JPH0918230A - 直交アンテナ系による妨害波除去装置及びレベル・位相調整回路 - Google Patents

直交アンテナ系による妨害波除去装置及びレベル・位相調整回路

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JPH0918230A
JPH0918230A JP7162013A JP16201395A JPH0918230A JP H0918230 A JPH0918230 A JP H0918230A JP 7162013 A JP7162013 A JP 7162013A JP 16201395 A JP16201395 A JP 16201395A JP H0918230 A JPH0918230 A JP H0918230A
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antenna
voltage
level
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wave
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JP7162013A
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Tadao Sugita
忠雄 杉田
Minoru Nomoto
実 野本
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SHINDEN KOGYO KK
NHK Integrated Technology Inc
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SHINDEN KOGYO KK
NHK Integrated Technology Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】直交する2つのアンテナに誘起する妨害波電圧
の電圧レベル及び位相を調整し妨害波を除去する直交ア
ンテナ系による妨害波除去装置を提供する。 【構成】目的波Dに対して最大の誘起電圧を発生する方
向に設置したアンテナ1Aに対して直角に交差する位置に
アンテナ1Bを配置し、アンテナ1A,1B に誘起した各妨害
波電圧を、妨害波除去手段2のレベル・位相調整回路22
A,22B で電圧レベル及び位相を調整して合成トランス23
で合成することにより妨害波電圧を互いに打ち消し目的
波電圧だけを出力端子25より取り出す構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長中波帯及び短波・超
短波帯における放送及び無線通信の技術分野で用いられ
る妨害波除去装置、及び、この妨害波除去装置に好適で
レベルと位相が独立に調整できるレベル・位相調整回路
に関する。
【0002】
【従来の技術】放送及び無線通信において目的波を受信
する場合に、妨害波の存在、例えば、同一チャンネルの
混信、ゴースト妨害、フェージング等によって、受信波
の品質が損なわれることがある。従来、このような妨害
波による影響を受信側で除去または軽減する方法の1つ
として、受信アンテナの指向性を制御して、妨害波到来
方向に対する感度を低下させる方法がある。
【0003】このアンテナの指向性を制御する方法で
は、目的波と異なった方向から到来する妨害波を受けな
いようにするため、受信アンテナの指向性が鋭く、妨害
波到来方向に対してはアンテナの利得が小さいことが望
ましい。これを単一のアンテナで実現するのは困難なこ
とが多いので、従来から、複数のアンテナによる受信方
式が用いられてきた。
【0004】例えば、複数の同じアンテナを一定間隔離
して設置しその出力を合成すると、その合成指向性には
利得がほぼ0になる角度(ヌルとよぶ)が生じるので、
このヌル角が妨害波到来方向に一致するようにアンテナ
間隔を調整する方法がある。また、このアンテナの合成
指向性を電気的に制御して到来妨害波の数、方向に応じ
てヌル角をつくることにより、妨害波除去を行う方法も
