JPH07131038A - フィルム状アモルファスシリコン太陽電池 - Google Patents

フィルム状アモルファスシリコン太陽電池

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JPH07131038A
JPH07131038A JP5272489A JP27248993A JPH07131038A JP H07131038 A JPH07131038 A JP H07131038A JP 5272489 A JP5272489 A JP 5272489A JP 27248993 A JP27248993 A JP 27248993A JP H07131038 A JPH07131038 A JP H07131038A
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啓作 長沢
Shigemitsu Muraoka
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    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 可撓性フィルム基板上に光起電力要素として
アモルファスシリコン薄膜を設けた太陽電池において、
フィルム基板として強度が20kg/mm2以上、弾性
率が600kg/mm2以上、200℃における熱収縮
率が2%以下であり、熱膨張係数が10×10-6以下、
−2×10-6以上であり、且つアモルファスシリコン薄
膜を設ける側の表面が中心線平均値(Ra)が10nm
以下であるフィルム状アモンルファスシリコン太陽電
池。 【効果】 生産性に優れ、取扱い性に優れるため、安価
に可撓性のフィルム状太陽電池が提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性のフィルム基板
上に光起電力要素として、アモルファスシリコン薄膜を
設けた太陽電池に関するものであり、さらに詳しくは、
フィルムとして特別な耐熱性合成樹脂フィルムを用いた
フィルム状太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アモルファスシリコン薄膜をステンレス
スチール板、硝子板などの基板上に設けた太陽電池は、
特開昭52−149489号公報、特開昭55−499
4号公報、特開昭55−29154号公報などにより公
知である。また、基板としてフィルムを用いたものも知
られており、かかるフィルムを基板とする方法は、フィ
ルムをロールから送り出して処理した後再度ロールに巻
き取りつつ、アモルファスシリコン層などの必要な各層
を連続的に真空蒸着、スパッタ蒸着またはプラズマグロ
ー放電などの方法で形成することができる点で好まし
い。また、得られるフィルム状の太陽電池は従来の硝子
基板などによる太陽電池と異なり、自由に曲げることが
でき、その応用が広がることが期待できる。
【0003】フィルムを基板としてその上にアモルファ
スシリコン層などを形成する場合には、フィルムが25
0〜350℃の高温にさらされるため、フィルムとして
耐熱性に優れたポリイミドフィルムや芳香族ポリアミド
フィルムを用いる方法も知られている(特開昭54−1
49489号公報、特開昭55−4994号公報、特開
昭55−29154号公報、特開昭55−82474号
公報、特開昭56−169372号公報、特開昭57−
103839号公報、特開昭59−34677号公報、
特開昭59−88874号公報、特開昭59−1083
68号公報、特開昭59−158571号公報、特開昭
60−130867号公報、特開昭60−257183
号公報、特開昭61−7624号公報、特開昭63−2
36372号公報、特開平1−119072号公報、特
開平1−309385号公報など)。
【0004】しかしながら、現実にはこれらの方法によ
っても、フィルム上に形成されるアモルファスシリコン
層などが、製造工程中に、またはその後の加工工程や使
用に際して、部分的にフィルム基板から剥離し、破壊す
る現象が多く、太陽電池の歩留まりを低くする等の故障
の原因となっている。これらの問題を解決する方法とし
て、特開昭56−169372号公報のごとく熱収縮率
が250℃で0.7%以下で、製造温度でのフィルムの
弾性率が200kg/mm2以上である架橋構造を持っ
た芳香族ポリアミドフィルムにより、製造時にフィルム
とアモルファスシリコン層との熱膨張係数の差に基ずく
熱応力により発生するフィルムのカールを、熱収縮率の
低いフィルムを用い、またフィルムの腰の強さで克服す
