JPH07133831A - 駆動力断続装置 - Google Patents

駆動力断続装置

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JPH07133831A
JPH07133831A JP27819293A JP27819293A JPH07133831A JP H07133831 A JPH07133831 A JP H07133831A JP 27819293 A JP27819293 A JP 27819293A JP 27819293 A JP27819293 A JP 27819293A JP H07133831 A JPH07133831 A JP H07133831A
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JP
Japan
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friction clutch
driving
driven
drive
driving force
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Application number
JP27819293A
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English (en)
Inventor
Osamu Obuchi
修 大渕
Toshibumi Sakai
俊文 酒井
Isao Ito
功 伊藤
Kanji Oyabu
幹治 大薮
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】駆動部材の駆動時には駆動部材と被駆動部材と
の駆動力伝達可能な連結が自動的になされ、駆動部材の
非駆動時にはこの連結が自動的に遮断される駆動力断続
装置を提供する。 【構成】駆動部材16と固定部材18間に設けられ駆動
部材16の駆動時に摩擦係合する第1摩擦クラッチ2
1、駆動部材16の外周に軸方向へ移動可能に設けられ
た押圧部材22、駆動部材16と被駆動部材17との間
に設けられ押圧部材22にて押圧されて摩擦係合し駆動
部材16を被駆動部材17に駆動力伝達可能に連結する
第の摩擦クラッチ24、押圧部材22と第1摩擦クラッ
チ21間に設けられ第1摩擦クラッチ21の相対回転に
より作動して押圧部材22を軸方向へ移動して第2摩擦
クラッチ24を摩擦係合させるカム手段22を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は駆動力断続装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】駆動力断続装置の一形式として、固定部
材に回転可能に支持された駆動部材と、前記固定部材に
回転可能に支持されて前記駆動部材の外周にて所定の周
間隔を保持して同心的に位置する被駆動部材との間に配
設され、前記駆動部材の駆動時には同駆動部材と前記被
駆動部材とを駆動力伝達可能に連結し、かつ前記駆動部
材の非駆動時には同駆動部材と前記被駆動部材との駆動
力伝達可能な連結を遮断する駆動力断続装置がある。
【0003】当該形式の駆動力断続装置としては、例え
ば実公昭62−15064号公報に示されているオート
フリーホイルハブが知られており、二輪−四輪切換え可
能な四輪駆動車用の駆動力断続装置として使用される。
このオートフリーホイルハブは、車両の二輪駆動走行時
に遊動輪側となるアクスルシャフトの両端部に配設さ
れ、二輪駆動走行時に遊輪側からアクスルシャフト側へ
の駆動力の伝達を規制して、アクスルシャフトからトラ
ンスファまでの回転部材の不要な回転を防止して、駆動
系に起因する振動騒音の低減を図るとともに、燃費の向
上を図ることを意図している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したオ
ートフリーホイルハブは、車両を四輪駆動状態に切換え
てアクスルシャフトの回転を利用してカムを作動させて
同シャフト側のドッグクラッチを車輪ハブ側の内歯に噛
合させ、アクスルシャフトと車輪ハブとを駆動力伝達可
能に連結するものである。しかしながら、当該オートフ
リーホイルハブにおいては、ドッグクラッチと内歯との
噛合を解除するには、車両を一旦停止して二輪駆動状態
に切換えて後四輪駆動走行時の走行方向とは逆方向に移
動しなければならず、噛合解除操作が面倒である。
【0005】従って、本発明の目的は、当該オートフリ
