JPH07121342B2 - 液体混合物の分離方法 - Google Patents

液体混合物の分離方法

Info

Publication number
JPH07121342B2
JPH07121342B2 JP31586287A JP31586287A JPH07121342B2 JP H07121342 B2 JPH07121342 B2 JP H07121342B2 JP 31586287 A JP31586287 A JP 31586287A JP 31586287 A JP31586287 A JP 31586287A JP H07121342 B2 JPH07121342 B2 JP H07121342B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
separation method
water
copolyimide
copolyamideimide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31586287A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63270506A (ja
Inventor
幸雄 弥永
浅次 林
静枝 酒井
徹 今奈良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP31586287A priority Critical patent/JPH07121342B2/ja
Publication of JPS63270506A publication Critical patent/JPS63270506A/ja
Publication of JPH07121342B2 publication Critical patent/JPH07121342B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水親和性に富んだ高分子材料を用いパーベー
パレーション法によって、液体混合物から水分を除去す
る分離方法に関する。
〔従来の技術〕
産業界では、水可溶性液体から水分を除去する必要がし
ばしばあり、蒸発法、冷凍法、抽出法、透析法、逆浸透
法等の分離方法が使用条件に合わせて使い分けられてい
る。
水可溶性液体としては、アルコール類、フェノール類、
エステル類、ケトン類、エーテル類、アルデヒド類、有
機酸類等の酸素含有有機化合物、ニトリル類等の窒素含
有有機化合物、無機酸類等の無機化合物、及びこれらの
混合物が挙げられる。
液体混合物からの水分の除去としては、上述した方法が
挙げられるが、共沸混合物を形成するものや、沸点の近
い物質同志の分離には、必ずしも適しているとは言え
ず、近年ではエネルギー面からの要請もあってパーベー
パレーション法による分離の研究、開発が盛んになって
きた。更に実際の使用時には耐熱性と耐薬品性、機械的
強度も分離能力に劣らず重要になるのでこれらの点に充
分に配慮しつつ、分離能力の高い材料の開発が求められ
ている。
この目的のためには、分離したい化合物に存する特徴的
な親和性を膜にどう与えるか、実用的な分離能力を引出
すため、いかにして効率の良い、多くの場合、ピンホー
ルのない極薄膜を形成させるか、更に分離したい化合物
を含んでいる他の化合物に対する耐久性をいかに保つか
が大きな問題になる。
〔発明の目的〕
本発明者らは上述した点に留意し、実際の使用上の耐熱
性、耐薬品性及び機械的強度に優れ分離性能の高い高分
子材料について開発検討した結果、特定構造の芳香族系
コポリイミド又はコポリアミドイミドが製膜上も、耐久
性の点からも更に分離能の点からも優れていることを見
出し、本発明に到達した。
本発明の要旨は、パーベーパレーション法によって液体
混合物から水分を除去するにあたり、隔膜の主たる構成
材料が下記一般式(I) の繰り返し単位で表わされる構造を有するコポリイミド
であって、上記繰り返し単位の10〜30モル%はRが を表わすものであり、上記繰り返し単位の90〜70モル%
はRが、 および/または を表わすものであるコポリイミド、又は、繰り返し単位
の90〜10モル%が式(II) で表わされる構造を有し、かつ繰り返し単位の10〜90モ
ル%が式(III) で表わされる構造を有するコポリアミドイミドである液
体混合物の分離方法に存する。
〔発明の構成〕
以下に本発明を詳しく説明する。本発明でいうパーベー
パレーション法とは、高分子膜又はセラミック製の膜を
用いて、液体混合物から特定の成分を分離する方法であ
る。多数の分離法の中でも共沸混合物を形成するものの
分離、成分の沸点が近いものの分離又は熱安定性の低い
成分を含む混合物の分離には効果的であり、近年研究開
発が盛んである。
本発明では分離対象物を水に選び、次の様な実質的に均
質な液体混合物からの水の除去を目的とする。即ち、液
