JPH07131438A - 交差偏波補償装置 - Google Patents
交差偏波補償装置Info
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- JPH07131438A JPH07131438A JP5293981A JP29398193A JPH07131438A JP H07131438 A JPH07131438 A JP H07131438A JP 5293981 A JP5293981 A JP 5293981A JP 29398193 A JP29398193 A JP 29398193A JP H07131438 A JPH07131438 A JP H07131438A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01Q—ANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
- H01Q15/00—Devices for reflection, refraction, diffraction or polarisation of waves radiated from an antenna, e.g. quasi-optical devices
- H01Q15/24—Polarising devices; Polarisation filters
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- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B7/00—Radio transmission systems, i.e. using radiation field
- H04B7/002—Reducing depolarization effects
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Radio Relay Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は衛星通信の伝搬路で降雨等により発
生した交差偏波をπ位相差板及びπ/2位相差板を用い
て補償する交差偏波補償装置に関し、アンテナに入射さ
れるダウンリンク系全体の交差偏波のうち伝搬路で発生
した交差偏波のみを補償する交差偏波補償装置を実現す
ることを目的とする。 【構成】 制御装置23は受信機22により検波され
た、ビーコン信号の交差偏波の主偏波同相成分Ex及び
π/2位相差成分Eyからなる交差偏波ベクトルと、角
度検出器17及び18からの角度検出信号とに基づい
て、駆動部15及び16を制御することによりダウンリ
ンク通信系信号の交差偏波ベクトルがゼロベクトルにな
るようにダウンリンクのπ位相差板13とπ/2位相差
板14の角度を回転制御する。また、制御装置23はこ
の角度情報に基づく相関演算によりアップリンクのπ/
2位相差板25とπ位相差板26の角度も制御する。
生した交差偏波をπ位相差板及びπ/2位相差板を用い
て補償する交差偏波補償装置に関し、アンテナに入射さ
れるダウンリンク系全体の交差偏波のうち伝搬路で発生
した交差偏波のみを補償する交差偏波補償装置を実現す
ることを目的とする。 【構成】 制御装置23は受信機22により検波され
た、ビーコン信号の交差偏波の主偏波同相成分Ex及び
π/2位相差成分Eyからなる交差偏波ベクトルと、角
度検出器17及び18からの角度検出信号とに基づい
て、駆動部15及び16を制御することによりダウンリ
ンク通信系信号の交差偏波ベクトルがゼロベクトルにな
るようにダウンリンクのπ位相差板13とπ/2位相差
板14の角度を回転制御する。また、制御装置23はこ
の角度情報に基づく相関演算によりアップリンクのπ/
2位相差板25とπ位相差板26の角度も制御する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は交差偏波補償装置に係
り、特に衛星通信の伝搬路で降雨等により発生した交差
偏波をπ位相差板及びπ/2位相差板を用いて補償する
交差偏波補償装置に関する。
り、特に衛星通信の伝搬路で降雨等により発生した交差
偏波をπ位相差板及びπ/2位相差板を用いて補償する
交差偏波補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】互いに逆旋の関係にある二つの円偏波、
すなわち右旋円偏波と左旋円偏波を受信した場合や互い
に直交する二つの直線偏波、すなわち水平偏波と垂直偏
波を受信した場合はπ/2位相差板とπ位相差板を通過
させて二つの直交する直線偏波に変換した後偏分波器を
用いることにより、受信偏波をそれぞれ分波することが
できるため、周波数の有効利用を図ることを目的とし
て、これら二つの直交する偏波を同一周波数で送受信す
る無線通信システムが、衛星通信などの技術分野で用い
られている。しかし、電波伝搬路において降雨や降雪な
どがあると、異方性移相(DPS:Different
ial Phase Shift)と異方性減衰(D
A:Differential Attenuatio
n)に起因する異方性により、交差偏波識別度が劣化す
る。
すなわち右旋円偏波と左旋円偏波を受信した場合や互い
に直交する二つの直線偏波、すなわち水平偏波と垂直偏
波を受信した場合はπ/2位相差板とπ位相差板を通過
させて二つの直交する直線偏波に変換した後偏分波器を
用いることにより、受信偏波をそれぞれ分波することが
できるため、周波数の有効利用を図ることを目的とし
て、これら二つの直交する偏波を同一周波数で送受信す
る無線通信システムが、衛星通信などの技術分野で用い
られている。しかし、電波伝搬路において降雨や降雪な
どがあると、異方性移相(DPS:Different
ial Phase Shift)と異方性減衰(D
A:Differential Attenuatio
n)に起因する異方性により、交差偏波識別度が劣化す
る。
【0003】このような交差偏波識別度の劣化を補償す
るために従来より用いられている交差偏波補償装置の一
例のブロック図を図3に示す。同図において、送受共用
アンテナ1は、分波器2を介してダウンリンク偏波変換
回路3の入力端子及びアップリンク偏波変換回路8の出
力端子に接続されている。ダウンリンク偏波変換回路3
の出力側には偏分波器4、受信機5及び制御装置6が設
けられている。また、アップリンク偏波変換回路8の入
力側には偏分波器7が設けられている。
るために従来より用いられている交差偏波補償装置の一
例のブロック図を図3に示す。同図において、送受共用
アンテナ1は、分波器2を介してダウンリンク偏波変換
回路3の入力端子及びアップリンク偏波変換回路8の出
力端子に接続されている。ダウンリンク偏波変換回路3
の出力側には偏分波器4、受信機5及び制御装置6が設
けられている。また、アップリンク偏波変換回路8の入
力側には偏分波器7が設けられている。
【0004】この従来の交差偏波補償装置の動作につい
て説明するに、アンテナ1に入射した例えば右旋円偏波
と左旋円偏波(厳密にはそれぞれ円偏波に近い楕円偏
波)とは、分波器2により送信波から分離されてπ位相
差板及びπ/2位相差板が縦続接続された構成のダウン
リンク偏波変換回路3に供給されて、互いに直交する直
線偏波(厳密にはそれぞれ長軸が直交する直線偏波に近
い楕円偏波)に変換された後、偏分波器4に入力され、
ここで右旋成分と左旋成分とに分離されて後段の通信系
へ出力される一方、受信機5に入力される。ただし、通
常複数チャネルの通信系信号が一定帯域内で別々の周波
数で送受信されるから、この受信波信号は1波だけでな
く、若干周波数の異なる信号が一定帯域内で数種類分布
している。
て説明するに、アンテナ1に入射した例えば右旋円偏波
と左旋円偏波(厳密にはそれぞれ円偏波に近い楕円偏
波)とは、分波器2により送信波から分離されてπ位相
差板及びπ/2位相差板が縦続接続された構成のダウン
リンク偏波変換回路3に供給されて、互いに直交する直
線偏波(厳密にはそれぞれ長軸が直交する直線偏波に近
い楕円偏波)に変換された後、偏分波器4に入力され、
ここで右旋成分と左旋成分とに分離されて後段の通信系
へ出力される一方、受信機5に入力される。ただし、通
常複数チャネルの通信系信号が一定帯域内で別々の周波
数で送受信されるから、この受信波信号は1波だけでな
く、若干周波数の異なる信号が一定帯域内で数種類分布
している。
【0005】受信機5は上記の数種類の受信波信号のう
ち1波のみを周波数選択し、その信号の交差偏波をモニ
タするためのものである(以下、この選択された信号を
「交差偏波モニタ信号」又は単に「モニタ信号」と称
す)。すなわち、この受信機5は主偏波成分と交差偏波
成分が各々入力され、モニタ信号の交差偏波の主偏波同
相成分とπ/2位相差成分とを検波して、そのレベルを
出力する。以下、本明細書では、この受信機5の出力レ
ベルをベクトル(Ex,Ey)で表す。
ち1波のみを周波数選択し、その信号の交差偏波をモニ
タするためのものである(以下、この選択された信号を
「交差偏波モニタ信号」又は単に「モニタ信号」と称
す)。すなわち、この受信機5は主偏波成分と交差偏波
成分が各々入力され、モニタ信号の交差偏波の主偏波同
相成分とπ/2位相差成分とを検波して、そのレベルを
出力する。以下、本明細書では、この受信機5の出力レ
ベルをベクトル(Ex,Ey)で表す。
【0006】このベクトル(Ex,Ey)の絶対値はモ
ニタ信号の交差偏波成分と主偏波成分の振幅比を表し、
位相角は交差偏波成分と主偏波成分の位相差を表してい
る。このように交差偏波成分と主偏波成分の振幅比と位
相差を同時に表現するベクトルを、本明細書では交差偏
波ベクトルと呼ぶことにする。
ニタ信号の交差偏波成分と主偏波成分の振幅比を表し、
位相角は交差偏波成分と主偏波成分の位相差を表してい
