JPH0713113B2 - フルオロアルキル置換スチレン重合体 - Google Patents

フルオロアルキル置換スチレン重合体

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JPH0713113B2
JPH0713113B2 JP14830486A JP14830486A JPH0713113B2 JP H0713113 B2 JPH0713113 B2 JP H0713113B2 JP 14830486 A JP14830486 A JP 14830486A JP 14830486 A JP14830486 A JP 14830486A JP H0713113 B2 JPH0713113 B2 JP H0713113B2
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清英 松井
一彦 石原
利衣子 田島
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Sagami Chemical Research Institute (Sagami CRI)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はガラス等の表面をその光透過性を損うことなく
撥水、撥油性処理、反射防止処理もしくは耐薬品処理で
きるコーティング材の素材として有用な新規なフルオロ
アルキル置換スチレン重合体に関する。
本発明のフルオロアルキル置換スチレン重合体は文献未
載の新規化合物である。該重合体はガラス等の表面をそ
の光透過性を損うことなく撥水、撥油性処理、反射防止
処理もしくは耐薬品処理できるコーティング材料として
用いることができる。
〔従来の技術〕
従来、含フッ素重合体は、炭化水素系重合体に比較して
耐食性及び耐薬品性に優れ、さらに撥水、撥油性を有す
るため、これらの特性を利用した防汚材料、非粘着材料
への応用がなされている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながらポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化
ビニリデンのように主鎖にフッ素原子が導入されている
重合体は通常の有機溶媒には不溶であるため、例えばガ
ラスや金属などの基材上にコーティングする際には加熱
溶融した後に圧着する操作が必要となり、複雑な形状を
有する基材上にはコーティングすることができない。ま
た、含フッ素アクリル酸エステルあるいは含フッ素メタ
クリル酸エステルの重合体は、酢酸エチル等の有機溶媒
に可溶で、この重合体溶液をコーティングすることによ
り繊維の撥水処理、防汚処理や光ファイバーのコーティ
ング材料などに利用されている。しかしながら、これら
の重合体は加水分解性を有するエステル結合が存在する
ため、長期間にわたる使用に際しては撥水性や光透過性
などの特性低下が避けられない。
本発明者らは上記の問題点を解決するため鋭意研究した
結果、本発明のフルオロアルキル置換スチレン重合体が
高い撥水性、撥油性及び光透過性と共に優れたコーティ
ング性及び安定性を有することを見出し、本発明を完成
するに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のフルオロアルキル置換スチレン重合体は、一般
(式中、R1は水素原子または低級アルキル基を表わし、
R2は水素原子または低級ポリフルオロアルキル基を表わ
し、R3はポリフルオロアルキル基を表わし、Xは−O−
又は を表わし、Y1〜Y4は各々水素原子又はハロゲン原子を表
わし、nは0または1の整数である。)で示される繰返
し単位を有する分子量1000以上の重合体である。
R2で示される低級ポリフルオロアルキル基としては、ジ
フルオロメチル基、ペルフルオロメチル基、2から4個
のフッ素原子で置換されたエチル基、ペルフルオロエチ
ル基、2から6個のフッ素原子で置換されたプロピル
基、ペルフルオロプロピル基、2から8個のフッ原子で
置換されたブチル基、ペルフルオロブチル基などを挙げ
ることができるが、特にペルフルオロメチル基、ペルフ
ルオロエチル基が好適な反応性、撥水、撥油性を与える
意味で好ましい。R3で示されるポリフルオロアルキル基
としてはアルキル鎖中にエーテル結合を有してもよく、
ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフ
ルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオ
ロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロ
ヘプチル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロノ
ニル基、ペルフルオロデシル基、ジフルオロメチル基、
2から4個のフッ素原子で置換されたエチル基、2から
6個のフッ素原子で置換されたプロピル基、2から8個
のフッ素原子で置換されたブチル基、3−オキサ−2−
トリフルオロメチル−2,4,4,5,5,6,6,6−オクタフルオ
ロヘキシル基などを例示することができる。特にペルフ
ルオロアルキル基あるいは2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフ
ルオロペンチル基等のアルキル末端が完全にフッ素化さ
れたアルキル基が高い撥水、撥油性を発現する点で好ま
しい。
本発明のフルオロアルキル置換スチレン重合体は、一般
(式中、R1、R2、R3、X、Y1、Y2、Y3、Y4及びnは前記
と同一。)で表わされる単量体を通常のラジカル重合法
により重合することにより容易に製造することができ
る。重合反応に用いる方法としてはバルク重合、溶液重
