JPH07126820A - 平版印刷版用アルミニウム合金支持体 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム合金支持体

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JPH07126820A
JPH07126820A JP5302244A JP30224493A JPH07126820A JP H07126820 A JPH07126820 A JP H07126820A JP 5302244 A JP5302244 A JP 5302244A JP 30224493 A JP30224493 A JP 30224493A JP H07126820 A JPH07126820 A JP H07126820A
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aluminum
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宏和 澤田
Akio Uesugi
彰男 上杉
Masaya Matsuki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解粗面化処理の得率を向上させると共に、
バーニング処理後の熱軟化性が小さい平版印刷版を安定
して作れる平版印刷版用アルミニウム合金支持体を提供
する。 【構成】 アルミニウム溶湯から直接板状に連続鋳造圧
延を行い、更に冷間圧延、中間焼鈍及び最終冷間圧延、
矯正を行なう平版印刷版用アルミニウム合金支持体にお
いて、引張り強度が15kg/mm2 以上であり、さら
に加熱温度300℃、7分間保持で熱処理した場合の耐
力が10kg/mm2 以上であることを特徴とする平版
印刷版用アルミニウム合金支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷版用アルミニウ
ム合金支持体に関するものであり、特に電気化学的粗面
化処理に適し、かつ、感光層を塗布し焼き付け現像後に
バーニング処理を行なった時に、軟化しにくい平版印刷
版用アルミニウム合金支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷版用アルミニウム支持体、特にオフ
セット印刷版用支持体としてはアルミニウム板(アルミ
ニウム合金板を含む)が用いられている。一般にアルミ
ニウム合金支持体の表面に粗面化処理、陽極酸化処理な
どの表面処理を施して支持体とされる。
【0003】印刷版用アルミニウム合金支持体の粗面化
法としては、交流電解エッチング法が一般的に採用され
ており、電流としては、普通の正弦波交流電流、矩形波
などの特殊交番波形電流が用いられている。そして、黒
鉛等の適当な電極を対極として交流電流により、アルミ
ニウム合金支持体の粗面化処理を行うもので、通常一回
の処理で行われているが、そこで得られるピット深さは
全体的に浅く、耐刷性能に劣るものであった。このた
め、その直径に比べて深さの深いピットが均一かつ緻密
に存在する砂目を有する印刷版用支持体として好適なア
ルミニウム合金支持体が得られるように、数々の方法が
提案されている。その方法としては、特殊電解電源波形
を使った粗面化方法(特開昭53−67507号公
報)、交流を使った電解粗面化時の陽極時と陰極時の電
気量の比率(特開昭54−65607号公報)、電源波
形(特開昭55−25381号公報)、単位面積あたり
の通電量の組み合わせ(特開昭56−29699号公
報)などが知られている。また、機械的な粗面化と組み
あわせた(特開昭55−142695号公報)なども知
られている。
【0004】粗面化された合金支持体は、陽極酸化処理
を施こされ、また場合によってはさらに親水化処理を施
こされ、その上に感光性物質を塗布、乾燥させていわゆ
るPS版とし、そのPS版上に画像焼付け、現像、ガム
引き等の製版処理を施こしたものが使用さている。その
際、印刷版の耐刷力を向上させるため、現像後、200
〜300℃で3〜10分程度均熱するバーニング処理を
施こされる場合がある。
【0005】バーニング処理は、アルミニウム版上に残
った感光層樹脂を熱硬化させる効果があるのだが、同時
に、加熱によるアルミニウム板の熱軟化が起こりやす
