JPH0712418B2 - 物質分離複合半透膜の製造方法 - Google Patents

物質分離複合半透膜の製造方法

Info

Publication number
JPH0712418B2
JPH0712418B2 JP60170499A JP17049985A JPH0712418B2 JP H0712418 B2 JPH0712418 B2 JP H0712418B2 JP 60170499 A JP60170499 A JP 60170499A JP 17049985 A JP17049985 A JP 17049985A JP H0712418 B2 JPH0712418 B2 JP H0712418B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semipermeable membrane
membrane
polymer
water
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60170499A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6230509A (ja
Inventor
松本  聡
節雄 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP60170499A priority Critical patent/JPH0712418B2/ja
Publication of JPS6230509A publication Critical patent/JPS6230509A/ja
Publication of JPH0712418B2 publication Critical patent/JPH0712418B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は物質分離特性の優れた新規な半透膜およびその
製造方法を提供するものである。さらに詳しくは膜の表
面に超薄膜層を有する複合半透膜、およびその新規な製
造方法を提供するものである。
[従来技術] 分離膜は、物質の分離、濃縮あるいは精製など種々の分
野においてその重要性を増している。
代表的な例としては、逆浸透膜を利用した海水、かん水
の淡水化、超純水の製造、透析膜を利用した人工腎臓、
限外過膜を利用したジュースの濃縮などがあり、さら
に酸素富化膜、酸素固定化膜などの開発も進んでいる。
一般に分離膜には、緻密層と多孔層からなる非対称半透
膜と多孔性基膜上に0.01〜0.1μ程度の超薄膜層を形成
させた複合半透膜とがあり、複合半透膜の方が分離性能
を支配する活性層を薄くできる点で有利とされている。
従来、複合半透膜を形成する方法としては次のような方
法が代表的である。
(1) 多孔性基膜上に、ポリマーの稀薄溶液をコーテ
ィングし、溶媒を蒸発させて超薄膜を形成させる。
(2) 多孔性基膜上にモノマおよび/またはプレポリ
マーをコーティングし、界面重合反応などにより超薄膜
を形成させる。
(3) 水面展開法などにより形成させた超薄膜を多孔
性基膜上に積層する。
しかしながら、(1)においては、欠点のない超薄膜を
得るのは一般に困難であり、また(2)においては反応
条件のコントロールがむずかしく、再現性よく超薄膜を
得るのが困難である。また(3)においては超薄膜を他
の基膜上に積層させる際に超薄膜を傷つける恐れがあ
る。しかも現在提案されている複合膜はその支持膜と超
薄膜層の素材の組み合せが限られており、耐溶剤性、耐
溶存酸素性、耐塩素性が改善されるべき大きな問題とな
っている。このような問題点を解決する方法の1つとし
て逆浸透膜の分野では、製膜後さらに各種の半透膜処理
剤で処理する方法が研究され提案されている(ディー.
バーグマンら.プロシィーディング オブ ザ セブン
ス インターナショナル シンポジウム オン フレッ
シュ ウォーター フロム ザ シー)(D.Bargeman e
t.al.,Proceeding of the 7th International Sympusiu
m on Fresh Water from the S ea,Vol.2,99〜104,198
0)。
この方法は半透膜を適当な高分子溶液に浸漬処理して分
離性能を低下させている半透膜中の比較的径の大きい細
孔を高分子で孔うすめることにり膜性能を向上させるも
のであるが、この場合膜性能評価中に処理高分子の膜か
らの脱離により膜性能が急速に低下するという問題があ
る。この対策として著者らは処理高分子をさらに架橋す
