JPH0712677B2 - インク・ジェット・プリンタ・システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、インク・カートリッジをその使用制限に応じ
て適切なインク・ジェット・プリンタに装填できるよう
にしたインク・ジェット・プリンタ・システムに関す
る。

［従来の技術］ １個または複数のインク・ジェット・ヘッド（以下ヘッ
ドという）からインク滴を紙または他の印刷媒体に射出
して、グラフィック画像や文書を作成するインク・ジェ
ット・プリンタは、ますます一般的に使用されるように
なってきた。

カラー画像を作成するためには、複数のヘッドに異なる
色のカラー・インクが供給されるインク・ジェット・プ
リンタを使用する。そして、これらのカラー・インクが
単独で、または、組み合わされて印刷媒体に付着し、最
終的にカラー印刷が行われる。通常、印刷のために必要
な全ての色は、シアン，マゼンタ，およびイエローのイ
ンクの組み合わせから作られる。文書の印刷または標準
的な４色印刷のためには、黒インクが使用される。

一般的なインク・ジェット・プリンタでは、印刷媒体は
回転ドラムに巻き付けられ、ヘッドは回転ドラム軸に沿
って移動するキャリッジに取り付けられている。ヘッド
が印刷媒体上を走査する間、各ヘッドの微少外部孔（オ
リフィス）から印刷媒体にインク滴が射出されて印刷媒
体上に画像が形成される。適当な制御装置によって、イ
ンク滴発生と回転ドラムの回転との同期がとられる。

一般的な動作を行う従来のヘッドは、米国オルゴン州ビ
ーバートンのテクトロニックス社に譲渡されたリ等によ
る米国特許第4613875号（特願昭61−79887）に開示され
ている。

その他の一般的な形式のヘッドは、テクトロニックス社
製造の4696型のカラー・グラフィック・プリンタで使用
されている。4696型のカラー・グラフィック・プリンタ
には、４個のインク・カートリッジ装填開口（以下カー
トリッジ装填開口という）を有するインク・カートリッ
ジ装填部（以下カートリッジ装填部という）がある。各
カートリッジ装填開口には、特定のキー溝が形成されて
おり、これらのキー溝パターンに一致する縦溝付周辺部
が一端に設けられたほぼ円筒状のインク・カートリッジ
が着脱自在に取付けられる。プリンタによって使用され
る４色のインクは、それらのインクに応じたインク・カ
ートリッジに入っている。個々の色のインク・カートリ
ッジには、異なる配置のフランジおよび縦溝が設けられ
ている。インク・カートリッジの縦溝は、色に対応して
割り当てられたカートリッジ装填開口の特定のキー溝パ
ターンに一致するように形成されている。したがって、
シアン・インクのインク・カートリッジは、例えば、こ
のシアン・インクのインク・カートリッジに特有のフラ
ンジおよび縦溝パターンと対になるカートリッジ装填開
口にのみ取り付けることができる。このようにして、４
個のインク・カートリッジは、ヘッドに間違いなく指示
される。

個々のカートリッジ装填開口は、ヘッドに個々の色のイ
ンクを供給するインク容器の上に位置している。したが
って、４個のインク・カートリッジを使用するインク・
カートリッジ・システムは、４個の異なるインク容器
と、４個の異なるヘッドとを有している。インク・ジェ
ット・プリンタのなかには、個々の色のために多数のイ
ンク・カートリッジ，インク容器，およびヘッドが必要
なものもある。インクは、インク・カートリッジの底に
あるマイラ・シート（ポリエステム・フィルム）を貫通
するように設計された中空針により個々のインク容器に
供給される。この結果、インクは、インク・カートリッ
ジからインク容器に流入し、普通は要求があり次第、そ
のインク容器から印刷媒体にインクを射出するヘッドに
流入することが許される。