合、乳化重合などの公知の方法を用いることができる。
ラジカル重合反応は、熱、紫外線の照射またはラジカル
開始剤の添加により速やかに開始される。反応に好適に
用いられるラジカル開始剤としては、ジラウロイルペル
オキシド、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物
あるいはα,α′−アゾビスイソブチロニトリルのよう
なアゾ化合物などを例示することができる。重合反応に
利用できる有機溶媒は、生成する重合体が可溶であるこ
とが高分量子体を得る上で好ましく、例えばベンゼン、
トルエン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、四塩
化炭素、クロロホルム、メチルエチルケトン、フルオロ
ベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ベンゾトリフルオ
リド、1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等を
用いることがでるが、これらに限定されるものではな
い。反応は通常40℃から100℃の範囲で行う。
一般式(II)で示されるフルオロアルキル置換スチレン
誘導体は、例えばクロロメチルチレン、クロロスチレ
ン、フルオロアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノ
ン、ペンタフルオロスチレン等より容易に製造しうる化
合物である(参照例参照)。
また、本発明のフルオロアルキル置換スチレン重合体の
うち、Xは−O−で表わされるものは、 一般式 (式中、Y5はハロゲン原子を表わし、R1、Y1、Y2、Y3
Y4及びnは前記と同一である。) で表わされる単量体の重合反応で得られる単独重合体
に、過剰量の一般式 (R2およびR3は前記と同一。)で示される含フッ素アル
コールを塩基の存在下反応させることにより得ることが
できる。反応は溶媒中で行うことが望ましく、用いるこ
とのできる溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−
ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等を例示すること
ができる。また反応に用いる塩基としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カ
リウム等のアルカリ金属水素化物、ナトリウム、カリウ
ム,リチウムなどのアルカリ金属及びジアザビシクロ
〔3.4.0〕ノネン−5(DBN)、1,5−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデセン−5−(DBU)等のアミン類を例示
することができる。
また、含フッ素アルコールとしては、2,2,2−トリフル
オロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プ
ロパノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブ
タノール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデ
カフルオロ−1−オクタノール、2,2,2−トリフルオロ
−1−(トリフルオロメチル)エタノール、2,2−ジフ
ルオロエタノール、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1
−ブタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパ
ノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペン
タノール、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブタノー
ル、4,4,4−トリフルオロ−1−ブタノール、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デ
カノール、1,1,1,6,6,7,7,7−オクタフルオロ−2−ヘ
プタノール、3−オキサ−2−トリフルオロメチル−2,
4,4,5,5,6,6,6−オクタフルオロヘキサノールなどを例
示することができる。
本発明のフルオロアルキル置換重合体の分子量は1000以
上であるが、コーティング材料として該重合体を用いる
上で分子量が10000以上であることが望ましい。
以下参考例、実施例、試験例、比較例により本発明を具
体的に説明する。
参考例 1 2,2,2−トリフルオロエタノール9g及び硫酸水素テトラ
n−ブチルアンモニウム(TBAS)20.37g及びトルエン30
0mlを三ッ口フラスコに仕込みアルゴン気流下で撹拌し
た。次に50wt%の水酸化ナトリウム水溶液17.5mlを入れ
15分間撹拌した後、p−クロロメチルスチレン9.15gを
加え、室温にて一晩撹拌した。反応混合物に希塩酸を加
え中和し、次に有機層を分液ロートに取り充分に水洗し
た。その後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥し、減圧
下トルエンを留去する。残留物をn−ヘキサンを溶出液
としてシリカゲルカラムに通し精製し、n−ヘキサンを
留去することにより収量5.8g収率27%でp−(2,2,2−
トリフルオロエチルオキシメチル)スチレン(p−TFE
S)を得た。
元素分析値(%); 実測値:C:61.5,H:5.2 計算値:C:61.1,H:5.1 IR(cm-1);2800〜3000,1610,1510(芳香環),1630(CH
2=CH),1210,1150(C−F),1100〜1180(−O−). NMR(ppm);3.6〜4.0(−CH2−),4.6(−CH2O−),5.1