い。通常のバーニング処理の加熱温度及び加熱時間は、
画像を形成している組成物にもよるが200〜280℃
の温度、3〜7分程度である。
【0006】一方、アルミニウム支持体の製造方法とし
ては、アルミニウムのインゴットを溶解保持してスラブ
(厚さ400〜600mm,幅1000〜2000m
m,長さ2000〜6000mm)を鋳造し、スラブ表
面の不純物組織部分を面削機にかけて3〜10mmづつ
切削する面削工程を経た後、スラブ内部の応力の除去と
組織の均一化の為、均熱炉において480〜540℃,
6〜12時間保持する均熱化処理工程を行い、しかる後
に熱間圧延を480〜540℃で行う。熱間圧延で5〜
40mmの厚みに圧延した後、室温で所定の厚みに冷間
圧延を行う。またその後組織の均一化のため焼鈍を行い
圧延組織等を均質化した後、規定の厚みに冷間圧延を行
い、平坦度の良い板にするため矯正する。この様にして
作られたアルミニウム支持体を平版印刷版用支持体とし
ていた。
【0007】しかしながら、電解粗面化処理の場合は特
に対象となるアルミニウム支持体の影響を受けやすく、
アルミニウム支持体を溶解保持→鋳造→面削→均熱とい
う工程を通して製造する場合、加熱,冷却をくり返し、
面削という表面層を削り取る工程があったとしても、表
面層に金属合金成分などのばらつきを生じて平版印刷版
としては得率低下の原因となっていた。また、アルミニ
ウム支持体を溶解保持→鋳造→面削→均熱という工程を
通して製造した場合、特にA1050材の様な純Alに
近い合金成分においては、熱軟化性が大きく、高温のバ
ーニング処理に耐えられなかった。これに対して、ジル
コニウム0.02〜0.20%を含ませる方法(特開昭
61−51395号公報参照)中間焼鈍温度を規定する
方法(特開昭61−272357,特開昭60−586
1各号公報参照)、導電率を規定する方法(特開昭59
−67349号公報参照)等が提案されている。
【0008】又、電解粗面化性が、合金成分のばらつき
によって悪化する問題に対して、本出願人は先にアルミ
ニウム支持体の材質のバラツキを少くし、電解粗面化処
理の得率を向上させることによって品質の優れた得率の
よい平版印刷版を作れる方法として、アルミニウム溶湯
から鋳造,熱間圧延を連続して行い、薄板の熱間圧延コ
イルを形成させた後、冷間圧延,熱処理、矯正を行った
アルミニウム支持体を粗面化処理することを特徴とする
平版印刷版用支持体の製造方法を提案した。(特開平3
−79798号公報参照)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先に提
案した本出願人の製造方法(特開平−79798号公
報)についても、バーニング処理後の熱軟化性について
はばらつきがあった。又このバーニング処理は、耐刷力
の向上と作業時間の短縮のため、さらに高温でしかも短
時間で行うことが要望されている。
【0010】本発明の目的は従来の問題点を解消し、電
解粗面化処理の得率を向上させると共に、バーニング処
理後の熱軟化性が小さい平版印刷版を安定して作れる平
版印刷版用アルミニウム合金支持体を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アルミニ
ウム支持体と電解粗面化処理の関係を鋭意研究して来た
結果、上記目的を達成する本発明を見出したものであ
る。即ち、本発明の上記目的は、アルミニウム溶湯から
直接板状に連続鋳造圧延を行い、更に冷間圧延、中間焼
鈍及び最終冷間圧延、矯正を行なう平版印刷版用アルミ
ニウム合金支持体において、引張り強度が15kg/m
2 以上でありさらに加熱温度300℃,7分間保持で
熱処理した場合の、耐力が10Kg/mm2以上である
ことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム合金支持体
によって達成される。
【0012】本発明において、アルミニウム溶湯から直
接板状に連続鋳造圧延する方法としては、ハズレー法等
の冷却ベルトを用いる方法と、ハンター法、3C法など
の冷却ロールを用いる方法を用いることができる。ハズ
レー法を用いた場合、厚い板を連続鋳造することになる
ため、引続き熱間圧延を行ない巻取り可能な厚さにす
る。一方、ハンター法、3C法を用いた場合は、直接1
0mm以下の板の鋳造が可能となるため、熱間圧延機は
不要となる。また、特開昭60−238001号公報、