るという改善方法も提案されている。
【0005】しかしこの方法によっても、上記の問題は
完全に解決されるには至っていない。即ち、アモルファ
スシリコン層形成時にフィルムに加わる熱により、フィ
ルムに残された歪みは放出されて、その後にアモルファ
スシリコン層が形成されるため、熱収縮率の大小は直接
には改良効果を示さず、またフィルムの腰の強さはかえ
ってフィルムとアモルファスシリコン層の歪み応力を保
持し、アモルファスシリコン層の剥離や破壊が生じてい
ることが判明した。
【0006】さらに、特開平1−309385号公報に
よれば、熱膨張係数が−5〜10×10-6の芳香族ポリ
アミドフィルムを用いることが提案されているが、単に
熱膨張係数をアモルファスシリコンに近いものを選択す
るのみでは、必ずしも満足できる結果が得られないこと
が判明した。また、特開昭59−88874号公報等で
は、フィルムの裏面に金属層を設けて基板を補強する方
法が提案されているが、工程が複雑となることや、アモ
ルファスシリコン層との熱膨張率の差が大きいことによ
るアモルファスシリコン層の歪が発生するなどの課題が
残る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フィ
ルムを基板とする太陽電池の製造およびその加工や使用
に当たって、アモルファスシリコン層のフィルムからの
部分的な剥離による破壊の少ないフィルム状太陽電池を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の課題は、
可撓性フィルム基板上に光起電力要素としてアモルファ
スシリコン薄膜を設けた太陽電池において、フィルム基
板として強度が20kg/mm2以上、弾性率が600
kg/mm2以上、200℃における熱収縮率が2%以
下であり、熱膨張係数が−2×10-6以上、10×10
-6以下であり、かつアモルファスシリコン薄膜を設ける
側の表面が中心線平均値(Ra)が10nm以下の表面
粗度である耐熱性合成樹脂フィルムを用いることを特徴
とするフィルム状アモルファスシリコン太陽電池により
達成される。
【0009】本発明に用いられるフィルムは、アモルフ
ァスシリコン層形成に際して受ける高温に耐える耐熱性
を持つ必要があり、その耐熱の尺度として、200℃に
おける熱収縮率が2%以下の物であれば、本発明の目的
を達成する。本発明を実施する上で、フィルムの熱膨張
係数が10×10-6,さらに好ましくは7×10-6以下
であることが大切である。ここで熱膨張係数は、室温か
ら300℃の間の平均値で表すものとする。熱膨張係数
がこれよりも大きいと形成されたアモルファスシリコン
層が室温に冷却された時に、フィルム基板との寸法差が
大きくなり、歪み応力が発生するため、剥離が生じやす
いため、避けられるべきである。熱膨張係数が0よりも
小さい負の熱膨張係数を持つフィルムも製造可能である
が、本発明を実施する上で、あまりに負の膨脹係数が大
きいことは同じ理由で避けられるべきであり、−2×1
-6以上、さらに好ましくは0以上である。
【0010】一般的に、取扱上、フィルムのすべり性を
付与するためにフィルムに微細な粒子を混在させること
で、その表面に微細な凹凸を付与されることは行われる
が、本発明を実施する上で、このフィルムの表面の粗度
も大切な因子であることが判明した。即ち、アモルファ
スシリコン薄膜を設ける側の表面の粗さが中心線平均値
(Ra)で表して10nm以下であるべきであり、これ
よりも表面が粗い場合は、フィルム上に形成したフモル
ファスシリコン層が剥離しやすい。
【0011】本発明で用いられるフィルムの強度は20
kg/mm2以上、好ましくは25kg/mm2以上であ
るべきであり、フィルム状太陽電池を加工したり、使用
したりする上での取扱い時の破損を防ぐ上で重要であ
る。フィルムの弾性率も、フィルム状太陽電池を加工し
たり、取り扱う上で、太陽電池に加わる力による無用な
変形を防ぎ、アモルファスシリコン層の破壊を防止する
上で重要であり、600kg/mm2以上、好ましくは
800kg/mm2以上の物を用いるべきである。
【0012】これらのフィルムの特性は、長尺方向、幅
方向のいずれにおいても満足されるべきであるが、それ
らが必ずしも同じである必要はなく、いわゆるバランス
タイプ、一軸緊張タイプのいずれであってもよい。これ
らの特性を満足するフィルムとしては、芳香族ポリアミ
ド樹脂やポリイミド樹脂よりなるフィルムの一部の物が
使用可能である。
【0013】本発明に用いられる芳香族ポリアミド樹脂
としては、次の構成単位からなる群より選択された単位
