JPH07120726A - 液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH07120726A
JPH07120726A JP5269251A JP26925193A JPH07120726A JP H07120726 A JPH07120726 A JP H07120726A JP 5269251 A JP5269251 A JP 5269251A JP 26925193 A JP26925193 A JP 26925193A JP H07120726 A JPH07120726 A JP H07120726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
light
crystal display
display element
substrates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP5269251A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Yamada
信明 山田
Yasuhiro Yamamoto
靖浩 山本
Shuichi Kanzaki
修一 神崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP5269251A priority Critical patent/JPH07120726A/ja
Priority to US08/234,006 priority patent/US5625473A/en
Priority to NL9400719A priority patent/NL194705C/nl
Priority to KR1019940009931A priority patent/KR0151758B1/ko
Publication of JPH07120726A publication Critical patent/JPH07120726A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コントラストを向上して、表示品位を向上す
ることができる液晶表示素子を提供する。 【構成】 液晶表示素子11に於て、それぞれ板厚zの
一対のガラス基板16、17の間に表示媒体層33が挟
まれた構成である。一方のガラス基板17上には、液晶
表示素子11の各絵素に相当する位置に、絵素電極24
がマトリクス状に形成されている。各絵素電極24は、
相互に間隔dを隔てて配置される。本実施例の液晶表示
素子11に於て、前記間隔d、後述される紫外線による
パターンニングの際に用いられる紫外線の波長λ=0.
24μm、及びガラス基板16、17の板厚zに対し
て、光の回折現象に関する考察から、無次元数aが定め
られ、この無次元数aが定数1以上であるように、前記
間隔d及び板厚zが選ばれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子及びその
製造方法に関し、更に詳しくは、絵素毎の液晶領域が高
分子材料に囲まれている構成を有する液晶表示素子であ
り、液晶領域内の液晶及び高分子材料が配向状態により
TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nem
atic)、ECB(Electrically Conrtoled Birefringen
ce)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)などの
動作モード、又は、液晶領域或は液晶ドメインが絵素内
で軸対称に、即ち放射線状に配向している動作モードで
駆動される液晶表示素子に関する。さらに、本発明の液
晶表示素子は、絵素毎の前記高分子材料及び該液晶領域
内の液晶が共通な配置を有し、広視野角特性を有する液
晶表示素子に関する。具体的には、広視野角である特性
を利用して、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッ
サ、アミューズメント機器、テレビジョン受信機等に用
いられる平面型表示装置に応用することができ、或は光
を透過或は遮断するシャッタ作用を利用して、表示板、
窓、扉、壁等に応用することができる。さらに、一対の
ガラス基板の間に液晶層を挟んだ構成の液晶セル中に高
分子壁を有しているため、外力による液晶セル厚の変動
