JP2576398B2 - 交差偏波補償装置 - Google Patents

交差偏波補償装置

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JP2576398B2 JP32675793A JP32675793A JP2576398B2 JP 2576398 B2 JP2576398 B2 JP 2576398B2 JP 32675793 A JP32675793 A JP 32675793A JP 32675793 A JP32675793 A JP 32675793A JP 2576398 B2 JP2576398 B2 JP 2576398B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は伝搬路上の降水粒子等に
よって生ずる交差偏波の劣化(交差偏波劣化)を補償す
る交差偏波補償装置に関し、特に互いに逆旋関係にある
直交偏波信号を共用する衛星通信などにおいてダウンリ
ンクおよびアップリンクの交差偏波劣化を地上局等のア
ンテナ給電部で補償する交差偏波補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の交差偏波補償装置が、公
告特許公報,平2−19658(公告日:平成2年5月
2日)に開示されている。この交差偏波補償装置は、衛
星通信回線のダウンリンクおよびアップリンクに生ずる
交差偏波劣化を地上局アンテナ給電部のダウンリンク系
およびアップリンク系の各各に備えた90°(π/2)
位相差板(円偏波変換器)と180°(π)位相差板
(直線偏波変換器)の回転制御によって補償している。
この交差偏波補償装置のダウンリンク系は、衛星からの
パイロット信号を用いてダウンリンクに生ずる交差偏波
劣化を検出し、この検出される交差偏波劣化が零になる
ように自系の90°位相差板および180°位相差板の
回転量を制御している。一方、アップリンク系の交差偏
波劣化の補償のためには、まず、ダウンリンク系の90
°位相差板および180°位相差板の物理的(機械的)
な回転角度(補償角度)の各各を角度検出器によってそ
れぞれ測定し、これらの回転角度をダウンリンクの交差
偏波の劣化データとする。そして、この交差偏波補償装
置は、ダウンリンクの交差偏波劣化とアップリンクの交
差偏波劣化との間に相関のあるのを利用して、上記劣化
データを基にアップリンク系の90°位相差板および1
80°位相差板の回転量を制御し、アップリンクの交差
偏波劣化を補償している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の交差偏
波補償装置は、アップリンクの交差偏波劣化を補償する
ための基礎となる上記劣化データをダウンリンク系の9
0°位相差板および180°位相差板の機械的な回転角
度から求めている。上記90°位相差板および上記18
0°位相差板により生ずる円偏波変換特性および直線偏
波変換特性(電気特性)が周波数特性も含めて機械的な
回転角度に理想的に対応しておれば、アップリンクの交
差偏波劣化の補償も適切に行い得る。しかし、上記90
°位相差板および上記180°位相差板は、実現しうる
製作精度,周波数特性等から生ずる特性バラツキによ
り、電気的特性と機械的な回転角度との間に十分な対応
関係を得ることが困難である。この結果、従来の交差偏
波補償装置では、ダウンリンクの交差偏波の劣化量を上
記ダウンリンク系の位相差板の回転角度から誤差なく求
めることが困難であり、アップリンクの交差偏波劣化の
補償に対し誤差を生じる要因となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の交差偏波補償装
置は、二つの入力端にそれぞれ受けた二つの送信信号群
を互いに直交する直線偏波の送信信号群に偏波合波する
送信用偏分波器と、直線偏波変換器と円偏波変換器とを
含み前記送信用偏分波器からの二つの前記送信信号群を
互いに逆旋方向の円偏波に変換するとともにアップリン
クの交差偏波劣化を補償した送信信号群として出力する
送信用交差偏波補償器と、前記送信用交差偏波補償器か
らの前記送信信号群を送信端子に受けてアンテナ端子に
出力するとともに互いに逆旋方向の円偏波をなす二つの
受信信号群を前記アンテナ端子に受けて受信端子に出力
する群分波器と、直線偏波変換器と円偏波変換器とを含
み前記受信端子からの前記受信信号群を互いに直交する
直線偏波に変換するとともにダウンリンクの交差偏波劣
化を補償した受信信号群として出力する受信用交差偏波
補償器と、前記受信用交差偏波補償器からの二つの前記
