JPH07123216B2 - ディジタルフィルタ - Google Patents

ディジタルフィルタ

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JPH07123216B2
JPH07123216B2 JP3261104A JP26110491A JPH07123216B2 JP H07123216 B2 JPH07123216 B2 JP H07123216B2 JP 3261104 A JP3261104 A JP 3261104A JP 26110491 A JP26110491 A JP 26110491A JP H07123216 B2 JPH07123216 B2 JP H07123216B2
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delay
adder
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旬一 折原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の遅延素子を用い
て、異なる遅延時間の複数の遅延信号が、それぞれの遅
延信号の信号レベルを異ならせて合成された出力信号を
得るためのディジタルフィルタに係り、特に、ゴースト
キャンセラに用いるに好適な、該ディジタルフィルタに
使用される乗算器の使用数を減少しコストダウンを図る
ことができるディジタルフィルタの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、所定の周波数応答の伝達関数
は、ある種のインパルス応答によって実現することが可
能であることが知られている。又、このような所定の周
波数応答となる伝達関数のインパルス応答を求め、電子
機器等に利用するための様々な理論が知られている。
【0003】このような理論に従って、所定の周波数応
答を得るために、複数の遅延素子を用いて、異なる遅延
時間の複数の遅延信号が、それぞれの遅延信号の信号レ
ベルを異ならせて合成された出力信号を得るためのディ
ジタルフィルタとし、これにより対応するインパルス応
答のフィルタを実現したものがある。
【0004】このような複数の遅延素子を用いたディジ
タルフィルタには、有限インパルス応答(finite impul
se response 、FIR)フィルタ(以降、FIRフィル
タと呼ぶ)や無限インパルス応答(infinite impulse r
esponse 、IIR)フィルタ(以降、IIRフィルタと
呼ぶ)が知られている。
【0005】なお、これらFIRフィルタとIIRフィ
ルタの違い等は、図17及び図18を用いて後述する。
【0006】図13は、従来の、FIRフィルタのブロ
ック図である。
【0007】この図13において、合計n 個の遅延素子
D1 〜Dn は直列接続され、各接続部分には様々な遅延
時間の遅延信号を得るための合計 n+1個のタップを備
えている。又、入力端子INから入力されたフィルタ入
力信号は、遅延素子D1 と乗算器M0 とのそれぞれの入
力に入力される。更に、これら n+1個のそれぞれ遅延
時間の異なる遅延信号を入力して、それぞれ任意の信号
レベルの遅延出力信号を得ることのできる合計 n+1個
の乗算器M0 〜Mn が、前記各タップ毎に配置されてい
る。これら合計 n+1個の乗算器からの遅延出力信号
は、加算器Aで加算され、フィルタ出力信号として出力
端子OUTに出力される。
【0008】このようなFIRフィルタにおいては、入
力端子INから所定位置(所定遅延時間)となる遅延素
子の出力側のタップから遅延信号を得、これら所定の遅
延信号を各タップ毎に配置された乗算器により所望の信
号レベルの遅延出力信号とし、これら遅延出力信号全て
を加算器で加算して最終的なフィルタ出力としている。
これにより、このようなFIRフィルタにおいては、入
力端子INに入力されたフィルタ入力信号の、所望のイ
ンパルス応答のフィルタ出力信号を得ることができるよ
うにしている。
【0009】この図13において、入力端子INから入
力されたフィルタ入力信号は、所定のサンプリング時間
Ts 毎の連続したデータである。又、この図13のFI
Rフィルタは、1周期が前述のサンプリング時間Ts で
あるクロックに従ってディジタル処理を行っている。入
力端子INから入力されたフィルタ入力信号であるデー
タは、遅延素子D1に入力され、1クロック毎に順に、
遅延素子D2・・・Dn へとシフトしていく。
【0010】なお、この図13のFIRフィルタがNT
SC(national television systemcommittee)方式の
画像処理に用いられる場合には、サブキャリア周波数fs
c (=3.58MHz )に従って、前記クロックの周波
数、即ちサンプリング周波数として、4fsc (=14.