が少ないため、ペン入力装置にも適する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気光学効果を利用した表示素子
としてネマティック液晶を用いたTN型や、STN型の
ものが実用化されている。また、強誘電性液晶を用いた
物も提案されている。これらは、偏光板を要する物であ
り、また対向処理を必要とするものである。一方、偏光
板を要さず液晶の散乱を利用したものとして、動的散乱
(DS)効果および相転移(PC)効果がある。最近、
偏光板を要さず、しかも対向処理を不要とするものとし
て、液晶の複屈折性を利用し、透明または白濁状態を電
気的に制御する方法が提案されている。この方法は、基
本的には液晶分子の常光屈折率と支持媒体の屈折率とを
一致させ、電圧を印加して液晶の配向が揃うときには、
透明状態を表示し、電圧無印加時には、液晶分子の配向
の乱れによる光散乱状態を表示するものである。
【0003】提案されている方法として、特表昭61−
502128に液晶と光又は熱硬化性樹脂とを混合し樹
脂を硬化させることにより、一対の基板間に液晶を析出
させ、樹脂中に液晶滴を形成させる方法が開示されてい
る。
【0004】さらに、偏光板を用いる非散乱型動作モー
ドの液晶表示素子として、特開平5−27242に、液
晶と光硬化性樹脂との混合物に紫外線を照射することに
より、液晶と高分子とを相分離させて、高分子材料中に
液晶領域がマトリックス状に配置された構成のランダム
マトリックスを有する液晶セルを開示している。しか
し、本従来技術の方法は、各液晶領域を絵素領域と一致
させるようにしていないために、絵素内に高分子材料が
入り込み、光透過率が低下し、コントラストが低下する
という不具合を発生している。
【0005】これらの問題を解決するために、本願発明
者らは、液晶材料と光重合開始剤との混合物を、一対の
基板を所定の間隔を隔てた状態でシール材によって固着
して得られたセル中に注入後、セルの絵素部分が遮光部
によって遮光されるようにホトマスクを被せ、このホト
マスクを介して紫外線を照射することにより、絵素部分
に液晶領域が集まり、絵素外に高分子部分が集まった液
晶表示素子を出願している。該先願の液晶表示素子に於
て、実質的にネマティック液晶を用い、液晶ドメインが
絵素内で放射線状又はランダム状態になっている場合、
液晶表示素子の視野角特性がTN液晶セルに比べ著しく
改善される。また、強誘電性液晶材料やSTNを用いた
場合、高分子壁による液晶分子に対する補強効果で、液
晶表示素子の耐衝撃性が著しく改善され、かつ、絵素部
分に液晶領域が形成されるために、前述したようなコン
トラスト特性の低下も少ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記いずれの従来技術
或に於いても、紫外線の照射工程に於いて、ホトマスク
と液晶層との間に透光性基板の板厚だけの距離が存在す
るため、絵素間の距離が短い場合、或は絵素の幅が狭い
場合、照射光が回折を生じ、基板間の前記混合物に於い
て、絵素内に相当する部分に光が回り込み、絵素内で高
分子が硬化し、コントラストの低下を引き起こし、表示
品位を低下させるという不具合を生じている。
【0007】本発明は、前記問題点を解決するためにな
されたものであり、コントラストを向上して、表示品位
を向上することができる液晶表示素子を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示素子
は、少なくとも一方が透光性であり、複数の絵素がマト
リクス状に配列された一対の基板と、該一対の基板の間
に挟まれ、該一対の基板上に固着された高分子材料と、
該高分子材料中に各絵素毎に配置され、該高分子材料に
囲まれた複数の液晶領域を有する表示媒体層とを備え、
該複数の絵素の間の距離、又は、絵素の幅のいずれかの
最小長さdと、該透光性を有する基板の板厚zとは、こ
れらの長さd、板厚z及び予め定められる光の波長λに
基づいて、下式で定められる無次元数a
【0009】
【数3】
【0010】が1以上となるように選ばれ、そのことに
よって、上記目的が達成される。
【0011】本発明において、前記透光性を有する基板
は、その表面に、前記各絵素毎に形成された複数の薄膜
トランジスタによって駆動される複数の絵素が形成さ
れ、該透光性を有する基板の板厚zに基づいて前記無次
元数aが定められる場合がある。
【0012】本発明において、前記光の波長λは、0.
24μmに選ばれる場合がある。
【0013】本発明の液晶表示素子の製造方法は、少な
くとも一方が透光性を有し、複数の絵素がマトリクス状