受信信号群を偏波分離して二つの出力端にそれぞれ生ず
る受信用偏分波器と、前記二つの出力端に生ずる前記受
信信号群のうちの一つの信号から前記ダウンリンクの交
差偏波劣化を検出する交差偏波劣化検出回路と、検出さ
れた前記ダウンリンクの交差偏波劣化に応答して前記ダ
ウンリンクの交差偏波劣化を補償するように前記受信用
交差偏波補償器を制御する受信用交差偏波補償器駆動回
路と、前記受信信号群の周波数帯に含まれる周波数の校
正信号を生じる校正信号発生回路と、前記校正信号を円
偏波信号にして前記受信用交差偏波補償器の入力端に供
給する円偏波校正信号供給回路と、前記受信用偏分波器
の二つの出力端から前記校正信号を抽出しこの校正信号
の交差偏波成分を検出する校正信号交差偏波劣化検出回
路と、検出された前記校正信号の交差偏波成分に応答し
て前記送信用交差偏波補償器を前記アップリンクの交差
偏波劣化を補償するように駆動制御する送信用交差偏波
補償器駆動回路とを備えている。
【0005】前記交差偏波補償装置の一つは、校正時に
前記校正信号発生回路からの前記校正信号を互いに直交
する直線偏波で前記受信用偏分波器の入力端に供給する
直線偏波校正信号供給回路をさらに有し、前記校正時に
は、前記校正信号交差偏波検出回路が、前記校正信号の
交差偏波成分のうち主偏波と90°の位相差を有する直
交成分の検出量を最小にするように調整される構成をと
ることができる。
【0006】また、前記交差偏波補償回路の別の一つ
は、前記受信用交差偏波補償器駆動回路が、晴天時に検
出される前記ダウンリンクの交差偏波劣化の値を基準値
として前記受信用交差偏波補償器を制御する構成をとる
ことができる。
【0007】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。
【0008】図1は本発明による一実施例のブロック図
である。また、図2は本実施例の交差偏波補償装置の動
作説明図であり、(a)は直線偏波変換器7への受信信
号群S8の入射偏波、(b)は直線偏波変換器7を通過
後の受信信号群S9の偏波、(c)は円偏波変換器8を
通過後の受信信号群S10の偏波を示している。
【0009】図1および図2を併せ参照すると、この交
差偏波補償装置は、衛星通信用地上局のアンテナ給電部
に含まれる。アンテナ1は、アップリンク系の互いに逆
旋方向をなす円偏波の二つの送信信号群を伝搬路を介し
て衛星局に送信し、この衛星局から上記伝搬路を介して
ダウンリンク系の互いに逆旋方向をなす円偏波の二つの
受信信号群を受ける。これら受信信号群(S7,S12
a,S12b等)の周波数帯は、4GHz帯(3625
MHz〜4200MHz)であり、3,947.5MH
zおよび3,952.5MHzの二波のビーコン信号
(キャリア信号)が含まれる。また、上記送信信号群
(S1,S4a,S4b等)の周波数帯は、6GHz帯
(5850MHz〜6425MHz)であり、6,17
5MHzのコマンド信号が含まれる。
【0010】ここで、上記伝搬路を通る送信信号群およ
び受信信号群は、降水粒子等の非対称媒質により、交差
偏波成分を生じ、交差偏波劣化を生ずる。上記アップリ
ンクの交差偏波劣化と上記ダウンリンクの交差偏波劣化
との間には、相関のあることが知られている(例えば、
文献1:T.OGUTI,M.YAMADA,“FRE
QUENCY CHRACTERISTICS OF
ATTENUATION,PHASE SHIFT,A
ND CROSS−POLARIZATIONDUE
TO RAIN WITHIN COMMUNICAT
ION BAND:CALCULATIONS AT
4,6,11,AND 14GHzBANDS FOR
INTELSAT SATELLITE COMMU
NICATION SYSTEM”,Journal
of the RadioReserch Labor
atories,March/July 1981,p
p97〜pp131、文献2:R.R.Persing
er,R.W.Grunner,J.E.Efflan
d,and D.F.DiFonzo,“OPERAT
IONAL MEASUREMENTS OF A 4
/6−GHzADAPTIVE POLARZATIO
N COMPENSATION NETWORK EM
PLOYING UP/DOWN−LINK CORR
ELATION ALGORITHMS”,Proce
edings IEE 2ndInternation
al Conference on Antennas
and Propagation,York,UK,
April 1981,IEE Conf.Publ.
