JPH0713135A - 液晶デバイス及びその製造方法 - Google Patents

液晶デバイス及びその製造方法

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JPH0713135A
JPH0713135A JP5156827A JP15682793A JPH0713135A JP H0713135 A JPH0713135 A JP H0713135A JP 5156827 A JP5156827 A JP 5156827A JP 15682793 A JP15682793 A JP 15682793A JP H0713135 A JPH0713135 A JP H0713135A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal device
transparent polymer
light control
polymer substance
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Application number
JP5156827A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ogawa
洋 小川
Takeshi Kuriyama
毅 栗山
Hisao Yamaguchi
尚男 山口
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚
の基板と、これらの基板間に支持された調光層とを有
し、前記調光層が、液晶材料及び透明性高分子物質を含
有する液晶デバイスにおいて、前記透明性高分子物質と
して、フルオレン環を有する重合性化合物を含有する重
合性組成物を重合してなる透明性高分子物質を用いる。 【効果】 低電圧駆動が可能であり、高コントラスト画
像が得られ、良好な温度特性を有するので、大面積で薄
型の表示用液晶デバイスとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大面積になし得る液晶
デバイス及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、視
野の遮断、開放、及び明かり若しくは照明光の透過制
限、遮断、透過を電気的に操作し得るものであって、建
物の窓やショーウインドウなどで視野遮断のスクリーン
や、採光コントロールのカーテンに利用されると共に、
文字や図形を表示し、高速応答性を以て電気的に表示を
切り換えることによって、OA器材などのディスプレイ
ー等のハイインフォーメーション表示体、広告板、案内
板、装飾表示板等の表示用デバイスとして利用される液
晶デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶デバイスは、従来、ネマチック液晶
を使用したTN(ツイスティッド・ネマチック)型やS
TN(スーパー・ツイスティッド・ネマチック)型のも
のが実用化されている。また、強誘電性液晶を利用した
ものも提案されている。しかしながら、これらは偏光板
を要するものであり、また、配向処理を要するものでも
ある。
【0003】一方また、それらを要さず、明るくコント
ラストのよい、大型で廉価な液晶デバイスを製造する方
法として、液晶のカプセル化により、ポリマー中に液晶
滴を分散させ、そのポリマーをフィルム化する方法が知
られている。ここでカプセル化物質としては、ゼラチ
ン、アラビアゴム、ポリビニルアルコール等が提案され
ている(特表昭58−501631号公報、米国特許第
4435047号明細書)。
【0004】上記明細書で開示された技術においては、
ポリビニルアルコールでカプセル化された液晶分子は、
それが薄層中で正の誘電率異方性を有するものであれ
ば、電界の存在下でその液晶分子が電界の方向に配列
し、液晶の屈折率noとポリマーの屈折率npが等しいと
きには、透明性を発現する。電界が除かれると、液晶分
子はランダム配列に戻り、液晶滴の屈折率がnoよりず
れるため、液晶滴は、その境界面で光を散乱し、光の透
過を遮断するので、薄層体は白濁する。
【0005】このように、カプセル化された液晶を分散
包蔵したポリマーを薄膜としている技術は、上記のもの
以外にもいくつか知られており、例えば、特表昭61−
502128号公報には、液晶エポキシ樹脂中に分散し
たもの、特開昭62−2231号公報には、特殊な紫外
線硬化ポリマー中に液晶が分散したもの、特開昭63−
271233号公報には、光硬化性ビニル系化合物と液
晶との溶解物において、上記光硬化性ビニル系化合物の
光硬化に伴う液晶物質の相分離を利用し調光層を形成さ
せた技術等が開示されている。
【0006】また、液晶デバイスの実用化に要求される
重要な特性である低電圧駆動特性、高コントラスト、時
分割駆動を可能にするために、特開平1−198725
号公報には、液晶材料の連続層中にポリマーを三次元網
目状構造に形成させ、液晶デバイスの低電圧駆動を可能
にした技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶材
料の連続層中に三次元網目状構造を有するポリマーを形