体混合物とは各種の液体成分と水との混合物であり、均
質であればその割合は限定されない。
特に液体混合物がアルコール類、フェノール類、エステ
ル類、ケトン類、エーテル類、アルデヒド類、有機酸類
等の酸素含有有機化合物、ニトリル酸等の窒素含有有機
化合物、無機酸類等の無機化合物、およびこれらの混合
物の水溶液の場合、好適に分離される。
アルコール類としてはメタノール、エタノール、イソお
よびノルマルプロパノール、ブタノール、オクタノー
ル、ベンジルアルコールの他、多価アルコールとしてエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリ
ン等が挙げられる。
フェノール類としては、クレゾール、フェノール、カテ
コール等が挙げられる。
エステル類としては、酢酸エチル、酢酸メチル、蟻酸エ
チル、プロピオン酸メチル等の水溶性エステルが挙げら
れる。
ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、ア
セトフェノン等が挙げられる。
エーテル類としては、ジエチルエーテル、ジブチルエー
テル、ジオクチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジオ
キサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げら
れる。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアル
デヒド等が挙げられる。
有機酸類としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、プロピオン
酸等が挙げられる。
ニトリル類としては、アセトニトリル、アクリロニトリ
ル等が挙げられる。
無機酸類としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸
等が挙げられる。
本発明で、芳香族コポリイミド又はコポリアミドイミド
が好適であるのは、本発明の目的である水の選択分離に
対して、イミド結合、アミド結合が有している水に対す
る親和力が有効であると考えらえる。
しかし、前述した様に、実用的な分離能力を高分子材料
から引き出すためにはピンホールの無い、極く薄い高分
子膜を形成する必要がある。同じ材料であれば実質的な
膜厚が薄ければ薄いほど実用分離能力は優れるが、ピン
ホールが存在すれば分離能力は致命的に低下する。した
がって、理想に近い膜を形成するためには膜原料となる
高分子材料は、製膜性に富んでいなければならない。即
ち、実際的には、できれば室温で可溶性である事が必要
である。そうであれば、製膜、又は中空糸紡糸に際し、
様々な工夫が容易に採用でき、極めて薄い均質膜も、支
持体と一体構造的な非対称膜も製造は簡単である。この
要件を満足するためには、どんなポリイミドやポリアミ
ドであっても良いという事ではなく、本発明に示す様な
組成のコポリイミド又はコポリアミドイミドが好適なの
である。
本発明において使用される芳香族コポリイミドは一般式
(I) の繰返し単位の存在を特徴とするコポリイミドであり、
ここで上記繰返し単位の10〜30モル%はRが を表わすものであり、上記繰り返し単位の90〜70モル%
はRが および/または を表わすものである。
このコポリイミドは例えば、USP3,708,458号に記載され
ているように3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物を適当なモル比の4,4′−メチレンビス
フェニルイソシアネート(4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート)およびトリレンジイソシアネート(2,
4−異性体、2,6−異性体、あるいはそれらの混合物)と
ともに極性溶媒の存在下で反応させることにより容易に
得ることができる。この際、他のジイソシアネート化合
物あるいは他のテトラカルボン酸化合物を少量用いるこ
とも可能である。
また、本発明において使用される芳香族コポリアミドイ
ミドは繰り返し単位の10〜90モル%、好ましくは70〜90
モル%が式(II) で表わされる構造を有し、かつ繰り返し単位の90〜10モ
ル%、好ましくは30〜10モル%が式(III) で表わされる構造を有する芳香族コポリアミドイミドで
ある。
このコポリアミドイミドはUSP3,929,691号に記載の操作
を用いて、すなわち約10モル%から約90モル%対約90モ
ル%から約10モル%の割合のトリメリット酸無水物とイ
ソフタル酸の混合物と、ほぼ等量の100モル%割合の4,
4′−メチレンビスフェニルイソシアナートを極性溶媒
の存在下反応させて容易に得ることができる。また、こ
の際、他のジイソシアネート化合物を少量使用すること
ができる。
これらコポリイミド及びコポリアミドイミドの重合、お
よび溶解させるのに用いられる溶媒は、極性有機溶媒で
ありジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチル
スルホン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル
尿素、ピリジンなどが例示されるが、特に限定されるも
のではない。また、これらを混合して使用してもかまわ
ない。好ましくはジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド及びN−メチルピロリドンが用いられ、より好
ましくはジメチルホルムアミドが用いられる。
上述の重合に使用する極性有機溶媒の分量は、すべての
反応体が最初に溶解するのに少なくとも十分なものであ
ることが好ましい。溶媒の使用量は求めるコポリイミド
の粘度によって調節されるものであり、コポリイミドの
重量%はそれほど重要でないが、通常5重量%から約35
重量%までが好ましい。
分離に供される液体混合物中に存在する他の有機化合物
に対する耐薬品性の点から芳香族コポリイミド又はコポ
リアミドイミドはかなり優れているが万能ではない。既
に製造された分離膜を加熱、電子線照射又はその他の方
法で、架橋させる事により不溶化させ耐久性を上げる事
は、実用上有効であり、このようにして、製膜後に架橋
化、且つ不溶化する事も本発明のいうところの高分子材
料に含まれる。更に又、当該高分子材料に対し、製膜を
阻害しない他の高分子材料、耐熱安定剤、製膜安定剤、
後架橋用反応試薬、耐酸化安定剤、単なる可塑剤等を製
造される分離膜の50重量%以下なら加えても良い。耐久
性を向上させるための種々の安定剤はかえって良い結果
を与える場合もある。
本発明で用いられる前記コポリイミド、コポリアミドイ
ミドの対数粘度(ηinh)は0.1dl/g以上、より好ましく
は0.3〜4dl/g(N−メチルピロリドン中、0.5%、30℃
で測定)の範囲から選ばれる。
パーベーパレーションに用いる隔膜とは処理液室と透過
蒸気室を隔てる分離膜の事であり、上記コポリイミド、
コポリアミドイミドを主たる構成材料としているもので
あれば、均質構造でも、非対称構造でも、又は、別の材
質の支持膜上に塗布されているものでもよく、形状とし
ては、シート上、スパイラル上、管状、中空糸状等各種
のものが用途に応じて採用できる。
このような隔膜の製造法としては、先に述べたコポリイ
ミド、コポリアミドイミドとその重合溶媒である極性有
機溶媒とのドープ液を、ガラス板等の平板の上にキャス
ティングする方法、ロールコートする方法、スピンコー
トする方法あるいは、表面積を大きくするために通常採
用されている中空糸にする方法等の公知の方法によって
行うことができる。
また、適当な多孔質(多孔質中空糸を含む)の裏打材上
に流延して、膜に対して支持体をさらに設けることもで
きる。この多孔質支持体としては膜に対する透過ガスの
通過を阻止せず、かつ膜材料、溶媒、凝固液に侵されな
いような任意の不活性多孔質材料を用いることができ
る。
この種の支持体の典型的なものとしては金属メッシュ、
多孔質セラミック、焼結ガラス、多孔質ガラス、焼結金
属、紙、多孔質非溶解性プラスチック等が好適に用いら
れ、たとえばレーヨンのような不織布、アスベスト、多
孔質ポリイミドなどが挙げられる。これらの材料は分離
に関与せず単に膜用の支持体として作用するのみであ
る。
このような分離膜の形状のうち、特に中空糸状のものは
単位容積当りの有効膜面積を大きくすることができ、ま
た中空糸の外周側から加圧する場合には、管壁の厚さが
小さい割に高圧に対する機械的強度が高い等の利点が得
られる。
膜の形態は均質構造、多孔質構造、非対称構造のいずれ
でもよいが分離膜の外側表面又は内側表面又は外側、内
側両面に緻密層を有する非対称膜が好ましい。
また分離膜の外側表面と内側表面にはさまれた内部に、
指型構造の空孔を有する非対称膜も好ましい。指型構造
の空孔とは中空糸の内側表面と外側表面にはさまれた内
部に形成されており、円周方向に1列あるいは複数列形
成されている。空孔の大きさは、たとえば空孔が円周方
向に1列に形成される場合、空孔の長径が中空糸の肉厚
未満であればよく、好ましくは肉厚の99〜1%、より好
ましくは99〜50%であればよい。また、たとえば空孔が
円周方向に2列以上に形成される場合、同一直径上の各
空孔の長径の和が肉厚未満であればよく、好ましくは肉
厚の99〜1%、より好ましくは99〜50%であればよい。
空孔の短径の大きさは、上記長径と同等か短かければよ
い。
指型構造の空孔以外の部分は両表面に連通し、かつその
平均孔径が厚み方向において変化している傾斜型多孔質
構造をとっており、空孔の表面にも連通した細孔が存在
するため、空孔部分の透過抵抗は実質的に無視すること
が可能であり、十分な透過速度及び機械的強度を得るこ
とができる。
隔膜の製造に用いるドープ液としては、上記コポリイミ