195,pp.181−187)。この相関を利用する
ことにより、ダウンリンクの交差偏波劣化が分かれば、
アップリンクの交差偏波劣化を推定することができ、即
ちアップリンクの交差偏波劣化の補償をすることが可能
となる。
【0011】図1の交差偏波補償装置において、まずア
ップリンク系について説明する。偏分波器(OMT)5
は、第1の送信信号群S4aを送信端子101に、第2
の送信信号群S4bを送信端子102に受ける。偏分波
器5は、送信信号群S4aとS4bを互いに直交する直
線偏波の送信信号群S3に偏波合波する。送信信号群S
3は、円偏波変換器(POL(π/2))4と直線偏波
変換器(POL(π))3とからなる送信用交差偏波補
償器により、後述する処理によって衛星回線のアップリ
ンクの交差偏波劣化XPDuが補償されるとともに互い
に逆旋方向をなす円偏波の二つの送信信号群S1に変換
される。送信信号群S1は、群分波器(OMJ)2の送
信端子に供給され、この群分波器2のアンテナ端子およ
びアンテナ1を介して衛星局に送信される。
【0012】ここで、円偏波変換器4は、円形導波管内
に誘電体板あるいは金属ビス等からなるπ/2ラジアン
の移相素子を設けたものであり、このπ/2移相素子に
対して45度の角度(この角度を基準角度とする)で直
線偏波の信号を入射すると、右旋円偏波または左旋円偏
波の信号を生ずる。逆に、円偏波の信号を入射すると、
上記π/2移相素子に対して45度の角度に直線偏波の
信号を生ずる。また、楕円偏波の主軸が上記π/2移相
素子に平行(または垂直)になるように信号を入射する
と、出力偏波の角度がπ/2移相素子に対して45度か
らずれた直線偏波の信号を生ずる。一方、直線偏波変換
器3は、円形導波管内にπラジアンの移相素子を設けた
ものであり、入射された直線偏波(円偏波信号も互いに
直交する二つの直線偏波信号に分解して考えることがで
きる)に対して上記移相素子の角度がθ(θ=0°を基
準角度とする)のとき、出射偏波は入射偏波面に対して
2θだけ傾むいた直線偏波となる。なお、偏分波器5と
円偏波変換器4との間,円偏波変換器4と直線偏波変換
器3との間および直線偏波変換器3と群分波器2との間
には、図示しないロータリジョイントがそれぞれ設けら
れており、直線偏波変換器3は駆動信号S5により、円
偏波変換器4は駆動信号S6によりそれぞれ回転駆動さ
れる。
【0013】次に、この交差偏波補償装置のダウンリン
ク系について説明する。アンテナ1が受けた受信信号群
は、群分波器2のアンテナ端子に供給され、この群分波
器の受信端子に互いに逆旋方向の円偏波である二つの受
信信号群S7として出力される。受信信号群S7は、信
号結合器(CPL)6を通過して受信信号群S8にな
り、直線偏波変換器(POL(π))7をさらに通過し
て受信信号群S9になり、円偏波変換器(POL(π/
2))8をさらに通過して互いに直交する直線偏波の二
つの受信信号群S10になる。ここで、直線偏波変換器
7は直線偏波変換器4と同じ機能を有し、円偏波変換器
8は円偏波変換器4と同じ機能を有する。また、信号結
合器6と直線偏波変換器7との間,直線偏波変換器7と
円偏波変換器8との間および円偏波変換器8と信号結合
器(CPL)9との間にも図示しないロータリジョイン
トを設けている。受信信号群S10は、信号結合器9を
通過して信号S11となったあと、偏分波器(OMT)
10により偏波分離され、受信端子103に第1の受信
信号群S12aを、受信端子104に第2の受信信号群
S12bを出力する。なお、周波数3,947.5MH
zのビーコン信号は、衛星局から右円偏波(RHCP)
で送信されており、従って、受信端子103に出力され
る受信信号群S12aに含まれているが、受信端子10
4側にも受信信号群S12aの交差偏波の劣化成分が出
