JPH0788601B2 - 指型構造の空孔を有する中空糸の製造方法 - Google Patents

指型構造の空孔を有する中空糸の製造方法

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JPH0788601B2
JPH0788601B2 JP62001206A JP120687A JPH0788601B2 JP H0788601 B2 JPH0788601 B2 JP H0788601B2 JP 62001206 A JP62001206 A JP 62001206A JP 120687 A JP120687 A JP 120687A JP H0788601 B2 JPH0788601 B2 JP H0788601B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、3,4,3′,4′−ベンゾフエノンテトラカルボ
ン酸二無水物をトリレンジイソシアネートおよびメチビ
スフエニルイソシアネートの混合物と反応させて得られ
た芳香族コポリイミド及び/又は、4,4′−メチレンビ
スフエニルイソシアナートをトリメリツト酸無水物およ
びイソフタル酸の混合物と反応させて得られた芳香族コ
ポリアミドイミドの中空糸の製造方法に関するものであ
る。
すなわち、本発明はベンゾフエノンテトラカルボン酸系
の芳香族ポリイミド及び/又は、メチレンビスフエニル
イソシアネート系の芳香族ポリアミドイミドが極性有機
溶媒を主成分とする溶媒に溶解している溶液を中空糸の
紡糸用ドープ液として使用し、そのドープ液の中空糸状
体を形成し、凝固させる指型構造の空孔を有する中空糸
の製法方法に関するものである。
〔従来の技術およびその問題点〕
従来、ポリイミド中空糸の製造方法としては、種々の方
法が提案されており、たとえば、特開昭57−205517号公
報に記載されているように、ベンゾフエノンテトラカル
ボン酸系の芳香族ポリイミドをフエノール系化合物を主
成分とする溶媒に溶解させた溶液をドープ液として使用
して中空糸を製造する方法がある。また、特開昭57−16
7414号公報に記載されているように、ビフエニルテトラ
カルボン酸系の芳香族ポリイミドをフエノール系化合物
を主成分とする溶媒に溶解させた溶液をドープ液として
使用して中空糸を製造する方法等が知られているが、こ
の方法によるとフエノール系化合物として、たとえば、
p−クロルフエノールであれば、 (i) 高融点(43℃)であるため室温での取扱いが困
難、 (ii) 高沸点(219.75℃)であるため中空糸製造の最
終段階で溶媒除去が困難、 (iii) 有害、腐食性があるため作業性が悪い、 等の欠点を有しており、有利な方法とは言えない。
〔発明の目的〕
本発明者らは先にベンゾフエノンテトラカルボン酸系の
芳香族コポリイミドが極性有機溶媒に溶解しているコポ
リイミド溶液をドープ液として使用して、中空糸を紡糸
することによつて、耐熱性が高く、耐薬品性、機械的強
度に優れた芳香族コポリイミド中空糸を有利に製造でき
ることを見い出した。(特願昭61−69471号) 今回、本発明者等は、ベンゾフエノンテトラカルボン酸
系の芳香族コポリイミド、及び/又はメチレンビスフエ
ニルイソシアネート系の芳香族ポリアミドイミドを極性
有機溶媒に溶解させて固形分濃度8〜25重量%に調整し
た溶液をドープ液として使用し、中空糸を紡糸すること
によつて、耐熱性が高く、耐薬品性、機械的強度に優
れ、しかも液体の透過速度の高い指型構造の空孔を有す
る中空糸を有利に製造できることを見い出し、本発明に
到達した。
すなわち本発明の要旨は、一般式(I) の繰返し単位で表わされる構造を有するコポリイミドで
あつて、上記繰返し単位の10〜30モル%はRが を表わすものであり、上記繰返し単位の90〜70モル%は
Rが、 を表わすものであるコポリイミド、及び/又は、繰返し
単位の90〜70モル%が式(II) で表わされる構造を有し、かつ繰返し単位の10〜30モル