る。このように交差偏波成分と主偏波成分の振幅比と位
相差を同時に表現するベクトルを、本明細書では交差偏
波ベクトルと呼ぶことにする。
【0007】さて、従来のダウンリンク交差偏波補償
は、IEEの1981年4月発刊の文献(R.R.Pe
rsinger他著,”OPERATIONAL ME
ASUREMENTS OF A 4/6−GHz A
DAPTIVE POLARIZATION COMP
ENSATION NETWORK EMPLOYIN
G UP/DOWN−LINK CORRELATIO
N ALGORITHMS”,IEE 2nd Int
ernational Conferenceon A
ntenna and Propagation,Ap
ril 1981,IEE Conf.Publ.)に
記載されているように、前記交差偏波ベクトル(Ex,
Ey)そのものを誤差信号とし、π位相差板及びπ/2
位相差板の角度を制御対象とする制御装置6により、ベ
クトル(Ex,Ey)がゼロベクトル(0,0)になる
ように偏波変換回路3内のπ位相差板及びπ/2位相差
板の角度を回転制御する。この閉ループ制御により、モ
ニタ信号の交差偏波が補償される。
は、IEEの1981年4月発刊の文献(R.R.Pe
rsinger他著,”OPERATIONAL ME
ASUREMENTS OF A 4/6−GHz A
DAPTIVE POLARIZATION COMP
ENSATION NETWORK EMPLOYIN
G UP/DOWN−LINK CORRELATIO
N ALGORITHMS”,IEE 2nd Int
ernational Conferenceon A
ntenna and Propagation,Ap
ril 1981,IEE Conf.Publ.)に
記載されているように、前記交差偏波ベクトル(Ex,
Ey)そのものを誤差信号とし、π位相差板及びπ/2
位相差板の角度を制御対象とする制御装置6により、ベ
クトル(Ex,Ey)がゼロベクトル(0,0)になる
ように偏波変換回路3内のπ位相差板及びπ/2位相差
板の角度を回転制御する。この閉ループ制御により、モ
ニタ信号の交差偏波が補償される。
【0008】また、電波伝搬路における降雨や降雪など
に起因する異方性は、ダウンリンクとアップリンクに共
通であるから、アップリンクとダウンリンクのDPSに
は相関関係がある。このため、アップリンク交差偏波補
償は、前述のダウンリンク偏波変換回路3内のπ位相差
板及びπ/2位相差板の角度情報を用いた、アップリン
クとダウンリンクのDPSの相関関係に基づく相関演算
により、アップリンク偏波変換回路8内のπ位相差板及
びπ/2位相差板の角度を、制御装置6を含む開ループ
により決定する(例えば、特公平2−19658号公報
参照)。
に起因する異方性は、ダウンリンクとアップリンクに共
通であるから、アップリンクとダウンリンクのDPSに
は相関関係がある。このため、アップリンク交差偏波補
償は、前述のダウンリンク偏波変換回路3内のπ位相差
板及びπ/2位相差板の角度情報を用いた、アップリン
クとダウンリンクのDPSの相関関係に基づく相関演算
により、アップリンク偏波変換回路8内のπ位相差板及
びπ/2位相差板の角度を、制御装置6を含む開ループ
により決定する(例えば、特公平2−19658号公報
参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の交差
偏波補償装置では上記の説明から明らかなように、「交
差偏波モニタ信号」として何らかの信号が必要になる。
しかし、通信系で一般に用いられている信号は変調度が
大きいため、この用途には適さない。そのため、従来の
交差偏波補償装置では「交差偏波モニタ信号」としてパ
イロット信号(無変調のキャリア)を用いていることが
多い。
偏波補償装置では上記の説明から明らかなように、「交
差偏波モニタ信号」として何らかの信号が必要になる。
しかし、通信系で一般に用いられている信号は変調度が
大きいため、この用途には適さない。そのため、従来の
交差偏波補償装置では「交差偏波モニタ信号」としてパ
イロット信号(無変調のキャリア)を用いていることが
多い。
【0010】しかし、この「交差偏波モニタ信号」とし
てパイロット信号(無変調のキャリア)を用いる従来の
交差偏波補償装置は、交差偏波モニタのためだけにパイ
ロット信号を別途送出しなければならず、周波数有効利
用・経済性の観点から問題がある。
てパイロット信号(無変調のキャリア)を用いる従来の
交差偏波補償装置は、交差偏波モニタのためだけにパイ
ロット信号を別途送出しなければならず、周波数有効利
用・経済性の観点から問題がある。
【0011】一方、地球局のアンテナ1が衛星を追尾で
きるようにし、また衛星自身の状態を監視・制御する地
球局(テレメトリ局)に知らせるために、常時衛星から
送出されているビーコン信号を「交差偏波モニタ信号」
として利用するという交差偏波補償装置も従来より知ら
れている。このビーコン信号は通信系で一般に用いられ
ている信号よりも変調度が小さいので、「交差偏波モニ
タ信号」として適してはいるが、以下の問題がある。
きるようにし、また衛星自身の状態を監視・制御する地
球局(テレメトリ局)に知らせるために、常時衛星から
送出されているビーコン信号を「交差偏波モニタ信号」
として利用するという交差偏波補償装置も従来より知ら
れている。このビーコン信号は通信系で一般に用いられ
ている信号よりも変調度が小さいので、「交差偏波モニ
タ信号」として適してはいるが、以下の問題がある。
【0012】すなわち、一般にアンテナ1に入射される
ダウンリンク系全体の交差偏波は、「衛星自身がもって
いる交差偏波」と「伝搬路で発生した交差偏波」とが相
乗したものである。しかし、上記の従来の交差偏波補償
装置ではアンテナ1に入射されるダウンリンク系全体の
交差偏波をゼロにするように偏波変換回路3内のπ位相
差板及びπ/2位相差板の角度を制御するため、「伝搬
路で発生した交差偏波」だけでなく「衛星自身がもって
いる交差偏波」をも補償することとなる。
ダウンリンク系全体の交差偏波は、「衛星自身がもって
いる交差偏波」と「伝搬路で発生した交差偏波」とが相
乗したものである。しかし、上記の従来の交差偏波補償
装置ではアンテナ1に入射されるダウンリンク系全体の
交差偏波をゼロにするように偏波変換回路3内のπ位相
差板及びπ/2位相差板の角度を制御するため、「伝搬
路で発生した交差偏波」だけでなく「衛星自身がもって
いる交差偏波」をも補償することとなる。
【0013】ところが、衛星がもっているビーコン信号
の交差偏波特性(以下、「ビーコン固有の交差偏波特
性」という)は、通信系のそれに比べて一般に悪い。こ
れは、通信系では直交両偏波を共用しているため交差偏
波識別度(XPD)を高く保つ必要があるのに対し、ビ
ーコン信号は通常片偏波しか送出されないのでそれほど
高いXPDが要求されず、衛星に搭載されている通信系
のアンテナ給電部とは異なるビーコン信号用のアンテナ
給電部を介してビーコン信号が送出されることもあるか
らである。
の交差偏波特性(以下、「ビーコン固有の交差偏波特
性」という)は、通信系のそれに比べて一般に悪い。こ
れは、通信系では直交両偏波を共用しているため交差偏
波識別度(XPD)を高く保つ必要があるのに対し、ビ
ーコン信号は通常片偏波しか送出されないのでそれほど
高いXPDが要求されず、衛星に搭載されている通信系
のアンテナ給電部とは異なるビーコン信号用のアンテナ
給電部を介してビーコン信号が送出されることもあるか
らである。
【0014】このため、ダウンリンク系全体の交差偏波
をゼロにするように偏波変換回路3内のπ位相差板及び
π/2位相差板の角度を制御すると、図4(A)に示す
ように「交差偏波モニタ信号」(ここではビーコン信
号)の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)は確かにゼロベ
クトル又はその近傍のベクトルとなり、ビーコン信号の
交差偏波補償は最適となるが、図4(B)に示すよう
に、ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
(Exd,Eyd)は右旋成分及び左旋成分のいずれもゼロ
ベクトルとはならない。
をゼロにするように偏波変換回路3内のπ位相差板及び
π/2位相差板の角度を制御すると、図4(A)に示す
ように「交差偏波モニタ信号」(ここではビーコン信
号)の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)は確かにゼロベ
クトル又はその近傍のベクトルとなり、ビーコン信号の
交差偏波補償は最適となるが、図4(B)に示すよう
に、ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
(Exd,Eyd)は右旋成分及び左旋成分のいずれもゼロ
ベクトルとはならない。
【0015】なお、図4(B)中、b1は右旋成分の交
差偏波ベクトル(Exd,Eyd)を示し、b2は左旋成分
の交差偏波ベクトル(Exd,Eyd)を示し、いずれも絶
対値がその交差偏波成分と主偏波成分の振幅比を示し、
位相角が交差偏波成分と主偏波成分の位相差を示してい
る。
差偏波ベクトル(Exd,Eyd)を示し、b2は左旋成分
の交差偏波ベクトル(Exd,Eyd)を示し、いずれも絶
対値がその交差偏波成分と主偏波成分の振幅比を示し、
位相角が交差偏波成分と主偏波成分の位相差を示してい
る。
【0016】このように、ビーコン信号を「交差偏波モ
ニタ信号」として利用する従来の交差偏波補償装置は、
ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exd,E
yd)がゼロベクトルとはならないため、降雨が僅かで交
差偏波発生が少ない伝搬路を伝搬した偏波を受信したと
きには、通信系のダウンリンク交差偏波特性を補償する