［発明が解決しようとする課題］ 上述したインク・ジェット・プリンタの技術の進歩とは
別に、新しい形式のカートリッジ・タイプのインク・ジ
ェット・プリンタが設計されるとともに、新規な、か
つ、改良された組成のインクが開発されたため、インク
・ジェット・プリンタのカートリッジ装填システムに
は、次の機能が必要となる。すなわち、新規な組成のイ
ンクが入ったインク・カートリッジを新型およびこれと
共存する旧型のインク・ジェット・プリンタの両方で同
様に広く使用することを可能にすること。これに加え
て、より劣り、好適でない。または広く使用できない組
成のインクが入っているかもしれない旧型のインク・カ
ートリッジは、新型のインク・ジェット・プリンタで使
用できないようにすることである。

このため、上記の機能を提供し得る、改良されたインク
・ジェット・プリンタが必要である。

したがって、本発明の１つの目的は、改良されたインク
・ジェット・プリンタを提供することである。この改良
によって、新規なインク・ジェット・プリンタおよび少
なくとも代りの１台のインク・ジェット・プリンタの両
方で１つのシリーズのインク・カートリッジを使用する
ことが容易になり、さらに、新規なインク・ジェット・
プリンタで、代わりのインク・ジェット・プリンタのた
めに設計された別のシリーズのインク・カートリッジを
使用することが不可能になる。

本発明の他の目的は、新規のインク・ジェット・プリン
タのための改良されたカートリッジ装填システムを提供
することである。この改良によって、新規なインク・ジ
ェット・プリンタおよび従来のインク・ジェット・プリ
ンタ（4696型）の両方で第１シリーズのインク・カート
リッジを使用することが容易になり、さらに、新規なイ
ンク・ジェット・プリンタにおいて、従来のインク・ジ
ェット・プリンタ（4696型）の第２シリーズのインク・
カートリッジを使用することが不可能になる。

本発明のさらに別の目的は、上述のように改良されたシ
ステムを経済的に製造することである。

［課題を解決するための手段および作用］ インク・ジェット・プリンタのカートリッジ装填システ
ムには、プリンタ本体と、プリンタ本体に設けられた複
数のカートリッジ装填開口から構成されたカートリッジ
装填部とがある。各カートリッジ装填開口は、別々の色
のインクが入ったインク・カートリッジを取り付ける構
造になっている。個々のカートリッジ装填開口には、カ
ートリッジ装填開口の周縁端部から内部に向かって個々
に突出した複数のリブと、隣接するリブ間に形成された
凹部とがある。異なる色，代表的には、シアン，マゼン
タ，イエロー，または黒に応じた特有のキー溝パターン
を形成するように、カートリッジ装填開口のリブおよび
凹部の大きさ，形状，および位置が定められる。インク
・カートリッジの端部には、縦溝が形成され、縦溝によ
り分離されたフランジが外側に向かって突出している。
縦溝は、１つの色のキー溝パターンには合致するが、そ
の他の色のキー溝パターンには合致しないように形成さ
れ、かつ、配置されている。１個のカートリッジ装填開
口のキー溝パターンおよびこのキー溝パターンに対応す
る１つ特定の色のためのインク・カートリッジは、従来
のインク・ジェット・プリンタにおいて同じ色のために
使用されるキー溝パターンと嵌合できる。さらに、装填
禁止手段が個々のカートリッジ装填開口に設けられる。
このカートリッジ装填開口は、本発明のインク・カート
リッジのキー溝パターンの１個とは嵌合できるが、代わ
りの旧型インク・ジェット・プリンタに使用されるどの
旧型インク・カートリッジのキー溝パターンとも嵌合で
きない。

したがって、本発明により構成された新規なインク・ジ
ェット・プリンタと嵌合できるキー溝パターンがあるイ
ンク・カートリッジは、従来のインク・ジェット・プリ
ンタとも嵌合でき、かつ、少なくとも従来のインク・ジ
ェット・プリンタで使用することができる。一方、この
ような従来のインク・ジェット・プリンタで使用するよ
うに限定して設計されたカートリッジは、本発明のイン
ク・ジェット・プリンタとは嵌合できず、本発明のイン
ク・ジェット・プリンタで使用することもできない。

なお、以下の説明で使用するリブおよびフランジという
用語は、突設部分を示すものであるが、説明の都合上、
カートリッジ装填開口に形成されるものをリブといい、
インク・カートリッジに形成されるものをフランジとい
う。

