JPH07121307A - 多重化ディスク装置 - Google Patents

多重化ディスク装置

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JPH07121307A
JPH07121307A JP5263233A JP26323393A JPH07121307A JP H07121307 A JPH07121307 A JP H07121307A JP 5263233 A JP5263233 A JP 5263233A JP 26323393 A JP26323393 A JP 26323393A JP H07121307 A JPH07121307 A JP H07121307A
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JP
Japan
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data
disk device
cache memory
disk
cache
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JP5263233A
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English (en)
Inventor
Tadashi Nakajima
正 中島
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 個々のディスク装置内に備えられたキャッシ
ュメモリを有効に活用できる多重化ディスク装置を提供
する。 【構成】 プロセッサ14は、ホスト21からアクセス
要求のあったデータのアドレス、サイズを基に、キャッ
シュ18の内容の更新を許可するディスク装置12を一
義的に決定し、そのキャッシュだけの内容の更新を許可
した後に、ホスト21からのアクセス要求に応答する。
これにより、2つのキャッシュメモリ18に記憶される
データを異なるようにすることができ、キャッシュヒッ
トする確率を高くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多重化ディスク装置に
係わり、特に、キャッシュメモリを備えたディスク装置
を複数台用いる多重化ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータなどの外部記憶装置として
用いられるディスク装置では、ヘッドとディスク媒体の
衝突などにより、ディスク媒体上に記憶しておいた情報
が失われてしまうことがある。このため、記憶装置とし
ての信頼性を向上させるために、同じ情報を複数台のデ
ィスク装置に多重化して格納することが行なわれてい
る。このような形で情報の記憶を行う多重化ディスク装
置は、通常、単体でも使用可能な複数台のディスク装置
と、それらのディスク装置を1台のディスク装置として
取り扱えるようにするコントローラで構成される。コン
トローラは、ホストからのデータのアクセス要求を受
け、その要求が、書き込み要求である場合には、複数台
のディスク装置全てに対して、そのデータを書き込み、
読み出し要求である場合には、複数台のディスク装置の
うちの所定の1台から、データを読み出し、ホストに転
送する。
【0003】このように、多重化ディスク装置は、ホス
ト側からは、通常のディスク装置と同様に取り扱える装
置であり、単体のディスク装置で用いられている技術
は、全て、多重化ディスク装置に適用可能である。たと
えば、特開昭62−86425号公報には、2台のディ
スク装置に共通するキャッシュメモリを設けた2重化デ
ィスク装置が提案されている。
【0004】図26に、その概要を示す。この2重化デ
ィスク装置では、前述のコントローラに相当する部分に
キャッシュメモリ18を設け、そのキャッシュメモリ1
8に書き込み要求のあったデータを一時記憶する。この
記憶が完了した時点で、コントローラ11は、ホストに
書き込み要求への応答が完了したことを通知する。ディ
スクへのデータの書き込みは、キャッシュメモリ18内
のデータを基に、コントローラ11が行う。また、特開
平1−154263号公報には、2つのディスク装置の
一方にキャッシュを設け、読み出し要求に対しては、そ
のキャッシュメモリが接続されたディスク装置で応答す
る2重化ディスク装置が提案されている。
【0005】さらに、個々のディスク装置にキャッシュ
メモリが備えられた装置に、特開平4−336620号
公報に記載の2重化ディスク装置がある。この装置で
は、個々の装置に設けられたキャッシュメモリを介して
装置間でデータの複写を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
多重化ディスク装置に組み込まれるディスク装置は、単
独で用いることもできるディスク装置である。また、単
独で用いるディスク装置の多くは、キャッシュメモリを
備えた形で製造されている。このため、多重化ディスク
装置も、このようなキャッシュ付ディスク装置のキャッ
シュを有効に活用するものであることが望まれる。複数
のディスク装置を制御するコントローラ内にキャッシュ
メモリを設けた従来の装置では、各ディスク装置内にキ
ャッシュメモリが存在しても、その存在が、装置の応答
性の向上に寄与することはあまりない。また、特開平4
−336620号公報に記載の2重化ディスク装置で
は、2つあるキャッシュメモリに同じ情報のコピーが作
成されてしまい、やはり、2重化ディスク装置内に存在
しているキャッシュメモリが有効に活用されていないと
いう問題があった。
【0007】そこで本発明の目的は、個々のディスク装
置内に備えられたキャッシュメモリを有効に活用できる
多重化ディスク装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
データ転送時にデータの一時記憶に用いられるキャッシ
ュメモリをそれぞれに備えた所定数のディスク装置と、
アクセス要求がなされたデータの識別情報を基に前記所
定数のディスク装置のうち1台のディスク装置を特定す
る特定手段と、特定手段により特定されたディスク装置
のキャッシュメモリの内容の更新を許可するとともに他
のディスク装置のキャッシュメモリの内容の更新を禁止
