JPH0712787Y2 - シングルレバー式水栓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は単一のレバーハンドルの操作で流体の制御を図
るシングルレバー式水栓に関する。

（従来の技術） 従来この種のシングルレバー式水栓においては、例えば
特開昭60−249784号公報に示す如く、伝達機構の上部に
嵌合される操作キャップにレバーハンドルの一端嵌合環
を嵌合すると共に、そのレバーハンドルの操作杆基端部
に軸挿通口を設け、そしてケース本体上方に回動自在に
装着されているレバーカバーのハンドル設置部にて上記
軸挿通口に横軸部材を貫通せしめることで軸着し、レバ
ーハンドルの支持を図っていた。

（考案が解決しようとする課題） しかし上記従来技術にあっては、レバーハンドルの回動
作動で所定温度に混合された湯水混合水を、前記レバー
ハンドルを横軸部材を支点にして、上下に作動させて吐
水を図るが、その作動時に発生する荷重はそのレバーハ
ンドルの操作杆を横軸部材で支持している部分に集中
し、使用を重ねると、その横軸部材（支持部）の傷みや
摩耗が早まる虞れがあった。

またハンドル設置部を、レバーハンドルの作動範囲を確
保するために大口としていたため、見栄えが悪く外観的
美感を損っていた。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みな
されたものであり、その目的とするところは、流体の吐
出を図る際に操作杆の支持部に掛る荷重を分散させ、操
作杆の支持部分の保護を図ると共に、美感の向上を図る
ことである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成する為に本考案がなした技術的手段は、
流体の入口及び出口と、該入口と出口を連通した通水路
と、該通水路の流体を制御する弁装置と、該弁装置の駆
動を操作するレバーハンドルと、該レバーハンドルと前
記弁装置を連結する連結部材と、前記レバーハンドルの
回動操作と共に回転し、前記レバーハンドルと前記連結
部材との連結部を内包すると共に前記レバーハンドルの
設置部を備えたレバーカバーとからなるシングルレバー
式の水栓において、上記ハンドル設置部は上面にハンド
ル押え部材の押え部を、下面にはハンドル支承部を配
し、該ハンドル支承部の両側部位に凸部を設け、かつ該
凸部に対応する凹部をレバーハンドルの操作杆の基端部
両側部位に上面から下面に向けて設けたことである。

また、凸部を軸ピンとすることである。

さらに、ハンドル支承面を縦断面略三角形状としてもよ
い。

（作用） 上記せる技術的手段により、レバーハンドルの操作杆の
支持部に掛る荷重は、レバーハンドルの操作杆上方の押
え部、下方のハンドル支承部の支承面及びハンドル支承
部両側部位の凸部（横軸）に夫々分散され、かつハンド
ル設置部は押え部及びハンドル支承部の支承面がレバー
ハンドルの操作杆上下面に夫々接し開口部を露出しな
い。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

（Ａ）はバルブ本体で、該バルブ本体（Ａ）はバルブ本
体ケース（Ａ′）内の下方左右空間を夫々湯流路
（ｃ），水流路（図示せず）とし、流体の入口及び出口
と、該入口と出口を連通した通水路と、該通水路の流体
を制御する弁装置（Ｘ）と、該弁装置の駆動を操作する
レバーハンドル（１）と、該レバーハンドル（１）と前
記弁装置（Ｘ）を連結する連結部材（Ｂ）と、前記レバ
ーハンドル（１）の回動操作と共に回転し、前記レバー
ハンドル（１）と前記連結部材（Ｂ）との連結部を内包
すると共に前記レバーハンドル（１）の設置部（4a′）
を備えたレバーカバー（４）とで構成される。

尚、本実施例はシングルレバー式の湯水混合栓で弁装置
（Ｘ）は、湯水制御弁体（12）と混合水の吐水量を調整
する開閉弁体（３）とからなるが、一実施例を示すにす
ぎず何等限定されるものではない。

バルブ本体ケース（Ａ′）は、中空状のケース本体
（a₁）内に両端を開口した中空状のガイドケース（a₂）
を取着せしめてなる。

ちなみにガイドケース（a₂）は、全体略円筒形で中空状
に形成され、その中空部上方をライナー（２）の配設空
間とし、下方を湯水制御弁体（12）を配する弁室（16）
とするものであり、そのライナー（２）の配設空間側面
に混合水流出口（図示省略）を設ける。

ケース本体（a₁）は、その上方をキャップ状のレバーカ
バー（４）とし、その上縁にハンドル押え部材（５）を
備え蓋体（６）で冠着する。

レバーカバー（４）は、側面所望箇所に開口部（4a）を
設け、該開口部（4a）の上面にハンドル押え部材（５）
の押え部（5a）を、下面にハンドル支承部材（７）の支
承部（7a）を夫々係合せしめ、その両者間にできた空間
をハンドル設置部（4a′）とし、該設置部（4a′）に支
持されるレバーハンドル（１）の回動作動に伴って回動
する。

