JPH07122058B2 - 高品質メチレンクロライドからなる溶剤 - Google Patents
高品質メチレンクロライドからなる溶剤Info
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- JPH07122058B2 JPH07122058B2 JP5020120A JP2012093A JPH07122058B2 JP H07122058 B2 JPH07122058 B2 JP H07122058B2 JP 5020120 A JP5020120 A JP 5020120A JP 2012093 A JP2012093 A JP 2012093A JP H07122058 B2 JPH07122058 B2 JP H07122058B2
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- Detergent Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な高品質メチルレ
ンクロライドからなる溶剤に関するものであり、より詳
しくは、電子材料、医薬などの分野において好適に使用
することができる微粒子及び金属イオンを可及的に含ま
ない高品質メチレンクロライドからなる溶剤に関する。
ンクロライドからなる溶剤に関するものであり、より詳
しくは、電子材料、医薬などの分野において好適に使用
することができる微粒子及び金属イオンを可及的に含ま
ない高品質メチレンクロライドからなる溶剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、メチレンクロライドは、溶媒、洗
浄剤、抽出剤などとして幅広く使用されているが、電子
工業をはじめ、電気精密機器製造、医薬などの分野で
は、高品質のメチレンクロライドが要求されている。現
在、いわゆる「高品質メチレンクロライド」として、一
般に用いられているものは、メチレンクロライド含有率
99.9重量%以上で、不純物の主なものは水分であ
り、金属不純物を金属分として0.1ppm程度または
それ以下含有するものである。
浄剤、抽出剤などとして幅広く使用されているが、電子
工業をはじめ、電気精密機器製造、医薬などの分野で
は、高品質のメチレンクロライドが要求されている。現
在、いわゆる「高品質メチレンクロライド」として、一
般に用いられているものは、メチレンクロライド含有率
99.9重量%以上で、不純物の主なものは水分であ
り、金属不純物を金属分として0.1ppm程度または
それ以下含有するものである。
【0003】本発明者の検討によると、市販されている
上記の如き高純度メチレンクロライドにおいても、なお
多くの微粒子を含んでおり、例えば、IC半導体製造用
に使用すると、往々にして、形状異常、特性不良などを
起こし、不良品を生ずる場合があった。本発明者がさら
に検討を重ねた結果、金属化合物のうち、特に鉄、銅及
びナトリウムの影響が大きいことも明らかとなった。す
なわち、これらのイオンは、電子材料に付着残存し、材
料中に付着拡散することによって、当該材料の特性、特
に半導体特性を害するに至る。中でも、ナトリウムイオ
ンは可動性イオンとして、半導体材料中に拡散しやすい
ため、特に注意しなければならないこともわかった。
上記の如き高純度メチレンクロライドにおいても、なお
多くの微粒子を含んでおり、例えば、IC半導体製造用
に使用すると、往々にして、形状異常、特性不良などを
起こし、不良品を生ずる場合があった。本発明者がさら
に検討を重ねた結果、金属化合物のうち、特に鉄、銅及
びナトリウムの影響が大きいことも明らかとなった。す
なわち、これらのイオンは、電子材料に付着残存し、材
料中に付着拡散することによって、当該材料の特性、特
に半導体特性を害するに至る。中でも、ナトリウムイオ
ンは可動性イオンとして、半導体材料中に拡散しやすい
ため、特に注意しなければならないこともわかった。
【0004】蒸留後のメチレンクロライドへの微粒子や
特定の金属イオン不純物の混入は、充填容器に付着した
汚れからの混入;充填等の移液操作、運搬中あるいは使
用中の大気等からの混入によるばかりでなく、製造時中
においても混入する。現在こうした微粒子等の不純物の
混入を防ぐために充填容器を洗浄したり、充填等の移液
操作を行うところ、あるいは使用場所をクリーンルーム
にしたり、密封容器を使用するなどの工夫がなされてい
るが、精製工程を経たメチレンクロライド自体に既に相
