JPH07125213A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法ならびにインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法ならびにインクジェット記録装置

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JPH07125213A
JPH07125213A JP27408093A JP27408093A JPH07125213A JP H07125213 A JPH07125213 A JP H07125213A JP 27408093 A JP27408093 A JP 27408093A JP 27408093 A JP27408093 A JP 27408093A JP H07125213 A JPH07125213 A JP H07125213A
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electrode
lower layer
layer
ink jet
forming
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JP27408093A
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Teruo Ozaki
照夫 尾崎
Takumi Suzuki
工 鈴木
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録ヘッドを構成する基体(基板)における
保護層が平坦で、クラック発生やインク浸透が起こり難
いインクジェット記録ヘッドおよびそのようなヘッドを
搭載したインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 支持体上の下部層表面の形状を、電極形成す
る部分が凹部の凹凸形状とし、発熱抵抗体層形成後、電
極表面とその電極周囲の面との間に実質的に高低差がな
くなる高さで凹部に電極を形成し、保護膜を形成して、
インクジェット記録ヘッド用の基板を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッドに関し、詳細には、電気熱変換体が発生する熱を利
用してインクを吐出し、飛翔液滴を形成して記録を行な
うためのインクジェット記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、低騒音かつ
高速で記録を行なうことができ、さらに普通紙等にも記
録を行なえるという点で近年注目を集めている。
【0003】このようなインクジェット記録方式の中で
も、例えば特開昭54−51837号公報、ドイツ公開
(DOLS)第2843064号公報に記載されている
方式は、熱エネルギーを液体に作用させて、液滴吐出の
原動力を得るという点において、他のインクジェット記
録方式とは異なる特徴を有している。
【0004】すなわち、上記の公報に開示された記録方
式は、熱エネルギーの作用を受けた液体が急峻な体積の
増大を伴う状態変化を起こし、この状態変化に基づく作
用力によって、記録ヘッド部先端の吐出口より液体が吐
出されて、飛翔液滴が形成される。
【0005】特に、DOLS2843064号公報に開
示されているインクジェット記録方式は、所謂ドロップ
−オンデマンド記録法に極めて有効に適用されるばかり
ではなく、吐出口をフルラインタイプで高密度マルチオ
リフィス化した記録ヘッドを容易に具現化できるため、
高解像度、高品質の画像を高速で得られるという特徴を
有している。
【0006】上記の記録方式に適用される装置の記録ヘ
ッド部は、液体を吐出するために設けられた吐出口と、
この吐出口に連通し、液滴を吐出するための熱エネルギ
ーが液体に作用する部分である熱作用部を構成の一部と
する液路とを有する液吐出部と、熱エネルギーを発生す
る手段としての電気熱変換体とを具備している。そして
この電気熱変換体は、一対の電極と、これらの電極に接
続し、これらの電極の間で発熱する領域(熱発生部)を
有する発熱抵抗層とを具備している。
【0007】このようなインクジェット記録ヘッドの構
造を示す1従来例を図6に示す。すなわち図6は記録ヘ
ッドにおける1つの吐出口に関する構成の液路長手方向
の断面を示す模式的部分断面図である。
【0008】図中、記録ヘッド200は、電気熱変換体
201が設けられている基板202と、所定の線密度で
所定の幅と深さの溝が吐出口の数に対応して設けられて
いる溝付板203とを接合することによって、吐出口2
04を含む液吐出部205が形成される構造を有してい
る。なお本発明は、吐出口204を複数有する記録ヘッ
ドだけでなく、単一吐出口の記録ヘッドに対しても有効
である。
【0009】液吐出部205は、その終端に液体を吐出
させるための吐出口204と、電気熱変換体201より
発生される熱エネルギーが液体に作用して気泡を発生
し、その体積の膨張と収縮による急激な状態変化を引き
起こす箇所である熱作用部206とを有する。