3MHz )がよく使われる。
【0011】なお、これら遅延素子D1〜Dn は、それ
ぞれが、所定のビット数のワード、例えば8ビットのワ
ードのデータを記憶するレジスタであり、1クロックの
時間(サンプリング時間Ts )の固定遅延を行う。
【0012】遅延素子D1〜Dn の間毎の前記タップか
らは、通過した遅延素子D1〜Dnの個数に従った遅延
時間のデータが得られる。即ち、n個目の遅延素子Dn
の出力側のタップからは、(n ×Ts )時間だけ遅延さ
れた信号(データ)が得られる。
【0013】これらそれぞれのタップには、対応する乗
算器M0〜Mn が接続され、それぞれの乗算器M0〜M
n 毎に設定される係数 a0 〜 an が、タップからの信号
(データ)にかけられる。
【0014】なお、これらの係数 a0 〜 an は、8〜1
0ビット程度の桁数の係数である。又、乗算器M0〜M
n には、通常、並列乗算器が用いられ、高速処理が図ら
れている。例えば、前述のクロックのクロック周波数を
14.3MHz とすると、クロック周期(サンプリング
時間Ts )は(1/14.3MHz =70ns)となるの
で、乗算器M0〜Mn の演算スピードは70nsより速く
なければならない。
【0015】なお、このような並列乗算器は、乗数のそ
れぞれの桁と被乗数のそれぞれの桁とについての演算を
ほぼ並列に演算するものであり、多くの論理ゲートを必
要とし、8×8ビットや8×10ビットクラスの並列乗
算器では1000ゲート程度必要である。
【0016】図13において、乗算器M0〜Mn の出力
は、加算器Aで全て加算され、その結果が出力端子OU
Tから出力される。なお、乗算器M0〜Mn から出力さ
れる乗算結果は16〜18ビットのデータであり、加算
器Aはこのようなビット数の加算が実行可能なものであ
り、出力端子OUTからの加算結果が出力される。
【0017】なお、この図13のFIRフィルタで行わ
れる演算は、サンプリング時間Ts毎の第k 番目の入力
をXk とし、出力をYk とし、乗算器M0〜Mn でかけ
られる係数をそれぞれ a0〜 an とすると、次式のよう
に表わすことができる。
【0018】
【数1】
【0019】なお、このような演算は、畳込み積分(co
nvolution)と呼ばれる演算で、このような演算によ
り、ディジタルフィルタに何等かの周波数特性を持たせ
ることができる。又、この周波数特性は、係数 ai の与
え方によって定まる。
【0020】又、従来から、種々のフィルタを利用し
て、テレビの受信信号からゴースト信号を除去し、ゴー
スト画面を改善するという技術が開示されている。
【0021】図14は、受信信号に主信号と共に重畳さ
れてしまっているゴースト信号による、ゴースト画面の
説明図である。
【0022】この図14において、画像I0 は主信号に
よる実像であり、画像I1 は受信信号中の主信号に重畳
されてしまっているゴースト信号によるゴーストであ
る。
【0023】このような実像とゴーストとの画面ずれ量
taは、原信号に重畳されてしまっているゴースト信号の
遅れ時間あいるは進み時間で決まる。この図14の画像
I0に対する画像I1 のように、右方へずれているゴー
ストは、後ゴーストと呼ばれる。一方、画面において左
方向へずれるゴーストは、前ゴーストと呼ばれる。この
ような前ゴーストは、原信号に対してゴースト信号の方
が電波の伝播が進んでいる場合であるが、異なる遅延時
間で伝播した電波のうち、一番強い信号を主信号とする
ので、このような前ゴーストが出ることもある。
【0024】なお、この図14はNTSC方式を想定し
ており、左から右への水平走査が上から下へと順に行わ
れる。又、水平走査周期Th は63.5μs であり、水
平走査のうち約80%程度が画面に表示されており、水
平走査のうち画面に表示されない左右の部分は水平ブラ
ンキングと呼ばれている。
【0025】図15は、ゴーストの発生過程を説明する
ための電波伝播図である。
【0026】この図15において、放送局20から放射
された放送電波の直達波Bは、最短距離により受信アン
テナ24へ到着する。一方、放送局20から放射された
放送電波の一部は、鉄筋コンクリートビルディング22
a や22b に反射した反射波C及びDとして受信アンテ
ナ24へ到着する。これら反射波C及びDは、直達波B
の伝播する距離よりも長い距離を伝播することになるの
で、前記直達波Bに比べ、伝播時間が長くなってしま
う。又、これら鉄筋コンクリートビルディング22a や
22b の放送電波の反射面は、ある程度の広さを有する
ものであるので、これら反射波C及びDのそれぞれの伝
播時間には幅があり、それぞれ反射波C及びDは伝播時
間の近接した多数の反射波の合成信号のようになる。
【0027】従って、受信アンテナ24に発生する受信
信号は、主信号の他に、時間的な遅れのあるゴースト信
号が重畳されてしまっている受信信号となってしまう。
【0028】図16は、原信号と、原信号に対応する主
信号にゴースト信号が重畳されてしまっている受信信号
との波形図である。
【0029】この図16において、原信号 x(t )は、
高さ1の方形波により表わされている。又、この図16
における受信信号 y(t )には、一般に直達波である主
信号による高さ1の方形波 g0 と、複数の反射波による
ゴースト信号の方形波 g1 〜g5 とが重畳されてしまっ
ている。
【0030】又、これら重畳されてしまっている反射波
によるゴースト信号の方形波 g1 、g2 、 g3 、 g4
g5 は、直達波による原信号の方形波 g0 よりも、それ
ぞれ、遅れ時間Δ t1 、Δ t2 、Δ t3 、Δ t4 、Δ t
5 に遅延されてしまっている。又、これらゴースト信号
の方形波 g1 、 g2 、 g3 、 g4 、 g5 の信号レベル
は、それぞれ、 a1 、 a2 、 a3 、 a4 、a5 となって
いる。