するキャッシュメモリ制御手段と、アクセス要求が書き
込み要求であった場合はそのデータを所定数のディスク
装置全てに書き込み、読み出し要求であった場合は所定
数のディスク装置のうちの1台から読み出してそのアク
セス要求に応答する応答手段とを具備する。
【0009】すなわち請求項1記載の発明では、アクセ
ス要求がなされたデータの、たとえば、ファイル名など
の識別情報を基に、所定数のディスク装置から1台のデ
ィスク装置を一義的に決定する特定手段を設け、これに
より特定されたディスク装置のキャッシュメモリだけの
内容の更新を許可し、他のディスク装置のキャッシュメ
モリの内容の更新を禁止してから、アクセス要求が書き
込み要求である場合には、全てのディスク装置にそのデ
ータを書き込み、読み出し要求である場合には、1台の
ディスク装置から読み出したデータでその要求に応答す
る。このように、複数のディスク装置に内蔵されたキャ
ッシュメモリのうち、1台だけの内容の更新を許可して
アクセス要求に応答するため、それらのキャッシュメモ
リには互いに異なるデータのコピーが記憶されるように
なり、読み出し要求時にキャッシュメモリ上に、要求さ
れたデータのコピーが存在する確率が高くなり、応答性
を向上させることができる。
【0010】請求項2記載の発明は、データ転送時にデ
ータの一時記憶に用いられるキャッシュメモリをそれぞ
れに備えた所定数のディスク装置と、ディスク装置のア
ドレス空間を区分けした複数の記憶領域と前記所定数の
ディスク装置との対応関係を設定する対応関係設定手段
と、アクセス要求がなされたデータのアドレスとサイズ
から前記対応関係を基に1台のディスク装置を特定する
特定手段と、特定手段により特定されたディスク装置の
キャッシュメモリの内容の更新を許可するとともに他の
ディスク装置のキャッシュメモリの内容の更新を禁止す
るキャッシュメモリ制御手段と、アクセス要求が書き込
み要求であった場合はそのデータを所定数のディスク装
置全てに書き込み、読み出し要求であった場合は所定数
のディスク装置のうちの1台から読み出してそのアクセ
ス要求に応答する応答手段とを具備する。
【0011】すなわち請求項2記載の発明では、対応関
係設定手段を用いて、予め、ディスク装置のアドレス空
間と各ディスク装置の対応関係を設定しておく。そし
て、特定手段は、この対応関係を基に、アクセス要求が
なされたデータのアドレスとサイズで定められる領域
が、どのディスク装置に割り当てられているかを検出す
ることにより、1台のディスク装置の特定を行なう。キ
ャッシュメモリ制御手段は、これにより特定されたディ
スク装置のキャッシュメモリだけの内容の更新を許可
し、他のディスク装置のキャッシュメモリの内容の更新
を禁止し、応答手段は、アクセス要求が書き込み要求で
ある場合には、全てのディスク装置にそのデータを書き
込み、読み出し要求である場合には、1台のディスク装
置から読み出したデータでその要求に応答する。このよ
うに、複数のディスク装置に内蔵されたキャッシュメモ
リのうち、1台だけの内容の更新を許可してアクセス要
求に応答するため、それらのキャッシュメモリには互い
に異なるデータのコピーが記憶されるようになり、読み
出し要求時にキャッシュメモリ上に、要求されたデータ
のコピーが存在する確率が高くなり、応答性を向上させ
ることができる。
【0012】請求項3記載の発明は、データ転送時にデ
ータの一時記憶に用いられるキャッシュメモリをそれぞ
れに備えた所定数のディスク装置と、ディスク装置のア
ドレス空間を区分けした複数の記憶領域と所定数のディ
スク装置との対応関係を設定する対応関係設定手段と、
アクセス要求がなされたデータのアドレスとサイズから
対応関係を基に1台のディスク装置を特定する特定手段
と、特定手段により特定されたディスク装置のキャッシ
ュメモリの内容の更新を許可するとともに他のディスク
装置のキャッシュメモリの内容の更新を禁止するキャッ
シュメモリ制御手段と、アクセス要求が書き込み要求で
あった場合はそのデータを所定数のディスク装置全てに
書き込み、読み出し要求であった場合は所定数のディス
ク装置のうちの1台から読み出してそのアクセス要求に
応答する応答手段と、読み出し要求への応答がキャッシ
ュメモリからのデータの読み出しにより実行されたか否
かを判定する判定手段と、判定手段による判定結果をそ
れぞれのキャッシュメモリについて累計するカウント手
段と、このカウント手段のカウント値を基に各キャッシ
ュメモリに対してその内容の更新が許可される確率が等
しくなるように対応関係を変更する対応関係変更手段と
を具備する。
【0013】すなわち請求項3記載の発明では、請求項
2記載の発明に判定手段とカウント手段と対応関係変更
手段を付加する。判定手段は、応答手段による読み出し
要求への応答が、キャッシュメモリ内のデータの読み出
しによりなされたか否かの判定を、たとえば、ディスク
装置の応答時間を所定の時間と比較することにより行な
う。カウント手段は、キャッシュメモリからデータが読
み出された回数、または、キャッシュメモリからデータ
が読み出されなかった回数を各キャッシュメモリに対し
てカウントする。対応関係変更手段は、カウント手段の
カウント値を基に、各ディスク装置へのアドレス空間の
割り当てを変更し、各キャッシュメモリに対して、その
内容の更新が許可される確率が等しくなるようにする。
このように、各キャッシュメモリの内容の更新が許可さ
れる確率が等しくなるように対応関係を変更する手段を
設けてあるため、各ディスク装置内に設けられたキャッ
シュメモリをさらに効率的に使用することができる。
【0014】請求項4記載の発明は、データ転送時にデ
ータの一時記憶に用いられるキャッシュメモリをそれぞ
れに備えた所定数のディスク装置と、アクセス要求のあ
ったデータが所定数のディスク装置のキャッシュメモリ
に記憶されているか否かを判定する判定手段と、判定手
段によりそのデータがいずれのキャッシュメモリにも記
憶されていないと判定された場合に前回のアクセス要求
時に内容の更新が許可されたキャッシュメモリとは異な
るキャッシュメモリの内容の更新を許可し、それ以外の
場合には判定手段がそのデータが記憶されていると判定
したキャッシュメモリの内容の更新を許可するキャッシ
ュメモリ制御手段と、アクセス要求が書き込み要求であ
った場合はそのデータを所定数のディスク装置全てに書
き込み、読み出し要求であった場合は所定数のディスク
