JP2002319814A - 無線装置 - Google Patents

無線装置

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JP2002319814A
JP2002319814A JP2001121499A JP2001121499A JP2002319814A JP 2002319814 A JP2002319814 A JP 2002319814A JP 2001121499 A JP2001121499 A JP 2001121499A JP 2001121499 A JP2001121499 A JP 2001121499A JP 2002319814 A JP2002319814 A JP 2002319814A
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polarization
radio wave
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phase shifter
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JP2001121499A
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Naohiro Hara
直弘 原
Hisao Nakakita
久雄 中北
Takao Murata
孝雄 村田
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Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
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  • Input Circuits Of Receivers And Coupling Of Receivers And Audio Equipment (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 到来電波の偏波方向とアンテナの偏波方向と
の間の偏波角が分からない場合であっても、到来電波の
互いに直交する偏波の信号成分を電気的に分離して出力
できる無線装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 互いに直交する偏波成分ごとに異なる周
波数で多重されたパイロット信号を含む到来電波を受信
して、特定のパイロット信号を抽出する。そして、抽出
したパイロット信号のレベルに基づいて、アンテナより
受信した受信信号(水平成分)又は受信信号(垂直成
分)の振幅及び位相を制御する。この制御によって、到
来電波の互いに直交する偏波の信号成分を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線装置に関し、
特に到来電波の偏波方向とアンテナの偏波方向との間の
偏波角が分からない場合であっても、到来電波の互いに
直交する偏波成分を出力できる無線装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、放送や無線通信の分野では搬送波
の周波数の有効利用を目的として、互いに直交する偏波
に異なる信号を乗せ、同一周波数の共用が可能な直線偏
波や円偏波による電波の送受信が行われている。このよ
うな場合、互いに異なる信号を乗せた偏波を受信側で分
離する必要がある。
【0003】また、電波の送受信では、伝播中における
反射などの影響により、不要偏波が発生する。このよう
な場合、電波を受信する側において到来電波の不要偏波
成分を除去する必要が生じる。
【0004】第一の従来技術として、例えばパラボラア
ンテナを使用した衛星通信小型地球局では、一次放射器
をモータ又は手動にて回転させ、衛星からの到来電波と
の偏波角を合わせる技術がある。
【0005】また、第二の従来技術として特開2000
−252741がある。図7に、この従来技術の構成を
示す。図7に示すように、この従来技術は、分配器5
3、乗算器59、加算器70、ROMテーブル63など
より構成されている。そして、この構成下、受信アンテ
ナにおける偏波方向より到来電波の偏波方向を特開20
00−252741に記載されているように、以下に示
す式(座標を回転する式)を実行して求めていた。