ド及び/又はコポリアミドイミドの溶液を通常、固形分
濃度8〜35重量パーセント、好ましくは15〜30重量パー
セントに調整したものを使用する。
このようなドープ液から前述のキャスティング等あるい
は中空糸押出により薄膜を形成する。
薄膜が形成されたら、直ちに凝固液中に浸漬させるが、
この場合、薄膜を形成しながら、又は薄膜形成後、20〜
150℃、好ましくは40〜120℃の大気中で2〜300秒間、
好ましくは10〜180秒間、さらに好ましくは20〜120秒間
加熱して薄膜中の溶媒の一部を蒸発除去してから凝固さ
せてもよい。また上記の範囲で熱風を吹きつけてもよ
い。これにより、非対称膜の構造中の表面緻密層の厚み
を変えることができ、得られる膜の分離性能を容易にコ
ントロールすることが可能である。
凝固液としてはドープ液との相溶性が良好なものであっ
て、前述のコポリイミド、コポリアミドイミドとの溶解
性が低いもの(貧溶媒)の中から適宜選ぶことができ
る。たとえば、水、プロパノール等の低級アルコール
類、アセトン等のケトン類、エチレングリコール等のエ
ーテル類、トルエン等の芳香族類あるいはこれらの混合
液等が挙げられるが、経済性、公害等の問題から水が好
適に用いられる。
凝固液の温度は0〜80℃、好ましくは0〜50℃の範囲が
好適に用いられる。
液状、あるいは溶媒の一部を蒸発させた薄膜を凝固する
方法は公知のどのような方法であってもよい。例えば、
薄膜をその薄膜を形成されている基材とともに前記凝固
液中に浸漬する方法、又は中空糸の薄膜のみで凝固液中
に浸漬する方法等が挙げられる。
凝固した湿潤膜は風乾又はアルコール類・炭化水素類に
浸漬し、溶媒、凝固液を低濃度にしておくことが好まし
い。
次いで通常、250℃以下の温度で乾燥して溶媒及び含浸
した凝固液等を除去する。その方法としては、例えば、
常温よりしだいに温度を上昇させていってもよいし、各
温度範囲内で複数段階で温度上昇させてもよい。あまり
急激に乾燥を行うと発泡が生じたりして好ましくない。
前述の凝固した湿潤膜の乾燥温度、時間、及び膜厚は溶
媒の種類、凝固した湿潤膜中の蒸発成分量などによって
変わるものであるので各具体例で適宜決めればよい。
本発明の膜は更に加熱処理を行なうのが好ましい。加熱
処理温度は好ましくは250℃以上であり、特に280℃以
上、500℃以下が最も好ましい範囲である。
加熱処理温度が250℃より低いと水と水溶性有機化合物
の分離比が小さくなる傾向がある。280℃以上で処理さ
れた膜は、さらに高温での浸透気化、高濃度水溶性有機
化合物の分離において分離比の低下が少なく実用的なプ
ロセスにおいて特に有益となる。
次に加熱処理の時間は数秒から数十時間で行うことがで
きる加熱処理温度が低い場合は長い時間を要し、高い場
合は短時間で行うことが好ましく、その温度によって好
適な熱処理時間が選択される。通常の2〜30分間の熱処
理時間の場合、280〜320℃が好ましい。加熱処理温度が
250℃より低いと熱処理時間が長くても高い分離比を持
つ分離膜が一般に得られにくい。
また本発明に使用する膜を不溶化させ耐久性を上げる事
は分離性能を向上させる上で極めて有効である。不溶化
の方法としては前述の加熱処理の他、電子線照射、又は
化学架橋その他の方法で行うことができる。
コポリイミド又はコポリアミドイミド膜が1重量%以
上、好ましくは3〜90重量%の不溶成分を含有するのが
好ましい。ここで“不溶成分”とはコポリイミド、コポ
リアミドイミド膜を極性溶媒、特にジメチルホルムアミ
ドに温度25℃、24時間で溶解処理した時の不溶分を意味
する。
また、この不溶化は、実質的に膜の表層部が不溶化され
ていてもよく、分離の活性層となる表面層のみを高温で
短時間処理する、あるいは電子線を照射して表面を不溶
化する場合には不溶化成分の含有量は上記表面層である
10μm厚までの表層部での量で表わされる。
上記の乾燥処理、加熱処理を行なわない膜においても隔
膜として使用することは可能であるが、上記の加熱処理
を行うことにより、各種ガスの分離性能、および引張り
強度、引張り破断伸度等の膜強度が格段に改善される。
この発明の方法ではドープ液中のコポリイミド、コポリ
アミドイミドの濃度、溶媒の種類、溶媒の組合せ、膨潤
剤の添加、蒸発条件、加熱処理条件、凝固剤の種類及び
凝固条件等により気孔率や孔の形状、緻密層の厚みを容
易にかえることが出来る。
しかし、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、N−メチルピロリドン等の極性有機溶媒に常温
で溶解しているコポリイミド、コポリアミドイミドは膨
潤剤の添加なしでも水等の凝固剤中にて容易に多孔質構
造が得られるため特に膨潤剤を添加しなくてもよい。
隔膜の厚さは約0.01〜1000μ、より典型的には10μ〜50
0μの全体的厚さが好ましい。
この隔膜を使用してパーベーパレーション法で液体混合
物から水分を除去するには、液体混合物を、隔膜に収納