本発明の一実施例において、カートリッジ装填開口およ
びインク・カートリッジには、６個のリブ（フランジ）
および縦溝により形成されるキー溝パターンがある。こ
のようなキー溝パターンは、少なくとも代わりの１台の
インク・ジェット・プリンタの４個の縦溝および４個の
リブが形成されたキー溝パターンと嵌合できる。しか
し、このようなキー溝パターンには、４個のフランジが
形成されたカートリッジを使用できないようにする２個
の追加リブも設けられている。

以上の目的、効果および本発明の特徴は、以下の詳細な
説明および図により明らかになるであろう。

［実施例］ 第７図は、米国オレゴン州ビーバートンのテクトロニッ
クス社により製造されている従来のインク・ジェット・
プリンタ（4696型）で使用される従来のカートリッジ装
填部（10）を示す平面図である。カートリッジ装填部
（10）には、４個のカートリッジ装填開口（14），（1
6），（18），および（20）が設けられており、それぞ
れヘッド（図示せず）の上に位置している。個々のカー
トリッジ装填開口（14）〜（20）には、異なる色，代表
的には、イエロー，マゼンタ，シアン，または黒のイン
クが入ったインク・カートリッジを装填する。

個々のカートリッジ装填開口には、それぞれ４個のリブ
（22a），（22b），（22c），および（22d）が設けられ
ている。このリブは、カートリッジ装填開口の周縁端部
からカートリッジ装填開口の中心に向かって突出し、リ
ブ間には複数の凹部（24a），（24d），（24c），（24
d）が形成される。個々のカートリッジ装填開口のリブ
および凹部はキー溝パターンを形成する。４個のカート
リッジ装填開口の有効直径は、全て同じであるが、４個
の特定のキー溝パターンを形成するように個々のカート
リッジ装填開口のリブおよび凹部の大きさ，形状，位置
が決められる。

第４図は、インク・カートリッジを側面から見た拡大
図、第５図は、１個のカートリッジが装填されたカート
リッジ装填部の部分拡大図である。第７図に示した個々
のカートリッジ装填開口は、第４図および第５図に示す
型のインク・カートリッジ（26）を装填する。ほぼ円筒
形のインク・カートリッジ（26）は、中空本体から構成
されている。この中空本体は、次の各部分，すなわち、
最小直径の第１シールド端部（30）、これよりも少し大
きな直径である縦溝付端部（32）、一定の直径であるイ
ンクの入った容器（34）、インデックス・フランジ（以
下位置決めフランジという）（38）、第２シールド端部
（40）（第４図のみに示す）から構成されている。第１
および第２シールド端部（30），（40）は、インクの保
管のためにそれぞれ薄いマイラ・フィルムにより密閉さ
れている。通常、インク・ジェット・プリンタを実際に
使用する前に、密閉された両端部は突き破られる。この
結果、空気が第２シールド端部（40）から流入して、イ
ンクが第１シールド端部（30）から流出することが許さ
れる。

縦溝付端部（32）には、半径方向に延びた複数のフラン
ジ（42）がある。カートリッジ装填開口の１個の特定の
キー溝パターンに結合するように、フランジ（42）の大
きさ，形状，位置は定められる。縦溝（43）は、外側に
突出した隣接するフランジ（42）の間に形成される。第
５図に示すように、インク・カートリッジ（26）は、こ
れが結合するカートリッジ装填開口により、垂直な位置
に装填される。このとき、第１シールド端部（30）およ
び縦溝付端部（32）は、カートリッジ装填開口の内部を
通って下方に延長するとともに、肩部（36）は、カート
リッジ装填部（10）に載った状態になる。縦溝付端部
（32）の有効直径は、カートリッジ装填開口の有効直径
よりも少し小さく、フランジ（42）は、カートリッジ装
填開口の凹部（24）の内部に重なるように突出している
ことが理解されよう。同様に、カートリッジ装填開口の
リブ（22）は、インク・カートリッジ（26）の縦溝（4
3）の内部に重なるように突出している。インク・カー
トリッジ（26）がこのように保持されているので、直立
したインク・カートリッジ（26）は、インクを第１シー
ルド端部（30）を通過して下方に流出させるインク容器
の役割を果たす。