どころか逆に悪くする可能性がある。
ニタ信号」として利用する従来の交差偏波補償装置は、
ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exd,E
yd)がゼロベクトルとはならないため、降雨が僅かで交
差偏波発生が少ない伝搬路を伝搬した偏波を受信したと
きには、通信系のダウンリンク交差偏波特性を補償する
どころか逆に悪くする可能性がある。
【0017】また、この問題はダウンリンク交差偏波特
性の補償に止まらず、アップリンクの補償にも悪影響を
及ぼす。すなわち、アップリンク交差偏波補償は、前述
のダウンリンク偏波変換回路3内のπ位相差板及びπ/
2位相差板の角度情報を用いた相関演算により、アップ
リンク偏波変換回路8内のπ位相差板及びπ/2位相差
板の角度を制御することにより行っているから、アップ
リンク偏波変換回路8内のπ位相差板及びπ/2位相差
板の角度が「ビーコン固有の交差偏波特性」の分だけ誤
った角度に設定されることとなる。
性の補償に止まらず、アップリンクの補償にも悪影響を
及ぼす。すなわち、アップリンク交差偏波補償は、前述
のダウンリンク偏波変換回路3内のπ位相差板及びπ/
2位相差板の角度情報を用いた相関演算により、アップ
リンク偏波変換回路8内のπ位相差板及びπ/2位相差
板の角度を制御することにより行っているから、アップ
リンク偏波変換回路8内のπ位相差板及びπ/2位相差
板の角度が「ビーコン固有の交差偏波特性」の分だけ誤
った角度に設定されることとなる。
【0018】その結果、図4(C)に示すように、アッ
プリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exu,Eyu)
は、右旋成分の交差偏波ベクトルc1及び左旋成分の交
差偏波ベクトルc2のいずれもゼロベクトルとならず、
「ビーコン固有の交差偏波特性」に比例する大きさの交
差偏波ベクトルをもつことになる。
プリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exu,Eyu)
は、右旋成分の交差偏波ベクトルc1及び左旋成分の交
差偏波ベクトルc2のいずれもゼロベクトルとならず、
「ビーコン固有の交差偏波特性」に比例する大きさの交
差偏波ベクトルをもつことになる。
【0019】なお、従来の交差偏波補償装置の中には相
関演算の過程で上記の「ビーコン固有の交差偏波特性」
の影響(衛星と地球局アンテナの偏波特性に起因する残
留誤差)を除去するものもあるが(例えば、特公平2−
19658号公報)、そのためには三角関数や逆三角関
数などで構成される複雑な演算が必要となり、制御装置
の演算部にかかる負荷が大きくなる。
関演算の過程で上記の「ビーコン固有の交差偏波特性」
の影響(衛星と地球局アンテナの偏波特性に起因する残
留誤差)を除去するものもあるが(例えば、特公平2−
19658号公報)、そのためには三角関数や逆三角関
数などで構成される複雑な演算が必要となり、制御装置
の演算部にかかる負荷が大きくなる。
【0020】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
アンテナに入射されるダウンリンク系全体の交差偏波の
うち「衛星自身がもっている交差偏波」の影響を除去
し、「伝搬路で発生した交差偏波」のみを補償すること
により、上記の従来の課題を解決した交差偏波補償装置
を提供することを目的とする。
アンテナに入射されるダウンリンク系全体の交差偏波の
うち「衛星自身がもっている交差偏波」の影響を除去
し、「伝搬路で発生した交差偏波」のみを補償すること
により、上記の従来の課題を解決した交差偏波補償装置
を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、電波伝搬路で発生した交差偏波を有する互
いに直交する二つの偏波と共に衛星から送出されるビー
コン信号をアンテナで受信し、その受信ビーコン信号か
ら主偏波成分と交差偏波成分との振幅比及び位相差を示
す検波信号を生成し、検波信号に基づいてπ位相差板と
π/2位相差板の角度を制御して受信信号の交差偏波を
補償する交差偏波補償装置であって、アンテナに入射さ
れる前記偏波のダウンリンク系全体の交差偏波のうち、
衛星自身がもっている交差偏波の影響を除去し、ダウン
リンクの伝搬路で発生した交差偏波のみを補償するよう
にπ位相差板とπ/2位相差板の角度を制御する制御手
段を有する構成としたものである。
成するため、電波伝搬路で発生した交差偏波を有する互
いに直交する二つの偏波と共に衛星から送出されるビー
コン信号をアンテナで受信し、その受信ビーコン信号か
ら主偏波成分と交差偏波成分との振幅比及び位相差を示
す検波信号を生成し、検波信号に基づいてπ位相差板と
π/2位相差板の角度を制御して受信信号の交差偏波を
補償する交差偏波補償装置であって、アンテナに入射さ
れる前記偏波のダウンリンク系全体の交差偏波のうち、
衛星自身がもっている交差偏波の影響を除去し、ダウン
リンクの伝搬路で発生した交差偏波のみを補償するよう
にπ位相差板とπ/2位相差板の角度を制御する制御手
段を有する構成としたものである。
【0022】また、本発明における上記の制御手段は、
前記アンテナを介して入力されて角度θhdの前記π位相
差板と角度θqdの前記π/2位相差板をそれぞれ通過し
た受信波信号からビーコン信号を選択し、選択した受信
ビーコン信号の交差偏波の主偏波同相成分Exとπ/2
位相差成分Eyとからなる交差偏波ベクトル(Ex,E
y)を検波して前記検波信号として出力する受信機と、
ダウンリンクの伝搬路で発生した交差偏波のみを補償し
ている状態での前記π位相差板とπ/2位相差板の角度
と上記ベクトル(Ex,Ey)とをそれぞれθhd´、θ
qd´、(Ex´,Ey´)とすると、これらが関数
fx,fyを用いて次式 Ex´=fx(θhd´,θqd´,e0,β0) Ey´=fy(θhd´,θqd´,e0,β0) (ただし、e0,β0は晴天時の前記受信信号の楕円偏波
の軸比及びチルトアングル)で表される関係にあると
き、次式で表されるオフセットベクトル(Exo,Eyo) Exo=fx(θhd,θqd,e0,β0) Eyo=fx(θhd,θqd,e0,β0) に上記ベクトル(Ex,Ey)が近付くようにπ位相差
板とπ/2位相差板の角度θhdとθqdとを制御する制御
装置とを有する。
前記アンテナを介して入力されて角度θhdの前記π位相
差板と角度θqdの前記π/2位相差板をそれぞれ通過し
た受信波信号からビーコン信号を選択し、選択した受信
ビーコン信号の交差偏波の主偏波同相成分Exとπ/2
位相差成分Eyとからなる交差偏波ベクトル(Ex,E
y)を検波して前記検波信号として出力する受信機と、
ダウンリンクの伝搬路で発生した交差偏波のみを補償し
ている状態での前記π位相差板とπ/2位相差板の角度
と上記ベクトル(Ex,Ey)とをそれぞれθhd´、θ
qd´、(Ex´,Ey´)とすると、これらが関数
fx,fyを用いて次式 Ex´=fx(θhd´,θqd´,e0,β0) Ey´=fy(θhd´,θqd´,e0,β0) (ただし、e0,β0は晴天時の前記受信信号の楕円偏波
の軸比及びチルトアングル)で表される関係にあると
き、次式で表されるオフセットベクトル(Exo,Eyo) Exo=fx(θhd,θqd,e0,β0) Eyo=fx(θhd,θqd,e0,β0) に上記ベクトル(Ex,Ey)が近付くようにπ位相差
板とπ/2位相差板の角度θhdとθqdとを制御する制御
装置とを有する。
【0023】また、本発明における上記の制御装置は、
前記ベクトルEx及びEx0の差の関数Dq(Ex−
Ex0)をπ/2位相差板の誤差角度情報としてπ/2位
相差板の角度を制御し、ベクトルEy及びEy0の差の関
数Dh(Ey−Ey0)をπ位相差板の誤差角度情報とし
てπ位相差板の角度を制御する構成としたものである。
前記ベクトルEx及びEx0の差の関数Dq(Ex−
Ex0)をπ/2位相差板の誤差角度情報としてπ/2位
相差板の角度を制御し、ベクトルEy及びEy0の差の関
数Dh(Ey−Ey0)をπ位相差板の誤差角度情報とし
てπ位相差板の角度を制御する構成としたものである。
【0024】更に、本発明はダウンリンク系のπ位相差
板とπ/2位相差板の角度を制御して受信信号の交差偏
波を補償し、ダウンリンク系のπ位相差板とπ/2位相
差板の角度情報に基づいた相関演算結果によりアップリ
ンク系のπ位相差板とπ/2位相差板の角度を制御する
交差偏波補償装置において、ダウンリンク系全体の交差
偏波のうち、衛星自身がもっている交差偏波の影響を除
去し、ダウンリンクの伝搬路で発生した交差偏波のみを
補償するようにダウンリンク系のπ位相差板とπ/2位
相差板の角度を制御し、この角度を用いた相関演算結果
によりアップリンク通信系信号の交差偏波ベクトルがゼ
ロベクトルとなるように前記アップリンク系のπ位相差
板とπ/2位相差板の角度を制御する制御手段を有する
構成としたものである。
板とπ/2位相差板の角度を制御して受信信号の交差偏
波を補償し、ダウンリンク系のπ位相差板とπ/2位相
差板の角度情報に基づいた相関演算結果によりアップリ
ンク系のπ位相差板とπ/2位相差板の角度を制御する
交差偏波補償装置において、ダウンリンク系全体の交差
偏波のうち、衛星自身がもっている交差偏波の影響を除
去し、ダウンリンクの伝搬路で発生した交差偏波のみを
補償するようにダウンリンク系のπ位相差板とπ/2位
相差板の角度を制御し、この角度を用いた相関演算結果
によりアップリンク通信系信号の交差偏波ベクトルがゼ
ロベクトルとなるように前記アップリンク系のπ位相差
板とπ/2位相差板の角度を制御する制御手段を有する
構成としたものである。
【0025】
【作用】請求項1記載の発明では、ダウンリンク系全体
の交差偏波のうち、衛星自身がもっている交差偏波の影