装置のうちの1台から読み出してそのアクセス要求に応
答する応答手段とを具備する。
【0015】すなわち請求項4記載の発明では、内容の
更新を許可するキャッシュメモリの特定を判定手段の判
定結果に応じて行なう。判定手段は、たとえば、アクセ
ス要求のなされたデータの読み出しを実行することによ
り、そのデータがキャッシュメモリ内に記憶されている
か否かを判定する。キャッシュメモリ制御手段は、判定
手段が対象とするデータが記憶されたキャッシュメモリ
を見出したときには、そのキャッシュメモリの内容の更
新を許可し、他のキャッシュメモリの内容の更新を禁止
する。そして、対象とするデータがいずれのキャッシュ
メモリにも記憶されていないときには、前回、内容の更
新を許可したキャッシュメモリとは異なるキャッシュメ
モリの内容の更新を許可する。このように、内容の更新
を許可するキャッシュメモリを代えていくので、各キャ
ッシュの使用頻度が平均化し、キャッシュメモリを効率
的に使用することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例につき本発明を詳細に説明す
る。
【0017】図1に、本発明の一実施例における多重化
ディスク装置の構成を示す。実施例の多重化ディスク装
置は、コントローラ11と、2台のディスク装置1
A 、12B で構成され、コントローラ11は、インタ
ーフェイス13とプロセッサ14とプログラムメモリ1
5とメモリ16と、ディスク装置12へのインタフェー
ス17で構成される。ディスク装置12は、磁気ディス
ク媒体を用いた装置であり、半導体メモリからなるキャ
ッシュメモリ18を備え、キャッシュメモリの内容を更
新してディスク媒体にアクセスする動作モードと、その
内容を更新せずにアクセスする動作モードとを有する装
置である。以下の説明においては、便宜上、キャッシュ
メモリをキャッシュと表記することにする。インターフ
ェイス13は、ホスト21とのデータの転送を受持ち、
プロセッサ14は、プログラメモリ15内に格納された
プログラムに従い、インタフェース17を介して2台の
ディスク装置12を制御する。メモリ16は、装置の動
作に必要なパラメータの記憶と、ホストからのデータの
一時記憶に用いられる。
【0018】実施例の多重化ディスク装置では、2台の
ディスク装置へのアクセスに先がけ、それぞれのディス
ク装置に内蔵されたキャッシュの機能を設定する。この
設定は、2つのキャッシュ18A 、18B に、互いに異
なるデータのコピーを保持させるために行なうものであ
る。このためには、2つのキャッシュの内容の更新が共
に許可されることがないようにするとともに、同じデー
タ(同じアドレスで指定されるデータ)が異なるキャッ
シュに保存されることがないようにすることが必要であ
り、実施例の装置では、これらを以下に示す動作により
実現する。
【0019】プロセッサ14は、インターフェイス13
を介してホスト21より入力された情報が、ディスク装
置のアドレス空間と各キャッシュとの対応関係の設定を
指示するものであると判断したときには、その情報の内
容を基に、メモリ16内に、対応関係テーブルを作成す
る。このテーブルには、キャッシュ18A (ディスク装
置12A )に対応づけるアドレス空間上の領域と、キャ
ッシュ18B に対応づける領域の開始アドレスとサイズ
がリストアップされる。キャッシュに対応づける領域
は、連続した1つの領域である必要はなく、たとえば、
100単位のアドレス空間を有するディスク装置の、2
0単位までの領域と70単位以後の領域を一方のキャッ
シュに対応づけることもできるようにしてある。なお、
この対応関係テーブルのコピーは、ディスク装置内の所
定の記憶領域上にも作成され、装置の再立ち上げ時に
は、ディスク装置に格納された対応関係テーブルのメモ
リ16内への読み出しが行なわれるように装置を構成し
ている。
【0020】プロセッサ14は、この対応関係テーブル
を基に、ホスト21からのアクセス要求に応じて、両方
のディスク装置のキャッシュの内容が共に更新されるこ
とがないように、各キャッシュを制御する。まず、書き
込み要求に対する応答動作の説明を行なう。
【0021】図2に、ホストからの書き込み要求を受信
したときの、多重化ディスク装置の動作の流れを示す。
書き込み要求を受信したプロセッサ14は、その要求の
アドレスとサイズで指定される対象領域が、ディスク装
置12A に対応づけられているA領域に含まれるか否か
を判断(ステップS101)し、含まれる場合(Y)に
は、キャッシュ18A (キャッシュA)の内容の更新を
許可する制御情報をディスク装置12A に出力(ステッ
プS102)する。また、含まれない場合(N)には、
キャッシュ18B (キャッシュB)の内容の更新を禁止
する制御情報をディスク装置12B に出力(ステップS
103)する。そして、対象領域がディスク装置12B
に対応づけられているB領域に含まれるか否かを判断
(ステップS104)し、含まれる場合(Y)には、キ
ャッシュBの内容の更新を許可(ステップS105)
し、含まれない場合(ステップS104;N)には、キ
ャッシュBの内容の更新を禁止(ステップS106)す
る。
【0022】この一連の処理により、対象領域がA領域
に含まれる場合には、キャッシュAの内容の更新が許可
され、キャッシュBの内容の更新が禁止される。また、
対象領域が、B領域に含まれる場合には、逆に、キャッ
シュBの内容の更新が許可され、キャッシュAの内容の
更新が禁止される。そして、対象領域がA領域およびB
領域にまたがる場合には、2つのキャッシュに同じアド
レスで指定されるデータが記憶されることを防ぐため
に、両方のキャッシュの内容の更新が禁止される。
【0023】このように各キャッシュの機能を設定した
後に、プロセッサ14は、両方のディスク装置に対し
て、書き込み要求を出し、データの転送を行う(ステッ
プS107)。そして、各ディスク装置からの応答完了
信号を監視して、どちらか一方のディスク装置への書き
込みが完了したとき(ステップS108;Y)に、ホス
ト21に、書き込み要求への応答が完了したことを通知
(ステップS109)する。そして、両方のディスク装
置の書き込みが完了した後(ステップS110;Y)
に、動作を終了する。
【0024】次に、読み出し要求に対する応答動作を説
明する。
