JPH07123987A - 糸状菌および酵母で使用可能なポリペプチド分泌発現用プラスミドおよびそれを用いたポリペプチドの製造法 - Google Patents

糸状菌および酵母で使用可能なポリペプチド分泌発現用プラスミドおよびそれを用いたポリペプチドの製造法

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JPH07123987A
JPH07123987A JP5303476A JP30347693A JPH07123987A JP H07123987 A JPH07123987 A JP H07123987A JP 5303476 A JP5303476 A JP 5303476A JP 30347693 A JP30347693 A JP 30347693A JP H07123987 A JPH07123987 A JP H07123987A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、糸状菌もしくは酵母を宿主として有
用蛋白質およびペプチドを分泌発現させるために必要な
DNA断片を有するプラスミドと、それを用いた有用蛋
白質およびペプチドの製造法を提供する。 【構成】糸状菌および酵母で機能するプロモーターとタ
ーミネーターを有し、分泌に必要なシグナルとして、ペ
ニシリウム・カマンベルチィーのモノおよびジアシルグ
リセロールリパーゼ遺伝子を有し、大腸菌で複製および
選択可能なDNA領域を有する糸状菌および酵母で使用
可能なポリペプチド分泌発現用プラスミドおよびこれを
用いたポリペプチドの製造法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糸状菌もしくは酵母を
宿主として有用蛋白質およびペプチドを分泌発現させる
ために必要なDNA断片を有するプラスミドと、それを
用いた有用蛋白質およびペプチドの製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】遺伝子工学技術においては、目的とする
蛋白質の生産量は、プロモーター、ターミネーターなど
の転写に関わる因子、アミノ酸コドンの種類など翻訳に
関わる因子、蛋白質への糖鎖付加、発現した蛋白質の細
胞内での存在様式(分泌過程における移動も含む)など
の翻訳後に関わる因子、遺伝子のコピー数の因子、宿主
由来のプロテアーゼなど発現蛋白質の安定性に関わる因
子など、多くの因子により影響を受ける。
【0003】糸状菌におけるプロモーターを異種蛋白質
高発現に利用した例は、アスペルギルス・ニガー由来の
グルコアミラーゼ遺伝子のプロモーター(Biotechnolog
y, 5, 369 (1987))、トリコデルマ・リーセイ由来のセ
ロビオハイドロラーゼI遺伝子のプロモーター(Biotech
nology, 7, 596 (1989))、アスペルギルス・オリゼ由
来のアルファ-アミラーゼ遺伝子のプロモーター(Biote
chnology, 6, 1419 (1988))の場合などがある。しかし
ながらペニシリウム(Penicillium)属由来のプロモー
ターを異種蛋白質高発現に利用した例はなかった。
【0004】また、使用する宿主は、一つのプロモータ
ーに対し通常そのプロモーターの供与菌のみが使用でき
るのみであり、一つのプロモーターが複数の糸状菌を宿
主として効率よく機能した例、あるいはさらに糸状菌と
酵母両宿主において利用可能なプロモーターを用いた異
種蛋白質の発現用プラスミドは存在しなかった。
【0005】更に、遺伝子工学技術を用いて異種蛋白質
の生産を行う場合、単離・精製などのダウンストリーム
・プロセスを容易にするため異種蛋白質を菌体外に分泌
させることも重要な因子であり、このために、用いる宿
主生物由来の分泌蛋白質のシグナルペプチド、もしくは
その生物において機能するシグナルペプチドを、目的の
ポリペプチドの上流に導入する手法が用いられたり、あ
るいはまた、分泌蛋白質と目的のポリペプチドの融合蛋
白質として発現させる方法も用いられている。
【0006】しかし、宿主としてアスペルギルス・ニド
ランス、分泌に必要シグナルとしてアスペルギルス・ニ
ガー由来のグルコアミラーゼを用いた例(Biotechnolog
y, 5, 369 (1987)、Biotechnology, 5, 713 (1987))、
宿主としてアスペルギルス・アワモリ、分泌に必要シグ
ナルとしてアスペルギルス・アワモリ由来のグルコアミ
ラーゼを用いた例(Biothechnology, 8, 435 (199
0))、宿主としてトリコデルマ・リーセイ、分泌に必要
なシグナルとしてトリコデルマ・リーセイ由来のセロビ
オハイドロラーゼIを用いた例(Biothechnology, 7, 5
96 (1989))があるのみであり、属を異にした複数の糸
状菌および酵母で使用可能な分泌に必要なシグナルを用
いて異種蛋白質の分泌発現に成功した例はこれまでに存
在していなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、発現宿主
として糸状菌及び酵母のいずれにも適用可能で、且つ
又、発現された異種蛋白質の菌体外への分泌を促進させ
得る形質転換用プラスミドが創製されるならば、宿主の
使い分けが可能となり、それによって、天然には微量に
しか存在しない多くの生理活性物質の効率的な生産が可
能となり、ひいては、これら物質の医薬への応用もより
促進されうる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ペニシリ
ウム・カマンベルチイのモノおよびジアシルグリセロー
ルリパーゼ遺伝子のプロモーターおよび分泌に必要なシ
グナルが、本菌株中においてのみならず他の糸状菌およ
び酵母中において機能することを見いだし、これを用い
て、複数の糸状菌および酵母において分泌発現せしめる
ための新規発現プラスミドを構築すると共に、またその
分泌発現プラスミドを用いて目的の有用蛋白質およびペ
プチドを糸状菌および酵母により分泌生産させることに
成功し、本発明を完成させた。
【0009】本発明の新規分泌発現プラスミドは、糸状
菌および酵母において機能するプロモーター、分泌に必
要なシグナル、ターミネーターさらには大腸菌で複製お
よび選択可能なDNA領域を有するものである。
