JPH07123912A - 魚肉の保存方法および凍結魚肉 - Google Patents

魚肉の保存方法および凍結魚肉

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JPH07123912A
JPH07123912A JP4202523A JP20252392A JPH07123912A JP H07123912 A JPH07123912 A JP H07123912A JP 4202523 A JP4202523 A JP 4202523A JP 20252392 A JP20252392 A JP 20252392A JP H07123912 A JPH07123912 A JP H07123912A
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JP
Japan
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fish meat
gas
meat
carbon dioxide
frozen
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Application number
JP4202523A
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English (en)
Inventor
Fumiko Sugiyama
扶美子 杉山
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Taiyo Co Ltd
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Taiyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】活魚と略同等の新鮮な品質と味覚とを持つ魚肉
を長期間にわたって保持できる魚肉の保存方法および凍
結魚肉を提供する。 【構成】所定形状とした魚肉を魚肉の凍結温度以上の温
度で酸素ガスおよび炭酸ガスと接触させ、魚肉中に酸素
ガスおよび炭酸ガスを吸収させる工程と、酸素ガスおよ
び炭酸ガスを吸収した魚肉を凍結温度以下の温度で冷凍
保存する工程とよりなることを特徴とする。生マグロの
凍結魚肉は生マグロと同様の品質と味覚が長期間にわた
って維持できる。しかも従来の−18℃程度の温度で凍
結保存する通常の凍結保存でも魚肉の品質と味覚は変わ
らず、生マグロなみの新鮮な品質と味覚が維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばマグロの切り
身、柵等の所定形状に加工された魚肉の凍結保存方法お
よび凍結魚肉に関する。
【0002】
【従来の技術】肉、魚類の低温保存方法としては、−1
5℃から−35℃の温度で凍結保存する通常の凍結保存
方法とか、又は−35℃より低い極低温で保存する極低
温凍結保存方法、さらには未凍結状態で保存する冷蔵保
存方法等が知られている。通常の凍結保存方法では、
肉、魚類を包装袋に入れ真空パックして凍庫内凍結保存
している。この通常の凍結保存方法では、腐敗、組織の
分解等をほぼ完全に阻止できるが長期間にわたり魚肉の
品質を維持することができない。また、前述した極低温
で保存する極低温凍結保存方法では、魚肉の品質を長機
関にわたり変化させないという利点があるが、しかし常
に−35℃より低い極低温で保存する必要がある。この
ため魚肉流通ルートを−35℃より低い温度の限られた
設備しかない極低温設備で結ぶ必要があり、流通コスト
が高くかつ限られた地域に制限される。さらに解凍後の
品質の変化が早く、解凍後食用に耐える時間が短いとい
う問題があった。
【0003】一方、肉、魚類の凍結温度より高い氷結温
度で保存する氷温下冷蔵と通常の氷温度程度の温度で保
存する冷蔵保存方法がある。これらの氷温下冷蔵および
氷温冷蔵の冷蔵保存では、保存時間が極めて短いため流
通に航空機等の高価な流通手段を必要とし、高価とな
る。また、冷蔵保存状態の雰囲気ガスを管理する方法と
しては、特公昭62−16616号公報に報告されてい