当量の微粒子が混入しているため満足のいく結果が得ら
れていない。
特定の金属イオン不純物の混入は、充填容器に付着した
汚れからの混入;充填等の移液操作、運搬中あるいは使
用中の大気等からの混入によるばかりでなく、製造時中
においても混入する。現在こうした微粒子等の不純物の
混入を防ぐために充填容器を洗浄したり、充填等の移液
操作を行うところ、あるいは使用場所をクリーンルーム
にしたり、密封容器を使用するなどの工夫がなされてい
るが、精製工程を経たメチレンクロライド自体に既に相
当量の微粒子が混入しているため満足のいく結果が得ら
れていない。
【0005】即ち、メチレンクロライドの精製は、一般
に蒸留塔の上部から蒸気を取出し該蒸気を冷却して液化
する冷却器、該冷却器で得られる蒸留液の一部を蒸留塔
へ、且つ残部を貯蔵タンクに送液するパイプライン及び
貯蔵タンクの装置から成る工程により、蒸留されること
で行われる。そして、メチレンクロライドは該工程を経
て蒸留されれば、原理的には微粒子やその他の不純物は
殆ど除却されるはずである。しかしながら、実際の上記
精製においては、蒸留塔内で沸騰により発散した蒸留前
のメチレンクロライドが、細かい霧となって冷却器に移
行したり、減圧となる蒸留の終了時に、上記冷却器、パ
イプライン、貯蔵タンク内に大気等の微粒子を含んだ気
体が入り込み蒸留液と接触することにより、前記した通
り相当量の微粒子等を含むメチレンクロライドしか得ら
れないものである。
に蒸留塔の上部から蒸気を取出し該蒸気を冷却して液化
する冷却器、該冷却器で得られる蒸留液の一部を蒸留塔
へ、且つ残部を貯蔵タンクに送液するパイプライン及び
貯蔵タンクの装置から成る工程により、蒸留されること
で行われる。そして、メチレンクロライドは該工程を経
て蒸留されれば、原理的には微粒子やその他の不純物は
殆ど除却されるはずである。しかしながら、実際の上記
精製においては、蒸留塔内で沸騰により発散した蒸留前
のメチレンクロライドが、細かい霧となって冷却器に移
行したり、減圧となる蒸留の終了時に、上記冷却器、パ
イプライン、貯蔵タンク内に大気等の微粒子を含んだ気
体が入り込み蒸留液と接触することにより、前記した通
り相当量の微粒子等を含むメチレンクロライドしか得ら
れないものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、微粒子を効果的に除去し、且つ金属イオンの含有量
を著しく減少した高品質のメチレンクロライドからなる
溶剤を提供することにある。
は、微粒子を効果的に除去し、且つ金属イオンの含有量
を著しく減少した高品質のメチレンクロライドからなる
溶剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、全
工程に亘って直径0.5μ以上の微粒子の存在が350
個/リットル以下である高純度不活性気体でシールされ
た蒸留装置、孔径1μ以下の濾過面を有する濾過器およ
び貯槽よりなる工程を用い、蒸留時の還流比を0.5以
上として粗メチレンクロライドを精留し、流出液を濾過
することにより得られた、直径1μ以上の粒子が5個/
リットル以下で、かつ、鉄イオンが0.05ppm以
下、銅イオンが0.02ppm以下、およびナトリウム
イオンが0.02ppm以下である電子材料用および医
薬品工業用の高品質メチレンクロライドからなる溶剤を
要件とするものである。
工程に亘って直径0.5μ以上の微粒子の存在が350
個/リットル以下である高純度不活性気体でシールされ
た蒸留装置、孔径1μ以下の濾過面を有する濾過器およ
び貯槽よりなる工程を用い、蒸留時の還流比を0.5以
上として粗メチレンクロライドを精留し、流出液を濾過
することにより得られた、直径1μ以上の粒子が5個/
リットル以下で、かつ、鉄イオンが0.05ppm以
下、銅イオンが0.02ppm以下、およびナトリウム
イオンが0.02ppm以下である電子材料用および医
薬品工業用の高品質メチレンクロライドからなる溶剤を
要件とするものである。
【0008】
【発明の具体的説明】本発明におけるメチレンクロライ
ドからなる溶剤は、直径1μ以上の微粒子が1ミリリッ
トル中に5個以下であり、さらに、該メチレンクロライ
ドに含まれる金属イオンは、後述する実施例から明らか
なように、鉄イオンが0.05ppm以下、銅イオンが
0.02ppm以下及びナトリウムイオンが0.02p
pm以下であり、極めて高品質のものである。
ドからなる溶剤は、直径1μ以上の微粒子が1ミリリッ
