JPH07133374A - 導電性薄板状硫酸バリウムフィラー及びその製造方法 - Google Patents
導電性薄板状硫酸バリウムフィラー及びその製造方法Info
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Abstract
面を被覆している導電性物質の層とからなり、該芯材が
未被覆状態で0.1〜30m2 /gの比表面積を有して
おり、該導電性物質の層が非化学量論組成の酸化錫、あ
るいはインジウム−錫複合酸化物、あるいは元素の周期
表第5族の元素をドープした酸化錫からなる層である導
電性薄板状硫酸バリウムフィラー及びその製造方法。 【効果】 本発明の導電性薄板状硫酸バリウムフィラー
は、薄板状であるため面接触もしくは線接触となり、少
量添加で高い導電性付与効果を有し、また白色度が優れ
ていて、紙、繊維、プラスチック、ゴム、樹脂、塗料等
の基材に添加した場合にそれらの基材が着色されること
がなく、白色あるいは透明のままであり、それで着色剤
を添加することによって任意の所望色調が得られる。
Description
ムフィラー及びその製造方法に関し、更に詳しくは、プ
ラスチック、ゴム、樹脂、塗料、繊維、紙等に混入して
それらに導電性を付与するための、比電気抵抗値が低く
且つ単位重量当たりの導電性付与効果が著しく優れてい
る導電性薄板状硫酸バリウムフィラー及びその製造方法
に関する。
は、酸化アンチモンをドープした酸化錫層で被覆されて
いる硫酸バリウム粒子からなる導電性硫酸バリウムフィ
ラーが開示されている。
好な導電性を付与するためには、混入した導電性フィラ
ー同志が接触する必要があり、それ故に導電性フィラー
が球状の場合には多量の添加が必要である。導電性フィ
ラーが高価な場合には、そのような導電性フィラーを多
量に混入して得た製品はコスト面でその用途が限定され
る。これを改善する目的で球状よりもアスペクト比が格
段に大きく、比較的少量の添加でも導電性フィラー間の
接触の機会が多い形状である繊維状導電性フィラーが提
案されている。
報、特開昭62−59528号公報には、一般式M2 O
・nTiO2 ・mH2 Oで表されるチタン酸アルカリ金
属繊維が酸化アンチモンをドープした酸化錫層で被覆さ
れている導電性チタン酸アルカリ金属繊維からなるフィ
ラーが開示されている。しかし、アスベスト等の繊維状
フィラーにおいては発ガン性が指摘され、その使用が規
制されているように、上記ウィスカー、セラミックファ
イバー等の歴史は新しく、長期毒性については不明な部
分が多く、国際がん研究機関(IARC)の発ガン性の
ランクはこれら人造鉱物繊維は第2群B(証拠は十分で
はないが、ヒトに対して発ガンの可能性があると考えら
れる)に位置づけられており、その安全性について問題
がある。
発明者等は上記のような欠点のない導電性薄板状硫酸バ
リウムフィラー、即ち、(1)導電性薄板状硫酸バリウ
ムフィラー自体の白色度が優れていて、その様なフィラ
ーを紙、繊維、プラスチック、ゴム、樹脂、塗料等の基
材に添加した場合にそれらの基材が導電性薄板状硫酸バ
リウムフィラーに起因して着色されることがなく、白色
あるいは透明のままであり、それで着色剤を添加するこ
とによって任意の所望色調が得られ、(2)繊維状導電
性フィラーのような労働安全衛生上の問題もなく、
(3)安価に製造でき、(4)樹脂、塗料等中への高い
分散性を有し、(5)球状粒子が点接触であるに対し
て、薄板状であるため面接触もしくは線接触となり、少
量添加で高い導電性付与効果を有し、(6)導電性薄板
状硫酸バリウムフィラーを紙、繊維、プラスチック、ゴ
