JP2809658B2 - 衛星回線偏波設定装置 - Google Patents

衛星回線偏波設定装置

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JP2809658B2 JP63334556A JP33455688A JP2809658B2 JP 2809658 B2 JP2809658 B2 JP 2809658B2 JP 63334556 A JP63334556 A JP 63334556A JP 33455688 A JP33455688 A JP 33455688A JP 2809658 B2 JP2809658 B2 JP 2809658B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、衛星通信の分野に関し、特に、直交する
2偏波を共用する衛星回線の偏波を設定するための装置
に関するものである。
〔従来の技術〕
第2図は静止衛星を利用した衛星通信網の1対の系構
成を示したもので、図において、1は基地局(親局)、
2は移動局(子局)、3は衛星である。また、第6図は
基地局1と移動局2の機器の構成を示す。このような系
構成において、直交する2偏波を利用して衛星通信回線
を設定する場合、局1,2のアンテナの交差偏波特性が良
好であることが必要である。例えば、最近のKu帯の衛星
では地球局1,2には−30(dB)以下の交差偏波レベルで
あることが要求される。この場合、交差偏波レベルは直
線編波であるから、直線編波の場合、編波面の傾きをδ
(red)とすれば、各アンテナが完全に交差偏波を発生
していなくとも、偏波面の不一致のために対向するアン
テナ間でみかけ上発生する交差偏波レベル(XPLとす
る)は、 XPL(dB)=20log(sinδ)≒20logδ となる。従って、衛星回線設定時、親局と衛星および子
局と衛星との偏波面を一致させることが必要となってく
る。もし偏波面が合わない場合、逆偏波を用い、かつ同
一周波数を利用している他の衛星回線に干渉(妨害)を
与えることになる(第7図参照)。
以下、第6図を用いて親局1と衛星3および衛星3と
子局2との回線での従来の偏波合わせの方法を示す。こ
こで衛星は単なるリピータとして取扱っても説明上何ら
不都合はないので、以下の説明においてはこれを省略す
る。
親局1において、偏波基準信号を送信端子16から入力
し、直交分波器(以下、OMTと称す)13,直線偏波偏波面
回転器(別名180゜位相差板;以下、180゜polと称す)1
2を得て、該偏波基準信号をアンテナ11から衛星に向け
放射する。この偏波基準信号は同一衛星を利用する単数
もしくは複数の衛星回線の基準信号として使用できるも
ので、対地局や子局がこの偏波に偏波面を一致させれ
ば、また例えば±0.2゜など決められた精度内で一致さ
せることができれば、回線として許容の交差偏波レベル
を保つことができる性質を有している。
従って、子局2側では、この基準偏波信号をアンテナ
21で受信し、偏波面を合わせるべく180゜位相差板23を
ロータリージョイント22を介して回転させ、OMT24から
低雑音増幅器(以下、LNAと称す)25に信号を導く。LNA
25の出力には、狭帯域の受信機(例えばスペクトラムア
ナライザでもよい)41が接続されており、偏波合わせは
まず受信機41の受信レベルをみながら、その値が最小値
になるように位相差板23を回転させる。この最小値とな
る設定角度をa゜とする。このとき子局の偏波は親局に
対し90゜直交しているので、偏波を合わせるには、位相
差板23の設定を(a+45)゜もしくは(a−45)゜に設
定する。このように、最小値を検出するのは、交差偏波
出力がsinδであるのに対し、主偏波出力がcosδに比例
するので、最小値を検出することにより、180゜polを精
度よく設定できるためである。
なお、上記第6図では、180゜polを使用する例を示し
たが、180゜polをなくしてOMT24を回転可能な構造と
し、該OMTを回転することによっても偏波を調製するこ
とができる。但し、この場合、OMTを交差偏波が最小に
なるように角度を検出したら、主偏波に合わせるには、
頂度90゜回転させることが必要となる。
ところで、この従来の方法によれば、 子局は高感度の受信機を用い、低い交差偏波レベル
を検出する必要があるが、これは子局のアンテナが小さ
くなるほど高感度が要求される。
また、まず、交差偏波をモニタし、その値を最小値
にした後、主偏波に切換え、180゜polを正確に45゜回転
させているが、その間交差偏波から主偏波と受信偏波と
が90゜変化する。従って、もし同一周波数で直交偏波を
使用している他の衛星回線が設定されていれば、その信
号に偏波基準信号が妨害されて最小値が正確な値を示さ