【0010】プロモーターは、糸状菌および酵母におい
て機能するものであればいずれでもよいが、具体的に
は、アスペルギルス・ニガーのβ−グルコシダーゼ遺伝
子(Mol. Gen. Gent., 194, 494 (1984))、リゾプス・
ニベウスのグルコアミラーゼ遺伝子(Agric. Biol. Che
m., 50, 957 (1986))、リゾプス・ニベウスのアスパル
ティック・プロテイナーゼ遺伝子(Agric. Biol. Che
m., 54, 1771 (1990))、ペニシリウム・カマンベルチ
イのモノおよびジアシルグリセロールリパーゼ遺伝子
(Gene, 103, 61 (1991))のプロモーター等が挙げられ
る。
【0011】より好適には、ペニシリウム・カマンベル
チイのモノおよびジアシルグリセロールリパーゼ遺伝子
のプロモーターが挙げられる。
【0012】分泌に必要なシグナルも、糸状菌および酵
母において機能するものであればいずれでもよいが、具
体的にはペニシリウム・カマンベルチイのモノおよびジ
アシルグリセロールリパーゼの、プレプロ領域、プレプ
ロおよびそれに続くN末端領域、プレプロ領域および成
熟蛋白質のコード領域あるいはプレプロ領域およびC末
端に1アミノ酸残基欠失した成熟蛋白質のコード領域等
が挙げられる。
【0013】またターミネーターは、プロモーターほど
厳密に選択されるべきものではないが、具体的にはペニ
シリウム・カマンベルチイのモノおよびジアシルグリセ
ロールリパーゼ遺伝子のターミネーター等が挙げられ
る。
【0014】そして、本発明の新規分泌発現プラスミド
は、以下の条件をも備えている。
【0015】(1)発現させるべき目的のポリペプチドを
コードするDNA断片を、分泌に必要なシグナルとター
ミネーターの間に挿入するのを容易にするため、分泌に
必要なシグナルとターミネーターの接続部に3つの制限
酵素認識部位が導入されていること。
【0016】(2)目的のポリペプチドを挿入した後の
[プロモーター−分泌に必要なシグナル−目的のポリペ
プチドの前駆体もしくは成熟体をコードするDNA断片
−ターミネーター]からなる発現カセットが構築され、
そして該発現カセットを発現宿主として選択した菌株に
対する形質転換プラスミドに挿入するのを容易にするた
めの別の制限酵素認識部位が導入されていること。
【0017】(3)モノおよびジアシルグリセロールリパ
ーゼのコード領域内の適当な制限酵素部位を利用して、
任意の長さの分泌に必要なシグナルを有する発現カセッ
トを構築することが出来ること。この場合の任意の長さ
の分泌に必要なシグナルとしては、例えばプレプロ領
域、プレプロおよびN末端領域、プレプロおよび成熟体
領域などが挙げられる。
【0018】(4)分泌に必要なシグナルと目的のポリペ
プチドの前駆体もしくは成熟体の接合部のアミノ酸配列
は、DNA断片の接合のために人工のアミノ酸配列にな
る場合もあり、また、Lys−Argなどのプロセッシ
ングに必要なアミノ酸配列を意図的に導入することもあ
り、あるいは、モノおよびジアシルグリセロールリパー
ゼのC末端から3番目および2番目にLys−Arg配
列が存在し、この位置でプロセッシングが起こることが
知られているので、分泌に必要なシグナルと目的のポリ
ペプチドの前駆体もしくは成熟体の接合部にこの配列を
利用することも可能であること。
【0019】本発明の新規分泌発現プラスミドの構築
は、例えば以下の様にして行うことが出来る。
【0020】遺伝子のプロモーターおよびコード領域、
ターミネーター領域のそれぞれの両端に部位特異的変異
導入法(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 82, 488 (19
85))により適当な制限酵素認識部位を導入後、プロモ
ーターおよびコード領域、ターミネーター領域を制限酵
素により切り出し、DNA断片として単離し、両断片を
もとの遺伝子と同じ順序で、大腸菌のベクターたとえば
pUC19に挿入して得られる。
【0021】プロモーターおよびコード領域、ターミネ
ーター領域のDNA断片は、PCR法(Science, 230,
1350 (1985))により増幅し得ることも可能である。
【0022】本発明は、さらに酵素、ホルモン、生理活
性ペプチドもしくは蛋白質を、糸状菌および酵母を宿主
として製造する方法をも開示するものであり、例えば、
次のステップにより成し遂げられる。
【0023】(1)発現カセットの構築(プラスミドpY
4'への目的のポリペプチドの前駆体もしくは成熟体をコ
ードするDNA断片の挿入) (2)形質転換-発現プラスミドの構築(発現カセット
の形質転換ベクターへの挿入) (3)形質転換-発現プラスミドの宿主菌株への導入 (4)形質転換体の培養 以下に順を追って説明する。
【0024】(1)発現カセットの構築(プラスミドpY
4'への目的のポリペプチドの前駆体もしくは成熟体をコ
ードするDNA断片の挿入) 目的のポリペプチドの前駆体もしくは成熟体をコードす
るDNAのN末端アミノ酸コドンの上流に、および終止
コドンの下流に適当な制限酵素部位を、部位特異的変異
法もしくはPCR法によりそれぞれ導入し、これらの制
限酵素付着部位を両端にもつDNA断片を、プラスミド
pY4'の適当な制限酵素部位に挿入する。
【0025】この場合分泌に必要なシグナルとして選択
したアミノ酸配列即ちモノおよびジアシルグリセロール
リパーゼのプレプロ領域、プレプロおよびN末端領域も
しくはプレプロ領域および成熟体のアミノ酸配列と、挿
入される目的のポリペプチドの前駆体もしくは成熟体の
アミノ酸配列は、読み取りフレームが合致するように留
意する。
【0026】これはPCRの際のプライマーのデザイン
や部位特異的変異を駆使することにより可能であり、目
的のポリペプチド前駆体もしくは成熟体をコードするD
NAは、クローニングにより得られた遺伝子もしくはc
DNAであっても、化学合成により得られたものであっ
てもよく、またイントロンを含む遺伝子であっても、そ
のイントロン中に宿主中でスプライシングが起こる様な
配列を有するものであれば使用可能である。
【0027】(2)形質転換-発現プラスミドの構築
(発現カセットの形質転換ベクターへの挿入) (1)で構築した発現カセットを宿主糸状菌もしくは酵
母細胞中へ導入するため、形質転換体の選択に必要なマ