に配置される一対の基板間に、液晶材料と光硬化性樹脂
材料とを含む混合物を注入する工程と、複数の遮光部と
透光部とを有する光透過部材を用いて、強強度部分と弱
強度部分とが交互に繰り返される光強度分布を有する光
を一対の基板に照射することにより、光硬化性樹脂材料
を硬化させて、液晶と光硬化性樹脂材料とを相分離させ
る工程とを含み、該光強度分布を有する波長λの光にお
ける該弱強度部分の間、又は、該弱強度部分の幅の最小
長さd及び該透光性を有する基板の板厚zとは、これら
の長さd及び板厚zとに基づいて、下式で定められる無
次元数a
【0014】
【数4】
【0015】が1以上であるように選ばれ、そのことに
よって、上記目的が達成される。
【0016】本発明において、前記光透過部材として、
複数の遮光部が間隔を隔てて配置されているホトマスク
が選ばれ、前記波長λは、0.24μmに選ばれ、ホト
マスクの該遮光部間、又は、該遮光部の幅の最小値d、
及び前記透光性を有する基板の板厚zに基づいて、前記
無次元数aが定められる場合がある。
【0017】
【作用】上記従来技術の有する課題を解決するために、
本願発明者は、複数の遮光部と透光部とを有する光透過
部材の形状と、該光透過部材と液晶層との距離との関係
に関して鋭意検討を行った。その結果、上記の発明を得
た。以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0018】光透過部材の複数の遮光部の間の距離が短
くなると、照射に用いられる光の回析現象が無視できな
くなる。この回析現象を考慮すれば、光透過部材の遮光
部の間の距離、あるいは遮光部の幅が小さい場合、光が
絵素内に相当する表示媒体層の部分に回り込み、絵素内
の前記重合性化合物を硬化させることとなる。このた
め、本発明において、前記光透過部材の形状又は、絵素
の形状に制限を設けている。これにより、前記照射に用
いられる光の回析現象の発生を防止することができ、液
晶材料と光重合性樹脂との均一混合物から重合性化合物
を局所的に硬化させ、液晶と高分子材料とを相分離させ
る時に、絵素内に紫外線照射されないようにできる。こ
れにより、絵素内に高分子材料が形成されることが防止
され、コントラストが向上され、表示品位を格段に向上
することができる。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を示すが、本発明は、こ
れに限定されるものではない。
【0020】(実施例1、2、3及び比較例1)図2は
本発明の一実施例の液晶表示素子11の断面図である。
液晶表示素子11は、表示に用いられる複数の絵素がマ
トリクス状に配列された構成を有する。液晶表示素子1
1に於て、それぞれ板厚zの一対のガラス基板16、1
7の間に表示媒体層33が挟まれた構成である。一方の
ガラス基板17上には、液晶表示素子11の各絵素に相
当する位置に、絵素電極24がマトリクス状に形成され
ている。各絵素電極24は、相互に間隔dを隔ててマト
リクス状に配置される。本実施例の液晶表示素子11に
於て、前記間隔d、後述される紫外線によるパターンニ
ングの際に用いられる紫外線の波長0.36μmに対す
る、ガラス基板16、17中の紫外線の波長λ(一例と
して0.24μm=紫外線の波長0.36μm÷ガラス
の屈折率1.5)及び、前記紫外線によるパターンニン
の際に用いられるホトマスクと表示媒体層3との距離で
あるガラス基板16、17の板厚zに基づいて、以下の
(1)式によって無次元数a
【0021】
【数5】
【0022】が定められ、この無次元数aが定数1以上
となるように、前記間隔d及び板厚zが選ばれる。他方
のガラス基板16上には、例として、複数の帯状の共通
電極25が形成されている。
【0023】前記絵素電極24及び共通電極25をそれ
ぞれ被覆し、各ガラス基板16、17上に配向膜20、
21が形成されている。本実施例の変形例として、配向
膜20、21は、形成されなくてもよい。ガラス基板1
6、17は、その周縁部に於てシール材23でシールさ
れている。各ガラス基板16、17の両側には、偏光板
13、14が装着されている。前記表示媒体層33は、
絵素26毎にガラス基板16、17の間に連なって形成
される高分子壁32で囲まれた液晶領域22を有してい
る。前記絵素電極24、共通電極25及び絵素電極24
と共通電極25とで挟まれた液晶領域22を含んで各絵
素26が構成される。前記偏光板13、14が装着され
て液晶表示素子11が構成され、更に、液晶表示素子1
