JPH0711981Y2 - サーマルプリントヘッド - Google Patents
サーマルプリントヘッドInfo
- Publication number
- JPH0711981Y2 JPH0711981Y2 JP1985137199U JP13719985U JPH0711981Y2 JP H0711981 Y2 JPH0711981 Y2 JP H0711981Y2 JP 1985137199 U JP1985137199 U JP 1985137199U JP 13719985 U JP13719985 U JP 13719985U JP H0711981 Y2 JPH0711981 Y2 JP H0711981Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- printing
- heat storage
- storage layer
- recording paper
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Electronic Switches (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、ワードプロセッサー、ファクシミリ或は電子
タイプライターなどのプリンター機構に組み込まれるサ
ーマルプリントヘッドの改良に関する。
タイプライターなどのプリンター機構に組み込まれるサ
ーマルプリントヘッドの改良に関する。
(従来の技術) 上記サーマルプリントヘッドの原理は、外部回路から入
力される電気信号に対応させて電気抵抗材料に電圧を印
加し、ジュール発熱させ、このジュール発熱により感熱
記録紙或は感熱リボンを感応させて印字・印画させるも
のである。
力される電気信号に対応させて電気抵抗材料に電圧を印
加し、ジュール発熱させ、このジュール発熱により感熱
記録紙或は感熱リボンを感応させて印字・印画させるも
のである。
かかるサーマルプリントヘッドの一例を第5図及び第6
図(イ)(ロ)により説明する。第5図におけるサーマ
ルプリントヘッドは、熱良導体の基体(例えばアルミナ
セラミックス)a上に、ガラス等より成る山型の蓄熱層
bを形設し、この蓄熱層bの上面に多数の発熱抵抗体
(窒化チタン等)c…を並列状態で被着してファインラ
インパターンを形成し、更に個々の発熱抵抗体c…上に
金・アルミニウム等の電極線を重層すると共に、山型頂
部の電極線をエッチングにより取り除き、配線電極dを
形成して得られるものである。このサーマルプリントヘ
ッドはワードプロセッサーなどのプリンタ機構に組み込
まれ、外部回路から入力される電気信号に対応させて配
線電極d,dを介し、発熱抵抗体c…に電圧を印加させ、
該発熱抵抗体c…にジュール発熱を越こさせて、その熱
を発熱抵抗体c…上に押圧される感熱記録紙若しくは感
熱リボン(以下、記録紙等という)に伝熱して逐次印字
・印画されるのである。
図(イ)(ロ)により説明する。第5図におけるサーマ
ルプリントヘッドは、熱良導体の基体(例えばアルミナ
セラミックス)a上に、ガラス等より成る山型の蓄熱層
bを形設し、この蓄熱層bの上面に多数の発熱抵抗体
(窒化チタン等)c…を並列状態で被着してファインラ
インパターンを形成し、更に個々の発熱抵抗体c…上に
金・アルミニウム等の電極線を重層すると共に、山型頂
部の電極線をエッチングにより取り除き、配線電極dを
形成して得られるものである。このサーマルプリントヘ
ッドはワードプロセッサーなどのプリンタ機構に組み込
まれ、外部回路から入力される電気信号に対応させて配
線電極d,dを介し、発熱抵抗体c…に電圧を印加させ、
該発熱抵抗体c…にジュール発熱を越こさせて、その熱
を発熱抵抗体c…上に押圧される感熱記録紙若しくは感
熱リボン(以下、記録紙等という)に伝熱して逐次印字
・印画されるのである。
(考案が解決しようとする問題点) 上記のようなサーマルプリントヘッドにおいて、画質を
向上するには発熱抵抗体c…の記録紙等に対する単位面
積当たりの印字圧を高くすることが有効であり、記録紙
等の機械的押圧力を増加することなく印字圧を高める方
法として第6図(ロ)に示すように蓄熱層bの幅Lを狭
めるかその高さHを高くすることが考えられる。ところ
が、蓄熱層bの厚み、即ち高さHは熱特性上30乃至60μ
mに維持する必要があり(何故なら30μmよりも小のと
きは基体に熱が吸収されて発熱体の温度が上がらなくな