ーカー遺伝子を有するプラスミドすなわち形質転換ベク
ターに、発現カセットを挿入する。形質転換ベクターは
それぞれの宿主に応じて適宜選択する。糸状菌の場合、
コ-トランスホーメーション(Co-transformation)が可能
であるので、糸状菌を宿主とする場合は必ずしもこのス
テップは必要としない。
【0028】(3)形質転換-発現プラスミドの宿主菌
株への導入 (2)で得られた形質転換-発現プラスミドを用いて、
公知の方法で糸状菌(例えば Mol. Gen. Gent., 218, 9
9 (1989))もしくは酵母(例えばJ. Bacteriol., 153,
163 (1983))を形質転換する。コ-トランスホーメーシ
ョンを行う場合は、形質転換-発現プラスミドの代わり
に(1)で得られた発現カセットのDNA断片もしくは
発現カセットを有するプラスミドと形質転換プラスミド
の混合液を用いる。
【0029】(4)形質転換体の培養 (3)で得られた形質転換体を、適当な培地・培養条件
で培養し目的のポリペプチドを生産させる。この場合、
プロモーターが最も機能する培地・培養条件で培養を行
うのが好ましい。生産された組換え型の目的のポリペプ
チドは、適当な方法で定性、定量し、また必要に応じて
単離・精製される。
【0030】目的のポリペプチドは、いかなるものであ
ってもよいが、例えばザルコファーガ・ペレグリナ由来
のザーペシンが挙げられる。
【0031】以下に実施例を用いて、本発明を詳細に説
明する。尚、本明細書においては、遺伝子操作手法は特
に記載しない限り成書(例えば「モレキュラー・クロー
ニング」第2版、サンブルック、フリッシュ、マニアチ
ス編、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
ズ出版、(1989))に従って行った。
【0032】
【実施例】
実施例1プラスミドpY4'の構築 ペニシリウム・カマンベルチイ U-150株のモノおよびジ
アシルグリセロールリパーゼ遺伝子 2.0-kb HindIII断
片を大腸菌ベクターpUC19(東洋紡社製、Gene,33, 103
(1985))のHindIII部位に挿入したプラスミドpLGG100、
pLGG300(これら両プラスミドは、2.0-kb HindIII断片
が互いに逆方向に挿入されている)および約1.0-kb c
DNA断片(Gene, 103, 61 (1991))を材料に用いた。
【0033】このモノおよびジアシルグリセロールリパ
ーゼ遺伝子およびcDNAは、ペニシリウム・カマンベ
ルチイ U-150株(ペニシリウム・エスピー(Penicillium
sp.) U-150、FERM P-10452。この菌株は後にペニシリ
ウム・カマンベルチイ(Penicillium camembertii)と同
定された(Appl. Microbiol. Biotechnol., 34, 720 [19
91])。)より公知の方法(Gene, 103, 61 (1991))によ
り取得することが可能である。
【0034】まずイントロンを含まないモノおよびジア
シルグリセロールリパーゼ遺伝子を構築した。pLGG300
を制限酵素NcoI、XhoIで部分分解し分解混合物を1.0%低
融点アガロース電気泳動に供し、2つのイントロンを含
む領域 0.73-kb XhoI/NcoI断片が除かれた約4.0-kb Xho
I/NcoI断片を単離・精製した。このDNA断片と、cD
NA由来の0.63-kb XhoI/NcoI断片をライゲーションしp
LGR80を得た(図1)。
【0035】プロモーターおよびコード領域を含むDN
A断片は、pLGR80を鋳型としてPCR法により増幅し
た。PCR反応のための上流プライマーとして、 M4': 5'-GTTTTCCCAGTCACGACGTTGTA-3' 下流プライマーとして、 Sal: 5'-GCTTGATCTAAATTGTCGACCCTCTTGAATG-3' をサイクロンプラスDNA合成機(ミリジェン・バイオ
サーチ社製)を用いて合成した。PCR反応は、Gene A
mpTM kit(パーキンエルマージャパン社製)を用い、同
社のサーマル・サイクラー(DNA増幅装置)により行
った。反応溶液の組成は以下の通りである。
【0036】 H2O 63.0 μl [10x] Reaction buffer 10.0 μl dNTPs, Mix., 1.25 mM 16.0 μl 上流プライマーM4', 20 μM 5.0 μl 下流プライマーSal, 20 μM 5.0 μl pLGG300, 2 ng/μl 0.5 μl AmpliTaqTMDNAポリメラーゼ 0.5 μl サーマル・サイクラーの条件は、以下の通りである。
【0037】94 ℃ 0.5 分 55 ℃ 2.0 分 72 ℃ 0.5 分 この条件下で反応を50サイクル行った後、さらに72℃で
7分間インキュベートした。反応液を1.0%低融点アガロ
ース電気泳動に供し、増幅された約1.6-kbのDNA断片
を単離・精製した。このDNA断片を制限酵素HindIII
およびSalIで処理し、同じく両酵素で処理したpUC19に
クローニングし、pPMSalを得た。
【0038】次にターミネーター領域のクローニングを
行った。pLGG100を制限酵素DraIおよびHincIIで処理
後、分解混合液を1.0%低融点アガロース電気泳動に供
し、ターミネーター領域である約0.48-kb DraI/HincII
断片を単離・精製した。このDNA断片をpUC9のSmaI部
位にクローニングし、pT7を得た。
【0039】更にプロモーターおよびコード領域とター
ミネーター領域の連結を行った。pT7を制限酵素BamHIお
よびEcoRIで処理後、分解混合液を1.0%低融点アガロー
ス電気泳動に供し、ターミネーター領域である約0.49-k
b BamHI/EcoRI断片を単離・精製した。このDNA断片
を同じく制限酵素BamHIおよびEcoRIでpPMSalを部分分解
処理して得た約4.3-kb EcoRI/BamHI断片にクローニング
し、pY4'を得た(図2)。
【0040】実施例2ザルコファーガ・ペレグリナ由来のザーペシン発現カセ
ットpS2の構築 ザーペシンの遺伝子はセンチニクバエ胚由来の株化細胞
であるNIHーSapeー4細胞を培養し、公知の方法(J. Biol.