ある。例えば、3基の受信アンテナを目的波到来方向に
向けて平行に配置し、妨害波が目的波と異なった方向か
ら到来するとき、各アンテナで受信される目的波は等振
幅、等位相である一方妨害波は振幅が等しいが位相はそ
れぞれずれている。この各アンテナ出力の振幅及び位相
の制御を行ったのち、3波の出力を合成して合成波を得
る方法及び装置が提案されている〔尾崎,丸山,浜田:
指向性制御受信アンテナシステム,NHK技研月報,Vo
l.24,No.9,pp.371〜380(1981).等参照〕。上記の装置で
は、3基のアンテナの出力を制御・合成することによっ
て、妨害波を除去して目的波だけの合成波を得ることが
でき、加えて、マイクロコンピューターで受信アンテナ
の合成指向性を制御することによって、妨害波の方向・
レベルに時間的変動を伴っても、常に最適な受信状態に
追随することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
アンテナの指向性を制御する従来の方法では、例えば、
2基のアンテナを配置したときに、目的波の合成出力レ
ベルは2基のアンテナの間隔と妨害波の到来角度によっ
て決まるため、2基のアンテナによって妨害波を除去す
ることはできても、目的波の合成出力レベルが低下して
しまい実用にならない場合がある。これを避けるために
は、3基目のアンテナが必要となってくるのであるが、
設置するアンテナが増える程、広い設置場所を必要と
し、設置方法が複雑になり、且つ装置を構成するために
必要な部品が増えて高コストとなってしまうという問題
がある。
【0006】また、上述したような妨害波の他に、遠距
離から到来する妨害波、例えば、中波帯における外国電
波や、VHF帯におけるスポラデックE層反射による妨
害波等によっても受信波の品質は劣化する。尚、通常の
目的波は、水平偏波で送信すれば受信点でも水平偏波の
ままであるが、スポラデックE層伝搬で到来する妨害波
は、スポラデックE層で反射する際に発生する垂直偏波
成分を伴った妨害波である。このような、遠距離から到
来する外国電波やスポラデックE層反射による妨害波等
に対して、空間的に離れた位置に複数のアンテナを配置
して妨害波を打ち消す従来の方法では、複数のアンテナ
を適当な間隔に配置するため、各アンテナに誘起する電
圧間の相関が小さく、各アンテナからの出力信号を用い
て妨害波を打ち消すことは困難であった。
【0007】加えて、妨害波を除去するために、妨害波
電圧の電圧レベルと位相を調整するとき、従来のレベル
・位相調整回路では、回路構成上、電圧レベルを変化さ
せると位相が変化し、逆に位相を変化させると電圧レベ
ルが変化してしまい、調整し難いという問題があった。
そこで、本発明では、長中波帯及び短波・超短波帯にお
いて、直交する2つのアンテナを近接する位置に配置す
る簡略な構成によって、一方のアンテナに対し、他方の
アンテナに誘起する妨害波電圧の相関性を高め、両方の
妨害波電圧に基づいて電圧レベル及び位相を調整し妨害
波を除去して、目的波のみを取り出すことができる直交
アンテナ系による妨害波除去装置を提供することを目的
としたものである。
【0008】また、電圧レベルと位相とを独立に調整可
能な電子回路を構成し、上記装置や他の妨害波除去装置
と組み合わせ、電圧レベル及び位相の調整を容易に行う
ことができるレベル・位相調整回路を提供することを目
的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1記載の発明は、直交ア
ンテナ系による妨害波除去装置を、目的波に対して最大
の誘起電圧を取り出す方向に配置した第1アンテナ部
と、該第1アンテナ部と近接し且つ直交する位置に配置
した第2アンテナ部とを有するアンテナ手段と、前記第
1アンテナ部に誘起した第1妨害波電圧及び前記第2ア
ンテナ部に誘起した第2妨害波電圧の電圧レベル及び位
相を調整し合成して妨害波のみを除去する妨害波除去手
段とを備えて構成したことを特徴としたものである。
【0010】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の発明の構成の前記妨害波除去手段に、前記第1妨害波