り、一方60μmよりも大のときは放熱しにくくなる)、
高さHが制限される。その結果印字圧を高めるには第6
図(ロ)に示すように急峻な形状のものとならざるを得
ないが、このように蓄熱層bの形状が急峻であると、発
熱抵抗体c…や配線電極d…の被着形成が困難となり、
抵抗体c…、配線電極d…の断線が生じ易い。更にこの
ように急峻な形状の蓄熱層bをガラス等により形成する
こと自体が困難である上に頂部の狭い部位の電極線をエ
ッチングにより位置正しく取り除くことも容易ではな
い。そして、発熱抵抗体の露出位置が若干ずれたとき
は、発熱抵抗体と記録紙等との良好な接触を確保し難く
なり、良好な印字、印画が得られなくなる。従って、結
局、蓄熱層bは第6図(イ)に示すように緩やかな山形
断面の形状にならざるを得ず、画質の向上が困難であ
る。
向上するには発熱抵抗体c…の記録紙等に対する単位面
積当たりの印字圧を高くすることが有効であり、記録紙
等の機械的押圧力を増加することなく印字圧を高める方
法として第6図(ロ)に示すように蓄熱層bの幅Lを狭
めるかその高さHを高くすることが考えられる。ところ
が、蓄熱層bの厚み、即ち高さHは熱特性上30乃至60μ
mに維持する必要があり(何故なら30μmよりも小のと
きは基体に熱が吸収されて発熱体の温度が上がらなくな
り、一方60μmよりも大のときは放熱しにくくなる)、
高さHが制限される。その結果印字圧を高めるには第6
図(ロ)に示すように急峻な形状のものとならざるを得
ないが、このように蓄熱層bの形状が急峻であると、発
熱抵抗体c…や配線電極d…の被着形成が困難となり、
抵抗体c…、配線電極d…の断線が生じ易い。更にこの
ように急峻な形状の蓄熱層bをガラス等により形成する
こと自体が困難である上に頂部の狭い部位の電極線をエ
ッチングにより位置正しく取り除くことも容易ではな
い。そして、発熱抵抗体の露出位置が若干ずれたとき
は、発熱抵抗体と記録紙等との良好な接触を確保し難く
なり、良好な印字、印画が得られなくなる。従って、結
局、蓄熱層bは第6図(イ)に示すように緩やかな山形
断面の形状にならざるを得ず、画質の向上が困難であ
る。
第7図(イ)(ロ)は従来のヘッドによる印字・印画の
要領を示す模式縦断面図であり、第7図(イ)は平滑度
150秒(JISP8119及びTAPPI標準法T479に規定された試験
器により得られた平滑度、以下同様)程度の記録紙p等
に、また第7図(ロ)は平滑度50秒以下の記録紙(所謂
ラフペーパー)p等に夫々印字・印画する場合を示す。
前者の場合記録紙p等の表面は平滑である為、発熱抵抗
体cと記録紙p等との接触面積は充分大きく、良好な印
字結果が得られる。然し乍ら、後者の場合記録紙p等の
表面には径が200μmで深さが20μm程度の凹部p1が無
数に存在する為、蓄熱層bが上記のように緩やかな山形
断面の形状をしていると発熱抵抗体c…が凹部p1…の内
面に接触せず満足な印字・印画がなされない。かかる現
象は、間に転写リボンを介しラフな被転写紙に転写印字
する場合でも同様であり、サーマルプリントヘッドによ
るプリント機構の解決すべき大きな課題とされていた。
要領を示す模式縦断面図であり、第7図(イ)は平滑度
150秒(JISP8119及びTAPPI標準法T479に規定された試験
器により得られた平滑度、以下同様)程度の記録紙p等
に、また第7図(ロ)は平滑度50秒以下の記録紙(所謂
ラフペーパー)p等に夫々印字・印画する場合を示す。
前者の場合記録紙p等の表面は平滑である為、発熱抵抗
体cと記録紙p等との接触面積は充分大きく、良好な印
字結果が得られる。然し乍ら、後者の場合記録紙p等の
表面には径が200μmで深さが20μm程度の凹部p1が無
数に存在する為、蓄熱層bが上記のように緩やかな山形
断面の形状をしていると発熱抵抗体c…が凹部p1…の内
面に接触せず満足な印字・印画がなされない。かかる現
象は、間に転写リボンを介しラフな被転写紙に転写印字
する場合でも同様であり、サーマルプリントヘッドによ
るプリント機構の解決すべき大きな課題とされていた。
(考案の目的) 本考案は上記問題点に鑑みなされたものであり、蓄熱層
の形状を工夫することにより、印字圧を有効に高めて画
質を向上し、更に形状を工夫された蓄熱層の大きさを特
定することによりラフペーパーであっても良好な印字・
印画を可能とする新規なサーマルプリントヘッドを提供
するものである。
の形状を工夫することにより、印字圧を有効に高めて画