ム、樹脂、塗料等の基材に添加する際に、導電性薄板状
硫酸バリウムフィラーの表面に被覆されている導電性被
膜が剥離して導電性の損失を生じることがない、導電性
薄板状硫酸バリウムフィラーを提供することを目的とし
て種々検討を重ねて、本発明を完成した。
板状硫酸バリウムフィラーは、薄板状硫酸バリウムから
なる芯材と、その表面を被覆している導電性物質の層と
からなり、該芯材が未被覆状態で0.1〜30m2 /g
の比表面積を有しており、該導電性物質の層が非化学量
論組成の酸化錫、あるいはインジウム−錫複合酸化物、
あるいは元素の周期表第5族の元素をドープした酸化錫
からなる層であることを特徴とする。
ーにおいては、芯材として使用する硫酸バリウム粒子の
比表面積は未被覆状態で0.1〜30m2 /gである。
その比表面積が0.1m2 /g未満の場合には、それを
用いて得た導電性薄板状硫酸バリウムフィラーの単位重
量当たりの導電率は小さく、従ってそのようなフィラー
を例えば樹脂マトリックス中に混入しても満足な帯電防
止効果は得られない。また、その比表面積が未被覆状態
で30m2 /gを超える場合には所望の導電性を達成す
るのに必要な被膜物質の量が多くなりコスト高になると
同時に比重が大きくなり、所望の帯電防止効果を得るた
めには例えば樹脂マトリックス中への添加量を多くしな
ければならない。なお、本発明で芯材として使用する硫
酸バリウム粒子は一般的には長径が3〜300μm、厚
みが0.1〜3μmの薄板状のものである。硫酸バリウ
ム粒子の比表面積が未被覆状態で0.1〜30m2 /g
である場合には、それを用いて得た導電性薄板状硫酸バ
リウムフィラーは透明であり、そのような粒子は塗料用
に使用することが望ましく、そしてその塗料は導電性と
なる。またこの導電性薄板状硫酸バリウムフィラーの添
加によっても添加顔料の隠蔽力が悪影響されることはな
い。なお、本発明で芯材として用いる硫酸バリウムは随
伴不純物である硫化亜鉛を含んでいてもよい。
ーにおいては、薄板状硫酸バリウムからなる芯材の表面
を被覆している導電性物質の層は非化学量論組成の酸化
錫からなる層であるか、あるいはインジウム−錫複合酸
化物からなる層であるか、あるいは元素の周期表第5族
の元素をドープした酸化錫からなる層である。本発明に
おいては、非化学量論組成の酸化錫は酸素又は錫の侵入
型又は欠陥型のいずれであってもよい。インジウム−錫
複合酸化物についてはインジウム元素と錫元素との重量
比は特には限定されないが、酸化インジウム及び酸化錫
として計算して一般的にはIn2 O3 :SnO2 =10
00:1〜1:1である。また、元素の周期表第5族の
元素をドープした酸化錫については元素の周期表第5族
の元素と錫元素との重量比は、元素の周期表第5族の元
素の酸化物と酸化錫として計算して一般的には元素の周
期表第5族の元素酸化物:SnO2 =1:200〜1:
5である。本発明においては元素の周期表第5族の元素
は好ましくはアンチモン、ニオブ及びタンタルからなる
群から選ばれた元素である。
ーにおいては、被膜の厚さは好ましくは2〜80nmで
ある。被膜の厚さが2nm未満の場合にはその被覆され
た硫酸バリウムの導電性が不十分であり、従ってそのよ
うな粒子を例えば樹脂マトリックス中に混入しても満足
な帯電防止効果は得られない。また、被膜の厚さが80
nmを超えても、増加するコストに見合った帯電防止効
果は達成されず、コスト高になってしまう。被膜が2〜
80nmの厚さを有する場合、酸化錫からなる被膜と硫
酸バリウム粒子との間の結合力は比較的強くなり、本発
明による導電性薄板状硫酸バリウムフィラーが樹脂中へ
混練される際にも、被膜は硫酸バリウム粒子から剥離す