成してなる調光層を有する液晶デバイスをはじめとし
て、液晶とポリマーとからなる液晶デバイスにおいて
は、その駆動電圧は、10V以上であり、現在汎用され
ている液晶デバイス駆動用のICドライバーを使用する
のは極めて困難であった。
【0008】また、5V以下で駆動可能な場合でも、低
温時と高温時におけるそれぞれの駆動電圧が、大きく変
化するといった温度特性に関して実用上の問題点を抱え
ていた。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、従来の
大型液晶デバイスにおいて駆動電圧が低く、コントラス
トが高く、かつ、温度特性が改善され、しかも偏光板を
必要としない液晶デバイス及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至っ
た。
【0011】すなわち、本発明は上記課題を解決するた
め、 (1)電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基
板と、これらの基板間に支持された調光層とを有し、前
記調光層が、液晶材料及び透明性高分子物質を含有する
液晶デバイスにおいて、前記透明性高分子物質が、フル
オレン環を有する重合性化合物を含有する重合性組成物
を重合してなることを特徴とする液晶デバイス、 (2)電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基
板と、これらの基板間に支持された調光層を有し、該調
光層が液晶材料及び透明性高分子物質を含有する液晶デ
バイスにおいて、前記透明性高分子物質が、(1)単
官能型(メタ)アクリレート誘導体、及び多官能型
(メタ)アクリレート誘導体からなり、且つ(2)この
うちの少なくとも1種がフルオレン環を有する(メタ)
アクリレート誘導体である(メタ)アクリレート組成物
を含有する重合性組成物を重合してなる透明性高分子物
質であることを特徴とする液晶デバイス、および (3)電極層を有する少なくとも一方が透明な2枚の基
板間に、(1)液晶材料、(2)フルオレン環を有する重
合性化合物を含有する光重合性組成物、及び(3)光重
合開始剤を含有する調光層形成材料を介在させ、この調
光層形成材料に活性光線を照射して前記重合性組成物を
重合させることによって、液晶材料及び透明性高分子物
質を含有する調光層を形成する液晶デバイスの製造方法 を提供する。
【0012】本発明で使用する基板は、堅固な材料、例
えば、ガラス、金属等であってもよく、柔軟性を有する
材料、例えば、プラスチックフィルムの如きものであっ
てもよい。そして、基板は2枚が対向して適当な間隔を
隔て得るものであり、その少なくとも一方は透明性を有
し、その2枚の間に挟持される液晶層及び透明性高分子
物質を有する層からなる調光層を外界から視覚させるも
のでなければならない。ただし、完全な透明性を必須と
するものではない。
【0013】もし、この液晶デバイスが、デバイスの一
方の側から他方の側へ通過する光に対して作用させるた
めに使用される場合は、2枚の基板は、共に適宜な透明
性が与えられる。この基板には、目的に応じて透明、不
透明の適宜な電極が、その全面または部分的に配置され
てもよい。ただし、プラスチックの如き柔軟性を有する
材料の場合には、堅固な材料、例えば、ガラス、金属等
に固定したうえで本発明の液晶デバイスに用いることが
できる。
【0014】また、2枚の基板間には、通常、周知の液
晶デバイスと同様、間隔保持用のスペーサーを介在させ
ることもできる。スペーサーとしては、例えば、マイラ
ー、アルミナ、ロッドタイプのガラスファイバー、ガラ
スビーズ、ポリマービーズ等種々の液晶セル用のものを
用いることができる。
【0015】本発明で使用する液晶材料は、単一の液晶
性化合物であることを要しないのは勿論で、2種以上の
液晶化合物や液晶化合物以外の物質も含んだ混合物であ
ってもよく、通常この技術分野で液晶材料として認識さ
れるものであればよく、そのうちの正の誘電率異方性を
有するものが好ましい。用いる液晶としては、ネマチッ
ク液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶が好ま
しく、ネマチック液晶が特に好ましい。その性能を改善
するために、コレステリック液晶、カイラルネマチック
液晶、カイラルスメクチック液晶等やカイラル化合物が
適宜含まれていてもよい。
【0016】本発明で使用する液晶材料は、以下に示し
た化合物群から選ばれる1種以上の化合物からなる配合
組成物が好ましく、液晶材料の特性、すなわち、等方性
液体と液晶の相転移温度、融点、粘度、屈折率異方性
(Δn)、誘電率異方性(Δε)及び重合性組成物等と
の溶解性等を改善することを目的として適宜選択、配合
して用いることができる。
【0017】液晶材料としては、例えば、4−置換安息
香酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキ
サンカルボン酸4’−置換フェニルエステル、4−置換
シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−置換