1の前記各絵素電極19及び共通電極18に駆動回路2
7が接続され、液晶表示装置12が構成されている。各
電極24、25に対して駆動回路27によって駆動電圧
が印加され、前記各絵素26を単位として表示が行われ
る。
【0024】以下に、本実施例の液晶表示素子11の製
造方法に付いて説明する。
【0025】図1は本実施例の液晶表示装置11の製造
に用いられるホトマスク28の平面図であり、図3は実
施例1、2、3及び比較例1の相違を説明するグラフで
あり、無次元数aの下限値1を含む複数の場合を示し、
図4は実施例1の絵素26の平面図であり、図5は実施
例2の絵素26の平面図であり、図6は実施例3の絵素
26の平面図であり、図7は比較例1の絵素26の平面
図である。
【0026】以下に、本実施例の液晶表示素子11の製
造工程に付いて説明する。ガラス基板16、17(z=
1.1mm)上にITO(酸化インジュウムおよび酸化
スズの混合物、50nm)からなる前記絵素電極24及
び共通電極25をそれぞれ形成する。この2枚のガラス
基板16、17の間に、球状、円筒状あるいは繊維状の
径5.5μmのスペーサー(図示せず)を散布すること
により、絵素電極24及び共通電極25の間の距離であ
るセル厚を均一に保たせてセルを構成した。作成したセ
ルの上に図1に示すホトマススク28を貼り合わせた。
使用したホトマスク28は、例として、横L1×縦L2
(例として、125μm×125μm)の四角形状の複
数の遮光部29が、マトリクス状に配列された構成であ
り、各遮光部29の間には透光部30が網目状に形成さ
れている。遮光部29間のスリット幅dは、実施例1、
2、3及び比較例1に於て、それぞれ25μm、20μ
m、15μm、10μmに選ばれた。
【0027】本実施例は、液晶表示素子及びその製造方
法において、液晶材料と光重合性樹脂との均一混合物か
ら重合性化合物を硬化させ、液晶と高分子材料を相分離
させて前記液晶領域22と高分子壁32とを形成する時
に、絵素26内に紫外線照射されないようにしたもので
ある。本実施例において、後述されるホトマスクの複数
の遮光部の間の距離が短くなると、照射に用いられる光
の回析現象が無視できなくなる。この回析現象を考慮す
れば、ホトマスク28の遮光部29の間の距離d、ある
いは遮光部29の幅の少なくともいずれかが小さい場
合、光が絵素26内に相当する表示媒体層33の部分に
回り込み、絵素26内の前記重合性化合物を硬化させる
こととなる。このため、本実施例に於て、後述されるよ
うに前記ホトマスク28の形状又は、絵素26の形状に
制限を設けている。
【0028】図3のグラフに前記ホトマスク28の遮光
部29の間の透光部30を回折スリットと等価とした場
合のスリット即ち透光部30による光の回析を計算した
結果を示す。縦軸が液晶領域22に照射される光の強度
であり、横軸が液晶領域22に於ける基板16、17側
表面上の、該透光部30に垂直な方向の距離である。中
央に引かれた2本の縦線は透光部30の幅、即ちスリッ
ト幅dを示している。図中、横に描かれた線40は、ホ
トマスク28が無い場合に照射される光の強度を示して
いる。
【0029】光の回析のパターンは、前記(1)式で定
義される無次元数aで特徴付けられる。ここでガラス基
板16、17中の光の波長λを、一例として、0.24
μm(=紫外線の波長0.36μm÷ガラスの屈折率
1.5)とすると、回析による光の回り込みを抑制し、
或は回避するためには、図3に示される前記液晶領域2
2に照射される光の強度分布について、図3に於ける前
記透光部30の幅内に、入射光量の大部分が入ることが
望ましい。図3に於いて、無次元数aが1未満であって
小さくなるほど、回折現象の程度が大きくなり、液晶領
域22に照射される光の強度分布が均一化されている。
一方、無次元数aが1以上であって、大きくなるほど、
光の強度分布が前記透光部30の幅内に相当する部分に
集中して行くことが分かる。従って、回析による光の回
り込みを抑制し、或は回避するためには、図3から、前
記(1)式で定義される無次元数aが1以上であること
が好ましいことが分かる。。
【0030】前記各実施例1、2、3及び比較例1に於
けるスリット幅dと前記無次元数aとを、下記表1に示
した。
【0031】
【表1】
【0032】作成された前記セル中に、R−684(日
本化薬社製)0.1gとスチレン0.05gとイソボル
ニルメタクリレート0.75g、パーフロロオクチルメ
タクリレート0.10gさらに液晶材料ZLI−479
2(メルク社製:カイラル剤S−811を液晶中に0.