ることはない。
化錫からなる被覆層を有する導電性薄板状硫酸バリウム
フィラーは本発明に従って下記の諸工程からなる製造方
法によって得られる: (a)比表面積が0.1〜30m2 /gである薄板状硫
酸バリウムを10〜1000g/lの濃度で含有するス
ラリー、及び4価の錫化合物(塩化第二錫、錫酸ナトリ
ウム、錫酸カリウム等)を含有する溶液を用いてpH1
1〜14のアルカリ性混合液を調製する工程、(b)そ
の混合液に酸を添加してpHを6〜2に低下させて該薄
板状硫酸バリウムの表面上に酸化錫の水和物からなる被
覆層を形成する工程、(c)続いて元素の周期表第5族
の元素の化合物、好ましくはアンチモン、ニオブ又はタ
ンタルの水溶性化合物を含有する酸溶液及びアルカリ溶
液をpH6〜2を維持するように同時に添加する工程、
(d)それにより得られた固形物を固液分離し、水洗し
て可溶性塩を除去し、乾燥する工程、(e)その乾燥物
を空気中300〜1000℃あるいは不活性雰囲気下ま
たは還元性雰囲気下150〜600℃で焼成する工程。
液を調製する方法としては、薄板状硫酸バリウムを含有
するスラリーにアルカリ溶液を添加し、その後4価の錫
化合物を含有する溶液と混合する方法、薄板状硫酸バリ
ウムを含有するスラリーに4価の錫化合物を含有するア
ルカリ性溶液を添加、混合する方法、薄板状硫酸バリウ
ムを含有するスラリーと4価の錫化合物を含有する溶液
とを混合し、その混合物にアルカリ溶液を添加、混合す
る方法、あるいはそれらの併用方法を用いることができ
る。
表第5族の元素、好ましくはアンチモン、ニオブ又はタ
ンタルの水溶性化合物を酸化物として計算して酸化錫に
対して一般的には0.5〜20重量%となる量で含有す
る酸溶液とアルカリ溶液をpH6〜2を維持するように
同時に添加する。
有する導電性薄板状硫酸バリウムフィラーは本発明に従
って、上記の(b)工程で生じた懸濁液の撹拌を続けて
被膜を熟成し、上記の(c)工程を実施することなしに
直ちに上記の(d)工程を実施し、また上記の(e)工
程を不活性雰囲気下または還元性雰囲気下150〜60
0℃で焼成を行い、他は同様に実施する製造方法によっ
て得られる。
を有する導電性薄板状硫酸バリウムフィラーは本発明に
従って下記の諸工程からなる製造方法によって得られ
る: (a)比表面積が0.1〜30m2 /gである薄板状硫
酸バリウムを10〜1000g/lの濃度で含有するス
ラリーと、3価のインジウム化合物及び4価の錫化合物
を含有する酸溶液とを混合してpH2以下の混合液を調
製する工程、(b)その混合液にアルカリ溶液を添加し
てpHを4〜8とし該薄板状硫酸バリウムの表面上に酸
化インジウム−酸化錫の水和物からなる被覆層を形成す
る工程、(c)その懸濁液の攪拌を続けて、被膜を熟成
する工程、(d)それにより得られた固形物を固液分離
し、水洗して可溶性塩を除去し、乾燥する工程、(e)
空気中300〜1000℃あるいは不活性雰囲気下また
は還元性雰囲気下150〜600℃で焼成する工程。
ム化合物及び4価の錫化合物を含有する酸溶液において
はインジウム元素と錫元素との重量比は特には限定され
ないが、酸化インジウム及び酸化錫として計算して一般
的にはIn2 O3 :SnO2=1000:1〜1:1と
なるような割合で3価のインジウム化合物及び4価の錫
化合物を含有する酸溶液を用いる。
が、元素の周期表第5族の元素、好ましくはアンチモ
ン、ニオブ又はタンタルをドープした酸化錫からなる被
覆層、非化学量論組成の酸化錫からなる被覆層、あるい
はインジウム−錫複合酸化物からなる被覆層により完全
に被覆されるという利点を与え、短時間で容易に実施す
ることができ、また製造された導電性薄板状硫酸バリウ