特開昭60−240360号公報などに記載の技術では
薄板のコイルを作成する方法が開示されている。本発明
は連続鋳造法でアルミニウム溶湯を急速冷却させること
でマトリックス中に固溶する合金成分を固溶限以上に
し、冷間圧延、中間焼鈍、最終圧延後の引張り強度を一
定値以上にすることで、300℃,7分加熱後の耐力を
10kg/cm2 以上とし、高温のバーニング処理を行
なっても軟化しにくい平版印刷版用アルミニウム合金支
持体を提供できる。
【0013】図1の工程概念図を用いて本発明に用いる
アルミニウム支持体の製造方法の実施態様について更に
具体的に説明する。図1(A)にといて1は溶解保持炉
でここでインゴットは溶解保持される。ここから双ロー
ル式連続鋳造機2に送られる。つまりアルミニウム溶湯
から直接4〜12mmの薄板の熱間圧延コイルを形成す
る、コイラー3によって巻取る。(この場合連続鋳造に
は冷却ベルトと熱間圧延を用いる方法を用いても良
い)。コイラー3によって巻きとられたコイルは図1
(B)に示す冷間圧延機4によって0.3〜3.0mm
の薄板に冷間圧延される。引き続き、図1(C)に示す
熱処理装置5によって中間焼鈍を行なってもよい。その
後、再度冷間圧延機によって0.1〜0.5mmの厚み
に圧延される。次に図1(D)に示す矯正装置6によっ
て矯正を行なう。このようにして得られた板材に粗面化
処理を行なう。矯正は仕上圧延と同時に行うようにして
もよい。
【0014】それらの製造条件について更に詳しく説明
すると、溶解保持炉1ではアルミニウムの融点以上の温
度に保持させる必要があり、その温度はアルミニウム合
金成分によって適時変化する。一般に800℃以上であ
る。また、アルミニウム溶湯の酸化物発生の抑制、品質
上有害となるアルカリ金属の除却策として、適宜、不活
性ガスパージ、フラックス処理等が行なわれる。引き続
き連続鋳造機2によって鋳造される。鋳造方式にはいろ
いろあるが、現在工業的に稼働しているのはハンター
法、3C法に代表される双ロール式と、ハズレー法に代
表される双ベルト式がある。鋳造温度は方式,合金によ
って異なるが、700℃付近が用いられる。ハンター
法,3C法を採用した場合、溶湯を凝固させると共に双
ロール間で圧延加工を行なうことができる。これらの連
続鋳造を用いることで、アルミニウム溶湯の急速冷却が
可能となり、マトリックス中に固溶する合金成分量を増
すことができる。その際、結晶粒の大きさを揃えるた
め、中間焼鈍等の熱処理工程5を行い、冷間圧延4をさ
し挟んで行ってもよい。つぎに矯正装置6によって矯正
を行ない、所定の平面性を与え、アルミニウム支持体を
作り、これを粗面化する。また、矯正は最後の冷間圧延
に含めて行うこともある。
【0015】本発明における平版印刷版用支持体の粗面
化の方法は機械的粗面化,化学的粗面化,電気化学的粗
面化及びそれらの組合わせ等各種用いられる。機械的な
砂目立て法としては、例えばボールグレイン,ワイヤー
グレインツ,ブラッシグレイン,液体ホーニング法など
がある。また電気化学的砂目立て方法としては、交流電
解エッチング法が一般的に採用されており、電流として
は、普通の正弦波交流電流、あるいは矩形波など特殊交
番電流が用いられている。またこの電気化学的砂目立て
の前処理として、苛性ソーダなどでエッチング処理をし
てもよい。また電気化学的粗面化を行う場合、塩酸また
は硝酸主体の水溶液で交番電流によって粗面化されるの
が良い。以下詳細に説明する。アルミニウム支持体は、
まずアルカリエッチングされる。好ましいアルカリ剤
は、苛性ソーダ,苛性カリ,メタ珪酸ソーダ,炭酸ソー
ダ,アルミン酸ソーダ,グルコン酸ソーダ等である。濃
度0.01〜20%,温度は20〜90℃,時間は5s
ec〜5min間の範囲から選択されるのが適当であ
り、好ましいエッチング量としては0.1〜5g/m2
である。特に不純物の多い支持体の場合、0.01〜1
g/m2 が適当である。(特開平1−237197号公
報)。引き続き、アルカリエッチングしたアルミニウム
板の表面にアルカリに不溶な物質(スマット)が残存す
るので、必要に応じてデスマット処理を行っても良い。
【0016】前処理は上記の通りであるが、引き続き、
本発明として塩酸,または硝酸を主体とする電解液中で
交流電解エッチングされる。交流電解電流の周波として
は、0.1〜100Hz,より好ましくは0.1〜1.