3%添加)4gと光重合開始剤Irugacure65
1(チバガイギー社製)0.0025gを混合した混合
物を作成した。該混合物を40℃で注入し、その後、ホ
トマスク28のドットパターン側から平行光線を得られ
る高圧水銀ランプ下10mW/cm2の位置に於て、
(1秒照射、30秒照射無し)の照射サイクルを20サ
イクル行い、その後、10分間照射、さらに、ホトマス
ク28を10分間の間、取り除いて紫外線を照射して樹
脂を硬化させた。
【0033】作成された液晶セルの前後に、相互に偏光
方向が直交する2枚の偏光板を貼り合わせて、高分子壁
32に囲まれ、かつ、液晶ドメインが放射状に配置され
た液晶表示素子11を作成した。作成した液晶表示素子
11を顕微鏡で観察したところ、図4〜図7に示す通
り、実施例1〜3では、ホトマスク28のドットパター
ンどうりに、絵素26、即ち絵素電極24の配置状態及
びサイズの通りに液晶領域22が形成され、高分子壁3
2中に微少な液晶滴41が形成されれていることが確認
された。図4〜図6に示すように、実施例1、2、3の
順に、絵素26毎の液晶領域22が次第に小さくなって
いることが理解される。
【0034】一方、比較例1では、光の回折により遮光
領域である絵素26中にも紫外線が入り込み、絵素26
中にも高分子壁32が形成されている。さらに、これら
の事により、液晶表示素子11の電気光学特性は、下記
の表2に示すように、電圧off時の光の透過率Voff
がスリット幅dにより異なり、特に、比較例1で高分子
の微細なネットワークが形成されるためにVoffが低下
することが分かる。
【0035】
【表2】
【0036】(実施例4、比較例2)図8に示すよう
に、長方形部分42と、該長方形部分42の短辺部に設
けられた突起43とを有する形状の絵素26aがマトリ
クス状に形成され、各絵素を表示駆動するために、複数
のTFT(薄膜トランジスタ;図示せず)がマトリクス
状に形成されたTFT基板(基板板厚z=1.1mm)
を用い、該TFT基板とブラックマトリクスを有する対
向BM基板とを、実施例1と同様な製造工程で貼り合わ
せ、TFTセルを作成した。作成されたTFTセルに、
TFT基板側から図9に示すホトマスク28aをかぶ
せ、実施例1と同様の材料を注入し、実施例1と同様に
液晶セルにホトマスク28aを位置合わせして、紫外線
照射を行った。作成された液晶表示素子を偏光顕微鏡で
観察したところ、図10及び図11のように、実施例4
では、高分子壁21の絵素26aへの侵入がほとんど見
られず、比較例2では、絵素26a内に高分子材料が侵
入しているのが観測された。さらに、電圧OFF時の透
過率Voffを、TFT液晶セルに、相互に偏光軸が直交
している一対の偏光板を貼り合わせ、それぞれの表示媒
体層33が形成されていない空セルをブランクとして測
定した。その結果、下記表3に示すように、実施例4に
於て高い透過率を示すが、比較例2に於て、高分子が絵
素26a内に多く存在するために透過率が低下してい
る。
【0037】
【表3】
【0038】このようにして、前記各実施例1〜4及び
比較例1、2から、各実施例1〜4の液晶表示素子は、
コントらストが向上され、表示品位が向上されているこ
とが確認された。
【0039】以下に、本発明の変形例について説明す
る。
【0040】(モード)本発明の方法は、TN、ST
N、FLC、ECB、液晶ドメインが放射線状に又はラ
ンダムに配向したモードなどの各種モードの液晶を高分
子壁で囲んだ液晶表示素子を作成するときに応用するこ
とができる。
【0041】(光硬化性樹脂)光硬化性樹脂としては、
例えば、C3以上の長鎖アルカリ基またはベンゼン環を
有するアクリル酸及びアクリル酸エステル、さらに具体
的には、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸イソアミル、n−
ブチルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、
トリデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、n−ステアリルメタアクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フ
ェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルアクリレ
ート、イソボルニルメタクリレートさらにポリマーの物
理的強度を高めるために2官能以上の多官能性樹脂、例
えば、R−684(日本化薬製)、ビスフェノールAジ
メタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、
1、4−ブタンジオールジメタクリレート、1、6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、ネオペンチルジアクリレート、さらにより好まし
くは、ハロゲン化とくに塩素化、及びフッ素化した樹
脂、例えば、2.2.3.4.4.4−ヘキサフロロブ
チルメタクリレート、2.2.3.4.4.4−ヘキサ
クロロブチルメタクリレート、2.2.3.3−テトラ
フロプロピルメタクリレート、2.2.3.3−テトラ
フロロプロピルメタクリレート、パーフロロオクチルエ
チルメタクリレート、パークロロオクチルエチルメタク
リレート、パーフロロオクチルエチルアクリレート、パ
ークロロオクチルエチルアクリレートである。
