JP2002184335A - 回転陽極型x線管およびその製造方法 - Google Patents
回転陽極型x線管およびその製造方法Info
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- JP2002184335A JP2002184335A JP2000383879A JP2000383879A JP2002184335A JP 2002184335 A JP2002184335 A JP 2002184335A JP 2000383879 A JP2000383879 A JP 2000383879A JP 2000383879 A JP2000383879 A JP 2000383879A JP 2002184335 A JP2002184335 A JP 2002184335A
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- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 軽量で放電の発生を抑えた回転陽極型X線管
およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 X線を放出する陽極ターゲット14と、
この陽極ターゲット14に電子ビームを照射する陰極1
5aと、陽極ターゲット14および陰極15aを収納
し、陽極ターゲット14を包囲する部分が金属容器13
aで形成された真空外囲器13とを具備した回転陽極型
X線管において、金属容器13aがジルコニウムを含有
するジルコニウム銅合金で形成されている。
およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 X線を放出する陽極ターゲット14と、
この陽極ターゲット14に電子ビームを照射する陰極1
5aと、陽極ターゲット14および陰極15aを収納
し、陽極ターゲット14を包囲する部分が金属容器13
aで形成された真空外囲器13とを具備した回転陽極型
X線管において、金属容器13aがジルコニウムを含有
するジルコニウム銅合金で形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は回転陽極型X線管
およびその製造方法に関する。
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】回転陽極型X線管は、X線を放出する陽
極ターゲットおよび陽極ターゲットに電子ビームを照射
する陰極、陽極ターゲットや陰極を収納する真空容器な
どから構成され、医療用診断装置などに使用されてい
る。
極ターゲットおよび陽極ターゲットに電子ビームを照射
する陰極、陽極ターゲットや陰極を収納する真空容器な
どから構成され、医療用診断装置などに使用されてい
る。
【0003】CTスキャナ用などに使用される大容量の
回転陽極型X線管の場合、真空容器の中央部は金属容器
で形成され、金属容器の両端の開口部分にそれぞれ絶縁
容器が気密接合されている。真空容器の金属容器部分
は、ステンレスまたは銅で形成され、金属容器の内面に
は、X線管の動作時、陽極ターゲットから輻射される熱
を効率的に吸収できるように褐色ないし黒色の熱吸収膜
が形成されている。
回転陽極型X線管の場合、真空容器の中央部は金属容器
で形成され、金属容器の両端の開口部分にそれぞれ絶縁
容器が気密接合されている。真空容器の金属容器部分
は、ステンレスまたは銅で形成され、金属容器の内面に
は、X線管の動作時、陽極ターゲットから輻射される熱
を効率的に吸収できるように褐色ないし黒色の熱吸収膜
が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の回転陽極型X線
管は、真空容器の金属容器部分の内面に熱吸収膜を形成
する際、たとえば金属容器がステンレスで形成されてい
る場合は、ウェット水素処理によって熱吸収膜たとえば
褐色の酸化膜を容易に形成できる。
管は、真空容器の金属容器部分の内面に熱吸収膜を形成
する際、たとえば金属容器がステンレスで形成されてい
る場合は、ウェット水素処理によって熱吸収膜たとえば
褐色の酸化膜を容易に形成できる。
【0005】この酸化膜は機械的強度が高く、また熱変
形しにくいため、金属容器部分の肉厚を薄くして軽量化
できる。しかし、ステンレスは熱伝導率が室温で約15
W/m・Kと低いため、熱吸収膜で吸収した熱が金属容
器の外面あるいはその周辺の絶縁油に伝熱されにくい。
そのため、金属容器が局部的に加熱され、ガス放出が多
くなり、管内放電が発生し易いという問題がある。
形しにくいため、金属容器部分の肉厚を薄くして軽量化
できる。しかし、ステンレスは熱伝導率が室温で約15
W/m・Kと低いため、熱吸収膜で吸収した熱が金属容
器の外面あるいはその周辺の絶縁油に伝熱されにくい。