力されているのに注意すべきである。
【0014】ここで、直線偏波変換器7および円偏波変
換器8で構成される受信用交差偏波補償器によるダウン
リンクの交差偏波劣化XPDdの補償動作を説明してお
く。以下、受信信号群S7ないしS12(aおよびb)
を、周波数3,947.5MHzのビーコン信号で代表
させることにする。ビーコン信号S8は、衛星局とこの
交差偏波補償装置との間の位置関係および交差偏波劣化
XPDdによって決まるチルト角βdで直線偏波変換器
7に入射する。このビーコン信号S8は、交差偏波劣化
XPDdの影響によって円偏波から楕円偏波の信号に変
化している。このとき、ビーコン信号S8の楕円偏波率
epdは、epd=(1+XPDd)/(1−XPD
d)であり、この交差偏波劣化XPDdによって生じた
楕円率角αdは、αd=Cot-1(epd)=Cot-1
(1+XPDd)/(1−XPDd)である(図2
(a)参照)。そこで、直線偏波変換器7を駆動信号S
14の制御により回転角度ζD=ζd=(αd+βd)
/2だけ回転させると、直線偏波変換器7を通過後のビ
ーコン信号S9は円偏波変換器8に角度αdで入射する
(図2(b)参照)。そこで、円偏波変換器8を駆動信
号S15の制御により角度αD=αdだけ回転させる
と、円偏波変換器8を通過後のビーコン信号S10は交
差偏波劣化のない直線偏波となる(図2(c)参照)。
【0015】さて、受信信号群S12aおよびS12b
のうちのビーコン信号が、周波数変換器(D/C)12
によって70MHz帯の第1中間周波数信号S18aお
よびS18bに位相関係を保ったまま変換され、ビーコ
ン信号用の交差偏波劣化検出器(XPD DET)16
に供給される。交差偏波劣化検出器16は、第1中間周
波数信号S18aおよびS18bから交差偏波劣化XP
Ddの劣化データS17を検出する。即ち、交差偏波劣
化検出器16は、第1中間周波数信号S18aをレベル
および位相の基準として第1中間周波数信号S18bの
同期検波を行い、信号S18aのレベルEC dと、信号
S18aに対する信号S18bの直交成分ΔEY dと同
じく同相成分ΔEX dとを劣化データS17として検出
する。
【0016】計算回路(CAL)15は、劣化データS
17からダウンリンクの交差偏波劣化XPDdを計算
し、この交差偏波劣化XPDdから直線偏波変換器7お
よび円偏波変換器8の回転角データS16をさらに計算
する。例えば、直線偏波変換器7にチルト角βd,楕円
偏波率epdのビーコン信号S8が入射され、このとき
上記受信用交差偏波補償器が上記基準角度に設定されて
いると、チルト角βdがβd=Tan-1(ΔEY d/Δ
X d)で計算できる。また、交差偏波劣化XPDd
は、XPDd={(ΔEX d)2 +(ΔEY d)2
1/2 /EC dで計算できる。従って、epd=(1+X
PDd)/(1−XPDd)であり、円偏波変換器8の
回転角αD=Cot-1(epd),直線偏波変換器7の
回転角ζD=(αd+βd)/2が計算できる。計算回
路15は、上述のとおり計算される回転角αDと回転角
ζDとを回転角データS16として駆動回路(DRV)
14に供給する。
【0017】駆動回路14は、回転角データS16に従
い、回転角ζDで直線偏波変換器7を回転させる駆動信
号S14と、円偏波変換器8を回転角αDで回転させる
駆動信号S15とを発生する。なお、交差偏波劣化XP
Ddは一般に晴天時において無視しうるほど小さくなる
ことから、晴天時において上記受信用交差偏波補償器を
上記基準角度に設定している。
【0018】上述のとおり、この交差偏波補償装置は、
直線偏波変換器7,円偏波変換器8,偏分波器10,周
波数変換器12,交差偏波劣化検出器16,計算回路1