ることを提案している。しかし、架橋反応の場合、反応
を均一かつ十二分に完結させることは難しく、未反応部
分が欠点として残存し、性能の改善効果に限界があり、
事実、塩排除率99%以上の高性能の膜を得るには至って
いない。また、架橋反応の前後の処理工程を含め工程が
複雑となり、製造コスト上不利となる。従って、高性能
の半透膜を得る製造方法としては、再現性、経済性、お
よび得られる膜の性能などの点を総合して十分に実用性
のある製膜方法はないのが現状である。
また別の公知例としては、水溶性ポリマを用いた特公昭
53-13431号公報がある。しかしこの方法も水溶性ポリマ
を使用するため、水の量が多いと耐久性が悪くなるとい
う問題点を有していた。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らはこうした事情に鑑み、上述したような従来
技術を改善し、欠点のない高性能の膜を得るべく鋭意検
討した結果、本発明に到達したものである。
すなわち本発明の目的は、半透膜上に所定の高分子を新
規な方法で超薄膜状に形成させた高性能複合半透膜およ
びその製造方法を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するために、 (1) 物質分離用半透膜を、非極性部分と極性部分と
を有し、脂肪族1価アルコール水溶液に溶解し水に対し
不溶であり、該半透膜に吸着能を有する高分子と、 (2) 該半透膜の性能に実質的に影響を及ぼさない溶
媒とからなる溶液で湿潤処理し、 (3) しかる後に上記処理溶液の溶媒が実質的に残存
している状態で、 (4) 該半透膜に実質的に影響を及ぼさない、上記溶
液中高分子に対し凝固能を有する溶液中に浸漬し、該半
透膜の活性層側の表面上に吸着性高分子の超薄膜層を固
定化する工程から構成され、処理前の該半透膜に比較し
て改善された膜性能を有することを特徴とする新規複合
半透膜とその製造方法を提案するものである。
本発明でいう物質分離用半透膜とは、物質の透過性の差
を利用して特定の物質を分離、濃縮、あるいは精製する
ために用いられる半透性をもった膜をいい、逆浸透膜、
限外過膜、透析膜などの液体分離用透膜、ガス分離用
半透膜、イオン交換膜などをあげることができる。
これらの半透膜の形態については特に限定されることは
なく、平膜状、管状、中空糸状など各種のものに適用で
きる。
また膜素材、膜構造についても引用例においては酢酸セ
ルロースについてのみ言及しているが、本発明によれば
特に酢酸セルロースに限定されることはなく、酢酸セル
ロースの他にポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポ
リアミド、ポリベンズイミダゾールなどを膜素材とする
非対称構造をもった半透膜、およびUOP社製商品名PA-30
0、日東電工社製商品名NTR-7250などの複合半透膜につ
いても適用できる。
しかし、永年の使用経験で耐久性、耐酸化性、安全性な
どが確認されている酢酸セルロース等は特に好ましく用
いることができる。
次に本発明における処理溶液について説明する。処理溶
液は、主成分として超薄膜形成用高分子および溶媒から
なっており、必要に応じて他の添加剤を含有させること
もできる。
超薄膜形成用高分子としては、極性および非極性部分を
有し、上記半透膜に吸着能を有するものが用いられる。
該高分子は、半透膜の種類に応じて選ばれるが、代表的
な例としては、部分けん化ポリ酢酸ビニル、前記部分け
ん化ポリ酢酸ビニルと無水マレイン酸のエステル化物、
酢酸ビニルと無水マレイン酸あるいはビニルピロリドン
の共重合体、ヒドロキシアクリレートあるいはヒドロキ
シメタクリレートの重合体および該モノマーよりも疎水
的なモノマーとの共重合体、ポリアクリロニトリルの部
分加水分解、水溶性ナイロンなどがあげられるが、処理
すべき膜に対して親和性を有し、かつ適度の親水性を示
す高分子であればここに挙げた高分子に限定されること
はない。
半透膜に対する吸着能は膜素材と超薄膜形成用高分子と
の特異的な親和性に基づくものであり、両者の組み合せ
を一般的に特定することは難しいが、半透膜素材および
超薄膜素材の各高分子を構成する繰り返し単位に溶解性
パラメーターで非常に近似する値の単位が含まれている
ことが必要と考えられる。しかも水に対し不溶化し半透
膜上に固定化されるために疎水性を示す繰り返し単位が
必要であると同時に、分離活性層を形成し高い性能を発
揮するために適度の親水性が必要である。このような条
件を考慮すると、親水基と疎水基がブロック的に存在す