響を除去し、伝搬路で発生した交差偏波のみを補償する
ように前記π位相差板とπ/2位相差板の角度を制御す
るようにしたため、ダウンリンク系全体の交差偏波ベク
トルのうち、ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクト
ルがゼロベクトルとなるようにすることができる。
の交差偏波のうち、衛星自身がもっている交差偏波の影
響を除去し、伝搬路で発生した交差偏波のみを補償する
ように前記π位相差板とπ/2位相差板の角度を制御す
るようにしたため、ダウンリンク系全体の交差偏波ベク
トルのうち、ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクト
ルがゼロベクトルとなるようにすることができる。
【0026】また、請求項2と請求項3記載の発明で
は、受信ビーコン信号の交差偏波の主偏波同相成分Ex
とπ/2位相差成分Eyとからなる交差偏波ベクトル
(Ex,Ey)が所定の方法により計算されたオフセッ
トベクトル(Ex0,Ey0)に一致するように、角度
θhd及びθqdを制御するようにしているため、ダウンリ
ンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exd,Eyd)をゼ
ロベクトルとするための位相差板の角度を複雑な式によ
り演算しなくともダウンリンク通信系信号の交差偏波ベ
クトル(Exd,Eyd)をゼロベクトルとすることができ
る。
は、受信ビーコン信号の交差偏波の主偏波同相成分Ex
とπ/2位相差成分Eyとからなる交差偏波ベクトル
(Ex,Ey)が所定の方法により計算されたオフセッ
トベクトル(Ex0,Ey0)に一致するように、角度
θhd及びθqdを制御するようにしているため、ダウンリ
ンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exd,Eyd)をゼ
ロベクトルとするための位相差板の角度を複雑な式によ
り演算しなくともダウンリンク通信系信号の交差偏波ベ
クトル(Exd,Eyd)をゼロベクトルとすることができ
る。
【0027】また、請求項4記載の発明では、π/2位
相差板の角度を関数Dq(Ex−Ex0)に基づいて制
御し、π位相差板の角度を関数Dh(Ey−Ey0)に
基づいて制御するようにしているため、各位相差板は近
似的には現在の角度と本来あるべき角度との誤差に基づ
いて制御されることとなり、ダウンリンク通信系信号の
交差偏波ベクトル(Exd,Eyd)を最終的にゼロベクト
ルとすることができる。
相差板の角度を関数Dq(Ex−Ex0)に基づいて制
御し、π位相差板の角度を関数Dh(Ey−Ey0)に
基づいて制御するようにしているため、各位相差板は近
似的には現在の角度と本来あるべき角度との誤差に基づ
いて制御されることとなり、ダウンリンク通信系信号の
交差偏波ベクトル(Exd,Eyd)を最終的にゼロベクト
ルとすることができる。
【0028】また、本発明では前記のように衛星自身が
もつ交差偏波特性の影響を除去してダウンリンクのπ位
相差板とπ/2位相差板の角度を制御するようにしてい
るため、衛星から所定の目的で送出されているビーコン
信号を交差偏波モニタのために利用することができ、交
差偏波モニタ専用のパイロット信号を不要とすることが
できる。
もつ交差偏波特性の影響を除去してダウンリンクのπ位
相差板とπ/2位相差板の角度を制御するようにしてい
るため、衛星から所定の目的で送出されているビーコン
信号を交差偏波モニタのために利用することができ、交
差偏波モニタ専用のパイロット信号を不要とすることが
できる。
【0029】更に、本発明ではダウンリンク系のπ位相
差板とπ/2位相差板の角度情報に基づいた相関演算結
果によりアップリンク系のπ位相差板とπ/2位相差板
の角度を制御する交差偏波補償装置において、ダウンリ
ンク系全体の交差偏波のうち、衛星自身がもっている交
差偏波の影響を除去してダウンリンクの伝搬路で発生し
た交差偏波のみを補償するようにしたときのダウンリン
ク系のπ位相差板とπ/2位相差板の角度を用いた前記
相関演算結果によりアップリンク系のπ位相差板とπ/
2位相差板の角度を制御するようにしているため、アッ
プリンク通信系信号の交差偏波ベクトルをゼロベクトル
又はその近傍の値にすることができる。
差板とπ/2位相差板の角度情報に基づいた相関演算結
果によりアップリンク系のπ位相差板とπ/2位相差板
の角度を制御する交差偏波補償装置において、ダウンリ
ンク系全体の交差偏波のうち、衛星自身がもっている交
差偏波の影響を除去してダウンリンクの伝搬路で発生し
た交差偏波のみを補償するようにしたときのダウンリン
ク系のπ位相差板とπ/2位相差板の角度を用いた前記
相関演算結果によりアップリンク系のπ位相差板とπ/
2位相差板の角度を制御するようにしているため、アッ
プリンク通信系信号の交差偏波ベクトルをゼロベクトル
又はその近傍の値にすることができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の一実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例のブロック図を示す。本実施例
の基本的な構成自体は、図3に示した従来の交差偏波補
償装置と同様であるが、本実施例は制御装置23が従来
と異なる特有の制御動作をする。なお、降雨等による伝
搬路での交差偏波劣化要因としてはDPSとDAとがあ
るが、DPSの方がDAより支配的であるので本実施例
では、DAを無視して説明する。
図1は本発明の一実施例のブロック図を示す。本実施例
の基本的な構成自体は、図3に示した従来の交差偏波補
償装置と同様であるが、本実施例は制御装置23が従来
と異なる特有の制御動作をする。なお、降雨等による伝
搬路での交差偏波劣化要因としてはDPSとDAとがあ
るが、DPSの方がDAより支配的であるので本実施例
では、DAを無視して説明する。
【0031】図1において、アンテナ11は地球局の送
受共用のアンテナで、分波器12及びダウンリンクπ位
相差板13を介してダウンリンクπ/2位相差板14に
接続される一方、分波器12及びアップリンクπ位相差
板26を介してアップリンクπ/2位相差板25に接続
されている。ダウンリンクπ位相差板13とダウンリン
クπ/2位相差板14とは、それぞれ駆動部15、16
により角度が独立して可変され、またその角度は角度検
出器17、18により検出されるように構成されてい
る。同様に、アップリンクπ/2位相差板25とアップ
リンクπ位相差板26とは、それぞれ駆動部27、28
により角度が独立して可変され、またその角度は角度検
出器29、30により検出されるように構成されてい
る。
受共用のアンテナで、分波器12及びダウンリンクπ位
相差板13を介してダウンリンクπ/2位相差板14に
接続される一方、分波器12及びアップリンクπ位相差
板26を介してアップリンクπ/2位相差板25に接続
されている。ダウンリンクπ位相差板13とダウンリン
クπ/2位相差板14とは、それぞれ駆動部15、16
により角度が独立して可変され、またその角度は角度検
出器17、18により検出されるように構成されてい
る。同様に、アップリンクπ/2位相差板25とアップ
リンクπ位相差板26とは、それぞれ駆動部27、28
により角度が独立して可変され、またその角度は角度検
出器29、30により検出されるように構成されてい
る。
【0032】ダウンリンクπ/2位相差板14の出力側
には、偏分波器19が設けられている。偏分波器19に
は右旋端子19aと左旋端子19bとがあり、これら端
子19a、19bは方向性結合器20、21を介して通
信系に接続される一方、受信機22に接続されている。
受信機22は交差偏波モニタ信号を周波数選択した後、
交差偏波モニタ信号の交差偏波ベクトルを出力する。制
御装置23は入力交差偏波ベクトルなどに基づいて、ア
ンテナ11に入射される偏波のダウンリンク系全体の交
差偏波ベクトルのうち、ダウンリンク通信系信号の交差
偏波ベクトルがゼロベクトルとなるように駆動部15及
び16を回転制御する。
には、偏分波器19が設けられている。偏分波器19に
は右旋端子19aと左旋端子19bとがあり、これら端
子19a、19bは方向性結合器20、21を介して通
信系に接続される一方、受信機22に接続されている。
受信機22は交差偏波モニタ信号を周波数選択した後、
交差偏波モニタ信号の交差偏波ベクトルを出力する。制
御装置23は入力交差偏波ベクトルなどに基づいて、ア
ンテナ11に入射される偏波のダウンリンク系全体の交
差偏波ベクトルのうち、ダウンリンク通信系信号の交差
偏波ベクトルがゼロベクトルとなるように駆動部15及
び16を回転制御する。
【0033】また、偏分波器24は通信系より右旋端子
24aと24bとに送信信号が入力される。制御装置2
3は後述する相関演算を行い、その演算結果に基づいて
駆動部27及び28も回転制御する。上記のπ位相差板
13、π/2位相差板14、駆動部15、16、角度検
出器17及び18が前記した偏波変換回路3に相当し、
上記のπ位相差板26、π/2位相差板25、駆動部2
7、28、角度検出器29及び30が前記した偏波変換
回路8に相当する。
24aと24bとに送信信号が入力される。制御装置2
3は後述する相関演算を行い、その演算結果に基づいて
駆動部27及び28も回転制御する。上記のπ位相差板
13、π/2位相差板14、駆動部15、16、角度検
出器17及び18が前記した偏波変換回路3に相当し、
上記のπ位相差板26、π/2位相差板25、駆動部2
7、28、角度検出器29及び30が前記した偏波変換
回路8に相当する。
【0034】次に、本実施例の動作について説明する。
アンテナ11に入射した衛星(図示せず)からの右旋円
偏波及び左旋円偏波(厳密にはそれぞれ円偏波に近い楕
円偏波で、複数の通信チャネルに応じて複数組ある)と
片旋のビーコン信号とは、アンテナ11で受信された後
