JPH07124267A - 昇降式消火装置 - Google Patents

昇降式消火装置

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JPH07124267A
JPH07124267A JP5272215A JP27221593A JPH07124267A JP H07124267 A JPH07124267 A JP H07124267A JP 5272215 A JP5272215 A JP 5272215A JP 27221593 A JP27221593 A JP 27221593A JP H07124267 A JPH07124267 A JP H07124267A
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Shigeo Uehara
茂男 上原
Akio Furuhira
章夫 古平
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 火元に近づいて少ない水量で効率よく消火す
ることができる昇降式消火装置を得る。 【構成】 昇降装置18が多目的ドーム10の天井部1
2に配設されている。この昇降装置18は台座14を吊
下し昇降させるようになっている。台座14には、回動
装置30によって放水ノズル44が回動可能に取付けら
れており、上部から火元に向かって放水できるようにな
っている。このように、水を水平に飛ばすのではなく、
放水ノズル44を火元に近づけた状態で上方から放水さ
せるので、従来より小型の消火装置で効率よく消火でき
る。また、放水ノズル44が煙層から抜け出した時点で
放水を始めるので、上部に滞留した煙を乱すことがな
く、理想的方法で消火することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多目的ドーム等の大空
間内で発生した火災を消火する昇降式消火装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、大空間を有する多目
的ドーム70ような建物には、消火用の放水ノズル72
が観客席54の上部周壁52に設けられている。この放
水ノズル72は消火ポンプ74によって地下に設置され
た水槽76から圧送される水を水平方向へ噴射して火元
を消火するようになっている。
【0003】ところが、直径が200Mもあるような多
目的ドーム70のアリーナ78の中心部で火災が発生し
た場合、放水ノズル72で100M近く水を飛ばす必要
が生じてくる。
【0004】しかしながら、放水ノズル72から噴射さ
れた水のうち、実際に火元に直接届く水は、噴射水量の
数パーセントに過ぎず非常に効率の悪い消火方法となっ
ている。また、遠くに飛ばすには大きな水圧と多量の水
が必要となるので、消火ポンプ及び水槽が大型化し、消
火装置のイニシャルコスト及びランニングコストが上昇
する。
【0005】さらに、多目的ドーム70の天井部80に
滞留する煙を乱さないためには、放水線が煙層を貫通し
ないように放水ノズル72を配設する必要がある。この
ため、放水ノズル72を余り上部に配置することができ
ず、このことがさらに大きな水圧を必要とする要因とも
なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮して、火元まで近づいて、上部から煙槽を乱すことな
く、少ない水量で効率よく消火することができる昇降式
消火装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の昇降式
消火装置は、大空間を有するドーム構造物の天井部に配
設される昇降装置と、前記昇降装置により昇降される台
座と、前記台座に取付けられた放水ノズルと、前記放水
ノズルを回動させる回動手段と、消火ポンプによって水
槽から前記天井部まで水を送水する送水管と、前記放水
ノズルに追従可能とされ前記送水管から放水ノズルへ給
水するフレキシブルホースと、を有することを特徴とし
ている。
【0008】請求項2に記載の昇降式消火装置は、前記
ドーム構造物内に配設された火災検知器と、前記台座に
配設される煙感知器と、前記火災検知器からの信号に基
づいて前記回動手段を操作して前記放水ノズルの放水方
向を設定すると共に前記昇降装置を駆動して前記台座を
下降させ、前記煙感知器からの信号に基づいて台座の下
降を停止させて前記消火ポンプを駆動し前記放水ノズル