Chem., 263, 17117ー17121 (1988))により取得するこ
とが可能である。ザーペシン前駆体をコードするDNA
をpY4'のペニシリウム・カマンベルチイのモノおよびジ
アシルグリセロールリパーゼのプレプロコード領域とタ
ーミネーターの間に挿入するため、PCR法を用いてその
DNA断片を作製した。PCR反応のための上流プライ
マーとして、 S2-a: 5'-ATCCGTCGACTCGCCTGCTGCAGCTGCTGA-3' 下流プライマーとして、 S-b: 5'-AATAGGATCCCTTAATTGCGACATACGCAG-3' をサイクロンプラスDNA合成機(ミリジェン・バイオ
サーチ社製)を用いて合成した。PCR反応は、Gene A
mpTM kit(パーキンエルマージャパン社製)を用い、同
社のサーマル・サイクラー(DNA増幅装置)により行
った。反応溶液の組成は以下の通りである。
【0041】 H2O 62.5 μl [10x] Reaction buffer 10.0 μl dNTPs, Mix., 1.25 mM 16.0 μl 上流プライマー S2-a, 20 μM 5.0 μl 下流プライマー S-b, 20 μM 5.0 μl Template, 1 ng/μl 1.0 μl AmpliTaqTMDNAポリメラーゼ 0.5 μl サーマル・サイクラーの条件は、以下の通りである。
【0042】94 ℃ 1.0 分 45 ℃ 2.0 分 72 ℃ 2.0 分 この条件下で反応を25サイクル行った後、さらに72℃で
7分間インキュベートした。反応液を1.0%低融点アガロ
ース電気泳動に供し、増幅された約0.22-kbのDNA断
片を単離・精製した。
【0043】次にこのDNA断片を制限酵素SalIおよび
BamHIで処理し、またpY4'を制限酵素XhoIおよびBamHIで
部分分解処理した後、分解混合液を1.0%低融点アガロー
ス電気泳動に供し、PCR産物である約0.22-kbのSalI/Bam
HI断片およびpY4'由来の約3.8ーkbのXhoI/BamHI断片を単
離・精製した。得られた2つのDNA断片をライゲーショ
ンすることによりプラスミドpS2'を得た。
【0044】更にpS2'におけるモノおよびジアシルグリ
セロールリパーゼのプレプロのコード領域と前駆体ザー
ペシンのコード領域の接合部に見られる不必要な塩基
(シトシン)の欠失を MutanーK(宝酒造社製)を用いた
部位特異的変異導入法により行いプラスミドpS2を得た
(図3)。
【0045】実施例3ザルコファーガ・ペレグリナ由来のザーペシン発現カセ
ットpS3の構築 ザーペシン前駆体をコードするDNAをpY4'のペニシリ
ウム・カマンベルチイのモノおよびジアシルグリセロー
ルリパーゼのプレプロおよびN末端コード領域とターミ
ネーターの間に挿入するため、PCR法を用いてそのDN
A断片を作製した。PCR反応のための上流プライマー
として、 S3-a: 5'-ATCCGAATTCTCGCCTGCTGCAGCTGCTGA-3' 下流プライマーとして、S-b を実施例2と同様に合成
し、PCR反応を行った。反応液を1.0%低融点アガロー
ス電気泳動に供し、増幅された約0.22-kbのDNA断片
を単離・精製した。
【0046】次にこのDNA断片を制限酵素EcoRIおよ
びBamHIで処理し、またpY4'を制限酵素EcoRIおよびBamH
Iで部分分解処理した後、分解混合液を1.0%低融点アガ
ロース電気泳動に供し、PCR産物である約0.22-kbのEcoR
I/BamHI断片およびpY4'由来の約3.9ーkbのEcoRI/BamHI断
片を単離・精製した。得られた2つのDNA断片をライゲ
ーションすることによりプラスミドpS3を得た(図
4)。
【0047】実施例4ザルコファーガ・ペレグリナ由来のザーペシン発現カセ
ットpS4の構築 ザーペシン前駆体をコードするDNAをpY4'のペニシリ
ウム・カマンベルチイのモノおよびジアシルグリセロー
ルリパーゼのプレプロおよび成熟蛋白質コード領域とタ
ーミネーターの間に挿入するため、実施例2と同様にPC
R法を用いてそのDNA断片を作製した。
【0048】次にこのDNA断片とpY4'を制限酵素SalI
およびBamHIで処理後、分解混合液を1.0%低融点アガロ
ース電気泳動に供し、PCR産物である約0.22-kbのSalI/B
amHI断片およびpY4'由来の約4.7ーkbのSalI/BamHI断片を
単離・精製した。得られた2つのDNA断片をライゲーシ
ョンすることによりプラスミドpS4を得た(図5)。
【0049】実施例5ザルコファーガ・ペレグリナ由来のザーペシン発現カセ
ットpS5の構築 ザーペシン成熟体をコードするDNAをpY4'のペニシリ
ウム・カマンベルチイのモノおよびジアシルグリセロー
ルリパーゼのプレプロおよび成熟蛋白質コード領域とタ
ーミネーターの間に挿入するため、PCR法を用いてその
DNA断片を作製した。PCR反応のための上流プライ
マーとして、 S5-a: 5'-CTACGTCGACGCCACTTGCGATTTATTGAG-3' 下流プライマーとして、S-b を実施例2と同様に合成
し、PCR反応を行った。反応液を1.0%低融点アガロー
ス電気泳動に供し、増幅された約0.13-kbのDNA断片
を単離・精製した。
【0050】次にこのDNA断片とpY4'を制限酵素SalI
およびBamHIで処理後、分解混合液を1.0%低融点アガロ
ース電気泳動に供し、PCR産物である約0.13-kbのSalI/B
amHI断片およびpY4'由来の約4.7ーkbのSalI/BamHI断片を
単離・精製した。得られた2つのDNA断片をライゲーシ
ョンすることによりプラスミドpS5'を得た。
【0051】更にpS5'における成熟体モノおよびジアシ
ルグリセロールリパーゼのコード領域と成熟体ザーペシ
ンのコード領域の接合部に見られる不必要な塩基(5'ーGT
CGACー3')の欠失を実施例2と同様に部位特異的変異導入
法により行い、プラスミドpS5を得た(図6)。
【0052】実施例6形質転換プラスミドpH1の構築 実施例1に記載した、プラスミドpLGG300およびpLGG100
[Gene, 103, 61(1991)]の両プラスミドは、約2.0-k