〜5.8(CH2=),6.5〜6.8(−CH=). 参考例 2〜9(フルオロアルキル置換スチレン誘導体
の合成結果) 含フッ素アルコール及びハロアルキルスチレン及び溶媒
の種類を替えた以外は参考例1と同様の方法によりフル
オロアルキル置換スチレン誘導体を合成した。結果を表
1に示す。
参考例 10 ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)50ml中に50%水素
化ナトリウム(油性)2.6gを加え、アルゴン気流下に撹
拌した。これを10℃以下に冷却し2,2,2−トリフルオロ
エタノール10.0gを加え30分撹拌する。次にp−フルオ
ロアセトフェニン6.06mlを加え、10℃以下2.5時間、さ
らに室温にて15時間撹拌を続けた。反応混合物を水中に
投じ、有機相をエーテルで抽出した。これを硫酸マグネ
シウムで乾燥し、減圧下でエーテルを留去する。粗生成
物を、クロロホルム/酢酸エチル(10/1)混合液を溶出
液としたシリカゲルカラムにより精製した。溶出液を減
圧留去し、収量8.54g、収率77.6%にてp−(2,2,2−ト
リフルオロエトキシ)アセトフェノン(p−TFEA)を得
た。
元素分析値(%); 理論値:C:55.1,H:4.2 実測値:C:55.1,H:4.1 IR(cm-1);3000〜2800,1610,(芳香環),1690(C=
O),1280,1240(CF3). NMR(ppm);2.56(3H),4.19〜4.63(2H),6.80〜7.07
(2H),7.75〜8.06(2H). 参考例 11 含フッ素アルコールを2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ
−1−ブタノールに替えた以外は参考例10と同様の方法
によりp−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキ
シ)アセトフェノン(p−HFBA)を収率50%で得た。
元素分析値(%); 理論値:C:45.3,H:2.9 実測値:C:45.2,H:2.7 NMR(ppm);2.53(3H),4.33〜4.72(2H),6.83〜7.11
(2H),7.8〜8.07(2H). 参考例 12 含フッ素アルコールを3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオ
ロ−1−ヘキサノールに替えた以外は参考例10と同様の
方法によりp−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘ
キサオキシ)アセトフェノン(p−NFHA)を収率57%で
得た。
元素分析値(%); 理論値:C:44.0,H:2.9 実測値:C:43.7,H:2.7 NMR(ppm);2.52(3H),2.3〜3.0(2H),4.1〜4.4(2
H),6.7〜7.0(2H),7.9〜8.1(2H). 参考例 13 50%水素化ナトリムウ(油性)1.26gに、HMPA30mlに溶
解したp−ヒドロキシアセトフェノン4.76gをアルゴン
気流下にて滴下した。これを20分撹拌した後、トリフル
オロメタンスルホン酸2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ
ブチル(TFHB)12.8gを溶解した。HMPA10mlを滴下し
た。これを140℃にて20時間撹拌し、反応混合液を氷水
中に注ぎエーテルで有機相を抽出した。減圧下でエーテ
ルを抽出した後、粗生成物をクロロホルム/酢酸エチル
(20/1)混合液を溶出液としたシリカゲルカラムにより
精製し、収量8.0g、収率71.8%でp−HFPAを得た。
元素分析値(%); 理論値:C:45.3,H:2.9 実測値:C:45.5,H:2.8 IR(cm-1);3000〜2800,1610,(芳香環),1690(C=
O),1280〜1160(C−F). NMR(ppm);2.54(3H),4.33〜4.71(2H),6.78〜7.09
(2H),7.78〜8.04(2H). 参考例 14 TFHBをトリフルオロメタンスルホン酸2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルに替えた
以外は参考例13と同様の方法でp−(2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシ)
アセトフェノン(p−PFOA)を収率94%で得た。
元素分析値(%); 理論値:C:37.1,H:1.8 実測値:C:37.2,H:2.0 NMR(ppm);2.52(3H),4.33〜4.73(2H),6.9〜7.1(2
H),7.87〜8.1(2H). 参考例 15 参考例10で得たp−TFEA8.54gを溶解したエーテル40ml
をリチウムアルミニウムハイドライド0.52gを含むエー
テル40ml中にアルゴン気流下にて滴下した。室温にて1
時間撹拌した後、5.8mlの水を加え、さらに3Nの塩酸78m
lを加えた。有機層をエーテルにて抽出し、減圧下にて
エーテルを留去し、粗生成物をクロロホルム/酢酸エチ
ル(10/1)混合液を溶出液としてシリカゲルカラムにて
精製し、収量8.0g、収率92%でp−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)フェニルメチルカルビノール(p−TFE
C)を得た。
元素分析値(%); 理論値:C:54.5,H:5.0 実測値:C:54.8,H:5.2 IR(cm-1);3700〜3100(OH),1610,1510,(芳香環),1
070(C−O),1280,1240(CF3). NMR(ppm);1.42〜1.49(3H),1.93(1H,OH),4.12〜4.