【0031】この図16に示される受信信号 y(t )を
式で表わすと次のようになる。
【0032】 y(t )= x(t )+ a1 x ( t−Δ t1 ) + a2 x ( t−Δ t2 ) + a3 x ( t−Δ t3 ) + a4 x ( t−Δ t4 ) + a5 x ( t−Δ t5 ) ……(2)
【0033】この(2)式を変形して、 x(t )を求め
ると次のようになる。
【0034】 x(t )= y(t )− a1 x ( t−Δ t1 ) − a2 x ( t−Δ t2 ) − a3 x ( t−Δ t3 ) − a4 x ( t−Δ t4 ) − a5 x ( t−Δ t5 ) ……(3)
【0035】即ち、この(3)式の演算により、受信信
号 y(t )に重畳されてしまっているゴースト信号を除
去することができる。
【0036】又、この(3)式の演算は、ディジタル処
理を前提として記述すると、即ち、離散時間システムを
前提として記述すると、次のようになる。
【0037】
【数2】
【0038】このような(3)式、あるいは(4)式の
演算を行い、ゴースト信号を受信信号から効果的に除去
することが、従来から、前述のFIRフィルタを用いて
行われている。
【0039】このFIRフィルタはディジタルフィルタ
によって実現することができるが、近年ディジタルフィ
ルタの価格低下に伴い、ディジタルフィルタにより構成
されたFIRフィルタによる種々のゴーストキャンセラ
が開発されている。
【0040】図17は、ディジタルフィルタを用いたゴ
ーストキャンセラの第1例を示すブロック図である。
【0041】この図17においては、前述の(4)式で
示される演算が行われている。即ち、この図17におい
て、x (t )及びy (t )は、それぞれ、前述の(3)
式に対応している。符号12a は図18に示されるよう
なFIRフィルタである。又、この図17に示されるデ
ィジタルフィルタは、FIRフィルタ12a に対して帰
還経路を有しており、全体としてIIRフィルタとなっ
ている。
【0042】図19は、ディジタルフィルタを用いたゴ
ーストキャンセラの第2例を示すブロック図である。
【0043】この図19において、入力端子INから入
力された入力信号(受信信号)は、64段の遅延素子に
より構成されるディジタルフィルタであるFIRフィル
タを通過し、加算器Aの2つの入力のうちの1つの入力
に入力される。この加算器Aの出力は、遅延素子が57
6段によって構成されるディジタルフィルタであるFI
Rフィルタ12b に入力され、このFIRフィルタ12
bの出力は、前記加算器Aの2つの入力のうちのもう1
つの入力に入力される。即ち、このFIRフィルタ12
b と加算器AとはIIRフィルタを構成しており、この
加算器Aの出力はこのゴーストキャンセラの出力端子O
UTにも接続されている。
【0044】このゴーストキャンセラの第2例は、前述
の第1例に比べ、特に、イコライザ部として用いられる
FIRフィルタ10を有している。このFIRフィルタ
10は、受信アンテナからテレビジョンまでの伝送系の
波形歪みの補正や、主信号に対してプラス・マイナス2
μs 程度の範囲の近接ゴーストの除去に用いられてい
る。
【0045】又、加算器AとFIRフィルタ12b とに
より構成されるIIRフィルタは、前述の(3)式ある
いは(4)式の演算、即ち、異なる遅延時間の複数の遅
延信号をそれぞれの遅延信号の信号レベルを異ならせて
加算し、ゴースト信号を除去するゴースト除去部を構成
している。
【0046】図20は、ディジタルフィルタを用いたゴ
ーストキャンセラの第3例のブロック図である。
【0047】この図20において、FIRフィルタ10
は、前述の図19の同符号のFIRフィルタと同一のも
のであり、同様にイコライザ部を構成している。
【0048】この図20において、ゴースト除去部は、
可変遅延器14と7〜16段の遅延素子のFIRフィル
タ12c とによる信号遅延部が、10〜16組並列に配
置され、それぞれの信号遅延部の出力、即ち、それぞれ
の可変遅延器14の出力が加算器Aにより加算されるよ
うになっている。
【0049】この図20のゴーストキャンセラの第3例
は、前述のゴーストキャンセラの第1例において、値が
“0”となっている図18の乗算器M0〜Mnの個数が
多いことに着目して、FIRフィルタの総タップ数を減
らすように構成したものである。
【0050】この図20の可変遅延器14においては、
図21に示される如く、固定遅延素子DF1〜DFn が
直列に接続されている。又、この可変遅延器14は、出
力端子OUTを、固定遅延素子DF1〜DFn の間から
出されたどのタップに接続するか切替えることにより、
遅延時間が設定できるようになっている。
【0051】ゴーストキャンセラの第3例による、図2
2に示されるような、主信号 g10に重畳されてしまった
ゴースト信号 g11〜g13の除去は、合計3個の可変遅延
器14と合計3個のFIRフィルタ12c とで行われ
る。
【0052】即ち、この図22の符号F1に示される如
く、遅延時間Δ t11のゴースト信号g11は、可変遅延器
VD1とFIRフィルタFIR1とで除去可能である。
符号F2に示される如く、遅延時間Δ t12のゴースト信
号 g12は、可変遅延器VD2とFIRフィルタFIR2
とで除去可能である。符号F3に示される如く、遅延時
間Δ t13のゴースト信号 g13は、可変遅延器VD3とF
IRフィルタFIR3とで除去可能である。即ち、これ
らゴースト信号 g11〜g13は、合計(7×3〜16×3
=48)個程度のFIRフィルタのタップ数で除去する
ことができる。
【0053】なお、原理的には、1つのゴースト除去に
1タップで良いことになるが、実際は、ゴーストの広が
りがあるため、7〜16タップ(固定)を割当ててい
る。
【0054】このように、ゴーストキャンセラの第3例
によれば、比較的少ないFIRフィルタの総タップ数