【0010】熱作用部206は、電気熱変換体201の
熱発生部207の上部に位置し、熱発生部207の液体
と接触する面としての熱作用面208をその底面として
いる。
【0011】熱発生部207は、基板202の支持体2
16上に設けられた下部層209、下部層209上に設
けられた発熱抵抗層210、発熱抵抗層210上に設け
られた保護層211とで構成される。発熱抵抗層210
の表面には、通電により熱を発生させる電極212、2
13が設けられている。電極212は各液吐出部の熱発
生部に共通の電極であり、電極213は各液吐出部の熱
発生部を選択して発熱させるための選択電極であって、
液吐出部の液路に沿って設けられている。
【0012】保護層211は、熱発生部207において
発熱抵抗層210と液吐出部205の液路を満たしてい
るインクとを隔絶し、インクから化学的、物理的に保護
するとともに、インクを介して電極212と213との
間が短絡するのを防止している。また、保護層211
は、隣接する電極間における電気的リークを防止する役
目をも担っている。
【0013】殊に、各選択電極間における電気的リーク
の防止、あるいは各液路下にある電極が何らかの理由で
インクと接触して通電が起こることが原因で発生する電
極の電触の防止は重要であることから、少なくとも液流
路下に存在する電極上には、このような保護機能を有す
る保護層211が設けられている。
【0014】さらに、各液吐出部に設けられている液路
は、その上流において、液路に供給されるインクを蓄え
る共通液室(不図示)に連通しているが、各液吐出部に
設けられた電気熱変換体に接続されている電極は、その
設計の都合上、熱作用部の上流側において前記共通液室
下を通るように設けられるのが一般的である。従って、
この部分においても電極が液体と接触するのを防止すべ
く前記した保護層が設けられるのが一般的である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特に多数の
吐出口を配設するマルチオリフィスタイプの記録ヘッド
の場合には、1つの基板上に吐出口に対応した多数の微
細な電気熱変換体、電極等を同時に形成するため、その
製造過程において、基板各層の形成と、形成された層の
一部除去とが繰返し行なわれる。このため、保護層が形
成される段階、特に電極上の保護層が形成される段階で
は、保護層の表面は段差を有した微細な凹凸状となり、
この結果、この段差部における被覆性が重要な問題とな
る。
【0016】すなわち図6に示す従来例では、この保護
層における段差部の形状がくびれ状をなし、インクを吐
出する際の熱作用部における気泡の膨張、収縮に伴う圧
力波の影響を受けた場合クラックを生じ易く、その部分
でのインクの浸透が起こり、電触あるいは電気的絶縁破
壊を起こす原因となっていた。
【0017】また製法上、形成される保護層に欠陥部の
生ずる確率が低くない場合には、その欠陥部を通じてイ
ンクの浸透が起こり、発熱抵抗層、電極等の寿命を著し
く低下させる要因となる。
【0018】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたものであり、その目的とするところは、記録ヘッ
ドを構成する基体(基板)における保護層の段差部形状
をくびれのない形状とすることによってクラックを発生
し難くし、インク浸透を防止するようにしたインクジェ
ット記録ヘッドおよびそのようなヘッドを搭載したイン
クジェット記録装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に下
部層を形成し、その上にインク吐出用のエネルギー発生
手段である発熱抵抗層パターンを形成し、該発熱抵抗層
上に電気熱変換体部分を残して該抵抗層駆動用の電極を
形成し、該発熱抵抗層および該電極上に保護膜を形成し
て基板とし、該基板を溝付板と合わせる工程を有して成
るインクジェット記録ヘッドの製造方法において、下部
層表面の形状を電極形成する部分が凹部の凹凸形状と
し、発熱抵抗層形成後の電極形成を、電極表面と該電極
周囲の面との間に実質的に高低差がなくなる高さで該凹
部に行なうことを特徴とするインクジェット記録ヘッド
の製造方法を提供する。
【0020】このように下部層の凹凸に沿って電極を形
成することによって、電極縁部の段差が緩和され、保護
層をほぼ平坦とすることができる。
【0021】図1に本発明の記録ヘッドの1実施態様の
主要部における液路長手方向の模式的部分断面図を示
す。さらに、図2は図1に示した基板の平面図であり、
図3は図2のX1−X2線で切断した場合の模式的部分断
面図である。
【0022】これら図中、100はインクジェット記録
ヘッドを示し、吐出口数に対応し、インクを吐出するた
めに利用される熱を発生する電気変換体101が設けら
れた基体としての基板102と、電気熱変換体101の
各々に対応して設けられた溝を有する溝付板103とで
その主要部が構成される。基板102と溝付板103と
が所定の箇所を接着剤等で接合されることにより、基板
102の電気熱変換体101の配設される部分と、溝付
板103の溝の部分とによって液路104が形成され、