より実質的に構成される。 −NH−Ar1−NH− (1) −CO−Ar2−CO− (2) −NH−Ar3−CO− (3) ここでAr1、Ar2、Ar3は少なくとも1個の芳香環
を含み、同一でも異なっていてもよく、これらの代表例
としては下記の化1の一般式で表されるものが挙げられ
る。
【0014】
【化1】
【0015】また、これらの芳香環の環上の水素の一部
が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ基
などで置換されているものも含む。また、Xは−O−、
−CH2−、−SO2−、−S−、−CO−などである。
特に、全ての芳香環の80モル%以上がパラ位にて結合
されているアラミド樹脂は、本発明に用いられるフィル
ムを製造する上で好ましい。本発明に用いられるポリイ
ミド樹脂としては、ポリマーの繰り返し単位の中に芳香
環とイミド基をそれぞれ1個以上含むものであり、下記
の化2または化3の一般式で表されるものである。
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】ここでAr4及びAr6は少なくとも1個の
芳香環を含み、イミド環を形成する2個のカルボニル基
は芳香環上の隣接する炭素原子に結合している。このA
4は、芳香族テトラカルボン酸またはその無水物に由
来する。代表例としては、下記の化4の一般式で表され
るものがある。
【0019】
【化4】
【0020】ここでYは、−O−、−CO−、−CH2
−、−S−、−SO2−などである。また、Ar6は無水
トリカルボン酸、あるいはそのハライドに由来する。A
5、Ar7は、少なくとも1個の芳香環を含み、芳香族
ジアミン、芳香族イソシアネートに由来する。Ar5
たはAr7の代表例としては下記の化5の一般式で表さ
れるものがある。
【0021】
【化5】
【0022】ここで、これらの芳香環の環上の水素の一
部が、ハロゲン基、ニトロ基、アルキル基、アルコキシ
基などで置換されているものも含む。Zは、−O−、−
CH 2−、−S−、−SO2−、−CO−などである。特
に、Ar5、Ar7の80%以上がパラ位に結合された芳
香環であるポリイミド樹脂が、本発明に用いられるフィ
ルムを製造する上で好ましい。
【0023】また、本発明の芳香族ポリアミド樹脂また
はポリイミド樹脂には、フィルムの物性を損ねたり、本
発明の目的に反しない限り、滑剤、酸化防止剤、その他
の添加剤などや、他のポリマーが含まれていてもよい。
本発明のフィルムの製造法については、特に限定される
ものではなく、それぞれの樹脂に適した製造法が取られ
てよい。
【0024】まず芳香族ポリアミド樹脂については、有
機溶剤可溶のものでは、直接溶剤中で重合するか、一旦
ポリマーを単離した後再溶解するなどして溶液とし、つ
いで乾式法または湿式法にて製膜され、また、ポリパラ
フェニレンテレフタルアミド(PPTA)等の有機溶剤
に難溶のものについては、濃硫酸などに溶解して溶液と
し、ついで乾式法または湿式法にて製膜される。
【0025】一方、ポリイミド樹脂については、有機溶
剤中にてテトラカルボン酸無水物と芳香族ジアミンを反
応させて、ポリアミド酸とし、この溶液をそのまま、ま
たは一旦閉環処理してポリイミドとし、再度溶剤に溶解
して溶液を得、それらを乾式法または湿式法にて製膜さ
れる。乾式法では、溶液はダイから押し出され、金属ド
ラムやエンドレスベルトなどの支持体上にキャストさ
れ、キャストされた溶液が自己支持性あるフィルムを形
成するまで乾燥またはイミド化反応が進められる。湿式
法では、溶液はダイから直接凝固液中に押し出される
か、乾式と同様に金属ドラムまたはエンドレスベルト上
にキャストされた後、凝固液中に導かれ、凝固される。
ついでこれらのフィルムはフィルム中の溶剤や無機塩な
どを洗浄され、延伸、乾燥、熱処理などの処理を受け
る。
【0026】本発明において、フィルムの表面の中心線
平均値(Ra)が小さいと、フィルム同志の滑り性が乏
しくなり、ブロッキング現象を生じたりして取扱い難く
なることがある。これを防ぐため、本発明の範囲の表面
粗度の微細な凹凸を持つことが好ましい。この様な表面
粗度を持ったフィルムを製造するためには、フィルムに
微粒子を混在させる方法が通常取られる。微粒子として
は、有機化合物、無機化合物があるが、通常は、例えば
SiO2、TiO2、ZnO、Al23、CaSO4、B
aSO4、CaCO3、カーボンブラック、ゼオライト、
その他金属粉末などの無機化合物が用いられる。粒子径
は0.02から2μm、添加量は0.03重量%以上、
5重量%未満に選ばれることが多い。即ち、芳香族ポリ
アミド樹脂またはポリイミドもしくはポリイミドの前駆