5および駆動回路15からなるサーボ回路を有し、楕円
率角αd,チルト角βdのとき、交差偏波劣化検出器1
6からの劣化データS17の直交成分ΔEY dと同相成
分ΔEX dとが零になるように、回転角ζDで直線偏波
変換器7を回転させるとともに円偏波変換器8を回転角
αDで回転させることにより、伝搬路で生ずるダウンリ
ンクの交差偏波劣化XPDdを補償できる。
【0019】さてこれから、本発明の特徴であるアップ
リンクの交差偏波劣化XPDuを精度よく補償する動作
について説明する。
【0020】まず、このアップリンクの交差偏波劣化補
償のための校正動作を説明する。発振器13は、周波数
3,947.5MHzのビーコン信号とは500KHz
離れの周波数3,948MHzの校正信号S13を生ず
る。校正信号S13は、この装置の稼働時以外,例えば
校正時に、切替器(SW)11を介して信号結合器9に
校正信号S13bとして供給される。信号結合器9は、
校正信号S13bを互いに直交するとともに同レベルの
二つの直線偏波として偏分波器10の入力端に結合す
る。この校正信号S13bは、偏分波器10の二つの出
力端および周波数変換器12を介して70MHz帯の第
1中間周波数帯信号S19aおよびS19bとして、校
正信号用の交差偏波劣化検出器(XPD DET)17
に供給される。この交差偏波劣化検出器17は、動作す
る入力周波数が異なるのを除いて、交差偏波劣化検出器
16と同じ動作をする。即ち、交差偏波劣化検出器17
は、第1中間周波数信号S19aをレベルおよび位相の
基準として第1中間周波数信号S19bの同期検波を行
い、信号S19aのレベルEC cと、信号S19aに対
する信号S19bの直交成分ΔEY cと同じく同相成分
ΔEX cとを校正信号S13bの交差偏波劣化XPDc
の劣化データS20として検出する。
【0021】ここで、信号結合器9および偏分波器10
が適切に製作されている限り、信号S19aと信号S1
9bとは同レベルになる。そして、校正時には、検出器
17を劣化データS20の直交成分ΔEY cが零に、同
相成分ΔEX cがレベルECcになるように調整してお
く。つまり、校正時チルト角βcが零である。校正時交
差偏波劣化XPDcは、XPDc={(ΔEX c)2
(ΔEY c)2 1/2/EC c=1である。従って、校
正時の楕円偏波率epcがepc=(1+XPDc)/
(1−XPDc)であることから、校正時の楕円率角α
c=Cot-1(epc)=0°となる。アップリンクの
交差偏波劣化の補償は、後述するとおり、この劣化デー
タS20に基づいて行うが、校正時楕円率角αcと校正
時チルト角βcとがともに零なので、校正時には上記送
信用交差偏波補償器は回転駆動されない。
【0022】次に、アップリンクの交差偏波劣化補償動
作について説明する。この交差偏波補償装置の稼働時に
は、スイッチ11を切替え、校正信号S13を信号S1
3aとして信号結合器6に供給する。信号結合器6は校
正信号S13aを右旋方向の円偏波で直線偏波変換器7
の入力端に供給する。この校正信号S13aは、受信信
号群S8のビーコン信号と同様に、直線偏波変換器7,
円偏波変換器8,信号結合器9,偏分波器10および周
波数変換器12を通過する。しかしながら、校正信号S
13aの成分は、第1中間周波数信号S19aおよびS
19bとして交差偏波劣化検出器17に供給される。こ
のとき、受信信号群S8は楕円率角αd,チルト角βd
で直線偏波変換器7に入力しているので、直線偏波変換
器7および円偏波変換器8の各各は、回転角ζDおよび
回転角αDでそれぞれ回転制御されている。また、検出
器17は上述のとおりに校正されている。
【0023】従って、交差偏波劣化検出器17は、第1
中間周波数信号S19aを基準としたダウンリンクの交