位置決めフランジ（38）は、容器（34）の外面に沿って
縦に延長しており、交換用インク・カートリッジを適切
なカートリッジ装填開口に容易に装填するための目印の
役割を果たす。位置決めフランジ（38）が、時計の12時
または６時の位置を示した状態で、インク・カートリッ
ジ（26）は、適切なカートリッジ装填開口に正しく取り
付けられる。

上述した説明は、従来のインク・カートリッジの構造を
一般的に述べたものである。

第8a図〜第8d図は、それぞれ、第４図に示したインク・
カートリッジ（26）の３−３断面を矢印の方向から見た
場合に対応する従来例におけるイエロー，マゼンタ，シ
アン，および黒のインク・カートリッジの拡大断面図で
ある。第8a図〜第8d図を参照して、第７図に示した従来
のカートリッジ装填開口に取り付けられるようになって
いる従来のインク・カートリッジのキー溝パターンにつ
いて説明する。インク・カートリッジ（44），（46），
（48），および（50）には、それぞれ、４個の縦溝が形
成されている溝付端部があり、この縦溝付端部は、第７
図に示したカートリッジ装填開口のうちの１個にぴった
り結合するように形成されている。したがって、イエロ
ー・インク・カートリッジ（以下イエロー・カートリッ
ジという）（44）（第８図）はカートリッジ装填開口
（14）に取り付けられ、マゼンタ・インク・カートリッ
ジ（以下、マゼンタ・カートリッジという）（46）（第
8b図）はカートリッジ装填開口（16）に取り付けられ、
シアン・インク・カートリッジ（以下シアン・カートリ
ッジという）（48）（第8c図）はカートリッジ装填開口
（18）に取り付けられ、黒インク・カートリッジ（以下
黒カートリッジという）（50）（第8d図）はカートリッ
ジ装填開口（20）に取り付けられる。特定の色のインク
が入った個々のインク・カートリッジは、そのインク色
に割り当てられたカートリッジ装填開口にのみ取り付け
られる。

さらに詳しくいえば、個々のインク・カートリッジ（4
4）〜（50）には、それらの外周部に配置され外側に向
かって突出した４個のフランジがあり、これらの間に４
個の縦溝が形成されている。縦溝付端部（32）（第４
図）および位置決めフランジ（38a）〜（38d）（第8a図
〜第8d図）をインク・カートリッジの中心軸を含む垂直
平面で二等分すれば、二等分された一方の溝付端部と、
二等分された他方の溝付端部とは、上記中心軸を挟んで
互いに反転した鏡像（軸対称）となる。

０゜の表示として時計の12時の位置および位置決めフラ
ンジ（38）を利用し、イエロー・カートリッジ（44）
（第8a図）の外周部から外側に延長するフランジの２個
の側面により構成される角度を説明する。すなわち、第
１の狭い幅のフランジは、24゜から48゜の角度で延長
し、第２の広い幅のフランジ（52）は、78゜から156゜
の角度で延長し、第３の狭いフランジは、ちょうど第１
のフランジと同じ角度を構成し、204゜から228゜の角度
で延長し、第２の広い幅のフランジ（54）は、ちょうど
第２のフランジと同じ角度であって、258゜から326゜の
角度で延長している。同様に、マゼンタ・カートリッジ
（46）（第8b図）の場合は次のようになる。すなわち、
第１の中程度の幅のフランジは、24゜から66゜の角度で
延長し、第２のさらに広い幅のフランジ（56）は、96゜
から156゜の角度で延長し、第３のフランジは、ちょう
ど第１のフランジと同じ角度を構成し、204゜から246゜
の角度で延長し、第２のフランジ（58）は、ちょうど第
２のフランジと同じ角度を構成し、276゜から336゜の角
度で延長している。シアン・カートリッジ（48）（第8c
図）の場合は、第１の幅の広いフランジ（60）は、24゜
から84゜の角度で延長し、第２のさらに幅の狭いフラン
ジは、120゜から156゜の角度で延長し、第３のフランジ
（62）は、ちょうど第１のフランジと同じ角度を構成
し、204゜から264゜の角度で延長し、第２のフランジ
は、ちょうど第２のフランジと同じ幅の角度であって、
300゜から336゜の角度で延長している。最後に、黒カー
トリッジ（50）（第8d図）の場合は、第１の広い幅のフ
ランジ（64）は、24゜から102゜の角度で延長し、第２
の狭い幅のフランジは、132゜から156゜の角度で延長
し、第３のフランジ（66）は、ちょうど第１のフランジ
と同じ角度を構成し、204゜から282゜の角度で延長し、
第２のフランジは、ちょうど第２のフランジと同じ角度
を構成し、312゜から336゜の角度で延長している。

