JPH07119060A - 古紙再生用脱墨剤 - Google Patents

古紙再生用脱墨剤

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JPH07119060A
JPH07119060A JP27090793A JP27090793A JPH07119060A JP H07119060 A JPH07119060 A JP H07119060A JP 27090793 A JP27090793 A JP 27090793A JP 27090793 A JP27090793 A JP 27090793A JP H07119060 A JPH07119060 A JP H07119060A
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oxide
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pulp
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良恵 平河内
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郁男 安達
Koji Masamizu
孝二 正水
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、インキを効率よく剥離させ、フロ
ーテーション処理で優れた剥離インキ捕集力を発揮する
高白色度の再生パルプを得ることが出来る古紙再生用脱
墨剤を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、下記一般式Iで表される化合物
(a) と一般式IIで表される化合物(b) を含有することを
特徴とする古紙再生用脱墨剤を提供する。 R1 O(AO)p H (I) (式中、R1 はC10-14 アルキル基、p は1〜100の
整数を表す。)、 R2 O-(PO)m-(EO)n-(XO)k- R3 (II) (式中、R2 はC16-22 アルキル基又はアルケニル基
で、R3 はH又はC2-24アシル基である。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新聞、雑誌、複写OA
古紙などの印刷古紙から再生パルプを得る際に用いる古
紙再生用脱墨剤、特にフローテーション法での使用に適
した古紙再生用脱墨剤、及び本発明は古紙再生パルプの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷古紙から再生パルプを製造し、再び
製紙原料にすることは古くから行われている。しかしな
がら近年、資源の有効利用や環境保護の立場から印刷古
紙の再生は重要性を増し、再生パルプの用途も拡大して
いる。印刷古紙を再利用する場合、通常パルパー等の離
解機を用い、アルカリ剤、漂白剤、キレート剤等ととも
に、脱墨剤として、脂肪酸、アルキルベンゼンスルホン
酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級アルコール硫
酸エステル塩、ジアルキルスルホサクシネートなどの陰
イオン活性剤、高級アルコール、アルキルフェノール、
脂肪酸等のアルキレンオキシド付加物、アルカノールア
マイド等の非イオン活性剤が、単独または2種以上の組
み合わせで使用されてきた。他方、脱墨装置の点から見
ると、離解処理において、パルプからインキを効率良く
剥離するために、ニーダー、リファイナー、ディスパー
ザー等の処理装置の改良が行われ、また、フローテーシ
ョン処理において、適度な空気量と気泡径を調整し剥離
インキを効率よく除去するために、ハイフローテータ
ー、マルチインジェクター、PDMセル等の装置が開
発、改良されてきた。しかし、従来の前記脱墨剤は剥離
されたインキを捕集する能力が不十分であるため、高白
色度で残インキの少ない高品質の再生パルプを得ること
は出来なかった。また、脱墨剤の起泡性が強すぎて、フ
ローテーション処理で泡のかき出しが困難になったり、
歩留まりが低下して生産能力の低下を引き起こすなど、
安定操業を行うことが難しい等の問題があった。
【0003】このような問題を解決するため、近年、高
級アルコール系非イオン界面活性剤の脱墨剤及びその使
用方法が開発され、多くの特許出願がなされている。例
えば、アルコール及びアルキルフェノールに、エチレン
オキシドとプロピレンオキシドの混合物を、エチレンオ
キシドの含有量が50〜95%となるように付加させた
脱墨剤を用いた古紙の脱インキ方法(特開昭55−51
891号公報)、アルコール及びアルキルフェノールに
プロピレンオキシドを1〜50モル付加し、さらにエチ
レンオキシドとプロピレンオキシドの混合物を付加させ
た脱墨剤を用いた古紙の脱インキ方法(特開昭55−5
1892号公報)、アルコール及びアルキルフェノール
にエチレンオキシドを3〜20モル付加し、さらにエチ
レンオキシドとプロピレンオキシドの混合物を付加させ
た成分を含む古紙再生用脱墨剤(特開昭62−2502
91号公報)などがある。しかし、これらのアルキレン
オキシドを混合する付加方法で得られる生成物は、末端
にエチレンオキシドを多く含有するため、親水性が強く
働き、インキの剥離力及びインキの捕集力が弱く、効率
よくパルプからインキを除去することが出来ず、また、
高白色度でインキ残量が低い高品質の再生パルプが得ら
れない。また、近年の脱墨装置は起泡性が強すぎて、フ
ローテーション時の泡がオーバーフローし、パルプの歩
留まり低下、及び安定操業を行うことが出来ないなどの
問題がある。
【0004】また、炭素数2〜12のアルコールにプロ
ピレンオキシドまたはプロピレンオキシドとエチレンオ
キシドの混合物(プロピレンオキシドを80%以上含