【0006】H=Hrcosθ+Vrsinθ V=−Hrsinθ+Vrcosθ ここで、θは、偏波角を示しており、H、Vは、衛星の
偏波を示しており、Hr、Vrは、受信アンテナの偏波
面がθだけ傾いた状態で受信した時の直交偏波受信系の
各出力を示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した第一
の従来技術では、例えば直線偏波を使用する場合、送受
信アンテナの偏波方向と到来電波の偏波方向とを機械的
にそろえる必要があり、設備の設置や調整が煩雑になる
という問題点があった。
【0008】また、直線偏波を利用した移動通信や構内
通信においては、到来電波の受信アンテナに対する偏波
角が逐次変化するため、偏波制御回路を用いても常時最
良の交差偏波分離度を得ることは困難であるという問題
点があった。
【0009】円偏波を利用した場合においても電波の反
射による交差偏波特性の劣化があり、これをリアルタイ
ムに補償することは困難であるという問題点があった。
【0010】また、上記した第二の従来技術では、機械
的ではなく電気的方法を使用して偏波を分離している
が、予め到来電波の偏波方向と受信アンテナの偏波方向
との間の偏波角が分からないと互いに直交する偏波に分
離することができないという問題点があった。
【0011】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決するためになされたものであって、その目的は、到来
電波の偏波方向とアンテナの偏波方向との間の偏波角が
分からない場合であっても、到来電波の互いに直交する
偏波の信号成分を電気的に分離して出力できる無線装置
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る無線装置は、直交する偏波毎に異なる
偏波特定信号が付加された到来電波を、互いに直交する
偏波を受信するアンテナで受信した第1の受信信号と第
2の受信信号とを入力する無線装置であって、振幅制御
器、移相器、合成器、偏波特定信号抽出器及び制御回路
を有し、前記合成器は、受信した到来電波の第1の受信
信号と、前記振幅制御器及び前記移相器によって振幅及
び位相が制御された第2の受信信号とを合成し、前記偏
波特定信号抽出器は、前記合成器で合成した信号から前
記到来電波の不要な偏波に付加された偏波特定信号を抽
出し、前記制御回路は、前記偏波特定信号抽出部で抽出
した偏波特定信号に基づいて、前記振幅制御器と前記移
相器とを制御することを特徴とする。
【0013】このように構成することにより、到来電波
の偏波方向とアンテナの偏波方向との間の偏波角が分か
らない場合であっても、到来電波の互いに直交する偏波
の信号成分を電気的に分離して出力できる。
【0014】また、前記偏波特定信号は、互いに異なる
周波数で多重されたパイロット信号であることを特徴と
する。このように構成することにより、互いに直交する
偏波を特定する偏波特定信号を帯域通過フィルタを使用
することにより簡単に抽出することができる。
【0015】また、前記無線装置は、さらに前記合成器
で合成された信号を互いに直交する円偏波信号に変換す
るハイブリッド回路を備え、前記偏波特定信号抽出部
は、前記ハイブリッド回路より出力された円偏波信号よ
り前記到来電波の不要な偏波に付加された偏波特定信号
を抽出することを特徴とする。
【0016】このように構成することにより、到来電波
が円偏波である場合にも到来電波の互いに直交する偏波
の信号成分を電気的に分離して出力できる。
【0017】また、本発明に係る無線装置は、直交する
偏波毎に異なる偏波特定信号が付加された到来電波を、
互いに直交する偏波を受信するアンテナで受信した第1
の受信信号と第2の受信信号とを入力する無線装置であ
って、ハイブリッド回路、振幅制御器、移相器、合成
器、偏波特定信号抽出器及び制御回路を有し、前記ハイ
ブリッド回路は、受信した第1の受信信号と第2の受信
信号を入力し互いに直交する第1の円偏波信号と第2の
円偏波信号に変換し、前記合成器は、前記ハイブリッド
回路より出力された第1の円偏波信号と、前記ハイブリ
ッド回路より出力された第2の円偏波信号であって、前
記振幅制御器及び前記移相器によって振幅及び位相が制
御された第2の円偏波信号とを合成し、前記偏波特定信
号抽出器は、前記合成器で合成した信号から前記到来電
波の不要な偏波に付加された偏波特定信号を抽出し、前