ーホイルハブを含む上記した駆動力断続装置において、
駆動部材の駆動時には同駆動部材と被駆動部材との駆動
力伝達可能な連結が自動的になされ、かつ駆動部材の非
駆動時には同駆動部材と被駆動部材との駆動力伝達可能
な連結が自動的に遮断される駆動力断続装置を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定部材に回
転可能に支持された駆動部材と、前記固定部材に回転可
能に支持されて前記駆動部材の外周にて所定の周間隔を
保持して同心的に位置する被駆動部材との間に配設さ
れ、前記駆動部材の駆動時には同駆動部材と前記被駆動
部材とを駆動力伝達可能に連結し、かつ前記駆動部材の
非駆動時には同駆動部材と前記被駆動部材との駆動力伝
達可能な連結を遮断する駆動力断続装置であり、前記駆
動部材と前記固定部材との間に設けられ同駆動部材の駆
動時に摩擦係合する第1の摩擦クラッチと、前記駆動部
材の外周に軸方向へ移動可能に設けられた押圧部材と、
前記駆動部材と前記被駆動部材との間に設けられ前記押
圧部材にて押圧されて摩擦係合し前記駆動部材を前記被
駆動部材に駆動力伝達可能に連結する第2の摩擦クラッ
チと、前記押圧部材と前記第1の摩擦クラッチとの間に
設けられ同第1の摩擦クラッチの相対回転により作動し
て前記押圧部材を軸方向へ移動して前記第2の摩擦クラ
ッチを摩擦係合させるカム手段を備えていることを特徴
とするものである。
【0007】当該駆動力断続装置においては、前記被駆
動部材と前記第2の摩擦クラッチとの間に設けられ、同
第2の摩擦クラッチの摩擦係合時に作動して同摩擦クラ
ッチを前記押圧部材に抗して押圧する第2のカム手段を
設けることが好ましい。
【0008】
【発明の作用・効果】このように構成した駆動力断続装
置においては、駆動部材の非駆動時には第1の摩擦クラ
ッチは相対回転せず、このため押圧部材が第2の摩擦ク
ラッチ側へ移動することがない。従って、第2の摩擦ク
ラッチが摩擦係合して駆動部材が被駆動部材に対して駆
動力伝達可能に連結されるようなことはない。この結
果、被駆動部材が外力により回転しても、これにより駆
動部材が駆動するようなことはなく、駆動部材の被駆動
時における駆動系の不要な駆動が規制され、駆動系の不
要な駆動に起因する駆動力の損失、振動騒音の発生の防
止が図られる。
【0009】この状態で駆動部材を駆動させると、駆動
部材の駆動に起因して第1の摩擦クラッチが相対回転し
てカム手段を作動させ、押圧部材を第2の摩擦クラッチ
側へ移動させて同摩擦クラッチを摩擦係合させる。この
結果、駆動部材と被駆動部材とが駆動力伝達可能に連結
し、被駆動部材が駆動部材により駆動させる。また、駆
動部材が駆動を停止した状態では、第1の摩擦クラッチ
の摩擦係合が解除され、押圧部材が第2の摩擦クラッチ
側から離間して反対側へ移動している。このため、第2
の摩擦クラッチの摩擦係合が解除され、駆動部材と被駆
動部材との駆動力伝達可能な連結が遮断される。従っ
て、被駆動部材は駆動部材の駆動停止により、駆動部材
との駆動力伝達可能な連結が自動的に遮断され、かかる
連結の遮断に特別な操作を必要としない。
【0010】また、当該駆動断続装置において、被駆動
部材と第2の摩擦クラッチとの間に、第2の摩擦クラッ
チの摩擦係合時に作動して同摩擦クラッチを押圧部材に
抗して押圧する第2のカム手段を設けた場合には、第2
の摩擦クラッチが摩擦係合した際に第2のカム手段が作
動して同摩擦クラッチをロックアップさせ、駆動部材と
被駆動部材との駆動力伝達可能な連結を一層確実な状態
とする。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
るに、図1および図2には本発明の第1実施例に係る駆
動力断続装置が示されている。当該駆動力断続装置は二
輪−四輪切換え可能な四輪駆動車用の駆動力断続装置で
あり、図8に示すように四輪駆動車10の遊輪側アクス
ルシャフトの両端部に左右一対の駆動力断続装置20が
配設されて使用され、オートフリーホイルハブと同様に
機能する。
【0012】当該四輪駆動車10は図示しないエンジン
に駆動力伝達可能に連結されたトランスミッション11
と、同トランスミッション11と一体のトランスフア1
2をを備え、トランスファ12からの一方の出力軸は後
輪側プロペラシャフト13aに常時連結し、かつトラン
スファ12からの他方の出力軸は前輪側プロペラシャフ
ト13bに断続可能に連結されている。後輪側プロペラ
シャフト13aは後輪側ディフアレンシャル14aを介
して後輪側アクスルシャフト15aに連結され、かつ前