%が式(III) で表わされる構造を有するコポリアミドイミドを極性有
機溶媒に溶解させて、固形分濃度8〜25重量%に調整し
た溶液をドープ液として使用し、前記ドープ液を中空糸
用ノズルから押出すと同時に芯液あるいは芯ガスを該ノ
ズルの中心部より押出して中空糸状体を形成し、該中空
糸状を凝固させ、さらに温度50〜100℃の水で処理する
ことにより、中空糸の外側表面と内側表面にはさまれた
内部に指型構造の空孔を有する中空糸を製造することを
特徴とする指型構造の空孔を有する中空糸の製造方法に
存する。
本発明により得られる中空糸は気体混合物、液体混合物
の分離に好適に用いることができる。特に本発明により
得られる中空糸は水系、非水系の液体混合物の分離に好
適に用いることができる。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明においては、上記の式(I)、(II)および(II
I)で表わされるコポリイミド及び/又はコポリアミド
イミドを用いることにより分離性能、耐熱性、耐薬品性
及び機械的強度に優れ、しかも液体透過性に優れた中空
糸を再現性よく安定的に製造することができる。
分離膜の形状としては、シート状、スパイラル状、管
状、中空糸状等種々あるが、本発明のような中空糸状と
することにより単位容積当りの有効膜面積を大きくする
ことができ、また中空糸の外周側から加圧する場合に
は、管壁の厚さが小さい割に高圧に対する機械的強度が
高い等の利点が得られる。
本発明において、指型構造の空孔とは中空糸の内側表面
と外側表面にはさまれた内部に形成されており、円周方
向に1列あるいは複数列形成されている。空孔の大きさ
は、たとえば空孔が円周方向に1列に形成される場合、
空孔の長径が中空糸の肉厚未満であればよく、好ましく
は肉厚の99〜1%、より好ましくは99〜50%であればよ
い。また、たとえば空孔が円周方向に2列以上に形成さ
れる場合、同一直径上の各空孔の長径の和が肉厚未満で
あればよく、好ましくは肉厚の99〜1%、より好ましく
は99〜50%であればよい。空孔の短径の大きさは、上記
長径と同等か短かければよい。
本発明の中空糸の内表面と外表面にはさまれた内部にお
いて、上記指型構造の空孔以外の部分は両表面に連通
し、かつその平均孔径が厚み方向において変化している
傾斜型多孔質構造をとつており、空孔の表面にも連通し
た細孔が存在するため、空孔部分の透過抵抗は実質的に
無視することが可能であり、十分な透過速度及び機械的
強度を得ることができる。比較的孔径の小さい多孔質層
のみが存在していると、多孔質層における透過抵抗が大
きくなり、十分な透過速度を得ることができない。ま
た、比較的孔径の大きい多孔質層のみが存在している
と、多孔質層における透過抵抗は減少するため好ましい
が、多孔質層全体の機械的強度が低下し、内表面及び/
又は外表面に緻密層が存在する場合には緻密層を支持す
ることが困難となり好ましくない。
多孔質層の平均孔径は、厚み方向の各位置で1μm以下
であることが好ましい。これより孔径が大きいと機械的
強度が低下し好ましくない。
また本発明により得られる中空糸は、平均孔径が500Å
以下であり、厚みが1μm以下である緻密層を両表面の
いずれか一方又は両方に有していてもよい。平均孔径が
500Åより大きいと分離性能が低下し、また厚みがこれ
より厚いと透過速度が低くなつて好ましくない。
緻密層を両表面のいずれか一方又は両方に有している場
合には、緻密層に近い方の多孔質層の平均孔径が100〜1
000Å、緻密層から十分はなれた多孔質層の平均孔径が1
000〜5000Åであることが好ましい。これらの範囲より
孔径の小さいものは透過速度が小さくなり、これらの範
囲より孔径の大きいものは緻密層を支持することが困難
となり、機械的強度も小さくなるため、いずれも好まし
くない。また、多孔質層の孔径は緻密層の孔径よりも大
きくなければならない。
次に、上記本発明中空糸の製造方法について説明する。
本発明において使用される芳香族コポリイミドは一般式