トル中に5個以下であり、さらに、該メチレンクロライ
ドに含まれる金属イオンは、後述する実施例から明らか
なように、鉄イオンが0.05ppm以下、銅イオンが
0.02ppm以下及びナトリウムイオンが0.02p
pm以下であり、極めて高品質のものである。
【0009】本発明において、微粒子が多く存在するメ
チレンクロライドを用いて電子材料等の洗浄に用いた場
合には、当該電子材料のエッチング不良の原因になると
か、該微粒子が炭化して、材料内に拡散し特性を害する
などの問題を生ずる。また、特定するイオンが各々の限
定量を超えて存在する場合、電子材料に付着残存し、材
料内に拡散することによって当該材料の特性、特に半導
体特性を害するに至る。特にナトリウムイオンは可動性
イオンとして、半導体材料中に拡散しやすいため、特に
注意しなければならない。
チレンクロライドを用いて電子材料等の洗浄に用いた場
合には、当該電子材料のエッチング不良の原因になると
か、該微粒子が炭化して、材料内に拡散し特性を害する
などの問題を生ずる。また、特定するイオンが各々の限
定量を超えて存在する場合、電子材料に付着残存し、材
料内に拡散することによって当該材料の特性、特に半導
体特性を害するに至る。特にナトリウムイオンは可動性
イオンとして、半導体材料中に拡散しやすいため、特に
注意しなければならない。
【0010】本発明のメチレンクロライドを製造する方
法において最も特徴的な態様は、蒸留装置を、後述する
ようなクリーンな不活性気体でシールして微粒子を含む
メチレンクロライドを蒸留し、次いで蒸留液を特定のフ
ィルターで濾過し、得られる蒸留液をクリーンな気体で
シールする態様である。本発明において、蒸留液の濾過
に使用するフィルターは、その濾過性能の上から孔径が
1μ以下のものが使用される。また、材料は溶剤に侵さ
れないものが望ましい。このようなフィルターとして
は、具体的には、例えば、テフロン製0.45μメンブ
ランフィルターなどが挙げられる。
法において最も特徴的な態様は、蒸留装置を、後述する
ようなクリーンな不活性気体でシールして微粒子を含む
メチレンクロライドを蒸留し、次いで蒸留液を特定のフ
ィルターで濾過し、得られる蒸留液をクリーンな気体で
シールする態様である。本発明において、蒸留液の濾過
に使用するフィルターは、その濾過性能の上から孔径が
1μ以下のものが使用される。また、材料は溶剤に侵さ
れないものが望ましい。このようなフィルターとして
は、具体的には、例えば、テフロン製0.45μメンブ
ランフィルターなどが挙げられる。
【0011】また、蒸留液のクリーンな気体によるシー
ルは、前記冷却器、パイプライン、貯蔵タンク等、蒸留
液が保持される装置を、該クリーンな気体でシールする
ことにより行なわれる。尚、該クリーンな気体によるシ
ールは、上記蒸留液が保持される装置のほかに、併せて
蒸留塔に対しても行えば、蒸留液中に混入する微粒子が
減少され、蒸留液を濾過するフィルターの寿命を延ばす
ことが出来る点で好ましい。
ルは、前記冷却器、パイプライン、貯蔵タンク等、蒸留
液が保持される装置を、該クリーンな気体でシールする
ことにより行なわれる。尚、該クリーンな気体によるシ
ールは、上記蒸留液が保持される装置のほかに、併せて
蒸留塔に対しても行えば、蒸留液中に混入する微粒子が
減少され、蒸留液を濾過するフィルターの寿命を延ばす
ことが出来る点で好ましい。
【0012】シールに用いるクリーンな気体は、直径
0.5μ以上の微粒子が350個/リットル以下、更に
好ましくは35個/リットル以下であることが重要な条
件である。この条件の数値は、臨界的な意義を有し、直
径0.5μ以上の微粒子が350個/リットルより多く
含まれるような気体でシールする場合は、本発明の直径
が1μ以上の微粒子が溶剤1ミリリットル中に5個以下
という溶剤を得ることが困難であるのに対し、350個
/リットル以下の場合は、容易に本発明の高品質の溶剤
を得ることができる。また、シールに用いるクリーンな
気体は、各種イオン化合物や高沸点物についてもできる
だけ含まない方が好ましく、いずれも、0.1ppm以
下であることを望ましい。
0.5μ以上の微粒子が350個/リットル以下、更に
好ましくは35個/リットル以下であることが重要な条
件である。この条件の数値は、臨界的な意義を有し、直
径0.5μ以上の微粒子が350個/リットルより多く
含まれるような気体でシールする場合は、本発明の直径
が1μ以上の微粒子が溶剤1ミリリットル中に5個以下
という溶剤を得ることが困難であるのに対し、350個