そのため、金属容器が局部的に加熱され、ガス放出が多
くなり、管内放電が発生し易いという問題がある。
【0006】真空容器の金属容器部分が銅で形成されて
いる場合、銅は熱伝導率が室温で約390W/m・Kと
高く、熱吸収膜で吸収された熱は金属容器の外面あるい
はその周辺の絶縁油に容易に伝達される。そのため、金
属容器の局部的な加熱を防止でき、管内放電が抑えられ
る。しかし、銅は機械的強度が弱く、また、製造工程に
おけるアニーリングで強度が低下し、排気工程などで真
空容器が変形する場合がある。したがって、金属容器部
分の肉厚を厚くしなければならず、重量が増えるという
問題がある。
いる場合、銅は熱伝導率が室温で約390W/m・Kと
高く、熱吸収膜で吸収された熱は金属容器の外面あるい
はその周辺の絶縁油に容易に伝達される。そのため、金
属容器の局部的な加熱を防止でき、管内放電が抑えられ
る。しかし、銅は機械的強度が弱く、また、製造工程に
おけるアニーリングで強度が低下し、排気工程などで真
空容器が変形する場合がある。したがって、金属容器部
分の肉厚を厚くしなければならず、重量が増えるという
問題がある。
【0007】本発明は、上記した欠点を解決し、軽量で
放電の発生を抑えた回転陽極型X線管およびその製造方
法を提供することを目的とする。
放電の発生を抑えた回転陽極型X線管およびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、X線を放出す
る陽極ターゲットと、この陽極ターゲットに電子ビーム
を照射する陰極と、前記陽極ターゲットおよび前記陰極
を収納し、前記陽極ターゲットを包囲する部分が金属容
器で形成された真空外囲器とを具備した回転陽極型X線
管において、前記金属容器がジルコニウムおよびクロ
ム、チタンの少なくとも1つを含有する銅合金で形成さ
れていることを特徴としている。
る陽極ターゲットと、この陽極ターゲットに電子ビーム
を照射する陰極と、前記陽極ターゲットおよび前記陰極
を収納し、前記陽極ターゲットを包囲する部分が金属容
器で形成された真空外囲器とを具備した回転陽極型X線
管において、前記金属容器がジルコニウムおよびクロ
ム、チタンの少なくとも1つを含有する銅合金で形成さ
れていることを特徴としている。
【0009】また、本発明は、ジルコニウムおよびクロ
ム、チタンの少なくとも1つを含有する銅合金で形成さ
れた金属容器部分を有する真空外囲器内に陽極ターゲッ
トおよび陰極を収納し、回転陽極型X線管を組立てる第
1工程と、前記回転陽極型X線管を加熱して脱ガスする
第2工程とからなる回転陽極型X線管の製造方法におい
て、前記第2工程の加熱が400℃以上であることを特
徴としている。
ム、チタンの少なくとも1つを含有する銅合金で形成さ
れた金属容器部分を有する真空外囲器内に陽極ターゲッ
トおよび陰極を収納し、回転陽極型X線管を組立てる第
1工程と、前記回転陽極型X線管を加熱して脱ガスする
第2工程とからなる回転陽極型X線管の製造方法におい
て、前記第2工程の加熱が400℃以上であることを特
徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について図1を
参照して説明する。
参照して説明する。
【0011】符号11は収容容器で、その内部に回転陽
極型X線管12が収納され、また、収容容器11と回転
陽極型X線管12の隙間に絶縁油が満たされている。
極型X線管12が収納され、また、収容容器11と回転
陽極型X線管12の隙間に絶縁油が満たされている。
【0012】回転陽極型X線管12は、たとえばその外
側全体は真空容器13で構成されている。真空容器13
は、CTスキャナ用などに使用される大容量のX線管の
場合、中央部はほぼ筒状の金属容器13aで形成され、
金属容器13aの両側の開口部分に、たとえばガラス製
の絶縁容器13b、13cがそれぞれ気密接合されてい
る。なお、金属容器13aはジルコニウムを0.05%
〜0.15%含有するジルコニウム入り無酸素銅合金で
形成されている。
側全体は真空容器13で構成されている。真空容器13
は、CTスキャナ用などに使用される大容量のX線管の
場合、中央部はほぼ筒状の金属容器13aで形成され、
金属容器13aの両側の開口部分に、たとえばガラス製
の絶縁容器13b、13cがそれぞれ気密接合されてい
る。なお、金属容器13aはジルコニウムを0.05%
〜0.15%含有するジルコニウム入り無酸素銅合金で
形成されている。
【0013】真空容器13の金属容器13aで包囲され
た部分に、陽極ターゲット14および陰極構体15が対
向して配置されている。陽極ターゲット14は、陰極構
体15側の面にターゲット層14aが形成され、また、
回転機構16によって回転可能に支持されている。陰極
構体15の一部に陰極15aが設けられている。