分波器12で送信波から分波され、更に角度θhdのダウ
ンリンクπ位相差板13と角度θqdのダウンリンクπ/
2位相差板14とを通過して直交する直線偏波(厳密に
はそれぞれ長軸が直交する直線偏波に近い楕円偏波)に
変換される。
アンテナ11に入射した衛星(図示せず)からの右旋円
偏波及び左旋円偏波(厳密にはそれぞれ円偏波に近い楕
円偏波で、複数の通信チャネルに応じて複数組ある)と
片旋のビーコン信号とは、アンテナ11で受信された後
分波器12で送信波から分波され、更に角度θhdのダウ
ンリンクπ位相差板13と角度θqdのダウンリンクπ/
2位相差板14とを通過して直交する直線偏波(厳密に
はそれぞれ長軸が直交する直線偏波に近い楕円偏波)に
変換される。
【0035】この直線偏波(直線偏波に近い楕円偏波)
は偏分波器19により分波され、ダウンリンク右旋端子
19a、ダウンリンク左旋端子19bより右旋成分と左
旋成分がそれぞれ別々に分離出力される。この右旋成分
と左旋成分とはそれぞれ方向性結合器20、21を介し
て通信系処理回路(図示せず)へ出力される一方、方向
性結合器20、21で分岐されて受信機22にそれぞれ
入力される。受信機22はこの入力受信信号のうちビー
コン信号の受信信号を周波数選択し、ビーコン信号の交
差偏波の主偏波同相成分Exと、π/2位相差成分Ey
とからなるベクトル(Ex,Ey)を検波して制御装置
23に供給する。
は偏分波器19により分波され、ダウンリンク右旋端子
19a、ダウンリンク左旋端子19bより右旋成分と左
旋成分がそれぞれ別々に分離出力される。この右旋成分
と左旋成分とはそれぞれ方向性結合器20、21を介し
て通信系処理回路(図示せず)へ出力される一方、方向
性結合器20、21で分岐されて受信機22にそれぞれ
入力される。受信機22はこの入力受信信号のうちビー
コン信号の受信信号を周波数選択し、ビーコン信号の交
差偏波の主偏波同相成分Exと、π/2位相差成分Ey
とからなるベクトル(Ex,Ey)を検波して制御装置
23に供給する。
【0036】制御装置23はこの入力ベクトル(Ex,
Ey)と角度検出器17及び18からの角度検出信号と
に基づいて、駆動部15及び16を制御することにより
ダウンリンクπ位相差板13とダウンリンクπ/2位相
差板14の角度を回転制御する。ここで、従来はビーコ
ン信号の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)がゼロベクト
ル(0,0)に一致するように、ダウンリンクπ位相差
板13とダウンリンクπ/2位相差板14の角度を回転
制御していたため、図4(B)に示したように、結果と
してダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
(Exd,Eyd)がゼロベクトルにはならなかった。
Ey)と角度検出器17及び18からの角度検出信号と
に基づいて、駆動部15及び16を制御することにより
ダウンリンクπ位相差板13とダウンリンクπ/2位相
差板14の角度を回転制御する。ここで、従来はビーコ
ン信号の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)がゼロベクト
ル(0,0)に一致するように、ダウンリンクπ位相差
板13とダウンリンクπ/2位相差板14の角度を回転
制御していたため、図4(B)に示したように、結果と
してダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
(Exd,Eyd)がゼロベクトルにはならなかった。
【0037】これに対して、本実施例の制御装置23は
ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exd,
Eyd)をゼロベクトルにするべく、「衛星自身がもっ
ている交差偏波」と電波伝搬路でDPSに起因して生じ
る交差偏波とからなるダウンリンク系全体の交差偏波の
うち、「衛星自身がもっている交差偏波」の影響を除去
して電波伝搬路でDPSに起因して生じる交差偏波識別
度の劣化のみを補償するように、ダウンリンクπ位相差
板13とダウンリンクπ/2位相差板14の角度を回転
制御するものであり、以下その詳細について説明する。
ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exd,
Eyd)をゼロベクトルにするべく、「衛星自身がもっ
ている交差偏波」と電波伝搬路でDPSに起因して生じ
る交差偏波とからなるダウンリンク系全体の交差偏波の
うち、「衛星自身がもっている交差偏波」の影響を除去
して電波伝搬路でDPSに起因して生じる交差偏波識別
度の劣化のみを補償するように、ダウンリンクπ位相差
板13とダウンリンクπ/2位相差板14の角度を回転
制御するものであり、以下その詳細について説明する。
【0038】なお、上記の「衛星自身がもっている交差
偏波」は前記「ビーコン固有の交差偏波」と「ダウンリ
ンク通信系信号の衛星自身がもつ交差偏波」とよりなる
が、後者の「ダウンリンク通信系信号の衛星自身がもつ
交差偏波」は前者に比べて極めて小さいので、以下の説
明ではこれを無視して説明する。
偏波」は前記「ビーコン固有の交差偏波」と「ダウンリ
ンク通信系信号の衛星自身がもつ交差偏波」とよりなる
が、後者の「ダウンリンク通信系信号の衛星自身がもつ
交差偏波」は前者に比べて極めて小さいので、以下の説
明ではこれを無視して説明する。
【0039】いま、ある降雨条件のもとダウンリンクπ
位相差板13とダウンリンクπ/2位相差板14とが、
それぞれ任意の角度θhd、θqdに設定されており、その
結果、受信機22により観測されているビーコン信号の
交差偏波ベクトルが(Ex,Ey)であったとする。こ
のとき、ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
(Exd,Eyd)をゼロベクトルにする各位相差板13及
び14の角度θhd′、θqd′は上記のEx,Ey,
θhd,θqd,及び晴天時のビーコン楕円偏波の軸比e0
と晴天時のビーコン楕円偏波のチルトアングルβ0 の関
数として次式により表現できる。
位相差板13とダウンリンクπ/2位相差板14とが、
それぞれ任意の角度θhd、θqdに設定されており、その
結果、受信機22により観測されているビーコン信号の
交差偏波ベクトルが(Ex,Ey)であったとする。こ
のとき、ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
(Exd,Eyd)をゼロベクトルにする各位相差板13及
び14の角度θhd′、θqd′は上記のEx,Ey,
θhd,θqd,及び晴天時のビーコン楕円偏波の軸比e0
と晴天時のビーコン楕円偏波のチルトアングルβ0 の関
数として次式により表現できる。
【0040】 θhd′=Fh (Ex,Ey,θhd,θqd,e0 ,β0 ) (1a) θqd′=Fq (Ex,Ey,θhd,θqd,e0 ,β0 ) (1b) 従って、誤差角度Δθhd、Δθqdは次式により求められ
る。
る。
【0041】 Δθhd=θhd′−θhd =Fh (Ex,Ey,θhd,θqd,e0 ,β0 )−θhd (2a) Δθqd=θqd′−θqd =Fq (Ex,Ey,θhd,θqd,e0 ,β0 )−θqd (2b) そこで、この誤差角度Δθhd、Δθqdを(2a)式及び
(2b)式に基づいて常時計算し、その計算結果だけ各
位相差板13及び14の角度を逐次回転させることによ
り、降雨条件が変動してもダウンリンク通信系信号の交
差偏波はゼロに保たれる。しかし、前記の関数Fh ,F
q の中には三角関数や逆三角関数などの複雑な演算が含
まれているので、誤差角度Δθhd、Δθqdを(2a)式
及び(2b)式に基づいて常時計算していると、制御装
置23の演算部にかかる負荷が大きくなる。
(2b)式に基づいて常時計算し、その計算結果だけ各
位相差板13及び14の角度を逐次回転させることによ
り、降雨条件が変動してもダウンリンク通信系信号の交
差偏波はゼロに保たれる。しかし、前記の関数Fh ,F
q の中には三角関数や逆三角関数などの複雑な演算が含
まれているので、誤差角度Δθhd、Δθqdを(2a)式
及び(2b)式に基づいて常時計算していると、制御装
置23の演算部にかかる負荷が大きくなる。
【0042】そこで、本実施例では上記の角度θhd′、
θqd′を直接計算することなく、ダウンリンク通信系信
号の交差偏波をゼロに補償するものである。すなわち、
上記の角度θhd、θqdがそれぞれθhd′、θqd′である
とき、換言すると、ダウンリンク通信系信号の交差偏波
ベクトル(Exd,Eyd)がゼロベクトル(0,0)の時
のビーコン信号の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)を
(Ex′,Ey′)とおくと、次式が得られる。
θqd′を直接計算することなく、ダウンリンク通信系信
号の交差偏波をゼロに補償するものである。すなわち、
上記の角度θhd、θqdがそれぞれθhd′、θqd′である
とき、換言すると、ダウンリンク通信系信号の交差偏波
ベクトル(Exd,Eyd)がゼロベクトル(0,0)の時
のビーコン信号の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)を
(Ex′,Ey′)とおくと、次式が得られる。
【0043】 Ex′=E0 cos(β0 +2θhd′−4θqd′) (3a) Ey′=E0 sin(β0 +2θhd′−4θqd′) (3b) E0 =(e0 −1)/(e0 +1) (3c) ただし、上式中、E0 は晴天時のビーコン楕円偏波の交
差偏波レベル、θhd′、θqd′は交差偏波ベクトル(E
xd,Eyd)がゼロベクトル(0,0)のときの各位相差
板13及び14の角度である。