b HindIII断片が互いに逆方向に挿入されている。この
モノおよびジアシルグリセロールリパーゼ遺伝子は、ペ
ニシリウム・カマンベルチイより公知の方法[Gene, 10
3, 61(1991)]により取得することが可能である。ま
た薬剤耐性マーカー遺伝子としては大腸菌のハイグロマ
イシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子を有するプラ
スミドpHph0(ベーリンガー・マンハイム社製)を用い
た。
【0053】モノおよびジアシルグリセロールリパーゼ
遺伝子のプロモーター領域および翻訳開始コドンから7
アミノ酸残基目までを含むDNA断片は、pLGG300を鋳
型としてPCR法により増幅した。PCR反応のための
上流プライマーとして、 LGP-a: 5'-CAAGCTTCCGGGAGTAAATTTTC-3' 下流プライマーとして、 LGP-b: 5'-TGTCGACCTGTGAAGAAAGAGAGACGCAT-3' をサイクロンプラスDNA合成機(ミリジェン・バイオ
サーチ社製)を用いて合成した。PCR反応は、Gene A
mpTM kit(パーキンエルマージャパン社製)を用い、同
社のサーマル・サイクラー(DNA増幅装置)により行
った。反応溶液の組成は以下の通りである。
【0054】 H2O 62.5 μl [10x] Reaction buffer 10.0 μl dNTPs, Mix., 1.25 mM 16.0 μl 上流プライマーLGP-a, 20 μM 5.0 μl 下流プライマーLGP-b, 20 μM 5.0 μl pLGG300, 2 ng/μl 1.0 μl AmpliTaqTMDNAポリメラーゼ 0.5 μl サーマル・サイクラーの条件は、以下の通りである。
【0055】93 ℃ 1.0 分 55 ℃ 1.0 分 72 ℃ 1.0 分 この条件下で反応を50サイクル行った後、さらに72℃で
7分間インキュベートし、反応液を1.0%低融点アガロー
ス電気泳動に供し、増幅された約0.6-kbのDNA断片を
単離・精製した。このDNA断片を制限酵素HindIIIお
よびSalIで処理し、同じく両酵素で処理したpUC19にク
ローニングし、pP2を得た。
【0056】次にターミネーター領域を、以下のように
してpHph0のハイグロマイシンBホスホトランスフェラ
ーゼ遺伝子の下流にクローニングした。pLGG100を制限
酵素DraIおよびHincIIで処理後、分解混合液を1.0%低
融点アガロース電気泳動に供し、ターミネーター領域で
ある約0.48-kb DraI/HincII断片を単離・精製し、この
DNA断片をのpHph0のSmaI部位にクローニングし、pT6
を得た。
【0057】更にモノおよびジアシルグリセロールリパ
ーゼ遺伝子のプロモーター領域および翻訳開始コドンか
ら7アミノ酸残基目までを含むDNA断片を、以下のよ
うにしてpT6のハイグロマイシンBホスホトランスフェ
ラーゼ遺伝子中の蛋白質のN末端コーディング領域に存
在する制限酵素部位にクローニングした。pP2を制限酵
素HinndIIIおよびSalIで処理後、分解混合液を1.0%低
融点アガロース電気泳動に供し、約0.57-kb HindIII/Sa
lI断片を単離・精製し、このDNA断片を同じく制限酵
素HindIIIおよびSalIで処理したpT6にクローニングし、
pH1を得た。
【0058】この様にして得られたpH1は、pHph0がコー
ドしていたハイグロマイシンBホスホトランスフェラー
ゼ蛋白質の翻訳開始コドンから10残基目までのアミノ酸
配列が、モノおよびジアシルグリセロールリパーゼの翻
訳開始コドンから7残基目までのアミノ酸配列と置き変
わった融合型のハイグロマイシンBホスホトランスフェ
ラーゼ蛋白質をコードするDNAを有している。そして
この融合型のハイグロマイシンBホスホトランスフェラ
ーゼ蛋白質をコードするDNAの上流および下流にペニ
シリウム・カマンベルチイのモノおよびジアシルグリセ
ロールリパーゼ遺伝子のプロモーター、ターミネーター
がそれぞれ配置されている。
【0059】形質転換プラスミドpH4の構築 pH1へのモノおよびジアシルグリセロールリパーゼ遺伝
子の挿入を容易にするため、以下のようにしてpH1を改
変し、pH4を作製した。pH1を制限酵素HindIIIで処理
後、分解混合液を1.0%低融点アガロース電気泳動に供
し、融合薬剤耐性遺伝子を含む約2.2-kb HindIII断片を
単離・精製し、このDNA断片をDNAブランチング・
キット(宝酒造社製)を用いて両末端を平滑化した後、
pUC19の制限酵素SmaI部位にサブクローニングし、pH4を
得た。
【0060】このプラスミドは、約2.2-kb HindIII断片
が互いに逆方向に挿入されており、また、pH1において
2ヶ所存在した制限酵素HindIII部位が1ヶ所になって
いる。
【0061】ザルコファーガ・ペレグリナ由来のザー
ペシンのペニシリウム・カマンベルチイでの発現 ペニシリウム・カマンベルチイに対する形質転換-発現
プラスミドを構築するため、pS2、pS3、pS4およびpS5を
制限酵素HindIIIで処理後、分解混合液を1.0%低融点ア
ガロース電気泳動に供し、ザーペシン発現カセットであ
るそれぞれ約1.3, 1.4, 2.2, 2.1-kb HindIII断片を単
離・精製した。これらのDNA断片をペニシリウム・カ
マンベルチイに対する形質転換ベクターpH4のHindIII部
位にクローニングし、pSH2、pSH3、pSH4およびpSH5を得
た(図7)。
【0062】これらpSH2、pSH3、pSH4およびpSH5を用い
て、ペニシリウム・カマンベルチイを、以下に示す方法
で形質転換した。
【0063】ペニシリウム・カマンベルチイの胞子懸濁
液(2×108/ml)100μlを100mlのぶどう糖・ペプトン
培地(栄研化学社製)に接種し30℃で48時間振とう培養
後、培養物をろ過し菌体を集めた。この菌体を10 mlの
プロトプラスト化バッファー[0.8M NaCl、10mM りん酸
緩衝液(pH6.0)]に懸濁しろ過することにより、洗浄
菌体を集めた。この洗浄菌体を、5mg/mlのライジング