記制御回路は、前記偏波特定信号抽出部で抽出した偏波
特定信号に基づいて、前記振幅制御器と前記移相器とを
制御することを特徴とする。
【0018】このように構成することにより、到来電波
が円偏波である場合にも到来電波の互いに直交する偏波
の信号成分を電気的に分離して出力できる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る無線装置の一
実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図
1は、到来電波の互いに直交する偏波ごとに、異なる周
波数のパイロット信号が多重されている様子を示した図
である。図1(A)は、互いに直交する偏波の一つであ
る水平偏波を示したものであり、図1(B)は、もう一
方の偏波である垂直偏波を示したものである。
【0020】水平偏波においては、変調信号が多重され
ている周波数帯域より高い周波数帯域にパイロット信号
が多重されている。一方、垂直偏波においては、変調信
号が多重されている周波数帯域より低い周波数帯域にパ
イロット信号が多重されている。なお、図1は一例であ
り、水平偏波において、変調信号が多重されている周波
数帯域より低い周波数帯域にパイロット信号を多重して
もよい。なお、円偏波を考えた場合、図1(A)は、例
えば右旋円偏波を示しており、図1(B)は、例えば左
旋円偏波を示している。
【0021】パイロット信号は、一般に情報を伝送する
場合に基準として送信される信号をいうが、本明細書で
は、到来電波の偏波を特定するための信号をいう。
【0022】例えば、図1(A)のパイロット信号は、
水平偏波を特定する信号であり、図1(B)のパイロッ
ト信号は、垂直偏波を特定する信号である。以下に述べ
る実施の形態において、図1に示すパイロット信号は、
本来の変調信号に影響を与えない程度のレベル及び周波
数で多重されているものとする。
【0023】次に、図2は、到来電波の偏波方向と受信
アンテナの偏波方向とが偏波角θだけ異なっている関係
を示した図である。すなわち、図2は、到来電波の互い
に直交する偏波の信号H、Vと受信アンテナの互い
に直交する受信信号H(第1の受信信号の一例)、V
(第2の受信信号の一例)の関係を示した図である。
このように通常、到来電波の偏波方向と受信アンテナの
偏波方向は異なっている。
【0024】実施の形態1.以下に実施の形態1におけ
る無線装置について説明する。実施の形態1において、
到来電波は、互いに直交する直線偏波であるとする。
【0025】図3は、実施の形態1における無線装置の
構成を示した図である。図3において、実施の形態1に
おける無線装置は、分配器3、分配器4、振幅制御器
5、振幅制御器6、移相器7、移相器8、合成器9、合
成器10、帯域通過フィルタ(BPF)11、帯域通過
フィルタ(BPF)12、検波器13、検波器14、制
御回路15、制御回路16および端子1、端子2、端子
17、端子18より構成されている。
【0026】分配器3、分配器4は、それぞれ端子1、
端子2を介して受信アンテナ(図示せず)に接続されて
おり、受信アンテナによって受信された互いに直交する
受信信号Hと受信信号Vとを入力するように構成さ
れている。
【0027】そして、分配器3は、入力した受信信号H
を後述する合成器9、振幅制御器6へ出力するように
構成されている。同様に、分配器4は、入力した受信信
号V を後述する合成器10、振幅制御器5へ出力する
ように構成されている。
【0028】次に、振幅制御器5は、後述する制御回路
15の制御のもと、分配器4より入力した受信信号V
の振幅を増減できるように構成されている。図4に振幅
制御器5の一構成例を示す。図4において、振幅制御器
5は、増幅器26、減衰器27を直列に接続した構成を
しており、信号振幅の増幅及び減衰をすることが可能と
なっている。同様に、振幅制御器6は、後述する制御回
路16の制御のもと、分配器3より入力した受信信号H
の振幅を増減できるように構成されている。
【0029】移相器7は、振幅制御器5で振幅を増減さ
れた受信信号Vの位相を必要に応じて180度反転す
る働きに加え、後述する合成器9に入力する受信信号H
と本移相器7により位相制御された受信信号Vの経
路差による位相のずれや振幅制御器5の温度特性及び素
子特性による位相のずれも補正することができるように
構成されている。移相器8も入力される信号が振幅制御
器6で振幅を増減された受信信号Hである以外は、移