46(2H),4.67〜4.97(1H),6.77〜6.99(2H),7.17〜
7.41(2H). 参考例 16 p−TFHAを参考例11および参考例13で得たp−HFBAに替
えた以外は参考例15と同様の方法でp−(2,2,3,3,4,4,
4−ヘプタフルオロブトキシ)フェニルメチルカルビノ
ール(p−HFBC)を収率75%得た。
IR(cm-1);3700〜3100(OH),1620,1520,(芳香環),1
300〜1160(C−F). NMR(ppm);1.27〜1.53(3H),2.37(1H),4.17〜4.6
(2H),4.6〜4.92(1H),6.7〜6.97(2H),7.1〜7.37
(2H). 参考例 17 p−TFEAを参考例14で得たp−PFOAに替えた以外は参考
例15と同様の方法でp−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシ)フェニルメ
チルカルビノール(p−PFOC)を収率72%で得た。
NMR(ppm);1.37〜1.57(3H),1.92(1H),4.23〜4.63
(2H),4.63〜4.98(1H),6.8〜7.05(2H),7.2〜7.47
(2H). 参考例 18 p−TFEAを参考例12で得たp−NFHAに替えた以外は参考
例15と同様の方法でp−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフ
ルオロヘキシルオキシ)フェニルメチルカルビノール
(p−NFHC)を収率69%で得た。
NMR(ppm);1.30〜1.55(3H),2.20(1H),2.2〜2.9(2
H),3.8〜4.2(2H),4.52〜4.85(1H),6.75〜7.0(2
H),7.13〜7.41(2H). 参考例 19 トリブロモホスフィン5.7gに84%臭化水素水を1滴加
え、アルゴン気流下にてこれに参考例14で得たp−TFEC
11gを滴下し、10℃にて1時間撹拌した。次に室温にて1
5時間撹拌を続けた後反応混合物に氷水20mlを加え、有
機層をエーテルで抽出した。エーテルを減圧留去した
後、これにキノリン12.4ml及び少量のp−tert−ブチル
カテコールを加え、120℃2mmHgにて蒸留した。蒸留物に
希塩酸を加えた後、有機層をエーテルで抽出した。エー
テルを減圧留去し、粗生成物をn−ヘキサン/エーテル
(2/1)混合物を溶出液としたシリカゲルカラムにより
精製し、収量3.68g、収率52%でp−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)スチレン(TFES)を得た。
元素分析値(%); 計算値:C:59.4,H:4.5 実測値:C:59.1,H:4.4 IR(cm-1);3000〜2800,1610(芳香環),1615,(CH2=C
H),1280,1240(CF3). NMR(ppm);4.12〜4.47(2H),5.03〜5.73(2H),6.43
〜6.77(1H),6.77〜7.00(2H),7.17〜7.45(2H). 参考例 20 p−TFECを参考例16で得たp−HFBCに替えた以外は参考
例19と同様の方法によりp−(2,2,3,3,4,4,4−ヘプタ
フルオロブトキシ)スチレン(HFBS)を収率36%で得
た。
元素分析値(%); 理論値:C:47.7,H:3.0 実測値:C:47.6,H:3.1 NMR(ppm);4.2〜4.6(2H),5.03〜5.27(1H),5.47〜
6.75(1H),6.47〜6.8(1H),6.8〜6.9(2H),7.7〜7.4
7(2H). 参考例 21 p−TFECを参考例17で得たp−PFOCに替えた以外は参考
例19と同様の方法にてp−(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルオキシ)スチレン
(PFOS)を収率26%で得た。元素分析値(%); 理論値:C:38.3,H:1.8 実測値:C:38.2,H:1.9 NMR(ppm);4.23〜4.65(2H),5.03〜5.29(1H),5.45
〜5.77(1H),6.45〜6.77(1H),6.77〜7.03(2H),7.2