体であるポリアミド酸の溶液中に、上記微粒子を混入
し、この溶液を製膜することにより製造される。
【0027】また、フィルムの両面で表面粗度の異なる
ものを用い、アモルファスシリコン層を設ける側の表面
粗度を本発明の範囲とし、その裏面の粗度はそれよりも
大きくすることも好ましい。本発明に用いられるフィル
ムの厚みは特に制限されるものではなく、通常5μm以
上、150μm以下、好ましくは12μm以上、100
μm以下に選ばれる。
【0028】またフィルムには、染料や顔料などの着色
剤や、難燃剤、帯電防止剤、酸化防止剤、その他の改質
剤についても、それが本発明の目的に反しない限り含ま
れていてもよい。本発明を実施する上で、フィルム上に
第1の導電層を0.01〜20μmの厚みで形成する。
導電層としては、ステンレススチール、ニッケルクロム
合金、およびニッケル、鉄、クロム、ニオブ、ジルコニ
ウム、チタンの単体またはそれらの合金、または酸化
錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫、酸化カドミウ
ムなどの酸化物を蒸着法またはスパッタリング法で形成
することで形成できる。
【0029】ついで、アモルファスシリコン層をグロー
放電法、スパッタリング法、イオンプレーティング法な
どの方法により形成する。例えば、グロー放電の場合、
1〜0.01Torrに保たれた真空反応器内で、ロー
ル状に巻かれたフィルムを引き出し、200〜400℃
に加熱した支持電極上を走行させる。真空反応器内にS
iH4ガスを送り込みつつ支持電極に対抗する電極との
間に直流電圧または1〜数10MHzの高周波電圧を印
加して、グロー放電を起こし、真空反応器内をプラズマ
状態とすることによりSiH4が分解してフィルム上に
アモルファスシリコン層を形成する。この際、SiH4
と共にB26を0.5〜5重量%送り込めばp型シリコ
ン層が、PH3をSiH4と共に送り込めばn型シリコン
層が形成される。
【0030】次に、例えばショットキー接合セルの場合
はショットキーバリア電極として白金、金、パラジウム
などをスパッタ法や真空蒸着法によって100オングス
トローム前後の厚さに形成する。また、ヘテロ結合セル
の場合は、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム
錫、酸化カドミウム層をスパッタ法または真空蒸着法で
200〜3000オングストローム前後の厚さに形成す
る。
【0031】次に、収集電極をショットキーバリア金
属、ヘテロ電極上に設けてアモルファスシリコン太陽電
池が完成される。これらの真空蒸着処理、スパッタ処
理、グロー放電処理などの処理は、フィルムをロールか
らロールに連続して移動させつつ実施されても、一定寸
法のフィルムを回分的に処理しても、いずれの方法であ
ってもよい。 (特性の測定法)本発明の特性値の測定法は次の通りで
ある。 (1)フィルムの厚み、強度、伸度、弾性率の測定法 フィルムの厚みは、直径2mmの測定面を持つダイヤル
ゲージで測定する。強度、伸度、弾性率は、定速伸長型
強伸度測定機を用い、測定長100mm、引っ張り速度
50mm/分で測定したものである。
【0032】(2)熱収縮率の測定法 フィルムから2cm×5cmの試料片を切り出し、4c
mの間隔に刃物で傷をつけて標識とし、予め23℃、5
5%RHの雰囲気下に72時間放置した後、標識間の距
離を読み取り顕微鏡にて測定し、次いで200℃の熱風
式オーブンに2時間拘束することなく放置した後、再度
23℃、55%RHの雰囲気下に72時間放置した後、
標識間の距離を読み取り顕微鏡にて測定して求めた。 (3)熱膨張係数の測定法 熱力学特性測定機(TMA、真空理工株式会社製TM7
000型)に幅5mmのサンプルを取り付け、荷重0.
3g下で、一旦300℃まで昇温してサンプルの残留歪
を除去した後、窒素気流下に冷却し、300℃から30
℃までのフィルムの寸法変化を測定し、この間の熱膨張
率を平均値として求める。
【0033】(4)中心線平均値(Ra) Raの定義は、例えば奈良治郎著「表面粗さの測定、評
価法」(総合技術センター、1983)に示されている
ものであり、小坂研究所製の表面粗さ測定機(ET−3
0)を用い、触針先端半径0.5μm、触針荷重5m
g、カットオフ値80μmの条件で、10回測定し、そ
の平均値で表す。 (5)光電変換特性 光電変換特性は、変換効率をAM=1に調節したオリエ
ル社のソーラーシュミレータで測定した。
【0034】
【実施例1および比較例1〜2】(実施例1)ポリパラ
フェニレンテレフタルアミド(PPTA)を、予め0.