輪側プロペラシャフト13bは前輪側ディフアレンシャ
ル14bを介して前輪側アクスルシャフト15bに連結
されている。各駆動力断続装置20は同一構成のもの
で、前輪側アクスルシャフト15bの両端部に配設され
ている。
【0013】駆動力断続装置20は図1および図2に示
すように、インナシャフト16とアウタハウジング17
との間に配設されており、インナシャフト16は前輪側
アクスルシャフト15bにスプライン嵌合して駆動力伝
達可能に連結し、アウタハウジング17はタイヤ側に固
定されている。また、インナシャフト16およびアウタ
ハウジング17は車体に組付けたナックル18にそれぞ
れ回転可能に支持されている。従って、本実施例におい
ては、インナシャフト16が本発明の駆動部材に該当
し、かつアウタハウジング17が本発明の被駆動部材に
該当するもので、アウタハウジング17はインナシャフ
ト16の外周にて所定の周間隔を保持して同心的に位置
している。しかして、駆動力断続装置20は、第1摩擦
クラッチ21、第1カム手段22、ピストン23、第2
摩擦クラッチ24、第2カム手段25を備えている。
【0014】第1摩擦クラッチ21は一対のインナプレ
ート21a,21bと、一対のアウタプレート21c,
21dからなり、第1インナプレート21aはインナシ
ャフト16の外周にスプライン嵌合して同シャフト16
に対して軸方向へのみ摺動可能に組付けられており、第
2インナプレート21bはインナシャフト16の外周に
軸方向へ摺動可能に組付けたピストン23の外周にて、
同ピストン23に対して軸方向へのみ摺動可能に組付け
られている。また、両アウタプレート21c,21dは
ナックル18の内周にスプライン嵌合して同ナックル1
8に対して軸方向へのみ摺動可能に組付けられている。
【0015】第1アウタプレート21cは両インナプレ
ート21a,21b間に位置し、かつ第2アウタプレー
ト21dは第2インナプレート21bとナックル18に
螺着した抜止部材26aとの間に位置している。皿バネ
26bはインナシャフト16と第1インナプレート21
a間に介在していて、同プレート21aを抜止部材26
a側へ所定の力で付勢している。これにより、第1摩擦
クラッチ21は所定の予荷重が付与されている。
【0016】第2摩擦クラッチ24は多数のインナプレ
ート24aとアウタプレート24bからなる多板クラッ
チであり、各インナプレート24aはインナシャフト1
6の外周にスプライン嵌合し、かつ各アウタプレート2
4bはインナスリーブ27の内周にスプライン嵌合して
いて、互いに交互に配置されている。第2摩擦クラッチ
24は一端側にてアウウタハウジング17の内周に螺着
した抜止部材26cにより、各プレート24a,24b
間のクリアランスが調節されている。ピストン23はか
かる第2摩擦クラッチ24と第1摩擦クラッチ21との
間にて、インナシャフト16の外周に周方向および軸方
向へ摺動可能に組付けられている。
【0017】第1カム手段22は第1摩擦クラッチ21
の第1インナプレート21aとピストン23との間に形
成されており、皿バネ26bの付勢力によりこれら両者
21a,23をカム係合させている。第2カム手段25
は、アウタハウジング17の内周に周方向および軸方向
へ摺動可能に組付けられたインナスリーブ27とアウタ
ハウジング17間に形成されている。インナスリーブ2
7はアウタハウジング17に掛止された皿バネ26dに
て付勢されていて、これら両者27,17をカム係合さ
せている。
【0018】このように構成した駆動力断続装置20を
配設した車両においては、二輪駆動時には前輪側アクス
ルシャフト15bが非駆動状態にあってインナシャフト
16は非回転状態にある。このため、第1摩擦クラッチ
21は相対回転せず、これによって第1カム手段22は
非作動の状態にあるとともに、ピストン23は第2摩擦
クラッチ24を押圧することがなくて同摩擦クラッチ2
4を摩擦係合させておらず、また第2カム手段25は非
作動の状態にある。従って、インナシャフト16とアウ
タハウジング17との駆動力伝達可能な連結は遮断され
ていて、アウタハウジング17からインナシャフト16
側への駆動力の伝達がなく、車両の二輪走行時における
前輪の回転力がアクスルシャフト15b側へ伝達される
ことはない。
【0019】このような状態の車両を四輪駆動状態に切
換えると、アクスルシャフト15bが駆動してインナシ
ャフト16を回転させる。このため、第1摩擦クラッチ
21ではインナプレート21a,21bとアタプレート
21c,21d間に相対回転が発生してインナプレート