るポリマーが好ましいと考えられる。具体的に1例とし
て挙げれば、物質分離用半透膜として非常に多くの実績
がある酢酸セルロース膜の場合には、けん化度が20〜60
%の部分けん化ポリ酢酸ビニルが特に卓越した効果を示
す。
溶媒としては、前記高分子を溶解し、かつ処理される半
透膜に対して実質的に影響を及ぼさないものが用いられ
る。従って溶媒は、半透膜および超薄膜形成用高分子の
性状に応じて適当なものが選ばれる。
代表的な溶媒例としては、メタノール、エタノールなど
の脂肪族アルコール、前記脂肪族アルコールと水との混
合溶媒などが各種の膜素材に対して汎用的に用いられる
が、前述した要件をみたす溶媒であればどんな溶媒も使
用可能である。しかしながら逆浸透用の膜の場合、水/
アルコール混合溶媒としては引用例のように水を多くす
ることは処理膜の表面に形成される超薄膜層が水溶性と
ならざるを得ず耐久性の点から好ましくない。処理溶液
の濃度としては、5%以下、好ましくは2%以下が選ば
れる。
濃度が5%以上になると超薄膜層の厚みが厚くなり、透
過性を改善する目的からは膜性能の改善効果が小さくな
る。
次に湿潤処理について説明する。本発明にいう湿潤処理
とは半透膜を上記処理溶液に接触させることにより該処
理溶液中の高分子を該半透膜の表面に吸着させる処理を
いい、引用例のように半透膜の細孔に該高分子がおしこ
められる必要はない。その方法としては半透膜を処理溶
液中に浸漬する方法、前記浸漬方法と実質的に同等の量
および時間、処理溶液を半透膜表面に塗布して処理する
方法などか用いられる。
次に本発明においては、上記湿潤処理された半透膜に対
して凝固処理がなされている。凝固処理は、上記湿潤処
理膜において処理溶液の溶媒が実質的に残存している状
態で、該半透膜に実質的に影響を及ぼさない前記処理溶
液中の高分子に対して凝固能を有する溶液に該半透膜を
接触させることによってなされる。その方法は特に限定
されないが通常浸漬処理および/またはシャワー状注液
処理が用いられる。
凝固溶媒としては、代表的には水が好ましく用いられ、
引用例のように塩酸水溶液を用いる必要はない。さらに
上述の要件をみたす溶液であれば、有機溶媒溶液、その
水溶液、塩を含む水溶液なども処理すべき膜および処理
高分子に対して凝固溶媒として用いることができる。
この凝固処理によって処理溶液中の高分子は半透膜上に
超薄膜層として固定化され、本発明による使用中に処理
水中に脱離することのない活性超薄膜層を有する複合半
透膜が上述したような非常に簡便な方法によって得られ
る。
以上の説明でもわかるように本発明による複合半透膜
は、各種の物質分離用半透膜に対して吸着能を有する適
当な超薄膜形成高分子を選定し、上述した方法で固定化
することができれば上述した膜素材および超薄膜形成高
分子の種類に限定されることなく適用できることは明ら
かである。特に物質分離用半透膜として永年の実績のあ
る非対称構造を有する酢酸セルロース膜を20〜60%の範
囲のけん化度を有する部分けん化ポリ酢酸ビニルの脂肪
族1価アルコール水溶液中に浸漬あるいは該膜に浸漬と
実質的に同等の量および時間、該処理液を塗布して処理
した後、処理液の溶媒が実質的に残存している状態で、
前記部分けん化ポリ酢酸ビニルに対して凝固能を有する
溶液、(たとえば水)に該半透膜を浸漬および/または
シャワー状注液処理して前記部分けん化ポリ酢酸ビニル
の超薄膜を形成して得られる複合半透膜はきわだってす
ぐれた物質分離特性を有する。
引用例で用いられている部分けん化ポリ酢酸ビニルのよ
うにけん化度が20%未満では膜性能向上効果が小さく、
またけん化度が60%越えると水溶性となり、評価中に水
中に溶出するために分離特性が低下するので好ましくな
い傾向にある。
次に本発明による複合半透膜について説明する。第1図
は膜の活性層付近の模式的な断面図である。第1図に示
すように本発明による複合半透膜は半透膜の表面上(活
性層側)に本発明によって設けられる超薄膜層を有して
いることが特徴である。この超薄膜層の厚さは主に処理
溶液の濃度を変えることによって10Å〜1000Åの範囲で
調節される。超薄膜層は膜の表面に存在して膜の物質分
離性能を向上させる役割を果たしている。
このような超薄膜層はたとえばX線光電子分光装置(ES
CA)などによって確認・測定することができる。
以上説明してきたように本発明においては、半透膜の表
面上に該半透膜に対して吸着能を有する高分子を10〜10
00Åの超薄膜状に形成させ、凝固、固定化する点に特徴
があり、引用例のように半透膜の細孔を高分子でうめる
というものではない。このため評価中に処理高分子が細