で、ゴースト信号を除去することができ、用いられる乗
算器の総数をも減少することができ、コストを低減する
ことができる。
【0055】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ゴーストキャンセラの第1例及び第2例には、異なる遅
延時間の複数の遅延信号を、遅延時間や信号レベルを幅
広く選択して出力信号を合成し、様々な遅延時間や信号
レベルのゴースト信号でも効果的に除去することができ
るという特徴がある一方、多段のFIRフィルタを使用
しなければならないという問題がある。
【0056】従来、このような多段のFIRフィルタ
は、数多くの乗算器を必要とし、ゴーストキャンセラ全
体のコストを上昇させてしまうという問題がある。
【0057】一方、図20に示されるゴーストキャンセ
ラの第3例では、使用するFIRフィルタの段数が少く
てもよく、ゴーストキャンセラ全体のコスト低減を図る
ことができるという長所がある。しかしながら、使用す
るFIRフィルタの個数及び各FIRフィルタのタップ
数には限りがあるため、除去できるゴーストの数や広が
りが限られ、遅延時間や信号レベルが異なる数多くのゴ
ースト信号が受信信号に重畳されている場合には、全て
のゴーストを除去することができなかったり、広がりが
大きいゴースト信号が十分除去できないという問題があ
る。又、少いタップで十分な狭いゴーストにも一律に7
〜16タップが割当てられてしまうという問題がある。
【0058】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、ゴーストキャンセラに用いるに好適
な、異なる遅延時間の複数の遅延信号を、遅延時間や信
号レベルを幅広く選択して出力信号を合成することので
きるディジタルフィルタを、比較的少数の乗算器だけで
実現し、コストダウンを図ることを目的とする。
【0059】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の遅延素
が直列接続され、各接続部分にそれぞれの遅延時間の
遅延信号を得るためのタップを備えた遅延ラインを用い
て、異なる遅延時間の複数の遅延信号が、それぞれの遅
延信号の信号レベルを異ならせて合成された出力信号を
得るためのディジタルフィルタにおいて、入力された信
号レベルを所望の信号レベルとして出力する複数の乗算
器と、複数の乗算器のそれぞれの出力を加算する加算
器と、前記複数のタップと前記複数の乗算器の入力との
間毎にマトリックス状に設けられ、対応するタップを対
応する乗算器の入力側へオンとするかオフとするか切替
えるスイッチ、及び、該スイッチの乗算器側の信号と他
の信号選択手段の出力との加算を行う加算器を有する信
号選択手段を含むスイッチングマトリックスとを備え、
前記信号選択手段の切替え選択により、異なる遅延時間
の複数の遅延信号が合成された出力信号を得るようにし
、上記課題を達成したものである。
【0060】又、複数の遅延素子を用いて、異なる遅延
時間の複数の遅延信号が、それぞれの遅延信号の信号レ
ベルを異ならせて合成された出力信号を得るためのディ
ジタルフィルタにおいて、入力された信号レベルを所望
の信号レベルとして出力する複数の乗算器と、前記複数
の遅延素子と前記複数の乗算器との間を切替え選択す
る、マトリックス状に配設された信号選択手段を含むス
イッチングマトリックスとを備え、前記複数の乗算器の
それぞれに、該ディジタルフィルタに入力された信号が
入力され、前記複数の遅延素子が、遅延入力信号の注入
のための複数の加算器と共に、交互に直列接続され、
記信号選択手段が、前記複数の乗算器の出力と前記複数
の加算器のうちの1つの入力との間を切替え選択するこ
とにより、異なる遅延時間の複数の遅延信号が合成され
た出力信号を得るようにして、上記課題を達成したもの
である。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】又、前記信号選択手段を、前記複数の乗算
器の出力と前記複数の加算器の入力との間毎に設け、対
応する乗算器の出力と対応する加算器の入力との間をオ
ンとするかオフとするか切替えることにより、上記課題
を達成したものである。
【0065】又、前記加算器を多入力の加算器とし、前
記信号選択手段を、前記複数の乗算器の出力と前記複数
の加算器の入力との間毎に設け、対応する乗算器の出力
と、対応する加算器の多入力の入力のうちの対応する入
力との間をオンとするかオフとするか切替えることによ
り、上記課題を達成したものである。
【0066】又、複数の遅延素子が直列接続され、各接
続部分にそれぞれの遅延時間の遅延信号を得るためのタ
ップを備えた遅延ラインを用いて、異なる遅延時間の複
数の遅延信号が、それぞれの遅延信号の信号レベルを異
ならせて合成された出力信号を得るためのディジタルフ
ィルタにおいて、入力された信号レベルを所望の信号レ
ベルとして出力する複数の乗算器と、該複数の乗算器そ
れぞれの入力に設けられた多入力の加算器と、前記複数
の乗算器のそれぞれの出力を加算する加算器と、前記複
数のタップと前記多入力の加算器の入力との間毎に設け
られ、対応するタップと、対応する加算器の多入力の入
力のうちの対応する入力との間をオンとするかオフとす
るか切替えるスイッチを有し、マトリックス状に配設さ
れた信号選択手段を含むスイッチングマトリックスとを
備え、前記信号選択手段の切替え選択により、異なる遅
延時間の複数の遅延信号が合成された出力信号を得るよ
うにして、上記課題を達成したものである。
【0067】
【0068】
【作用】本発明では、複数の遅延素子を用いたディジタ
ルフィルタにおいて、入力された信号の信号レベルを所
望の信号レベルとして出力する複数の乗算器を備えると
共に、特に、これら複数の遅延素子と、これら複数の乗
算器との間を、切替え選択する信号選択手段を備えてい