21bに摩擦係合による制動力が作用するため、第1イ
ンナプレート21aとピストン23との間に相対回転を
発生させる。この結果、第1カム手段22が作動してピ
ストン23を第2摩擦クラッチ24側へ摺動させ、同摩
擦クラッチ24はピストン23の押圧力により摩擦係合
して、第2カム手段25を介してインナシャフト16と
アウタハウジング17を駆動力伝達可能に連結する。
【0020】この場合、第2摩擦クラッチ24による伝
達トルクが皿バネ26bの付勢力に打ち勝つと、アウタ
ハウジング17とインナスリーブ27間に相対回転が発
生して第2カム手段25が作動し、インナスリーブ27
のカム面がアウタハウジング17のカム面を乗り上げ
る。このため、インナスリーブ27は第2摩擦クラッチ
24側へ摺動されて、同摩擦クラッチ24を抜止部材2
6cとの間で強固に摩擦係合させてロックアップさせ
る。この結果、インナシャフト16とアウタハウジング
17とは結合状態となって、これら両者16,17の駆
動力伝達可能な連結は一層強固なものとなり、車両の四
輪駆動時におけるアクスルシャフト15bの駆動力を前
輪側へ確実に伝達する。
【0021】一方、四輪駆動状態にある車両を二輪駆動
状態に切換えると、前輪側アクスルシャフト15bの駆
動が停止されてインナシャフト16の回転が停止され
る。このため、第1摩擦クラッチ21のインナプレート
21a,21bとアウタプレート21c,21d間の相
対回転が解消されて同摩擦クラッチ21は非摩擦係合の
状態となり、第1カム手段22は非作動の状態になる。
この結果、ピストン23は第2摩擦クラッチ24から離
間して同摩擦クラッチ24の摩擦係合を緩めてロックア
ップ状態を解除し、インナスリーブ27とアウタハウジ
ング17間に相対回転を発生させる。これにより、第2
カム手段25における両カム面の乗り上げ状態が解消さ
れ、第2摩擦クラッチ24に対するインナスリーブ27
とピストン23との押圧が解除されて同摩擦クラッチ2
4の摩擦係合状態が解除される。従って、インナシャフ
ト16とアウタハウジング17との駆動力伝達可能な連
結は遮断され、アウタハウジング17からインナシャフ
ト16側への駆動力の伝達がなく、車両の二輪走行時に
おける前輪の回転力がアクスルシャフト15b側へ伝達
されることはない。
【0022】このように、当該駆動力断続装置20にお
いては、車両が二輪駆動状態にある場合には前輪側アク
スルシャフト15bとアウタハウジング17の駆動力伝
達可能な連結が遮断されていて、車両を四輪駆動状態に
切換えると第1摩擦クラッチ21をパイロットとして第
2摩擦クラッチ24が締結され、これら両者15b,1
7の駆動力伝達可能な連結が自動的になされ、またこの
状態の車両を二輪駆動状態に切換えるとこれら両者15
b,17の駆動力伝達可能な連結が自動的に遮断され
る。このため、当該駆動力断続装置20においては、従
来のオートフリーホイルハブ装置のごとく車両の四輪駆
動状態から二輪駆動状態の切替え時に特別の解除操作を
行うことが不要であるという大きな利点がある。
【0023】また、当該駆動力断続装置20において
は、第1摩擦クラッチ21に予荷重を付与する皿バネ2
6bを、ピストン23とは反対側の位置にてインナシャ
フト16の外周に掛止して配置しているため、第1摩擦
クラッチ21と第2摩擦クラッチ24の摩擦係合力の関
係が図3のグラフに示す通りとなる。同グラフにおい
て、a点は第1摩擦クラッチの予荷重による初期の摩擦
係合力であり、インナシャフト16の回転による第1カ
ム手段22の作動、これによるピストン23の摺動によ
り第2摩擦クラッチ24が摩擦係合すると、皿バネ26
bは第1カム手段22から反力を受ける。
【0024】この反力は、漸次増大する第2摩擦クラッ
チ24の摩擦係合力に応じて増大するため、第1摩擦ク
ラッチ21の摩擦係合力は漸次低減し、グラフのb点に
達する。第2摩擦クラッチ24の摩擦係合力の増大によ
り、第2カム手段25のカム面が互いに乗り上げを開始
すると、皿バネ26bに付与される反力は増大して第2
摩擦クラッチ24がロックアップ状態に達するまで増大
を続ける。第2摩擦クラッチ24がロックアップした状
態での第1摩擦クラッチ21の摩擦係合力は、グラフの
c点となる。第2摩擦クラッチ24がロックアップした
後の皿バネ26bに対する反力はその後変わらず、第1
摩擦クラッチ21の摩擦係合力は一定となる。
【0025】このように、当該駆動力断続装置20にお
いては四輪駆動走行時には、第2摩擦クラッチ24の摩
擦係合力の増大に応じて第1摩擦クラッチ21の摩擦係
合力を初期の摩擦係合力から漸次低減するように構成さ