ハンドル押え部材（５）は、前記レバーカバー（４）の
内径よりも僅かに大径の円盤状に形成し、その中央部位
にガイド筒（5b）を垂下せしめると共に、縁部下方に断
面略逆三角形状の押え部（5a）を垂設し、縁部をレバー
カバー（４）の上端面に係合せしめその上方から蓋体
（６）を冠着して固着される。

ハンドル支承部材（７）は、前記レバーカバー（４）の
内径よりも僅かに大径のリング状に形成し、その一部上
端面に断面略Ｕ字形状の支承部（7a）を設け、該支承部
（7a）の左右立片（7c）（7c）に凸部（軸ピン）（7b）
（7b）が設けられる貫通孔（7b′）（7b′）が形成され
ると共に、該立片（7c）（7c）間には断面略三角形状の
支承面（7d）が一体的に設けられ、該支承部（7a）をレ
バーカバー（４）の開口部（4a）下面に、そしてリング
部分をレバーカバー（４）の内周に係合せしめてなる。

レバーハンドル（１）は、長尺平板状の操作杆（１′）
の一端に第一連結部材（b1）の操作キャップ（８）を嵌
合せしめる嵌合環（1a）を設け、操作杆（１′）の基端
部両側面に前記ハンドル支承部材（７）の支承部（7a）
の軸ピン（7b）（7b）と対応して軸着される凹部（溝
部）（1c）（1c）を切欠し、そして嵌合環（1a）の両側
部位には、突部（1b）（1b）を設け、該突部（1b）（1
b）には、開閉弁体（３）を連結する第二連結部材（b
2）を係止する。

すなわちレバーハンドル（１）は、第一連結部材（b1）
の上方操作キャップ（８）に嵌合環（1a）を嵌合せしめ
ると共に、その両側突部に（1b）（1b）に開閉弁体
（３）を係止した後に操作杆（１′）の溝部（1c）（1
c）を軸ピン（7b）（7b）に軸着せしめ、その上方から
ハンドル押え部材（５）のガイド筒（5b）を操作キャッ
プ（８）の上面開口部に挿入すると共に、押え部（5a）
を操作杆（１′）の上面に当接せしめる。

本実施例の連結部材（Ｂ）は、レバーハンドル（１）の
回動作動を進退作動に変換して湯水制御弁体（12）に伝
達する第一連結部材（b1）と、レバーハンドル（１）の
上下作動で開閉する開閉弁体（３）と連結する第二連結
部材（b2）とからなる。

第一連結部材（b1）は、レバーハンドル（１）の嵌合環
（1a）に嵌合されて一体的に取付けられる操作キャップ
（８）の内周面に上部を嵌合せしめた移動軸（９）の筒
部をライナー（２）の段部（2a）で仕切られている上方
空間に螺合し、段部（2a）の挿通口（2a′）にその下方
の空間から混合水の温度に感温し湯水制御弁体（12）を
自動制御する従来周知の感温部（10）の一端を挿通せし
めて移動軸（９）の下方に当接取着すると共に、他端に
内部空間を湯水混合室とする筒部材（11）を嵌挿取着し
てなり、その筒部材（11）に湯水制御弁体（12）を連結
する。

ちなみに（13）はナットで、該ナット（13）は所望厚み
を有するリング状で、前記カートリッジケース（a₂）を
螺着せしめたバルブ本体ケース（Ａ′）に前記ライナー
（２）をスプライン嵌合した後、ライナー（２）の上方
から挿通し、カートリッジケース（a₂）の段部（a₂′）
上方に螺合しつつ降下せしめてライナー（２）を定着せ
しめるものである。

第二連結部材（b2）は、前記嵌合環（1a）の突部（1b）
（1b）に係止してなり、その上端支承片（b2′）（b
2′）をレバーハンドル（１）の嵌合環（1a）の突部（1
b）（1b）に係止して垂下し、ライナー（２）の外周面
とバルブ本体ケース（Ａ′）の内周面に螺着される中間
リング（17）の内周面と開閉弁体（３）を摺接せしめ
る。

ちなみに第二連結部材（b2）と開閉弁体（３）との枢着
部分の摩擦力は、開閉弁体（３）の内周面とライナー
（２）の外周面との摺接による摩擦力より小さくする。

ライナー（２）は、上下面を開口した全体略中空状の円
筒体に形成し、中空部中高部位に挿通口（2a′）を有す
る段部（2a）を設け、バルブ本体ケース（Ａ′）の略中
心に嵌合し、その中空部には第一連結部材（b1）を内設
する。

而して本実施例にあっては、まずレバーハンドル（１）
を横方向に回動させて、そのレバーハンドル（１）の嵌
合環（1a）を操作キャップ（８）に嵌合せしめて一体的
連結されている第一連結部材（b1）が、ライナー（２）
内を上下に進退して湯水制御弁体（12）を適宜位置に配
して湯水の混合調整を図る。

