JPH0712891Y2 - 入射角測定機能付きプリズム装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ、産業上の利用分野 この考案は受光入射角の測定を可能にした計測用プリズ
ム装置に関するものである。

ｂ、従来の技術 従来の計測用の直角プリズム又はコーナープリズムは入
射光を反射させ、その光を発射点に戻すことにより、発
射点に配置した計測器材を使用して、プリズム位置又は
計測器材位置の、空間位置情報又は姿勢の変位量情報等
の測定をおこなっているものであり、その入射光軸とプ
リズムの中心線との変位角はプリズム自身では測定でき
なかった。

ｃ、考案が解決しようとする問題点 本案はプリズム自身で入射光軸とプリズムの中心線との
なす変位角を測定をしようとするものである。

ｄ、問題を解決するための手段 いまその解決手段を第１図を参照しながら説明する。

直角プリズムの二つの反射面（１）を入射光の一部を透
過できる半透鏡とし、その後側に例えばイメージセンサ
ーのような光による位置情報の検出センサー（２）を取
り付け、その検出情報を処理する演算部（３）を設け
る。

コーナープリズムを使用する場合は、三つの反射面を半
透鏡とするほかは直角プリズムと同様である。

ｅ、作用 その作用を直角プリズムについては第２図を、コーナー
プリズムについては第３図を参照して説明する。

光源から発射された光はプリズムの二つの反射面（１）
で反射して発射点に戻るが、各反射面（１）で一部の光
は反射面を透過して位置情報の検出センサー面（２）に
到達する。センサーは光の当たっている点（４）の位置
情報を検出する。プリズムの中心線（５）と入射光軸
（６）の軸線方向が等しい場合はプリズムの直角軸
（７）とセンサーが検知した光点（４）の中心との距離
（b,c）は等しいが、入射光軸（６）とプリズムの中心
線（５）との間の直角軸を軸とする角成分の変位角
（８）がある場合は反射面（１）上の距離（b,c）の関
係は変位角の大きさと関連して変化する。変位角はプリ
ズムの中心線をＯ、プリズムに正対して左への変位角を
＋、右への変位角を−で表すとき、その変位角量は45°
−tan^-1（c/b）で求めることができるので、これを演算
部にプログラムし、センサー面（２）上で検出した位置
情報を演算部に入力し演算することにより、入射光軸
（６）とプリズムの中心線（５）との間の変位角（８）
を測定することができる。

コーナープリズムについても直角プリズムと同様に各反
射面後側のセンサー上で検出した入射光の位置情報を演
算部に入力し演算することにより、入射光軸（６）とプ
リズムの中心線（５）との間の変位角（８）を測定す
る。なお変位角は三つの反射面の交点（９）でプリズム
の中心線（５）と直交する線のうち、二つの反射面の交
線（10）とプリズムの中心線（５）とがつくる面に含ま
れる線（11）と、その線と直交する線（12）のそれぞれ
を軸とする角成分に分解して、プリズムの中心線（５）
との変位角（８）を求める。

ｆ、考案の効果 この考案は反射プリズムが入射光を反射してその光を発
射点に戻すと共に、入射光軸がプリズムの中心線となす
変位角を測定できるので、プリズム位置の姿勢の変位状
態をプリズム自身で求められるので、プリズム面を光源
に正対させることができ、有効な計測活動を行える。
又、光源から一定方向の光を受光することによりプリズ
ム位置の姿勢の変位の状態を測定することができる。

ｇ、その他の実施例 第４図はプリズムの中心線に正対する面の前後・左右の
傾斜を測定できる気泡管（13）を取り付けたプリズム装
置の実施例である。プリズム装置に気泡管を取り付ける
ことによりプリズムの中心線は水平面を基準として設置
できるので、演算部で演算することによりプリズムの中
心線（５）と入射光軸（６）の間の変位角（８）は鉛直
角と水平角で求めることができる。

第５図は同じくプリズムの中心線に正対する面の左右の
傾斜を測定できる傾斜角計（14）を取り付けたプリズム
装置の実施例である。この実施例ではプリズムの中心線
に正対する面の左右の傾斜角を測定できるので、プリズ
ム面で求められる鉛直角と水平角と合わせ、姿勢変位の
三成分角が求められる。さらにセンサー上の光点位置の
独立的な上下・左右の変位量の測定によりプリズム位置
の上下・左右の変位状況が測定でき、遠近の距離的変位
を測定できる光波距離計等の測距器材（15）と組み合わ
せることにより、プリズム位置における入射光軸を基準
とした、位置変位情報のすべての要素を測定することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の直角プリズムを使用する場合のふか
ん図。 第２図及び第３図はこの考案の変位角測定要領説明図。 第４図及び第５図はこの考案のその他の実施例を示す斜
視図 （１）反射面、（２）位置情報の検出センサー、（３）
演算部、（４）センサー上の光点、（５）プリズムの中
心線、（６）入射光軸、（７）プリズムの直角軸、
（８）変位角、（９）三反射面の交点、（10）二反射面
の交線、（11）（５）と直交し、（10）と（５）がつく
る面に含まれる線、（12）（５）と（11）に直交する
線、（13）気泡管、（14）傾斜角計、（15）測距器材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プリズム又は反射鏡を組み合わせてプリズ
   ムと同様の機能を持つように作られた反射体（以下、プ
   リズムと称する）の反射面を入射光の一部が透過できる
   ようにし、その反射面の後側に例えばイメージセンサー
   のような光による位置情報の検出センサーを取り付けた
   直角プリズム又はコーナープリズムと、演算部よりなる
   プリズム装置。
2. 【請求項２】プリズムの中心線に正対する面の、前後及
   び左右の傾斜を測定できる気泡管又は傾斜角計を取り付
   けた実用新案登録請求の範囲第１項記載のプリズム装
   置。