・エンザイム(Sigma Product number L-2265、シグマ
社製)を含むプロトプラスト化バッファーに懸濁し、30
℃で2時間振とう後、ガラスフィルター3G2でろ過し、
ろ液を2000rpm、5分の遠心分離に供し、プロトプラスト
を沈澱物として得、この沈澱物を10mlのソルビトール溶
液[1.2M ソルビトール、50mM CaCl2、10mM トリス塩酸
緩衝液(pH7.5)]に懸濁し、2000rpm、5分の遠心分離
し沈澱物を集めた。この操作を再度繰り返した後、沈澱
物を2×108/mlとなるようソルビトール溶液に懸濁し、
プロトプラスト溶液を得た。
【0064】次にプロトプラスト溶液50μlに、4μlのp
H1溶液(1μg/μl)、6.75μlのPEG溶液[50% PEG400
0、50mM CaCl2、10mM トリス塩酸緩衝液(pH7.5)]を
加え混合後、氷上に30分静置し、0.5mlのPEG溶液を加え
混合し、さらに1.0mlのソルビトール溶液を加え混合し
た。この混合液300μlを、17mlの1.5%アガロースを含
むPDS[0.25% 大豆油、0.25% モノオレイン、1.2M ソ
ルビトール、2.4% ポテト・デキストロース・ブロス
(Difco社製)]からなるプレート上に載せ、さらに予
め48℃に保温しておいた0.7%アガロースを含むPDS 3.0
mlを注ぎ、混合後固化させた。30℃で24時間放置後、61
3μg/mlのハイグロマイシンB(シグマ社製)、0.7%ア
ガロースを含むPDS 3.0mlを重層し、30℃で4日間放置
し、プレート上に出現したコロニー10株をランダムにピ
ック・アップし、それぞれ100mlの大豆油培地(3%大豆
油、0.5%酵母エキス、0.3% NaNO3、0.1% K2HPO4、0.05%
KCl、0.05% MgSO4・7H2O、0.003% CuSO4・5H2O、0.001%
FeSO4・12H20)に接種し、30℃で6日間振とう培養し、得
られた培養物をろ過し菌体を除去した。
【0065】得られた培養液について、ウサギ抗ザーペ
シン抗体を用いてウエスタンブロッティング分析を行な
い、それぞれpSH2、pSH3、pSH4およびpSH5形質転換体の
うち最もザーペシン生産性の高かった株SH2ー9、SH3ー2、
SH4ー5、SH5ー3培養液のウエスタンブロティングの結果を
示す(図8)。
【0066】尚、ここでH-1株は、形質転換ベクターpH4
を用いて得られた形質転換体であり、Hー1培養液にはザ
ーペシンと同じ抗原性および分子量を持つ蛋白質の分泌
は、見られないが、SH2ー9、SH3ー2、SH4ー5およびSH5ー3培
養液にはザーペシンと同じ抗原性および分子量を持つ蛋
白質の分泌が見られた。
【0067】これらはペニシリウム・カマンベルチイ
が発現したザーペシンと思われ、その生産性は、それぞ
れ約0.5、5、10および7mg/lであることが推算された。
そして、ペニシリウム・カマンベルチイのモノおよびジ
アシルグリセロールリパーゼのプレプロおよび成熟蛋白
質コード領域とターミネーターの間にザーペシン前駆体
をコードする遺伝子を挿入した場合に最もザーペシンの
高生産が見られた。
【0068】SH4-5は、モノおよびジアシルグリセロー
ルリパーゼのプレプロ領域および成熟蛋白質をコードす
るDNAの下流に前駆体ザーペシンをコードするDNA
断片を連結した遺伝子を導入したもので、産生されたザ
ーペシンは、ザーペシン本来のプロセッシング部位で切
断されたものと考えられる。
【0069】一方、SH5-3は、モノおよびジアシルグリ
セロールリパーゼのプレプロ領域およびC末端アミノ酸
1残基が欠失した成熟蛋白質をコードするDNAの下流
に成熟体ザーペシンをコードするDNA断片を連結した
遺伝子を導入したもので、産生されたザーペシンは、融
合蛋白質の接合部に存在するLysーArg部位でプロ
セッシングされたものと推定される。
【0070】SH4ー5およびSH5ー3の培養液中には、それぞ
れ約46および43kDaのプロセッシングされずに残ってい
ると思われる、モノおよびジアシルグリセロールリパー
ゼとザーペシンの融合蛋白質に相当する分子量の蛋白質
の分泌が見られた。
【0071】実施例7リコンビナントザーペシンの精製とその抗菌活性の測定 先ず、SH4ー5株培養液200mlを(特開平4ー335883)の方法
に従いCMセルロースカラムを用いたイオン交換クロマ
トグラフィーにより処理し、得られた各分画のスタフィ
ロコッカス・アウレウスに対する抗菌活性を測定した。
次に、活性分画を(特開昭63ー185997)の方法に従いH
PLC逆相クロマトグラフィーを用いて吸着、分離およ
び分画処理することにより精製し、約1.4mgの精製標品
が得られた(約7mg/l)。得られたサンプルをSDSポリ
アクリルアミド電気泳動を行って、そのゲルを銀染色し
た(図9)。
【0072】図から明かなように、精製サンプルは天然
型ザーペシンと同じ分子量の位置に一本のバンドが見ら
れるのみで他にはいかなるバンドも観察されず、充分に
精製されたことが確認され、この精製サンプルの天然型
ザーペシンに対する比活性を測定した(図10)。
【0073】その結果、精製サンプルの抗菌活性は天然
型ザーペシンほぼ同じであったことから、ペニシリウム
・カマンベルチイ U-150株にザーペシン遺伝子を導入す
ることによりリコンビナントザーペシンが分泌発現され
たことが示唆された。
【0074】実施例8プラスミドpN3の構築 アスペルギルス・オリゼに対する形質転換ベクターpSTA
14[Mol. Gen. Genet., 218, 99-104(1989)]を以下
のように改変しpN3を作製した。pSTA14を制限酵素HindI
IIで処理後、分解混合液を1.0%低融点アガロース電気
泳動に供し、niaD遺伝子を含む約5.5-kb HindIII断片を
単離・精製した。このDNA断片をDNAブランチング
・キット(宝酒造社製)を用いて両末端を平滑化した
後、pUC19の制限酵素SmaI部位にサブクローニングし、p
N3を得た(図11)。
【0075】ザルコファーガ・ペレグリナ由来のザー
ペシンのアスペルギルス・オリゼでの発現 形質転換-発現プラスミドを構築するため、実施例4で