シクロヘキシル)安息香酸4’−置換フェニルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4’−置
換シクロヘキシルエステル、4−置換4’−置換ビフェ
ニル、4−置換フェニル4’−置換シクロヘキサン、4
−置換4”−置換ターフェニル、4−置換ビフェニル
4’−置換シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)
5−置換ピリミジン等を挙げることができる。
【0018】調光層形成材料中の液晶材料の含有量は、
60〜98重量%の範囲が好ましく、70〜90重量%
の範囲が特に好ましい。
【0019】前記調光層中に形成される透明性高分子物
質は、その中に液晶材料を分散する構造のものでもよい
が、三次元網目状構造を有するものがより好ましい。
【0020】この透明性高分子物質の三次元網目状部分
には液晶材料が充填され、かつ、液晶材料が連続層を形
成することが好ましく、液晶材料の無秩序な状態を形成
することにより、光学境界面を形成し、光の散乱を発現
させる。
【0021】この透明性高分子物質は、堅固なものに限
らず、目的に応じ得る限り可撓性、柔軟性、弾性を有す
るものであってもよい。
【0022】本発明の液晶デバイスは、次のようにして
製造することができる。
【0023】すなわち、電極層を有する少なくとも一方
が透明性を有する2枚の基板間に、液晶材料、フル
オレン環を有する重合性化合物を含有する重合性組成
物、重合開始剤、及び任意成分として、連鎖移動剤、
光増感剤、染料、架橋剤、その他よりなる調光層形成材
料を介在させ、重合用エネルギーを供給し、前記重合性
組成物を重合硬化させることによって、その中に液晶材
料を分散させた構造を有する透明性高分子物質または液
晶材料の連続層中に三次元網目状構造を有する透明性高
分子物質を形成してなる調光層を有する液晶デバイスを
製造することができる。
【0024】均一な三次元網目構造を有する透明性高分
子物質を形成してなる調光層を形成するには紫外線照射
時に調光層形成構成材料を等方性液体状態に保つことが
望ましい。
【0025】調光層形成材料を2枚の基板間に介在させ
るには、この調光層形成材料を基板間に注入してもよい
が、一方の基板上に適当な溶液塗布機やスピンコーター
等を用いて均一に塗布し、次いで他方の基板を重ね合わ
せ圧着させてもよい。
【0026】また、一方の基板上に調光層形成材料を均
一な厚さに塗布し、重合用エネルギーを供給することに
よって重合性組成物を重合硬化させて調光層を形成した
後、他方の基板を貼り合わせる液晶デバイスの製造方法
もまた有効である。
【0027】重合用エネルギーとしては、透明性高分子
物質が適切に重合できるものであればよく、例えば、紫
外線、可視光線、電子線等の放射線や熱等が挙げられ
る。特に、紫外線による光重合方法は好適である。ま
た、調光層形成材料の等方性液体状態を保持しながら紫
外線を照射することは、均一な調光層を形成する上で好
ましい。
【0028】液晶材料中で光重合性組成物を重合させる
には、一定の強さ以上の光照射強度及び照射量を必要と
するが、それは光重合性組成物の反応性及び光重合開始
剤の種類、濃度によって左右され、適切な光強度の選択
により三次元網目状構造の形成、及びその網目の大きさ
を均一にすることができる。
【0029】さらに好ましくは、光照射方法としては、
時間的、平面的に均一に照射することは基板間に介在す
る光重合性組成物に瞬間的に強い光を照射して重合を進
行させ、これによって網目の大きさを均一にする上で効
果的である。すなわち、適切な強度でパルス状に紫外線
を照射することにより、均一な三次元網目状構造を有す
る透明性高分子物質を液晶層中に形成することができ、
その結果、得られた液晶デバイスは、明確なしきい値電
圧と急峻性を有するものとなり、時分割駆動が可能とな
る。
【0030】本発明で使用する光重合性組成物中に、フ
ルオレン環を有する重合性化合物以外に、(1)単官能
型(メタ)アクリレート誘導体の如き重合体形成モノマ
ー、(2)多官能型アクリル系モノマー、多官能型アク
リル系オリゴマーの如き多官能型(メタ)アクリレート
誘導体を含有してもよい。
【0031】本発明の液晶デバイスにおいて、単官能型
(メタ)アクリレート誘導体を併用することにより、特
に低電圧駆動を実現することができる。重合性組成物中
の単官能型(メタ)アクリレート誘導体の割合は、5〜
95重量%の範囲が好ましく、20〜80重量%の範囲
が特に好ましい。
【0032】本発明で使用するフルオレン環を有する重
合性化合物は、フルオレン環を有する(メタ)アクリレ
ート誘導体が好ましく、そのような誘導体は、公知の方
法により、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル
酸クロリドを用いて、フルオレン環を有するアルコール
またはフルオレン環置換−OH基を(メタ)アクリルエ
ステル化することによって得られる。
【0033】また、フルオレン環を有するアルコールま
たはフルオレン環置換−OH基含有化合物と、エポキシ
基を有する反応性化合物または環状エステル化合物、あ
るいは水酸基を有するカルボン酸化合物等とを反応さ