るように、所定組成範囲の酸素、炭酸ガスおよび窒素よ
りなる混合ガスを使用する方法、特開昭62−2242
33号公報に報告されているように、不活性ガスを封入
したガスバリヤー性包装材料中に密封保持する方法、特
公昭60−16207号公報に報告されているように、
所定組成範囲の還元性ガス、酸素および炭酸ガスよりな
る混合ガスを使用する方法、特公昭57−35620号
公報に報告されているように、所定組成範囲の二酸化炭
素、酸素および一酸化炭素よりなる変性ガスを使用する
方法が知られている。また、冷蔵保存の前処理として、
特開昭63−181944号公報に、魚貝類をオゾン含
有冷塩水中に浸漬処理する方法も報告されているが、食
品衛生上の問題等を含んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、魚肉を長期
間にわたり、捕獲当時の品質と同等の品質で維持するこ
とができ、また、長期の魚肉流通ルートおよび保存期間
を経過した後に解凍されても、通常の冷蔵および極低温
冷凍のマグロに比較して解凍後の品質劣化を長時間にわ
たって防止でき、更に廉価でかつ生マグロと略同等の美
味なマグロとして食用可能で、加えて食品衛生上も何ら
の問題も発生しない魚肉およびその保存方法を提供する
ことを課題とする。
【0005】本発明は、また、−18℃から−25℃ま
での冷凍保存でも長期間にわたり魚肉の品質の変化を防
止てきる魚肉の保存方法および凍結魚肉を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、魚肉に酸素ガ
スおよび炭酸ガスを固定保持させ、これを凍結すること
により魚肉の品質の変化を長期間にわたり防止でき、特
に解凍後における品質および味覚劣化を長時間にわたっ
て防止できる技術を、幾多のかつ長期にわたる実験、研
究を経て発見確認し、本発明を完成したものである。
【0007】本発明の魚肉の保存方法は、所定形状とし
た魚肉を冷蔵温度のもとで酸素ガスおよび炭酸ガスを接
触させ、魚肉中に酸素ガスおよび炭酸ガスを吸収させる
工程と、酸素ガスと炭酸ガスを吸収した魚肉を凍結温度
以下の温度で冷凍保存する工程とよりなることを特徴と
する。また、本発明の凍結魚肉は、所定形状をなし、少
なくともその表面部分に化学的あるいは物理的に酸素ガ
スおよび炭酸ガスを固定保持し、凍結温度以下の温度に
凍結されていることを特徴とする。
【0008】本発明の魚肉の保存方法および凍結魚肉と
して用いられる魚肉は、少なくとも皮を剥がれ、下処理
されたもので、通常ロイン、ブロックおよび柵として所
定形状に加工されたものである。魚の皮が残っている場
合、酸素ガスおよび炭酸ガスの吸収固定が困難となる。
また、ロインとかブロック等の大きな形状の場合、酸素
ガスおよび炭酸ガスの吸収固定が魚肉内部まで浸透しに
くいため、処理に長い時間を必要とする。従って通常
「柵」と称されている程度の大きさのもとするのが好ま
しい。なお、所定形状とする方法は、魚肉をカットする
方法の他、ミンチあるいは魚肉片としたものを型成形等
で所定形状としてもよい。
【0009】魚肉そのものとしては、マグロ、カツオと
いった従来より冷凍保存されて流通する魚類のものが好
ましいが、しかしマグロおよびカツオに限るものではな
い。魚肉に吸収固定させるガスとしては酸素ガスおよび
炭酸ガスの混合ガスが好ましい。酸素ガスおよび炭酸ガ
スの割合は、酸素ガス50体積%から90体積%<炭酸
ガスが残りの10体積%から50体積%程度で可能であ
る。より好ましくは酸素ガス80体積%程度、炭酸ガス
が残りの20体積%程度である。酸素ガスおよび炭酸ガ
スの圧力は高い方が吸収処理時間が短くなり好ましい。
【0010】酸素ガスと炭酸ガスの混合ガスに他のガス
を10%程度混入しても特に悪い影響はない。一酸化炭
素と一酸化窒素については解凍後の魚肉の品質と味覚の
維持に有効である。一炭素炭素ガスと一酸化窒素ガスの
いずれか少なくとも一方を全体の0.1〜10体積%混
入することにより、解凍後の魚肉の品質及び味覚の変質
までの時間が長くなる。
【0011】吸収処理温度としては魚肉の凍結温度以上
であればよい。しかし吸収処理温度が高くなると、吸収