質を向上し、更に形状を工夫された蓄熱層の大きさを特
定することによりラフペーパーであっても良好な印字・
印画を可能とする新規なサーマルプリントヘッドを提供
するものである。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するための本考案の構成を実施例の図面
に基づき説明する。第1図は本考案サーマルプリントヘ
ッドの一実施例を示す部分切欠斜視図、第2図は第1図
のII−II線断面図、第3図は第1図のIII−III縦断面
図、第4図(イ)(ロ)は本考案のサーマルプリントヘ
ッドを用いた印字・印画の要領を示す模式縦断面図であ
る。
に基づき説明する。第1図は本考案サーマルプリントヘ
ッドの一実施例を示す部分切欠斜視図、第2図は第1図
のII−II線断面図、第3図は第1図のIII−III縦断面
図、第4図(イ)(ロ)は本考案のサーマルプリントヘ
ッドを用いた印字・印画の要領を示す模式縦断面図であ
る。
本考案のサーマルプリントヘッドは、断面形状が緩やか
な山形状をした基層部と、該基層部上に一体連続的に形
成され幅Aが50〜350μm、高さDが2〜30μmで、記
録紙等が面当接する頂面を有する隆起部とから成り、全
体の幅L′を400〜2000μm、全体の高さH′を20〜90
μmとした蓄熱層を、熱良導体の基板上に当該基板の長
手方向に沿って直線状に連続させて形成するとともに、
該蓄熱層の隆起部上に多数の発熱抵抗体を当該蓄熱層を
横切るように所定の間隔をもって並設的に被着配列して
成り、印字に際して該隆起部及びその上の発熱抵抗体が
表面に凹部を有する記録紙等の凹部内に侵入して該凹部
の内面に印字し得るようにしたことを特徴とする。
な山形状をした基層部と、該基層部上に一体連続的に形
成され幅Aが50〜350μm、高さDが2〜30μmで、記
録紙等が面当接する頂面を有する隆起部とから成り、全
体の幅L′を400〜2000μm、全体の高さH′を20〜90
μmとした蓄熱層を、熱良導体の基板上に当該基板の長
手方向に沿って直線状に連続させて形成するとともに、
該蓄熱層の隆起部上に多数の発熱抵抗体を当該蓄熱層を
横切るように所定の間隔をもって並設的に被着配列して
成り、印字に際して該隆起部及びその上の発熱抵抗体が
表面に凹部を有する記録紙等の凹部内に侵入して該凹部
の内面に印字し得るようにしたことを特徴とする。
(作用) 上記の構成を有する本考案のサーマルプリントヘッドに
おいては、上記の幅及び高さ寸法を有する隆起部22が緩
やかな山形断面形状の基層部22の上部に一体連続的に突
出し、該隆起部22の頂面に発熱抵抗体3…が設けられて
いるので、第4図(イ)に示す通り、平滑度の良い記録
紙pを通常の押圧力で押圧したとき強い圧力で印字圧さ
れて鮮明な印字、印画が得られ画質が向上する。
おいては、上記の幅及び高さ寸法を有する隆起部22が緩
やかな山形断面形状の基層部22の上部に一体連続的に突
出し、該隆起部22の頂面に発熱抵抗体3…が設けられて
いるので、第4図(イ)に示す通り、平滑度の良い記録
紙pを通常の押圧力で押圧したとき強い圧力で印字圧さ
れて鮮明な印字、印画が得られ画質が向上する。
また、平滑度が低い記録紙pを用いた場合でも、第4図
(ロ)に示すように記録紙pの表面の凹部p1…に発熱抵
抗体3…が深く侵入するため、従来のヘッドに較べ発熱
抵抗体3…と紙pとの接触面積が格段に向上する。従っ
て平滑度が50秒以下のラフペーパーであっても鮮明な印
字・印画が確実に保証される。この他転写リボンを使用
する場合は、転写リボンは、一般に、PET(ポリエチレ
ンテレフタレート)のフィルム等の基材にインクを付着
した構造を有しており、全体の厚みが50〜100μmと極
めて薄く形成されており、極めてフレキシブルなもので
ある。従ってこれをサーマルプリントヘッドとラフペー
パーの記録紙との間に介在させて印字を行う場合、記録
紙の表面に存在する凹部内に転写リボンを蓄熱層の発熱
抵抗体を含む隆起部と共に侵入させ凹部内面に転写リボ
ンのインクを付着させることができるので、感熱紙に印
字を行う場合と同様に、表面に凹部が多数形成されたラ
フペーパーに対しても鮮明な印字、印画を行うことがで
きる。すなわち、本願考案のサーマルプリントヘッドは
転写リボンを用いて印字を行う場合であっても、感熱紙
を用いて印字を行う場合と全く同様の作用を奏する。他
方、蓄熱層の全体の幅L′を400〜2000μm、全体の高