れているため、第1摩擦クラッチ21の作動時における
発熱を低く抑えることができ、同摩擦クラッチ21の耐
焼損性を向上させることができる。
【0026】また、当該駆動力断続装置20において
は、第1摩擦クラッチ21を構成する第1インナプレー
ト21aがインナシャフト16にスプライン嵌合してい
て、同インナプレート21aに第1カム手段22の一方
のカムが形成され、また他方のカムが形成されているピ
ストン23はインナシャフト16に対して自由状態に、
かつ第1摩擦クラッチ21を構成する第2インナプレー
ト21bに対してはスプライン嵌合して組付けられてい
る。この状態を模型的に示したのが図4である。このた
め、当該駆動断続装置20の作動時、第1カム手段22
の両カム面が互いに乗り上げた状態になっても、第2摩
擦クラッチ24がロックアップ時にインナシャフト16
に対して自由状態にあるピストン23にカム面から下ろ
す方向の回転力を付与し、第1カム手段22のカム面の
乗り上げ状態のその後の元の状態への復帰を容易にす
る。
【0027】図5には本発明の第2実施例に係る駆動力
断続装置20Aが示されている。当該駆動力断続装置2
0Aは、第1摩擦クラッチ21Aの構成、およびピスト
ン23Aの組付け状態が第1実施例に係る駆動力断続装
置20とは相違し、その他の構成は略同様である。第1
摩擦クラッチ21Aにおいては、インナプレート21e
がインナシャフト16の外周に、かつアウタプレート2
1fがナックル18の内周にそれぞれスプライン嵌合し
ている。また、ピストン23Aはインナシャフト16の
外周にスプライン嵌合して同シャフト16に対して周方
向の摺動を規制されて軸方向へのみ摺動可能に組付けら
れている。かかるピストン23Aにおいては、インナシ
ャフト16の外周に掛止された圧縮バネ26cの作用に
より第1摩擦クラッチ21Aのインナシャフト21e側
へ付勢されていて、ピストン23Aに設けた第1カム手
段22の一方のカムをインナプレート21eに設けた他
方のカムに係合させている。
【0028】当該駆動力断続装置20Aにおいては、イ
ンナシャフト16の回転により第1摩擦クラッチ21A
が作動して圧縮バネ26cに抗してピストン23Aを摺
動させ、第2摩擦クラッチ24を摩擦係合させるもので
あり、第1実施例に係る駆動力断続装置20と同様にイ
ンナシヤフト16とアウタハウジング17とを自動的に
駆動力伝達可能に連結するとともに、インナシャフト1
6の回転停止時にはこれら両者16,17の連結を自動
的に遮断する。従って、当該駆動力断続装置20Aは第
1摩擦クラッチ21Aの非作動状態への復帰を積極的に
助成する復帰手段を備えていないが、この点を除き第1
実施例に係る駆動力断続装置20と略同様の作用効果を
奏するものである。
【0029】図6および図7には、本発明の第3実施例
および第4実施例に係る駆動力断続装置20B、20C
が示されている。第3実施例に係る駆動力断続装置20
Bにおいては、第1摩擦クラッチ21Bの構成が第2実
施例の駆動力断続装置20Aとは相違し、その他の構成
は略同様である。第1摩擦クラッチ21Bはインナシャ
フト16の外周に嵌着したスプライン部材21gと、ス
プライン部材21gの外周にスプライン嵌合したインナ
プレート21hと、ナックル18の内周にスプライン嵌
合したアウタプレート21iとからなり、ナックル18
の内周に掛止した皿バネ26bによりピストン23Bと
は反対側へ付勢された状態で予荷重が付与されている。
【0030】当該駆動力断続装置20Bにおいては、第
1カム手段22はピストン23Bとスプライン部材21
gとの間に形成されており、圧縮バネ26cの作用によ
りカム係合している。これにより、インナシャフト16
が回転すると第1摩擦クラッチ21Bが作動してピスト
ン23Bを摺動させ、第2実施例に係る駆動力断続装置
20Aと略同様に作動し、同様の作用効果を奏する。
【0031】図7に示す第4実施例に係る駆動力断続装
置20Cは構成的には第3実施例の駆動力断続装置20
Bと同様のものであるが、第1摩擦クラッチ21Cを付
勢する皿バネとして記憶合金またはバイメタルからなる
温度感応性の材料からなる皿バネ26dを採用してい
る。皿バネ26dは低温時には第1摩擦クラッチ21C
のアウタプレート21iに当接して同摩擦クラッチ21
Cに所定の予荷重を付与しているが、設定された所定の
高温になると同図に示すように変形して、第1摩擦クラ
ッチ21Cのアウタプレート21iから離間して同摩擦
クラッチ21Cの摩擦係合を解除する。
【0032】従って、当該駆動力断続装置20Cにおい