上述した個々のインク・カートリッジに形成された４個
の縦溝それぞれは、隣接したフランジの間に位置し、こ
のような隣接したフランジの側面間の角度に対応した角
度を構成している。したがって、個々の縦溝の側面それ
ぞれが、カートリッジの中心軸を通過する平面となるこ
とは、明らかであろう。

第１図は、本発明に係わるカートリッジ装填部（68）の
部分平面図を示す。第７図に示した従来例のカートリッ
ジ装填部（10）のように、カートリッジ装填部（68）に
は、４個のカートリッジ装填開口（70），（72），（7
4），および（76）がある。個々のカートリッジ装填開
口は、容器（図示せず）の上に位置する。また、別々の
インクが入ったインク・カートリッジを取り付けるため
に、個々のカートリッジ装填開口には、キー溝パターン
が他のキー溝パターンと異なるように形成される。しか
しながら、従来のカートリッジ装填部（10）とは異な
り、カートリッジ装填部（68）のカートリッジ装填開口
には、それぞれ、合計６個のリブが形成されている。第
１図において、（22a）〜（22d）は、従来例（第７図）
に対応する４個のリブをそれぞれ示し、（78a），（78
b），（78c），および（78d）は、それぞれ２個の追加
リブを示している。これらのリブは、カートリッジ装填
開口の周縁部からカートリッジ装填開口の中心に向かっ
て内側に突出し、個々の凹部（80a），（80b），（80
c），および（80d）は、隣接するリブの間に形成され
る。

第2a図〜第2d図は、それぞれ、従来のインク・カートリ
ッジを示した第８図〜第8d図に対応する本発明における
イエロー，マゼンタ，シアン，および黒のインク・カー
トリッジの拡大断面図である。第2a図〜第2d図は、それ
ぞれ、インク・カートリッジ（80），（82），（84），
および（86）を示す。これらのインク・カートリッジに
は、第１図に示したカートリッジ装填開口（70），（7
2），（74），および（76）に正確に結合するような特
定の縦溝付端部（88a），（88b），（88c），および（8
8d）がそれぞれ形成されている。個々のカートリッジに
は、肩部（96a），（96b），（96c），および（96d）、
位置決めフランジ（104a），（104b），（104c），およ
び（104d）、ならびに次に説明するその他のカートリッ
ジ構成部分がある。

第2a図において、イエロー・カートリッジ（80）のキー
溝パターンは、２個の追加縦溝（112），（114）が形成
されていることを除いてカートリッジ（44）（第8a図）
のキー溝パターンと一致している。この追加縦溝（11
2），（114）は、もとは２個のフランジ（52），（54）
（第8a図）であったものを４個のフランジ（116），（1
18），（120），（112）（第2a図）にさらに分割してい
る。フランジおよび縦溝の側面が構成する角度は、以下
の通りである。すなわち、第１フランジは24゜から48
゜、第１縦溝は48゜から78゜、第２フランジは78゜から
115゜、第２縦溝は115゜から135゜、第３フランジは135
゜から156゜、第３縦溝は156゜から204゜、第２フラン
ジは204゜から228゜、第２縦溝は228゜から258゜、第５
フランジは258゜から295゜、、第５縦溝は295゜から315
゜、第３フランジは315゜から336゜、第３縦溝は336゜
から24゜である。