さH′を20〜90μmとしているので、蓄熱層をガラス等
により容易に形成できるとともに、発熱抵抗体と記録紙
等との接触圧を高め、適正な圧接力を確保し、蓄熱層に
おける蓄熱量を良好に維持してエネルギー効率を高め、
しかも過度の蓄熱による尾引き等の印字不具合が発生す
るのを有効に防止することができる。
(ロ)に示すように記録紙pの表面の凹部p1…に発熱抵
抗体3…が深く侵入するため、従来のヘッドに較べ発熱
抵抗体3…と紙pとの接触面積が格段に向上する。従っ
て平滑度が50秒以下のラフペーパーであっても鮮明な印
字・印画が確実に保証される。この他転写リボンを使用
する場合は、転写リボンは、一般に、PET(ポリエチレ
ンテレフタレート)のフィルム等の基材にインクを付着
した構造を有しており、全体の厚みが50〜100μmと極
めて薄く形成されており、極めてフレキシブルなもので
ある。従ってこれをサーマルプリントヘッドとラフペー
パーの記録紙との間に介在させて印字を行う場合、記録
紙の表面に存在する凹部内に転写リボンを蓄熱層の発熱
抵抗体を含む隆起部と共に侵入させ凹部内面に転写リボ
ンのインクを付着させることができるので、感熱紙に印
字を行う場合と同様に、表面に凹部が多数形成されたラ
フペーパーに対しても鮮明な印字、印画を行うことがで
きる。すなわち、本願考案のサーマルプリントヘッドは
転写リボンを用いて印字を行う場合であっても、感熱紙
を用いて印字を行う場合と全く同様の作用を奏する。他
方、蓄熱層の全体の幅L′を400〜2000μm、全体の高
さH′を20〜90μmとしているので、蓄熱層をガラス等
により容易に形成できるとともに、発熱抵抗体と記録紙
等との接触圧を高め、適正な圧接力を確保し、蓄熱層に
おける蓄熱量を良好に維持してエネルギー効率を高め、
しかも過度の蓄熱による尾引き等の印字不具合が発生す
るのを有効に防止することができる。
更に、上記隆起部22は記録紙が面当接するような頂面を
有しているので、発熱抵抗体3…が隆起部の中央より若
干ずれて形成されている場合でも、記録紙等を発熱抵抗
体に正確に当接させることができ、品質の高い印字、印
画を得ることができる。
有しているので、発熱抵抗体3…が隆起部の中央より若
干ずれて形成されている場合でも、記録紙等を発熱抵抗
体に正確に当接させることができ、品質の高い印字、印
画を得ることができる。
そして、本考案によれば、基層部21と隆起部22とから成
る蓄熱層2が直線状に連続させて形成されているので、
上記のように印字圧が高められるにも拘わらず、記録紙
等の押圧力は発熱抵抗体3…だけに集中することなく、
隆起部22全体に印加され適度に分散される。従って発熱
抵抗体3…やその上に被着される保護膜等に上記押圧力
に基づく大きな内部応力が発生することがなく、発熱抵
抗体等の膜剥がれを有効に防止できる。また、発熱抵抗
体3…近傍の隆起部22の熱は基層部21側だけでなく隆起
部の長手方向にも逃れ、発熱抵抗体近傍の蓄熱層がきわ
めて短時間に冷却されるので、発熱抵抗体の発熱周期を
速くして高速印字を行う場合でも発熱抵抗体近傍に熱が
こもることなく、非印字の際にこもった熱により印字さ
れるいわゆる尾引き等の不具合を生じることがない。
る蓄熱層2が直線状に連続させて形成されているので、
上記のように印字圧が高められるにも拘わらず、記録紙
等の押圧力は発熱抵抗体3…だけに集中することなく、
隆起部22全体に印加され適度に分散される。従って発熱
抵抗体3…やその上に被着される保護膜等に上記押圧力
に基づく大きな内部応力が発生することがなく、発熱抵
抗体等の膜剥がれを有効に防止できる。また、発熱抵抗
体3…近傍の隆起部22の熱は基層部21側だけでなく隆起
部の長手方向にも逃れ、発熱抵抗体近傍の蓄熱層がきわ
めて短時間に冷却されるので、発熱抵抗体の発熱周期を
速くして高速印字を行う場合でも発熱抵抗体近傍に熱が
こもることなく、非印字の際にこもった熱により印字さ
れるいわゆる尾引き等の不具合を生じることがない。
更に、記録紙等を発熱抵抗体に押圧して印字を行う際、
記録紙等は発熱抵抗体間においても隆起部によって支持
されるので、記録紙等が弛むことがなく、所望の印字、
印画を均一濃度で行うことができる。
記録紙等は発熱抵抗体間においても隆起部によって支持
されるので、記録紙等が弛むことがなく、所望の印字、
印画を均一濃度で行うことができる。
(実施例) 次に、実施例について述べる。
第1図乃至第3図はワードプロセッサーやファクシミリ