差偏波XPDdの劣化データS20を、主偏波基準信号
S19aレベルEC c,交差偏波信号S19bの信号S
19aと90°の位相差をもつ直交成分ΔEY cおよび
信号S19aと同一位相をもつ同相成分ΔEX cとで検
出している。計算回路(CAL)18は、この劣化デー
タS20を基にして、アップリンクの交差偏波劣化XP
Duを補償するような直線偏波変換器3の回転角βUお
よび円偏波変換器4の回転角ζUを計算する。
【0024】上述のとおり、ダウンリンクの交差偏波劣
化XPDdとアップリンクの交差偏波劣化XPDuとの
間には相関があり、アップリンクの楕円率角αu=f
(αd),アップリンクのチルト角βu=f(βd)で
表わされる。計算回路18は、この楕円率角αuおよび
チルト角βuを計算し、これら楕円率角αuおよびチル
ト角βuに対応する回転角αUと回転角ζU[ζU=
{f(αu)+f(βu)}/2]とを回転角データS
21として駆動回路(DRV)19に供給する。なお、
文献2には、送信用の直線偏波変換器3の回転角ζUお
よび円偏波変換器4の回転角αUを受信用の直線偏波変
換器7の回転角ζDおよび円偏波変換器8の回転角αD
から直接求める計算式が示されており、計算回路18は
この文献2の式を用いて回転角ζUおよび回転角αUを
求めてもよい。
【0025】駆動回路19は、回転角データS21に従
い、直線偏波変換器3を回転角ζUで回転させる駆動信
号S5と、円偏波変換器4を回転角αUで回転させる駆
動信号S6とを発生する。駆動回路19は駆動信号S5
とS6とで直線偏波変換器3および円偏波変換器4を回
転駆動し、アップリンクの交差偏波劣化XPDuが補償
される。
【0026】なお、本実施例においては、晴天時に交差
偏波劣化がないとして、上記受信用交差偏波補償器の基
準角度を設定しているが、上記衛星局において正しい円
偏波信号を送信していないこと等が起り得る。このとき
には、晴天時にもダウンリンクの交差偏波劣化XPDd
の劣化データS17が検出されるので、計算回路15は
晴天時にも上記受信用交差偏波補償器をこの晴天時に検
出された劣化データS17に従って回転制御するように
回転角データS16を補正してもよい。
【0027】図3は本実施例に用いた交差偏波劣化検出
器16のブロック図である。
【0028】周波数変換器31および47は、この交差
偏波劣化検出器16が受けた70MHz帯の第1中間周
波数信号S18aおよび18bと発振器39の発生する
信号を分波した59.3MHz帯の第1局部発振信号S
34aおよびS34bとをそれぞれ周波数混合し、1
0.7MHz帯の第2中間周波数信号S31およびS4
1を生ずる。第2中間周波数信号S31は、AGC増幅
器32でAGC増幅され、さらに同期検波器33により
周波数10.7MHzの第2局部発振信号S38と同期
検波され、交差偏波劣化データS17の一つである一定
のレベルEC dに保たれた劣化データS17aとされ
る。ここで、第2局部発振信号S38は、発振器46の
発生する周波数10KHzの信号S35aと発振器41
の発生する周波数10.69MHzの信号S36aとが
周波数変換器36により周波数混合され、さらにフィル
タ37により雑音低減されて作られたものであり、発振
器46の信号S35が移相器(P.S)40により位相
調整されている。また、AGC増幅器32によって増幅
された第2中間周波数信号S32は、π/2位相器38
が第2局部発振信号S38をπ/2ラジアンだけ移相し
た信号S38aと同期検波器34により同期検波され、
さらに低域ろ波器35により雑音低減されて発振器39
の発振周波数を制御する周波数制御信号S33とされ
る。劣化データS17aと周波数制御信号S33とは直
交検波の関係にする必要がある。即ち、劣化データS1
7のレベルEC dに対する制御信号S33のレベルを最