得られたpS4を制限酵素HindIIIで処理後、分解混合液を
1.0%低融点アガロース電気泳動に供し、ザーペシン発現
カセットである約2.2-kb HindIII断片を単離・精製し
た。このDNA断片をアスペルギルス・オリゼに対する
形質転換プラスミドpN3のHindIII部位にクローニング
し、pSN4を得た(図12)。
【0076】次にこのpSN4を用いて、アスペルギルス・
オリゼAO1.1株(Mol. Gen. Genet.,218, 99-104 (198
9))を、アンクルスらの方法(Mol. Gen. Genet., 218,
99-104 (1989))に準じて形質転換した。選択培地に生
育してきた形質転換体10株(SN4-1〜SN4-10)をランダ
ムにピック・アップし、それぞれ100mlの大豆油培地(3
%大豆油、0.5%酵母エキス、0.3% NaNO3、0.1% K2HPO4
0.05% KCl、0.05% MgSO4・7H2O、0.003% CuSO4・5H2O、0.
001% FeSO4・12H20)に接種し、30℃で4日間振とう培養
し、得られた培養物をろ過し菌体を除去し、得られた培
養液について、ウエスタンブロッティング分析を行っ
た。
【0077】その結果、培養液にはザーペシンと同じ抗
原性および分子量を持つ蛋白質の分泌が見られ、ザーペ
シン生産性は、最も高生産株(SN4ー3)で約3 mg/lであ
ることが推算された。
【0078】実施例9ザルコファーガ・ペレグリナ由来のザーペシンの酵母サ
ッカロマイセス・セレビシエでの発現 酵母サッカロマイセス・セレビシエに対する形質転換-
発現プラスミドを構築するため、実施例4で得られたpS
4を制限酵素HindIIIで処理後、分解混合液を1.0%低融点
アガロース電気泳動に供し、ザーペシン発現カセットで
ある約2.2-kb HindIII断片を単離・精製した。このDN
A断片をサッカロマイセス・セレビシエに対する形質転
換ベクターpL1(Biosci. Biotech. Biochem., 56, 315-
319 (1992))のHindIII部位にクローニングし、pSL4
(図13)を得た。
【0079】次にこのpSL4 を用いて、サッカロマイセ
ス・セレビシエSHY2(ATCC 44770)を、伊藤らの方法
(J. Bacterol., 153, 163-168 (1983))で形質転換し
た。選択培地に生育してきた形質転換体1株をピック・
アップし、20 mg/mlのウラシル、20 mg/mlのトリプトフ
ァン、 20 mg/mlのヒスチジンを含む最小培地(2% グル
コース、0.67% Yeast Nitrogenn Base w/o amino acid
(Difco))50 ml に接種し、30℃で24時間振とう培養し
た。得られt培養液1 mlを、0.003%のCuSO4・5H2Oを含む
YPGal培地(2% ガラクトース、2% ポリペプトン、1% 酵
母エキス)50 mlに接種し、30℃で48時間振とう培養
し、得られた培養物を遠心分離し菌体を除去し、得られ
た培養液を限外ろ過膜(ウルトラフリーC3LGC、日本ミ
リポア社製)を用いて20倍に濃縮し、ウェスタンブロッ
ティング分析を行った。
【0080】その結果、濃縮培養液にはザーペシンと同
じ抗原性および分子量を持つ蛋白質の分泌が見られ、ザ
ーペシン生産性は、約0.02 mg/lであることが推算され
た。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、産業上有用な酵素、ホ
ルモン、生理活性ペプチドもしくは蛋白質を糸状菌によ
り菌体外に大量に製造することが可能となった。また、
同時に酵母によっても発現せしめることが出来、機能改
変ポリペプチドの創製を企図する蛋白工学的手法の適用
が容易となり、産業上寄与するところ大である。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpLGR80の構築手順を示す。
【図2】プラスミドpY4'の構築手順を示す。
【図3】プラスミドpS2の構築手順を示す。
【図4】プラスミドpS3の構築手順を示す。
【図5】プラスミドpS4の構築手順を示す。
【図6】プラスミドpS5の構築手順を示す。
【図7】プラスミドpSH2、pSH3、pSH4およびpSH5の制限
酵素地図を示す。
【図8】各種形質転換体のザーペシン生産性を示す。
【図9】リコンビナントザーペシンのSDSポリアクリル
アミド電気泳動図を示す。
【図10】リコンビナントザーペシンの天然型ザーペシ
ンに対する非活性を測定した図を示す。
【図11】プラスミドpN3の構築手順を示す。
【図12】プラスミドpSN4の制限酵素地図を示す。
【図13】プラスミドpSL4の制限酵素地図を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】更にモノおよびジアシルグリセロールリパ
ーゼ遺伝子のプロモーター領域および翻訳開始コドンか
ら7アミノ酸残基目までを含むDNA断片を、以下のよ
うにしてpT6のハイグロマイシンBホスホトランスフ
ェラーゼ遺伝子中の蛋白質のN末端コーディング領域に
存在する制限酵素部位にクローニングした。pP2を制
限酵素HindIIIおよびSalIで処理後、分解混
合液を1.0%低融点アガロース電気泳動に供し、約
0.57−kb HindIII/SalI断片を単離
・精製し、このDNA断片を同じく制限酵素HindI
IIよびSalIで処理したpT6にクローニングし、
pH1を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】次にプロトプラスト溶液50μlに、4μ
lのDNA溶液(1μg/μl)、6.75μlのPE
G溶液:50%PEG4000、50mM CaC
、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)]を加
え混合後、氷上に30分静置し、0.5mlのPEG溶
液を加え混合し、さらに1.0mlのソルビトール溶液
を加え混合した。この混合液300μlを、17mlの
1.5%アガロースを含むPDS[0.25/大豆油、
0.25%モノオレイン、1.2Mソルビトール、2.