た部分に、陽極ターゲット14および陰極構体15が対
向して配置されている。陽極ターゲット14は、陰極構
体15側の面にターゲット層14aが形成され、また、
回転機構16によって回転可能に支持されている。陰極
構体15の一部に陰極15aが設けられている。
【0014】陽極ターゲット14は陽極端子17を介し
て高電圧ケーブル接続端子18と電気的に接続され、高
電圧ケーブル接続端子18を通してプラスの高電圧が印
加される。陰極15aは陰極端子19を介して高電圧ケ
ーブル接続端子20と電気的に接続され、高電圧ケーブ
ル接続端子20を通してマイナスの高電圧が印加され
る。なお、金属容器13aは収容容器11とともに接地
電位に設定される。
て高電圧ケーブル接続端子18と電気的に接続され、高
電圧ケーブル接続端子18を通してプラスの高電圧が印
加される。陰極15aは陰極端子19を介して高電圧ケ
ーブル接続端子20と電気的に接続され、高電圧ケーブ
ル接続端子20を通してマイナスの高電圧が印加され
る。なお、金属容器13aは収容容器11とともに接地
電位に設定される。
【0015】上記した構成において、動作状態に入る
と、陰極15aからターゲット層14aに向って電子ビ
ームが照射され、ターゲット層14aがX線を放出す
る。このX線は、矢印Yで示したように、金属容器13
a部分に設けられた出力窓21および収容容器11部分
に設けられた放射口22を通して外部に出力される。
と、陰極15aからターゲット層14aに向って電子ビ
ームが照射され、ターゲット層14aがX線を放出す
る。このX線は、矢印Yで示したように、金属容器13
a部分に設けられた出力窓21および収容容器11部分
に設けられた放射口22を通して外部に出力される。
【0016】次に、上記した真空容器13の主要部分を
抜き出した構造について図2を参照して説明する。図2
では、図1に対応する部分には同じ符号を付し、重複す
る説明は一部省略する。
抜き出した構造について図2を参照して説明する。図2
では、図1に対応する部分には同じ符号を付し、重複す
る説明は一部省略する。
【0017】真空容器13は、金属容器13aおよびそ
の両側に接合された絶縁容器13b、13cなどから構
成され、金属容器13aと絶縁容器13bおよび金属容
器13aと絶縁容器13bは、それぞれヘリアーク溶接
部31、32で気密接合されている。
の両側に接合された絶縁容器13b、13cなどから構
成され、金属容器13aと絶縁容器13bおよび金属容
器13aと絶縁容器13bは、それぞれヘリアーク溶接
部31、32で気密接合されている。
【0018】金属容器13aは、たとえば、絶縁容器1
3b側に位置する第1の漏斗状部131と、絶縁容器1
3c側に位置する第2の漏斗状部132とに分けて製作
し、薄肉の封着リング35、36を用いて、第1および
第2の漏斗状部131、132のそれぞれの開口端部が
気密にろう接される。
3b側に位置する第1の漏斗状部131と、絶縁容器1
3c側に位置する第2の漏斗状部132とに分けて製作
し、薄肉の封着リング35、36を用いて、第1および
第2の漏斗状部131、132のそれぞれの開口端部が
気密にろう接される。
【0019】また、一方の絶縁容器13bの内側に陰極
構体15たとえばその陰極支持体部分が延長配置され、
他方の絶縁容器13cの内側に陽極ターゲット14を回
転可能に支持する回転機構16が延長配置されている。
構体15たとえばその陰極支持体部分が延長配置され、
他方の絶縁容器13cの内側に陽極ターゲット14を回
転可能に支持する回転機構16が延長配置されている。
【0020】金属容器13aは、図示の円R内を拡大し
て示すように、その壁部分の内面に熱吸収膜33が形成
されている。熱吸収膜33は、X線管の動作時、陽極タ
ーゲット14から輻射される熱を効率的に吸収できるよ
うに褐色ないし黒色に形成されている。熱吸収膜33
は、金属容器13aの内面に直接形成してもよく、ある
いは、金属容器13aの内面に保護層を形成し、その保
護層の上に設けるなど間接的に形成してもよい。
て示すように、その壁部分の内面に熱吸収膜33が形成
されている。熱吸収膜33は、X線管の動作時、陽極タ
ーゲット14から輻射される熱を効率的に吸収できるよ
うに褐色ないし黒色に形成されている。熱吸収膜33
は、金属容器13aの内面に直接形成してもよく、ある
いは、金属容器13aの内面に保護層を形成し、その保
護層の上に設けるなど間接的に形成してもよい。
【0021】熱吸収膜33は金属容器13aと絶縁容器
13b、13cとの接続部を内側で覆うコロナリング部
34a、34bの内面には形成していない。この場合、
コロナリング部34a、34b内面の平滑性が高まり、
帯電や放電が防止される。
13b、13cとの接続部を内側で覆うコロナリング部
34a、34bの内面には形成していない。この場合、
コロナリング部34a、34b内面の平滑性が高まり、