小にするように、校正時に位相器40の移相量を調整
し、第1局部発振信号S34aの周波数を周波数制御信
号S33により自動制御する。
【0029】第2中間周波数信号S41は、AGC増幅
器48でAGC増幅され、さらに同期検波器50により
周波数10.7MHzの第2局部発振信号S40と同期
検波され、交差偏波劣化データS17の一つであり、劣
化データS17aと同相検波の関係にある劣化データS
17c(同相成分ΔEX d)とされる。また、AGC増
幅器48によって増幅された第2中間周波数信号S42
は、第2局部発振信号S40をπ/2位相器44によっ
てπ/2ラジアンだけ移相した信号S40aと同期検波
器49により同期検波され、劣化データS17の一つで
あり、劣化データS17cと直交関係にある劣化データ
S17b(直交成分ΔEY d)とされる。ここで、第2
局部発振信号S40も、発振器46の発生する信号S3
5と発振器41の発生する信号S36bとを周波数変換
器42により周波数混合し、さらにフィルタ43により
雑音低減されて作られたものである。また、AGC増幅
器32と48は、劣化データS17aが増幅器45によ
り増幅されたAGC信号S43により共通AGC増幅さ
れている。
【0030】上述のとおり、この交差偏波劣化検出器1
6は、上記ビーコン信号から生成される第1中間周波数
信号S18aおよびS18bに応答してレベルEC d,
直交成分ΔEY dおよび同相成分ΔEX dからなる劣化
データS17を生ずる。なお、交差偏波劣化検出器17
も、信号S18aおよびS18bと500KHz離れの
周波数の校正信号S13から生成される第1中間周波数
信号S19aおよびS19bで動作するのを除き、検出
器16と同じ構成でよい。従って、検出器16に受信信
号周波数の変更手段を設けると、この検出器16は、検
出器17としても使用でき、この交差偏波補償装置の稼
働時と校正時とで時分割に使用できる。しかし、上記受
信用交差偏波補償器へ入射するビーコン信号の偏波が楕
円率角αd,チルト角βdであるとき、検出器16から
の劣化データS17の直交成分ΔEY dと同相成分ΔE
X dがともに零になるように上記サーボ回路が動作する
のに対し、検出器17は楕円率角αd,チルト角βdを
示す劣化データ(直交成分ΔEY cと同相成分ΔE
X c)S20を出力することに注意すべきである。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、校正信号
を受信用交差偏波補償器の入力端に円偏波で結合し、上
記受信用交差偏波補償器によるダウンリンクの交差偏波
劣化の補償量を校正信号交差偏波検出回路で電気的に検
出することにより、上記ダウンリンクの交差偏波劣化を
正確に検出するので、このダウンリンクの交差偏波劣化
と相関を持つアップリンクの交差偏波劣化の補償を精度
よく行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例のブロック図である。
【図2】本実施例の交差偏波補償装置の動作説明図であ
り、(a)は直線偏波変換器7への受信信号群S8の入
射偏波、(b)は直線偏波変換器7を通過後の受信信号
群S9の偏波、(c)は円偏波変換器8を通過後の受信
信号群S10の偏波を示している。
