JPH0712707U - 気化式燃焼装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 残留燃料が気化器内でタール化するのを防ぐ
こと。 【構成】 石油系燃料を気化させる気化器８と、その気
化器８に石油系燃料を供給するポンプ１１を介在させた
供給路９と、その気化器８で気化しノズル６から噴射す
る気化ガスを燃焼させるバーナと、消火操作に応じてノ
ズル６からの気化ガスの流出を断つ開閉弁７と、消火操
作に応じて開く開閉弁７を介在させた戻り路１２とを備
え、該戻り路１２を介して気化器側８に残留する残留燃
料を燃料タンク１０に戻すようにした気化式燃焼装置に
おいて、供給路９に介在させたポンプ１１を消火動作後
の一定時間動作し続けるようにする。更に戻り路１２を
冷却する冷却手段１５を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、石油系燃料である主として灯油を燃焼させる気化式燃焼装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

石油系燃料を気化させる気化器と、該気化器に石油系燃料を供給するポンプを 介在させた供給路と、該気化器で気化しノズルから噴射する気化ガスを燃焼させ るバーナと、消火操作に応じてノズルからの気化ガスの流出を断つ遮断弁と、消 火操作に応じて開く開閉弁を介在させた戻り路とを備え、該戻り路を介して気化 器側に残留する残留燃料を燃料タンクに戻すようにした気化式燃焼装置は知られ 、さらに、該気化器内に燃料が残留すると、これがタ−ル化し、気化器内に詰ま ることがある。かかる不具合を解消するため、燃焼終了時にポンプで気化器内に 空気を圧送して、該気化器内の燃料を押し出すようにしたものも知られる（実開 平３−７９０１３号）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この気化式燃焼装置では、気化器内の加熱された石油系燃料に空気が 作用するため、該気化器内で、石油系燃料が酸化重合し、カーボン・タールとな って気化器内に詰まり、気化ガスの量が減少して燃焼不良を起こす。

【０００４】 本考案は、かかる不具合のない気化式燃焼装置を得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案はかゝる目的を達成するため、石油系燃料を気化させる気化器と、該気 化器に石油系燃料を供給するポンプを介在させた供給路と、該気化器で気化しノ ズルから噴射する気化ガスを燃焼させるバーナと、消火操作に応じてノズルから の気化ガスの流出を断つ開閉弁と、消火操作に応じて開く戻し弁を介在させた戻 り路とを備え、該戻り路を介して気化器側に残留する残留燃料を燃料タンクに戻 すようにした気化式燃焼装置において、前記供給路に介在させたポンプを消火動 作後の一定時間動作し続けるようにした。そして該戻り路を冷却する冷却手段を 設ければさらに良い。

【０００６】

【作用】

上記のとおりの構成を備える気化式燃焼装置では、消火動作によって開閉弁を 閉じると共に戻し弁を開けば、燃料タンクから供給路を通り気化器と戻り路を経 て燃料タンクに戻る石油系燃料の循環路が形成させる。従って、該供給路に介在 させたポンプを消火動作後も一定時間動作し続けると、該循環路内を石油系燃料 が循環し、燃料タンク内の温度の低い燃料によって気化器に残留する温度の高い 燃料を燃料タンク側に押出されて、消火操作後に、該気化器内に温度の高い石油 系燃料が滞留することをなくすと共に該気化器の温度を下げることが出来る。

【０００７】

【実施例】

本考案を図に示す実施例につき説明する。 図面で１はバーナを示し、該バーナ１は、上面に燃焼部２を備えたバーナ本体 ３の側面に開口する混合管４を備える。５は端部に該混合管４の開口に対向する ノズル６を備えた弁筐を示し、該弁筐５には、点火操作に伴って開いて該ノズル ６に燃料の供給し消火操作に伴って該ノズル６への燃料の供給を断つ開閉弁７を 備える。８は該弁筐５に支持させ内部を該弁筐５に連通させた電気ヒ−タ（図示 ない）を備える気化器を示し、該気化器８で気化させた気化ガスを該ノズル６か ら混合管４に向かって噴射させ、このときインゼクタ作用に空気を該混合管４に 吸込み、該混合管４内で気化ガスと空気を混合してバーナ本体３内に送り込み、 燃焼部２で燃焼させる。