ないことになり、ひいては45゜回転板の主偏波が親局の
偏波と一致せず、子局の送信信号26が他局に妨害を与え
ることになる。なおここで送信信号偏波と受信信号偏波
とは直交した2偏波となっている。
なお、第8図は、衛星回線の偏波利用を示す概念図で
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の衛星回線偏波設定方式は以上のように構成され
ているので、設備的には子局の全てに高感度受信機を用
いた偏波設定設備が必要で、子局数が多くなるほど高感
度が要求される。例えば、1:nの放送系の回線構成では
n個の子局全てに前記の設備が必要となり、子局の設備
が複雑かつ高価になるという問題点があった。
この発明は上記のような従来のものの問題点を解消す
るためになされたもので、子局の設備を簡略化できると
ともに、精度がよく、かつ高い信頼性で偏波を設定する
ことができる衛星回線偏波設定装置を得ることを目的と
している。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る衛星回線偏波設定装置は、衛星回線の
偏波を設定するための装置において、直線編波の直交す
る2偏波成分を受信できる分波手段を有する親局と、少
なくとも1つの方向の直線偏波の偏波面を回転できる偏
波面回転手段を有する子局と、上記分波手段の交差偏波
側の端子に設けられた偏波設定用高感度受信手段とを備
え、上記親局は上記子局における上記偏波面回転手段の
設定値の変化に応じて変化する当該子局からの受信信号
のレベルを上記高感度受信手段によりモニタし、当該モ
ニタ結果に基づいて上記子局に対しその偏波面を調整す
るための指示を伝達するようにしたものである。
〔作用〕
この発明においては、親局側に、直交する2偏波信号
を同時に受信できる給電部を配設し、その給電部の両偏
波受信端子のうち交差偏波側の端子に高感度の受信機を
接続するようにしたので、子局の高感度受信機が不要と
なり、子局から主偏波を送信したままで、親局からの指
示により、子局の直線偏波偏波面回転器を微調させるこ
とにより、偏波調整を行うことができる。
〔実施例〕
以下、この発明の一実施例を図について説明する。
第1図は本発明の一実施例による衛星回線偏波設定装
置を示し、図において、21は子局アンテナ、22はロータ
リージョイント、23は180゜pol、24はOMT、25はLNA、26
は送信端子、27は受信端子である。また、11は親局アン
テナ、12は180゜pol、13はOMT、14は送受分波器(以
下、DIPと称す)、15はLNA、16は送信端子、17は受信端
子、18は偏波設定用高感度受信機である。
偏波調整の手順は次のようになる。
まず、子局から予め定められた主偏波で、送信を行な
う。このときの送信周波数は、やはり予め定められた周
波数に選定される。これは、直交関係にある他の衛星回
線に妨害を与えないためである。例えば第8図に示し
た、衛星のトランスポンダの周波数配列で示されるよう
に、V偏波とH偏波がオーバーラップしていない周波数
帯の周波数をアサインするようにすれば、他の回線に妨
害を与えない。従って、この周波数としては、例えば、
図中のAでよい。
親局では子局からの信号の直交2偏波成分のそれぞれ
を受信する。OMTは直交する2偏波成分を分波する分波
器であり、DIPは送信波と受信波とを分波する送受分波
器である。アンテナから180゜pol,OMT,DIPを介して直交
する2成分を受信し、そのうち交差偏波成分は対応する
受信端子に接続された高感度(狭帯域)の偏波設定用受
信機18で受信される。
一方、主偏波成分については、本来の主偏波成分を受
信する受信端子に接続されたLNAを介して、衛星回線が
成立することになる。この主偏波回線を通じ、子局側に
偏波調整を手動もしくは自動で指示する。
まず、子局の偏波を手動で設定する方式について説明
する。まず親局は子局に、180゜polの設定値を聞く。こ
れをθとする。このときのRCVR18の受信レベルをα
(dB)とする。次に、子局に180゜polの設定を変化させ
る。親局で受信レベルをモニタしながら、親局のレベル
が最小値になったときに、子局に連絡し、その角度に18
0゜polを固定させる。親局はそのときの180゜polの設定
値を聞く。これをθとする。この状態を時間軸で示す
と、第5図(a)のようになる。すなわち、θ=θ
polの位置からpolを回すと、モニタ受信している交差偏
波レベル(XPL)が低くなり、αminとなるが、minを通
過させるまで同一方向にpolを回転させる。すると、徐
々にXPLが悪くなるので、α2dBの点でpolの回転をスト
ップさせる。このときのpolの角度をθとする。逆にp
olの回転を子局に指示し、αmin点でpolを設定させる。