【0025】図3に、ホストからデータの読み出し要求
を受信したときの、多重化ディスク装置の動作の流れを
示す。ステップS201ないしS206の動作は、図2
のステップS101ないしS106の動作と同様のもの
であるので説明は省略する。プロセッサ14は、ステッ
プS206までの処理で、各ディスク装置のキャッシュ
の内容の更新を許可または禁止した後に、両方のディス
ク装置に対して、読み出し要求を行う(ステップS20
7)。そして、どちらか一方のディスク装置からのデー
タの読み出しが完了したとき(ステップS208;Y)
に、ホスト21に、読み出し要求の完了通知を出し(ス
テップS209)、読み出し要求に対する応答動作を終
了する。
【0026】このような動作により、各ディスク装置に
内蔵されたキャッシュには、互いに異なるデータが記憶
されるようになる。以下に、簡単なケースを例として、
実施例の多重化ディスク装置において、そのキャッシュ
の内容が変化するようすを説明する。
【0027】図4に、ここで説明に用いる2つのデータ
とディスク装置のアドレス空間との関係を示す。図示し
たように、ディスク装置のアドレス空間は2つに区分け
され、一方がディスク装置12A (図では、ディスクA
と表記してある。)に、他方がディスク装置12B (デ
ィスクB)に対応づけられているものとする。また、デ
ータ311 は、ディスクAに対応づけられた領域に格納
され、データ312 は、ディスクBに対応づけられた領
域に格納されるデータである。これら2つのデータ31
1 、312 の書き込み要求が、この順で、多重化ディス
ク装置に対してなされた場合を考える。なお、簡単のた
め、これらのデータはキャッシュと同じサイズであるも
のとし、各ディスク装置をコントローラが制御するもの
として説明を行なう。
【0028】図5に、データ311 が2つのディスク装
置に書き込まれていく過程を模式的に示す。コントロー
ラ11は、データの書き込みに先がけ、各ディスク装置
のキャッシュの内容の更新の許可、または、禁止を行な
う。この場合、データ311が、ディスク装置12A
対応づけられた領域のデータであるので、図2に示した
流れに従い、まず、キャッシュ18A の内容の更新が許
可され、キャッシュ18B の内容の更新が禁止される。
その後、両方のディスク装置に対して書き込み要求が出
される。このため、ディスク装置12A に対しては、矢
印で示したように、キャッシュ18A にデータ311
コピーが作成されてから、キャッシュ18A の内容が、
ディスクへ書き込まれる。また、ディスク装置12B
対しては、キャッシュ18B の内容が更新されることな
く、ディスクにデータ311 が書き込まれる。なお、コ
ントローラ11は、実線矢印で示した処理が完了した段
階で、ホストに要求応答完了通知を出し、破線矢印で示
した処理は、通常、バックグラウンド処理となる。
【0029】図6に、データ311 の書き込み後に、デ
ータ312 が2つのディスク装置に書き込まれていく過
程を模式的に示す。図4に示したように、データ312
は、ディスク装置12B に対応づけられた領域にあるデ
ータなので、データ312 の書き込みに際しては、キャ
ッシュ18B の内容の更新が許可され、キャッシュ18
A の内容の更新が禁止される。このため、図6に示した
ように、データ312は、キャッシュ18B にそのコピ
ーが形成されてから、ディスクに書き込まれ、ディスク
装置12A に対しては、キャッシュ18A の内容が書き
換わることなく、直接、ディスクに書き込まれる。
【0030】このように、実施例の多重化ディスク装置
によれば、2つの書き込み要求の結果、キャッシュ18
A にはデータ311 のコピーが、キャッシュ18B には
データ312 のコピーが、形成されることになる。
【0031】ここで、比較のため、両方のキャッシュの
内容の更新を常に許可する装置に、図5および図6で説
明に用いたのと同じ書き込み要求を出した場合を考え
る。なお、以下の説明においては、この装置を、比較例
の装置と表記する。
【0032】図7および図8に、比較例の装置におい
て、データ311 、312 が、2つのディスク装置に書
き込まれていく過程を模式的に示す。比較例の装置で
は、両方のキャッシュの内容の更新を常に許可している
ので、図7に示したように、データ311 は、いずれの
ディスク装置においても、キャッシュにそのデータのコ
ピーが形成された後に、ディスクへ格納される。この後
に、データ312 の書き込みが行なわれると、やはり、
キャッシュを介したデータの書き込みが行なわれるの
で、図8に示したように、データ311 のコピーを保持
していたキャッシュ18A および18B は、その内容が
書き換えられ、いずれもデータ312 のコピーを保持す
るようになる。
【0033】このように、書き込んだデータは同じであ
るにもかかわらず、比較例の装置では、2つのキャッシ
ュに同じデータのコピーが保持され、実施例の多重化デ
ィスク装置では、個々のキャッシュに、それぞれ異なる
データのコピーが保持されるようになる。ここでは、キ
ャッシュの内容が変化するようすを、書き込み時の動作
で説明したが、読み出し時にも同様のことが起こる。
【0034】図9に実施例の多重化ディスク装置におけ
る、読み出し動作の概要を模式的に示す。コントローラ
11は、読み出し要求がなされたデータのアドレス、サ
イズを基に、図3に示した流れ図に従い、片方のキャッ
シュの内容の更新を許可してから、両ディスク装置にデ
ータの読み出し要求を行なう。これにより、読み出すべ
きデータが、ディスク装置12A に対応付けられた領域
のデータであるときには、図示したように、そのデータ
のコピーがキャッシュ18A に作成される。
【0035】図10に比較例の装置における、読み出し
動作の概要を示す。比較例の装置では、両方のキャッシ
ュの内容の更新が許可されているため、コントローラ1
1が両ディスク装置に読み出し要求を出した際には、両
方のキャッシュにそのデータのコピーが形成されてしま
う。
【0036】ここで、これら読み出し要求への応答動作
を、タイミング図を用いて再度説明することにする。
【0037】図11に、実施例の多重化ディスク装置に
おける読み出し要求への応答動作のタイミングを示す。
なお、ホストから読み出し要求がなされたデータは、デ
ィスク装置12A に対応づけられたデータであるとし、
