JPH0713204Y2 - コイル用円筒巻枠及び端子台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ．考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電子機器用プリント基板に装着されるコイル
用巻枠、及び端子台に関する。

〔従来の技術〕

従来、コモンモードチョークコイル等の組立てにおい
て、日の字形フェライトコア（以下コアと称す）の中央
磁脚に２個に分割した円筒巻枠を組み合わせ、更に、コ
アと巻線間の絶縁を行なうための仕切り板を設けた端子
台にコアを固定していた。円筒巻枠に巻線する際、ワイ
ヤーを中央鍔と両側の端部鍔との間に形成される巻線空
間の各々に同時に巻線を行なうが、巻始めの部分は各々
の端部鍔に仮固定し、中央鍔に形成された歯車を駆動用
の歯車によって回転させ、巻線を行なっていた。この
際、コアを取り付けた円筒巻枠と端子台がはずれないよ
う別々の押さえ治具により各々を保持していた。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の巻枠、及び端子台を用いてコイルの巻線を行なう
際、コアを取り付けた円筒巻枠と端子台を各々別々に固
定確保するための治具が必要となり、巻線装置が複雑と
なる欠点があった。本考案は前記問題点を解決するた
め、円筒巻枠と端子台を１組として組合せ固定し、且
つ、前記巻枠がその軸方向の廻りに回転可能な構造と
し、簡単な巻線装置により巻線が行なえるコイル用巻枠
と端子台を提供することにある。

ロ．考案の構成 〔課題を解決するための手段〕 本考案は、二分割型円筒巻枠の端部鍔外側面に環状の溝
を設け、又組合せ使用される端子台内壁には前記の二分
割型円筒巻枠の前記溝に挿入される凸部が設けてあり、
前記端子台に前記円筒巻枠を組み込む際、前記溝部と凸
部とを結合させることにより、端子台を保持することに
よって、フェライトコア、円筒巻枠を別個に保持するこ
となく、コイル作成が可能な円筒巻枠と端子台を提供す
るものである。

即ち本考案は、日の字形フェライトコアの中央磁脚に組
付けた端部鍔２個と、歯車を成形した中央鍔を備えた二
分割型円筒巻枠において、前記巻枠と組合せ使用するロ
の字形であって、底面に外部接続用端子が設けられ、上
面には日の字形フェライトコアと巻線間の絶縁仕切り板
を２個設けたコイル用端子台の内壁に凸部を設けてお
り、これを挿入する円環状の溝を端部鍔外側面に備え
て、端子台に対し、巻枠がその軸方向の廻りに回転可能
に固定されたことを特徴とする二分割型コイル用円筒巻
枠、および端子台を提供する。

〔作用〕

コイルの巻線を行なう際、日の字形フェライトコアを組
み込んだ円筒巻枠と端子台を、円筒巻枠の巻線用歯車に
回転を与えることが可能な機構に組付け、端子台を保持
することで巻線が可能となる。円筒巻枠の溝と端子台に
設けた凸部との結合により、互いに相対固定して、端子
台の位置を固定し、回転機構（駆動用の歯車）を中央鍔
に備えている歯車に押しつけるだけで巻線が行なえる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を使用して説明する。第１図は、
本考案の一実施例で、日の字形フェライトコア、コイル
用円筒巻枠、及び端子台の組立て品を示す分解外観斜視
図である。

第１図において、日の字形フェライトコア１の中央磁脚
２の周りに端部鍔４と歯車５からなる二分割型円筒巻枠
２ケを組み合わせ、二分割型円筒巻枠（以下円筒巻枠と
称する）を形成し、絶縁仕切り板９と端子10からなるロ
の字形の端子台８に前記コアを組付ける。

第２図（ａ）は、第１図に示す実施例の組立て品の正面
図、第２図（ｂ）は側面図である。第２図（ａ）、及び
第２図（ｂ）に示すように円筒巻枠３の端部鍔４の側面
にある案内溝７は、端子台８の内壁にある凸部11を円筒
巻枠の溝部６へ導くための案内溝であり、円筒巻枠が回
転中にこの案内溝から外れないような工夫がされてい
る。例えば軸方向から回転方向に曲げて成形し（第２図
（ｂ）参照）、前記案内溝を巻始め線の継止用として使
用し溝部をふさぐ等している。

本考案の端部鍔外側面に溝を持つ円筒巻枠と、端子台に
前記溝と結合する凸部を持つ端子台を組合させて使用す
ることにより、二分割型円筒巻枠３の歯車５に外部の回
転機構の歯車（図示しない）が接触して回転させる際、
円筒巻枠は特別な支持をすることなく、端子台よりはず
れずに簡単に巻線が施される。

ハ．考案の効果 〔考案の効果〕 本考案によれば、日の字形フェライトコアを組み込んだ
円筒巻枠と端子台を組み合せて巻線し、コイルを作成す
る際、各々を別個に保持することなく、巻枠の溝と端子
台の凸部の結合により巻枠は端子台に対して回転可能に
固定されるので、簡単な巻線機でコモンモードチョーク
コイル等のコイルが経済的に製造出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示し、コア、巻線、及び
端子台の組立て工程を示す分解外観斜視図。 第２図（ａ）は第１図に示す実施例の組立て品の正面
図、第２図（ｂ）は第２図（ａ）の側面図である。 １…日の字形フェライトコア、２…中央磁脚、３…二分
割型円筒巻枠、４…端部鍔、５…歯車、６…溝部、７…
案内溝、８…端子台、９…絶縁仕切り板、10…端子、11
…凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】日の字形フェライトコアの中央磁脚に組付
   けた端部鍔２個と、外周に歯車を成形した中央鍔を備え
   た二分割型円筒巻枠及び、前記巻枠と組合せ使用するロ
   の字形であって、底面に外部接続用端子が設けられ、上
   面には前記日の字形フェライトコアと巻線間に絶縁仕切
   り板を２個設けたコイル用端子台において、前記端部鍔
   外側面に、環状の溝とこの溝につながる前記端部鍔の外
   周面からの案内溝を備え、かつ前記端子台の内壁に前記
   溝に結合する凸部を設けたことを特徴とするコイル用円
   筒巻枠及び端子台。