せ、さらに、水酸基を(メタ)アクリルエステル化する
ことによっても得られる。
【0034】ここで使用するフルオレン環を有するアル
コールまたはフルオレン環置換−OH基含有化合物とし
ては、例えば、9−フルオレンメタノ−ル、9,9−ビ
ス(4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシエチル
オキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチ
ル−4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(3,3’−ジメチル−4−ヒドロキ
シエチルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)
フルオレン等を挙げることができる。
【0035】エポキシ基を有する反応性化合物として
は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、
スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド等のエポキ
シド化合物やメチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、
ラウリル、ステアリル、フェニル、2−メチルフェニ
ル、フルフリルの如き基を有するグリシジルエーテルま
たはグリシジルエステル化合物等を挙げることができ
る。
【0036】環状エステル化合物としては、例えば、γ
−ラクトン、δ−ラクトン等が挙げられる。
【0037】本発明で使用するフルオレン環を有する
(メタ)アクリレ−ト誘導体の市販品としては、例え
ば、新日鉄化学社製のビスフェノ−ルフルオレンジヒド
ロキシアクリレ−ト、ビスフェノ−ルフルオレンジメタ
アクリレ−ト等を挙げることができる。
【0038】本発明で使用するフルオレン環を有する重
合性化合物以外に使用することができる重合性化合物と
しては、例えば、スチレン、クロロスチレン、α−メチ
ルスチレン、ジビニルベンゼン;置換基として、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、2−エチルヘ
キシル、オクチル、ノニル、ドデシル、ヘキサデシル、
ブトキシエチル、フェノキシエチル、アルリル、メタリ
ル、グリシジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキ
シプロピル、3−クロロ−2−ヒドロキシエチル、ジメ
チルアミノエチル、ジエチルアミノエチルの如き基を有
するアクリレート、メタクリレートまたはフマレート;
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−
ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキ
サメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリ
メチロールプロパン、グリセリン及びペンタエリスリト
ール等のモノ(メタ)アクリレートまたはポリ(メタ)
アクリレート;酢酸ビニル、酪酸ビニルまたは安息香酸
ビニル、アクリロニトリル、セチルビニルエーテル、リ
モネン、シクロヘキセン、ジアリルフタレート、2−,
3−または4−ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロ
キシメチルアクリルアミドまたはN−ヒドロキシエチル
メタクリルアミド及びそれらのアルキルエーテル化合
物;ネオペンチルグリコール1モルに2モル以上のエチ
レンオキサイド若しくはプロピレンオキサイドを付加し
て得たジオールのジ(メタ)アクリレート;トリメチロ
ールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイド
若しくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオー
ルのジまたはトリ(メタ)アクリレート;ビスフェノー
ルA1モルに2モル以上のエチレンオキサイド若しくは
プロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メ
タ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート1モルとフェニルイソシアネート若しくはn−
ブチルイソシアネート1モルとの反応生成物;ジペンタ
エリスリトールのポリ(メタ)アクリレート;ピバリン
酸エステルネオペンチルグリコ−ルジアクリレ−ト;カ
プロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペ
ンチルグリコ−ルジアクリレ−ト;直鎖脂肪族ジアクリ
レ−ト;ポリオレフィン変性ネオペンチルグリコ−ルジ
アクリレ−ト;エポキシ(メタ)アクリレ−ト、ポリエ
ステル(メタ)アクリレ−ト、ポリウレタン(メタ)ア
クリレ−ト、ポリエ−テル(メタ)アクリレート等を挙
げることができる。