【０００８】 ９は該気化器８に石油系燃料を供給する供給路を示し、該供給路９は、燃料タ ンク１０から立ち上がる燃料供給管９ａの途中にポンプ１１を介在させて構成し た。

【０００９】 １２は消火操作に応じて開く戻し弁１３を介在させた気化器８側の燃料を燃料 タンク１０側に戻す戻り路を示し、図示するものは、該戻り路１２を前記弁筐５ の後半部１２ａとこれに連なる戻り管１２ｂで構成した。

【００１０】 そして、消火操作に応じて開く戻し弁１３は、該弁筐５の後端内面に設けた弁 座と共働する前弁棒の後端で形成させた。

【００１１】 尚、開閉弁７と戻し弁１３とは、ソレノイド１４によって開閉動作する電磁弁 とした。

【００１２】 本考案はかかるものにおいて、該供給路９に介在させたポンプ１１を消火動作 後の一定時間動作し続けるようにし、さらに、該戻り路１２を冷却する冷却手段 １５を備え、該冷却手段１５としての冷却ファン１５ａを備える。

【００１３】 これを図２に示す回路に付き説明すると、該制御回路は、トランスＴＲの二次 側に接続されるマイコン制御回路Ｃのタイマ機能によって制御されるリレーＲＹ １乃至リレーＲＹ３と、マイコン制御回路Ｃのタイマ機能と運転スイッチＳＷに よって制御されるＲＹ４乃至ＲＹ６とを備え、対流用送風機（図示しない）の制 御回路Ｆは、リレーＲＹ１の接点ｒｙ１を介して電源Ｓに接続され、ポンプ１１ の制御回路Ｐは、リレーＲＹ２の接点ｒｙ２を介して電源に接続され、冷却ファ ン１５の制御回路ＦＮは、リレーＲＹ３の接点ｒｙ３を介して電源Ｓに接続され 、気化器８に介在する気化ヒータの制御回路Ｈは、リレーＲＹ６の接点ｒｙ６を 介して電源Ｓに接続され、点火器１６の点火トランスの制御回路ＩＴは、リレー ＲＹ６の接点ｒｙ６とリレーＲＹ５の接点ｒｙ５とを介して電源Ｓに接続され、 前記ソレノイド１４の制御回路ＳＤは、リレーＲＹ６の接点ｒｙ６−１又は接点 ｒｙ６−２と、リレーＲＹ４の第１接点ｒｙ４−１ａ又は第２接点ｒｙ４−１ｂ を介して電源Ｓに接続される。

【００１４】 その作動は、図３に見られるタイムチャートの通りである。

【００１５】 次にこれを説明すると、運転スイッチＳＷを閉じると、リレーＲＹ６の励磁に よってその接点ｒｙ６−１を介して気化ヒータの制御回路Ｈに通電される。この ため気化器８が加熱される。そして一定時間の経過後、リレーＲＹ５の励磁によ ってその接点ｒｙ５が閉じる。従って制御回路ＩＴに通電され、更にリレーＲＹ ５の励磁に遅れてリレーＲＹ２が励磁されるため、ポンプ１１の制御回路Ｐに通 電されると共にソレノイド１４の制御回路ＳＤに通電され、開閉弁７が開くと共 に戻し弁１３を閉じる。このため気化器８で気化された気化ガスが前記ノズル６ から混合管４に向かって噴射し、その気化ガスはバーナ１の燃焼部２から噴出し 、点火器１６の火花に触れて点火し燃焼する。

【００１６】 尚、ソレノイド１４は作動当初は、リレーＲＹ３が第１接点ｒｙ４−１ａと接 続する状態にあるため、大きな電力で切替られるが作動後は第２接点ｒｙ４−１ ｂと接続するため、弱い電力で開弁保持される。