【図3】本実施例に用いた交差偏波劣化検出器16のブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 群分波器(OMJ) 3,7 直線偏波変換器(POL(π)) 4,8 円偏波変換器(POL(π/2)) 5,10 偏分波器(OMT) 6 信号結合器(CPL) 9 信号結合器(CPL) 11 スイッチ(SW) 12 周波数変換器(D/C) 13 発振器(OSC) 14 駆動回路(DRV) 15 計算回路(CAL) 16 交差偏波劣化検出回路(XPD DET) 17 交差偏波劣化検出回路(XPD DET) 18 計算回路(CAL) 19 駆動回路(DRV) 31,36,42,47 周波数変換器 32,48 AGC増幅器 33,34,49,50 同期検波器 35 低域ろ波器 37,43 フィルタ 38,44 π/2位相器 39,41,46 発振器 40 移相器(P.S) 45 増幅器 101,102 送信端子 103,104 受信端子

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二つの入力端にそれぞれ受けた二つの送
    信信号群を互いに直交する直線偏波の送信信号群に偏波
    合波する送信用偏分波器と、直線偏波変換器と円偏波変
    換器とを含み前記送信用偏分波器からの二つの前記送信
    信号群を互いに逆旋方向の円偏波に変換するとともにア
    ップリンクの交差偏波劣化を補償した送信信号群として
    出力する送信用交差偏波補償器と、前記送信用交差偏波
    補償器からの前記送信信号群を送信端子に受けてアンテ
    ナ端子に出力するとともに互いに逆旋方向の円偏波をな
    す二つの受信信号群を前記アンテナ端子に受けて受信端
    子に出力する群分波器と、直線偏波変換器と円偏波変換
    器とを含み前記受信端子からの前記受信信号群を互いに
    直交する直線偏波に変換するとともにダウンリンクの交
    差偏波劣化を補償した受信信号群として出力する受信用
    交差偏波補償器と、前記受信用交差偏波補償器からの二
    つの前記受信信号群を偏波分離して二つの出力端にそれ
    ぞれ生ずる受信用偏分波器と、前記二つの出力端に生ず
    る前記受信信号群のうちの一つの信号から前記ダウンリ
    ンクの交差偏波劣化を検出する交差偏波劣化検出回路
    と、検出された前記ダウンリンクの交差偏波劣化に応答
    して前記ダウンリンクの交差偏波劣化を補償するように
    前記受信用交差偏波補償器を制御する受信用交差偏波補
    償器駆動回路と、前記受信信号群の周波数帯に含まれる
    周波数の校正信号を生じる校正信号発生回路と、前記校
    正信号を円偏波信号にして前記受信用交差偏波補償器の
    入力端に供給する円偏波校正信号供給回路と、前記受信
    用偏分波器の二つの出力端から前記校正信号を抽出しこ
    の校正信号の交差偏波成分を検出する校正信号交差偏波
    検出回路と、検出された前記校正信号の交差偏波成分に
    応答して前記送信用交差偏波補償器を前記アップリンク
    の交差偏波劣化を補償するように駆動制御する送信用交
    差偏波補償器駆動回路とを備えることを特徴とする交差
    偏波補償装置。
  2. 【請求項2】 校正時に前記校正信号発生回路からの前
    記校正信号を互いに直交する直線偏波にして前記受信用
    偏分波器の入力端に供給する直線偏波校正信号供給回路
    をさらに有し、 前記校正時には、前記校正信号交差偏波検出回路が、前
    記校正信号の交差偏波成分のうち主偏波と90°の位相
    差を有する直交成分の検出量を最小にするように調整さ
    れることを特徴とする請求項1記載の交差偏波補償回
    路。
  3. 【請求項3】 前記受信用交差偏波補償器駆動回路が、
    晴天時に検出される前記ダウンリンクの交差偏波劣化の
    値を基準値として前記受信用交差偏波補償器を制御する
    ことを特徴とする請求項2記載の交差偏波補償回路。
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