差偏波レベル、θhd′、θqd′は交差偏波ベクトル(E
xd,Eyd)がゼロベクトル(0,0)のときの各位相差
板13及び14の角度である。
【0044】別の表記をすると、次式が得られる。
【0045】 [Exd=0,Eyd=0]<=>[θhd=θhd′,θqd=θqd′] <=>[Ex=Ex′,Ey=Ey′] (4) ただし、(4)式の記号”<=>”は必要十分条件を表
している。
している。
【0046】そこで、β0 ,θhd,θqdにより、新たな
オフセットベクトル(Exo,Eyo)を次式のように定義
する。
オフセットベクトル(Exo,Eyo)を次式のように定義
する。
【0047】 Exo=E0 cos(β0 +2θhd−4θqd) (5a) Eyo=E0 sin(β0 +2θhd−4θqd) (5b) ただし、(5a)式及び(5b)式中、θhd,θqdはπ
位相差板13とπ/2位相差板14の現在の角度であ
る。ここで、(3a)式及び(3b)式の右辺の
θ hd′、θqd′はExd=0,Eyd=0を満足させるダウ
ンリンク各位相差板13及び14の角度を表していたの
に対し、(5a)式及び(5b)式の右辺のθhd,θqd
はπ位相差板13とπ/2位相差板14の任意の現在の
角度であることに注意が必要である。
位相差板13とπ/2位相差板14の現在の角度であ
る。ここで、(3a)式及び(3b)式の右辺の
θ hd′、θqd′はExd=0,Eyd=0を満足させるダウ
ンリンク各位相差板13及び14の角度を表していたの
に対し、(5a)式及び(5b)式の右辺のθhd,θqd
はπ位相差板13とπ/2位相差板14の任意の現在の
角度であることに注意が必要である。
【0048】従って、一般にはオフセットベクトル(E
xo,Eyo)とダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクト
ル(Exd,Eyd)がゼロベクトル(0,0)のときのビ
ーコン信号の交差偏波ベクトル(Ex′,Ey′)とは
一致しない。しかし、π位相差板13とπ/2位相差板
14の現在の角度θhd,θqdが前記角度θhd′、θqd′
にそれぞれ等しいときにはオフセットベクトル(Exo,
Eyo)はダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
(Exd,Eyd)がゼロベクトル(0,0)のときのビー
コン信号の交差偏波ベクトル(Ex′,Ey′)と一致
する。すなわち、 [θhd=θhd′,θqd=θqd′]<=>[Ex0=Ex′,Eyo=Ey′] (6) である。
xo,Eyo)とダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクト
ル(Exd,Eyd)がゼロベクトル(0,0)のときのビ
ーコン信号の交差偏波ベクトル(Ex′,Ey′)とは
一致しない。しかし、π位相差板13とπ/2位相差板
14の現在の角度θhd,θqdが前記角度θhd′、θqd′
にそれぞれ等しいときにはオフセットベクトル(Exo,
Eyo)はダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
(Exd,Eyd)がゼロベクトル(0,0)のときのビー
コン信号の交差偏波ベクトル(Ex′,Ey′)と一致
する。すなわち、 [θhd=θhd′,θqd=θqd′]<=>[Ex0=Ex′,Eyo=Ey′] (6) である。
【0049】従って、上記の(4)式及び(6)式から
次の関係式が導かれる。
次の関係式が導かれる。
【0050】 [Ex=Exo,Ey=Eyo]<=>[Exd=0,Eyd=0] (7) この(7)式の関係式より、本実施例ではビーコン信号
の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)が(5a)式及び
(5b)式で定義されるオフセットベクトル(Exo,E
yo)に一致するようにダウンリンクのπ位相差板13と
π/2位相差板14の角度θhd,θqdを制御することに
より、 Ex=Exo,Ey=Eyo (8) が満たされるように制御できることとなり、これによ
り、上記の角度θhd′、θqd′を直接計算しなくとも、
ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exd,E
yd)がゼロベクトル(0,0)に保たれることがわか
る。
の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)が(5a)式及び
(5b)式で定義されるオフセットベクトル(Exo,E
yo)に一致するようにダウンリンクのπ位相差板13と
π/2位相差板14の角度θhd,θqdを制御することに
より、 Ex=Exo,Ey=Eyo (8) が満たされるように制御できることとなり、これによ
り、上記の角度θhd′、θqd′を直接計算しなくとも、
ダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exd,E
yd)がゼロベクトル(0,0)に保たれることがわか
る。
【0051】ところで、アンテナ11に入射されるビー
コン信号の偏波状態は降雨時には時々刻々と変動してい
るので、この場合にはベクトル(Ex,Ey)が常時、
(8)式を満たすようにダウンリンクのπ位相差板13
とπ/2位相差板14の角度を逐次回転制御しなければ
ならない。このため、制御装置23は何らかの形で誤差
角度Δθhd、Δθqd(ダウンリンクのπ位相差板13と
π/2位相差板14が現在おかれている角度と本来ある
べき角度との差)を求め、駆動部15及び16に与える
必要がある。
コン信号の偏波状態は降雨時には時々刻々と変動してい
るので、この場合にはベクトル(Ex,Ey)が常時、
(8)式を満たすようにダウンリンクのπ位相差板13
とπ/2位相差板14の角度を逐次回転制御しなければ
ならない。このため、制御装置23は何らかの形で誤差
角度Δθhd、Δθqd(ダウンリンクのπ位相差板13と
π/2位相差板14が現在おかれている角度と本来ある
べき角度との差)を求め、駆動部15及び16に与える
必要がある。
【0052】この誤差角度Δθhd、Δθqdは近似的に次
式 Δθqd=Dq (Ex−Exo) (9a) Δθhd=Dh (Ey−Eyo) (9b) で表される。すなわち、(Ex−Exo)の関数Dq (E
x−Exo)はπ/2位相差板14の誤差角度Δθqdとし
て駆動部16に与えられ、また、(Ey−Eyo)の関数
Dh (Ey−Eyo)はπ位相差板13の誤差角度Δθhd
として駆動部15に与えられることにより、最終的に
(8)式が満たされるように制御ができる。
式 Δθqd=Dq (Ex−Exo) (9a) Δθhd=Dh (Ey−Eyo) (9b) で表される。すなわち、(Ex−Exo)の関数Dq (E
x−Exo)はπ/2位相差板14の誤差角度Δθqdとし
て駆動部16に与えられ、また、(Ey−Eyo)の関数
Dh (Ey−Eyo)はπ位相差板13の誤差角度Δθhd
として駆動部15に与えられることにより、最終的に
(8)式が満たされるように制御ができる。
【0053】更に、関数Dq (Ex−Exo)及びDh
(Ey−Eyo)をより一層簡略化して、誤差角度Δ
θhd、Δθqdを次式で求めてπ位相差板13とπ/2位
相差板14の駆動部15及び16を駆動しても、最終的
に(8)式を満足する点に引き込むことができる。 Δθqd=dq ・(Ex−Exo) (10a) Δθhd=dh ・(Ey−Eyo) (10b) ただし、上式中のdq はπ/2位相差板14の駆動係
数、dh はπ位相差板13の駆動係数である。
(Ey−Eyo)をより一層簡略化して、誤差角度Δ
θhd、Δθqdを次式で求めてπ位相差板13とπ/2位
相差板14の駆動部15及び16を駆動しても、最終的
に(8)式を満足する点に引き込むことができる。 Δθqd=dq ・(Ex−Exo) (10a) Δθhd=dh ・(Ey−Eyo) (10b) ただし、上式中のdq はπ/2位相差板14の駆動係
数、dh はπ位相差板13の駆動係数である。
【0054】なお、(8)式はビーコン信号の交差偏波
ベクトル(Ex,Ey)がオフセットベクトル(Exo,
Eyo)に完全に一致する式を示しているが、この場合は
わずかな誤差でも位相差板13及び14の回転制御を行
うこととなるため、実質的に常時位相差板13及び14
の角度を調整している必要がある。そのため、実運用上
は交差偏波識別度XPDがある値以上であれば、交差偏
波補償が十分であると見做して、追尾動作を停止するよ
うにしている。これにより、無駄な追尾動作を不要とす
ることができる。
ベクトル(Ex,Ey)がオフセットベクトル(Exo,
Eyo)に完全に一致する式を示しているが、この場合は
わずかな誤差でも位相差板13及び14の回転制御を行
うこととなるため、実質的に常時位相差板13及び14
の角度を調整している必要がある。そのため、実運用上
は交差偏波識別度XPDがある値以上であれば、交差偏
波補償が十分であると見做して、追尾動作を停止するよ
うにしている。これにより、無駄な追尾動作を不要とす
ることができる。
【0055】ここで、上記の追尾動作停止条件として
は、例えば次式が成立する場合である。
は、例えば次式が成立する場合である。
【0056】
【数1】 上式が満足される場合は、次式がほぼ満足されることが
本発明者により確認された(厳密には少し劣化すること
もある)。なお、(11)式及び(12)式において、
XPDthは補償動作の継続を判定するための交差偏波
識別度の閾値である。
本発明者により確認された(厳密には少し劣化すること
もある)。なお、(11)式及び(12)式において、
XPDthは補償動作の継続を判定するための交差偏波
識別度の閾値である。
【0057】
【数2】 ビーコン信号の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)が(1