した容器の中に連続的供給し、隔膜の一方の側と接触し
た後、該容器の外部に連続的に排出させる。液体混合物
を供給する際の流れの方向は、膜面に平行でも直角でも
よいが、膜面近傍での濃度分極の発生を防ぐため、膜面
に平行にできるだけ高流速で流すことが好ましい。液体
混合物の圧力は、加圧してもしなくてもよく、大気圧程
度でもかまわない。液体混合物の温度は特に限定しない
が、たとえばエタノール水溶液の場合であれば必要に応
じて加圧することにより30〜150℃、好ましくは60〜120
℃が好適である。
該隔膜の他方の側では、ポンプ等の減圧維持装置により
減圧に保つことにより、該液体混合物の中から特定成分
を優先的に浸透気化させることができる。また、不活性
ガスを流通させて、透過した成分の分圧を低圧に保つこ
とにより、該液体混合物の中から特定成分を優先的に浸
透気化させてもかまわない。浸透気化した成分を回収す
る場合には該容器と該減圧維持装置を結ぶ配置中に冷却
トラップ又は凝縮器を1個あるいは複数個取りつけて、
その凝縮点以下に冷却して回収すればよい。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
製造参考例1 USP3,708,458号の実施例4に述べられている手順を使用
し3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水
物と80モル%のトリレンジイソシアネート(2,4−異性
体約80モル%と2,6−異性体約20モル%の混合物)およ
び20モル%の4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
トを含む混合物より共重合ポリイミドを重合した。
重合溶媒はN,N′−ジメチルホルムアミドを使用し樹脂
物濃度は21重量%であった。
このものを濃縮器にかけて25重量%のコポリイミド樹脂
溶液を得た。
このコポリイミドは30℃において固有粘度(ジメチルホ
ルムアミド中0.5%)0.6dl/gを有していた。
実施例1〜8 中空糸製造用ノズルから製造参考例1で得られたコポリ
イミド溶液を一定流量(2.9g/分)で押出し、同時に中
空糸の中心部に芯液として水とジメチルホルムアミドを
50/50(重量比)の割合で混合した液を一定流量で押出
し、形成された中空糸状体を12cmのエアギャップをとっ
て一定速度(5m/分)で連続的に引き取りながら水から
成る凝固浴中へ導き、8秒間浸漬したのち更に水中に10
分間浸漬した。このあと一昼夜風乾した後、100℃で30
分間乾燥し200℃より300℃まで13分間で昇温し、300℃
で17分間熱処理した。
得られた中空糸は外径680μ、内径356μであった。
この中空糸を用いて、表1に示す条件で浸透気化のテス
トを行い測定結果を表1に示した。
なお、表1において透液量とは、単位膜面積、単位時間
当り、膜を透過した供給液の重量のことであり、Kg/m2
・hrで表わされている。
また、分離係数とは、下記の式 ただし、Wi:供給液中の水の重量分率 Wj:供給液中の水以外の成分の重量分率 Yi:透過液中の水の重量分率 Yj:透過液中の水以外の成分の重量分率 で定義される数値である。
又この中空糸のジメチルホルムアミド不溶成分の割合を
測定した。測定方法は中空糸1gをジメチルホルムアミド
100gに浸漬し25℃で20時間放置後スターラで4時間撹拌
し可溶成分を溶解した。
この溶解をろ紙でろ過し、不溶成分を除き、透明なろ液
を得た。この液をロータリエバポレーターでジメチルホ
ルムアミドを留出させ乾固させた。さらに固型分を300
℃で30分間乾燥し、冷却後可溶成分量を測定し、全体量
との差から不溶成分含有率を測定した。
不溶性分含有率(wt%)=100−可変成分含有率 とすると、この中空糸の不溶成分含有率は28wt%であっ
た。
実施例9 熱処理温度を200℃、30分とした以外は実施例1〜8と
同じ紡糸条件で得られた中空糸を用いて、エタノール濃
度50重量%の水溶液を供給液として80℃で浸透気化を行
った。この中空糸の不溶成分含有率は0.5wt%以下であ
った。
結果を表1に示す。
実施例10、11 実施例1〜8と同じ紡糸条件で得られた中空糸を用い
て、水/酢酸の混合比(重量比)が80/20及び40/60の溶
液を供給液とし、80℃で浸透気化を行った。
結果を表1に示した。
実施例12 実施例1〜8と同じ紡糸条件で得られた中空糸を用い
て、水/ホルマリンの混合比(重量比)82.5/17.5の溶
液を供給液とし、80℃で浸透気化を行った。
結果を表1に示した。
実施例13〜18 中空糸製造用ノズルから製造参考例1で得られたコポリ
イミド溶液を一定流量(2.9g/分)で押出し、同時に中
空糸の中心部に芯ガスとして、空気を一定流量(0.58cc
/分)で押出し直接水から成る凝固液中に導き8秒間滞
留した後一定速度で(4.5m/分)連続的に引き取りなが