この時、湯及び水は一旦筒部材（11）に設けられている
湯流入孔（11a），水流入孔（図示省略）から該筒部材
（湯水混合室）（11）に流入して混合されて混合空間
（14）に流出する。

そして、次にレバーハンドル（１）を下方に押し下げ、
その嵌合環（1a）に係止されている第二連結部材（b2）
を介して連結されている開閉弁体（３）を上方に移動せ
しめて混合水開放口（図示省略）を開放し所望量の湯水
混合水を吐水管（15）にて吐水する。

この時、ハンドル設置部（4a′）に配されている操作杆
（１′）の支持部に掛る荷重は、押え部（5a），支承面
（7d）及び軸ピン（7b）（7b）近傍に分散され、該軸ピ
ン（7b）（7b）のみには掛からず、かつ開閉弁体（３）
の上下動時のハンドルのずれは、該軸ピン（7b）（7b）
で防止されている。

また本実施例にあっては、ハンドル押え部材（５）の押
え部（5a）を、断面略逆三角形状、ハンドル支承部材
（７）の支持部（7a）の支承面（7d）を、断面略三角形
状でもって夫々説明するが、断面半円形状等でレバーハ
ンドル（１）の作動範囲に支障を来たさない程度の形状
であれば所望な形状でよい。

（考案の効果） 本考案は、上記せる如き構成を有するので下記の効果を
奏する。

流体を吐出するためにレバーハンドルの操作杆を下方へ
押圧し、その際レバーハンドルの操作杆の支持部に掛る
荷重は、操作杆の上面に当接しているハンドル押え部材
の押え部と、操作杆の下面に当接しているハンドル支承
部の支承面、及びハンドル支承部の両側部位に設けた凸
部（横軸）とに分散されるものであるため、従来技術の
ようにレバーハンドルの操作杆に軸着される横溝のみに
荷重が掛るという不具合が生じず、横軸の傷みや摩耗が
遅延され操作杆の支持部分の保護が図られる。

また、前記押え部と支承部の支承面が夫々操作杆の上下
面に当接し、ハンドル設置部を露出せしめないため、美
感の向上が図れる。

そして、例えば従来技術のように、レバーハンドルの支
持部側面間にわたって横軸挿通口を貫通せしめ、該挿通
口にわたって横軸を挿通せしめて軸着する構成としたの
では、少なくとも挿通口が穿口できる程度にそのレバー
ハンドルの横軸軸着部位を厚肉状に構成しなければなら
ず、またそのような構成を得るには、鋳造となり研磨等
の加工を要し、加工上面倒でもあったが、本考案のよう
にハンドル支承部の両側部位に凸部を突設し、該凸部に
対応する凹部をレバーハンドルの操作杆の基端部両側部
位に上面から下面に向けて設けるものとして構成するこ
とにより、上記従来技術にように少なくとも横軸挿通部
位を厚肉状とすることなくレバーハンドルを全体同一厚
みの薄肉状の単なる板材により構成することができ、加
工が容易であると共に、従来と比して大変コスト低廉と
なり、また組み立ても容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案シングルレバー式水栓の一実施例を示す
縦断側面図、第２図は第１図の（II）（II）線縦断面
図、第３図はレバーハンドルの操作杆支持部の正面拡大
縦断面図、第４図は分解斜視図である。尚、図中 （Ａ）：バルブ本体 （Ａ′）：バルブ本体ケース （Ｂ）：連結部材 （Ｘ）：弁装置 （１）：レバーハンドル （１′）：操作杆 （1a）：嵌合環 （1b）：突部 （1c）：溝部（凹部） （３）：開閉弁体 （４）：レバーカバー （５）：ハンドル押え部材 （5a）：押え部 （７）：ハンドル支承部材 （7a）：支承部 （7b）：軸ピン（凸部） （12）：湯水制御弁体

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−261786（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−101180（ＪＰ，Ａ) 実開 昭53−126042（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−146174（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−94025（ＪＰ，Ｕ)

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】流体の入口及び出口と、該入口と出口を連
   通した通水路と、該通水路の流体を制御する弁装置と、
   該弁装置の駆動を操作するレバーハンドルと、該レバー
   ハンドルと前記弁装置を連結する連結部材と、前記レバ
   ーハンドルの回動操作と共に回転し、前記レバーハンド
   ルと前記連結部材との連結部を内包すると共に前記レバ
   ーハンドルの設置部を備えたレバーカバーとからなるシ
   ングルレバー式の水栓において、上記ハンドル設置部は
   上面にハンドル押え部材の押え部を、下面にはハンドル
   支承部を配し、該ハンドル支承部の両側部位に凸部を設
   け、かつ該凸部に対応する凹部をレバーハンドルの操作
   杆の基端部両側部位に上面から下面に向けて設けたこと
   を特徴とするシングルレバー式水栓。
2. 【請求項２】凸部が軸ピンである請求項１記載のシング
   ルレバー式水栓。
3. 【請求項３】ハンドル支承面が縦断面略三角形状である
   請求項１又は２記載のシングルレバー式水栓。