帯電や放電が防止される。
【0022】上記した構成の回転陽極型X線管を製造す
る場合、まず、ジルコニウムを含有するジルコニウム銅
合金で金属容器部分が形成された真空外囲器を構成し、
そして、真空外囲器内に陽極ターゲットおよび陰極構体
などを収納して回転陽極型X線管を組立てる。
る場合、まず、ジルコニウムを含有するジルコニウム銅
合金で金属容器部分が形成された真空外囲器を構成し、
そして、真空外囲器内に陽極ターゲットおよび陰極構体
などを収納して回転陽極型X線管を組立てる。
【0023】その後、回転陽極型X線管たとえば真空容
器13の金属容器13a部分を400℃以上の温度で加
熱して脱ガスし、真空容器の排気管部分を封止して回転
陽極型X線管を完成する。
器13の金属容器13a部分を400℃以上の温度で加
熱して脱ガスし、真空容器の排気管部分を封止して回転
陽極型X線管を完成する。
【0024】上記した構成によれば、真空容器を構成す
る金属容器部分がジルコニウムを0.05%〜0.15
%含有するジルコニウム入り無酸素銅合金で形成されて
いる。
る金属容器部分がジルコニウムを0.05%〜0.15
%含有するジルコニウム入り無酸素銅合金で形成されて
いる。
【0025】ジルコニウム入り無酸素銅合金の熱伝導率
は室温で約380W/m・Kと高く、室温で約390W
/m・Kの無酸素銅とほぼ同じ値になっている。そのた
め、熱吸収膜で吸収された熱は金属容器の外面あるいは
その周辺の絶縁油に容易に伝達され、金属容器の局部的
な加熱が防止され、管内放電が抑えられる。
は室温で約380W/m・Kと高く、室温で約390W
/m・Kの無酸素銅とほぼ同じ値になっている。そのた
め、熱吸収膜で吸収された熱は金属容器の外面あるいは
その周辺の絶縁油に容易に伝達され、金属容器の局部的
な加熱が防止され、管内放電が抑えられる。
【0026】また、図3に示すように、400℃および
500℃における引っ張り強さも、ジルコニウム入り無
酸素銅の方が無酸素銅よりも大きくなっている。
500℃における引っ張り強さも、ジルコニウム入り無
酸素銅の方が無酸素銅よりも大きくなっている。
【0027】図3の横軸は1時間の加熱温度(℃)を示
し、縦軸は引っ張り強さ(kgf/mm2 )を示してい
る。符号P1はジルコニウムを0.15%含有するジル
コニウム入り無酸素銅合金の特性、符号P2はジルコニ
ウムを0.10%含有するジルコニウム入り無酸素銅合
金の特性、符号Qは無酸素銅の特性である。
し、縦軸は引っ張り強さ(kgf/mm2 )を示してい
る。符号P1はジルコニウムを0.15%含有するジル
コニウム入り無酸素銅合金の特性、符号P2はジルコニ
ウムを0.10%含有するジルコニウム入り無酸素銅合
金の特性、符号Qは無酸素銅の特性である。
【0028】符号P1、P2に示すように、ジルコニウ
ム入り無酸素銅合金の400℃および500℃における
引っ張り強さは約39kgf/mm2 および35kgf
/mm2 となっている。無酸素銅は約23kgf/mm
2 および23kgf/mm2で、ジルコニウム入り無酸
素銅合金の方が大きくなっている。
ム入り無酸素銅合金の400℃および500℃における
引っ張り強さは約39kgf/mm2 および35kgf
/mm2 となっている。無酸素銅は約23kgf/mm
2 および23kgf/mm2で、ジルコニウム入り無酸
素銅合金の方が大きくなっている。
【0029】そのため、回転陽極型X線管を構成する真
空容器の一部が金属容器で構成される場合、無酸素銅で
は金属容器部分の壁の厚さを3.5mm程度としていた
ものを、ジルコニウム入り無酸素銅合金では2.5mm
程度に薄くでき、軽量な真空容器が得られる。
空容器の一部が金属容器で構成される場合、無酸素銅で
は金属容器部分の壁の厚さを3.5mm程度としていた
ものを、ジルコニウム入り無酸素銅合金では2.5mm
程度に薄くでき、軽量な真空容器が得られる。
【0030】また、400℃から500℃の高い温度で
の引っ張り強さも、ジルコニウム入り無酸素銅合金の方
が無酸素銅よりも大きくなっている。このため、高温で
も金属容器部分が変形しない。したがって、製造工程の
1つである排気工程において高温で脱ガスすることがで
き、良好な脱ガスが実現される。
の引っ張り強さも、ジルコニウム入り無酸素銅合金の方
が無酸素銅よりも大きくなっている。このため、高温で
も金属容器部分が変形しない。したがって、製造工程の
1つである排気工程において高温で脱ガスすることがで
き、良好な脱ガスが実現される。
【0031】上記の実施形態では、回転陽極型X線管を
構成する真空容器の金属容器部分をジルコニウム入り無
酸素銅合金で形成している。しかし、金属容器部分をジ
ルコニウムおよびクロム、チタンの少なくとも1つを
0.05%〜0.6%で含有する銅合金、たとえばCC
Z(Cr:0.35%、Zr:0.15%、Ti:0.