3〜7.47(2H). 参考例 22 p−TFECを参考例18で得た。NFHCに替えた以外は参考例
19と同様の方法にてp−(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフ
ルオロヘキシルオキシ)スチレン(NFHS)を収率30%で
得た。
元素分析値(%); 理論値:C:45.9,H:3.0 実測値:C:45.7,H:2.9 NMR(ppm);2.2〜3.0(2H),4.0〜4.3(2H),4.95〜5.2
(1H),5.4〜5.7(1H),6.4〜6.7(1H),6.7〜6.9(2
H),7.2〜7.45(2H). 参考例 23 アルゴン気流下、マグネシウム0.495gにテトラヒドロフ
ラン(THF)に5mlを加えた中に、少量の臭化エチルを加
え反応を開始させた。そこへp−クロロスチレン2.82g
のTHF15ml溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、80
℃で1時間撹拌し、10gのジメチル(3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)ク
ロロシランを滴下した。加熱還流を約30分間行なった
後、反応液を冷却し、その後水をあけエーテル抽出し
た。エーテル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下に溶媒を留去した。粗生成物は蒸留ののち
(沸点144〜146℃/1mmHg)さらにシリカゲルカラムクロ
マトにより精製し、4−〔ジメチル(3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル)シ
リル〕スチレン(SiFS)を4.8g得た。
収率40.5% 元素分析値(%); 実測値:C:39.4,H:2.9 理論値:C:39.5,H:2.8 NMR(ppm);0.51〜0.80(2H),1.3〜1.97(2H),4.79〜
5.0(1H),5.25〜5.34(1H),6.15〜6.53(1H),7.05
(4H). 参考例 24 THF80ml中に60%水素化ナトリウム(油性)0.78gを加え
アルゴン気流下に撹拌した。これに2,2,3,3,4,4,4−ヘ
プタデカフルオロ−1−ブタノール7.8gを加え、室温に
て15分撹拌した。次にペンタフルオロスチレン2.91gを
加え室温にて1晩反応した後、反応混合物を大量の水中
に投じた。有機層をエーテルにて抽出し、これを希塩酸
及び水で十分に洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。
エーテルを減圧留去した後、減圧下にて蒸留することに
より収量3.79g、収率67.5%で4−(2,2,3,3,4,4,4−ヘ
プタフルオロブトキシ)−2,3,5,6−テトラフルオロス
チレン(HFBS)を得た。
沸点;91〜93℃/6.5mmHg. NMR(ppm);4.46〜4.83(−OCH2−),5.57〜6.2(=C
H2),6.47〜6.87(−CH=). 質量分析;374(M+)205(M+−CF2CF2CF3),191(M+−CH
2CF2CF2CF3). 参考例 25〜27 含フッ素アルコールの種類を替えた以外は参考例24と同
様の方法を用いてフルオロアルキル置換スチレン誘導体
を得た。なお、参考例25および参考例26の化合物はシリ
カゲルカラムにより精製を行なった。結果を表2に示
す。
実施例 1 参考例1得たp−TFES1.08g及びα,α′−アゾビスイ
ソブチロニトリル(AIBN)4.11mgを重合用アンプルに仕
込み常法により脱気後高真空下(10-5mmHg以下)にて封
管した。これを60℃にて1.5時間振りまぜながら重合反
応を行ない、反応混合物を大量のメタノール中に注ぎ重
合体を沈澱させた。これを濾別し乾燥し白色固体を83mg
(収率7.7%)を回収した。元素分析、IR測定よりポリ
(p−TFES)であることを確認した。GPCにより測定し
た重量平均分子量はポリスチレン換算で2.9×105、DSC
により測定したガラス転移温度(Tg)は30℃であった。
元素分析値(%); 実測値:C:61.1,H:5.1 理論値:C:61.1,H:5.1 IR(cm-1)2800〜3000(−CH2−),1610,1500(芳香