1)式を満足しているとき、位相差板13及び14は伝
搬路で発生した交差偏波のみを補償したことになり、通
信系の交差偏波識別度はほぼXPDth(dB)以上に
改善されている。このときのモニタ信号であるビーコン
信号の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)は、図2(A)
に示す如くオフセットベクトル(Exo,Eyo)にほぼ等
しく、これによりダウンリンク通信系信号の交差偏波ベ
クトル(Exd,Eyd)が右旋成分及び左旋成分のいずれ
も図2(B)にb3、b4で示す如くほぼゼロベクトル
(0,0)に保たれることがわかる。
1)式を満足しているとき、位相差板13及び14は伝
搬路で発生した交差偏波のみを補償したことになり、通
信系の交差偏波識別度はほぼXPDth(dB)以上に
改善されている。このときのモニタ信号であるビーコン
信号の交差偏波ベクトル(Ex,Ey)は、図2(A)
に示す如くオフセットベクトル(Exo,Eyo)にほぼ等
しく、これによりダウンリンク通信系信号の交差偏波ベ
クトル(Exd,Eyd)が右旋成分及び左旋成分のいずれ
も図2(B)にb3、b4で示す如くほぼゼロベクトル
(0,0)に保たれることがわかる。
【0058】次に、本実施例のアップリンクの交差偏波
補償について説明する。制御装置23はまず、アップリ
ンクπ/2位相差板25の交差偏波補償のための角度θ
quとアップリンクπ位相差板26の交差偏波補償のため
の角度θhuとを、ダウンリンクのπ位相差板13とπ/
2位相差板14の角度θhd,θqdに基づいて次式の相関
演算により算出する。
補償について説明する。制御装置23はまず、アップリ
ンクπ/2位相差板25の交差偏波補償のための角度θ
quとアップリンクπ位相差板26の交差偏波補償のため
の角度θhuとを、ダウンリンクのπ位相差板13とπ/
2位相差板14の角度θhd,θqdに基づいて次式の相関
演算により算出する。
【0059】
【数3】 ここで、関数Kはアップリンク/ダウンリンク間のDP
S相関関係を定義付ける関数で、次式で表される。
S相関関係を定義付ける関数で、次式で表される。
【0060】 Φu =K(Φd ) (14) ただし、上式中、Φu 及びΦd はそれぞれアップリン
ク、ダウンリンクのDPSである。
ク、ダウンリンクのDPSである。
【0061】上記の(14)式は通常、次式のように直
線で近似することができることが知られている。
線で近似することができることが知られている。
【0062】 Φu =a・Φd +b (15) ただし、上式中、a及びbはそれぞれアップリンク/ダ
ウンリンク間のDPS係数である。従って、(14)式
及び(15)式より(13a)式と(13b)式とは次
のように近似することができる。
ウンリンク間のDPS係数である。従って、(14)式
及び(15)式より(13a)式と(13b)式とは次
のように近似することができる。
【0063】
【数4】 (16a)式と(16b)式の右辺のθqdとθhdとは、
前記「ビーコン固有の交差偏波」の影響を除去したうえ
で「ダウンリンク系の伝搬路で発生した交差偏波」のみ
を補償する角度θqd′、θhd′になるように制御される
ため、上記の(16a)式と(16b)式の相関演算に
より得られる角度θquとθhuもまた、「アップリンクの
伝搬路で発生した交差偏波」のみを補償するアップリン
クπ/2位相差板25の交差偏波補償のための角度θqu
とアップリンクπ位相差板26の交差偏波補償のための
角度θhuを示している。
前記「ビーコン固有の交差偏波」の影響を除去したうえ
で「ダウンリンク系の伝搬路で発生した交差偏波」のみ
を補償する角度θqd′、θhd′になるように制御される
ため、上記の(16a)式と(16b)式の相関演算に
より得られる角度θquとθhuもまた、「アップリンクの
伝搬路で発生した交差偏波」のみを補償するアップリン
クπ/2位相差板25の交差偏波補償のための角度θqu
とアップリンクπ位相差板26の交差偏波補償のための
角度θhuを示している。
【0064】従って、制御装置23はこの相関演算結果
に基づきアップリンクπ/2位相差板25の角度とアッ
プリンクπ位相差板26の角度を上記の角度θquとθhu
に回転する指令信号を駆動部27及び28に供給する。
これにより、図2(C)にc3及びc4で示すように、
アップリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exu,E
yu)が右旋成分及び左旋成分共にほぼゼロベクトル
(0,0)に保たれる。従って、本実施例によれば、ア
ップリンク系の交差偏波補償性能も向上する。
に基づきアップリンクπ/2位相差板25の角度とアッ
プリンクπ位相差板26の角度を上記の角度θquとθhu
に回転する指令信号を駆動部27及び28に供給する。
これにより、図2(C)にc3及びc4で示すように、
アップリンク通信系信号の交差偏波ベクトル(Exu,E
yu)が右旋成分及び左旋成分共にほぼゼロベクトル
(0,0)に保たれる。従って、本実施例によれば、ア
ップリンク系の交差偏波補償性能も向上する。
【0065】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば互いに直交する直線偏波を受信す
る地球局にも適用することができ、また、ダウンリンク
π位相差板13とダウンリンクπ/2位相差板14の接
続順序及びアップリンクπ/2位相差板25とアップリ
ンクπ位相差板26の接続順序は実施例と逆でも良く、
この場合は前記の各式を若干変更するだけで本発明をそ
のまま適用することができる。
ものではなく、例えば互いに直交する直線偏波を受信す
る地球局にも適用することができ、また、ダウンリンク
π位相差板13とダウンリンクπ/2位相差板14の接
続順序及びアップリンクπ/2位相差板25とアップリ
ンクπ位相差板26の接続順序は実施例と逆でも良く、
この場合は前記の各式を若干変更するだけで本発明をそ
のまま適用することができる。
【0066】また、本発明は、ダウンリンクの伝搬路で
発生した交差偏波のみを補償している状態でのダウンリ
ンクπ位相差板とπ/2位相差板の角度と受信機の出力
ベクトル(Ex,Ey)とをそれぞれθhd´、θqd´、
(Ex´,Ey´)とすると、これらが関数fx,fyを
用いて次式 Ex´=fx(θhd´,θqd´,e0,β0) Ey´=fy(θhd´,θqd´,e0,β0) (ただし、e0,β0は晴天時の前記受信信号の楕円偏波
の軸比及びチルトアングル)で表される関係にあると
き、次式で表されるオフセットベクトル(Exo,Eyo) Exo=fx(θhd,θqd,e0,β0) Eyo=fx(θhd,θqd,e0,β0) にベクトルが近付くように前記π位相差板とπ/2位相
差板の角度θhdとθqdを制御するものであり、座標系の
取り方により式の形が実施例で説明した各式と異なるこ
とは勿論である。
発生した交差偏波のみを補償している状態でのダウンリ
ンクπ位相差板とπ/2位相差板の角度と受信機の出力
ベクトル(Ex,Ey)とをそれぞれθhd´、θqd´、
(Ex´,Ey´)とすると、これらが関数fx,fyを
用いて次式 Ex´=fx(θhd´,θqd´,e0,β0) Ey´=fy(θhd´,θqd´,e0,β0) (ただし、e0,β0は晴天時の前記受信信号の楕円偏波
の軸比及びチルトアングル)で表される関係にあると
き、次式で表されるオフセットベクトル(Exo,Eyo) Exo=fx(θhd,θqd,e0,β0) Eyo=fx(θhd,θqd,e0,β0) にベクトルが近付くように前記π位相差板とπ/2位相
差板の角度θhdとθqdを制御するものであり、座標系の
取り方により式の形が実施例で説明した各式と異なるこ
とは勿論である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ダウンリンク系全体の交差偏波のうち、衛星自身がもっ
ている交差偏波の影響を除去し、伝搬路で発生した交差
偏波のみを補償するようにしたため、ビーコン信号を交
差偏波モニタ信号として用いた場合でも、ダウンリンク
通信系信号の交差偏波ベクトルをゼロベクトルとするこ
とができ、通信系のダウンリンク交差偏波特性を向上す
ることができる。
ダウンリンク系全体の交差偏波のうち、衛星自身がもっ
ている交差偏波の影響を除去し、伝搬路で発生した交差
偏波のみを補償するようにしたため、ビーコン信号を交
差偏波モニタ信号として用いた場合でも、ダウンリンク
通信系信号の交差偏波ベクトルをゼロベクトルとするこ
とができ、通信系のダウンリンク交差偏波特性を向上す
ることができる。
【0068】また、本発明によれば、複雑な式の演算を
しなくともダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
をゼロベクトルとすることができるため、制御装置の演
算負荷を軽減することができる。更に、本発明によれ
ば、π位相差板とπ/2位相差板の角度をビーコン信号
の交差偏波ベクトルとオフセットベクトルとの差に応じ
た関数で制御するようにしているため、π位相差板とπ
/2位相差板の角度を、逐次回転させながら最終的に伝
搬路のDPSによる交差偏波識別度劣化の影響のみを補
償する角度、すなわちダウンリンク通信系信号の交差偏
波ベクトルをゼロベクトルとする角度に制御することが
できる。
しなくともダウンリンク通信系信号の交差偏波ベクトル
をゼロベクトルとすることができるため、制御装置の演
算負荷を軽減することができる。更に、本発明によれ
ば、π位相差板とπ/2位相差板の角度をビーコン信号
の交差偏波ベクトルとオフセットベクトルとの差に応じ
た関数で制御するようにしているため、π位相差板とπ
/2位相差板の角度を、逐次回転させながら最終的に伝
搬路のDPSによる交差偏波識別度劣化の影響のみを補