したがって、イエロー・カートリッジ（80）が、カート
リッジ装填開口（14）（第７図）またはカートリッジ装
填部開口（76）（第１図）のどちらにも装填することが
できるのに対して、イエロー・カートリッジ（44）（第
8a図）がカートリッジ装填部（10）のカートリッジ装填
開口（14）（第７図）にしか装填できないことは、明ら
かであろう。イエロー・カートリッジ（44）は、カート
リッジ装填開口（76）に装填できない。なぜならば、カ
ートリッジ装填開口（76）（第１図）には、２個の追加
リブ（78d）があって、これらがイエロー・カートリッ
ジ（44）の進入を阻止する装填禁止手段の役割を果たし
ているからである。

同様に、第2b図において、マゼンタ・カートリッジ（8
0）のキー溝パターンは、２個の追加縦溝（124），（12
6）が形成されていることを除いてインク・カートリッ
ジ（46）（第8b図）のキー溝パターンと一致している。
この追加縦溝（124），（126）は、もとは２個のフラン
ジ（56），（58）（第8b図）であったものを４個のフラ
ンジ（128），（130），（132），（134）（第2b図）に
さらに分割している。フランジおよび縦溝の側面が構成
する角度は、以下の通りである。すなわち、第１フラン
ジは24゜から66゜、第１縦溝は66゜から96゜、第２フラ
ンジは96゜から116゜、第２縦溝は116゜から141゜、第
３フランジは141゜から156゜、第３縦溝は156゜から204
゜、第２フランジは204゜から246゜、第２縦溝は246゜
から276゜、第５フランジは276゜から296゜、第５縦溝
は296゜から321゜、第３フランジは321゜から336゜、第
３縦溝は336゜から24゜である。

したがって、マゼンタ・カートリッジ（80）が、マゼン
タ・カートリッジ装填開口（16）（第７図）またはカー
トリッジ装填開口（74）（第１図）のどちらにも装填す
ることができるのに対して、マゼンタ・カートリッジ
（46）（第8b図）はカートリッジ装填部分（10）のカー
トリッジ装填開口16（第７図）にしか装填できない。な
ぜならば、カートリッジ装填開口（74）には、２個の追
加リブ（78c）があって、これらがマゼンタ・カートリ
ッジ（46）の進入を阻止する装填禁止手段を役割を果た
しているからである。

第8c図において、シアン・カートリッジ（84）のキー溝
パターンは、２個の追加縦溝（136），（138）が形成さ
れていることを除いてカートリッジ（48）（第8c図）の
キー溝パターンと一致している。この追加縦溝（13
6），（138）は、もとは２個のフランジ（60），（62）
（第8c図）であったものを４個のフランジ（140），（1
42），（144），（146）（第8c図）にさらに分割してい
る。フランジおよび縦溝の側面が構成する角度は、以下
の通りである。すなわち、第１フランジは24゜から39
゜、第１縦溝39゜から64゜、第２フランジは64゜から84
゜、第２縦溝は84゜から120゜、第３フランジは120゜か
ら156゜、第３縦溝は156゜から204゜、第２フランジは2
04゜から219゜、第２縦溝は219゜から244゜、第５フラ
ンジは244゜から264゜、第５縦溝は264゜から300゜、第
３フランジは300゜から336゜、第３縦溝は336゜から24
゜である。

したがって、シアン・カートリッジ（84）が、シアン・
カートリッジ装填開口（18）（第７図）またはカートリ
ッジ装填開口（74）（第１図）のどちらにも装填するこ
とができるのに対して、シアン・カートリッジ（48）
（第8c図）は、部分（10）のカートリッジ装填開口（1
8）（第７図）にしか装填できない。なぜならば、カー
トリッジ装填開口（74）（第１図）には、２個の追加リ
ブ（78b）があって、これらがインク・カートリッジ（8
4）の進入を阻止する装填禁止手段の役割を果たしてい
るからである。