(I) の繰返し単位の存在を特徴とするコポリイミドであり、
ここで上記繰返し単位の10〜30モル%はRが を表わすものであり、上記繰返し単位の90〜70モル%は
Rが を表わすものである。
このコポリイミドは例えばUSP 3,708,458号にも記載さ
れているように3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカ
ルボン酸二無水物を適当なモル比の4,4′−メチレンビ
スフエニルイソシアネート(4,4′−ジフエニルメタン
ジイソシアネート)およびトリレンジイソシアネート
(2,4−異性体、あるいは2,6−異性体、あるいはそれら
の混合物)とともに極性溶媒の存在下で反応させること
により容易に得ることができる。
また、本発明において使用される芳香族コポリアミドイ
ミドは繰返し単位の70〜90モル%が式(II) で表わされる構造を有し、かつ繰返し単位の30〜10モル
%が式(III) で表わされる構造を有するコポリアミドイミドである。
このコポリアミドイミドは米国特許第3,929,691号に教
示の方法により容易に製造される。このようなコポリア
ミドイミドは、前記特許に記載の操作を用いて約70モル
%から約90モル%対約30モル%から約10モル%の割合の
トリメリツト酸無水物とイソフタル酸の混合物とほぼ等
量の100モル%割合の4,4′−メチレンビスフエニルイソ
シアナートの反応から容易に得ることができる。
コポリイミド又はコポリアミドイミドの重合、および溶
解させるのに用いられる溶媒は、極性有機溶媒でありジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホ
ン、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチル尿素、
ピリジンなどが例示されるが、特に限定されるものでは
ない。また、これらを混合して使用してもかまわない。
本発明においてコポリイミドに対しては、好ましくはジ
メチルホルムアミド及びN−メチルピロリドンが用いら
れ、より好ましくはジメチルホルムアミドが用いられ
る。コポリアミドイミドに対しては好ましくはジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドンが用いられ、より好ましくはジメチルホルムアミ
ドが用いられる。
上述の重合に使用する極性有機溶媒の分量は、すべての
反応体が最初に溶解するのに少なくとも十分なものであ
ることが好ましい。溶媒の使用量は求めるコポリイミ
ド、又はコポリアミドイミドの粘度によつて調節される
ものであり、コポリイミド、又はコポリアミドイミドの
重量%は、通常約5重量%から約35重量%まで存在しう
る。
本発明で用いられるコポリイミド又はコポリアミドイミ
ドの対数粘度(ηinh)は0.1dl/g以上、より好ましくは
0.3〜4dl/g(N−メチルピロリドン中、0.5%、30℃で
測定)の範囲から選ばれる。
本発明においては上記コポリイミド及び/又はコポリア
ミドイミドの溶液を固形分濃度8〜25重量パーセント、
好ましくは10〜20重量パーセントに調整してドープ液と
して使用する。
固形分濃度が25重量パーセント以上であると指型構造が
形成されにくくなり、また、8重量パーセント以下であ
ると粘度が低いため中空糸状体自体の安定な形成が困難
になるため、いずれも好ましくない。
上記のドープ液を用いて中空糸を形成する方法として
は、基本的には、中空糸の内側表面を芯液あるいは芯ガ
ス等の流体と接触させ、かつ該中空糸の外側表面を凝固
浴と接触させることによつて行う。本発明による中空糸
はこのような芯液あるいは芯ガスと凝固浴による凝固条
件によつて透過性能がコントロールされ、さらに熱処理
条件によつても透過性能と機械的強度がコントロールさ
れる。
また、中空糸用ノズル出口と凝固浴間の距離(エアギヤ
ツプ)の設定の仕方によつても凝固条件をコントロール
することが可能である。