電圧の電圧レベルと位相とを独立して調整可能な第1レ
ベル・位相調整手段と、前記第2妨害波電圧の電圧レベ
ルと位相とを独立して調整可能な第2レベル・位相調整
手段と、前記第1及び第2レベル・位相調整手段それぞ
れの電圧出力を合成する合成手段とを備えたことを特徴
とする。
【0011】また請求項3記載の発明は、請求項2記載
の発明の構成の前記第1及び第2レベル・位相調整手段
を、トランスの1次側巻線の一端を入力点とし該入力点
とGNDとの間に接続した可変抵抗器を有するレベル調
整部と、前記トランスの2次側巻線の一端とGNDとの
間に接続した第1のコンデンサと、前記2次側巻線の他
端とGNDとの間に接続した第1の抵抗器と、前記2次
側巻線の中性点を出力点とし該出力点にGNDを共通と
して並列接続した第2のコンデンサ及び第2の抵抗器と
を有する位相調整部とを備え、前記可変抵抗器によって
電圧レベルを独立に調整し、前記第1の抵抗器、前記第
2の抵抗器、前記第1のコンデンサ及び前記第2のコン
デンサの少なくともそのいずれか1つを可変として位相
を独立に調整するものとしたことを特徴とする。
【0012】また請求項4記載の発明は、請求項1記載
の発明の構成の前記アンテナ手段に、前記第1アンテナ
部と第2アンテナ部の各アンテナ線を枠体に対して互い
に直交する位置に巻架した直交ループアンテナを用いた
たことを特徴とする。また請求項5記載の発明は、請求
項1記載の発明の構成の前記第1アンテナ部に、八木・
宇田アンテナを用い、前記第2アンテナ部に、前記八木
・宇田アンテナの放射器と近接し且つ直交する位置に配
置した直交放射器を用いたことを特徴とする。
【0013】また請求項6記載の発明は、レベル・位相
調整回路を、トランスの1次側巻線の一端を入力点とし
該入力点とGNDとの間に接続した可変抵抗器を有する
レベル調整部と、前記トランスの2次側巻線の一端とG
NDとの間に接続した第1のコンデンサと、前記2次側
巻線の他端とGNDとの間に接続した第1の抵抗器と、
前記2次側巻線の中性点を出力点とし該出力点にGND
を共通として並列接続した第2のコンデンサ及び第2の
抵抗器とを有する位相調整部とを備え、前記可変抵抗器
によって電圧レベルを独立に調整し、前記第1の抵抗
器、前記第2の抵抗器、前記第1のコンデンサ及び前記
第2のコンデンサの少なくともそのいずれか1つを可変
として位相を独立に調整する構成としたことを特徴とす
る。
【0014】
【作用】かかる構成において、請求項1記載の発明は、
目的波と、該目的波と入射方向が異なる妨害波が、直交
アンテナ系による妨害波除去装置に到来すると、目的波
に対して最大の誘起電圧を取り出す方向に向けられた第
1アンテナ部には、目的波と妨害波の両方の電波による
誘起電圧が発生する。一方、第2アンテナ部には、目的
波による誘起電圧は発生せず、妨害波による誘起電圧だ
けが発生する。そして、アンテナ手段に誘起した電圧出
力は、妨害波除去手段に入力し、妨害波除去手段では、
第1アンテナ部で誘起した第1妨害波電圧と第2アンテ
ナ部で誘起した第2妨害波電圧の電圧レベル及び位相を
調整し合成することにより、受信した妨害波による誘起
電圧は打ち消され目的波による誘起電圧だけが残るよう
になる。このようにして、本装置は目的波のみを妨害な
く受信する。
【0015】また請求項2記載の発明は、第1及び第2
妨害波電圧をそれぞれ妨害波除去手段の第1及び第2レ
ベル・位相調整手段に入力すると、電圧レベルと位相と
を同時且つ独立に調整することができるため、それぞれ
の電圧レベル及び位相の調整が容易となる。調整した両
妨害波電圧を合成手段で重畳することにより、妨害波は
打ち消され目的波だけが残るようになる。
【0016】さらに請求項3記載の発明は、第1及び第
2レベル・位相調整手段を、トランス、抵抗器及びコン
デンサを用いた電子回路とすることにより、電圧レベル
と位相とを同時且つ独立に調整可能な回路が、容易且つ
安価に構成される。また請求項4記載の発明は、前記第
1アンテナ部と第2アンテナ部の各アンテナ線を枠体に
対して互いに直交する位置に巻架した直交ループアンテ
ナで構成することにより、特に中波帯において目的波を
妨害なく受信する。
【0017】あるいは請求項5記載の発明は、第1アン