ては、車両の四輪駆動状態への切換え時には第1摩擦ク
ラッチ21Cはインナシャフト16の回転により摩擦係
合して、第3実施例に係る駆動力断続装置20Bと同様
に作動するが、第1摩擦クラッチ21Cの摩擦係合時の
発熱により皿バネ26dが所定の高温になると、皿バネ
26dは第1摩擦クラッチ21Cから離間して同摩擦ク
ラッチ21Cの摩擦係合を解除させる。このため、車両
の四輪駆動走行時において第1摩擦クラッチ21Cが常
時摩擦係合している場合に比較して、同摩擦クラッチ2
1Cの摩耗および焼損が抑制されて同摩擦クラッチ21
Cの耐久性を向上させることができるとともに、駆動力
の損失を抑制して燃費の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る駆動力断続装置の断
面図である。
【図2】同駆動力断続装置の部分拡大断面図である。
【図3】同駆動力断続装置における第1,第2摩擦クラ
ッチの摩擦係合力の関係を示すグラフである。
【図4】同駆動力断続装置の構成部材の配置関係を示す
模型図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る駆動力断続装置の断
面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係る駆動力断続装置の断
面図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る駆動力断続装置の断
面図である。
【図8】本発明に係る駆動力断続装置を配設した車両の
概略構成図である。
【符号の説明】
10…四輪駆動車、11…トランスミッション、12…
トランスファー、15b…前輪側アクスルシャフト、1
6…インナシャフト、17…アウタハウジング、18…
ナックル、20,20A,20B,20C…駆動力断続
装置、21,21A,21B,21C…第1摩擦クラッ
チ、22…第1カム手段、23,23A,23B,23
C…ピストン、24…第2摩擦クラッチ、25…第2カ
ム手段、27…インナスリーブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大薮 幹治 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定部材に回転可能に支持された駆動部材
    と、前記固定部材に回転可能に支持されて前記駆動部材
    の外周にて所定の周間隔を保持して同心的に位置する被
    駆動部材との間に配設され、前記駆動部材の駆動時には
    同駆動部材と前記被駆動部材とを駆動力伝達可能に連結
    し、かつ前記駆動部材の非駆動時には同駆動部材と前記
    被駆動部材との駆動力伝達可能な連結を遮断する駆動力
    断続装置であり、前記駆動部材と前記固定部材との間に
    設けられ同駆動部材の駆動時に摩擦係合する第1の摩擦
    クラッチと、前記駆動部材の外周に軸方向へ移動可能に
    設けられた押圧部材と、前記駆動部材と前記被駆動部材
    との間に設けられ前記押圧部材にて押圧されて摩擦係合
    し前記駆動部材を前記被駆動部材に駆動力伝達可能に連
    結する第2の摩擦クラッチと、前記押圧部材と前記第1
    の摩擦クラッチとの間に設けられ同第1の摩擦クラッチ
    の相対回転により作動して前記押圧部材を軸方向へ移動
    して前記第2の摩擦クラッチを摩擦係合させるカム手段
    を備えていることを特徴とする駆動力断続装置。
  2. 【請求項2】前記被駆動部材と前記第2の摩擦クラッチ
    との間に設けられ同第2の摩擦クラッチの摩擦係合時に
    作動して同摩擦クラッチを前記押圧部材に抗して押圧す
    る第2のカム手段を設けたことを特徴とする請求項1に
    記載の駆動力断続装置。
JP27819293A 1993-11-08 1993-11-08 駆動力断続装置 Pending JPH07133831A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009073435A (ja) * 2007-09-24 2009-04-09 Toyota Motor Corp 車両の駆動力配分制御装置
WO2014091621A1 (ja) * 2012-12-14 2014-06-19 Gkn ドライブライン ジャパン株式会社 断続装置及びこの断続装置を用いた動力伝達装置

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