相器7と同様に構成されている。
【0030】合成器9は、分配器3より出力された受信
信号Hと移相器7により移相制御された受信信号V
とを合成するように構成されている。同様に、合成器1
0は、分配器4より出力された受信信号Vと移相器8
により位相制御された受信信号Hとを合成するように
構成されている。
【0031】次に、帯域通過フィルタ(BPF)11
は、合成器9により合成された信号の中から到来電波の
垂直偏波の信号Vに多重されていたパイロット信号だ
けを抽出するように構成されており、この帯域通過フィ
ルタ11は、偏波特定信号抽出部の一例である。すなわ
ち、到来電波の垂直偏波の信号Vに多重されていたパ
イロット信号の付加された周波数帯域だけを透過するよ
うに構成されている。
【0032】同様に、帯域通過フィルタ(BPF)12
は、合成器10により合成された信号の中から到来電波
の水平偏波の信号Hに多重されていたパイロット信号
だけを抽出するように構成されている。
【0033】検波器13は、垂直偏波の信号Vに多重
されており、帯域通過フィルタ(BPF)11により抽
出したパイロット信号を検波して制御部15へ出力する
ように構成されている。同様に、検波器14は、水平偏
波の信号Hに多重されており、帯域通過フィルタ(B
PF)12により抽出したパイロット信号を検波して制
御部16へ出力するように構成されている。
【0034】制御回路15は、検波器13により検波し
た到来電波の垂直偏波の信号Vを示すパイロット信号
に基づいて、振幅制御器5及び移相器7を制御する。例
えば、検波器13より入力した到来電波の垂直偏波の信
号Vを示すパイロット信号を0レベルになるように制
御する。このように制御することによって、合成器9に
よって合成された信号には、到来電波の垂直偏波の信号
成分が無くなる。すなわち、到来電波の垂直偏波の
信号Vを示すパイロット信号が0レベルになるように
制御するということは、合成器9によって合成された信
号の中から到来電波の垂直偏波の信号V成分を無くす
ように制御することである。
【0035】このように構成することにより、合成器9
の出力は、到来電波の水平偏波の信号H成分のみとな
り、到来電波の水平偏波の信号H成分が端子17を介
して出力される。
【0036】同様に、制御回路16は、検波器14によ
り検波した到来電波の水平偏波の信号Hを示すパイロ
ット信号に基づいて、振幅制御器6及び移相器8を制御
する。このように構成することにより合成器10によっ
て合成された信号には、到来電波の水平偏波の信号H
成分が無くなる。したがって、合成器10の出力は、到
来電波の垂直偏波の信号V成分のみとなり、到来電波
の垂直偏波の信号V成分が端子18を介して出力され
る。
【0037】このようにして、受信アンテナにおいて受
信された受信信号H、Vより到来電波の互いに直交
する偏波の信号H、Vを取り出せる。
【0038】実施の形態1における無線装置は、上記の
ように構成されており、以下に動作及び作用について説
明する。
【0039】まず、到来電波の水平偏波の信号H成分
を取り出す動作について図3を参照しながら説明する。
【0040】受信アンテナ(図示せず)では、図2に示
すように到来電波の水平偏波の信号H、垂直偏波の信
号Vとは異なる互いに直交する受信信号H、受信信
号V が受信される。受信された受信信号Hは端子1
を介して分配器3に入力される。分配器3に入力された
受信信号Hは、分配器3により2つに分配され、一方
の受信信号Hは、合成器9に入力される。
【0041】また、受信アンテナ(図示せず)で受信さ
れた受信信号Vは、端子2を介して分配器4に入力さ
れる。分配器4に入力された受信信号Vは、分配器4
により2つに分配され、一方の受信信号Vは、振幅制
御器5に入力される。振幅制御器5に入力された受信信
号Vは、振幅の増減(振幅制御)を受け、移相器7に
出力される。振幅制御を受けた受信信号Vは、移相器
7において必要に応じて位相を180度反転させられ
る。
【0042】次に、移相器7より出力された受信信号V
と分配器3より出力された受信信号Hは、合成器9
により合成される。そして、帯域通過フィルタ(BP
F)11は、合成器9で合成された信号より、到来電波
の垂直偏波の信号Vに多重されていたパイロット信号
のみ抽出する。抽出されたパイロット信号は、検波器1
3で検波され、制御回路15へ入力される。
【0043】制御回路15は、入力した到来電波の垂直