ら水中に10分間浸漬した。このあと一昼夜風乾した後、
100℃で30分間乾燥し、200℃より300℃まで13分間で昇
温し300℃で17分間熱処理した。
この中空糸を用いて表1に示す条件で浸透気化のテスト
を行った。
この中空糸の不溶成分含有率は32重量%であった。
結果を表1に示した。
実施例19〜25 200℃より320℃まで16分間で昇温し熱処理温度320℃で1
4分間及び200℃より260℃まで7分間で昇温し260℃で23
分間とした以外は実施例13〜18と同じ紡糸条件で得られ
た中空糸を用いて、表1に示す条件で浸透気化のテスト
を行った。320℃及び260℃で熱処理した中空糸の不溶成
分含有率は60wt%及び1.3wt%であった。
結果を表1に示した。
実施例26〜28 200℃より320℃まで16分間で昇温し、熱処理温度を320
℃とした以外は実施例13〜18と同じ紡糸条件で得られた
中空糸膜を用いて、酢酸濃度50重量%の水溶液を供給液
として50℃、70℃、80℃において浸透気化のテストを行
った。
結果を表1に示した。
実施例29 中空糸ノズルから製造参考例1で得られたコポリイミド
溶液を一定流量(2.9g/分)で押出し、同時に芯液とし
て水を一定流量で押出し、形成された中空糸状体を12cm
のエアギャップをとって一定速度(4.8m/分)で連続的
に引き取りながら水から成る凝固液中に導き、8秒間滞
留した後さらに水中に10分間浸漬した。このあと一昼夜
風乾した後、100℃で30分間乾燥し200℃より〜300℃ま
で13分間で昇温し300℃で17分間熱処理した。
このコポリイミド中空糸を用いてエタノール濃度80重量
%の水溶液を供給液として、80℃で浸透気化のテストを
行った。
結果を表1に示した。
この中空糸の不溶成分含有率は37wt%であった。
実施例30〜35 実施例13〜18と同じ紡糸条件で得られた中空糸を用い
て、表2に示す条件下で水/アセトンの混合液、水/テ
トラヒドロフランの混合液、水/フェノールの混合液、
水/アセトニトリルの混合液、水/ホルムアルデヒドの
混合液、水/酢酸エチルの混合液を供給液として浸透気
化のテストを行った。
結果を表2に示した。
製造参考例2 予備乾燥した10の反応器に614.82g(3.20モル)のト
リメリット酸無水物及び132.90g(0.80モル)のイソフ
タル酸を投入した。この反応器には温度計、凝縮器、撹
拌機及び窒素入口を備えさせておく。
5の乾燥したびん中に1000.96g(4.0モル)の4,4′−
メチレンビスフェニルイソシアナート(以下MDIと称
す)をはかりとり、次いで43mlのN−メチルピロリドン
(以下NMPと称す)をはかり取ってMDIを溶解した。この
MDI溶液を上述の反応器に加え、次いでMDIをはかり取っ
たびんをすすぐために3650mlのNMPを加えた。65rpmの撹
拌速度下、窒素雰囲気で53℃から170℃まで加熱し3時
間40分反応させ、更に169〜171℃で1時間55分反応を続
けた。反応混合物は繰返し単位の80モル%が の構造を有し、20モル%が の構造を有するコポリアミドイミドのNMPの25重量%溶
液であった。このコポリアミドイミドの30℃における対
数粘度(ηinh)(NMP中、0.5%)は0.603dl/gであっ
た。
この溶液をメタノール中に加え、ポリマーを析出させ、
150℃で3時間乾燥してコポリアミドイミドの粉末を得
た。
このコポリアミドイミド粉末をジメチルホルムアミドに
溶解し17重量%溶液として、分離膜製膜用のドープとし
た。
製膜例1 上で製造したコポリアミドイミド溶液を過した後中空
糸ノズルから一定流量(2.9g/分)で押し出し同時に芯
液として、水、水/DMF=50/50(重量比)の溶液、又は
空気を押し出した中空糸状組成物を、表2に示したエア
ーギャップをとって4.8m/分の一定速度で連続的に引き
取りながら水からなる凝固液に導き、この凝固液中に8
秒間滞留浸漬した。更に、別の水槽に10分間浸漬させ
た。このあと一昼夜風乾し、100℃で30分間乾燥した後
最終的には表3に示した条件で熱処理した。これらの中
空糸を用いてパーベーパレーションテストを行った結果
を表3に示す。
実施例36〜51 製造実施例2、製膜例1で製造した中空糸を用いてそれ
ぞれの条件で浸透気化した結果を表3に示す。
実施例52〜55 製造実施例2で重合したコポリアミドイミドとベンゾフ
ェノン系のコポリイミドPI−2080を重量比で60:40にな
る様に調合し、更にDMFの20重量%溶液とし、過して
中空糸紡糸用、ドープとした。製膜例1に準じて中空と
しパーベーパレーションのテストをした結果を表3に示
した。
実施例56〜61 製膜例1で製造した中空糸のうち実施例44で使用したの
と同じものを用い、表4に示すパーベーパレーションの
テストを行った。
結果を表4に示す。
実施例62〜63 熱処理温度を100℃及び200℃とした以外は実施例1〜8
と同紡糸条件で得られた中空糸を用いて水/酢酸の混合