処理している間に魚肉の分解が進むため、氷温下あるい
は氷温下より僅かに高い冷蔵温度程度が実際的である。
具体的には0℃程度から−3℃程度の範囲が良い。吸収
処理時間は、魚肉の形状、大きさ、酸素ガスおよび炭酸
ガスの分圧、処理温度により変わる。吸収処理時間が長
い程酸素ガスおよび炭酸ガスの吸収固定は確実になる。
一方、魚肉の分解は吸収処理時間が長い程進む。通常の
「柵」の形状の魚肉で、かつ0ないし−3℃程度の温
度、酸素ガス80体積%炭酸ガス20体積%の混合ガ
ス、大気圧での条件下で、吸収処理時間は16時間程度
である。
【0012】吸収処理は、酸素ガスと炭酸ガスの雰囲気
の冷蔵庫中に魚肉を入れて行っても、あるいは包装袋に
魚肉をいれ、酸素ガスと炭素ガスを封入したものを冷蔵
庫に入れて行ってもよい。凍結は急冷凍結が望ましい。
この急冷凍結として−35℃より低い極低温、より好ま
しくは−45℃程度の極低温で凍結するのが好ましい。
また、凍結にあたり、魚肉を包装袋に真空パックするの
が好ましい。
【0013】凍結保存の温度は−35℃あるいは−35
℃より低い極低温で保存するのが好ましい。しかし−1
8℃程度から−25℃程度の比較的ゆるやかな温度での
保存も可能である。凍結保存の期間は特に限定されな
い。1年2年といった極めて長期の保存も可能である。
【0014】なお、吸収処理工程の前に熟成工程を設け
るのが好ましい。この熟成工程は所定形状とした魚肉を
冷蔵温度、より好ましくは0℃から−3℃程度の温度に
放置し、魚肉の熟成を行うものである。熟成時間として
は数時間程度が好ましい。解凍は通常の解凍方法を採用
できる。例えばパック状態で冷水に浸漬して解凍しても
よいし、冷蔵庫中で解凍してもよい。
【0015】解凍の後といえども魚肉の品質の変色は防
止され、解凍後も比較的長い時間、魚肉の新鮮な品質お
よび味覚が保持される。
【0016】
【発明の作用】魚肉を酸素ガスおよび炭酸ガスに接触さ
せることにより、魚肉成分中に酸素ガスおよび炭酸ガス
が物理的あるいは化学的に固定保持される。この状態で
魚肉の品質保持がはかられる。この状態で魚肉を急速凍
結すると、魚肉成分中に固定保持された酸素ガスおよび
炭酸ガスはそのまま保持される。凍結が解除された後
も、魚肉の品質は変化せず新鮮な魚肉本来の品質、味覚
が維持される。しかも解凍後の魚肉の分解、腐敗も通常
の魚肉より遅く、高い品質が長時間にわたり維持され
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を説明す
る。なお、食品衛生上の観点から熟成、ガス吸収処理や
よび凍結処理以外の工程は清潔な+15℃から+18℃
に管理された処理室で行った。 実施例1 先ず生マグロの頭および尾びれのカット、内臓の除去を
行い、良く洗浄した後1/4ロインにカットした。ロイ
ンは塩化ビニル製の袋に入れるが又は吸水紙で覆い乾燥
を防止した状態で0℃から−3℃に管理された冷蔵庫に
入れ8時間熟成処理された。その後、冷蔵庫から取り出
した生マグロは処理室でロインからブロックにカツト
し、さらに柵にカットし、所定の形状の魚肉とした。
【0018】この柵をナイロンおよびポリエチレンの複
合膜構造の包装袋に収納し、空気抜きと同時に純粋な酸
素ガスおよび炭酸ガスの混合ガスをこの袋にチャージし
て袋をヒートシールした。この魚肉と酸素ガスおよび炭
酸ガスを封入した袋を0℃から−3℃に管理された冷蔵
庫に収納し、その状態でまず8時間保持し、更に魚肉を
裏返しにして再び8時間放置し、合計16時間放置して
魚肉と酸素ガスおよび炭酸ガスの接触をはかり、魚肉中
に酸素ガスおよび炭酸ガスを保持固定させた。
【0019】その後、この袋を冷蔵庫より一旦取り出
し、処理室で袋を開き、袋詰めの中で魚肉から発生した
ドリップを吸い取り紙で吸い出し、魚肉を再度別の包装
袋に入れ、真空下でヒートシールして真空パックした。
この後約−45℃に保持された冷凍庫に入れて急速冷凍
した。その後−18℃の流通経路に載せ、1ケ月後に冷
凍庫より取り出し、パックされた状態で冷水に浸漬して
魚肉の解凍をおこない、包装袋より魚肉を取り出し、柵
状の魚肉をカットして刺身とした。この刺身を家庭用の
冷蔵庫に保存した。刺身は生マグロと変わらない新鮮な