芯液あるいは芯ガスと凝固浴による凝固条件のコントロ
ールとは、具体的には凝固速度の制御であり、凝固速度
の速い側の表面ほど緻密層が形成されやすい。
本発明では上記のコントロールを行うことにより広範囲
の透過性能を有する中空糸を容易に製造することができ
る。たとえば、中空糸の内側の表面に、透過性能をコン
トロールする緻密層を形成させ、外側の表面に傾斜型多
孔質層を形成させるならば、芯液としては良溶媒である
極性有機溶媒、すなわちジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスル
ホキシド、ジメチルスルホン、ヘキサメチルホスホルア
ミド、テトラメチル尿素、ピリジン等が挙げられ、また
貧溶媒である水、プロパノール等の低級アルコール類、
アセトン等のケトン類、エチレングリコール等のエーテ
ル類、トルエン類の芳香族類、あるいはこれらの混合物
等が挙げられる。これらの中で良溶媒と貧溶媒の特定の
混合物が好ましい。なかでもジメチルホルムアミドと水
を特定の割合で混合した混合物が特に好適に用いられ
る。貧溶媒とは溶液中の溶媒と相溶性を有し、かつ溶質
との溶解性の低い溶媒であり、ここではドープ液との相
溶性が良好であつてコポリイミドとの溶解性が低いもの
である。
水とジメチルホルムアミドのような良溶媒と貧溶媒の混
合割合は特に制限されるものではなく、混合割合によつ
て異つた透過性能を有する中空糸が得られる。
芯液の代りに芯ガスとして空気、窒素等の不活性気体を
用いてもよい。
凝固させるのは液体中でも気体中でもよく、例えば液体
の凝固浴としては、水、プロパノール等の低級アルコー
ル類、アセトン等のケトン類、エチレングリコール等の
エーテル類、トルエン等の芳香族類あるいはこれらの混
合物等が用いられる。なかでも水が好適に用いられる。
中空糸用ノズルは凝固浴上に適当な間隔(エアギヤツプ
をおいて設置されることが好ましい。また、中空糸の外
側表面に緻密層を形成させる場合には、芯ガスとして空
気等を用い、液体の凝固浴として水あるいは水と極性有
機溶媒との混合物等を用いればよい。
また、気体の凝固浴としては空気、窒素等の不活性気体
が好ましい。
この発明の方法において、ポリイミド組成物(ドープ
液)の中空糸状体を形成する中空糸用ノズルとしては、
ポリマー溶液組成物のドープ液から中空糸状体を押出し
て形成することができれば、どのような形式の中空糸用
ノズルであつてもよく、例えば、チユーブ・イン・オリ
フイス型ノズル(tube in orifice type),セグメンテ
イツド・アーク型ノズル(Segmented arc type)などを
挙げることができる。この発明では、チユーブ・イン・
オリフイス型ノズルが、中空糸用ノズルとして好適であ
る。このチユーブ・イン・オリフイス型ノズルとして
は、ノズルヘツドの底面の中央に開口しているオリフイ
ス(内径0.2〜2mm)の中央に、チユーブ(外径0.15〜1.
6mm、内径0.05〜1.4mm)が位置しているものであり、オ
リフイスの開口内周面とチユーブの外周面との間の空隙
部(現状部)からドープ液を背圧で押し出し、同時にチ
ユーブの内孔から気体、または液体(芯液ともいう)を
供給して、中空糸状体を形成するのである。
この発明では、前述の中空糸状体の押し出しの際に、前
記中空糸用ノズルの内部のチユーブから押し出されつつ
ある中空糸状体の内部へ、気体または液体(芯液)を供
給しながら行うのである。
つぎに、中空糸形成時の操作条件について説明する。中
空糸の製造条件、例えば、ドープ液の押出し速度、芯液
あるいは芯ガスの吐出量、ノズル出口と凝固浴間の距離
(エアギヤツプ)、凝固時間、中空糸の引取り速度等
は、中空糸の外径100〜1000μm、管壁の厚さ50〜800μ
mとなるようにそれぞれの条件を調節することにより決
められるのであつて、目的とする寸法に形成されるなら
ば、特に制限されない。
例えば、中空糸外径670μm、内径350μの中空糸を製造