また、そのデータのコピーはキャッシュ内に保持されて
いないものとする。
【0038】ホストからの読み出し要求41を受けたコ
ントローラは、図3に示した流れに従い、ディスク装置
12A に、キャッシュ18A の内容の更新を許可する制
御信号を出力し、ディスク装置12B に、キャッシュ1
B の内容の更新を禁止する制御信号を出力する。その
後、各ディスク装置に対して、データの読み出し要求信
号42A 、42B を出力する。これを受けた2台のディ
スク装置は、それぞれデータの読み出し動作を開始し、
ヘッドとディスク媒体との相対的な位置関係が、そのデ
ータの読み出しに適当なものになるのをまって、ディス
クからデータの読み出しを開始する。そして、いずれか
一方のデータの読み出しが完了した時点で、ホストへ応
答完了通知43を出力する。
【0039】ヘッドの移動およびディスク媒体の回転に
必要な時間“t”は、そのときの状況により異なり、キ
ャッシュの内容の更新が禁止されているディスク装置か
らの応答の方が早い場合もある。実施例の装置では、早
く応答があった方のディスク装置から読み出したデータ
をホストに転送する。このため、図11に示したように
ディスクBからの応答の方が早い場合には、ディスクB
から読み出されたデータが、ホストへ転送される。しか
し、このときキャッシュBの内容の更新は禁止されてい
るため、キャッシュBにそのデータのコピーが形成され
ることはなく、常に、キャッシュの内容の更新が許可さ
れているキャッシュAに読み出されたデータのコピーは
形成される。
【0040】図12に、比較例の多重化ディスク装置に
おける、ホストからの読み出し要求に応答する動作のタ
イミングを示す。比較例の装置では、両方のディスク装
置に内蔵されたキャッシュの内容の更新は許可されてい
るので、同じ読み出し要求に応答させた場合、図示した
ように、両方のキャッシュに読み出したデータのコピー
が形成される。
【0041】このように実施例の装置では、比較例の装
置と比べて、キャッシュを制御するための制御信号を出
力する分、読み出し要求が完了するまでに必要な時間が
長くなることになるが、周知の如く、このような制御信
号の授受には、非常に短い時間が必要とされるだけであ
り、実施例の装置では、個々の読み出し要求への応答性
を劣化させることなく、各キャッシュに互いに異なるデ
ータを記憶させることができる。
【0042】また、実施例の多重化ディスク装置では、
個々の書き込み要求に対する応答性も劣化することはな
い。
【0043】図13、14に、それぞれ実施例、比較例
の装置の書き込み要求に対する応答動作のタイミングを
示す。図2を用いて既に説明したように、実施例の多重
化ディスク装置では、書き込み要求のあったデータのア
ドレス、サイズで一義的に定まる1つのキャッシュの内
容の更新を許可した後に、両ディスク装置に書き込み要
求を発行する。そして、何れか一方のディスク装置(通
常、図13に示したようにキャッシュの内容の更新を許
可したディスク装置)からの応答完了通知を受信した段
階で、ホストへ応答完了通知43を出力する。
【0044】比較例の装置では、両方のキャッシュの内
容の更新が常に許可されているため、図14に示したよ
うに、両方のキャッシュに書き込み要求のあったデータ
のコピーが形成されるが、やはり、一方のディスク装置
への書き込みが完了した段階で、ホストへの応答完了通
知43は出力される。このため、実施例、比較例の装置
を用いてデータの書き込みを行なったときに、ホストが
応答完了通知43を受信するまでの時間の差は、キャッ
シュを機能を設定するための制御信号の授受に必要な時
間だけであり、実際上、問題にならない程度のものであ
る。
【0045】以上詳細に説明したように、実施例の多重
化ディスク装置では、個々のアクセス要求への応答速度
を低下させずに、アクセス要求があったデータのアドレ
スとサイズを基に、内容の更新を許可するキャッシュを
一義的に定めてから、アクセス要求に応答しているた
め、各キャッシュに、互いに異なるデータのコピーが形
成されることになる。
【0046】図15を用いて、同一のアクセス要求に応
答したときに、実施例と比較例の装置のキャッシュ上に
記憶されるデータの違いを説明する。図中、網掛けして
ある部分がキャッシュ上にデータのコピーが形成されて
いるデータを表わす。一連のアクセス要求に応答した結
果、(a)に示したようなアドレスのデータのコピーが
実施例の装置内のキャッシュ上に形成された場合でも、
比較例の装置では、そのデータの総量が1台分のキャッ
シュの容量を越える場合には、(b)に示したようにそ
の一部のデータのコピーはキャッシュ上から失われてし
まう。このように、実施例の装置では、キャッシュ内に
存在するデータの総量が、比較例の装置と比べて多くな
り、その結果として、データの読み出し時にそのデータ
のコピーがキャッシュ上に存在する確率が高くなる。
【0047】図16に、キャッシュ上にデータのコピー
が存在した場合の、実施例の多重化ディスク装置におけ
る読み出し動作のタイミングを示す。このように、キャ
ッシュ上にデータのコピーが存在する場合には、ディス
クからデータを読み出す必要がなくなるため、ホストが
読み出し要求41を出力してから応答完了通知43が得
られるまで(データが読み出されるまで)の時間が、デ
ィスクからデータを読み出す場合(図11)に比べて短
くなる。なお、比較例の装置では、図17に示したよう
に、いずれかのキャッシュにデータのコピーが存在する
場合には、他方のキャッシュにもコピーが存在するが、
実施例の装置では、各キャッシュは互いに異なるデータ
のコピーを保持しているため、いずれか一方のキャッシ
ュにしか、そのコピーは存在していない。
【0048】装置内のキャッシュに互いに異なるデータ
が記憶されている実施例の多重化ディスク装置では、読
み出し要求への応答が、キャッシュ内のデータの読み出
しにより実行される、すなわち、図16に示したタイミ
ングで実行される確率が高くなり、読み出し要求に対す
る平均的な応答速度が早くなる。データの読み出し時
に、そのデータのコピーがキャッシュ上に存在する確率
は、ディスク装置のアドレス空間と各ディスク装置との
対応関係をうまく設定してやることにより、図15に示
したように比較例の装置の最大2倍まで高めることがで
きる。
【0049】第1の変形例
【0050】実施例の装置では、設定した対応関係が適