ムフィラーは樹脂中での高い分散性を示す。
ーは芯材として薄板状硫酸バリウム粒子を使用し、その
表面に2〜80nmの厚みを有する導電性物質の薄膜を
形成しているので、透明性を有し且つ芯材の硫酸バリウ
ムの屈折率も樹脂の屈折率に近似しているのでこの導電
性薄板状硫酸バリウムフィラーを塗料、樹脂、プラスチ
ック等に混入してもそれらの透明性を損なうことが少な
く、ましてや着色することもなく、それで本導電性薄板
状硫酸バリウムフィラーと共に着色剤を添加することに
よって所望の任意の色調が得られる。その上繊維状フィ
ラーのような労働安全衛生上の問題もなく、分散性に優
れ、球状粒子が点接触であるに対して、面接触もしくは
線接触となるため少量添加で高い導電性付与効果を有す
る導電性薄板状硫酸バリウムフィラーである。
ーは紙、繊維、プラスチック、ゴム、樹脂、塗料等に混
入してそれらに導電性を付与することができ、それで、
例えば、自動車静電塗装プライマー、精密電子機器の静
電気障害防止、静電気災害の発生防止、防塵等のための
ハウジング、建材、繊維、機械部品等の用途に用いるこ
とができる。更に、本発明の導電性薄板状硫酸バリウム
フィラーは複写機関連で荷電調製剤として導電性ローラ
ー、感光ドラム、トナーに、また電極改質剤として電池
等にも用いることができる。更に、形状効果により透明
で放射線遮蔽効果も大きい。
電性材料の静電塗装用導電プライマーとして使用した場
合は、その表面を導電化することにより、次の静電塗装
の付着効率を著しく向上させるという本来の効果以外
に、板状のフィラーが表面に平行に配向することによ
り、素地・塗幕界面に水分などが浸透することを抑制す
るので、塗膜の密着性、耐食性を向上させる効果も見ら
れる。
するが、本発明はかかる実施例によって限定されるもの
ではない。
度分布測定装置で測定した平均粒子径が5.5μmであ
り、アスペクト比(長径/厚み)が20である薄板状硫
酸バリウム粒子200gを水1000ml中に分散さ
せ、この分散スラリーを75℃まで加熱した。その後、
その分散スラリーに25%苛性ソーダ水溶液を添加し
て、分散スラリーのpHを12に調整した。引き続いて
錫酸ナトリウム(Sn40%含有)62.5gを温水5
00mlに溶解した水溶液を該分散スラリーに添加し、
温度を75℃に調整し、30分間攪拌した後、20%硫
酸溶液を90分間かけて添加してpHが2.5になるま
で中和して薄板状硫酸バリウム粒子の表面上に酸化錫の
水和物からなる被覆層を形成させた。続いて三塩化アン
チモン5.6gを溶解した塩酸溶液及び25%苛性ソー
ダ溶液を該分散スラリーのpHを2.5、温度を75℃
に保持しながら同時並行的に180分間かけて添加し
た。更にこのpH、温度を保持したまま攪拌しながら1
80分間熟成した。その後、ろ過し、洗浄し、乾燥し、
マッフル炉中600℃で2時間焼成して、本発明のアン
チモンをドープした酸化錫からなる被覆層を有する導電
性薄板状硫酸バリウムフィラーを得た。この導電性薄板
状硫酸バリウムフィラーの比電気抵抗値(フィラーを2
t/cm2 の圧力で加圧成型して試験片とし、該試験片
の比抵抗値を三菱油化製、ロレスタAPを用いて測定し
た)は21Ω・cmであった。また色差計(スガ試験機
SM−5型)によるL* 値は78であった。
度分布測定装置で測定した平均粒子径が5.5μmであ
り、アスペクト比(長径/厚み)が20である薄板状硫
酸バリウム粒子200gを水1000ml中に分散さ
せ、この分散スラリーを40℃まで加熱した。その後、
その分散スラリーに、硝酸インジウム溶液(In:1m
ol/l)242mlとSnCl4 溶液(98%)3.