液路104はその一部に熱作用部105を有する。
【0023】基板102は、シリコン基板などの支持体
106と、106上にSiO2等で凹凸状に厚みを変化
させて形成した下部層107と、下部層107上に液路
104の長手方向に構成される帯状の発熱抵抗層108
と、発熱抵抗層108の上面と互いに部分的に接続し、
下部層107の凹部上に形成され、そのエッジ部分が下
部層凸部のテーパー部分に配置される共通電極109と
間隔を有して接続される選択電極110を有する。さら
にこれに、電極109、110および発熱抵抗層の保護
膜111が形成される。これにより、図6に示したよう
な保護層のくびれを排した形状とすることができる。
【0024】保護層111を構成する材料としては、比
較的熱伝導性および耐熱性に優れた無機質絶縁材料が適
している。このような材料として、例えば、酸化チタ
ン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸
化タンタル、酸化タングステン、酸化クロム、酸化ジル
コニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化イット
リウム、酸化マンガンなどの遷移金属酸化物;酸化アル
ミニウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化
バリウム、酸化シリコン等の金属酸化物およびこれらの
複合体;窒化シリコン、窒化アルミニウム、窒化ボロ
ン、窒化タンタル等の高抵抗窒化物;およびこれら酸化
物・窒化物の複合体;さらにアモルファスシリコン、ア
モルファスセレン等の半導体などバルクでは低抵抗であ
ってもスパッタリング法、CVD法、蒸着法、気相反応
法、液体コーティング法等の製造過程で高抵抗化し得る
薄膜材料を挙げることができる。
【0025】また、保護層111は直接液状インクに接
し、特に、インク吐出の際に生ずる圧力波の作用による
衝撃があるため、図示はされないが、保護層111の上
層に金属等の比較的粘りがあって機械的強度のある無機
材料で構成される層を配設してもよく、この保護層11
1の上層を構成する材料としては、Sc、Yなどの周期
律表第IIIa族の元素;Ti、Zr、Hfなどの第I
Va族の元素;Cr、Mo、Wなどの第VIa族の元
素;Fe、Co、Niなどの第VIII族の元素;Ti
−Ni、Ta−W、Ta−Mo−Ni、Ni−Cr、F
e−Co、Te−W、Fe−Ti、Fe−Ni、Fe−
Cr、Fe−Ni−Crなどの上記金属の合金;Ti−
B、Ta−B、Hf−B、W−Bなどの上記金属の硼化
物;Ti−C、Zr−C、V−C、Ta−C、Mo−
C、Ni−Cなどの上記金属の炭化物;Mo−Si、W
−Si、Ta−Siなどの上記金属のケイ化物;Ti−
N、Nb−N、Ta−Nなどの上記金属の窒化物が挙げ
られる。
【0026】保護層の上層は、これらの材料を用いて蒸
着法、スパッタリング法、CVD法等の手法により形成
することができ、また、この上層は上記の材料のいずれ
かを用いた単独層であってもよいが、これらの幾つかを
組み合わせることもできる。
【0027】下部層107は、発生する熱の支持体10
6側への流れを制御する層として設けられるものであ
り、熱作用部105においてインク液に熱エネルギーを
作用させる場合には、発生する熱が熱作用部105側に
より多く伝わるようにし、一方、電気熱変換体101へ
の通電がOFFされた際には、残存している熱が、支持
体106側に速やかに伝わるよう構成材料の選択および
層厚等の設計が成される。下部層107を構成する材料
としては、先に挙げたSiO2の他に酸化ジルコニウ
ム、酸化タンタル、酸化マグネシウム等の金属酸化物に
代表される無機質材料が挙げられる。
【0028】発熱抵抗層108を構成する材料は、通電
されることによって所望通りの熱が発生するものであれ
ば大概のものが採用され得る。
【0029】そのような材料としては、例えば窒化タン
タル、ニクロム、銀−パラジウム合金、シリコン半導
体、あるいはハフニウム、ランタン、ジルコニウム、チ
タン、タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブ、
クロム、バナジウムなどの金属およびその合金ならびに
それらの硼化物等が好ましいものとして挙げられる。
【0030】これらの発熱抵抗層108を構成する材料
の中、特に金属硼化物が優れたものとして挙げることが
でき、その中でも最も特性の優れているのが硼化ハフニ
ウムであり、次いで硼化ジルコニウム、硼化ランタン、
硼化タンタル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順となっ
ている。
【0031】発熱抵抗層108は、上記した材料を使用
して、電子ビーム蒸着やスパッタリング等の手法を用い
て形成することができる。
【0032】電極109、110を構成する材料として
は、多くの電極材料の中から、コスト、電気伝導度を考
慮に入れて選択される。具体的には例えば、Al、Cu
等の金属が挙げられ、これらを使用して、蒸着などの手
法で所定位置に、所定の大きさ、形状、厚さで設けられ