テナ部に八木・宇田アンテナを用い、第2アンテナ部に
は前記八木・宇田アンテナの放射器と近接し且つ直交す
る位置に直交放射器を配置して構成することにより、特
にVHF帯において目的波を妨害なく受信する。また請
求項6記載の発明は、トランス、抵抗器及びコンデンサ
を用いて電圧レベルと位相とを同時且つ独立に調整可能
なレベル・位相調整回路を構成することにより、例え
ば、妨害波を除去する場合の電圧レベル及び位相の調整
作業が容易になる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明の第1実施例の構成を示す図1において、
目的波Dは、図に示された方向から到来し、妨害波U
は、目的波Dと角度φだけずれた方向から到来する。こ
れら目的波D、妨害波Uを受信するアンテナ手段である
アンテナ1は、後述するように、第1アンテナ部として
のループアンテナ1Aと第2アンテナ部としてのループア
ンテナ1Bとを有する。ループアンテナ1Aは、目的波Dに
対して最大の誘起電圧を発生する方向、例えば、目的波
Dの入射方向と平行に配置する。ループアンテナ1Bは、
ループアンテナ1Aに対して直角に交差する位置に配置す
る。妨害波除去手段2は、ループアンテナ1A,1B の出力
端子11A,11B に接続する増幅器21A,21B と、増幅器21A
の出力を入力点aの入力とする第1レベル・位相調整手
段であるレベル・位相調整回路22A と、増幅器21B の出
力を入力点bの入力とする第2レベル・位相調整手段で
あるレベル・位相調整回路22B と、合成手段である合成
トランス23と、切替えスイッチ24と、出力端子25とを有
する。合成トランス23は、1次側巻線に接続したレベル
・位相調整回路22A の出力点cの出力と、2次側巻線に
接続したレベル・位相調整回路22B の出力点dの出力と
の和電圧及び差電圧を出力する。切替えスイッチ24を介
して和電圧または差電圧が出力端子25より出力する。
尚、増幅器21A,21B は、各アンテナの出力電圧が受信に
十分なレベルにあるとき省略可能である。
【0019】ここで、レベル・位相調整回路22A,22B の
構成及び原理について詳しく説明する。レベル・位相調
整回路22A,22B は、それぞれレベル調整部と、位相調整
部とを備え、電圧レベルと位相とを同時且つ独立に調整
可能な構成である。レベル・位相調整回路の構成を示す
図2において、レベル調整部は、図1に示した増幅器21
A 又は21B が接続する入力点a又はbとトランスT1の1
次側巻線との間に接続する可変抵抗器R3で構成され、抵
抗値を調整することによって増幅器21A 又は21B の出力
の電圧レベルが変化する。位相調整部は、可変抵抗器R3
で電圧レベルが調整された入力電圧ei をトランスT1の
1次側巻線に入力し、2次側巻線の一端とGNDとの間
に第1のコンデンサC1、他端とGNDとの間に第1の抵
抗器としての可変抵抗器R1を接続し、2次側巻線の中性
点である出力点c又はdにGNDを共通として第2のコ
ンデンサC2及び第2の抵抗器R2を並列接続し、出力点c
又はdの電圧を出力電圧eo として構成する。また、図
の各点におけるインピーダンスを、Z1=R1, Z2=R2+(1/ j
ωC2), Z3=1/ jωC1 とする。ただしωは入力電圧ei
の角周波数ω=2πf (f: 周波数) である。
【0020】この位相調整部の入力電圧ei と出力電圧
o の関係は、R1C1=R2C2=CRとするとき、(1) 式で表さ
れる。 (eo / ei )= (1/Z1)-(1/Z3) / (1/Z1)+(1/Z2)+(1/Z3) = R2/(R1+R2) (1 -jωCR)/(1+jωCR) = R2/(R1+R2) exp(-j2tan-1ωCR) (1) (1) 式において、R2≫R1(R2はR1より十分に大きな値)
とすれば、出力電圧の振幅は、R1あるいはR2の変化に拘
わらず一定であり、その位相はω,C,Rによって独立に変
化することを意味している。従って、図2のようにレベ
ル・位相調整回路を構成すれば、電圧レベルは可変抵抗
器R3の抵抗値を変化させて調整し、位相は、可変抵抗器