【００１７】 そして、点火後一定時間経過するとリレーＲＹ５が消磁するため、接点ｒｙ５ が開き点火トランスの制御回路ＩＴへの通電は解かれる。

【００１８】 消火するため、運転スイッチＳＷを開くと、リレーＲＹ４乃至リレーＲＹ６の 励磁が解かれるため、気化ヒータＨ並びにソレノイド１４への通電が解かれる。 このため、気化ヒータＨが不作動と成ると共に開閉弁７が閉じ、戻し弁１３が開 く。しかしポンプ１１は作動し続ける。

【００１９】 このため、前記循環路内を石油系燃料が循環する。かくすることで、タンク１ ０内の温度の低い燃料によって気化器８に残留する温度の高い燃料を燃料タンク １０側に押出される。しかも該石油系燃料は戻り路１２を流れるとき冷却手段に よって冷やされる。

【００２０】 そして、消火動作の後一定時間の経過するとリレーＲＹ２並びにリレーＲＹ３ が消磁するためポンプ１１が停止する。

【００２１】 尚、リレーＲＹ１は、バーナ１に連なる熱交換器（図示しない）が完全に冷却 した後消磁する。これによって対流用送風機（図示しない）は停止する。

【００２２】 冷却手段１５は、冷却手段１５としての冷却ファン１５ａによる冷却効果を確 実にするために、図１に示すごとく、戻り管１２ｂにフィン１２ｂ−１を設ける と共に戻り路１２全体を筐体１８で覆い、該筐体１８の一端に該ファン１５ａを 接続し、筐体１８の他端に排気口１７を設けて、該ファン１５ａからの風で戻り 路１２全体を空冷するようにした。

【００２３】 しかしこれは、図４に示すごとく、戻り管１２ｂにフィン１２ｂ−１を設ける と共に該戻り管１２ｂにファン１５ａからの風を当てて、戻り路１２の一部のみ を空冷するようにしても良く、さらに、図５に示すごとく、前記弁筐５の戻し弁 １３より後側に延びる筒部１９を設け、該筒部１９の外周にフィン１９ａを設け て、該筒部１９にファン１５ａからの風をあてて該筒部１９のみを空冷するよう にしても良い。

【００２４】 尚、前記燃料タンク１０は、常に油面を一定に保ち得るオイルレベラで構成し 、この燃料タンク１０には、元タンク（図示しない）から落差を利用して常に燃 料が供給される。

【００２５】 尚、上記ファン１５ａは消火後の一定時間作動させるようにしたが、これはバ ーナ１の燃焼中並びに消火後の一定時間作動し続けるようにしても良い。

【００２６】

【考案の効果】

上記構成を備える気化式燃焼装置では次のような効果を奏する。 供給路に介在させたポンプを消火動作後の一定時間動作し続けるようにしたき わめて簡単なことで、燃料タンク内の温度の低い燃料によって気化器に残留する 温度の高い燃料が燃料タンク側に押出して、該気化器内に滞留する燃料の温度を 下げることが出来る。このため該気化器内で燃料がタ−ル化するのを防げると共 に従来例の空気で燃料を押し出す式のものが備える不具合もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案実施の一例を示す側面図

【図２】 その作動回路図

【図３】 タイムチャート図

【図４】 図１の変形例を示す側面図

【図５】 更に他の変形例を示す側面図

【符号の説明】

１ バーナ ６ ノズル ７ 開閉弁 ８ 気化器 ９ 供給路 １０ 燃料タンク １２ 戻り路 １３ 戻り弁 １５ 冷却手段

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 石油系燃料を気化させる気化器と、該気
   化器に石油系燃料を供給するポンプを介在させた供給路
   と、該気化器で気化しノズルから噴射する気化ガスを燃
   焼させるバーナと、消火操作に応じてノズルからの気化
   ガスの流出を断つ遮断弁と、消火操作に応じて開く戻し
   弁を介在させた戻り路とを備え、該戻り路を介して気化
   器側に残留する残留燃料を燃料タンクに戻すようにした
   気化式燃焼装置において、前記供給路に介在させたポン
   プを消火動作後の一定時間動作し続けるようにしたこと
   を特徴とする気化式燃焼装置。
2. 【請求項２】 前記戻り路を冷却する冷却手段を設けて
   成る請求項１記載の気化式燃焼装置。