JPH0713391Y2 - ケーブル用係支金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、屋外の電話線等の分岐線をケーブル吊線に沿
って屋内に引き込む際に、本線ケーブルにある接続端子
凾などから分岐した分岐線をケーブル吊線に保持させる
ためのケーブル用係支金具に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、電話線，電灯線その他屋外線を加入者宅の屋内
に引き落し接続する引込み線、即ち分岐線の配線工事に
はケーブル吊線に梯子を掛け係支金具をケーブル吊線に
取付けたのちケーブルにある接続端子凾でケーブルに接
続した分岐線を係支金具に引っ掛けてから家屋内へ引き
込むことが知られている。

そして、この従来の係支金具は外れ防止のためケーブル
吊線を挟持する当板をボルト又はナットで締め付けて固
着する金具が多用されていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

この従来の係支金具では、梯子にフック外れ防止具を取
付けておいて作業者がケーブル吊線の手の届くところま
で近づいて作業しなくてはならず、高所で不安定な状態
下での取付け金具の締付操作などの作業は危険を伴うこ
とが多いし、特に積雪地域に導入されている電柱は最長
梯子よりはるかに高いためにケーブル吊線に梯子を宙ぶ
らりんにぶら下げて作業することが多く一人作業の場合
には、梯子の下端を持ってバランスをとりながら係支金
具をケーブル吊線に外れないように取付けるのは至難の
わざであり、装着作業上問題があった。

本考案は、これら従来の欠点を排除し、ケーブル用係支
金具のケーブル吊線への外れ防止装着操作を簡単に可能
にし、梯子掛け作業を省略した地上からのケーブル吊線
への係支配線工事をも容易かつ迅速にできる安全性の高
いケーブル用係支金具を提供することを目的とするもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、ケーブル吊線に係支する鉤状フック片1₁を備
えたフック本体１に閉塞用のノックピン２を摺動自在に
設け、該ノックピン２に対向し、かつノックピン２が圧
入されて拘持しうる嵌合孔４を前記鉤状フック片1₁に形
成すると共に、このフック本体１にノックピン係止用に
設けた当片11と、ノックピン２とを貫通して延び下端部
に分岐線支持環３又は鉤片を有する懸吊杆６を吊下固定
したことを特徴とするケーブル用係支金具である。

〔作用〕

本考案のケーブル用係支金具は、鉤状フック片1₁をケー
ブル吊線Ａに引掛け、フック本体１から突き出ているノ
ックピン２の一端をハンマーその他の工具でたたくか押
込むかして摺動させ、ノックピン２の他端を嵌合孔４に
嵌入させれば鉤状フック片1₁が閉塞されて当片11でロッ
クされて引き戻されず取り外されることがなく、適確安
全に装着でき、フック本体１にある懸吊杆６に掛けた引
き込み線の分岐線Ｂをケーブル吊線Ａに沿わせることが
でき、必要に応じ地上で操作できる装着具を用いて前記
ノックピン２を打てば梯子掛け作業なしで容易に定着す
ることも可能となるものである。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１〜５図例について説明すると、ケ
ーブル吊線Ａに係支する鉤状フック片1₁を備えたフック
本体１に閉塞用のノックピン２を摺動自在に設け、該ノ
ックピン２に対向し、かつノックピン２が圧入されて拘
持しうる嵌合孔４を前記鉤状フック片1₁に形成すると共
に、このフック本体１にノックピン係止用に設けた当片
11と、ノックピン２とを貫通して延び下端部に分岐線Ｂ
の支持環３又は鉤片を有する懸吊杆６を吊下固定してケ
ーブル用係支金具としてある。

前記ノックピン２としては、中央部分に長孔若しくはガ
イド孔の係合孔５を持った二叉状の爪片からなり、前記
フック本体１に着脱自在に懸吊杆６で当片11を介して配
備されるが、該懸吊杆６を係合孔５に嵌挿させ、ノック
ピン２が案内移動できるようにし、当片11でフック本体
１にノックピン２を挟持して組込まれるようにしてあ
る。このノックピン２の引き戻り防止構造として、前記
ノックピン２と、当片11との摺動面を一方向のみに移動
できる咬合面2₁に形成したり、ノックピン２とフック本
体１との摺動面に咬合面2₁を形成して嵌合孔４に嵌入し
た先端部が外れないようにするのがよい。しかも前記当
片11が、嵌込み型の孔あき片でバネ12で前記鉤状フック
片1₁に弾接されて前記懸吊杆６に嵌挿されていて、前記
ノックピン２の外れ防止を適確に行えるようにし、ノッ
クピン２のフック本体１への組込みを容易にしてある。
さらにケーブル用係支金具の組立作業を容易にするため
前記懸吊杆６を、前記フック本体１に嵌挿されるフラン
ジ付きボルトを用い、その下端部に前記支持環３を定着
し、上端部に締付ナット13を螺合しうるネジ部16を持っ
ていて、この懸吊杆６をフック本体１にある軸孔７に嵌
挿し、フランジ15とのフック本体１との間にバネ12を介
して当片11とノックピン２とを介在装備すれば製作容易
に生産することができる。