/リットル以下の場合は、容易に本発明の高品質の溶剤
を得ることができる。また、シールに用いるクリーンな
気体は、各種イオン化合物や高沸点物についてもできる
だけ含まない方が好ましく、いずれも、0.1ppm以
下であることを望ましい。
【0013】しかし、通常の気体の場合、イオン化合物
や高沸点物については、少量しか含まないことが多く、
問題になることは少ない、また、クリーンな気体が水分
を相当量含む場合は、その水分が得られる溶剤に移行す
る傾向があるため、例えばシリカゲル、無水塩化カルシ
ウム、モレキュラシーブなどの乾燥剤で乾燥してから用
いるのが好ましい。その他、クリーンな気体は、装置に
悪影響を与えるものであってはならない。具体的には、
上記の条件を満足するように処理された、炭酸ガス、ヘ
リウム、空気または窒素等がシール用のクリーンな気体
として用いられる。
や高沸点物については、少量しか含まないことが多く、
問題になることは少ない、また、クリーンな気体が水分
を相当量含む場合は、その水分が得られる溶剤に移行す
る傾向があるため、例えばシリカゲル、無水塩化カルシ
ウム、モレキュラシーブなどの乾燥剤で乾燥してから用
いるのが好ましい。その他、クリーンな気体は、装置に
悪影響を与えるものであってはならない。具体的には、
上記の条件を満足するように処理された、炭酸ガス、ヘ
リウム、空気または窒素等がシール用のクリーンな気体
として用いられる。
【0014】以下、添付図面に準じて本発明のメチレン
クロライドを製造する代表的な方法を説明する。図1
は、本発明のメチレンクロライドを得る代表的な製造工
程図である。図1において、蒸留工程は、蒸留塔1、溶
剤蒸気を冷却し液体にするための冷却器4、該冷却器か
ら出る液を受けるタンク5及びこれらを連結するライン
から構成される。蒸留塔1には、下部に溶剤を気化する
ための加熱器2と蒸留により分離濃縮された不純物を取
り出す缶液抜出し口3、また中程に原料液フィード口8
が夫々設けられている。またタンク5の下部には、液を
塔頂に戻す還流ライン6及び蒸留液抜出しライン7が設
けられている。蒸留液抜出しライン7は、蒸留液を濾過
するフィルター9を介して、精製液貯蔵タンク11に連
結される。精製された溶剤は、精製液貯蔵タンク11の
取り出し口10から取り出される。
クロライドを製造する代表的な方法を説明する。図1
は、本発明のメチレンクロライドを得る代表的な製造工
程図である。図1において、蒸留工程は、蒸留塔1、溶
剤蒸気を冷却し液体にするための冷却器4、該冷却器か
ら出る液を受けるタンク5及びこれらを連結するライン
から構成される。蒸留塔1には、下部に溶剤を気化する
ための加熱器2と蒸留により分離濃縮された不純物を取
り出す缶液抜出し口3、また中程に原料液フィード口8
が夫々設けられている。またタンク5の下部には、液を
塔頂に戻す還流ライン6及び蒸留液抜出しライン7が設
けられている。蒸留液抜出しライン7は、蒸留液を濾過
するフィルター9を介して、精製液貯蔵タンク11に連
結される。精製された溶剤は、精製液貯蔵タンク11の
取り出し口10から取り出される。
【0015】したがって、この製造工程において、蒸留
液はフィルター9により混入する微量の微粒子が濾過さ
れる。そして、かかる蒸留液はクリーンな気体によって
シールされており、大気等の気体から遮断されているた
め、新たに微粒子が混入することがなく高品質な状態で
保たれる。
液はフィルター9により混入する微量の微粒子が濾過さ
れる。そして、かかる蒸留液はクリーンな気体によって
シールされており、大気等の気体から遮断されているた
め、新たに微粒子が混入することがなく高品質な状態で
保たれる。
【0016】クリーンな気体によるシールは該製造工程
においては、フィルター12によって得られたクリーン
な気体によって、図1において破線で示される均圧ライ
ンを構成することによってなされる。均圧ラインは、蒸
留工程の各装置が加圧又は減圧になることを可及的に防
ぎ、スムーズな運転を維持するためのものである。当然
のことながら、外気との均圧をとるための気体の出入が
あるが、フィルター12は、均圧ライン内の気体を常に
クリーンな気体とするために設けられる。フィルター1
2は、直径0.5μ以上の微粒子が350個/リットル
以下である気体を得ることができるフィルターであれ
ば、特に制限されない。
においては、フィルター12によって得られたクリーン
な気体によって、図1において破線で示される均圧ライ