などのプリンター機構に用いられる所謂ライン型のサー
マルプリントヘッドを示すものであり、熱良導体のアル
ミナセラミック等より成る細長い基体1上に、緩やかな
山形断面形状の基層部21とその頂部側に一体連続的に突
出し記録紙等が面接触するような頂面を有する隆起部22
とから成る段状の蓄熱層2が基板1の長手方向に直線状
にかつ連続的に形成されている。該蓄熱層2上には窒化
チタン等より成る発熱抵抗体3…を蓄熱層2を横切るよ
うに多数並設被着し、該発熱抵抗体3…上に金、アルミ
ニウム等の良導電性金属より成る配線電極4…を覆設
し、そして、上記隆起部22上で発熱抵抗体を露出させて
いる。かくして隆起部22上の発熱抵抗体3…と該露出発
熱抵抗体と導通し隆起部22の基部20から導出される配線
電極4…とのファインラインパターンが形成されてい
る。これらのファインラインパターンは、蓄熱層2及び
基体1上を覆うように被着した発熱抵抗体の膜及びこれ
を覆う良導電性金属の膜からリソグラフィとエッチング
とにより形成することができる。
などのプリンター機構に用いられる所謂ライン型のサー
マルプリントヘッドを示すものであり、熱良導体のアル
ミナセラミック等より成る細長い基体1上に、緩やかな
山形断面形状の基層部21とその頂部側に一体連続的に突
出し記録紙等が面接触するような頂面を有する隆起部22
とから成る段状の蓄熱層2が基板1の長手方向に直線状
にかつ連続的に形成されている。該蓄熱層2上には窒化
チタン等より成る発熱抵抗体3…を蓄熱層2を横切るよ
うに多数並設被着し、該発熱抵抗体3…上に金、アルミ
ニウム等の良導電性金属より成る配線電極4…を覆設
し、そして、上記隆起部22上で発熱抵抗体を露出させて
いる。かくして隆起部22上の発熱抵抗体3…と該露出発
熱抵抗体と導通し隆起部22の基部20から導出される配線
電極4…とのファインラインパターンが形成されてい
る。これらのファインラインパターンは、蓄熱層2及び
基体1上を覆うように被着した発熱抵抗体の膜及びこれ
を覆う良導電性金属の膜からリソグラフィとエッチング
とにより形成することができる。
本考案においては上記隆起部22の幅Aは50〜350μm、
高さD(基層部21の上面からの突出高さ)は2〜30μm
の範囲に選ばれる。このうち幅Aは150μm程度が最も
好ましく、50μm未満の場合、ラフペーパーの凹部p1の
径よりも小さくなり過ぎるため、該凹部に発熱抵抗体3
…が遊嵌状態で嵌まり込みその内面との充分な接触面積
が確保されない傾向となり、また、350μmを越えると
上記凹部p1の径より大きくなる為、発熱抵抗体3…が該
凹部内へ侵入することが出来ず、ラフペーパーでの良好
な印字・印画の目的を達成することが難しくなる。一方
高さDは上記範囲内でも10μm程度が最も好ましく、2
μm未満ではヘッドの押圧力を大きくしても上記凹部内
面に発熱抵抗体3…を密着的に侵入させることが難し
く、また、30μmより大としても凹部p1の深さがこれ以
上になることは希であるのであまり意味がない。
高さD(基層部21の上面からの突出高さ)は2〜30μm
の範囲に選ばれる。このうち幅Aは150μm程度が最も
好ましく、50μm未満の場合、ラフペーパーの凹部p1の
径よりも小さくなり過ぎるため、該凹部に発熱抵抗体3
…が遊嵌状態で嵌まり込みその内面との充分な接触面積
が確保されない傾向となり、また、350μmを越えると
上記凹部p1の径より大きくなる為、発熱抵抗体3…が該
凹部内へ侵入することが出来ず、ラフペーパーでの良好
な印字・印画の目的を達成することが難しくなる。一方
高さDは上記範囲内でも10μm程度が最も好ましく、2
μm未満ではヘッドの押圧力を大きくしても上記凹部内
面に発熱抵抗体3…を密着的に侵入させることが難し
く、また、30μmより大としても凹部p1の深さがこれ以
上になることは希であるのであまり意味がない。
なお、隆起部22は基板1の長手方向に連続しているの
で、記録紙pの各凹部p1間の隔壁部が発熱抵抗体3…と
凹部p1の内面との上記接触に対する抵抗となるが、隆起
部の幅が上記の通り狭いので、この隔壁部を押し潰し
て、第4図(ロ)のように発熱抵抗体3…が該凹部p1内
に充分侵入し、凹部内面との接触面積を充分大きくでき
る。
で、記録紙pの各凹部p1間の隔壁部が発熱抵抗体3…と
凹部p1の内面との上記接触に対する抵抗となるが、隆起
部の幅が上記の通り狭いので、この隔壁部を押し潰し