する場合には、ドープ液濃度を8〜25重量%とすると、
ドープ液の押出し速度として0.1〜100g/分、芯液として
水とジメチルホルムアミドを重量比40〜70/60〜30の割
合で十分混合した液、該芯液の吐出量として0.03〜30g/
分、エアギヤツプとして0〜3m、凝固時間1〜600秒、
引取り速度0.1〜200m/分で製造することができる。
中空糸用ノズルから垂直真下に押出されたドープ液およ
び芯液または芯ガスは凝固液中に導かれるが、このとき
ノズル出口と凝固浴の間に間隔があると、この部分でド
ープ液中の溶媒の一部が大気中に蒸発し、一方で、芯液
での凝固速度が速い場合は中空糸内側表面よりゲル化が
進行し、あるいは芯ガスが空気であつて凝固浴中より凝
固速度が遅い場合は中空糸外側表面よりゲル化が進行す
る。
中空糸用ノズルの出口を凝固浴中に浸漬して、直接凝固
浴中に押出してもよい。
こうして形成された中空糸状体を十分に水洗する。
凝固・水洗工程のあと、湿潤状態のまま、さらに温度50
〜100℃、好ましくは90〜100℃の水で処理する。処理時
間は中空糸の用途に応じて適宜選択すればよく、通常数
秒〜数時間、好ましくは1〜30分である。加圧下であれ
ば上記水の温度は100℃以上の条件でもよい。大気圧下
温度50〜100℃の水によつて処理することにより、本発
明の中空糸における気体および液体の透過速度を向上さ
せることができる。
本発明において、凝固・水洗工程のあと風乾させ、さら
に温度50〜100℃の水で処理した場合には透過速度の向
上の程度は小さく、好ましいとは言えない。
また、本発明では、温度50〜100℃の水で処理したあ
と、さらに乾燥炉で熱処理を行うこともできる。熱処理
を行うことによつて膜の機械的強度や耐薬品性、耐溶剤
性を増大させることができる。また熱処理の温度に応じ
て膜の分離性能を制御することが可能であるので、目的
とするガス透過速度が得られるよう熱処理温度、時間等
を決めればよい。たとえば、熱処理の温度としては、常
温〜350℃、好ましくは80〜300℃、熱処理の時間として
は、1〜60分、好ましくは3〜30分程度が好適である。
熱処理の仕方としては徐々に昇温させてもよいし、急激
に昇温させてもよい。
このようにして本発明の中空糸は製造される。
なお、上記の中空糸の製造工程において、熱水処理、熱
処理以外の部分は室温、大気雰囲気下で行うことができ
る。また、中空糸は適当な張力下で連続的に製造され
る。
つぎに本発明の中空糸を製造する装置について説明す
る。本発明の方法は、第3図に示すような紡糸装置によ
つて行うことができる。
すなわち、コポリイミド及び/又はコポリアミドイミド
溶液(ドープ液)1を適当な孔径を有する過フイルタ
ー2を通過させながら連続的にチユーブ・イン・オリフ
イス型ノズルを有する紡糸用ノズルヘツドに供給し、同
時に該ノズルのチユーブに芯液(あるいは芯ガス)4を
供給しつつ、該ノズルのオリフイス内周面とチユーブ外
周面との間の環状空隙からドープ液を中空糸状に押出
し、ドープ液の中空糸状体を形成し、その中空糸状体に
引張り力を加えて伸張させながら凝固浴5の中で凝固さ
せ、次いで、その中空糸状体を温度50〜100℃の水浴6
中を通過させて水処理し、その後、適当な張力下、乾燥
・熱処理炉7を通過させ、巻取機8により適当な張力、
曲率で巻き取る。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
製造参考例1 米国特許第3708458号の実施例4に述べられている手順
を使用し3,3′,4,4′−ベンゾフエノンテトラカルボン
酸無水物と80モル%のトリレンジイソシアネート(2,4
−異性体約80モル%と2,6−異性体約20モル%の混合
物)および20モル%の4,4′−ジフエニルメタンジイソ
シアネートを含む混合物より共重合ポリイミドを重合し
た。
重合溶媒はN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略
称)を使用し樹脂物濃度は21重量%であつた。このもの