ンを構成することによってなされる。均圧ラインは、蒸
留工程の各装置が加圧又は減圧になることを可及的に防
ぎ、スムーズな運転を維持するためのものである。当然
のことながら、外気との均圧をとるための気体の出入が
あるが、フィルター12は、均圧ライン内の気体を常に
クリーンな気体とするために設けられる。フィルター1
2は、直径0.5μ以上の微粒子が350個/リットル
以下である気体を得ることができるフィルターであれ
ば、特に制限されない。
【0017】このようなフィルターとしては、例えば、
0.3μあるいは0.1μのHEPAフィルター(Hi
gh Efficiency Particulate
Air Filter)などがある。また、蒸留塔1
は、蒸留による分離効率を上げるために、できるだけ段
数の多いものが好ましく3段以上有するものがよい。還
流比、即ち、還流ライン6を経て戻す量と液抜出しライ
ン7を経て取り出す量の比についても、蒸留分離効果を
上げるために、大きい方がよく、0.5以上、更には1
以上が好ましい。フィード口8は、少なくとも最上段よ
り1段以上下、好ましくは3段以上下に設けるのがよ
い。これは、余りフィード口8を上部に設けると蒸留効
果が蒸留液中に不純物が混入することを防止するためで
ある。
0.3μあるいは0.1μのHEPAフィルター(Hi
gh Efficiency Particulate
Air Filter)などがある。また、蒸留塔1
は、蒸留による分離効率を上げるために、できるだけ段
数の多いものが好ましく3段以上有するものがよい。還
流比、即ち、還流ライン6を経て戻す量と液抜出しライ
ン7を経て取り出す量の比についても、蒸留分離効果を
上げるために、大きい方がよく、0.5以上、更には1
以上が好ましい。フィード口8は、少なくとも最上段よ
り1段以上下、好ましくは3段以上下に設けるのがよ
い。これは、余りフィード口8を上部に設けると蒸留効
果が蒸留液中に不純物が混入することを防止するためで
ある。
【0018】本発明に用いる粗メチレンクロライドは、
特に限定されないが、本発明の高品質メチレンクロライ
ドからなる溶剤を得るために一般に純度の高いものを用
いるのが好ましい。例えば従来電子材料の洗浄用として
用いられるクレードなどのメチレンクロライドを用いる
等により好ましい結果を得ることができる。
特に限定されないが、本発明の高品質メチレンクロライ
ドからなる溶剤を得るために一般に純度の高いものを用
いるのが好ましい。例えば従来電子材料の洗浄用として
用いられるクレードなどのメチレンクロライドを用いる
等により好ましい結果を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明の高品質メチレンクロライドから
なる溶剤は、電子材料や医薬などの分野で好適に使用す
ることができる。
なる溶剤は、電子材料や医薬などの分野で好適に使用す
ることができる。
【0020】
【実施例】以下実施例及び比較例を挙げて本発明を説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0021】<実施例1> 図1に示すように、マントルヒーターをセットした50
0ミリリットル丸底フラスコを缶にし、上部にコンデン
サーと還流比を調整できる装置をもつガラス製30段の
オルダーショー蒸留塔と、留出ラインの途中に0.45
μメンブランフィルター(東洋濾紙社 テフロン製)を
設け、その後に精製液貯蔵タンクを設置した。
0ミリリットル丸底フラスコを缶にし、上部にコンデン
サーと還流比を調整できる装置をもつガラス製30段の
オルダーショー蒸留塔と、留出ラインの途中に0.45
μメンブランフィルター(東洋濾紙社 テフロン製)を
設け、その後に精製液貯蔵タンクを設置した。
【0022】更に、図1に示すように均圧ラインを設
け、孔径が0.3以のHEPAフィルター(High
Efficlency Particulate Ai
r Filter)とシリカゲル乾燥筒を設けて、均圧
ライン内の気体をクリーンな気体とした。このクリーン
な気体は、顕微鏡法(気体10リットルを0.4耳ニユ
クリアメンブレンフィルター(ニユクリア社製)で濾過
し、フィルター上の粒子数を走査顕微鏡(倍率1000
倍)で求める方法)で測定したところ、直径0.5μ以
上の微粒子が35個/リットル以下であった。
け、孔径が0.3以のHEPAフィルター(High
Efficlency Particulate Ai
r Filter)とシリカゲル乾燥筒を設けて、均圧