環),1210,1150(C−F),1100〜1180(−O−). 実施例 2〜8 フルオロアルキル置換スチレン誘導体の種類をかえた以
外は実施例1と同様の方法で該誘導体の重合体を得た。
結果を表3に示す。
実施例 9 参考例19で得たTFES607mgを重合用アンプルに取り、重
合開始剤としてはAIBN2.46mg及び溶媒としてTHF2.4mlを
加え、常法に従い脱気後、高真空下(10-5mmHg以下)で
封管した。これを60℃にて24時間振り混ぜ重合反応を行
った。反応混合物を大量のメタノール中に投じることに
より重合体を沈澱させ、これを濾別後真空乾燥した。収
量134mg、収率22%。
元素分析値(%); 理論値:C:59.4,H:4.5 実測値:C:58.9,H:4.4 分子量;3.7×104(ポリスチレン換算) 実施例 10〜12 フルオロアルキル置換スチレン誘導体の種類を替え、実
施例9と同様の方法にて単独重合体を得た。結果を表4
に示す。
実施例 13 参考例23で得たSiFS1.521gを重合用アンプルに取り、重
合開始剤として、AIBN2.06mg及び溶媒として、1,4−ビ
ス(トリフルオロメチル)ベンゼン1mlを加え常法に従
い脱気後、高真空下(10-5mmHg以下)で封管した。これ
を60℃にて29.2時間振り混ぜ重合反応を行なった。反応
混合物を大量のメタノール中に投じることにより、重合
体を沈澱させこれを濾別後真空乾燥した。収量489mg
収率32% 元素分析値(%); 実測値:C:39.3,H:2.7 理論値:C:39.5,H:2.8 実施例 14 参考例24で得られたHFBS1.13gを重合用アンプルに仕込
み重合開始剤としてAIBN2.47mg及び溶媒としてTHF1.9ml
を加えた。これを常法により脱気後高真空下(10-5mmHg
以下)にて封管し、これを60℃にて25時間振り混ぜるこ
とにより重合反応を行なった。反応混合物を大量のメタ
ノール中に投じることにより重合体を沈澱させた。これ
を濾別し、十分にメタノールで洗浄後、真空乾燥するこ
とにより収量0.69g、収率61.4%でHFBS単独重合体を得
た。
元素分析値(%); 理論値:C:38.5,H:1.4 実測値:C:38.5,H:1.3 分子量;9.7×104(ポリスチレン換算) ガラス転移点(℃);46. IR(cm-1);3000〜2800,1510,(ベンゼン環),1300−11
00(C−F). 実施例 15〜17 フルオロアルキル置換スチレン誘導体及び用いる溶媒の
種類を替えた以外は実施例14と同様の方法を用いてフル
オロアルキル置換スチレン重合体を得た。結果を表5に
しめす。
実施例 18 THF5mlに60%水素化ナトリウム(油性)60mg及び2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール600mgを加
え、アルゴン気流下室温にて20分間撹拌した。これに19
4mgのポリペンタフルオロスチレンを溶解したTHF10mlを
加え、室温にて40時間反応させた。反応混合物を大量の
メタノールに投じ、重合体を沈澱させた。これを濾別
し、さらに1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン
に溶解、これを1N塩酸で洗浄した後十分に水で洗浄を繰
り返した。この溶液を大量のメタノール中に投じること
により重合体を精製した。沈澱を濾別し、真空乾燥する
ことにより収量180mg、収率48%でポリ〔4−(2,2,3,
3,4,4,4−ヘプタフルオロブトキシ)−2,3,5,6−テトラ
フルオロスチレン〕を得た。19F−NMRより原料のポリペ
ンタフルオロスチレンのパラ位フッ素原子に基づく吸収
が完全に消失し、また新たに2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフ
ルオロブトキシ基に基づく吸収が観察されたことにより
所定の構造を確認した。
元素分析値(%); 理論値:C:38.5,H:1.34 実測値:C:38.1,H:1.34 試験例 1(撥水、撥油性の評価) 実施例1〜8で得られた重合体の0.5wt%THF溶液を調整