0又は10〜60Hzである。液濃度としては、3〜1
50g/l,より好ましくは5〜50g/l,浴内のア
ルミニウムの溶解量としては50g/l以下が適当であ
り、より好ましくは2〜20g/lである。必要によっ
て添加物を入れても良いが、大量生産をする場合は、液
濃度制御などが難しくなる。また、電流密度は、5〜1
00A/dm2 が適当であるが、10〜80A/dm2
がより好ましい。また、電源波形としては、求める品
質,使用されるアルミニウム支持体の成分によって適時
選択されるが、特公昭56−19280号,特公昭55
−19191号各公報に記載の特殊交番波形を用いるの
がより好ましい。この様な波形,液条件は、電気量と共
に求める品質,使用されるアルミニウム支持体の成分な
どによって適時選択される。
【0017】電解粗面化されたアルミニウムは、次にス
マット処理の一部としてアルカリ溶液に浸漬しスマット
を溶解する。アルカリ剤としては、苛性ソーダなど各種
あるが、PH10以上,温度25〜60℃、浸漬時間1
〜10secの極めて短時間で行うことが好ましい。次
に硫酸主体の液に浸漬する。硫酸の液条件としては、従
来より一段と低い濃度50〜400g/l,温度25〜
65℃が好ましい。硫酸の濃度を400g/l以上,又
は温度を65℃以上にすると処理槽などの腐食が大きく
なり、しかも、マンガンが0.3%以上あるアルミニウ
ム合金では、電気化学的に粗面化された砂目が崩れてし
まう。また、アルミニウム素地の溶解量が0.2g/m
2 以上エッチングされると、耐刷力が低下して来るの
で、0.2g/m2 以下にすることが好ましい。
【0018】陽極酸化被膜は、0.1〜10g/m2
より好ましくは0.3〜5g/m2を表面に形成するが
良い。陽極酸化の処理条件は、使用される電解液によっ
て種々変化するので一概には決定されていないが、一般
的には電解液の濃度が1〜80重量%、液温5〜70─
℃、電流密度0.5〜60A/cm2 、電圧1〜100
V、電解時間1秒〜5分の範囲が適当である。
【0019】この様にして得られた陽極酸化皮膜を持つ
砂目のアルミニウム板はそれ自身安定で親水性に優れた
ものであるから、直ちに感光性塗布膜を上に設ける事も
出来るが、必要により更に表面処理を施す事が出来る。
例えば、先に記載したアルカリ金属珪酸塩によるシリケ
ート層あるいは、親水性高分子化合物よりなる下塗層を
設けることができる。下塗層の塗布量は5〜150mg
/m2 が好ましい。
【0020】次に、このように処理したアルミニウム支
持体上に感光性塗膜を設け、画像露光、現像して製版し
た後に、バーニング処理を施こし、印刷機にセットし、
印刷を開始する。
【0021】
【実施例】
(実施例−1,−2,比較例−1)図1に示したような
連続鋳造双ロール薄板装置にて巾1000mm,厚み6
mmのアルミニウム板材を形成させ、更に3mm,2m
m,0.5mmの板厚まず冷間圧延し、400℃での焼
鈍工程後更に0.3mm迄冷間圧延(矯正を含む)して
テスト材を形成して、実施例−1,2,及び比較例−1
とした。
【0022】(比較例−2,3)また、図2に示したよ
うな、DC鋳造装置にて溶湯供給ノズル7より水冷鋳型
8を通して鋳塊9を形成させ、鋳塊受け台10に受け、
面削、均熱処理、熱間圧延(図なし)を行なって厚み6
mmのアルミニウム板材とし、更に3mm,2mmの板
厚まで冷間圧延し、400℃での焼鈍工程後更に0.3
mmまで冷間圧延(矯正を含む)して比較例−2,3と
した。実施例−1,2、比較例1,2,3のテスト材の
内訳を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】これらのサンプルを使い、引っ張り強度の
測定、及び電気炉中で300℃7分間の加熱処理をサン
プル温度を熱電対で測定しつつ行なった後、耐力の測定
を行なった。
【0025】
【表2】
【0026】比較例は何れも耐力が9Kg/mm以下で
ある。
【0027】上記と同じ試料資料No.1〜5を使って
平版印刷版支持体として用い、15%苛性ソーダ水溶液
でエッチング量が5g/m2 になる様に温度50℃でエ
ッチングし、水洗後150g/1,50℃の硫酸液中に
10sec浸漬してデスマットし、水洗した。更に支持
体を16g/l硝酸水溶液中で、特公昭55−1919
1号公報に記載の交番波形電流を用いて、電気化学的に
粗面化した。電解条件としては、アノード電圧VA =1
4ボルト,カソード電圧VC =12ボルトとして、陽極
時電気量が、350クーロン/dm2 となる様にした。
次いで、水酸化ナトリウム5%水溶液中でアルミニウム