R1の抵抗値を変化させて調整することによって、電圧レ
ベルと位相とを独立して調整することができる。尚、位
相の調整は可変抵抗器R1に限らず、抵抗器R2及びコンデ
ンサC1,C2 のいずれか1つ、あるいは、それら複数の組
み合わせを可変として行うことも可能である。例えば、
図3に示すように、抵抗器R2を可変抵抗器R2''とし、可
変抵抗器R1と連動させて2連の可変抵抗器を構成すれ
ば、前記のR2≫R1の条件に拘わらず振幅の変化はなく、
より好ましい構成となる。
【0021】次に、図1に示すアンテナ1の具体的な構
造を図4に示し詳しく説明する。図4は中波帯用に用い
るループアンテナの構造を示す。図において、例えば立
方体の枠体である巻枠31の平行な4辺に、ループアンテ
ナ1Aのアンテナ線Lを、巻線を2つに分割し、一定の間
隔dをもって巻架した上で並列に接続する。ループアン
テナ1Bは、ループアンテナ1Aが巻架する巻枠31の辺と垂
直な4辺に、ループアンテナ1Aと同様にアンテナ線L
を、巻線を2つに分割し、一定の間隔dをもって巻架し
た上で並列に接続して構成する。ループアンテナ1A,1B
の出力端子11A,11B は、図1の増幅器21A,21B 及びGN
Dに接続する。また、ループアンテナ1Aは、目的波Dの
入射方向に向けられ最大の誘起電圧が発生するように設
置する。尚、巻枠31は立方体に限らず、直方体や球体等
の形状においても応用可能であり、ループアンテナ1A,1
B の巻線は、目的波に応じて、例えば2分割しない形状
等、上記の形状以外においても応用できる。
【0022】次に、第1実施例の動作を説明する。目的
波D方向を向いたループアンテナ1Aには、目的波Dによ
って誘起する電圧VD と、妨害波Uによって誘起する第
1妨害波電圧である電圧VU cos φとの和( VD + VU
cos φ) の誘起電圧が発生する。この誘起電圧は増幅器
21A 及びレベル・位相調整回路22A を介して合成トラン
ス23の1次側に、K1( VD + VU cos φ) の形で加えら
れる。ただし、K1は増幅器21A 及びレベル・位相調整回
路22A による係数である。
【0023】一方、ループアンテナ1Aと直交するループ
アンテナ1Bには、目的波Dによる電圧は誘起せず、妨害
波Uによって誘起する第2妨害波電圧である電圧VU si
n φが発生する。この誘起電圧は増幅器21B 及びレベル
・位相調整回路22B を介して合成トランス23の2次側巻
線の中性点にK2U sin φの形で加えられる。ただし、
K2は増幅器21B 及びレベル・位相調整回路22B による係
数である。
【0024】レベル・位相調整回路22A,22B は、それぞ
れの妨害波電圧VU cos φ, VU sin φの電圧レベルと
位相が一致するように調整する。このとき各妨害波の電
圧レベルはK1U cos φ=K2U sin φ、位相差は零に
なっている。そして、合成トランス23では、1次側巻線
に加えられた電圧K1( VD + VU cos φ) と2次側巻線
に加えられた電圧K2U sin φとの和電圧及び差電圧を
出力する。その和電圧と差電圧とにおいて、妨害波が低
下した側の出力、ここでは位相が一致するように調整し
ているので差電圧側の出力を切替えスイッチ24を操作し
て、出力端子25に出力する。尚、レベル・位相調整回路
22A,22B において位相が逆位相となるように調整した場
合は、合成トランス23の和電圧側の出力が出力端子25に
出力するように切替えスイッチ24を操作する。
【0025】このようにして、ループアンテナ1A,1B で
受信した妨害波電圧を互いに打ち消し、目的波電圧だけ
を出力端子25より取り出すことが可能となり、且つ、簡
略な構成とすることができるため、部品点数が減少しコ
ストの低減を図ることが可能となる。また、電圧レベル
と位相とを同時且つ独立に調整可能なレベル・位相調整
回路22A,22B を適用することにより、ループアンテナ1
A,1B で誘起した妨害波電圧の、電圧レベルと位相をそ
れぞれ独立に調整することができ、電圧レベル及び位相
の調整を容易に行うことができる。
【0026】さらに、ループアンテナ1A,1B を直交ルー
プアンテナで構成することにより、特に中波帯の目的波