品質と味覚を7日間持続していた。
【0020】実施例2 実施例1の方法で熟成工程のみを省略し、他は全て実施
例1と同じように処理し生マグロを冷凍した。また、実
施例1の冷凍マクロと同じように流通経路に載せ、冷凍
されてから1ケ月後に−18℃の冷凍庫より取り出し、
パックされた状態で冷水に浸漬して魚肉の解凍をおこな
い、包装袋より魚肉を取り出し、柵状の魚肉をカットし
て刺身とした。この刺身を家庭用の冷蔵庫に保存した。
刺身は生マグロと変わらない新鮮な品質と味覚を5日間
持続していた。
【0021】なお、両実施例とも純粋な酸素ガスと炭酸
ガスを魚肉中に吸収させる方法について述べた。解凍後
の魚肉の品質および味覚の変質までの時間を更に助長す
るため、他の実験で酸素ガスおよび炭酸ガスに混入でき
る他のガスについて検討した。他のガスの混入について
は体積%で10%程度他のガスが混入しても特に悪い影
響はなかった。なお、一酸化炭素と一酸化窒素について
はこれらガスの少なくとも一種を酸素ガスと炭素ガスの
混合ガスに全体の0.1〜10体積%混入することによ
り魚肉の品質及び味覚の維持に効果があることが判明し
た。
【0022】比較例1 比較のために、実施例と同様に柵にカットされたマグロ
の魚肉をそのまま同じ包装袋に入れ、真空下でヒートシ
ールして真空パックした。この状態で実施例の酸素ガス
および炭酸ガスの接触処理をおこなうことなく、そのま
ま−45℃で急速凍結し、そのまま−45℃に保持し
た。
【0023】その後−45℃に凍結保存された魚肉を1
ケ月後に冷凍庫より取り出し、パックされた状態で冷水
に浸漬して魚肉の解凍をおこない、包装袋より魚肉を取
り出し、柵状の魚肉をカットして刺身とした。この刺身
を家庭用の冷蔵庫に保存した。刺身は生マグロと変わら
ない新鮮な品質と味覚を2日間しか持続できず、その後
は食用に耐えられなくなった。
【0024】比較例2 比較例1で−45℃で急速凍結し、そのまま−45℃に
保持されていた魚肉を−18℃の流通経路に載せ、1ケ
月後に−18℃の冷凍庫より取り出し、パックされた状
態で冷水に浸漬して魚肉の解凍をおこない、包装袋より
魚肉を取り出し、柵状の魚肉をカットして刺身とした。
この刺身は黒く変色し、食用に耐えるものではなかっ
た。
【0025】
【発明の効果】本発明の魚肉の保存方法では長期間にわ
たって魚肉の品質と味覚を新鮮な状態に維持できる。ま
た、清潔な条件下でかつ所定の温度および時間処理する
ことにより、食品衛生上も何らの問題がなく、安心して
マグロを長期間にわたって品質の良い状態に維持でき
る。しかも−20℃程度の冷凍でも品質の劣化がないた
め、−35℃あるいは−45℃という極低温設備を持た
ない地域への供給も可能となり、廉価で生マグロと同等
の品質と味覚をもつ魚肉を津々浦々まで提供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定形状とした魚肉を冷蔵温度のもとで酸
    素ガスおよび炭酸ガスを接触させ、魚肉中に酸素ガスお
    よび炭酸ガスを吸収させる工程と、酸素ガスと炭酸ガス
    を吸収した魚肉を凍結温度以下の温度で冷凍保存する工
    程とよりなることを特徴とする魚肉の保存方法。
  2. 【請求項2】所定形状をなし、少なくともその表面部分
    に化学的あるいは物理的に酸素ガスおよび炭酸ガスを固
    定保持し、凍結温度以下の温度に凍結されていることを
    特徴とする凍結魚肉。
JP4202523A 1992-07-29 1992-07-29 魚肉の保存方法および凍結魚肉 Pending JPH07123912A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009019960A1 (ja) 2007-08-06 2009-02-12 Tenpoint Manufacturing Corporation 魚肉処理方法
JP2023066613A (ja) * 2021-10-29 2023-05-16 裕 澤野 赤身魚肉の加工方法及び赤身魚肉

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