同様に、第2d図において、黒カートリッジ（86）のキー
溝パターンは、２個の追加縦溝（148），（150）が形成
されていることを除いてインク・カートリッジ（50）
（第8d図）のキー溝パターンと一致している。この追加
縦溝（148），（150）は、もとは２個のフランジ（6
4），（66）（第8d図）であったものを４個のフランジ
（152），（154），（156），（158）（第2d図）にさら
に分割している。フランジおよび縦溝の側面が構成する
角度は、以下通りである。すなわち、第１フランジは24
゜から39゜、第１縦溝は39゜から59゜、第２フランジは
59゜から102゜、第２縦溝は102゜から132゜、第３フラ
ンジは132゜から156゜、第３縦溝は156゜から204゜、第
２フランジは204゜から220゜、第２縦溝は220゜から240
゜、第５フランジは240゜から282゜、第５縦溝は282゜
から312゜、第３フランジは312゜から336゜、第３縦溝
は336゜から24゜である。

したがって、黒カートリッジ（86）が、黒のカートリッ
ジ装填開口（20）（第７図）またはカートリッジ装填開
口（70）（第１図）のどちらにも装填することができる
のに対して、黒カートリッジ（48）（第8d図）は、カー
トリッジ装填部分（10）のカートリッジ装填開口（20）
（第７図）にしか装填できない。なぜならば、カートリ
ッジ装填開口（70）（第１図）には、２個の追加リブ
（78a）があって、これらがインク・カートリッジ（8
6）の進入を阻止する装填禁止手段の役割を果たしてい
るからである。

インク・カートリッジの個々の縦溝の、半径方向に外側
を向いた面が、それぞれカートリッジの中心軸を中心に
して共通の半径領域にあることは、明かであろう。さら
に、カートリッジの個々のフランジの、半径方向に外側
を向いた面が、それぞれカートリッジの中心軸を中心に
して共通の半径領域にあることも、明かであろう。

第６図は、第8a図に示した従来例のイエロー・カートリ
ッジ（44）の拡大断面図であり、このインク・カートリ
ッジ（44）が、嵌合できるカートリッジ装填開口（14）
（第７図）にどのように取り付けられているかを示す。
第６図において、破線は、イエロー・インク・カートリ
ッジ装填開口（70）（第１図）における２個の追加リブ
（78a）の位置を示すとともに、カートリッジ装填開口
（70）にインク・カートリッジ（44）（第8a図）が進入
することを防止する装填禁止手段として、２個の追加リ
ブが、どのように機能するであろうかを示す。

第3a図〜第3d図は、他の実施例におけるキー溝パターン
を示す平面図である。このようなキー溝パターンと、フ
ランジおよび縦溝により構成される個々の角度とは、第
2a図〜第2d図に示した縦溝付端部の右半分にそれぞれ一
致している。したがって、第3a図のイエロー・カートリ
ッジのキー溝パターンは、例えば、第2a図のキー溝パタ
ーンの右半分に対応する。もし、必要ならば、第2a図の
キー溝パターンの左半分に従ってキー溝パターンを形成
することができる。カートリッジ装填部（10），（68）
のどちらによっても提供される適切なカートリッジ装填
開口にインク・カートリッジ（180）〜（186）を取り付
けるためのキー溝パターンを、インク・カートリッジ
（80）〜（86）と同様にこのインク・カートリッジ（18
0）〜（186）は有している。

一定の規準を使用することにより、４色インク・ジェッ
ト・プリンタにおいて、インク・カートリッジの形式に
応じてその交換を制限できることが、上述の説明から明
かであろう。説明を簡単にするため、代わりのインク・
ジェット・プリンタ（以下第１インク・ジェット・プリ
ンタという）のために使用される第１シリーズのインク
・カートリッジは、主要のインク・ジェット・プリンタ
（以下第２インク・ジェット・プリンタという）で使用
できないのに対して、第２インク・ジェット・プリンタ
のために使用される第２シリーズのインク・カートリッ
ジは、第１または第２インク・ジェット・プリンタの両
方で区別なく使用できるものと仮定する。

第１インク・ジェット・プリンタの４個のカートリッジ
装填開口には、インク・カートリッジが間違った色のカ
ートリッジ装填開口に取り付けられることを防止するた
めに形成された少なくとも２個のリブがあることが望ま
しい。シリーズを構成する４個のインク・カートリッジ
には、それぞれのインク・カートリッジに対応するカー
トリッジ装填開口に完全に合致する縦溝付端部があるべ
きである。