【0042】(液晶材料)液晶については、常温付近で
液晶状態を示す有機物混合体であって、ネマティック液
晶(2周波駆動用液晶、△ε<0の液晶を含む)もしく
は、コレステリック液晶の添加されたネマチック液晶が
特性上好ましい。更に好ましくは、加工時に光重合反応
を伴うため耐化学反応性に優れた液晶が好ましい。具体
的には、化合物中、フッ素原子などの官能基を有する液
晶である。具体的には、ZLI−4801−000、Z
LI−4801−001、ZLI−4792、ZLI−
4427(メルク社製)などである。これらの液晶材料
と分子内に重合性官能基を有する液晶性化合物を選択す
るにあたり、それぞれの液晶性を発現する部分が類似し
ていることが、相溶性の観点から好ましい。特に、化学
的環境が特異なF、CI系液晶材料については、重合性
官能基を有する液晶化合物についてもF、CI系液晶材
料であることが好ましい。
【0043】液晶材料の屈折率は、
【0044】
【数6】 |nx−np|<0.1 …(2) nx;neまたはn0p;ポリマーの屈折率 であることが好ましい。上記範囲外では、屈折率のミス
マッチングがおこり表示にざらつきが多くなる。より好
ましくは、npがneとnoとの間の値である。この範囲
に入っていると液晶分子が電圧により駆動した場合でも
高分子の屈折率と液晶材料の屈折率との差が少なくな
り、液晶材料と高分子材料の界面で起こる散乱現象が極
端に少なくなる。
【0045】液晶と重合性化合物(含、液晶性重合化合
物)を混合する重量比は、液晶:重合性化合物が50:
50〜97:3が好ましく、さらに好ましくは、70:
30〜90:10である。液晶材料が50%を下回ると
高分子壁の硬化が高まり液晶セルの駆動電圧が著しく上
昇し、さらに基板の配向規制力に沿って配向している液
晶領域が減少し実用性を失う、さらに、液晶材料が97
%を上回ると高分子壁が十分に形成されず、また、物理
的強度が低下し安定した性能が得られない。
【0046】(光重合開始剤)光重合開始剤としては、
Irugacure184,651,907、Daro
cure1173,1116,2959など通常使用す
る光開始剤が使用できる。
【0047】混合比は、液晶と光硬化性樹脂の混合物全
体量に対して0.3〜5%が好ましい。0.3%以下で
は、光重合反のが十分に起こらず、5%以上では、液晶
と高分子材料の相分離速度が速すぎて制御が困難とな
り、液晶ドロップレットが小さくなり駆動電圧が高くな
る。
【0048】さらに、可視光で重合することができる光
重合開始剤も使用することができる。具体的には、Lu
cirin TPO(BASF社製)、KAYACUR
EDETX−S(日本化薬社製)、CGI369(チバ
ガイギー社製)などである。この場合、上記aの値中の
λの値を光開始剤の吸収波長に会わせて考える必要があ
る。これらの光開始剤は、プラスチック基板を用いると
きに、基板材料に紫外線付近の波長の光を吸収する為に
特に有効である。
【0049】(配向膜)配向膜の材料として、ポリイミ
ド(具体的には、SE150(日産化学社製)、サイト
ップ(旭硝子社製))をはじめとする有機膜、SiOな
どの無機膜などが使用でき、必要に応じてラビングなど
の配向処理を行っても良い。さらに、液晶ドメインをラ
ンダムに配向させる素子において、作成時に自動的に配
向膜と同じ効果を有する薄膜が、ガラス基板と液晶領域
間に生成されて配向膜の機能を達成するため、独立の配
向膜はなくてもよい。
【0050】(駆動法)本発明は、TFT、MIM(金
属ー絶縁膜ー金属の積層構造のスイッチング素子)など
のスイッチング素子を用いるアクティブ駆動またデュー
ティー駆動などの液晶表示素子の駆動法に応用できる
が、本発明では、特に限定しない。
【0051】(高分子壁の形状)前記各実施例に於て、
高分子壁32は、ガラス基板16、17の間を連結した
形状に形成されているが、本発明は、このような形状の
高分子壁32を有する液晶表示素子11及びその製造方
法に限定されるものではない。本発明の変形例として、
ガラス基板16、17の上に高分子壁32の機能を有す
る配向膜20、21となる高分子膜45を、図2に破線
で示すようにそれぞれ形成し、この高分子膜45の、図
2の高分子壁32が形成されている範囲に於ける膜厚
が、液晶領域22に相当する範囲における該高分子膜4
5の膜厚よりも大きく、隆起している形状に形成される
ようにしてもよい。
【0052】この場合、高分子膜45を形成する材料
は、ポリマーアロイ(高分子多成分系)の有機膜を用い
るようにしてもよい。このようなポリマーアロイをつく
るには、ポリマーブレンドがあり、異種ポリマー成分を
物理的方法で混合、分散し、マクロ相分離構造を制御す
る方法がある。また、化学的方法として、グラフト共重
合法、ブロック共重合法、IPN(相互貫入高分子網
目:interpenetrating polymer network)法があり、分
子構造の形成とミクロ相分離構造を制御する。
【0053】ポリマーアロイを用いる場合、ポリスチレ
ンとポリイソプレンのブロック共重合体を用いることが
でき、このブロック共重合体の成分比を変化させること
により、液晶の配向を絵素毎に、放射状、2軸性、また
は多軸性に配向させることができる。
【0054】また、前記高分子膜45として、スチレン
−テトラヒドロフランブロック共重合体等のブロック共
重合体や、ナイロンとポリプロピレンやポリエチレンと
ナイロン等のグラフト共重合体や、ポリメタクリル酸メ