孔から溶出いるといった問題もなく、高性能で耐久性の
よい複合半透膜が得られる。
[実施例] 以下に本発明を実施例により説明する。
実施例において、逆浸透膜性能は1500ppmの食塩を含む
食塩水を30kg/cm2で加圧して、流速10m/分で膜面に流し
た場合の水分透過量と塩排除率によって示す。
逆浸透膜の性能は通常、水分透過量と塩排除率が相反し
て変化するが、膜固有の性能指標としてA2/BあるいはA3
/B(Aは水分透過係数(g/cm2・sec・atm)、Bは塩分
透過係数(cm/sec)である)はほぼ一定である。本実施
例ではA3/Bを膜性能の指標として用い、この値を比較す
ることによって複合半透膜形成による膜性能向上効果を
確認した。膜厚はダイアルゲージで測定した。実施例と
しては逆浸透膜を例示するにとどめるが、これによって
本発明が逆浸透膜に限定されることはない。
また実施例中、部は重量部を示す。
実施例1 アセチル化度43.2%のセルローストリアセテートとアセ
チル化度39.8%のセルロースジアセテートを4:6の割合
で混合したもの20部、ジオキサン40部、アセトン27部、
ブタンテトラカルボン酸3部、、メタノール10部からな
る製膜溶液を作製した。製膜は30℃の雰囲気でガラス板
上にアプリケーターを用いて厚さ0.2mmに溶液を流延
し、約1分間乾燥後、ガラス板とともに約20分間10℃の
冷水中に浸漬し、ガラス板から剥離させて行なった。得
られた膜を70℃の熱水中で処理して非対称構造を有する
半透膜を得た。この半透膜の水分透過量は1.22m3/m2
日、塩排除率は95.4%であり、膜性能の指標であるA3/B
の値は19×10-10g3/cm7・sec・atm3であった。また膜
厚は72μであった。
この半透膜を重合度1700、けん化度40%の部分けん化ポ
リ酢酸ビニルの0.3%溶液(溶媒は水:エノタール=1:1
(重量比)の混合系)に30秒間浸漬後、膜をとりだし、
30秒膜がまだ濡れている状態で水中に浸漬、静置して凝
固処理した。このようにして得られた膜の水分透過量は
0.71m3/m2・日、塩排除率は99.4%であり。塩排除率が
高いにもかかわらず、水分透過量の大きい膜が得られ
た。またA3/Bの値は52×1010g3/cm7・sec・atm3となり
処理前の半透膜に比べ大幅に膜性能が改善されているこ
とがわかる。膜厚は72μと処理前と変わらなかった。
本処理によって半透膜上に超薄膜が形成されていること
は次の方法によって分析した。
分析装置:X線光電子分光装置ESCA(Electron Spectrosc
opy for Chemical Analysis)、島津製作所製、タイプE
SCA750。(原理……1000〜2000eVのエネルギーをもった
X線ビームを試料表面に当てて、光電効果によって試料
から発生する電子のエネルギー分析をする方法であり、
〜100Åの表面のみの分析が可能である。) 測定条件 励起X線:Mg-Kα1,2線(1253.6eV) 出力:8KV-30mA 測定真空度:1.0×105Pa 横軸補正:C1Sメインピークの結合エネルギー値を284.6
eVにあわせた。
サンプリング:両面接着テープで試料台に固定処理前後
の膜および本処理に用いた部分けん化ポリ酢膜ビニルに
ついての測定結果を第2,3,4図に示す。図はESCAのC15
ペクトルでスペクトル形状から表面組成を知ることがで
きる。
第2図、第3図の比較から処理後の膜の表面には酢酸セ
ルロースは存在しないこと、および第3図、第4図の比
較から、処理後の膜表面は部分けん化ポリ酢酸ビニルで
被覆されていることがわかる。
X線光電子分光装置は原理的に100Å前後の深さの表面
についての情報を与えるものであり、また処理前後で膜
厚は実質的に変わっていないことを考えると、本処理に
より数100Å程度の超薄膜層が形成されたことになる。
実施例2 実施例1で70℃の熱水処理をして得られた半透過膜を部
分けん化ポリ酢酸ビニル溶液で処理する際において、該
処理液を該半透膜上に50cc/m2塗布し、40秒放置後膜が
まだ実質的に濡れている状態で該半透を水中に浸漬して
処理した。得られた膜の水分透過量は0.68m3/m2・日、
塩排除率は99.4%であり、膜性能の指標であるA3/Bの値
は47.2×1010g3/cm7・sec・atm3と処理前の半透膜に比
べて大幅に膜性能が向上した。
一方、処理液を同様に塗布した後60分間放置して膜から
実質的に溶媒を蒸発させた後、水中に浸漬して処理して
得られた膜の性能は、水分透過量0.1m3/m2・日、塩排
除率は98.5%であり、膜性能の指標であるA3/Bの値は0.