板の溶解量が0.5g/m2 となるように化学的なエッ
チング処理を行った後、60℃、300g/lの硫酸液
中に20秒間浸漬してデスマット処理を行なった。さら
に、硫酸150g/l、アルミニウムイオン濃度2.5
g/lの水溶液中で極間距離150mmにおいて電圧2
2Vの直流によって60秒間陽極酸化処理を行った。
【0028】以上の如くして作成した基板1〜5に下記
組成物を、乾燥後の塗布重量が2.0g/m2 になる様
に塗布して感光層を設けた。 (感光液) N−(4−ヒドロキシフェニル),メタクリルアミド/2−ヒドロキシエチル メタクリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸(= 15:10:30:38:7モル比)共重合体(平均分子量60000) ・・・・5.0g 4−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒドの縮合物の六弗化燐酸塩 ・・・・0.5g 亜燐酸 ・・・・0.05g ジクトリアピューブル−BOH(保土ヶ谷化学(株)社製)・0.1g 2−メトキシエタノール ・・100.0g このようにして作製した感光性平版印刷版に、真空焼枠
中で透明ネガティブフィルムを通して、1mの距離から
3kwのメタルハライドランプにより50秒間露光を行
なったのち、下記組成の現像液で現像し300℃,7分
間のバーニング処理を行なってから、アラビアガム水溶
液でガム引きして、平版印刷版とした。 (現像液) 亜硫酸ナトリウム ・・・・5.0g ベンジルアルコール ・・・30.0g 炭酸ナトリウム ・・・・5.0g イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム ・・・12.0g 純水 ・1000.0g この様にして製版された平版印刷版を用いて、通常の手
順で印刷テストを行ない印刷性を評価した。その結果表
3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【発明の効果】上記のように、本発明の平版印刷版用支
持体の製造方法によって製造された平版印刷版は、従来
のものに比べ、特にバーニング処理に対する熱軟化が小
さく、印刷性のすぐれたものとなる。更にアルミニウム
支持体の製造工程が合理化されたことによる原材料コス
トの低減の効果も大きく、特に平版印刷版用支持体の品
質向上及びコスト低減に大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の平版印刷版用支持体の製造方法の鋳造
工程の一実施例の連続鋳造工程(A),冷間圧延工程
(B),熱処理工程(C),矯正工程(D)の各概念
図。
【図2】従来の平版印刷版用支持体の製造方法の鋳造工
程の一例の工程の概念図
【符号の説明】
1 溶解保持炉 2 連続鋳造機 3 コイラー 4 冷間圧延機 5 熱処理装置 6 矯正装置 7 溶湯供給ノズル 8 水冷鋳型 9 鋳塊 10 鋳塊受け台
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年7月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明において、アルミニウム溶湯から直
接板状に連続鋳造圧延する方法としては、ハズレー法等
の冷却ベルトを用いる方法と、ハンター法、3C法など
の冷却ロールを用いる方法を用いることができる。ハズ
レー法を用いた場合、厚い板を連続鋳造することになる
ため、引続き熱間圧延を行ない巻取り可能な厚さにす
る。一方、ハンター法、3C法を用いた場合は、直接1
0mm以下の板の鋳造が可能となるため、熱間圧延機は
不要となる。また、特開昭60−238001号公報、
特開昭60−240360号公報などに記載の技術では
薄板のコイルを作成する方法が開示されている。本発明
は連続鋳造法でアルミニウム溶湯を急速冷却させること
でマトリックス中に固溶する合金成分を固溶限以上に
し、冷間圧延、中間焼鈍、最終圧延後の引張り強度を一
定値以上にすることで、300℃,7分加熱後の耐力を
10kg/mm2 以上とし、高温のバーニング処理を行
なっても軟化しにくい平版印刷版用アルミニウム合金支
持体を提供できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】図1の工程概念図を用いて本発明に用いる
アルミニウム支持体の製造方法の実施態様について更に
具体的に説明する。図1(A)にいて1は溶解保持炉
でここでインゴットは溶解保持される。ここから双ロー
ル式連続鋳造機2に送られる。つまりアルミニウム溶湯