偏波の信号Vを示すパイロット信号のレベルに応じて
(レベルを0にするように)振幅制御器5及び移相器7
を制御する。この制御により、合成器9より出力される
信号は、到来電波の水平偏波の信号H成分のみとな
る。
【0044】次に、到来電波の垂直偏波の信号V成分
を取り出す動作について、図3を参照しながら説明す
る。
【0045】受信アンテナ(図示せず)では、図2に示
すように到来電波の水平偏波の信号H、垂直偏波の信
号Vとは異なる互いに直交する受信信号H、受信信
号V が受信される。受信された受信信号Vは端子2
を介して分配器4に入力される。分配器4に入力された
受信信号Vは、分配器4により2つに分配され、一方
の受信信号Vは、合成器10に入力される。
【0046】また、受信アンテナ(図示せず)で受信さ
れた受信信号Hは、端子1を介して分配器3に入力さ
れる。分配器3に入力された受信信号Hは、分配器3
により2つに分配され、一方の受信信号Hは、振幅制
御器6に入力される。振幅制御器6に入力された受信信
号Hは、振幅の増減(振幅制御)を受け、移相器8に
出力される。振幅制御を受けた受信信号Hは、移相器
8において必要に応じて位相を180度反転させられ
る。
【0047】次に、移相器8より出力された受信信号H
と分配器4より出力された受信信号Vは、合成器1
0により合成される。そして、帯域通過フィルタ(BP
F)12は、合成器10で合成された信号より、到来電
波の水平偏波の信号Hに多重されていたパイロット信
号のみ抽出する。抽出されたパイロット信号は、検波器
14で検波され、制御回路16へ入力される。
【0048】制御回路16は、入力した到来電波の水平
偏波の信号Hを示すパイロット信号のレベルに応じて
(レベルを0にするように)振幅制御器6及び移相器8
を制御する。この制御により、合成器10より出力され
る信号は、到来電波の垂直偏波の信号V成分のみとな
る。
【0049】このように、帯域通過フィルタ(BPF)
11にて到来電波の垂直偏波の信号Vに多重されたパ
イロット信号を取り出し、帯域通過フィルタ(BPF)
12にて到来電波の水平偏波の信号Hに多重されたパ
イロット信号を取り出す。そして、これらを常時監視す
ることにより、受信アンテナにおいて受信されたH
から到来電波の互いに直交する水平偏波の信号
、垂直偏波の信号Vを取り出すことができる。
【0050】したがって、アンテナの偏波方向と到来電
波の偏波方向との間の偏波角を予め知らない場合であっ
ても、偏波角をゼロにする座標回転に相当する電気制御
をリアルタイムに行うことができる。
【0051】このため、アンテナの偏波方向と到来電波
の偏波方向との間の偏波角の大きさに関わらず、常に到
来電波の互いに直交する水平偏波の信号H成分と垂直
偏波の信号V成分とを取り出すことができ、常に最良
の交差偏波分離特性にて無線通信を行うことができる。
【0052】なお、実施の形態1では、互いに直交する
偏波成分に信号を多重して伝播させる場合について説明
したが、単一の直線偏波に信号を多重して伝播させる場
合、本発明によれば、伝播中における反射などの影響に
より発生した交差偏波成分をリアルタイムに抑制するこ
とができる。
【0053】実施の形態2.図5は、実施の形態2にお
ける無線装置の構成を示した構成図である。実施の形態
2において、到来電波は、円偏波であるものとする。
【0054】実施の形態2における無線装置の構成は、
実施の形態1における無線装置の構成とほとんど同じで
あるため、同じ部分の構成についての説明は省略する。
【0055】図5において、実施の形態2における無線
装置は、ハイブリッド回路21を備える。このハイブリ
ッド回路21は、円偏波である到来電波の水平成分の信
号と垂直成分の信号を入力して、互いに直交する左旋円
偏波と右旋円偏波に対応した信号を生成し出力するよう
に構成されている。
【0056】以下に、実施の形態2における無線装置の
動作及び作用について説明する。
【0057】受信アンテナでは、円偏波である到来電波
の水平成分の受信信号Hと垂直成分の受信信号V
受信される。
【0058】受信信号Hは、端子19を介して、また
受信信号Vは端子20を介して、ハイブリッド回路2
1に入力される。ハイブリッド回路21の出力端子1、
2からはそれぞれ互いに直交する円偏波信号(左旋円偏
波に対応)L、円偏波信号(右旋円偏波に対応)R
が出力される。
【0059】円偏波信号Lは、端子1を介して分配器
3に入力される。入力された円偏波信号Lは、分配器