る。
【0033】図9に本発明のインクジェット記録ヘッド
を有するヘッドカートリッジを搭載したインクジェット
記録装置の1例を示す。図中、401はワイピング部材
としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材
によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態
をなす。ブレード401は記録ヘッドによる記録領域に
隣接した位置に配設され、また、本例の場合、記録ヘッ
ドの移動経路中に突出した形態で保持される。300は
キャップであり、ブレード401に隣接するホームポジ
ションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向
に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行なう構
成を備える。さらに403はブレード401に隣接して
設けられる吸収体であり、ブレード401と同様、記録
ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記
ブレード401、キャップ300、吸収体403によっ
て吐出回復部500が構成され、ブレード401および
吸収体403によってインク吐出口面に付着した水分、
塵埃などの除去が行なわれる。
【0034】Cは吐出エネルギー発生手段を有し、吐出
口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行な
うインクジェットヘッドカートリッジ、12はカートリ
ッジCを搭載してその移動を行なうためのキャリッジで
ある。キャリッジ12はガイド軸11と摺動可能に係合
し、キャリッジ12の一部はモータによって駆動される
ベルト42と接続している。これによりキャリッジ12
はガイド軸11に沿った移動が可能となり、カートリッ
ジCによる記録領域およびその隣接した領域の移動が可
能となる。
【0035】15、16はモータ駆動の送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へ記録媒体が供給され、記録が進行するにつれ
てローラ17、18を配した排紙部へと送られる。
【0036】上記構成において、カートリッジCが記録
終了時でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部50
0のキャップ300はカートリッジCの移動経路から退
避しているが、ブレード401は移動形路中に突出して
いる。この結果、カートリッジCの吐出面がワイピング
される。なお、キャップ300がカートリッジCの吐出
面に当接してキャッピングを行なう場合、キャップ30
0はカートリッジの移動経路中に突出するように移動す
る。カートリッジCがホームポジションから記録開始位
置へ移動する場合、キャップ300およびブレード40
1は上述したワイピング時と同一の位置にある。この結
果、この移動においてもカートリッジCの吐出口面はワ
イピングされる。
【0037】上記の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりではなく、記録
ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の時
間間隔で行なわれ、この移動に伴って上記ワイピングが
行なわれる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)図1に示したインクジェット記録ヘッド
を、図4の工程フローに示すように製造した。以下にそ
の手順を示す。
【0039】支持体Siウェハ106上に熱酸化により
1μmの厚の下部層107としてのSiO2膜を形成し
た後(図4(b))、熱酸化抑制膜としてSiN膜12
0をCVD法あるいはスパッタリング法で形成した(図
4(c))。
【0040】その後フォトリソ工程により、図4(d)
に示すようなパターン形成した後、再び熱酸化によりS
iO2膜を約2μm成長させた。ところが図4(e)に
示すようにSiN膜120で覆われた部分はSiO2
が形成されず、SiN膜縁部には、バーズピークと呼ば
れる鳥の嘴状のSiO2膜厚分布が発生する。その後、
SiN膜120をエッチングにより除去すれば、膜厚が
約2μmの厚い下部層と、1μmの薄い下部層の凹凸が
形成できる。
【0041】しかもこの凹凸は、その境界部分の段差が
テーパー状になっており、段差は緩和されている。これ
を基板要部とした。
【0042】この基板要部にスパッタにより、発熱抵抗
層108としてHfB2を1500Åの厚みに連続的に
堆積させた。
【0043】その後フォトリソ工程により、図3で示す
ようなパターンを形成した結果、熱作用面のサイズは幅
30μm、長さ150μmでAl電極の抵抗を含めて8
0Ωであった。
【0044】またAlの電極は全て、下部層107の凹
部に配置されるようになっており、電極のエッジ部分は
段差を緩和させるために凹凸部の境界部分にある。
【0045】次に、SiO2膜1μmおよびTa膜0.