比(重量比)が40/60の溶液を供給液として80℃で浸透
気化を行った。結果を表5に示した。
実施例64〜66 熱処理温度を下表に示した以外は実施例13〜18と同じ紡
糸条件で得られた中空糸を用いて水/エタノール=10/9
0(重量比)の溶液で80℃で浸透気化及び不溶成分含有
率の測定を行った。結果を表6に示した。
実施例67〜74 熱処理温度を下表に示した以外は実施例13〜18と同じ紡
糸条件で得られた中空糸を用いて表7に示す条件下で水
/アセトンの混合液、水/アセトニトリルの混合液、水
/酢酸の混合液、水/イソプロピルアルコールの混合
液、水/n−ヘキサン/イソプロピルアルコールの混合液
を供給液として浸透気化及び不溶成分含有率のテストを
行った。結果を表7に示す。
〔発明の効果〕 本発明の分離方法によれば、パーベーパレーション法に
おいて液体混合物から効果的に水を分離できるので、各
種工業における分離方法として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今奈良 徹 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−74411(JP,A) 特開 昭62−114611(JP,A) 特開 昭62−163712(JP,A)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パーベーパレーション法によって液体混合
    物から水分を除去するにあたり、隔膜の主たる構成材料
    が下記一般式(I) の繰り返し単位で表わされる構造を有するコポリイミド
    であって、上記繰り返し単位の10〜30モル%はRが を表わすものであり、上記繰り返し単位の90〜70モル%
    はRが、 および/または を表わすものであるコポリイミド、又は、繰り返し単位
    の90〜10モル%が式(II) で表わされる構造を有し、かつ繰り返し単位の10〜90モ
    ル%が式(III) で表わされる構造を有するコポリアミドイミドであるこ
    とを特徴とする液体混合物の分離方法。
  2. 【請求項2】コポリイミド膜又はコポリアミドイミド膜
    が非対称膜であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の分離方法。
  3. 【請求項3】コポリイミド膜又はコポリアミドイミド膜
    が熱処理されてなることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載の分離方法。
  4. 【請求項4】コポリイミド膜又はコポリアミドイミド膜
    が250℃以上の温度で熱処理されてなることを特徴とす
    る特許請求の範囲第3項に記載の分離方法。
  5. 【請求項5】コポリイミド膜又はコポリアミドイミド膜
    が280℃〜500℃の温度で熱処理されてなることを特徴と
    する特許請求の範囲第3項に記載の分離方法。
  6. 【請求項6】加熱処理後の膜がジメチルホルムアミド不
    溶成分を1重量%以上含有することを特徴とする特許請
    求の範囲第3項に記載の分離方法。
  7. 【請求項7】加熱処理後の膜がジメチルホルムアミド不
    溶成分を3〜90重量%含有することを特徴とする特許請
    求の範囲第6項記載の分離方法。
  8. 【請求項8】液体混合物が酸素含有有機化合物、窒素含
    有有機化合物、無機化合物及びこれらの混合物の水溶液
    であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の分
    離方法。
  9. 【請求項9】酸素含有有機化合物が、アルコール類、フ
    ェノール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、アル
    デヒド類又は有機酸類であることを特徴とする特許請求
    の範囲第8項記載の分離方法。
  10. 【請求項10】窒素含有有機化合物がニトリル類である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第8項に記載の分離方
    法。
  11. 【請求項11】無機化合物が無機酸類であることを特徴
    とする特許請求の範囲第8項記載の分離方法。
JP31586287A 1986-12-15 1987-12-14 液体混合物の分離方法 Expired - Lifetime JPH07121342B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31586287A JPH07121342B2 (ja) 1986-12-15 1987-12-14 液体混合物の分離方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29842486 1986-12-15