3により2つに分配され、一方の円偏波信号Lは、合
成器9に入力され、分配された他方の円偏波信号L
は、振幅制御器6及び移相器8を通って合成器10に
入力される。
【0060】一方、円偏波信号Rは、端子2を介して
分配器4に入力される。入力された円偏波信号Rは、
分配器4により2つに分配され、一方の円偏波信号R
は、合成器10に入力され、他方の円偏波信号Rは、
振幅制御器5及び移相器7を通って合成器9に入力され
る。
【0061】分配器3より入力した円偏波信号Lと移
相器7より入力した円偏波信号Rは、合成器9におい
て合成される。合成された信号の出力は、一部分岐さ
れ、帯域通過フィルタ(BPF)11により、到来電波
の垂直偏波の信号Vに多重されていたパイロット信号
のみが取り出される。取り出されたパイロット信号は、
検波器13により検波され、検波されたパイロット信号
は、制御回路15に入力される。制御回路15は、入力
したパイロット信号に応じて振幅制御器5及び移相器7
を電気的に制御する。例えば、制御部15は、到来電波
の偏波成分Vに多重されていたパイロット信号のレベ
ルをゼロにするように制御する。この制御により、合成
器9の出力には、到来電波の偏波の信号V成分が無く
なり、到来電波の偏波の信号H成分のみが端子17よ
り出力される。
【0062】なお、移相器7には、必要に応じて位相を
180度反転する働きに加え、分配器3より入力した円
偏波信号Lと移相器7より入力した円偏波信号R
の経路差による位相のずれや振幅制御器5の温度特性及
び素子特性による位相のずれを補正する働きがある。
【0063】また、分配器4より入力した円偏波信号R
と移相器8より入力した円偏波信号Lは、合成器1
0において合成される。合成された信号の出力は、一部
分岐され、帯域通過フィルタ(BPF)12により、到
来電波の偏波の信号Hに多重されていたパイロット信
号のみが取り出される。取り出されたパイロット信号
は、検波器14により検波され、検波されたパイロット
信号は、制御回路16に入力される。制御回路16は、
入力したパイロット信号に応じて振幅制御器6及び移相
器8を電気的に制御する。この制御により合成器10の
出力には、到来電波の偏波の信号H成分が無くなり、
到来電波の偏波の信号V成分のみが端子18より出力
される。
【0064】なお、移相器8には、必要に応じて位相を
180度反転する働きに加え、分配器4より入力した円
偏波信号Rと移相器8より入力した円偏波信号L
の経路差による位相のずれや振幅制御器6の温度特性及
び素子特性による位相のずれを補正する働きがある。
【0065】このようにして、帯域通過フィルタ(BP
F)11にて到来電波の偏波の信号Vに多重されたパ
イロット信号を取り出し、帯域通過フィルタ(BPF)
12にて到来電波の偏波の信号Hに多重されたパイロ
ット信号を取り出す。そして、これらを常時監視するこ
とにより、受信アンテナにおいて受信されたH、V
から到来電波の互いに直交する偏波の信号H成分、V
成分を取り出すことができる。
【0066】実施の形態3.図6は、実施の形態3にお
ける無線装置の構成を示した構成図である。実施の形態
3において、到来電波は、円偏波であるものとする。
【0067】実施の形態3における無線装置の構成は、
実施の形態2における無線装置の構成とほとんど同じで
あるため、同じ部分についての説明は省略し、異なる構
成部分について説明する。
【0068】図6において、実施の形態3における無線
装置は、ハイブリッド回路21を備えている。このハイ
ブリッド回路21は、実施の形態2で説明したものと同
じであるが、配置される場所は合成器9、合成器10の
出力側である点が異なる。
【0069】以下に、実施の形態3における無線装置の
動作及び作用について説明する。
【0070】受信アンテナでは、円偏波である到来電波
の水平成分の受信信号Hと垂直成分の受信信号V
受信される。
【0071】受信信号Hは、端子1を介して分配器3
に入力される。入力された受信信号Hは、分配器3に
より2つに分配され、一方の受信信号Hは、合成器9
に入力される。また、他方の受信信号Hは振幅制御器
6及び移相器8を通って合成器10に入力される。
【0072】また、受信信号Vは、端子2を介して分
配器4に入力される。入力された受信信号Vは、分配
器4により2つに分配され、一方の受信信号Vは、合
成器10に入力される。また、他方の受信信号Vは、
振幅制御器5及び移相器7を通って合成器9に入力され