し、この溶液をガラス板上に流延した。40℃にて24時間
保ちTHFを留去した後、2日間真空乾燥した。得られた
ガラス板表面の液滴の接触角をコンタクトアングルゴニ
オメーター(協和科学製)にて測定した。結果を表6に
示す。さらに比較例として撥水性材料として公知のポリ
ジメチルシロキサン表面の液滴接触角を表6に示した
〔ジャーナル オブ アプライドポリマーサイエンス
(J.Appl.Polym.Sci.)第13巻第1741頁(1969)及びジ
ャーナル オブ ポリマーサイエンス(J.Polym.Sci.Po
lym.Symp.)第66巻第313頁参照)。
試験例 2(撥水、撥油性の評価) 実施例8〜12で得られたフルオロアルキル置換スチレン
重合体の0.5wt%THF溶液を調製し、この溶液をガラス板
上に流延した。40℃にて24時間保ちTHFを留去した後、
2日間真空乾燥した。得られたガラス板表面の水及びn
−オクタン接触角をコンタクトアングルゴニオメーター
(協和科学製)にて測定した。結果を表7に示す。な
お、比較のために、ポリスチレン及びポリジメチルシロ
キサンの表面の液滴接触角を測定した結果について、そ
れぞれ比較2及び比較例3として表7に示す。
試験例 3(撥水、撥油性の評価) 実施例14〜17で得られた重合体の0.5wt%THF溶液を調製
し、この溶液をガラス板上に流延した。40℃にて24時間
保ち、THFを留去した後、2日間真空乾燥した。得られ
たガラス板表面の液滴の接触角コンタクトアングルゴニ
オメーター(協和科学製)にて測定した。結果を表8に
示す。さらに比較例として撥水性材料として公知のポリ
ジメチルシロキサン表面の液滴接触角を表8に示した。
試験例 4(光透過性の評価) 実施例1、2、3、4及び5で得られた重合体の0.5wt
%THF溶液を石英板上に流延し、試験例1と同様の方法
で表面に重合体をコーティングした。この石英板の光透
過率を分光計(島津製作所製UV−240)にて測定した。
結果を第1図に示す。
但し、光透過性の測定のさいには、参照例に重合体をコ
ーティングしない上記と同一形状の石英板を用いた。
〔発明の効果〕
本発明のフルオロアルキル置換スチレン重合体は、高い
撥水、撥油性を有し、かつ光透過性が極めて大きい。ま
た有機溶媒に可溶であるため、ガラス表面等に該重合体
溶液を塗布することにより容易に薄膜コーティングする
ことができ、防汚処理及び反射防止処理が可能である。
さらに既知の含フッ素アクリル酸エステル、あるいは含
フッ素メタクリル酸エステルに比較して化学的に安定で
あるため、例えば表面を該重合体よりコーティングした
ガラス表面を長期間アルカリ溶液に接触させた場合でさ
えもガラス表面が浸食されることなく防汚性及び光透過
性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図面は石英板にコーティングした本発明の実施例
1、2、3、4及び5で得たフルオロアルキル置換スチ
レン重合体の光透過性を示す。 1……実施例1で得られた重合体 2……実施例2で得られた重合体 3……実施例3で得られた重合体 4……実施例4で得られた重合体 5……実施例5で得られた重合体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1は水素原子または低級アルキル基を表わし、
    R2は水素原子または低級ポリフルオロアルキル基を表わ
    し、R3はポリフルオロアルキル基を表わし、Xは−O−
    又は を表わし、Y1〜Y4は各々水素原子又はハロゲン原子を表
    わし、nは0または1の整数である。)で示される繰返
    し単位を有する、分子量1000以上のフルオロアルキル置
    換スチレン重合体。
JP14830486A 1985-07-03 1986-06-26 フルオロアルキル置換スチレン重合体 Expired - Lifetime JPH0713113B2 (ja)

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JP14451885 1985-07-03

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