なお、前記ノックピン２はハンマーなどで叩き込めばよ
いが、第５図に示すようにフック本体１を抱持させ、か
つ地上操作できる装着具Ｆを用いて強圧的に押し込んだ
り叩き込めば簡単にフック本体１をノックピン２で閉塞
状態に維持でき、安全に分岐線ＢがケーブルＣを吊した
ケーブル吊線Ａに沿わせることが可能となる。

図中Ｄは接続端子凾、Ｅは電柱、Ｇは家屋である。

〔考案の効果〕

本考案は、ケーブル吊線に係支する鉤状フック片を備え
たフック本体に閉塞用のノックピンを摺動自在に設け、
該ノックピンに対向し、かつノックピンが圧入されて拘
持しうる嵌合孔を前記鉤状フック片に形成すると共に、
このフック本体にノックピン係止用に設けた当片と、ノ
ックピンとを貫通して延び下端部に分岐線支持環は鉤片
を有する懸吊杆を吊下固定したことにより、フック本体
を鉤状フック片でケーブル吊線にかり止めしてノックピ
ンをフック本体に打ち込めば外れ防止となってケーブル
吊線にケーブル用係支金具が装着できるので定着操作が
手間がかからず、簡単，迅速にでき高所作業を安全に遂
行できて配線工事に適すると共に、梯子に吊線掛け用の
フック外れ防止具を取付けることが不要で梯子が軽くな
るし、その軽くなった分だけ家屋掛け等への安全具の取
付けが可能となるし、必要に応じ地上操作による係止装
着をも容易に可能として、梯子掛け作業をも省略させ得
るための係支金具として好適な形態であり、製作も安価
で大量生産に適するなどの実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例で第１図は側面図、第２図はその
正面図、第３図は平面図、第４図は分離状態の縦断面
図、第５図は使用状態の説明側面図である。 Ａ…ケーブル吊線、Ｂ…分岐線、Ｃ…ケーブル、１…フ
ック本体、1₁…鉤状フック、２…ノックピン、2₁…咬合
面、３…支持環、４…嵌合孔、５…係合孔、６…懸吊
杆、７…軸孔、11…当片、12…バネ、13…締付ナット。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーブル吊線に係支する鉤状フック片
   （1₁）を備えたフック本体（１）に閉塞用のノックピン
   （２）を摺動自在に設け、該ノックピン（２）に対向
   し、かつノックピン（２）が圧入されて拘持しうる嵌合
   孔（４）を前記鉤状フック片（1₁）に形成すると共に、
   このフック本体（１）にノックピン係止用に設けた当片
   （11）と、ノックピン（２）とを貫通して延び下端部に
   分岐線支持環（３）又は鉤片を有する懸吊杆（６）を吊
   下固定したことを特徴とするケーブル用係支金具。
2. 【請求項２】前記ノックピン（２）が、中央部分に長孔
   若しくはガイド孔の係合孔（５）を持った二叉状の爪片
   からなり、前記フック本体（１）に着脱自在に懸吊杆
   （６）で当片（11）を介して配備されているものである
   請求項１記載のケーブル用係支金具。
3. 【請求項３】前記ノックピン（２）と、当片（11）との
   摺動面を一方向のみに移動できる咬合面（2₁）に形成し
   た請求項１又は２記載のケーブル用係支金具。
4. 【請求項４】前記当片（11）が、バネ（12）で前記鉤状
   フック片（1₁）に弾接されて前記懸吊杆（６）に嵌挿さ
   れている請求項２又は３項記載のケーブル用係支金具。
5. 【請求項５】前記懸吊杆（６）が、前記フック本体
   （１）に嵌挿されるフランジ付きボルトであって、下端
   部に前記支持環（３）を定着し、上端部に締付ナット
   （13）を螺合しうるネジ部（16）を持っている請求項2,
   3又は４項記載のケーブル用係支金具。