構成において、回転陽極型X線管を
動作させる場合、陰極構体13にマイナスの高電圧を印
加し、回転陽極構体12にプラスの高電圧を印加する。
真空外囲器11の中央容器部分11aは接地電位に保た
れる。そして、回転する陽極ターゲット12aに陰極構
体13から電子ビームを衝突させ、陽極ターゲット12
aからX線を発生させる。発生したX線は、真空外囲器
11に形成されたX線放射窓16を通して出力される。
【0032】次に、上記した構成の回転陽極型X線管の
製造方法について図3および図4を参照して説明する。
図4では、図3に対応する部分には同じ符号を付し、重
複する説明は一部省略する。
【0033】まず、中央容器部分11aが、陽極側の漏
斗状部111と陰極側の漏斗状部112との2つに分け
て製作される。その後、漏斗状部111の両端開口部
に、薄肉のステンレス鋼からなる封着リング19、24
を気密ろう接する。また、漏斗状部112の両端開口部
に、薄肉のステンレス鋼からなる封着リング17、25
を気密ろう接する。
【0034】次に、各漏斗状部111、112の外面
と、コロナリング部21a、21bの内面およびX線放
射窓16近傍の内面に保護層22a、22b、たとえば
ニッケルのめっき層を約10μmの厚さに付着形成す
る。
【0035】次に、各漏斗状部111、112を電気炉
内に配置し、酸素または酸素を含むガス雰囲気中にて、
560℃の温度で約2時間加熱し、各漏斗状部111、
112の保護層22a、22bが被着されていない表面
に、黒色の酸化膜、いわゆる熱吸収膜23を形成する。
このとき、各漏斗状部111、112の保護層22a、
22bが形成された表面も酸化されるが、熱吸収膜とし
て機能する着色は発生しない。
【0036】上記した構成によれば、真空外囲器を構成
する中央容器部分を純鉄で構成している。純鉄は機械的
強度が高いため、厚さを薄くでき、軽量で熱変形の少な
い真空外囲器を構成できる。また、純鉄を用いているた
め、熱吸収膜の形成も容易で、中央容器部分の温度上昇
が抑えられ、ガスの放出を防止できる。その結果、長期
にわたって耐電圧性能が安定で、かつ、安価で軽量な回
転陽極型X線管が得られる。
【0037】この実施形態では各漏斗状部111、11
2を電気炉内に配置し、酸素または酸素を含むガス雰囲
気中にて、560℃の温度で約2時間加熱し、各漏斗状
部111、112の保護層22a、22bが被着されて
いない表面に、黒色の酸化膜、いわゆる熱吸収膜23を
形成させたが、この熱吸収膜23を形成させるための電
気炉の加熱条件は900℃以下の様々な温度条件を選択
することができる。900℃以上の温度での加熱では赤
錆(Fe)が形成されるため好ましくない。65
0℃以上、900℃以下の温度での加熱では主に褐色の
FeOが形成されるが、その後570℃以下の温度を持
続させることにより、FeOが黒色のFeに変化
し好ましい熱吸収膜23が形成される。650℃以下の
温度での加熱では、主に黒色のFeが形成され
る。また、更に望ましくは、各漏斗状部111、112
に熱吸収膜23を形成させた後、他の部品と気密接合し
て一体化する前に、真空中で例えば700℃の温度にて
加熱して、熱吸収膜23を安定化させる工程を実施する
のが良い。
【0038】なお、上記2つの実施形態では、中央容器
部分を純鉄で構成している。しかし、室温における熱伝
導率が45W/m・K以上の鉄合金を使用しても同様な
効果が得られる。
【0039】また、中央容器部分の内面および外面に形
成されるニッケルめっきなどの保護層の厚さは、3〜2
0μmの範囲が望ましい。また、保護層を形成する材料
としては、ニッケルの他、クロム、銀、金の中から選択
された金属、または、その少なくとも1つを主体とする
合金であってもよい。これらの材料は、絶縁油と比較的
高温で接触しても反応が生じにくく、真空容器外面の保
護層として好適である。
【0040】また、上記の実施形態では、中央容器部分
の外面に保護層を設けているが、必ずしも外面に保護層
を設けなくても良い。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、長期にわたり耐電圧性
能が安定で、かつ、安価で軽量な回転陽極型X線管およ
びその製造方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を説明するための概略の構造
図で、右半分を断面で示している。
【図2】本発明の実施形態で使用される真空外囲器部分
の製造方法を説明するための概略の構造図で、右半分を
断面で示している。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための概略の
構造図で、右半分を断面で示している。
【図4】本発明の他の実施形態で使用される真空外囲器
部分の製造方法を説明するための概略の構造図で、右半
分を断面で示している。
【図5】従来例を説明するための概略の構造図で、一部
を断面で示している。
【符号の説明】
11…真空外囲器 11a…中央容器部分 11b…陰極側容器部分 11c…陽極側容器部分 12…回転陽極構体 12a…陽極ターゲット 13…陰極構体 14…回転機構 15…陰極構体の支持機構 16…X線放射窓 17〜20…封着リング 22a、22b…保護層 23…熱吸収膜 W1〜W3…ヘリアーク溶接部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを放出する陰極構体と、前記
    電子ビームの衝突によってX線を発生する陽極ターゲッ
    トを有する陽極構体と、前記陰極構体および前記陽極構
    体を収納し、かつ、前記陽極ターゲット部分を包囲する
    容器部分が金属で構成された真空外囲器とを具備した回
    転陽極型X線管において、前記容器部分の材質が純鉄ま
    たは室温における熱伝導率が45W/m・K以上の鉄合
    金であることを特徴とする回転陽極型X線管。
  2. 【請求項2】 容器部分の内面に、直接または保護層を
    介して熱吸収膜が形成された請求項1記載の回転陽極型
    X線管。
  3. 【請求項3】 熱吸収膜が酸化鉄である請求項1記載の
    回転陽極型X線管。
  4. 【請求項4】 容器部分の内面および外面の少なくとも
    一方に、ニッケルおよびクロム、銀、金の中から選択さ
    れた金属、または、これらの金属の少なくとも1つを主
    体とする合金からなる保護層が形成されている請求項1
    記載の回転陽極型X線管。
  5. 【請求項5】 回転陽極型X線管を構成する真空外囲器
    のうちその中央部に位置する中央容器部分を純鉄または
    鉄合金で形成する第1工程と、純鉄または鉄合金で形成
    された前記中央容器部分を、酸素または酸素を含むガス
    雰囲気中で加熱して前記中央容器部分の内面に酸化鉄か
    らなる熱吸収膜を形成する第2工程と、前記熱吸収膜が
    形成された前記中央容器部分を気密接合する第3工程と
    からなる回転陽極型X線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2工程と前記第3工程との間に、
    前記中央容器部分を真空中で加熱する脱ガス工程を有す
    る請求項5記載の回転陽極型X線管の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007173236A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 General Electric Co <Ge> 散乱した電子を収集する構造

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JP2007173236A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 General Electric Co <Ge> 散乱した電子を収集する構造

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