る。
【0073】分配器3より入力した受信信号Hと移相
器7より入力した受信信号Vは、合成器9において合
成され、合成された信号の出力は端子17を介してハイ
ブリッド回路21に入力される。
【0074】また、分配器4より入力した受信信号V
と移相器8より入力した受信信号V は、合成器10に
おいて合成され、合成された信号の出力は端子18を介
してハイブリッド回路21に入力される。
【0075】ハイブリッド回路21は、合成器9より入
力した信号と合成器10より入力した信号とを入力する
と、それぞれ互いに直交する円偏波信号L、Rをそれぞ
れ端子22、23へ出力する。
【0076】端子22より出力された円偏波信号Lは、
一部分岐され帯域通過フィルタ(BPF)11により、
到来電波の偏波の信号Vに多重されていたパイロット
信号のみが取り出される。取り出されたパイロット信号
は、検波器13により検波され、検波されたパイロット
信号は、制御回路15に入力される。制御回路15は、
入力したパイロット信号に応じて振幅制御器5及び移相
器7を電気的に制御する。例えば、入力したパイロット
信号のレベルをゼロにするように制御する。この制御に
より、端子22の出力には、到来電波の偏波の信号V
成分が無くなり、従来電波の偏波の信号H成分のみが
端子24より出力される。
【0077】なお、移相器7には、必要に応じて位相を
180度反転する働きに加え、合成器9に入力する2つ
の信号の経路差による位相のずれや振幅制御器5の温度
特性及び素子特性による位相のずれを補正する働きがあ
る。
【0078】また、ハイブリッド回路21の端子23よ
り出力された円偏波信号Rは、一部分岐され帯域通過フ
ィルタ(BPF)12より、到来電波の偏波の信号H
に多重されていたパイロット信号のみが取り出される。
取り出されたパイロット信号は、検波器14により検波
され、検波されたパイロット信号は、制御回路16に入
力される。制御回路16は、入力したパイロット信号に
応じて振幅制御器6及び移相器8を電気的に制御する。
例えば、入力したパイロット信号のレベルをゼロにする
ように制御する。この制御により、端子23の出力に
は、到来電波の偏波の信号H成分が無くなり、従来電
波の偏波の信号V成分のみが端子25より出力され
る。
【0079】なお、移相器8には、必要に応じて位相を
180度反転する働きに加え、合成器10に入力する2
つの信号の経路差による位相のずれや振幅制御器6の温
度特性及び素子特性による位相のずれを補正する働きが
ある。
【0080】このようにして、帯域通過フィルタ(BP
F)11にて到来電波の偏波の信号Vに多重されたパ
イロット信号を取り出し、帯域通過フィルタ(BPF)
12にて到来電波の偏波の信号Hに多重されたパイロ
ット信号を取り出す。そして、これらを常時監視するこ
とにより、受信アンテナにおいて受信されたH、V
から到来電波の互いに直交する偏波のH成分、V
分を取り出すことができる。
【0081】以上実施の形態1から実施の形態3で説明
したように、実施の形態における無線装置は、直線偏波
または円偏波である到来電波の互いに直交する偏波成分
ごとに異なった周波数で多重されているパイロット信号
に基づいた制御をすることにより、偏波角を知らない場
合であっても、リアルタイムに偏波角を制御し、アンテ
ナの偏波方向を到来電波の偏波方向と一致させることを
電気的に行うことができる。
【0082】したがって、従来、煩雑であった到来電波
の偏波方向とアンテナの偏波方向を機械的に合わせる作
業は不必要になる。このため、移動体通信や構内通信な
ど到来電波の偏波方向が時間的に変動してしまう場合で
あっても、リアルタイムに偏波面制御を行うことができ
るため(偏波角を制御することができるため)常に良好
な交差偏波分離度を得ることができる。
【0083】
【発明の効果】本発明に係る無線装置によれば、到来電
波の偏波方向とアンテナの偏波方向との間の偏波角が分
からない場合であっても、到来電波の互いに直交する偏
波の信号成分を電気的に分離して出力できる。
【0084】つまり、本発明に係る無線装置によれば、
常に最良の交差偏波分離特性を得ることができる。
【0085】
【図面の簡単な説明】
【図1】 到来電波の互いに直交する偏波ごとに、異な
る周波数のパイロット信号が多重されている様子を示し
た図である。
【図2】 到来電波の偏波方向と受信アンテナの偏波方
向とが偏波角θだけ異なっている関係を示した図であ
る。