を濃縮器にかけて25重量%のコポリイミド樹脂を得た。
このコポリイミドは30℃において固有粘度(DMF中、0.5
%)0.6dl/gを有していた。
製造参考例2 予備乾燥した10の反応器に614.82g(3.20モル)のト
リメリツト酸無水物および132.90g(0.80モル)のイソ
フタル酸を装入した。この反応器は温度計、凝縮器、撹
拌機及び窒素入口を備えていた。
5の乾燥したびん中に1000.96g(4.0モル)の4,4′−
メチレンビスフエニルイソシアナート(以下MDIと略
称)をはかり取り、次いで434mlのN−メチルピロリド
ン(以下NMPと略称)をはかり取つてMDIを溶解した。こ
のMDI溶液を反応器に加え、次いでMDIをはかり取つたび
んをすすぐために3650mlのNMPを加えた。
65rpmの撹拌速度および窒素雰囲気の下でこの溶液を3
時間40分にわたつて53℃から170℃まで加熱しさらに1
時間55分169℃〜171℃に加熱した。このようにして繰返
し単位の約80モル%が の構造を有し繰返し単位の約20モル%が の構造を有するランダムコポリアミドイミドのNMPの25
重量%溶液が得られた。
このコポリアミドイミドの30℃における対数粘度(ηin
h)(NMP中、0.5%)は0.603dl/gであつた。
この溶液をメタノール中に加え、ポリマーを析出させた
後、150℃で3時間乾燥し、コポリアミドイミド粉末を
得た。
コポリアミドイミド粉末をDMFにて溶解し17重量%の溶
液とし分離膜のドープ液とした。
比較例1 中空糸製造用ノズルから製造参考例1で得られたコポリ
イミド溶液を15重量%の固形分濃度となるようにDMFで
希釈したドープ液を一定流量で押出し、同時に芯ガスと
して空気を一定流量で押出して形成された中空糸状体を
直接室温の水からなる凝固浴液中へ導き10秒間浸漬した
のち4.5m/分で引き取った。この後水中に10分間浸漬し
一昼夜風乾後、200℃より10分かけて300℃とし、15分間
熱処理を行った。この中空糸を液体N2中で破断し、断面
を走査型電子顕微鏡(×300)で観察した結果、次の様
であった。また、第1図は得られた中空糸の形状を示す
図面代用写真である。
中空糸の形状 外 径 900μ 内 径 580μ 厚 さ 160μ 指型構造を有する空孔の形状 長 径 130〜150μ 短 径 7〜14μ この中空糸の透過性能は、透水量=0.007/m2・hr・at
m,窒素ガス透過量(QN2)=1.9×10-4cc/cm2・sec・cmH
g、水蒸気透過量(QH2O)=1.3×10-3cc/cm2・sec・cmH
gであった。
比較例2 製造参考例2で得られたコポリアミド溶液を中空糸製造
用ノズルから一定流量で押し出し、同時に芯液として水
とジメチルホルムアミドを50/50(重量比)の割合で混
合した液を一定流量で押出して形成された中空糸状体を
12cmのエアギャップをとって室温の水からなる凝固浴中
へ導き8秒間浸漬したのち一定速度で引き取った。この
後水中に10分間浸漬し一昼夜風乾後250℃で30分間熱処
理を行った。比較例1と同様に観察した結果、次の様で
あった。また、第2図は得られた中空糸の形状を示す図
面代用写真である。
中空糸の形状 外 径 950μ 内 径 620μ 厚 さ 165μ 指型構造を有する空孔の形状 長 径 約46〜83μ 短 径 約20〜23μ この中空糸の透過性能は、透水量=10/m2・hr・atm,Q
N2=1.2×10-3cc/cm2・sec・cmHg、QH2O=3.2×10-3cc/
cm2・sec・cmHgであった。
比較例3 芯液として水とジメチルホルムアミドを75/25(重量
比)の割合で混合した液を使用したこと以外は比較例2
と同様にして中空糸を製造し1昼夜風乾した。この中空
糸の断面を観察した結果、比較例2と類似の指状構造を
示した。又、この中空糸の透過性能は、透水量=60/m
2・hr・atm,QN2=2×10-2cc/cm2・sec・cmHg,QH2O=2.