41とかえって膜性能は低下した。
実施例3 実施例1において70℃の熱水処理をすることによって得
た非対称構造を有する半透膜(水分透過量1.22m3/m2
日、塩排除率は95.4%、A3/B=19.0×10-10g3/cm7・se
c・atm3)をヒドロキシエチルメタクリレート重合体の
0.3%溶液(溶媒は水:メタノール=1:1(重量比)の混
合系)に30秒間浸漬後、膜をとりだし、15秒後に水中に
浸漬した。このようにして得られた膜の性能は、水分透
過量1.18m3/m2・日、塩排除率は97.6%、、A3/B=34.9
×10-10g3/cm7・sec・atm3と著しい膜性能の向上効果
が見られた。
本処理後の膜厚は72μで処理前と変わらなかった。また
膜の表面は処理高分子として用いたヒドロキシエチルメ
タクリレート重合体で被覆されていることをESCAで確認
した。
実施例4 非対称性構造を有するセルロースジアセテート膜を用い
たUOP社製逆浸透モジュールROGA8800HRMAGNUMを解体し
て得た膜の性能は、水分透過量0.84m3/m2・日、塩排除
率は98.0%、A3/B=21.3×10-10g3/cm7・sec・atm3
あった。
この半透膜を実施例1と同じ条件で膜処理して得られた
膜の性能は、水分透過量0.66m3/m2・日、塩排除率は9
9.3%であり、A3/Bの値は38.2×10-10g3/cm7・sec・at
m3と大幅に膜性能は向上した。
尚処理前後の膜厚はいずれも13μで変わりなく、処理後
の表面は膜処理に用いた部分けん化ポリ酢酸ビニルで被
覆されていることをESCAで確認した。
実施例5 テレフタル酸クロリド/イソフタル酸クロリド/m−フェ
ニレンジアミン=70/30/100を溶液重縮合して得られた
ポリアミド16部、硝酸リチウム6部、およびジメチルア
セトアミド78部からなる製膜溶液を作製した。製膜は25
℃の雰囲気中でガラス板上にアプケーターを用いて厚さ
0.2mmに溶液を流延し、ついで120℃で10分間乾燥処理を
行なった。この乾燥処理後の膜を15℃の水中に時間浸漬
して凝固処理を行ない非対称構造を有するポリアミドの
半透膜を得た。この膜の水分透過量は1.65m3/m2・日、
塩排除率は23.1%であり、A3/Bの値は0.46×10-10g3/c
m7・sec・atm3であった。この半透膜を実施例1で用い
たのと同じ部分けん化ポリ酢酸ビニル水溶液を用いて、
同じ条件で処理を行なった結果、膜性能は、水分透過量
0.31、塩排除率95.2%となり、A3/Bの値は1.2×10-10g3
/cm7・sec・atm3に向上した。
膜厚は測定前後で70μと変わらず、また処理後の膜の表
面は実施例1で用いた部分けん化ポリ酢酸ビニルで被覆
されていることをESCAで確認した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法によって得られた膜の活性属付近の
模式的な断面図である。第2図、第3図、第4図は本発
明の実施例1の膜のX線光電子分光装置(ESCA)による
分析データを示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物質分離用半透膜を、非極性部分と極性部
    分とを有し、脂肪族1価アルコール水溶液に溶解し水に
    対し不溶であり、半透膜に吸着能を有する高分子と、該
    半透膜の性能に実質的に影響を及ぼさない溶媒とからな
    る溶液で湿潤処理し、しかる後に上記処理溶液の溶媒が
    実質的に残存している状態で該半透膜に実質的に影響を
    及ぼさない、前記処理溶液中の高分子に対して凝固能を
    有する溶液中に浸漬し、該半透膜の活性層側の表面上に
    吸着性高分子の層を固定化することを特徴とする物質分
    離複合半透膜の製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲(1)項記載の、非極性部
    分と極性部分とを有し、脂肪族1価アルコール水溶液に
    溶解し水に対し不溶であり、半透膜に吸着能を有する高
    分子として、部分けん化ポリ酢酸ビニル、前記部分けん
    化ポリ酢酸ビニルと無水マレイン酸のエステル化物、酢
    酸ビニルと無水マレイン酸あるいはビニルピロリドンの
    共重合体、ヒドロキシアクリレートあるいはヒドロキシ
    メタクリレートの重合体および該モノマーよりも疎水的
    なモノマーとの共重合体、ポリアクリロニトリルの部分
    加水分解物、および、水溶性ナイロンよりなる群より選
    ばれる少なくとも1つよりなる高分子を用い、かつ、特
    許請求の範囲第(1)項記載の該半透膜に実質的に影響
    を及ぼさない溶媒が、脂肪族1価アルコール水溶液であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の物
    質分離複合半透膜の製造方法。
  3. 【請求項3】物質分離用半透膜として非対称性構造を有
    する酢酸セルロースを用い、20〜60%の範囲の加水分解
    率のポリ酢酸ビニルの脂肪族1価アルコール水溶液で処
    理したことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載
    の物質分離複合半透膜の製造方法。