から水を放水させる制御手段と、を有することを特徴と
している。
【0009】
【作用】請求項1に記載の昇降式消火装置では、昇降装
置がドーム構造物の天井部に配設されている。この昇降
装置は台座を吊下し昇降させるようになっている。台座
には、回動手段によって放水ノズルが回動可能に取付け
られており、上方から火元に向かって放水できるように
なっている。
【0010】このように、水を水平に飛ばすのではな
く、放水ノズルを火元に近づけた位置で上方から放水す
るので、従来より小型の消火装置で効率よく消火でき
る。また、放水ノズルに追従してフレキシブルホースが
伸縮するので、送水管から送水された水が断水すること
なく、スムーズに放水ノズルへ水が給水される。
【0011】請求項2に記載の昇降式消火装置では、ド
ーム構造物内に火災検知器が配設されている。この火災
検知器は、火元の温度上昇を検知して制御手段へ信号を
送る。この信号に基づいて制御手段は、火元を特定し回
動手段を操作して放水ノズルの放水方向を設定しなが
ら、昇降装置を駆動して台座を下降させる。この台座に
は、煙感知器が設けられており、天井部に滞留した煙の
有無を感知する。この煙感知器によって煙が感知されな
いと、制御手段が昇降装置の駆動を停止し、放水ノズル
から水を放水させる。
【0012】このように、放水ノズルが天井部に滞留し
た煙層から抜け出した時点で放水を始めるので、煙を乱
すことがなく消火することができる。
【0013】
【実施例】本実施例に係る昇降式消火装置を説明する。
【0014】図1及び図2に示すように、多目的ドーム
10を構成する天井部12の中央には、台座14が出入
り可能な開口部16が形成されている。この開口部16
の4隅には、巻取装置18が配設されている。巻取装置
18の駆動リール20に巻き掛けられたワイヤ22は、
屋根24の上部に取付られた滑車26を介して、台座1
4を吊下している。台座14の中央部には、上端が屋根
24に固定された伸縮ロッド28の下端部が連結されて
いる。この伸縮ロッド28によって、台座14の揺れが
防止され、また、台座14は巻取装置18で上昇され、
開口部16内へ収納できるようになっている。
【0015】また、台座14には、回動装置30が取付
けられている。この回動装置30を構成する箱状のハウ
ジング32は、台座14の下面に固定されている。ハウ
ジング32の側面には、旋回モータ34が取付けられ図
示しない駆動軸がハウジング32内へ貫通している。こ
の駆動軸には、ベベルギアが固定されている。また、ハ
ウジング32の底板には軸受け33を介して下方へ延出
する旋回シャフト36が軸支されている。この旋回シャ
フト36の上部には、ベベルギアが固定されており、旋
回モータ34の駆動軸に固定されたベベルギアと噛み合
っている。これによって、旋回モータ34を駆動するこ
とで、旋回シャフト36が旋回できるようになってい
る。
【0016】一方、旋回シャフト36の下端には、連結
プレート38が固定されている。この連結プレート38
には、一対の平行な脚板40Aを有するブラケット40
が固定されている。この脚板40Aには、揺動モータ4
2が固定されている。この揺動モータ42の駆動軸は脚
板40Aを貫通し、この駆動軸には、パイプ状の放水ノ
ズル44の基部が連結されている。これによって、揺動
モータ42を駆動することで、放水ノズル44が駆動軸
廻りに揺動するようになっている。
【0017】この放水ノズル44の吸込側には、フレキ
シブルパイプ46の一端が接続されている。このフレキ
シブルパイプ46は、伸縮ロッド28へ螺旋状に巻き付
けられており、伸縮ロッド28の動きに合わせて伸縮で
きるようになっている。フレキシブルパイプ46の他端
は、継手48を介して送水管50に接続されている。こ
の送水管50は、屋根24に沿って多目的ドーム10の
周壁部52に至り、さらに、観客席54の下部に設置さ
れた消火ポンプ56に接続されている。この消火ポンプ
56の吸込管58は地下に配置された水槽60へ延びて
いる。吸水管58の先端には、フーロ弁62が設けら
れ、水の逆流が防止されている。
【0018】また、多目的ドーム10の周壁部52に
は、制御装置64に接続された火災検知器66が設置さ
れている(図3参照)。本実施例では、一例として熱感
知型の火災検知器66が用いられており、火災によって
生じる赤外線によって、反応するようになっている。こ
の火災検知器66は、周壁部52の周方向へ所定の間隔
で複数配設されており、筒体に入射する赤外線の検出領