5μmの順に連続的にスパッタにより堆積させて、保護
層111とした。この結果、下地の段差緩和の効果によ
り、保護層111の表面形状は比較的平坦となった。
【0046】次いで以上のように形成された基板102
上に溝付ガラス板を所定通りに接着した。すなわち、図
1に示したのと同様に基板102にインク導入液路と熱
作用部を形成するための溝付ガラス板(溝サイズ幅50
μm×深さ50μm×長さ2mm)を接着した。
【0047】以上のようにして、保護膜の段差が低減さ
れたインクジェット記録ヘッドが得られた。この記録ヘ
ッドの模式的分解斜視図を図5に示す。
【0048】(実施例2)実施例1のようにSiN膜を
熱酸化抑制膜として用いる熱酸化法によって凹凸のある
下部層を形成する代わりに、図7に示すように下部層S
iO2107のテーパーエッチングを行なっても下部層
107の凹凸形成は実現できる。すなわち、酸化によっ
て支持体106上に下部層(SiO2)107を形成し
(図7(a))、テーパーエッチングによって図7
(c)の状態とし、再度酸化によってSiO2を堆積す
ることによって(図7(d))、実施例1の場合とほぼ
同様の形状が得られる。以後は実施例1と同様にして保
護膜の段差の低減されたインクジェット記録ヘッドを作
製することができる。
【0049】(実施例3)電極109および110を周
辺の材料より低融点の材料で構成し、熱処理により図8
(a)の状態から図8(b)の状態へと電極のエッジ部
分を解消して、ほぼ完璧な平坦化を実現することができ
る。その後は実施例1と同様にして保護膜の段差の低減
されたインクジェット記録ヘッドを作製することができ
る。
【0050】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明では、下部層
の凹凸に沿って電極を形成することにより、電極の段差
が緩和され、保護層の段差部形状がくびれ形状等を排し
たなだらかなものとなる。
【0051】この結果、電極および発熱抵抗層の段差部
の被覆性が向上され、保護層にクラックが入りにくくな
り、優れた耐久性を得ることができ、インクと接する熱
作用面の凹凸が少なく、インク流動の抵抗が小さくなる
などの効果があって、安定した吐出が得られる。
【0052】また熱効率については、通常下部層には熱
伝導性が悪く、熱容量の小さいものが適しているが、発
熱抵抗層の下部にのみ厚い層を設けることにより、熱容
量を小さくでき、省エネルギーを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドの1実施態
様の主要部における液路長手方向の模式的部分断面図で
ある。
【図2】図1のヘッドの部分平面図である。
【図3】図2のヘッドのX1−X2線断面図である。
【図4】本発明のヘッドの下部層の凹凸形成を熱酸化法
によって行なう工程を示す図である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッドの1実施態
様の模式的分解斜視図である。
【図6】従来のインクジェット記録ヘッドの主要部にお
ける液路長手方向の模式的部分断面図である。
【図7】本発明のヘッドの下部層の凹凸形成をテーパー
エッチングによって行なう工程を示す図である。
【図8】本発明のヘッドの基板の電極エッジ部を熱処理
によって平坦化する過程を示す図である。
【図9】本発明のヘッドを搭載したインクジェット記録
装置の1例の概観斜視図である。
【符号の説明】
11 ガイド軸 12 キャリッジ 15、16 送りローラ 17、18 ローラ 100 ヘッド 101 電気熱変換体 102 基板 103 溝付板 104 液路 105 熱作用部 106 支持体 107 下部層 108 発熱抵抗体 109 電極 110 電極 111 保護層 120 熱酸化抑制膜 200 ヘッド 201 電気熱変換体 202 基板 203 溝付板 204 吐出口 205 液吐出部 206 熱作用部 207 熱発生部 208 熱作用面 209 下部層 210 発熱抵抗層 211 保護層 212 電極(共通電極) 213 電極(選択電極) 300 キャップ 401 ブレード 403 吸収体 500 ヘッド回復部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に下部層を形成し、その上にイ
    ンク吐出用のエネルギー発生手段である発熱抵抗層パタ
    ーンを形成し、該発熱抵抗層上に電気熱変換体部分を残
    して該抵抗層駆動用の電極を形成し、該発熱抵抗層およ
    び該電極上に保護膜を形成して基板とし、該基板を溝付
    板と合わせる工程を有して成るインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法において、下部層表面の形状を電極形成す
    る部分が凹部の凹凸形状とし、発熱抵抗層形成後の電極
    形成を、電極表面と該電極周囲の面との間に実質的に高
    低差がなくなる高さで該凹部に行なうことを特徴とする
    インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 下部層の凹凸形成を、支持体上に熱酸化
    で下部層を形成し、その上に熱酸化抑制膜を形成し、電
    極を形成する領域を残して該熱酸化抑制膜を除去し、再
    度熱酸化によって下部層を成長させ、次に残っている熱
    酸化抑制膜を除去することによって行なう請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 下部層の凹凸形成を、支持体上に下部層
    を形成後、テーパーエッチングによって該下部層の選択
    的エッチングを行ない、再度下部層を成長させることに
    よって行なう請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 下部層をSiO2膜とする請求項2また
    は3記載の方法。
  5. 【請求項5】 電極材料として周囲より低融点の材料を
    用い、電極形成後に該電極周囲の材料の融点以下の温度
    での加熱によって、該電極のエッジ部分を平坦化する工
    程を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 電極材料がAlを含む材料である請求項
    5記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の方法で製造されるインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のヘッドを搭載したインク
    ジェット記録装置。
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