て、第4図(ロ)のように発熱抵抗体3…が該凹部p1内
に充分侵入し、凹部内面との接触面積を充分大きくでき
る。
更に、本考案のサーマルプリントヘッドでは、蓄熱層2
の高さH′及びその幅L′の寸法を次のような範囲に特
定する。即ち、高さH′は20〜90μmであり、好ましく
は40μm程度である。20μm未満の場合、セラミック基
体1と記録紙等の接触面積が増加する為、ヘッドの押圧
力が分散され、発熱抵抗体3…と記録紙等の適正な圧接
力が確保されなくなると共に、発熱抵抗体3…で消費さ
れるエネルギーの多くが基体1側に逃げてしまう為に、
エネルギー効率が悪くなる傾向となる。また、90μmを
越えると、上記エネルギーが逆に基体1側に逃げにくく
なる為、蓄熱が大となり尾引き等の印字不具合が発生す
る原因となる。一方幅L′は400〜2000μmであり、好
ましくは1000μm程度である。400μm未満の場合、蓄
熱層2をガラス等により形成することが難しくなる。す
なわち幅L′が狭すぎると、ガラスを上記の如くある厚
みをもって帯状に塗着させる際、ガラスの表面張力によ
り厚み分を支えきれず、ガラスが所望の幅の外側ににじ
み出てくることがある。また、2000μmを越えると記録
紙等が基層部21と接触し、発熱抵抗体3…と記録紙等と
の接触圧が低下する。なお、蓄熱層2は基層部21と隆起
部22とにより図例の如く少なくとも二段状とされるが、
基層部21の途中に更に段差を付け、全体として数段の緩
やかな山型状とすることも除外するものではない。
の高さH′及びその幅L′の寸法を次のような範囲に特
定する。即ち、高さH′は20〜90μmであり、好ましく
は40μm程度である。20μm未満の場合、セラミック基
体1と記録紙等の接触面積が増加する為、ヘッドの押圧
力が分散され、発熱抵抗体3…と記録紙等の適正な圧接
力が確保されなくなると共に、発熱抵抗体3…で消費さ
れるエネルギーの多くが基体1側に逃げてしまう為に、
エネルギー効率が悪くなる傾向となる。また、90μmを
越えると、上記エネルギーが逆に基体1側に逃げにくく
なる為、蓄熱が大となり尾引き等の印字不具合が発生す
る原因となる。一方幅L′は400〜2000μmであり、好
ましくは1000μm程度である。400μm未満の場合、蓄
熱層2をガラス等により形成することが難しくなる。す
なわち幅L′が狭すぎると、ガラスを上記の如くある厚
みをもって帯状に塗着させる際、ガラスの表面張力によ
り厚み分を支えきれず、ガラスが所望の幅の外側ににじ
み出てくることがある。また、2000μmを越えると記録
紙等が基層部21と接触し、発熱抵抗体3…と記録紙等と
の接触圧が低下する。なお、蓄熱層2は基層部21と隆起
部22とにより図例の如く少なくとも二段状とされるが、
基層部21の途中に更に段差を付け、全体として数段の緩
やかな山型状とすることも除外するものではない。
(考案の効果) 上記詳述した通り、蓄熱層の緩やかな山形状の基層部の
上に幅Aが50〜350μm、高さDが2〜30μmで、記録
紙等が面当接するような頂面を有する隆起部を直線状に
連続させて形成し、該隆起部の頂面に多数の発熱抵抗体
を被着配列している本考案のサーマルプリントヘッドに
おいては、通常の押圧力で大きな印字圧が得られるの
で、印字、印画の画質が著しく向上する。そして、ラフ
ペーパーの表面の無数の凹部の内面と発熱抵抗体との接
触面積も充分大きくできるので、ラフペーパーに対して
も鮮明な印字、印画が可能であり、記録紙の平滑度に対
する従来の制限を不要とし、適用範囲を飛躍的に増大で
きるという顕著な効果を奏する。更に、既に述べたよう
に、転写リボンを用いて印字を行う場合であっても、感
熱紙を用いて印字を行う場合と全く同様の効果を奏す
る。そして蓄熱層の全体の幅L′を400〜2000μm、全
体の高さH′を20〜90μmとしたので、蓄熱層をガラス
等により容易に形成できるとともに、蓄熱層が蓄熱量を
良好に維持してエネルギー効率を高め、しかも過度の蓄
熱による尾引き等の印字不具合が発生するのを有効に防
止することができる。
上に幅Aが50〜350μm、高さDが2〜30μmで、記録
紙等が面当接するような頂面を有する隆起部を直線状に
連続させて形成し、該隆起部の頂面に多数の発熱抵抗体
を被着配列している本考案のサーマルプリントヘッドに
おいては、通常の押圧力で大きな印字圧が得られるの
で、印字、印画の画質が著しく向上する。そして、ラフ
ペーパーの表面の無数の凹部の内面と発熱抵抗体との接