チル/ポリエチレンブレンドやポリスチレン/ポリプロ
ピレンブレンド等のIPNや、ポリスチレンとポリスチ
レン−ポリイソプレン共重合体等のポリマ−ブレンドを
用いることができる。また、前記セル中に注入される混
合物中の液晶材料として、カイラルド−バントを加えて
いないネマティック液晶、或はカイラルド−バントを加
えたネマティック液晶材料を用いることができる。ま
た、液晶材料として、2色性色素を添加した液晶材料を
用いることができる。
【0055】このような高分子膜45によっても、絵素
26毎に液晶領域22を形成することができ、各液晶領
域22の界面に於てディスクリネーションラインが形成
されていることが確認された。従って、前記高分子膜4
5を用いる実施例に於いても、前記各実施例に於いて説
明された効果と同様な効果を達成することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明は、少なくとも一方が透光性を有
する一対の基板間に於て、高分子中に液晶材料が実質的
に囲まれた液晶素子を形成する方法であり、特に、液晶
材料と光重合性樹脂(光開始剤を含む)との混合物か
ら、紫外線照射による方法において、光のホトマスクに
よる回析を抑え意図的に液晶領域を作成することがで
き、液晶表示素子の明るさ、コントラストの低下を防ぐ
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の液晶表示素子11の製造工程に用い
られるホトマスク28の平面図である。
【図2】本発明の実施例1の液晶表示素子11の断面図
である。
【図3】実施例1、2、3及び比較例1の相違を説明す
るグラフである。
【図4】実施例1の絵素26の平面図である。
【図5】実施例2の絵素26の平面図である。
【図6】実施例3の絵素26の平面図である。
【図7】比較例1の絵素26の平面図である。
【図8】実施例4の絵素26aの平面図である。
【図9】実施例4のホトマスク28aの平面図である。
【図10】実施例4の絵素26aの平面図である。
【図11】比較例2の絵素26aの平面図である。
【符号の説明】
11 液晶表示素子 13、14 偏光板 16、17 ガラス基板 22 液晶領域 24 絵素電極 25 共通電極 26、26a 絵素 28、28a ホトマスク 32 高分子壁 33 表示媒体層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透光性であり、複数の
    絵素がマトリクス状に配列された一対の基板と、 該一対の基板の間に挟まれ、該一対の基板上に固着され
    た高分子材料と、該高分子材料中に各絵素毎に配置さ
    れ、該高分子材料に囲まれた複数の液晶領域を有する表
    示媒体層とを備え、 該複数の絵素の間の距離、又は、絵素の幅のいずれかの
    最小長さdと、該透光性を有する基板の板厚zとは、こ
    れらの長さd、板厚z及び予め定められる光の波長λに
    基づいて、下式で定められる無次元数a 【数1】 が1以上となるように選ばれる液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記透光性を有する基板は、その表面
    に、前記各絵素毎に形成された複数の薄膜トランジスタ
    によって駆動される複数の絵素が形成され、該透光性を
    有する基板の板厚zに基づいて前記無次元数aが定めら
    れる請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記光の波長λは、0.24μmに選ば
    れる請求項1に記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方が透光性を有し、複数の
    絵素がマトリクス状に配置される一対の基板間に、液晶
    材料と光硬化性樹脂材料とを含む混合物を注入する工程
    と、 複数の遮光部と透光部とを有する光透過部材を用いて、
    強強度部分と弱強度部分とが交互に繰り返される光強度
    分布を有する光を一対の基板に照射することにより、光
    硬化性樹脂材料を硬化させて、液晶と光硬化性樹脂材料
    とを相分離させる工程とを含み、 該光強度分布を有する波長λの光における該弱強度部分
    の間、又は、該弱強度部分の幅の最小長さd及び該透光
    性を有する基板の板厚zとは、これらの長さd及び板厚
    zとに基づいて下式で定められる無次元数a 【数2】 が1以上であるように選ばれる液晶表示素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記光透過部材として、複数の遮光部が
    間隔を隔てて配置されているホトマスクが選ばれ、前記
    波長λは、0.24μmに選ばれ、ホトマスクの該遮光
    部間、又は、該遮光部の幅の最小値d、及び前記透光性
    を有する基板の板厚zに基づいて、前記無次元数aが定
    められる請求項4に記載の液晶表示素子の製造方法。
JP5269251A 1993-05-06 1993-10-27 液晶表示素子及びその製造方法 Withdrawn JPH07120726A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5269251A JPH07120726A (ja) 1993-10-27 1993-10-27 液晶表示素子及びその製造方法