域がラップするように構成されている。このように、ラ
ップした検出領域を検索することで、火元が特定できる
ように構成されている。
【0019】一方、台座14の上面には、制御装置64
に接続された煙感知器68が配設されている。この煙感
知器68の感知機構としては、一例として、光電素子で
受光量変化をキャッチする光電式が採用されている。ま
た、消火ポンプ66、巻取装置18、及び回動装置30
も制御装置64に接続され、制御されるようになってい
る(図3参照)。
【0020】次に、本実施例に係る昇降式消火装置が火
災発生から消火までどのように作動するか図4のフロー
チャートを参照して説明する。
【0021】火災が発生すると、ステップ100で、火
災検知器66により火元が特定されたか否か判断され
る。肯定された場合、ステップ102で台座14に設置
した煙感知器68の信号によって、放水ノズル44が煙
層の下にあるか否か判断される。否定された場合、ステ
ップ104で、巻取装置18を駆動して台座14を下降
させる。次に、ステップ106で、放水ノズル44が煙
層の下へ達したか否か判断される。肯定された場合、ス
テップ108で、台座14の下降を停止し、ステップ1
10で回動装置を駆動して放水ノズル44を火元に向
け、放水し消火する。なお、ステップ102で、放水ノ
ズル44が煙層の下にあると判断されると、ステップ1
10に移行して、下降せずに、そのままの位置で放水ノ
ズル44を火元に向け放水させる。
【0022】このように、本実施例では、放水ノズル4
4を火元に近づけた状態で上方から放水させるので、従
来より小型の消火装置で効率よく消火できる。また、放
水ノズル44が煙層から抜け出した時点で放水を始める
ので、上部に滞留した煙層を乱すことがない。
【0023】なお、本実施例では、放水ノズル44が煙
層の下にある場合には、台座14を下降させずその位置
で放水するようにしたが、火元になるべく近づけるため
に、台座14を下降させてもよい。また、制御装置64
で自動的に消火するようにしたが、手動で放水ノズルを
操作することもできる。さらに、放水ノズル44が一台
設置された場合について説明したが、多目的ドーム10
の容量の応じて、放水ノズル44の設置台数を増やすよ
うにするのが好ましい。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、火元まで
近づいて、上部から煙槽を乱すことなく、少ない水量で
効率よく消火することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る昇降式消火装置を示す全体図で
ある。
【図2】本実施例に係る昇降式消火装置の昇降機構を示
した側面図である。
【図3】本実施例に係る昇降式消火装置の機構を示した
ブロック図である。
【図4】本実施例に係る昇降式消火装置の作動状態を示
したフローチャートである。
【図5】従来の消火装置を示した全体図である。
【符号の説明】
14 台座 18 昇降装置 30 回動装置(回動手段) 44 放水ノズル 46 フレキシブルホース 50 送水管 64 制御装置(制御手段) 66 火災検知器 68 煙感知器

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大空間を有するドーム構造物の天井部に
    配設される昇降装置と、前記昇降装置により昇降される
    台座と、前記台座に取付けられた放水ノズルと、前記放
    水ノズルを回動させる回動手段と、消火ポンプによって
    水槽から前記天井部まで水を送水する送水管と、前記放
    水ノズルに追従可能とされ前記送水管から放水ノズルへ
    給水するフレキシブルホースと、を有することを特徴と
    する昇降式消火装置。
  2. 【請求項2】 前記ドーム構造物内に配設された火災検
    知器と、前記台座に配設される煙感知器と、前記火災検
    知器からの信号に基づいて前記回動手段を操作して前記
    放水ノズルの放水方向を設定すると共に前記昇降装置を
    駆動して前記台座を下降させ、前記煙感知器からの信号
    に基づいて台座の下降を停止させて前記消火ポンプを駆
    動し前記放水ノズルから水を放水させる制御手段と、を
    有することを特徴とする請求項1に記載の昇降式消火装
    置。
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