JP61-298424 1986-12-15
JP31586287A JPH07121342B2 (ja) 1986-12-15 1987-12-14 液体混合物の分離方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63270506A JPS63270506A (ja) 1988-11-08
JPH07121342B2 true JPH07121342B2 (ja) 1995-12-25

Family

ID=26561517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31586287A Expired - Lifetime JPH07121342B2 (ja) 1986-12-15 1987-12-14 液体混合物の分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07121342B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3010630B1 (de) * 2013-06-21 2022-03-09 Evonik Fibres GmbH Verfahren zur herstellung von polyimidmembranen
JP2016040356A (ja) * 2014-08-13 2016-03-24 ソルピー工業株式会社 ポリイミド組成物、ポリイミド成形体の製造方法、及びポリイミドフィルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63270506A (ja) 1988-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4385084A (en) Process for preparing a selective permeable membrane
EP0509260A1 (en) Composite or asymmetric fluorine-containing polyimide membrane, a process for manufacturing the same and a method for the separation and concentration of gas using the same
US4693824A (en) Process for the production of polybenzimidazole ultrafiltration membranes
JP2006528057A (ja) 耐溶剤性を有する一体的にスキンで覆われた非対称膜
EP0391699B1 (en) Pervaporation method of selectively separating water from an organic material aqueous solution through aromatic imide polymer asymmetric membrane
US5082565A (en) Semipermeable membrane made from polyether ketones
JP4057217B2 (ja) 耐溶剤性微孔質ポリベンゾイミダゾール薄膜の製造方法
EP0321569B1 (en) Process for separating liquid mixture
JP2003024755A (ja) 非対称中空糸ガス分離膜の製造方法
JPH0554372B2 (ja)
US5536408A (en) Hydrophilic, asymmetric, chemically-resistant polyaramide membrane
JPH0685858B2 (ja) 分離膜の製造方法
JPH02160026A (ja) 親水性分離膜
JPH07121342B2 (ja) 液体混合物の分離方法
JP2984716B2 (ja) 芳香族系分離膜
JP2900184B2 (ja) 芳香族系共重合分離膜
JPH0685861B2 (ja) 分離膜製造用ド−プ液
JPH05168880A (ja) 複合分離膜
JPH0685860B2 (ja) 分離膜の製法
JP2506837B2 (ja) 複合分離膜の製造方法
JP3239403B2 (ja) 複合分離膜
JPH0788601B2 (ja) 指型構造の空孔を有する中空糸の製造方法
KR100426183B1 (ko) 미세 다공성 폴리에테르술폰막 제조용 조성물 및 그를 이용한 미세 다공성 막의 제조방법
JP2646562B2 (ja) 選択透過性複合中空糸膜の製造方法
EP0753336A2 (en) Solvent resistant microporous polyimide membranes