から直接4〜12mmの薄板の熱間圧延コイルを形成
、コイラー3によって巻取る。(この場合連続鋳造に
は冷却ベルトと熱間圧延を用いる方法を用いても良
い)。コイラー3によって巻きとられたコイルは図1
(B)に示す冷間圧延機4によって0.3〜3.0mm
の薄板に冷間圧延される。引き続き、図1(C)に示す
熱処理装置5によって中間焼鈍を行なってもよい。その
後、再度冷間圧延機によって0.1〜0.5mmの厚み
に圧延される。次に図1(D)に示す矯正装置6によっ
て矯正を行なう。このようにして得られた板材に粗面化
処理を行なう。矯正は仕上圧延と同時に行うようにして
もよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明における平版印刷版用支持体の粗面
化の方法は機械的粗面化,化学的粗面化,電気化学的粗
面化及びそれらの組合わせ等各種用いられる。機械的な
砂目立て法としては、例えばボールグレイン,ワイヤー
グレイン,ブラッシグレイン,液体ホーニング法などが
ある。また電気化学的砂目立て方法としては、交流電解
エッチング法が一般的に採用されており、電流として
は、普通の正弦波交流電流、あるいは矩形波など特殊交
番電流が用いられている。またこの電気化学的砂目立て
の前処理として、苛性ソーダなどでエッチング処理をし
てもよい。また電気化学的粗面化を行う場合、塩酸また
は硝酸主体の水溶液で交番電流によって粗面化されるの
が良い。以下詳細に説明する。アルミニウム支持体は、
まずアルカリエッチングされる。好ましいアルカリ剤
は、苛性ソーダ,苛性カリ,メタ珪酸ソーダ,炭酸ソー
ダ,アルミン酸ソーダ,グルコン酸ソーダ等である。濃
度0.01〜20%,温度は20〜90℃,時間は5s
ec〜5min間の範囲から選択されるのが適当であ
り、好ましいエッチング量としては0.1〜5g/m2
である。特に不純物の多い支持体の場合、0.01〜1
g/m2 が適当である。(特開平1−237197号公
報)。引き続き、アルカリエッチングしたアルミニウム
板の表面にアルカリに不溶な物質(スマット)が残存す
るので、必要に応じてデスマット処理を行っても良い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【実施例】 (実施例−1,−2,比較例−1)図1に示したような
連続鋳造双ロール薄板装置にて巾1000mm,厚み6
mmのアルミニウム板材を形成させ、更に3mm,2m
m,0.5mmの板厚ま冷間圧延し、400℃での焼
鈍工程後更に0.3mm迄冷間圧延(矯正を含む)して
テスト材を形成して、実施例−1,2,及び比較例−1
とした。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】比較例は何れも耐力が9Kg/mm2 以下
である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】上記と同じ試料No.1〜5を使って平版
印刷版支持体として用い、15%苛性ソーダ水溶液でエ
ッチング量が5g/m2 になる様に温度50℃でエッチ
ングし、水洗後150g/1,50℃の硫酸液中に10
sec浸漬してデスマットし、水洗した。更に支持体を
16g/l硝酸水溶液中で、特公昭55−19191号
公報に記載の交番波形電流を用いて、電気化学的に粗面
化した。電解条件としては、アノード電圧VA =14ボ
ルト,カソード電圧VC =12ボルトとして、陽極時電
気量が、350クーロン/dm2 となる様にした。次い
で、水酸化ナトリウム5%水溶液中でアルミニウム板の
溶解量が0.5g/m2 となるように化学的なエッチン
グ処理を行った後、60℃、300g/lの硫酸液中に
20秒間浸漬してデスマット処理を行なった。さらに、
硫酸150g/l、アルミニウムイオン濃度2.5g/
lの水溶液中で極間距離150mmにおいて電圧22V
の直流によって60秒間陽極酸化処理を行った。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム溶湯から直接板状に連続鋳
    造圧延を行い、更に冷間圧延、中間焼鈍及び最終冷間圧
    延、矯正、粗面化を行う平版印刷版用アルミニウム合金
    支持体において、引張り強度が15kg/mm2 以上で
    あり、さらに加熱温度300℃,7分間保持で熱処理し
    た場合の、耐力が10kg/mm2 以上であることを特
    徴とする平版印刷版用アルミニウム合金支持体。
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