4%ポテト・デキストロース・ブロス(Difco社
製)]からなるプレート上に載せ、さらに予め48℃に
保温しておいた0.7%アガロースを含むPDS 3.
0mlを注ぎ、混合後固化させた。30℃で24時間放
置後、613μg/mlのハイグロマイシンB(シグマ
社製)、0.7%アガロースを含むPDS 3.0ml
を重層し、30℃で4日間放置し、プレート上に出現し
たコロニー10株をランダムにピック・アップし、それ
ぞれ100mlの大豆油培地(3%大豆油、0.5%酵
母エキス、0.3% NaNO、0.1% KHP
、0.05% KCl、0.05% MgSO
7HO、0.003%CuSO・5HO、0.0
01% FeSO・12HO)に接種し、30℃で
6日間振とう培養し、得られた培養物をろ過し菌体を除
去した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正内容】
【0079】次にこのpSL4を用いて、サッカロマイ
セス・セレビシエSHY2(ATCC 44770)
を、伊藤らの方法(J.Bacterol.,153,
163−168(1983))で形質転換した。選択培
地に生育してきた形質転換体1株をピック・アップし、
20mg/mlのウラシル、20mg/mlのトリプト
ファン、20mg/mlのヒスチジンを含む最小培地
(2%グルコース、0.67%Yeast Nitro
genn Base w/o amino acid
(Difco))50mlに接種し、30℃で24時間
振とう培養した。得られた培養液1mlを、0.003
%のCuSO・5HOを含むYPGa1培地(2%
ガラクトース、2%ポリペプトン、1%酵母エキス)5
0mlに接種し、30℃で48時間振とう培養し、得ら
れた培養物を遠心分離し菌体を除去し、得られた培養液
を限外ろ過膜(ウルトラフリーC3LGC、日本ミリポ
ア社製)を用いて20倍に濃縮し、ウエスタンブロッテ
ィング分析を行った。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpLGr80の構築手順を示す。
【図2】プラスミドpY4’の構築手順を示す。
【図3】ブラスミドpS2の構築手順を示す。
【図4】プラスミドpS3の構築手順を示す。
【図5】プラスミドpS4の構築手順を示す。
【図6】プラスミドpS5の構築手順を示す。
【図7】プラスミドpSH2、pSH3、pSH4およ
びpSH5の制限酵素地図を示す。
【図8】各種形質転換体のザープシン生産性を示す。
【図9】リコンビナントザーペシンのSDSポリアクリ
ルアミド電気泳動図を示す。
【図10】リコンビナントザーペシンの天然型ザーペシ
ンに対する比活性測定した図を示す。
【図11】プラスミドpN3の構築手順を示す。
【図12】プラスミドpSN4の制限酵素地図を示す。
【図13】プラスミドpSL4の制限酵素地図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:80) (C12P 21/02 C12R 1:865)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糸状菌および酵母で機能するプロモーター
    を有し、分泌に必要なシグナル及びターミネーターを有
    し、大腸菌で複製および選択可能なDNA領域を有する
    糸状菌及び酵母で使用可能なポリペプチド分泌発現用プ
    ラスミド。
  2. 【請求項2】プロモーターが、ペニシリウム・カマンベ
    ルチイのモノおよびジアシルグリセロールリパーゼ遺伝
    子のプロモーターである請求項1記載のプラスミド。
  3. 【請求項3】分泌に必要なシグナルが、ペニシリウム・
    カマンベルチイのモノおよびジアシルグリセロールリパ
    ーゼをコードするDNA配列である請求項1記載のプラ
    スミド。
  4. 【請求項4】ターミネーターが、ペニシリウム・カマン
    ベルチイのモノおよびジアシルグリセロールリパーゼ遺
    伝子のターミネーターである請求項1記載のプラスミ
    ド。
  5. 【請求項5】分泌に必要なシグナルとターミネーターの
    間に目的のポリペプチドの前駆体もしくは成熟体をコー
    ドするDNAを有する請求項1記載のプラスミド。
  6. 【請求項6】分泌に必要なシグナルのペニシリウム・カ
    マンベルチイのモノおよびジアシルグリセロールリパー
    ゼをコードするDNA配列が、該リパーゼ遺伝子のうち
    の、プレプロ領域をコードするDNA配列、プレプロ領
    域およびN末端領域をコードするDNA配列、プレプロ
    領域及び成熟タンパク質をコードするDNA配列、プレ
    プロ領域及びC末端アミノ酸1残基が欠失した成熟タン
    パク質をコードするDNA配列の何れかである請求項3
    記載のプラスミド。
  7. 【請求項7】目的のポリペプチドが、ザルコファーガ・
    ペレグリナ由来の抗菌性蛋白質ザーペシンである請求項
    5記載のプラスミド。
  8. 【請求項8】請求項5記載のプラスミドを、適当な形質
    転換ベクターを用い糸状菌もしくは酵母に導入し、得ら
    れた形質転換体を栄養培地で培養し、培養物中にポリペ
    プチドを蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする
    ポリペプチドの製造法。
  9. 【請求項9】糸状菌が、アスペルギルス・オリゼ又はペ
    ニシリウム・カマンベルチイである請求項8記載のポリ
    ペプチドの製造法。
  10. 【請求項10】酵母が、サッカロマイセス・セレビシエ
    である請求項8記載のポリペプチドの製造法。
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