当なものである場合には、各キャッシュの使用頻度は等
しくなり、実行的なキャッシュの容量を個々のディスク
装置のキャッシュ容量の総和とすることができる。しか
し、その設定が適当なものでない場合や、ディスク装置
の記憶内容が更新されていった場合には、実行的なキャ
ッシュ容量は、その総和より少なくなってしまう。第1
の変形例の装置では、この対応関係の自動設定を行な
う。
【0051】第1の変形例の多重化ディスク装置の構成
は、実施例の装置と同様のものであるため、図1を参照
してその動作の説明を行なうことにする。
【0052】図18に、変形例の多重化ディスク装置に
おける、データの読み出し動作の流れを示す。変形例の
装置では、メモリ16内に、各ディスク装置に対するキ
ャッシュがヒットした場合をカウントした情報を記憶す
るための記憶領域を設定し、その記憶領域内のカウンタ
値を基に、対応関係の変更を行なう。この装置では、読
み出し要求を受信したときには、まず、実施例の装置と
同じ手順で、各キャッシュの内容の更新の許可、禁止を
行ない(ステップS301)、2台のディスク装置に、
受信したアクセス要求を発行する(ステップS30
2)。そして、どちらか一方からの読み出しが完了した
段階(ステップS303;Y)で、その応答に要した時
間“tR ”を算出し(ステップS304)し、その“t
R ”と設定値“tS ”との比較を行なう(ステップS3
05)。設定値“tS ”には、キャッシュからの読み出
しに必要な時間を僅かにうわまわる値が予め設定されて
いる。
【0053】そして、“tR >tS ”が成立する場合
(ステップS305;Y)に限り、ステップS301で
キャッシュの内容の更新が許可されたディスク装置に対
応するカウンタに1を加算(ステップS306)して、
読み出し動作を終了する。“t R >tS ”が成立する場
合は、キャッシュ内に読み出したデータのコピーがなか
ったときであるので、このように動作させることによ
り、読み出し要求時にキャッシュがヒットしなかった回
数をカウントすることができる。
【0054】変形例の装置では、ホストから所定の制御
情報を受信したときに、このカウンタ値を基に、対応関
係の変更を開始する。以下に、その変更動作の説明を簡
単に行なう。
【0055】図19に、変形例の多重化ディスク装置の
対応関係変更動作の流れを示す。対応関係の変更動作の
開始指示を受けたプロセッサ14は、キャッシュ1
A 、18B に対するカウンタ値“CA ”、“CB ”を
メモリから読み出し(ステップS401)、それらの値
を基に、対応関係の変更が必要か否かを判断(ステップ
S402)する。これらの値が完全に一致することは少
ないため、“CA ”と“C B ”が近い値であるときに
は、変更が必要でないと判断(N)し、対応関係を変更
せずにステップS406に進む。
【0056】対応関係の変更が必要と判断した場合(ス
テップS402;Y)には、カウンタ値が大きなディス
ク装置に対応づけられた記憶領域のうち、およそ(CA
−C B )/(CA +CB )の絶対値の1/2の容量の記
憶領域を、他方のディスク装置に対応づけるよう対応関
係テーブルを変更(ステップS403)する。そして、
ディスク媒体へのライトバックが必要なキャッシュ内デ
ータは、ディスク装置への書き込みを実行(ステップS
404)させ、キャッシュ内データをすべてクリア(ス
テップS405)する。ステップS404およびS40
5の処理は、対応関係の変更により、変更前には、キャ
ッシュAにコピーが形成されたデータのコピーがキャッ
シュBに形成されるようになり、同一アドレスで指定さ
れる異なる内容のデータが2つのキャッシュに存在して
しまうことを防ぐためである。最後に、カウンタ値“C
A ”、“CB ”を“0”にリセット(ステップS40
6)し、対応関係変更処理を終了する。
【0057】このように装置を構成することにより、各
キャッシュの使用頻度を等しくすることができ、各キャ
ッシュを効率的に使用することができるようになる。
【0058】第2の変形例
【0059】第2の変形例の装置では、予め、対応関係
の設定を行なうことなく、各キャッシュ上に異なるデー
タのコピーを形成させる。この装置の構成も、実施例の
装置と同様のものであるので、図1を参照して、その動
作の説明を行なうことにする。
【0060】図20に、第2の変形例の多重化ディスク
装置の読み出し動作の流れを示す。ホスト21からの読
み出し要求を受信したプロセッサ14は、まず、両方の
キャッシュの内容の更新を禁止(ステップS501)し
て、その読み出し要求を2台のディスク装置に対して発
行(ステップS502)する。そして、キャッシュから
の読み出しに必要とされる時間内にデータが読み出され
たならば(ステップS503;Y)、そのデータをホス
トに転送(ステップS504)して処理を終了する。デ
ータが所定時間内に読み出されない場合(ステップS5
03;N)には、いずれのキャッシュにもデータが存在
していないため、“NC ”で識別されるディスク装置の
応答動作の停止を指示(ステップS505)し、そのデ
ィスク装置のキャッシュの内容の更新を許可した後(ス
テップS506)、再びそのディスク装置に対して読み
出し要求を発行(ステップS507)する。なお、ステ
ップS505で行なっている応答動作の停止指示は、そ
のディスク装置が新たな要求を受け入れられるようにす
るための処理である。
【0061】データが所定時間内に読み出されない場合
(ステップS503;N)にも、データのホストへの転
送(ステップS508)が行なわれるわけだが、このス
テップは、便宜上、ステップS507につづけて表記し
てあるだけであり、ステップS503の後、データが読
み出された段階で行なわれる。そして、最後に、識別情
報“NC ”に、他のディスク装置を識別する情報をセッ
トし、読み込み動作を終了する。
【0062】図21に、第2の変形例の多重化ディスク
装置の書き込み動作の流れを示す。ホスト21からの書
き込み要求を受信したプロセッサ14は、まず、両方の
キャッシュの内容の更新を禁止(ステップS601)し
て、その書き込み要求で指示されているアドレス、サイ
ズのデータの読み出し要求を2台のディスク装置に対し
て発行(ステップS602)する。そして、キャッシュ
からの読み出しに必要とされる時間内にデータが読み出
されたならば(ステップS603;Y)、その読み出し