る。従って、多数の遅延素子を並べて用いたとしても、
これら遅延素子の数に比べ少ない数の乗算器でも、遅延
時間や信号レベルを幅広く選択して出力信号を合成する
ことが可能である。
【0069】即ち、本発明によれば、例えば、乗算器は
少なくとも合成されるそれぞれの遅延時間の遅延信号の
信号レベルの数だけあれば充分となっている(但し、後
述する実施例の如く、乗算器を更に減らすことも可
能)。従って、従来、例えば500個の遅延素子を有す
るディジタルフィルタにあってはほぼ500個(合成さ
れるそれぞれの遅延時間の遅延信号の信号レベルの数よ
り遥かに多い)の乗算器が用いられていたので、本発明
によればディジタルフィルタに用いられる乗算器の数を
大幅に減少することができる。
【0070】本発明においては、比較的少数の乗算器を
切替え選択して効果的に利用できるようにしている信号
選択手段は、例えば、スイッチング素子や加算器等を用
いることができる。これら本発明で多用されるスイッチ
ング素子や加算器等は、乗算器と比べて、使用されるト
ランジスタ等の素子数が遥かに少ないものである。
【0071】従って、ディジタルフィルタ中で使用され
る乗算器の数を減少することにより、新たに信号選択手
段が必要となっても、ディジタルフィルタ全体としては
コストダウンを図ることが可能である。
【0072】又、本発明によれば使用される遅延素子を
効率的に使用することができ、遅延素子や可変遅延素子
等の数を減少させ、これによりコストダウンを図ること
ができる。
【0073】なお、本発明では、複数の遅延素子と、こ
れら複数の乗算器と、信号選択手段との間の接続関係や
構成を限定するものではない。
【0074】即ち、用いられている信号選択手段が、こ
れら複数の遅延素子とこれら複数の乗算器との間を切替
え選択するものであって、これによりこれら複数の遅延
素子とこれら複数の乗算器とが有機的に切替え選択さ
れ、各乗算器の乗算係数の変更等と共に、効果的に遅延
時間や信号レベルを幅広く選択するものであればよい。
【0075】
【0076】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0077】図1は、本発明が適用されたFIRフィル
タの第1実施例のブロック図である。
【0078】この図1において、入力端子INに入力さ
れたフィルタ入力信号は、遅延素子D1 と4つの信号選
択手段S00〜S30にそれぞれ入力される。
【0079】合計n 個の同一の遅延時間を有する遅延素
子D1 〜Dn は直列に接続されており、これらそれぞれ
の遅延素子の各接続部分には遅延信号を得るためのタッ
プが設けられている。
【0080】例えば、遅延素子D1 の出力と遅延素子D
2 の入力とが接続されているタップ部分は、4つの信号
選択手段S01〜S31が接続されている。又、遅延素子D
2 の出力と遅延素子D3 の入力とが接続されたタップ部
分には、4つの信号選択手段S02〜S32が接続されてい
る。又、遅延素子D3 の出力と遅延素子D4 の入力とが
接続されたタップ部分には、4つの信号選択手段S03〜
S33が接続されている。このように直列接続された複数
の遅延素子の各接続部分のタップ部分には4つの信号選
択手段がそれぞれ接続されている。即ち、合計n 個の遅
延素子D1 〜Dn に対して、合計4×( n+1)個の信
号選択手段S00〜S3nが接続されている。
【0081】更に、これら信号選択手段S00〜S3nは、
全体が4つのグループに分けられ、それぞれカスケード
接続され乗算器M0 〜M3のうちのいずれか1つに接続
されている。即ち、合計 n+1個の信号選択手段S00〜
S0nはカスケード接続され、最終段の信号選択手段S0n
は乗算器M0 の入力に接続されている。又、合計 n+1
個の信号選択手段S10〜S1nはカスケード接続され、最
終段の信号選択手段S1nは乗算器M1 の入力に接続され
ている。又、合計 n+1個の信号選択手段S20〜S2nは
カスケード接続され、最終段の信号選択手段S2nは乗算
器M2 の入力に接続されている。又、合計 n+1個の信
号選択手段S30〜S3nはカスケード接続され、最終段の
信号選択手段S3nは乗算器M3 の入力に接続されてい
る。
【0082】これら4つの乗算器M0 〜M3 の出力は加
算器Aに入力され、この加算器Aの出力はフィルタ出力
信号として出力端子OUTへ出力される。
【0083】図2は、前記第1実施例の比較例に用いら
れる信号選択手段のブロック図である。
【0084】図2において、信号選択手段S(前述の図
1においては、信号選択手段S00〜S3nの1つに該当)
は、1つのスイッチング素子SWによって構成されてい
る。
【0085】この図2の信号選択手段Sの3つの端子の
位置は、図1の各信号選択手段S00〜S3nの3つの端子
の位置と対応させて作図されている。即ち、例えば、こ
の図2の信号選択手段Sの下側の端子a は、図1の直列
接続された遅延素子の各接続部分のタップ部分に接続さ
れる信号選択手段S00〜S3nの下側の端子に対応してい
る。
【0086】このような図1及び図2に示される比較
によれば、4つの乗算器を効果的に用いて、少なくとも
4つの信号レベルや遅延時間の異なる遅延信号を合成す
ることのできるディジタルフィルタを実現することがで
きる。例えば乗算器M0 〜M3 のそれぞれに対応する
( n+1)個の信号選択手段のいずれかをオンとするこ
とで、わずか4個の乗算器M0 〜M3 は、それぞれどの
タップ部分(遅延素子D1 〜Dn の出力)にも接続する
ことができる。
【0087】なお、遅延素子の数や乗算器の数はこの第
1実施例に限定したものではない。例えば、遅延素子の
数を500〜600個とし、乗算器の数を100個程度
とした第1実施例のFIRフィルタを数種類発明者は実
際に試作し、図19を用いて前述したゴーストキャンセ
ラの第1例に用いて試験している。この第1実施例の試