償する角度、すなわちダウンリンク通信系信号の交差偏
波ベクトルをゼロベクトルとする角度に制御することが
できる。
【0069】また更に、本発明によれば、衛星から所定
の目的で送出されているビーコン信号を交差偏波モニタ
のために利用するようにしているため、交差偏波モニタ
専用のパイロット信号を不要とすることができ、周波数
の有効利用や経済性を向上することができる。また、本
発明によれば、アップリンク系のπ位相差板とπ/2位
相差板の角度をダウンリンク通信系信号の交差偏波ベク
トルをゼロベクトルとするダウンリンク系のπ位相差板
とπ/2位相差板の角度情報の相関演算結果に基づいて
制御するようにしているため、通信系のアップリンク交
差偏波特性をも向上することができる。
の目的で送出されているビーコン信号を交差偏波モニタ
のために利用するようにしているため、交差偏波モニタ
専用のパイロット信号を不要とすることができ、周波数
の有効利用や経済性を向上することができる。また、本
発明によれば、アップリンク系のπ位相差板とπ/2位
相差板の角度をダウンリンク通信系信号の交差偏波ベク
トルをゼロベクトルとするダウンリンク系のπ位相差板
とπ/2位相差板の角度情報の相関演算結果に基づいて
制御するようにしているため、通信系のアップリンク交
差偏波特性をも向上することができる。
【図1】本発明の一実施例のブロック図である。
【図2】本発明の一実施例における交差偏波ベクトルの
説明図である。
説明図である。
【図3】従来装置の一例のブロック図である。
【図4】従来装置の一例における交差偏波ベクトルの説
明図である。
明図である。
11 アンテナ 13 ダウンリンクπ位相差板 14 ダウンリンクπ/2位相差板 19、24 偏分波器 20、21 方向性結合器 22 受信機 23 制御装置
Claims (6)
- 【請求項1】 電波伝搬路で発生した交差偏波を有する
互いに直交する二つの偏波と共に衛星から送出されるビ
ーコン信号をアンテナで受信し、その受信ビーコン信号
から主偏波成分と交差偏波成分との振幅比及び位相差を
示す検波信号を生成し、該検波信号に基づいてπ位相差
板とπ/2位相差板の角度を制御して該受信信号の交差
偏波を補償する交差偏波補償装置であって、 前記アンテナに入射される前記偏波のダウンリンク系全
体の交差偏波のうち、衛星自身がもっている交差偏波の
影響を除去し、ダウンリンクの伝搬路で発生した交差偏
波のみを補償するように前記π位相差板とπ/2位相差
板の角度を制御する制御手段を有することを特徴とする
交差偏波補償装置。 - 【請求項2】 前記制御手段は、前記アンテナを介して
入力されて角度θhdの前記π位相差板と角度θqdの前記
π/2位相差板をそれぞれ通過した受信波信号からビー
コン信号を選択し、選択した受信ビーコン信号の交差偏
波の主偏波同相成分Exとπ/2位相差成分Eyとから
なる交差偏波ベクトル(Ex,Ey)を検波して前記検
波信号として出力する受信機と、 ダウンリンクの伝搬路で発生した交差偏波のみを補償し
ている状態での前記π位相差板とπ/2位相差板の角度
と上記ベクトル(Ex,Ey)とをそれぞれθhd´、θ
qd´、(Ex´,Ey´)とすると、これらが関数
fx,fyを用いて次式 Ex´=fx(θhd´,θqd´,e0,β0) Ey´=fy(θhd´,θqd´,e0,β0) (ただし、e0,β0は晴天時の前記受信信号の楕円偏波
の軸比及びチルトアングル)で表される関係にあると
き、次式で表されるオフセットベクトル(Exo,Eyo) Exo=fx(θhd,θqd,e0,β0) Eyo=fx(θhd,θqd,e0,β0) に上記ベクトル(Ex,Ey)が近付くように前記π位
相差板とπ/2位相差板の角度θhdとθqdを制御する制
御装置とを有することを特徴とする請求項1記載の交差
偏波補償装置。 - 【請求項3】 前記制御装置は、前記検波信号が入力さ
れ、前記ベクトル(Ex,Ey)が次式 Exo=E0 cos(β0 +2θhd−4θqd) Eyo=E0 sin(β0 +2θhd−4θqd) (ただし、上式中、E0 は晴天時のアンテナに入射され
る楕円偏波の交差偏波レベル、β0 は晴天時のアンテナ
に入射される楕円偏波のチルトアングル)で表されるオ
フセットベクトル(Exo,Eyo)に一致するように、前
記角度θqd及びθhdを制御することを特徴とする請求項
2記載の交差偏波補償装置。 - 【請求項4】 前記制御装置は、前記ベクトルEx及び
Exoの差の関数Dq(Ex−Exo)を前記π/2位相差
板の誤差角度情報として該π/2位相差板の角度を制御
し、前記ベクトルEy及びEyoの差の関数Dh(Ey−
Eyo)を前記π位相差板の誤差角度情報として該π位相
差板の角度を制御することを特徴とする請求項2又は3
記載の交差偏波補償装置。 - 【請求項5】 電波伝搬路で発生した交差偏波を有する
互いに直交する二つの偏波をアンテナで受信すると共に
衛星から送出されるビーコン信号をアンテナで受信し、
その受信ビーコン信号から主偏波成分と交差偏波成分と
の振幅比及び位相差を示す検波信号を生成し、該検波信
号に基づいてダウンリンク系のπ位相差板とπ/2位相
差板の角度を制御して該受信信号の交差偏波を補償し、
該ダウンリンク系のπ位相差板とπ/2位相差板の角度
情報に基づいた相関演算結果によりアップリンク系のπ
位相差板とπ/2位相差板の角度を制御する交差偏波補
償装置であって、 前記アンテナに入射される前記偏波のダウンリンク系全
体の交差偏波のうち、衛星自身がもっている交差偏波の
影響を除去し、ダウンリンクの伝搬路で発生した交差偏
波のみを補償するように前記ダウンリンク系のπ位相差
板とπ/2位相差板の角度を制御し、該角度を用いた相
関演算結果によりアップリンク通信系信号の交差偏波ベ
クトルがゼロベクトルとなるように前記アップリンク系
のπ位相差板とπ/2位相差板の角度を制御する制御手
段を有することを特徴とする交差偏波補償装置。 - 【請求項6】 前記制御手段は、前記アンテナを介して
入力されて角度θhdの前記π位相差板と角度θqdの前記
π/2位相差板をそれぞれ通過した受信波信号からビー
コン信号を選択し、選択した受信ビーコン信号の交差偏
波の主偏波同相成分Exとπ/2位相差成分Eyとから
なる交差偏波ベクトル(Ex,Ey)を検波して前記検
波信号として出力する受信機と、 ダウンリンクの伝搬路で発生した交差偏波のみを補償し
ている状態での前記π位相差板とπ/2位相差板の角度
と上記ベクトル(Ex,Ey)とをそれぞれθhd´、θ
qd´、(Ex´,Ey´)とすると、これらが関数
fx,fyを用いて次式 Ex´=fx(θhd´,θqd´,e0,β0) Ey´=fy(θhd´,θqd´,e0,β0) (ただし、e0,β0は晴天時の前記受信信号の楕円偏波
の軸比及びチルトアングル)で表される関係にあると
き、次式で表されるオフセットベクトル(Exo,Eyo) Exo=fx(θhd,θqd,e0,β0) Eyo=fx(θhd,θqd,e0,β0) に上記ベクトル(Ex,Ey)が近付くように前記π位
相差板とπ/2位相差板の角度θhdとθqdを制御すると
ともに、前記アップリンク系のπ位相差板の角度θhuと
π/2位相差板の角度θquとを該角度θhdとθqdを用い
た相関演算により求めた値に制御する制御装置とを有す
ることを特徴とする請求項5記載の交差偏波補償装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5293981A JP2666702B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 交差偏波補償装置 |
GB9422024A GB2283393B (en) | 1993-10-29 | 1994-10-31 | Cross polarization compensation for zero vector communication signals |
US08/331,804 US5583515A (en) | 1993-10-29 | 1994-10-31 | Cross polarization compensation for zero vector communication signals |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5293981A JP2666702B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 交差偏波補償装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07131438A true JPH07131438A (ja) | 1995-05-19 |
JP2666702B2 JP2666702B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=17801704
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5293981A Expired - Fee Related JP2666702B2 (ja) | 1993-10-29 | 1993-10-29 | 交差偏波補償装置 |
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Country | Link |
---|---|
US (1) | US5583515A (ja) |
JP (1) | JP2666702B2 (ja) |
GB (1) | GB2283393B (ja) |
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---|---|---|---|---|
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