触面積も充分大きくできるので、ラフペーパーに対して
も鮮明な印字、印画が可能であり、記録紙の平滑度に対
する従来の制限を不要とし、適用範囲を飛躍的に増大で
きるという顕著な効果を奏する。更に、既に述べたよう
に、転写リボンを用いて印字を行う場合であっても、感
熱紙を用いて印字を行う場合と全く同様の効果を奏す
る。そして蓄熱層の全体の幅L′を400〜2000μm、全
体の高さH′を20〜90μmとしたので、蓄熱層をガラス
等により容易に形成できるとともに、蓄熱層が蓄熱量を
良好に維持してエネルギー効率を高め、しかも過度の蓄
熱による尾引き等の印字不具合が発生するのを有効に防
止することができる。
また、前述した通り、本考案のサーマルプリントヘッド
においては、製造の際の誤差等により発熱抵抗体が蓄熱
層の隆起部の中央から若干ずれて形成されていても、記
録紙等を発熱抵抗体に正確に当接させることができ、品
質の高い印字、印画を得ることができ、更に、高速印字
を行う場合でも、発熱抵抗体の近傍に熱がこもることが
なく、いわゆる尾引き等の印字不具合を生じることがな
いという利点を有する。また、本考案においては上記の
ように大きい印字圧が得られるにも拘わらず、前述の通
り、発熱抵抗体やその保護層等に押圧力が集中して層剥
がれを生じるという不具合を生じることもない。
においては、製造の際の誤差等により発熱抵抗体が蓄熱
層の隆起部の中央から若干ずれて形成されていても、記
録紙等を発熱抵抗体に正確に当接させることができ、品
質の高い印字、印画を得ることができ、更に、高速印字
を行う場合でも、発熱抵抗体の近傍に熱がこもることが
なく、いわゆる尾引き等の印字不具合を生じることがな
いという利点を有する。また、本考案においては上記の
ように大きい印字圧が得られるにも拘わらず、前述の通
り、発熱抵抗体やその保護層等に押圧力が集中して層剥
がれを生じるという不具合を生じることもない。
第1図は本考案のサーマルプリントヘッドの実施例を示
す部分切欠斜視図、第2図は第1図のII−II線縦断面
図、第3図は第1図のIII−III線縦断面図、第4図
(イ)(ロ)は本考案のサーマルプリントヘッドを用い
た印字・印画の要領を示す模式縦断面図、第5図は従来
のサーマルヘッドの一例を示す部分切欠斜視図、第6図
(イ)(ロ)は同ヘッドの蓄熱層の形状を説明する断面
図、第7図(イ)(ロ)は従来のヘッドによる印字・印
画の要領を示す模式縦断面図である。 (符号の説明) 1…基体、2…蓄熱層、21…基層部、22…隆起部、3…
発熱抵抗体、4…配線電極、A…隆起部の幅、D…隆起
部の高さ、H′…蓄熱層の高さ、L′…蓄熱層の幅。
す部分切欠斜視図、第2図は第1図のII−II線縦断面
図、第3図は第1図のIII−III線縦断面図、第4図
(イ)(ロ)は本考案のサーマルプリントヘッドを用い
た印字・印画の要領を示す模式縦断面図、第5図は従来
のサーマルヘッドの一例を示す部分切欠斜視図、第6図
(イ)(ロ)は同ヘッドの蓄熱層の形状を説明する断面
図、第7図(イ)(ロ)は従来のヘッドによる印字・印
画の要領を示す模式縦断面図である。 (符号の説明) 1…基体、2…蓄熱層、21…基層部、22…隆起部、3…
発熱抵抗体、4…配線電極、A…隆起部の幅、D…隆起
部の高さ、H′…蓄熱層の高さ、L′…蓄熱層の幅。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 西口 泰夫 鹿児島県国分市広瀬566―10 (56)参考文献 特開 昭58−59865(JP,A) 特開 昭60−257256(JP,A) 実開 昭56−125343(JP,U) 実開 昭61−64455(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】断面形状が緩やかな山形状をした基層部
と、該基層部上に一体連続的に形成され幅Aが50〜350
μm、高さDが2〜30μmで、記録紙等が面当接する頂
面を有する隆起部とから成り、全体の幅L′を400〜200
0μm、全体の高さH′を20〜90μmとした蓄熱層を、
熱良導体の基板上に当該基板の長手方向に沿って直線状
に連続させて形成するとともに、該蓄熱層の隆起部上に
多数の発熱抵抗体を当該蓄熱層を横切るように所定の間
隔をもって並設的に被着配列して成り、印字に際して該
隆起部及びその上の発熱抵抗体が表面に凹部を有する記
録紙等の凹部内に侵入して該凹部の内面に印字し得るよ