1gとを混合した酸溶液を添加して、分散スラリーのp
Hを1.8に調整し、これに5%アンモニア溶液を90
分間かけて添加しpHが5になるまで中和して薄板状硫
酸バリウム粒子の表面上に酸化インジウム−酸化錫の水
和物からなる被覆層を形成させた。その後、ろ過し、洗
浄し、乾燥し、マッフル炉中600℃で2時間焼成し
て、本発明のインジウム−錫複合酸化物からなる被覆層
を有する導電性薄板状硫酸バリウムフィラーを得た。こ
の導電性薄板状硫酸バリウムフィラーの比電気抵抗値は
1Ω・cmであった。
度分布測定装置で測定した平均粒子径が5.5μmであ
り、アスペクト比(長径/厚み)が20である薄板状硫
酸バリウム粒子200gを水1000ml中に分散さ
せ、この分散スラリーを75℃まで加熱した。その後、
その分散スラリーに25%苛性ソーダ水溶液を添加し
て、分散スラリーのpHを12に調整した。引き続いて
錫酸ナトリウム(Sn40%含有)98.5gを温水5
00mlに溶解した水溶液を該分散スラリーに添加し、
温度を75℃に調整し、30分間攪拌した後、20%硫
酸溶液を90分間かけて添加しpHが2.5になるまで
中和して薄板状硫酸バリウム粒子の表面上に酸化錫の水
和物からなる被覆層を形成させた。さらにこのpH、温
度を保持したまま攪拌しながら180分間熟成した。そ
の後、ろ過し、洗浄し、乾燥し、水素/窒素混合雰囲気
(水素:窒素=5容量%:95容量%)中450℃で2
時間焼成して、本発明の非化学量論組成の酸化錫からな
る被覆層を有する導電性薄板状硫酸バリウムフィラーを
得た。この導電性薄板状硫酸バリウムフィラーの比電気
抵抗値は30Ω・cmであった。
積、被覆導電性物質の種類、被覆率及び層厚、使用する
ドーパント物質及び添加率、焼成雰囲気及び焼成温度を
表1に示すように変更して実施例1〜3と同様にして本
発明の導電性薄板状硫酸バリウムフィラーを得た。それ
らの導電性薄板状硫酸バリウムフィラーの比電気抵抗率
は表1に示す通りであった。なお、表1には実施例1〜
3の条件、結果も示す。
ラー及びドイツ特許第4017044号の方法により得
られた比電気抵抗値が20Ω・cmで平均粒子径が0.
4μmの導電性硫酸バリウムフィラーを表2に示す配合
比(PWC)でMPA/ソルベッソ200=2/1溶
剤、ポリエステル樹脂(ダイナポールL206)と混合
し、ペイントコンディショナーを使用して90分間分散
処理して塗料とした。これをアプリケーターを使用して
ポリエステルフィルムに塗布し、乾燥して厚さ15μm
の塗膜を得た。これらの塗膜の表面抵抗率(Ω/□)を
三菱油化製のハイレスタHPを使用して測定した。それ
らの結果は表2に示す通りであった。
明の導電性薄板状硫酸バリウムは、その配合量が少なく
ても導電性付与効果は非常に優れている。
ラーは、(1)導電性薄板状硫酸バリウムフィラー自体
の白色度が優れていて、その様なフィラーを紙、繊維、
プラスチック、ゴム、樹脂、塗料等の基材に添加した場
合にそれらの基材が導電性薄板状硫酸バリウムフィラー
に起因して着色されることがなく、白色あるいは透明の
ままであり、それで着色剤を添加することによって任意
の所望色調が得られ、(2)繊維状導電性フィラーのよ
うな労働安全衛生上の問題もなく、(3)安価に製造で
き、(4)樹脂、塗料等中への高い分散性を有し、
(5)球状粒子が点接触であるに対して、薄板状である
ため面接触もしくは線接触となり、少量添加で高い導電
性付与効果を有し、(6)導電性薄板状硫酸バリウムフ
ィラーを紙、繊維、プラスチック、ゴム、樹脂、塗料等
の基材に添加する際に、導電性薄板状硫酸バリウムフィ
ラーの表面に被覆されている導電性被膜が剥離して導電
性の損失を生じることがない。
Claims (6)
- 【請求項1】 薄板状硫酸バリウムからなる芯材と、そ
の表面を被覆している導電性物質の層とからなり、該芯
材が未被覆状態で0.1〜30m2 /gの比表面積を有
しており、該導電性物質の層が非化学量論組成の酸化
錫、あるいはインジウム−錫複合酸化物、あるいは元素
の周期表第5族の元素をドープした酸化錫からなる層で
あることを特徴とする導電性薄板状硫酸バリウムフィラ