第１シリーズのカートリッジ装填開口のキー溝パターン
を複製し、さらに第１シリーズのカートリッジの装填を
防止する装填防止手段として機能する少なくとも１個の
追加リブを追加して設けることにより、インク・カート
リッジのシリーズに応じてその交換を制限することがで
きる。第２シリーズのインク・カートリッジには、それ
ぞれ第２インク・ジェット・プリンタのカートリッジ装
填開口の１個と完全に合致する縦溝付端部があって、こ
の第２シリーズのカートリッジは、同様に、第１インク
・ジェット・プリンタの適正なカートリッジ装填開口に
結合する。

したがって、本発明のカートリッジ装填システムによれ
ば、改良された，すなわち、第１シリーズのインク・カ
ートリッジとは異なる性質の新しい組成のインクが入っ
た第２シリーズのインク・カートリッジを第１または第
２インク・ジェット・プリンタの両方で使用できるが、
一方、第１シリーズのインク・カートリッジは、第２イ
ンク・ジェット・プリンタでは使用できない。

以上本発明の好適実施例について説明したが、本発明は
ここに説明した実施例のみに限定されるものではなく、
本発明の要旨を逸脱することなく必要に応じて種々の変
形および変更を実施し得ることは当業者には明らかであ
る。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明のインク・ジェット・プリ
ンタ・システムによれば、インク・ジェット・プリンタ
のカートリッジ装填開口のキー溝パターンと、インク・
カートリッジのキー溝パターンとを一定の規準に従って
形成することにより、インク・カートリッジに応じてそ
の交換を制限することができる。したがって、インク・
カートリッジをその使用制限に応じてインク・ジェット
・プリンタに装填できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例におけるインク・ジェット
・プリンタのカートリッジ装填部の部分平面図、第2a図
〜第2d図は、本発明の一実施例におけるイエロー，マゼ
ンタ，シアン，および黒のインク・カートリッジの拡大
断面図、第3a図〜第3d図は、他の実施例におけるイエロ
ー，マゼンタ，シアン，および黒のインク・カートリッ
ジの拡大断面図、第４図は、インク・カートリッジと側
面図、第５図は、インク・カートリッジが装填されたカ
ートリッジ装填部の部分拡大図、第６図は、従来例にお
けるイエロー・カートリッジの拡大断面図、第７図は、
従来のカートリッジ装填部の部分平面図、第8a図〜第8d
図は、従来例におけるイエロー，マゼンタ，シアン，お
よび黒のインク・カートリッジの拡大断面図である。 （22），（22a），（22b），（22c），（22d），（78
a），（78b），（78c）及び（78d）は夫々リブ、（2
4），（80a），（80b），（80c）及び（80d）は夫々凹
部、（70），（72），（74）及び（76）は夫々カートリ
ッジ装填開口、（80），（82），（84）及び（86）は夫
々インク・カートリッジ、（104a），（104b），（104
c）及び（104d）は夫々位置決めフランジである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】インク・カートリッジを装填するカートリ
   ッジ装填開口を有し、上記インク・カートリッジに形成
   されたキー溝パターンが上記カートリッジ装填開口に形
   成されたキー溝パターンと嵌合し得る場合にのみ上記イ
   ンク・カートリッジが上記カートリッジ装填開口に装填
   されるインク・ジェット・プリンタ・システムにおい
   て、 第１インク・ジェット・プリンタの第１カートリッジ装
   填開口には、第１キー溝パターンを形成し、 第２インク・ジェット・プリンタの第２カートリッジ装
   填開口には、上記第１キー溝パターンと異なる第２キー
   溝パターンを形成し、 第１インク・カートリッジには、上記第１キー溝パター
   ンに嵌合し、かつ、上記第２キー溝パターンと嵌合しな
   いキー溝パターンを形成し、 第２インク・カートリッジには、上記第１及び第２キー
   溝パターンの両方に嵌合し得るキー溝パターンを形成
   し、 上記第１インク・カートリッジは、上記第１カートリッ
   ジ装填開口にのみ装填可能で、かつ、上記第２インク・
   カートリッジは、上記第１及び第２カートリッジ装填開
   口の両方に装填可能であることを特徴とするインク・ジ
   ェット・プリンタ・システム。