【0039】光重合開始剤としては、例えば、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製
「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジル
ジメチルケタール(チバ・ガイギー社製「イルガキュア
651」)、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フ
ェニル〕−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイ
ギー社製「イルガキュア907」)、2,4 −ジエチ
ルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDET
X」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬
社製「カヤキュア−EPA」)との混合物、イソプロピ
ルチオキサントン(ワードプレキンソップ社製「カンタ
キュアITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル
との混合物等が挙げられる。
【0040】光重合開始剤の使用割合は、重合性組成物
に対して0.1〜10.0重量%の範囲にあることが好
ましい。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0042】なお、以下の実施例において「%」および
「部」は各々「重量%」および「重量部」を表す。評価
特性の記号、意味及び内容を下記の表1に示した。。
【0043】
【表1】
【0044】また、紫外線の照度は、ウシオ電機社製の
受光器「UVD−365PD」付きユニメータ「UIT
−101」を用いて測定した。
【0045】(合成例1)攪拌装置、冷却管、温度計を
セットした200mlの四つ口フラスコに、ビスフェノー
ルフルオレンジヒドロキシエチルエ−テル(新日鉄化学
社製;9,9−ビス(4−ヒドロキシエチルオキシフェ
ニル)フルオレン)13.2g、トリエチルアミン1
2.1g、tert−ブチルヒドロキノン0.3g、ジクロ
ロメタン100mlを加え、攪拌しながらアクリロイルク
ロリド6.5gを反応温度が5℃を超えないように徐々
に滴下した。滴下終了後、さらに4時間還流させ、析出
した塩をろ別し、ろ液を0.1N塩酸水溶液300mlで
洗浄、次いで、純水200mlで2回洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、生成物15.
1gを得た。
【0046】生成物をカラムクロマトグラフィーで精製
し、ビスフェノ−ルフルオレンジアクリルオキシエチル
エ−テル7.2gを得た。
【0047】前記アクリレ−ト化合物を赤外分光測定し
たところ、3400〜3600cm-1の水酸基の吸収が観
測されないことから、完全にアクリルエステル化されて
いることが確認された。
【0048】(実施例1)液晶材料として下記「PN−
001」(ロディック社製ネマチック液晶組成物)80
部、重合性組成物として、合成例1で得られたビスフェ
ノ−ルフルオレンジアクリルオキシエチルエ−テル1
0.0部、ラウリルアクリレート(共栄社油脂社製)
9.6部、及び重合開始剤として「イルガキュア65
1」(チバ・ガイギー社製;ベンジルジメチルケター
ル)0.4部からなる調光層形成材料を、平均粒径1
1.0μmのガラスファイバー製スペーサーが塗布され
た2枚のITO電極ガラス基板に挟み込み、基板全体を
38.7℃に保ちながら、25mW/cm2の紫外線を60
秒間照射し、調光層の厚さが11.4μmの液晶デバイ
スを得た。
【0049】液晶「PN−001」の諸特性 転移温度 68.5℃(N−I) <−25 ℃(C−N) 屈折率 ne= 1.787 nO= 1.583 屈折率異方性 △n=0.254 しきい値電圧 Vth=1.15V 20℃の粘度 59c.p. 誘電率異方性 △ε=26.9
【0050】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0051】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=4.0%、T100=86.
3%、CR=21.6、V10=4.2Vrms、V90
8.7Vrmsであり、温度特性を測定したところ、△V
/T=25mVrms/℃であった。
【0052】(合成例2)攪拌装置、冷却管、温度計を
セットした200mlの四つ口フラスコに、9−フルオレ
ンメタノ−ル(東京化成社製)7.1g、トリエチルア
ミン13.0g、tert−ブチルヒドロキノン0.3g、
ジクロロメタン100mlを加え、攪拌しながらアクリロ
イルクロリド7.2gを反応温度が5℃を超えないよう
に徐々に滴下した。滴下終了後、さらに4時間還流さ
せ、析出した塩をろ別し、ろ液を0.1N塩酸水溶液3
00mlで洗浄、次いで、純水200mlで2回洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、生成
物8.7gを得た。
【0053】生成物をカラムクロマトグラフィーで精製
を行い、9−フルオレンアクリルオキシメタノ−ル7.