作FIRフィルタは、従来の500〜600段の遅延素
子を用いたFIRフィルタに比べ、乗算器を400〜5
00個削減できており、大幅なコストダウンとなってい
る。
【0088】又、例えば図20を用いて前述した従来の
ゴーストキャンセラの第3例に比べて、同数の乗算器を
用いた場合には、本実施例は、乗算器を自由に最適タッ
プに割り当てられるので、遅れ時間幅の広いゴーストや
狭いゴーストや、より多くのゴーストを効果的に、より
完全に除去することができる。
【0089】図3は、本発明の第実施例に用いられる
信号選択手段のブロック図である。
【0090】図3において、信号選択手段Sは、1つの
スイッチング素子SWと1つの加算器Aとにより構成さ
れている。
【0091】この図3における信号選択手段Sの3つの
端子の位置は、前述の図1の各信号選択手段S00〜S3n
の3つの端子の位置に対応させて作図されている。即
ち、例えば、この図3における信号選択手段Sの下側の
端子b は、図1の直列接続された遅延素子の各接続部分
のタップ部分に接続される信号選択手段S00〜S3nの下
側の端子に対応している。
【0092】このような図1及び図3に示された本発明
の第実施例によれば、いくつかのタップ出力に同じ係
数を掛けたいとき、加算器により、1個の乗算器で済む
ため、より乗算器を効率的に使うことができる。これに
対して、比較例のように、スイッチング素子SWのみの
ときは、タップ数分の乗算器が必要となる。
【0093】例えば、図4に示されるような主信号 g20
に対するゴースト信号 g21〜 g23の除去の際に、合計
(3+20+5=28)タップが用いられ、これら28
個のタップのうちには、同じ係数が割り当てられるタッ
プがある可能性がある。例えば、信号 xi 、 xj 、 xk
のそれぞれに同じ係数 a0 を乗算する場合には、次式が
成り立ち、本実施例では、図5に示すように、乗算器の
使用数を3個から1個に減少することができる。
【0094】
【数3】
【0095】図6は、本発明が適用されたFIRフィル
タの第実施例のブロック図である。
【0096】この第実施例の構成は、前述の図1の実
施例の構成を基本型とすれば、転置型の構成である。従
って、本第実施例は、図2の信号選択手段を用いた
例と、ほぼ同様の効果が得られる。
【0097】この図6において、入力端子INには、フ
ィルタ入力信号が入力され、このフィルタ入力信号は合
計5つの乗算器M0 〜M4 に入力される。
【0098】乗算器M0 の出力は、合計 n+1個の信号
選択手段S00〜S0nにそれぞれ入力される。又、乗算器
M1 の出力は、合計 n+1個の信号選択手段S10〜S1n
にそれぞれ入力される。又、乗算器M2 の出力は、合計
n+1個の信号選択手段S20〜S2nにそれぞれ入力され
る。又、乗算器M3 の出力は、合計 n+1個の信号選択
手段S30〜S3nにそれぞれ入力される。又、乗算器M4
の出力は、合計 n+1個の信号選択手段S40〜S4nにそ
れぞれ入力される。
【0099】合計n 個の遅延素子D1 〜Dn は、遅延入
力信号の注入のための合計n 個の加算器A1 〜An と共
に、交互に直列接続されている。左端の遅延素子Dn の
入力とこれら合計n 個の加算器An 〜A1 の入力とに
は、順に、信号選択手段S4n〜S40が1つずつ接続され
ている。
【0100】又、5つの乗算器M0 〜M4 の出力と、遅
延素子Dn の入力とn 個の加算器An 〜A1 の入力と
は、マトリックス状に配置された合計5×( n+1)個
の信号選択手段S0n〜S00, S1n〜S10、S2n〜S20、
S3n〜S30、S4n〜S40により切替え選択して接続でき
るようになっている。これにより、5つの乗算器M0 〜
M4 の出力が、どれでも、遅延素子Dn の入力や加算器
An 〜A1 の入力に選択して入力することができ、信号
レベルを異ならせて、異なる遅延時間の複数の遅延信号
を合成することができるようになっている。又、最終段
の加算器A1 は、フィルタ出力信号を出力端子OUTへ
出力するようになっている。
【0101】図7は、前記第実施例に用いられる信号
選択手段を示すブロック図である。
【0102】この図7において、信号選択手段Sは、1
つのスイッチング素子SWによって構成されている。
【0103】又、この図7の信号選択手段Sの3つの端
子の位置は、それぞれ、前述の図6の各信号選択手段S
00〜S4nの3つの入力端子の位置に対応させて作図され
ている。即ち、例えば、この図7の信号選択手段Sの左
側の端子c は、図6において乗算器M0 〜M4 の出力の
いずれか1つに接続される信号選択手段S00〜S4nの左
側の端子に対応している。
【0104】この図6及び図7に示される本発明の第
実施例によれば、 n個の遅延素子D1 〜Dn を用いなが
ら僅か5つの乗算器M0 〜M4 のみで、例えば、少なく
とも5つの、異なる遅延時間の異なる信号レベルの遅延
信号を合成してフィルタ出力信号として得ることができ
る。
【0105】なお、本発明は、実施例に示される乗算器
の数や遅延素子の数に限定されるものではない。例え
ば、発明者は、遅延素子数500〜600個で乗算器数
100個の、図19を用いて前述したゴーストキャンセ
ラの第1例に用いる、本発明の第実施例のFIRフィ
ルタを試作している。この第実施例のゴーストキャン
セラ用FIRフィルタによれば、従来の500〜600
個の遅延素子を用いたゴーストキャンセラ用FIRフィ
ルタに比べて、乗算器の数を400〜500個削減する
ことができ、コストダウンを図ることができる。
【0106】なお、第実施例の変形例として、信号選
択手段S00〜S4nに、前述の第1実施例で用いた図3に
示される加算器Aを有する信号選択手段Sを用いてもよ
い。このような変形例によれば、乗算器M0 〜M4 のい
ずれか複数の出力を加算した後で、加算器A1 〜An の
それぞれへ入力することも可能である。