04μmのシリカ粒子をPPTAに対し0.3重量%と
なるように超音波攪拌機により分散させた99.8%濃
硫酸にポリマー濃度が12%になるように溶解し、ダイ
からエンドレスベルト上にキャストした。ベルト上で加
熱と同時に吸湿処理して、ドープを液晶相から等方相に
相転換した後、0℃の45%硫酸中にて凝固させ、中
和、水洗し、縦横ともに1.1倍の延伸を施した後クリ
ップテンターにより定長状態を保ちつつ熱風乾燥し、次
いで400℃で緊張熱処理、350℃でフリー熱処理し
た後巻き上げた。
【0035】得られたPPTAフィルムは50μmの厚
みであり、長尺方向、幅方向にそれぞれ、強度35、3
7kg/mm2、伸度40、37%、弾性率950、9
80kg/mm2、200℃熱収縮率0.06、0.0
5%、熱膨張係数4.2×10-6、4.0×10-6であ
り、Ra4.7nmであった。フィルムをスパッタリン
グ装置にてステンレススチールターゲットよりフィルム
上に厚さ1000オングストロームのステンレススチー
ル層を形成した。
【0036】次いで、真空反応器中の支持電極上に上記
処理フィルムを設置し、反応器内を一旦10−5Tor
rに排気し、支持電極の温度を300℃に高めた後、対
抗電極と支持電極に30Wの13.56MHzの高周波
電圧を印加しつつアルゴンガスを器内に導入して1To
rrのアルゴン雰囲気下でプレスパッタし、次いで水素
ガスで10%に希釈したSiH4同様に水素ガスで1%
に希釈したPH3ガスを導入し、0.8Torrの雰囲
気化でフィルム上に200オングストロームのn型アモ
ルファスシリコン層を形成する。引き続き、SiH4
みを導入し、厚さ6000オングストロームのi型アモ
ルファスシリコン層を積層し、さらにSiH4ガス中に
1%のB26を含有するものを導入し、厚さ200オン
グストロームのp型アモルファスシリコン層を形成し
た。
【0037】次いでこのpin型アモルファスシリコン
半導体層を形成したフィルムを真空蒸着装置内に設置
し、電子ビーム法により1000オングストローム厚み
の酸化インジウム錫層を蒸着しヘテロフェイス層とし
た。最後にその上に厚さ1000オングストロームのパ
ラジウム層を櫛形に真空蒸着し、フィルム状太陽電池を
構成した。 (比較例1)比較のため、PPTAフィルム製造におい
てシリカ粒子分散を撹拌式のホモジナイザで実施したフ
ィルムを用いた他は全く同様に太陽電池を構成した。こ
の例のPPTAフィルムは、表面粗度以外は全く同様の
物理的性質を示し、Raはシリカ粒子の分散が完全でな
いために15nmを示した。
【0038】(比較例2)従来の耐熱性フィルムの例と
して、市販のポリイミドフィルムであるカプトン(東レ
・デュポン株式会社登録商標)200Vを用いた他は同
様にして太陽電池を構成した。用いたフィルムの長尺方
向、幅方向それぞれの強度は22.5、23.5kg/
mm2、伸度61.4、61.9%、弾性率386、4
22kg/mm2、熱膨張係数23×10-6、20×1
-6であり、Raは12nmであった。 上記実施例1
および比較例1〜3で得られたそれぞれのフィルム状太
陽電池の光電変換特性を測定したところ、本発明のもの
が4.4%であるに対し、比較例1では3.0%、比較
例2では2.3%であった。それぞれのアモルファスシ
リコン層を走査型電子顕微鏡により観察したところ、比
較例1および2の太陽電池では、フィルム面からの剥離
が観察され、これが光電変換特性を悪くしていることが
推定された。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、可撓性のフィルム状太
陽電池を製造するに当たり、フィルム上に形成されるア
モルファスシリコン層などが、製造工程中に、またはそ
の後の加工工程や使用に際して、部分的なフィルム基板
からの剥離や破壊が少なく、太陽電池製造時の歩留まり
が高く、また可撓性を活用した応用加工、使用上での光
電変換効率の低下の少ないフィルム状太陽電池が提供で
きるため、太陽電池のコストダウンが可能であり、また
その応用範囲を広げることが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性フィルム基板上に光起電力要素と
    してアモルファスシリコン薄膜を設けた太陽電池におい
    て、フィルム基板として強度が20kg/mm2以上、弾
    性率が600kg/mm2以上、200℃における熱収
    縮率が2%以下であり、熱膨張係数が−2×10-6
    上、10×10-6以下であり、かつアモルファスシリコ
    ン薄膜を設ける側の表面が中心線平均値(Ra)が10
    nm以下の表面粗度である耐熱性合成樹脂フィルムを用
    いることを特徴とするフィルム状アモルファスシリコン
    太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100589866B1 (ko) * 1997-05-16 2006-10-19 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 태양전지 및 그 제조방법
DE19825081B4 (de) * 1997-06-06 2012-10-31 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Halbleiterdünnfilm und Halbleitervorrichtung und Herstellungsverfahren

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