が行なわれたディスク装置のキャッシュの内容更新を許
可(ステップS604)して、2台のディスク装置に対
して書き込み要求を発行(ステップS607)する。
【0063】所定時間内にデータが読み出されないとき
(ステップS603;N)には、“NC ”で識別される
ディスク装置のキャッシュの内容の更新を許可し(ステ
ップS605)、識別情報“NC ”に、他方のディスク
装置を識別する情報をセット(ステップS606)し、
2台のディスク装置に対して書き込み要求を発行(ステ
ップS607)する。
【0064】このように、第2の変形例の装置では、キ
ャッシュ内に対象となるデータのコピーが存在しない場
合には、内容更新を許可するキャッシュを変えているの
で、各キャッシュの内容は異なり、また、各キャッシュ
の使用頻度も適度に分散する。
【0065】この第2の変形例の装置では、アクセス要
求の応答に先がけ、読み出しを行ない、キャッシュ内に
要求されたデータが存在しているか否かの判定を行なっ
ているが、ディスク装置にハードウェアを付加して、そ
の判定結果を出力させるようにしてもよい。
【0066】また、実施例、変形例で説明を行なった装
置は、いずれも2台のディスク装置で構成されたもので
あるが、本発明は、2台以上のディスク装置を備える多
重化ディスク装置であれば適用可能であり、たとえば、
図22に示したような3台のディスク装置に対しても適
用することができ、図23に示したようなキャッシュ付
ディスク装置のペアが複数存在するものにも適用するこ
とができる。また、コントローラ11とホスト21が分
離している必要もなく、図24に示すように、ホスト2
1内にコントローラ11が設けられていてもよい。
【0067】さらに、コントローラ11とディスク装置
12がパラレルに接続されている必要もなく、図25に
示すように、ディスク装置がデイジーチェーン接続され
ていてもよい。
【0068】また、実施例、第1の変形例で示した装置
では、アドレス情報を基に、内容の更新を許可するディ
スク装置の特定を行なっているが、ディスク装置の特定
手段はこれに限られるものではなく、たとえば、ファイ
ル名によって、内容の更新を許可するディスク装置を特
定するよう装置を構成してもよく、あるデータを識別す
る情報から一義にキャッシュを選択する方法であれば、
どのようなものでも本発明には適用可能である。
【0069】さらに、実施例、変形例では、半導体メモ
リをキャッシュメモリとして用いる磁気ディスク装置を
使用しているが、本発明は、2種の記憶手段を有し、そ
の一方が他方に比べて高速にアクセス可能な記憶手段で
あるものならば適用可能であり、たとえば、磁気ディス
ク装置をキャッシュメモリ(キャッシュデバイス)とし
て用い、光ディスク装置をディスク装置として用いたよ
うなシステムにも適用できる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項4記載の発明によれば、複数のディスク装置に内蔵
されたキャッシュメモリのうち、1台だけの内容の更新
を許可してアクセス要求に応答するため、それらのキャ
ッシュメモリには互いに異なるデータのコピーが記憶さ
れるようになり、読み出し要求時にキャッシュメモリ上
に、要求されたデータのコピーが存在する確率が高くな
り、記憶装置としての応答性を向上させることができ
る。
【0071】また、請求項3記載の発明によれば、各キ
ャッシュメモリの内容の更新が許可される確率が等しく
なるように対応関係を変更する手段を設けてあるため、
各ディスク装置内に設けられたキャッシュメモリをさら
に効率的に使用することができる。
【0072】請求項4記載の発明によれば、内容の更新
を許可するキャッシュメモリを代えていくので、各キャ
ッシュメモリの使用頻度が平均化し、キャッシュメモリ
を効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における多重化ディスク装
置の概要を示す構成図である。
【図2】 実施例による多重化ディスク装置の書き込み
要求に応答する動作の流れを示す流れ図である。
【図3】 実施例による多重化ディスク装置の読み出し
要求に応答する動作の流れを示す流れ図である。各ディ
スク装置の状態判定を行う動作の流れを示す流れ図であ
る。
【図4】 実施例による多重化ディスク装置の動作の説
明に用いる2つのデータとディスク装置のアドレス空間
の関係を示す説明図である。
【図5】 実施例の多重化ディスク装置による、図4の
1番目のデータの書き込み動作の概要を示す説明図であ
る。
【図6】 実施例の多重化ディスク装置による、図4の
2番目のデータの書き込み動作の概要を示す説明図であ
る。
【図7】 比較例の多重化ディスク装置による、図4の
1番目のデータの書き込み動作の概要を示す説明図であ
る。
【図8】 比較例の多重化ディスク装置による、図4の
2番目のデータの書き込み動作の概要を示す説明図であ
る。
【図9】 実施例の多重化ディスク装置におけるデータ
の読み込み動作の概要を示す説明図である。
【図10】 比較例の多重化ディスク装置におけるデー
タの読み込み動作の概要を示す説明図である。
【図11】 実施例の多重化ディスク装置におけるデー
タの読み込み動作手順を示すタイミング図である。
【図12】 比較例の多重化ディスク装置におけるデー
タの読み込み動作手順を示すタイミング図である。
【図13】 実施例の多重化ディスク装置におけるデー
タの書き込み動作手順を示すタイミング図である。
【図14】 比較例の多重化ディスク装置におけるデー
タの書き込み動作手順を示すタイミング図である。
【図15】 実施例と比較例のキャッシュ内に記憶され
るデータの総量の違いを示す説明図である。
【図16】 実施例の多重化ディスク装置における、キ
ャッシュヒットしたときのデータの読み込み動作手順を
示すタイミング図である。
【図17】 比較例の多重化ディスク装置における、キ
ャッシュヒットしたときのデータの読み込み動作手順を
示すタイミング図である。
【図18】 第1の変形例の多重化ディスク装置におけ
るデータの読み込み動作の概要を示す流れ図である。
【図19】 第1の変形例の多重化ディスク装置におけ
る対応関係変更動作の概要を示す流れ図である。
【図20】 第2の変形例の多重化ディスク装置におけ
るデータの読み出し動作の概要を示す流れ図である。