5×10-2cc/cm2・sec・cmHgであった。
実施例1〜6及び比較例4〜5 製造参考例1で得られたコポリイミド溶液を、固型分濃
度17重量%となるようにジメチルホルムアミドで希釈し
たドープ液を中空糸製造ノズルから2.9g/分の流量で押
出し、同時に芯液として水とジメチルホルムアミドを50
/50(重量比)の割合で混合した液を一定流量で押出
し、形成された中空糸状体を直接室温の水からなる凝固
浴中へ導き8秒間浸漬した後一定速度4.1m/分で引き取
った。この後水中に10分間浸した。その後表1に示す条
件下で処理した。この中空糸の透水量の測定結果を表1
に示す。なお、これらの中空糸はいずれも比較例1と同
様に内部に指型構造の空孔を有する形状であった。
実施例7 10分間水中に浸漬した後、100℃の水で10分間処理した
ことの他は比較例1と同様にして中空糸を製造した。こ
の中空糸の形状は比較例1とほぼ同様であり、内部に指
型構造の空孔を有する形状であった。また、この中空糸
の透過性能は、透水量=3.6/m2・hr・atm,QN2=8.8×
10-3cc/cm2・sec・cmHg,QH2O=3.5×10-2cc/cm2・sec・
cmHgであった。
実施例8 10分間水中に浸漬した後、100℃の水で10分間処理した
ことの他は比較例2と同様にして中空糸を製造した。こ
の中空糸の形状は比較例2とほぼ同様であり、内部に指
型構造の空孔を有する形状であった。また、この中空糸
の透過性能は、透水量=20/m2・hr・atm,QN2=2.5×1
0-2cc/cm2・sec・cmHg,QH2O=2.9×10-2cc/cm2・sec・c
mHgであった。
実施例9 10分間水中に浸漬した後、100℃の水で30分間処理した
ことの他は比較例3と同様にして中空糸を製造した。こ
の中空糸の形状は比較例2とほぼ同様であり、内部に指
型構造の空孔を有する形状であった。この中空糸の透過
性能は、透水量=80/m2・hr・atm,QN2=2.3×10-2cc/
cm2・sec・cmHg,QH2O=3.0×10-2cc/cm2・sec・cmHgで
あった。
〔発明の効果〕
本発明の方法で製造される中空糸は耐熱性、耐薬品性、
機械的強度が優れていると共に芯液の組成のコントロー
ルや、熱処理条件のコントロールによつて透過性能の調
節が可能であり、液体分離膜としてきわめて好適であ
る。また、ガス分離膜、透析膜、各種膜材料を支持する
多孔質体等としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、比較例1〜2で得られた中空糸の
形状を電子顕微鏡で示した図面である。 第3図は本発明の中空糸の製造方法で用いる紡糸装置の
一例の概略説明図である。1はドープ液、2は濾過フィ
ルター、3は紡糸用ノズル、4は芯液又は芯ガス、5は
凝固浴、6は温水浴、7は乾燥・熱処理炉、8は巻取機
をそれぞれ示す。
フロントページの続き (72)発明者 今奈良 徹 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成工業株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−257202(JP,A) 特開 昭60−150806(JP,A) 特開 昭60−246812(JP,A) 特開 昭61−164602(JP,A) 特公 昭52−17133(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) の繰返し単位で表わされる構造を有するコポリイミドで
    あって、上記繰返し単位の10〜30モル%はRが を表わすものであり、上記繰返し単位の90〜70モル%は
    Rが、 を表わすものであるコポリイミド、及び/又は、繰返し
    単位の90〜70モル%が式(II) で表わされる構造を有し、かつ繰返し単位の10〜30モル
    %が式(III) で表わされる構造を有するコポリアミドイミドを極性有
    機溶媒に溶解させて、固形分濃度8〜25重量%に調整し
    た溶液をドープ液として使用し、前記ドープ液を中空糸
    用ノズルから押出すと同時に芯液あるいは芯ガスを該ノ
    ズルの中心部より押出して中空糸状体を形成し、該中空
    糸状体を凝固させ、さらに温度50〜100℃の水で処理す
    ることにより、中空糸の外側表面と内側表面にはさまれ
    た内部に指型構造の空孔を有する中空糸を製造すること
    を特徴とする指型構造の空孔を有する中空糸の製造方
    法。
  2. 【請求項2】温度50〜100℃の水で処理した後、さらに
    温度100〜350℃の条件下で熱処理することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載の製造方法。
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