を妨害なく受信するのに適したものとすることができ、
加えて、ループアンテナ1A,1B それぞれを構成する巻線
を2つに分割し且つ分離することにより、巻線間の結合
が減少しインピーダンスが低下すると共に、利得も増大
する。
【0027】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。第2実施例は、第1実施例のレベル・位相調整回路
22A,22B を1回路化した構成であり、図5に2チャンネ
ルのレベル・位相調整回路22の一例を示す。図におい
て、レベル調整部としての可変抵抗器R3は、トランスT
1,T1'の1次側巻線の一端で増幅器21A,21B が接続する
入力点a,b の間に接続され抵抗値を変化することによっ
て増幅器21A,21B の出力の電圧レベルを調整する。可変
抵抗器R3で電圧レベルを調整した増幅器21A の電圧信号
はトランスT1の1次側巻線に入力し、可変抵抗器R3で電
圧レベルを調整した増幅器21B の電圧信号はトランスT
1'の1次側巻線に入力する。位相調整部は、トランスT1
の2次側巻線の一端とGNDの間にコンデンサC1、他端に
可変抵抗器R1、中性点にコンデンサC2及び抵抗器R2が接
続し、トランスT1' の2次側巻線の一端とGND の間にコ
ンデンサC1' 、他端に前記トランスT1の1次巻線の他端
と接続する可変抵抗器R1、中性点にコンデンサC2' 及び
抵抗器R2' が接続する。また抵抗器R2と抵抗器R2' 及び
コンデンサC2とコンデンサC2' をそれぞれ接続し、各接
続点と可変抵抗器R1の摺動接点とを接続する。尚、第2
実施例の妨害波除去装置において、レベル・位相調整回
路22以外の構成は第1実施例と同一であるので説明を省
略する。また、可変抵抗器R1と同様にして抵抗器R2,R2'
を共通の可変抵抗器としたり、コンデンサC1,C1'または
コンデンサC2,C2'をそれぞれ可変コンデンサとすること
も可能である。
【0028】上述の2チャンネルのレベル・位相調整回
路22を用いると、増幅器21A,21B それぞれの出力の、電
圧レベルを1つの可変抵抗器R3によって同時に調整し、
位相を1つの可変抵抗器R1によって同時に調整すること
により、電圧レベル及び位相の調整作業をより容易に行
うことが可能となる。また、レベル・位相調整回路を独
立して2つ設ける場合に比べて、部品点数が削減でき
る。従ってレベル・位相調整回路22の回路構成が簡素化
され、コストの低減を図ることもできる。
【0029】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。第3実施例は、アンテナ1をVHF帯におけるスポ
ラデックE層反射による妨害波の除去に好適な構造とし
たものである。即ち、第1アンテナ部として、通常のV
HF帯用に用いる八木・宇田アンテナを用い、第2アン
テナ部として八木・宇田アンテナの放射器51A と近接し
且つ直交する直交放射器51B を用いてアンテナ1を構成
した実施例である。
【0030】図6に本実施例の八木・宇田アンテナ及び
直交放射器51B の構造を示す。図において、例えば、5
素子で構成される八木・宇田アンテナを用いるとき、1
本の放射器及51A 、3本の導波器51C 及び1本の反射器
51D を備えた八木・宇田アンテナに、直交放射器51B を
放射器51A に直交して配置する。アンテナ出力端子52A,
52B は, 放射器51A 及び直交放射器51B の出力端子であ
る。アンテナ出力端子52A とアンテナ出力端子52B は、
できるだけ近接した位置になるようにし、放射器51A 及
び直交放射器51B に誘起する妨害波電圧の相関を密にな
るようにする。VHF帯におけるスポラデックE層反射
による遠距離からの妨害波は、偏波面の回転を生じて到
来することが多く、目的波が仮に水平偏波であるとする
と、図6のように、第1アンテナ部としての八木・宇田
アンテナを目的波D方向NI向けて設置した場合に、第
1アンテナ部の八木・宇田アンテナには、最大感度で目
的波Dが受信されるが、それとともに、妨害波の水平偏
波成分が妨害波の到来方向に応じ、八木・宇田アンテナ
の指向特性に従った量の誘起電圧を生じ、これが受信さ