30%、その他Cu)(株式会社東芝商標)などで形成
しても同様な効果が得られる。
構成する真空容器の金属容器部分をジルコニウム入り無
酸素銅合金で形成している。しかし、金属容器部分をジ
ルコニウムおよびクロム、チタンの少なくとも1つを
0.05%〜0.6%で含有する銅合金、たとえばCC
Z(Cr:0.35%、Zr:0.15%、Ti:0.
30%、その他Cu)(株式会社東芝商標)などで形成
しても同様な効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、軽量で管内放電を抑え
た回転陽極型X線管およびその製造方法を実現できる。
た回転陽極型X線管およびその製造方法を実現できる。
【図1】本発明の実施形態を説明するための断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の真空容器の主要部を抜き出して示した
断面図である。
断面図である。
【図3】本発明に使用されるジルコニウム入り無酸素銅
の特性を説明するための特性図である。
の特性を説明するための特性図である。
11…収容容器 12…回転陽極型X線管 13…真空外囲器 13a…金属容器 13b…絶縁容器 13c…絶縁容器 14…陽極ターゲット 14a…ターゲット層 15…陰極構体 15a…陰極 16…回転機構 17…陽極端子 18…高電圧ケーブル接続端子 19…陰極端子 20…高電圧ケーブル接続端子 21…出力窓 22…放射口
Claims (6)
- 【請求項1】 X線を放出する陽極ターゲットと、この
陽極ターゲットに電子ビームを照射する陰極と、前記陽
極ターゲットおよび前記陰極を収納し、前記陽極ターゲ
ットを包囲する部分が金属容器で形成された真空外囲器
とを具備した回転陽極型X線管において、前記金属容器
がジルコニウムおよびクロム、チタンの少なくとも1つ
を含有する銅合金で形成されていることを特徴とする回
転陽極型X線管。 - 【請求項2】 銅合金はジルコニウムおよびクロム、チ
タンの少なくとも1つを0.05%〜0.6%で含有す
る請求項1記載の回転陽極型X線管。 - 【請求項3】 金属容器の内面に熱吸収膜が形成されて
いる請求項1記載の回転陽極型X線管。 - 【請求項4】 銅合金は400℃での引張り強度が30
kgf/mm2 以上である請求項1記載の回転陽極型X
線管。 - 【請求項5】 ジルコニウムおよびクロム、チタンの少
なくとも1つを含有する銅合金で形成された金属容器部
分を有する真空外囲器内に陽極ターゲットおよび陰極を
収納し、回転陽極型X線管を組立てる第1工程と、前記
回転陽極型X線管を加熱して脱ガスする第2工程とから
なる回転陽極型X線管の製造方法において、前記第2工
程の加熱が400℃以上であることを特徴とする回転陽
極型X線管の製造方法。 - 【請求項6】 銅合金は0.05%〜0.6%の範囲で
ジルコニウムおよびクロム、チタンの少なくとも1つを
含有する請求項5記載の回転陽極型X線管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000383879A JP2002184335A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 回転陽極型x線管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000383879A JP2002184335A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 回転陽極型x線管およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002184335A true JP2002184335A (ja) | 2002-06-28 |
Family
ID=18851451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000383879A Pending JP2002184335A (ja) | 2000-12-18 | 2000-12-18 | 回転陽極型x線管およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002184335A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009009794A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Shimadzu Corp | X線管装置 |
-
2000
- 2000-12-18 JP JP2000383879A patent/JP2002184335A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009009794A (ja) * | 2007-06-27 | 2009-01-15 | Shimadzu Corp | X線管装置 |
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