【図3】 実施の形態1における無線装置の構成を示し
た構成図である。
【図4】 振幅制御器5の一構成例を示した図である。
【図5】 実施の形態2における無線装置の構成を示し
た構成図である。
【図6】 実施の形態3における無線装置の構成を示し
た構成図である。
【図7】 従来技術の構成を示した構成図である。
【符号の説明】
1、2 端子 3、4 分配器 5、6 振幅制御器 7、8 移相器 9、10 合成器 11、12 帯域通過フィルタ 13、14 検波器 15、16 制御回路 17、18、19、20 端子 21 ハイブリッド回路 22、23、24、25 端子 26 増幅器 27 減衰器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村田 孝雄 東京都世田谷区砧一丁目10番11号 日本放 送協会 放送技術研究所内 Fターム(参考) 5J021 AA02 DB02 DB03 EA04 FA06 FA12 FA23 FA25 FA26 FA32 HA05 JA05 JA06 5K062 AA09 AB12 AD08 AE03 AE04 BE00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交する偏波毎に異なる偏波特定信号が
    付加された到来電波を、互いに直交する偏波を受信する
    アンテナで受信した第1の受信信号と第2の受信信号と
    を入力する無線装置であって、 振幅制御器、移相器、合成器、偏波特定信号抽出器及び
    制御回路を有し、 前記合成器は、受信した到来電波の第1の受信信号と、
    前記振幅制御器及び前記移相器によって振幅及び位相が
    制御された第2の受信信号とを合成し、 前記偏波特定信号抽出器は、前記合成器で合成した信号
    から前記到来電波の不要な偏波に付加された偏波特定信
    号を抽出し、 前記制御回路は、前記偏波特定信号抽出部で抽出した偏
    波特定信号に基づいて、前記振幅制御器と前記移相器と
    を制御することを特徴とする無線装置。
  2. 【請求項2】 前記偏波特定信号は、互いに異なる周波
    数で多重されたパイロット信号であることを特徴とする
    請求項1に記載の無線装置。
  3. 【請求項3】 前記無線装置は、さらに前記合成器で合
    成された信号を互いに直交する円偏波信号に変換するハ
    イブリッド回路を備え、 前記偏波特定信号抽出部は、前記ハイブリッド回路より
    出力された円偏波信号より前記到来電波の不要な偏波に
    付加された偏波特定信号を抽出することを特徴とする請
    求項1に記載の無線装置。
  4. 【請求項4】 直交する偏波毎に異なる偏波特定信号が
    付加された到来電波を、互いに直交する偏波を受信する
    アンテナで受信した第1の受信信号と第2の受信信号と
    を入力する無線装置であって、 ハイブリッド回路、振幅制御器、移相器、合成器、偏波
    特定信号抽出器及び制御回路を有し、 前記ハイブリッド回路は、受信した第1の受信信号と第
    2の受信信号を入力し互いに直交する第1の円偏波信号
    と第2の円偏波信号に変換し、 前記合成器は、前記ハイブリッド回路より出力された第
    1の円偏波信号と、前記ハイブリッド回路より出力され
    た第2の円偏波信号であって、前記振幅制御器及び前記
    移相器によって振幅及び位相が制御された第2の円偏波
    信号とを合成し、 前記偏波特定信号抽出器は、前記合成器で合成した信号
    から前記到来電波の不要な偏波に付加された偏波特定信
    号を抽出し、 前記制御回路は、前記偏波特定信号抽出部で抽出した偏
    波特定信号に基づいて、前記振幅制御器と前記移相器と
    を制御することを特徴とする無線装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009081792A (ja) * 2007-09-27 2009-04-16 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 無線送信機及び無線送信方法
JP2009543474A (ja) * 2006-06-30 2009-12-03 アールエフ マジック インコーポレイテッド 衛星干渉除去

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