6gを得た。
【0054】前記化合物を赤外分光測定したところ、3
400〜3600cm-1の水酸基の吸収が観測されないこ
とから、完全にアクリルエステル化されていることが確
認された。
【0055】(実施例2)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製液晶組成物)80.0部、重合性
組成物として「KAYARAD−HX−620」(日本
化薬社製;カプロラクトン変性ヒドロキシビバリン酸エ
ステルネオペンチルグリコールジアクリレート)5.0
部、合成例2で得られた9−フルオレンアクリルオキシ
メタノ−ル8.6部、ラウリルアクリレート(共栄社油
脂社製)6.0部、及び重合開始剤として「イルガキュ
ア651」(チバ・ガイギー社製;ベンジルジメチルケ
タール)0.4部からなる調光層形成材料を、平均粒径
11.0μmのガラスファイバー製スペーサーが塗布さ
れた2枚のITO電極ガラス基板に挟み込み、基板全体
を38.7℃に保ちながら、25mW/cm2の紫外線を6
0秒間照射し、調光層の厚さが11.4μmの液晶デバ
イスを得た。
【0056】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ三次元網目状の透明性高分子物質が
確認できた。
【0057】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=4.8%、T100=87.
5%、CR=18.2、V10=5.2Vrms、V90
9.7Vrmsであり、温度特性を測定したところ、△V
/T=22mVrms/℃であった。
【0058】(実施例3)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製液晶組成物)80.0部、重合性
組成物として「ビスフェノ−ルフルオレンジヒドロキシ
アクリレ−ト」(新日鉄化学社製;9,9−ビス(4−
(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキ
シ)フェニル)フルオレン)10.6部、ラウリルアク
リレート(共栄社油脂社製)9.0部、及び重合開始剤
として「ダロキュア1173」(メルク社製;2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン)0.4部からなる調光層形成材料を、平均粒径1
1.0μmのガラスファイバー製スペーサーが塗布され
た2枚のITO電極ガラス基板に、挟み込み、基板全体
を45℃に保ちながら、25mW/cm2の紫外線を60秒
間照射し、調光層の厚さが11.0μmの液晶デバイス
を得た。
【0059】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0060】得られた液晶デバイスの印加電圧と光透過
率の関係を測定したところ、T0=4.6%、T100=8
8.6%、CR=19.3、V10=4.5Vrms、V90
=8.3Vrmsであり、温度特性を測定したところ、△
V/T=24mVrms/℃であった。
【0061】このように、本発明の液晶デバイスは、低
電圧で駆動可能で、且つ、温度特性が良好な液晶デバイ
スであることが明らかである。
【0062】(実施例4)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製液晶組成物)80.0部、重合性
組成物として、「KAYARAD−HX−620」(日
本化薬社製;カプロラクトン変性ヒドロキシビバリン酸
エステルネオペンチルグリコールジアクリレート)8.
0部、「ビスフェノ−ルフルオレンジメタアクリレ−
ト」(新日鉄化学社製;9,9−ビス(4−メタアクリ
ルオキシフェニル)フルオレン)7.6部、ラウリルア
クリレート(共栄社油脂社製)4.0部、及び重合開始
剤として「ダロキュア1173」(メルク社製)0.4
部からなる調光層形成材料を、平均粒径11.0μmの
ガラスファイバー製スペーサーが塗布された2枚のIT
O電極ガラス基板に挟み込み、基板全体を38℃に保ち
ながら、25mW/cm2の紫外線を60秒間照射し、調光
層の厚さが11.2μmの液晶デバイスを得た。
【0063】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0064】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=4.8%、T100=87.
6%、CR=18.25、V10=3.2Vrms、V90
6.9Vrmsであり、温度特性を測定したところ、△V
/T=32mVrms/℃であった。
【0065】(比較例1)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製)80.0部、重合性組成物とし
て、「KAYARAD−HX−620」(日本火薬社
製;カプロラクトン変性ヒドロキシビバリン酸エステル
ネオペンチルグリコールジアクリレート)19.6部、
及び重合開始剤として「ダロキュア1173」(メルク
社製)0.4部からなる調光層形成材料を、平均粒径1
1.0μmのガラスファイバー製スペーサーの塗布され
た2枚のITO電極ガラス基板に挟み込み、基板全体を
40℃に保ちながら、25mW/cm2の紫外線を60秒間
照射し、調光層の厚みが11.4μmの液晶デバイスを
得た。得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微鏡で観
察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質が確認
できた。
【0066】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=4.1%、T100=85.