ー。 - 【請求項2】 上記の元素の周期表第5族の元素がアン
チモン、ニオブ及びタンタルからなる群から選ばれた元
素であることを特徴とする請求項1記載の導電性薄板状
硫酸バリウムフィラー。 - 【請求項3】 上記の導電性物質の層が2〜80nmの
厚みを有することを特徴とする請求項1又は2記載の導
電性薄板状硫酸バリウムフィラー。 - 【請求項4】 (a)比表面積が0.1〜30m2 /g
である薄板状硫酸バリウムを10〜1000g/lの濃
度で含有するスラリー、及び4価の錫化合物を含有する
溶液を用いてpH11〜14のアルカリ性混合液を調製
し、(b)その混合液に酸を添加してpHを6〜2に低
下させて該薄板状硫酸バリウムの表面上に酸化錫の水和
物からなる被覆層を形成し、(c)続いて元素の周期表
第5族の元素の化合物を含有する酸溶液及びアルカリ溶
液をpH6〜2を維持するように同時に添加し、(d)
それにより得られた固形物を固液分離し、水洗して可溶
性塩を除去し、乾燥した後、(e)空気中300〜10
00℃あるいは不活性雰囲気下または還元性雰囲気下1
50〜600℃で焼成することを特徴とする、元素の周
期表第5族の元素をドープした酸化錫からなる被覆層を
有する導電性薄板状硫酸バリウムフィラーの製造方法。 - 【請求項5】 (a)比表面積が0.1〜30m2 /g
である薄板状硫酸バリウムを10〜1000g/lの濃
度で含有するスラリー、及び4価の錫化合物を含有する
溶液を用いてpH11〜14のアルカリ性混合液を調製
し、(b)その混合液に酸を添加してpHを6〜2に低
下させて該薄板状硫酸バリウムの表面上に酸化錫の水和
物からなる被覆層を形成し、(c)その懸濁液の攪拌を
続けて被膜を熟成した後、(d)それにより得られた固
形物を固液分離し、水洗して可溶性塩を除去し、乾燥し
た後、(e)不活性雰囲気下または還元性雰囲気下15
0〜600℃で焼成することを特徴とする、非化学量論
組成の酸化錫からなる被覆層を有する導電性薄板状硫酸
バリウムフィラーの製造方法。 - 【請求項6】 (a)比表面積が0.1〜30m2 /g
である薄板状硫酸バリウムを10〜1000g/lの濃
度で含有するスラリーと、3価のインジウム化合物及び
4価の錫化合物を含有する酸溶液とを混合してpH2以
下の混合液を調製し、(b)その混合液にアルカリ溶液
を添加してpHを4〜8とし該薄板状硫酸バリウムの表
面上に酸化インジウム−酸化錫の水和物からなる被覆層
を形成し、(c)その懸濁液の攪拌を続けて、被膜を熟
成した後、(d)それにより得られた固形物を固液分離
し、水洗して可溶性塩を除去し、乾燥した後、(e)空
気中300〜1000℃あるいは不活性雰囲気下または
還元性雰囲気下150〜600℃で焼成することを特徴
とする、インジウム−錫複合酸化物からなる被覆層を有
する導電性薄板状硫酸バリウムフィラーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28219993A JP3875282B2 (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | 導電性薄板状硫酸バリウムフィラー及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28219993A JP3875282B2 (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | 導電性薄板状硫酸バリウムフィラー及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07133374A true JPH07133374A (ja) | 1995-05-23 |
JP3875282B2 JP3875282B2 (ja) | 2007-01-31 |
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ID=17649364
Family Applications (1)
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