れた目的波Dに対し妨害として加わる。一方、第2アン
テナ部として設けた直交放射器51B には、到来した妨害
波の垂直偏波成分により、妨害波電圧が誘起する(目的
波Dは、直交放射器51B には誘起電圧を生じない)。
【0031】即ち、目的波D方向を向いた第1アンテナ
部には目的波Dによって誘起する電圧と妨害波によって
誘起する第1妨害波電圧との和の誘起電圧が発生する。
この誘起電圧は、第1実施例と同じく、増幅器21A に加
えられる。一方、第1アンテナ部と直交する第2アンテ
ナ部には、目的波Dによる電圧は誘起せず、妨害波によ
って誘起する第2妨害波電圧が発生する。この誘起電圧
は、第1実施例と同じく、増幅器21B に加えられる。
尚、八木・宇田アンテナは5素子に限らず、受信する目
的波に応じて任意の素子数としても応用可能である。第
3実施例の妨害波除去装置において、アンテナ1以外の
構成部分は第1実施例と同一であり説明を省略する。
【0032】上記の構成とすると、アンテナに八木・宇
田アンテナ及び直交放射器51B を用いることにより、特
にVHF帯の目的波をスポラデックE層からの反射によ
る妨害波の混信なく受信するのに適した構成とすること
ができる。また、本発明の妨害波除去装置に適用した、
図2及び図4に示したレベル・位相調整回路は、例え
ば、テレビ、FM中継放送所のダイバシティ受信におけ
る位相調整等にも広く応用できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、アンテナ手段で受信した妨害波電圧
が、妨害波除去手段において互いに打ち消され、目的波
電圧だけを取り出すことができ、これまで悩まされてき
た中波帯における外国電波の混信や、VHF帯における
スポラデックE層からの反射による混信妨害の除去に大
きく貢献する。また、装置の構成が簡略なものとなり、
部品点数が減少してコストの低減を図ることが可能とな
る。
【0034】また請求項2記載の発明は、第1及び第2
レベル・位相調整手段により、アンテナ手段で誘起した
妨害波電圧の電圧レベルと位相を、それぞれ独立に調整
することができ、電圧レベル及び位相の調整を容易に行
うことが可能となる。また請求項3記載の発明は、第1
及び第2レベル・位相調整手段を、トランス、抵抗器及
びコンデンサを用いた電子回路とすることにより、電圧
レベルと位相とを同時且つ独立に調整可能な回路を、容
易且つ安価に構成することができる。
【0035】また請求項4記載の発明は、アンテナ手段
に直交ループアンテナを用いることによって、特に中波
帯の目的波を妨害なく受信することが可能となる。また
請求項5記載の発明は、アンテナ手段に八木・宇田アン
テナ及び直交放射器を用いることによって、特にVHF
帯の目的波を妨害なく受信することが可能となる。
【0036】また請求項6記載の発明は、トランス、抵
抗器及びコンデンサを用いて電圧レベルと位相とを同時
且つ独立に調整することができるレベル・位相調整回路
を構成することにより、電圧レベル及び位相の調整作
業、例えば、妨害波を除去する場合の電圧レベル及び位
相の調整作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す図
【図2】同上実施例の1つの可変抵抗器を用いたレベル
・位相調整回路の構成を示す図
【図3】同上実施例の2つの可変抵抗器を連動させたレ
ベル・位相調整回路の構成を示す図
【図4】同上実施例の中波帯用直交ループアンテナの構
造図
【図5】本発明の第2実施例の2チャンネルのレベル・
位相調整回路図
【図6】本発明の第3実施例のVHF帯用直交アンテナ
の構造図
【符号の説明】
1 アンテナ 1A,1B ループアンテナ 2 妨害波除去手段 22A,22B,22 レベル・位相調整回路 23 合成トランス T1,T1' トランス R1,R3,R2'' 可変抵抗器 R2,R2' 抵抗器 C1,C1',C2,C2' コンデンサ a,b 入力点 c,d 出力点 31 巻枠 51A 放射器 51B 直交放射器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】目的波に対して最大の誘起電圧を取り出す