JP60170499A 1985-08-01 1985-08-01 物質分離複合半透膜の製造方法 Expired - Lifetime JPH0712418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60170499A JPH0712418B2 (ja) 1985-08-01 1985-08-01 物質分離複合半透膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60170499A JPH0712418B2 (ja) 1985-08-01 1985-08-01 物質分離複合半透膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6230509A JPS6230509A (ja) 1987-02-09
JPH0712418B2 true JPH0712418B2 (ja) 1995-02-15

Family

ID=15906090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60170499A Expired - Lifetime JPH0712418B2 (ja) 1985-08-01 1985-08-01 物質分離複合半透膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0712418B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021079867A1 (ja) * 2019-10-24 2021-04-29 三菱パワー株式会社 酢酸セルロース膜用の脱塩性能回復剤及び酢酸セルロース膜の脱塩性能回復方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS544283A (en) * 1977-06-10 1979-01-12 Mitsubishi Rayon Co Ltd Preparation of semipermeable separating membrane
JPS5969107A (ja) * 1983-06-27 1984-04-19 Nitto Electric Ind Co Ltd 複合半透膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6230509A (ja) 1987-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU633449B2 (en) Process for surface modifying a support membrane
US5009824A (en) Process for preparing an asymmetrical macroporous membrane polymer
KR100217311B1 (ko) 소수성 지지막 위에 박막의 친수성 도포층을 갖는 복합막의제조방법
JP2008508998A5 (ja)
CZ2012389A3 (cs) Kompozitní membrány pro separaci plynných směsí a způsob jejich přípravy
EP0532198A1 (en) Polyphenylene oxide-derived membranes for separation in organic solvents
US4659590A (en) Pervaporation separation of ethanol-water mixtures using polyethylenimine composite membranes
JPS5824447B2 (ja) 逆浸透膜の製造方法
CN112535957B (zh) 一种有机溶剂正渗透用带中间层复合膜及其制备方法和应用
JPS62294403A (ja) 複合膜
JPH0712418B2 (ja) 物質分離複合半透膜の製造方法
GB2174619A (en) Composite separation membranes
CN113694739B (zh) 一种ptfe微滤膜及ptfe微滤膜亲水改性方法
EP0476875A2 (en) Process for the purification and concentration of biologically active materials
JPH1128466A (ja) 逆浸透複合膜による水の逆浸透処理方法
JPH05184887A (ja) 高機能性非対称膜の製造方法
CA1184715A (en) Porous sulfone polymer membrane and process for its preparation
JPH02207827A (ja) 異方性中空糸複合膜
CN1108588A (zh) 一种改进的带有涂层复合膜的制备方法
JPH082414B2 (ja) 水蒸気選択透過性膜
JPH05293345A (ja) 半透性複合膜
JPH0512972B2 (ja)
JPS62282604A (ja) 物質分離複合半透膜およびその製造方法
JPH09239248A (ja) 浸透気化膜の処理方法
JPH0239931B2 (ja)