このときpolの設定角度θは、θ=θとなる。θ
原理的には、α12の3つのパラメータから次の
ように求められる。
これは、第4図に示す偏波不一致度δによるXPLの関
係から求まる。
従って、上記のように子局のpolを正しく設定させる
には、手動により 親局でXPLをモニタしながら、XPLが最小値になった
とき子局にpolを固定させる、もしくは 親局でXPLをモニタし、まず子局のpol設定値がθ
の時のXPLの測定を行い、その値αを記録する。次に
子局にpolの調整を指示し、XPLの最小値を通過するまで
polを回転させる。
XPLがαになったとき、子局にpolの回転をストップ
させ、そのときのpolの設定角度を連絡させる。そのと
きの値をθとする。これらの値から(1)式からθ
を計算し、polをθに設定するよう子局に指示する。
次に子局の偏波を自動的に設定する方式について説明
する。第3図はその一実施例を示す。第1図の構成に対
し、子局においては、180゜polの駆動機構ドライバ29お
よび親局からの角度指令値を受信,信号処理し、ドライ
バ29にpol回転信号を与える受信信号処理部(RCVR1)28
が付加されている。一方親局においては、子局の交差偏
波信号を受信し、受信レベルを測定し、子局からのpol
の設定角度情報を収集する受信信号処理部(RCVR2)51
及び、子局に対し所要の角度になるよう、各種の演算を
行ない、送信部(TX1)19により設定指示情報を衛星回
線に送出する機能を有する、集中偏波監視制御部52が付
加されている。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明に係る衛星回線偏波設定装置
によれば、衛星回線の偏波を設定するための装置におい
て、直線偏波の直交する2偏波成分を受信できる分波手
段を有する親局と、少なくとも1つの方向の直線偏波の
偏波面を回転できる偏波面回転手段を有する子局と、上
記分波手段の交差偏波側の端子に設けられた偏波設定用
高感度受信手段とを備え、上記親局は上記子局における
上記偏波面回転手段の設定値の変化に応じて変化する当
該子局からの受信信号のレベルを上記高感度受信手段に
よりモニタし、当該モニタ結果に基づいて上記子局に対
しその偏波面を調整するための指示を伝達するようにし
たので、子局に偏波基準信号を受信する狭帯域の高感度
受信機が不要となり、かつ常に親局の制御の下で回線が
設定されるため、例えばミスオペレーションにより、交
差偏波を送信し、他の回線に干渉を与えること等のな
い、信頼性が高く交差偏波特性のよい衛星回線を設定で
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による手動方式による衛星回
線偏波設定装置を示す図、第2図は典型的な衛星回線の
構成の一例を示す図で、ここでは同一周波数を用いる2
つの回線を示す図、第3図は本発明の他の実施例による
衛星回線偏波調整装置を示す図、第4図は偏波不一致に
よる交差偏波レベル(XPL)の変化を示す図、第5図はX
PLの変化の様子およびXPLと180゜polとの設定角度の関
係を示す図、第6図は従来の偏波調整方式を示す図、第
7図は親局と子局とで偏波面が一致しない場合を説明す
るための図、第8図は衛星回線の偏波利用を示す概念図
である。 図において、1は基地局(親局)、2は移動局(子
局)、3は衛星、21は子局アンテナ、22はロータリージ
ョイント、23は180゜pol、24はOMT、25はLNA、26は送信
端子、27は受信端子、11は親局アンテナ、12は180゜po
l、13はOMT、14は送受分波器(DIP)、15はLNA、16は送
信端子、17は受信端子、18は偏波設定用高感度受信機、
28は受信信号処理部、19は送信部、52は集中偏波監視制
御部である。 なお図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】衛星回線の偏波を設定するための装置にお
    いて、 直線偏波の直交する2偏波成分を受信できる分波手段を
    有する親局と、 少なくとも1つの方向の直線偏波の偏波面を回転できる
    偏波面回転手段を有する子局と、 上記分波手段の交差偏波側の端子に設けられた偏波設定
    用高感度受信手段とを備え、 上記親局は上記子局における上記偏波面回転手段の設定
    値の変化に応じて変化する当該子局からの受信信号のレ
    ベルを上記高感度受信手段によりモニタし、当該モニタ
    結果に基づいて上記子局に対しその偏波面を調整するた
    めの指示を伝達することを特徴とする衛星回線偏波設定
    装置。
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