    方向に配置した第1アンテナ部と、該第1アンテナ部と
    近接し且つ直交する位置に配置した第2アンテナ部とを
    有するアンテナ手段と、前記第1アンテナ部に誘起した
    第1妨害波電圧及び前記第2アンテナ部に誘起した第2
    妨害波電圧の電圧レベル及び位相を調整し合成して妨害
    波のみを除去する妨害波除去手段とを備えて構成したこ
    とを特徴とする直交アンテナ系による妨害波除去装置。
  2. 【請求項2】前記妨害波除去手段は、前記第1妨害波電
    圧の電圧レベルと位相とを独立して調整可能な第1レベ
    ル・位相調整手段と、前記第2妨害波電圧の電圧レベル
    と位相とを独立して調整可能な第2レベル・位相調整手
    段と、前記第1及び第2レベル・位相調整手段それぞれ
    の電圧出力を合成する合成手段とを備えて構成したこと
    を特徴とする請求項1記載の直交アンテナ系による妨害
    波除去装置。
  3. 【請求項3】前記第1及び第2レベル・位相調整手段
    は、トランスの1次側巻線の一端を入力点とし該入力点
    とGNDとの間に接続した可変抵抗器を有するレベル調
    整部と、前記トランスの2次側巻線の一端とGNDとの
    間に接続した第1のコンデンサと、前記2次側巻線の他
    端とGNDとの間に接続した第1の抵抗器と、前記2次
    側巻線の中性点を出力点とし該出力点にGNDを共通と
    して並列接続した第2のコンデンサ及び第2の抵抗器と
    を有する位相調整部とを備え、前記可変抵抗器によって
    電圧レベルを独立に調整し、前記第1の抵抗器、前記第
    2の抵抗器、前記第1のコンデンサ及び前記第2のコン
    デンサの少なくともそのいずれか1つを可変として位相
    を独立に調整する構成としたことを特徴とする請求項2
    記載の直交アンテナ系による妨害波除去装置。
  4. 【請求項4】前記アンテナ手段は、前記第1アンテナ部
    と第2アンテナ部の各アンテナ線を枠体に対して互いに
    直交する位置に巻架した直交ループアンテナで構成した
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の
    直交アンテナ系による妨害波除去装置。
  5. 【請求項5】前記アンテナ手段は、前記第1アンテナ部
    を八木・宇田アンテナで構成し、前記第2アンテナ部を
    前記八木・宇田アンテナの放射器と近接し且つ直交する
    位置に配置した直交放射器で構成したことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1つに記載の直交アンテナ系に
    よる妨害波除去装置。
  6. 【請求項6】トランスの1次側巻線の一端を入力点とし
    該入力点とGNDとの間に接続した可変抵抗器を有する
    レベル調整部と、前記トランスの2次側巻線の一端とG
    NDとの間に接続した第1のコンデンサと、前記2次側
    巻線の他端とGNDとの間に接続した第1の抵抗器と、
    前記2次側巻線の中性点を出力点とし該出力点にGND
    を共通として並列接続した第2のコンデンサ及び第2の
    抵抗器とを有する位相調整部とを備え、前記可変抵抗器
    によって電圧レベルを独立に調整し、前記第1の抵抗
    器、前記第2の抵抗器、前記第1のコンデンサ及び前記
    第2のコンデンサの少なくともそのいずれか1つを可変
    として位相を独立に調整する構成としたことを特徴とす
    るレベル・位相調整回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008523671A (ja) * 2004-12-09 2008-07-03 エースリー‐アドバンスド、オートモーティブ、アンテナズ 自動車用の小型アンテナ
CN112771720A (zh) * 2018-07-16 2021-05-07 娜塔莉亚·鲍里索夫娜·费多索娃 谐振式多程天线

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