【0107】従って、このような変形例によれば、使用
数の限られた乗算器M0 〜M4 を用いて、より多様な信
号レベルの信号を得て、加算器A1 〜An それぞれへ入
力することができる。
【0108】図8は、本発明が適用されたFIRフィル
タの第実施例である。
【0109】この第実施例の構成は、前述の図1の実
施例の構成を基本型とすれば、転置型の構成である。従
って、本第実施例は、図3の信号選択手段を用いた第
実施例と、ほぼ同様の効果が得られる。
【0110】この図8において、符号M0 〜M4 、Dn
〜D1 、IN、OUTは、前述の図6に示される同符号
のものと同一のものである。
【0111】この図8においては、加算器An 〜A0
は、多入力となっており、縦方向の全ての信号選択手段
S0i−S4iの出力と前段の固定遅延Di +1の出力を加
算して出力することができる。
【0112】図9は、前記第実施例に用いられる信号
選択手段の回路図である。
【0113】この図9において、信号選択手段Sは、1
つのスイッチング素子SWによって構成されている。
【0114】又、この図9の信号選択手段Sの2つの端
子の位置は、前述の図8の各信号選択手段S00〜S4nの
2つの端子の位置に対応している。即ち、例えば、この
図9の信号選択手段Sの左側の端子e は、図8の各信号
選択手段S00〜S4nの、乗算器M0 〜Mn のいずれか1
つの出力に接続されている左側の端子に対応するもので
ある。
【0115】図10は、本発明が適用されたFIRフィ
ルタの第実施例を示すブロック図である。
【0116】この第実施例は、合計4個の加算器A0
〜A3 のみを用いて、図3の信号選択手段を用いた第
実施例と、ほぼ同様の効果が得られる。即ち、本第
施例では、横方向の各段で加算するのではなく、加算器
A0 〜A3 でまとめて加算する。
【0117】この図10において、遅延素子D1 〜Dn
及び乗算器M0 〜M3 及び加算器A、入力端子IN、出
力端子OUTは、前述の図1の同符号のものと同一のも
のであり、同様に構成されている。又、この図10のそ
れぞれの信号選択手段S00〜S3nは、それぞれ前述の図
1の信号選択手段S00〜S3nの同符号のものと同様な位
置に配置されている。
【0118】図11は、第実施例に用いられる信号選
択手段の回路図である。
【0119】この図11において、信号選択手段Sは、
一つのスイッチング素子SWによって構成されている。
【0120】又、この図11の信号選択手段Sの2つの
端子の位置は、図10のそれぞれの信号選択手段S00〜
S3nの2つの端子の位置に対応して作図されている。即
ち、例えば、この図11の信号選択手段Sの下側の端子
fは、図10のそれぞれの信号選択手段S00〜S3nの端
子のうち遅延素子の各接続部分の各タップ部分に接続さ
れている下側の端子に対応するものである。
【0121】図12は、第実施例に用いられる加算器
のブロック図である。
【0122】即ち、この図12に示される加算器Ai
は、図10のそれぞれの加算器A0 〜A3 の1つずつを
表わすものである。
【0123】この図12に示される加算器Ai は、 n+
1個の入力in0 〜inn の各入力に入力された信号を加算
して出力する多入力加算器である。
【0124】このような図10、図11及び図12に示
される本発明の第実施例によれば、前記第実施例の
ように合計4×( n+1)個の信号選択手段S00〜S3n
の内部に1つずつ加算器を備えなくても、異なる遅延時
間の複数の遅延信号の信号レベルを幅広く選択すること
ができる。
【0125】なお、本発明で用いられる遅延素子や乗算
器や信号選択手段の使用数は、以上説明した本発明の第
1実施例から第実施例におけるそれぞれの使用数に限
定したものではない。又、これら本発明の第1実施例か
ら第実施例のFIRフィルタは、それぞれ、図13を
用いて前述した従来のFIRフィルタとほぼ同機能であ
り、図19に示されるゴーストキャンセラの第1例のF
IRフィルタや、図20に示されるゴーストキャンセラ
の第2例のFIRフィルタとして使用することができる
ことができることは言うまでもない。
【0126】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、
ーストキャンセラに用いるに好適な、異なる遅延時間の
複数の遅延信号を、遅延時間や信号レベルを幅広く選択
して出力信号を合成することのできるディジタルフィル
タを、比較的少数の乗算器だけで実現し、コストダウン
を図ることができるという優れた効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用されたFIRフィルタの
第1実施例のブロック図である。
【図2】図2は、前記第1実施例の比較例に用いられる
信号選択手段のブロック図である。
【図3】図3は、前記実施例に用いられる信号選択
手段のブロック図である。
【図4】図4は、主信号にゴースト信号が重畳されてし
まっている受信信号の波形図である。
【図5】図5は、前記第実施例の接続例を示す回路図
である。
【図6】図6は、本発明が適用されたFIRフィルタの
実施例のブロック図である。
【図7】図7は、前記第実施例に用いられる信号選択
手段のブロック図である。
【図8】図8は、本発明が適用されたFIRフィルタの
実施例のブロック図である。
【図9】図9は、前記第実施例に用いられる信号選択
手段の回路図である。
【図10】図10は、本発明が適用されたFIRフィル
タの第実施例のブロック図である。
【図11】図11は、前記第実施例に用いられる信号
選択手段の回路図である。
【図12】図12は、前記第実施例に用いられる加算
器の回路図である。
【図13】図13は、従来のFIRフィルタのブロック
図である。
【図14】図14は、受信信号に主信号と共に重畳され
てしまっているゴースト信号による、ゴースト画面の説
明図である。