ライン内の気体をクリーンな気体とした。このクリーン
な気体は、顕微鏡法(気体10リットルを0.4耳ニユ
クリアメンブレンフィルター(ニユクリア社製)で濾過
し、フィルター上の粒子数を走査顕微鏡(倍率1000
倍)で求める方法)で測定したところ、直径0.5μ以
上の微粒子が35個/リットル以下であった。
【0023】表1に示す不純物を含むメチレンクロライ
ドを500ミリリットル缶に入れマントルヒーターで加
熱し全還流を30分間行った。その後同液を上部5段か
ら240ミリリットル/Arで供給し、留出量240ミ
リリットル/Ar還流比1.1缶抜き出しなしの条件で
精製を8時間行った。精製後の液中の金属イオン(F
e,Cu,K)を原子吸光度法で求め、微粒子は0.4
5μメンブランフィルター(東洋濾紙濾過面積32m
m)を用いて1リットルの液を濾過し、走査型電子顕微
鏡倍率1000でフィルター上の1μ以上のた子を数え
た使用液の精製前の液の分析も同様な方法で求めた結果
を表1に示した。
ドを500ミリリットル缶に入れマントルヒーターで加
熱し全還流を30分間行った。その後同液を上部5段か
ら240ミリリットル/Arで供給し、留出量240ミ
リリットル/Ar還流比1.1缶抜き出しなしの条件で
精製を8時間行った。精製後の液中の金属イオン(F
e,Cu,K)を原子吸光度法で求め、微粒子は0.4
5μメンブランフィルター(東洋濾紙濾過面積32m
m)を用いて1リットルの液を濾過し、走査型電子顕微
鏡倍率1000でフィルター上の1μ以上のた子を数え
た使用液の精製前の液の分析も同様な方法で求めた結果
を表1に示した。
【0024】
【0025】<比較例1> クリーンな気体を得るためのHEPAフィルター(図1
における12)を取りはずし、実施例1と同様に行っ
た。結果を表2に示した。
における12)を取りはずし、実施例1と同様に行っ
た。結果を表2に示した。
【0026】
【図1】本発明のメチレンクロライドからなる溶剤を製
造する代表的な工程を示す工程図である。
造する代表的な工程を示す工程図である。
1 蒸留塔 2 加熱器 3 缶液抜出し口 4 冷却器 5 タンク 6 還流ライン 7 蒸留液抜出しライン 8 原料液フィード口 9 フィルター 10 取出し口 11 精製液貯蔵タンク 12 フィルター
Claims (1)
- 【請求項1】 全工程に亘って直径0.5μ以上の微粒
子の存在が350個/リットル以下である高純度不活性
気体でシールされた蒸留装置、孔径1μ以下の濾過面を
有する濾過器および貯槽よりなる工程を用い、蒸留時の
還流比を0.5以上として粗メチレンクロライドを精留
し、流出液を濾過することにより得られた、直径1μ以
上の粒子が5個/リットル以下で、かつ、鉄イオンが
0.05ppm以下、銅イオンが0.02ppm以下、
およびナトリウムイオンが0.02ppm以下である電
子材料用および医薬品工業用の高品質メチレンクロライ
ドからなる溶剤。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1231508A JPH02119901A (ja) | 1989-09-08 | 1989-09-08 | 有機溶剤の精製方法 |
JP5020120A JPH07122058B2 (ja) | 1989-09-08 | 1993-02-08 | 高品質メチレンクロライドからなる溶剤 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1231508A JPH02119901A (ja) | 1989-09-08 | 1989-09-08 | 有機溶剤の精製方法 |
JP5020120A JPH07122058B2 (ja) | 1989-09-08 | 1993-02-08 | 高品質メチレンクロライドからなる溶剤 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Family Applications (2)
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1993
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Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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