2%、CR=20.8、V10=5.5Vrms、V90=1
4.2Vrmsであり、温度特性を測定したところ、△V
/T=150mVrms/℃であった。
【0067】本発明の液晶デバイスに比べ、駆動電圧が
高く、温度特性が悪く、実用上問題点を有するものであ
った。
【0068】(比較例2)液晶材料として「PN−00
1」(ロディック社製液晶組成物)80.0部、重合性
組成物として、「KAYARAD−HX−620」(日
本火薬社製;カプロラクトン変性ヒドロキシビバリン酸
エステルネオペンチルグリコールジアクリレート)1
1.8部、ラウリルアクリレート(共栄社油脂社製)
7.8部、及び重合開始剤として「ダロキュア117
3」0.4部からなる調光層形成材料を、平均粒径1
1.0μmのガラスファイバー製スペーサーの塗布され
た2枚のITO電極ガラス基板に挟み込み、基板全体を
32℃に保ちながら、25mW/cm2の紫外線を60秒間
照射し、調光層の厚みが11.3μmの液晶デバイスを
得た。
【0069】得られた液晶デバイスの調光層を電子顕微
鏡で観察したところ、三次元網目状の透明性高分子物質
が確認できた。
【0070】この液晶デバイスの印加電圧と光透過率の
関係を測定したところ、T0=5.6%、T100=90.
2%、CR=16.1、V10=3.2Vrms、V90
7.3Vrmsであり、温度特性を測定したところ、△V
/T=130mVrms/℃であった。
【0071】以上、実施例1〜4および比較例1〜2に
おいて、用いた重合性組成物と調光層中に占める割合を
表2に示し、評価特性の結果を表3に示した。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【発明の効果】本発明の液晶デバイスは大面積で薄膜型
のものであり、表3から明らかなように、従来の液晶分
散型の液晶デバイスまたは液晶連続層型液晶デバイスと
比べ、10Vrms以下という低電圧の駆動が可能であ
り、そのため、LCD用のLSIの使用が可能となる。
また、温度特性が改善されることにより、各作動温度に
おける駆動電圧の変化が小さくなり、より実用的であ
る。したがって、従来のこの種の調光用液晶デバイスの
みならず、大面積で薄型の、より高度な文字、グラフィ
ック等の表示用液晶デバイスとして極めて有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
    2枚の基板と、これらの基板間に支持された調光層とを
    有し、前記調光層が、液晶材料及び透明性高分子物質を
    含有する液晶デバイスにおいて、前記透明性高分子物質
    が、フルオレン環を有する重合性化合物を含有する重合
    性組成物を重合してなることを特徴とする液晶デバイ
    ス。
  2. 【請求項2】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
    2枚の基板と、これらの基板間に支持された調光層を有
    し、該調光層が液晶材料及び透明性高分子物質を含有す
    る液晶デバイスにおいて、前記透明性高分子物質が、 (1)単官能型(メタ)アクリレート誘導体、及び
    多官能型(メタ)アクリレート誘導体からなり、且つ (2)このうちの少なくとも1種がフルオレン環を有す
    る(メタ)アクリレート誘導体である(メタ)アクリレ
    ート組成物を含有する重合性組成物を重合してなる透明
    性高分子物質であること を特徴とする液晶デバイス。
  3. 【請求項3】 フルオレン環を有する重合性化合物が、
    ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン誘導(メ
    タ)アクリレ−トであることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の液晶デバイス。
  4. 【請求項4】 調光層が、液晶材料の連続層中に三次元
    網目状の透明性高分子物質を有することを特徴とする請
    求項1、2または4に記載の液晶デバイス。
  5. 【請求項5】 電極層を有する少なくとも一方が透明な
    2枚の基板間に、(1)液晶材料、(2)フルオレン環
    を有する重合性化合物を含有する光重合性組成物、及び
    (3)光重合開始剤を含有する調光層形成材料を介在さ
    せ、この調光層形成材料に活性光線を照射して前記重合
    性組成物を重合させることによって、液晶材料及び透明
    性高分子物質を含有する調光層を形成する液晶デバイス
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 調光層が、液晶材料の連続層中に三次元
    網目状の透明性高分子物質を有することを特徴とする請
    求項5記載の液晶デバイスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7521100B2 (en) 2003-04-08 2009-04-21 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Liquid crystal sealing agent and liquid crystalline display cell using the same
JP2019189667A (ja) * 2018-04-18 2019-10-31 Jnc株式会社 液晶組成物および液晶表示素子

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