【図15】図15は、ゴーストの発生過程を説明するた
めの電波伝播図である。
【図16】図16は、原信号と、原信号に対応する主信
号にゴースト信号が重畳されてしまっている受信信号と
の波形図である。
【図17】図17は、ディジタルフィルタを用いた従来
のゴーストキャンセラの第1例を示すブロック図であ
る。
【図18】図18は、前記従来のゴーストキャンセラの
第1例に用いられるFIRフィルタのブロック図であ
る。
【図19】図19は、ディジタルフィルタを用いた従来
のゴーストキャンセラの第2例を示すブロック図であ
る。
【図20】図20は、ディジタルフィルタを用いた従来
のゴーストキャンセラの第3例を示すブロック図であ
る。
【図21】図21は、前記従来のゴーストキャンセラの
第3例で用いられる可変遅延線の回路図である。
【図22】図22は、前記従来のゴーストキャンセラの
第3例での、ゴースト信号の除去を示す線図である。
【符号の説明】 10、12…有限インパルス応答フィルタ(FIRフィ
ルタ)、 14…可変遅延線、 A、A1 〜An …加算器、 D、D1 〜Dn …遅延素子、 M0 〜Mn …乗算器、 S、S00〜S4n…信号選択手段、 SW…スイッチング素子。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−13707(JP,A) 特開 昭63−13414(JP,A) 特開 昭62−168412(JP,A) 特開 昭63−18812(JP,A) 特開 平5−7127(JP,A) 特公 平4−59805(JP,B2) 三谷「ディジタルフィルタデザイン」 (昭62−4−20)昭晃堂P.99−100

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の遅延素子が直列接続され、各接続部
    分にそれぞれの遅延時間の遅延信号を得るためのタップ
    を備えた遅延ラインを用いて、異なる遅延時間の複数の
    遅延信号が、それぞれの遅延信号の信号レベルを異なら
    せて合成された出力信号を得るためのディジタルフィル
    タにおいて、 入力された信号レベルを所望の信号レベルとして出力す
    る複数の乗算器と、該複数の乗算器のそれぞれの出力を加算する加算器と、 前記複数のタップと前記複数の乗算器の入力との間毎に
    マトリックス状に設けられ、対応するタップを対応する
    乗算器の入力側へオンとするかオフとするか切替えるス
    イッチ、及び、該スイッチの乗算器側の信号と他の信号
    選択手段の出力との加算を行う加算器を有する信号選択
    手段を含むスイッチングマトリックスとを備え、 前記信号選択手段の切替え選択により、異なる遅延時間
    の複数の遅延信号が合成された出力信号を得ることを特
    徴とするディジタルフィルタ。
  2. 【請求項2】複数の遅延素子を用いて、異なる遅延時間
    の複数の遅延信号が、それぞれの遅延信号の信号レベル
    を異ならせて合成された出力信号を得るためのディジタ
    ルフィルタにおいて、 入力された信号レベルを所望の信号レベルとして出力す
    る複数の乗算器と、 前記複数の遅延素子と前記複数の乗算器との間を切替え
    選択する、マトリックス状に配設された信号選択手段を
    含むスイッチングマトリックスとを備え、 前記複数の乗算器のそれぞれに、該ディジタルフィルタ
    に入力された信号が入力され、 前記複数の遅延素子が、遅延入力信号の注入のための複
    数の加算器と共に、交互に直列接続され、 前記信号選択手段が、前記複数の乗算器の出力と前記複
    数の加算器のうちの1つの入力との間を切替え選択する
    ことにより、異なる遅延時間の複数の遅延信号が合成さ
    れた出力信号を得ることを特徴とするディジタルフィル
    タ。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記信号選択手段が、前記複数の乗算器の出力と前記複
    数の加算器の入力との間毎に設けられ、対応する乗算器
    の出力と対応する加算器の入力との間をオンとするかオ
    フとするか切替えることを特徴とするディジタルフィル
    タ。
  4. 【請求項4】請求項2において、前記加算器が多入力の加算器であって、 前記信号選択手段が、前記複数の乗算器の出力と前記複
    数の加算器の入力との間毎に設けられ、対応する乗算器
    の出力と、対応する加算器の多入力の入力のうちの対応
    する入力との間をオンとするかオフとするか切替えるこ
    とを特徴とするディジタルフィルタ。
  5. 【請求項5】複数の遅延素子が直列接続され、各接続部
    分にそれぞれの遅延時間の遅延信号を得るためのタップ
    を備えた遅延ラインを用いて、異なる遅延時間の複数の
    遅延信号が、それぞれの遅延信号の信号レベルを異なら
    せて合成された出力信号を得るためのディジタルフィル
    タにおいて、 入力された信号レベルを所望の信号レベルとして出力す
    る複数の乗算器と、 該複数の乗算器それぞれの入力に設けられた多入力の加
    算器と、 前記複数の乗算器のそれぞれの出力を加算する加算器
    と、 前記複数のタップと前記多入力の加算器の入力との間毎
    に設けられ、対応するタップと、対応する加算器の多入
    力の入力のうちの対応する入力との間をオンとするかオ
    フとするか切替えるスイッチを有し、マトリックス状に
    配設された信号選択手段を含むスイッチングマトリック
    スとを備え、 前記信号選択手段切替え選択により、異なる遅延時間の
    複数の遅延信号が合成された出力信号を得る ことを特徴
    とするディジタルフィルタ。
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