【図21】 第2の変形例の多重化ディスク装置におけ
るデータの書き込み動作の概要を示す流れ図である。
【図22】 本発明の応用例である3つのディスク装置
を備えた多重化ディスク装置の概要を示す構成図であ
る。
【図23】 本発明の応用例である、複数台のディスク
装置のペアを備えた多重化ディスク装置の概要を示す構
成図である。
【図24】 本発明の応用例である、ホスト内にコント
ローラを設けた多重化ディスク装置の概要を示す構成図
である。
【図25】 本発明の応用例である、ディスク装置とコ
ントローラとをデイジーチェーン接続した多重化ディス
ク装置の概要を示す構成図である。
【図26】 従来例の、コントローラ内部にキャッシュ
メモリを備えた多重化ディスク装置の概要を示す説明図
である。
【符号の説明】
11…コントローラ、12…ディスク装置、13、17
…インタフェース、14…プロセッサ、15…プログラ
ムメモリ、16…メモリ、31…データ、41、42…
書き込み要求、43…応答完了通知

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データ転送時にデータの一時記憶に用い
    られるキャッシュメモリをそれぞれに備えた所定数のデ
    ィスク装置と、 アクセス要求がなされたデータの識別情報を基に前記所
    定数のディスク装置のうち1台のディスク装置を特定す
    る特定手段と、 前記特定手段により特定されたディスク装置のキャッシ
    ュメモリの内容の更新を許可するとともに他のディスク
    装置のキャッシュメモリの内容の更新を禁止するキャッ
    シュメモリ制御手段と、 前記アクセス要求が書き込み要求であった場合は前記デ
    ータを前記所定数のディスク装置全てに書き込み、読み
    出し要求であった場合は前記所定数のディスク装置のう
    ちの1台から読み出してそのアクセス要求に応答する応
    答手段とを具備することを特徴とする多重化ディスク装
    置。
  2. 【請求項2】 データ転送時にデータの一時記憶に用い
    られるキャッシュメモリをそれぞれに備えた所定数のデ
    ィスク装置と、 前記ディスク装置のアドレス空間を区分けした複数の記
    憶領域と前記所定数のディスク装置との対応関係を設定
    する対応関係設定手段と、 アクセス要求がなされたデータのアドレスとサイズから
    前記対応関係を基に1台のディスク装置を特定する特定
    手段と、 前記特定手段により特定されたディスク装置のキャッシ
    ュメモリの内容の更新を許可するとともに他のディスク
    装置のキャッシュメモリの内容の更新を禁止するキャッ
    シュメモリ制御手段と、 前記アクセス要求が書き込み要求であった場合は前記デ
    ータを前記所定数のディスク装置全てに書き込み、読み
    出し要求であった場合は前記所定数のディスク装置のう
    ちの1台から読み出してそのアクセス要求に応答する応
    答手段とを具備することを特徴とする多重化ディスク装
    置。
  3. 【請求項3】 データ転送時にデータの一時記憶に用い
    られるキャッシュメモリをそれぞれに備えた所定数のデ
    ィスク装置と、 前記ディスク装置のアドレス空間を区分けした複数の記
    憶領域と前記所定数のディスク装置との対応関係を設定
    する対応関係設定手段と、 アクセス要求がなされたデータのアドレスとサイズから
    前記対応関係を基に1台のディスク装置を特定する特定
    手段と、 前記特定手段により特定されたディスク装置のキャッシ
    ュメモリの内容の更新を許可するとともに他のディスク
    装置のキャッシュメモリの内容の更新を禁止するキャッ
    シュメモリ制御手段と、 前記アクセス要求が書き込み要求であった場合は前記デ
    ータを前記所定数のディスク装置全てに書き込み、読み
    出し要求であった場合は前記所定数のディスク装置のう
    ちの1台から読み出してそのアクセス要求に応答する応
    答手段と、 読み出し要求への応答がキャッシュメモリからのデータ
    の読み出しにより実行されたか否かを判定する判定手段
    と、 前記判定手段による判定結果をそれぞれのキャッシュメ
    モリについて累計するカウント手段と、 このカウント手段のカウント値を基に各キャッシュメモ
    リに対してその内容の更新が許可される確率が等しくな
    るように前記対応関係を変更する対応関係変更手段とを
    具備することを特徴とする多重化ディスク装置。
  4. 【請求項4】 データ転送時にデータの一時記憶に用い
    られるキャッシュメモリをそれぞれに備えた所定数のデ
    ィスク装置と、 アクセス要求のあったデータが前記所定数のディスク装
    置のキャッシュメモリに記憶されているか否かを判定す
    る判定手段と、 前記判定手段により前記データがいずれのキャッシュメ
    モリにも記憶されていないと判定された場合に前回のア
    クセス要求時に内容の更新が許可されたキャッシュメモ
    リとは異なるキャッシュメモリの内容の更新を許可し、
    それ以外の場合には判定手段がそのデータが記憶されて
    いると判定したキャッシュメモリの内容の更新を許可す
    るキャッシュメモリ制御手段と、 前記アクセス要求が書き込み要求であった場合は前記デ
    ータを前記所定数のディスク装置全てに書き込み、読み
    出し要求であった場合は前記所定数のディスク装置のう
    ちの1台から読み出してそのアクセス要求に応答する応
    答手段とを具備することを特徴とする多重化ディスク装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007115019A (ja) * 2005-10-20 2007-05-10 Hitachi Ltd ストレージのアクセス負荷を分散する計算機システム及びその制御方法
JP2009151397A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Nec Corp 階層記憶制御装置、階層記憶制御システム及びそれらに用いる階層記憶制御方法及びそのプログラム

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