うにしたことを特徴とするサーマルプリントヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1985137199U JPH0711981Y2 (ja) | 1985-09-06 | 1985-09-06 | サーマルプリントヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1985137199U JPH0711981Y2 (ja) | 1985-09-06 | 1985-09-06 | サーマルプリントヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6245146U JPS6245146U (ja) | 1987-03-18 |
JPH0711981Y2 true JPH0711981Y2 (ja) | 1995-03-22 |
Family
ID=31041029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1985137199U Expired - Lifetime JPH0711981Y2 (ja) | 1985-09-06 | 1985-09-06 | サーマルプリントヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0711981Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0639172B2 (ja) * | 1986-01-24 | 1994-05-25 | ロ−ム株式会社 | サ−マルヘツドおよびその製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5859865A (ja) * | 1981-10-07 | 1983-04-09 | Seiko Epson Corp | サ−マルヘツド |
-
1985
- 1985-09-06 JP JP1985137199U patent/JPH0711981Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6245146U (ja) | 1987-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO1995035213A1 (en) | Thermal printing head, substrate used therefor and method for producing the substrate | |
CA1123892A (en) | Thermal print head | |
JP3057813B2 (ja) | サーマルヘッドおよびその製造方法 | |
JPH0711981Y2 (ja) | サーマルプリントヘッド | |
JPS6153954B2 (ja) | ||
JPS60137670A (ja) | 感熱ヘツド | |
JP2508922B2 (ja) | サ―マルヘッド | |
JPH0684083B2 (ja) | 感熱記録ヘツド | |
JPH081092Y2 (ja) | サーマルヘッド記録装置 | |
JPH0546918Y2 (ja) | ||
JPS62105643A (ja) | サ−マルヘツド | |
JPH0624210Y2 (ja) | サ−マルヘツド | |
JP2951178B2 (ja) | ライン型サーマルプリントヘッドの構造 | |
JPH0592593A (ja) | サーマルヘツド | |
JP3616809B2 (ja) | サーマルヘッドおよびその製造方法 | |
JP2537559B2 (ja) | 厚膜型サ―マルヘッド | |
JP2527007Y2 (ja) | サーマルヘッド | |
JPH11129513A (ja) | サーマルヘッド | |
JPS6064864A (ja) | サ−マル印字ヘッド | |
JPS61254350A (ja) | サ−マルジエツト用記録ヘツド | |
JPH0661944B2 (ja) | サ−マルヘツド | |
JPS5973973A (ja) | 感熱記録ヘツド | |
JPH082657B2 (ja) | サーマルヘッド | |
JP3099431B2 (ja) | サ−マルヘッド | |
JP2539498B2 (ja) | サ―マルヘッド |