US08/234,006 US5625473A (en) 1993-05-06 1994-04-28 Liquid crystal display device with polymer walls and method for producing the same
NL9400719A NL194705C (nl) 1993-05-06 1994-05-02 Vloeibaar-kristalafbeeldingsinrichting alsmede werkwijze voor het vervaardigen daarvan.
KR1019940009931A KR0151758B1 (ko) 1993-05-06 1994-05-06 액정표시조사 및 그 제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5269251A JPH07120726A (ja) 1993-10-27 1993-10-27 液晶表示素子及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07120726A true JPH07120726A (ja) 1995-05-12

Family

ID=17469757

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5269251A Withdrawn JPH07120726A (ja) 1993-05-06 1993-10-27 液晶表示素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07120726A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0173803B1 (ko) 액정표시소자 및 그의 제조방법
KR0151758B1 (ko) 액정표시조사 및 그 제조방법
US5729318A (en) Liquid crystal display device having polymeric walls
US5729312A (en) LCD and method for producing the same in which a larger number of substrate gap control materials is larger in the polymer walls than in the liquid crystal regions
JP2930496B2 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
KR100228957B1 (ko) 액정소자 및 그의 제조방법
US5627665A (en) Liquid crystal display device and method for producing the same
US5473450A (en) Liquid crystal display device with a polymer between liquid crystal regions
JPH09318931A (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
US5535026A (en) Liquid crystal display device with a polymer between liquid crystal regions made by a heating and cooling process
US5638194A (en) Polymer dispersed ferroelectric liquid crystal display device and a method for producing the same
KR100269679B1 (ko) 액정 표시 소자 및 그의 제조 방법
JP2937684B2 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP3092896B2 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP3108571B2 (ja) 液晶表示入出力装置
US5781259A (en) Liquid crystal display apparatus
KR0162271B1 (ko) 액정표시소자 및 그 제조방법
JP3059030B2 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP2880354B2 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP3100521B2 (ja) 液晶表示素子
JP3054005B2 (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JPH07120726A (ja) 液晶表示素子及びその製造方法
JP3205503B2 (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JP3092899B2 (ja) 液晶表示素子およびその製造方法
JP2796912B2 (ja) 液晶電気光学装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010130