有)を付加し、エチレンオキシドを逐次付加した脱イン
キ剤(特開昭51ー84905号公報)もあるが、疎水
基が短かすぎてインキの剥離力及び捕集力が低く、高白
色度の再生パルプを得られない。さらに、炭素数8〜2
4のアルキル基又はアルケニル基を有するアルキレンオ
キシド付加物であって、そのうち炭素数20〜24のも
のが9.6〜70.6重量%含まれているアルキレンオキシ
ド付加物を含む古紙再生用脱墨剤もあるが(特開平5−
25789号公報)、疎水基が長すぎて水に対する溶解
性及び、インキに対する浸透性が劣るためインキの剥離
力が低下し、高白色度の再生パルプを得られない。この
ように、従来の古紙再生用脱墨剤は、インキの剥離力及
び捕集力が不十分なため、残インキを低下させて、高白
色度の高品質再生パルプを得るのが困難であり、さらに
起泡性が強すぎて、フローテーション処理し難く、生産
能力の低下、安定操業の困難などの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、離解工程で
印刷古紙からインキを効率よく剥離させ、フローテーシ
ョン処理において、適度に泡立ち、優れた剥離インキ捕
集力を発揮し、高白色度で残インキの少ない再生パルプ
を得ることが出来る古紙再生用脱墨剤を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、短鎖アルコー
ルのアルキレンオキシド付加物と長鎖アルコールに特定
の構造を有するプロピレンオキサイド−エチレンオキサ
イドブロック付加物とを併用すると前記課題が効率よく
解決できるとの知見に基づいてなされたものである。す
なわち、本発明は、下記一般式Iで表される化合物(a)
と一般式IIで表される化合物(b) を含有することを特徴
とする古紙再生用脱墨剤を提供する。 R1 O(AO)p H (I) (式中、R1 は炭素数10〜14のアルキル基であっ
て、特に、炭素数12のアルキル基を60%以上含むも
のが好ましく、AOはエチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、及びブチレンオキシドからなる群より選ばれる
少なくとも1種の残基であり、p は1〜100の整数を
表す。なお、AOの付加形態はブロック体、ランダム
体、どちらでもよい。)
【0007】 R2 O-(PO)m-(EO)n-(XO)k- R3 (II) (式中、R2 は炭素数16〜22のアルキル基又はアル
ケニル基で、特に、炭素数18のアルキル基とアルケニ
ル基の総量が60%以上であるものが好ましい。R3
水素又は炭素数2〜24、好ましくは2〜12のアシル
基であり、特に好ましくは水素である。PO、EO、及
びXOは、それぞれプロピレンオキシド、エチレンオキ
シド、及び炭素数が3以上のアルキレンオキシドであ
る。また、mは1〜8、特に1〜6、nは10〜40、
特に12〜35、kは重合XOの炭素数の合計が3〜1
20、特に15〜120となる数にすることが好まし
い。特に、XOがプロピレンオキシドであり、かつR3
が水素である場合には、mとkの合計が8〜35、特に
11〜35とするのが好ましい。なお、式中、PO、E
Oの付加形態はブロック体である。)。
【0008】本発明の一般式Iで表されるエーテル化合
物(a) は、高級アルコールにアルキレンオキシド(O
A)を付加することによって製造することが出来る。こ
のような高級アルコールとして挙げることができるの
は、例えばデシルアルコール、ウンデシルアルコール、
ドデカノール、トリデカノール、ミリスチルアルコー
ル、ヤシ油やパーム核油等の植物油脂由来のアルコー
ル、及び石油精製より得られた合成アルコール(ドバノ
ール23、オキソコール1213、ダイヤドール11、
ダイヤドール13、セカンダリーアルコール、テトラメ
チルノナノール−1も含まれる)等であり、これらを単
独又は混合して使用する。AOは、エチレンオキシド、
プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドの単独又は
混合物であり、その付加モル数は、一般式Iのエーテル
化合物1モルあたり、1〜100モル、好ましくは5〜
70モルである。エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ド及びブチレンオキシドの混合を用いるときは、ブロッ
ク付加でもランダム付加でもよい。このような構造の一
般式Iの化合物(a) は、インキに対する浸透力、起泡力
及び乳化分散力に優れているため、インキの剥離力とフ
ローテーション処理時の起泡と泡切れ性において優れて
いる。
【0009】該化合物(a) の製造は、高級アルコールに
触媒量のアルカリを添加しアルキレンオキシドを一般に
行われている条件下で処理することにより製造すること
ができる。この製造において使用するアルカリとして、
KOH、NaOH、およびモノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノー
ルアミンなどを挙げることができる。本願発明で用いる
一般式IIのエーテル化合物(b) は、炭素数16〜22の
高級アルコールに、まずプロピレンオキシドを付加さ
せ、その末端水酸基にエチレンオキシドを付加させ、さ
らに炭素数が3以上のアルキレンオキシドであるXOを
付加させることにより製造することができる。次いで所
望により末端の水酸基に炭素数2〜24のカルボン酸を
反応させてエステル化してもよい。ここで、XO残基単
独又は重合により形成されるポリオキシアルキレン基
は、疎水性であり炭素数の合計が3〜120である。こ
こで、XOとして2種以上のアルキレンオキシドをブロ
ック又はランダム付加してもよい。
【0010】炭素数が3以上のアルキレンオキシドであ
るXOとしては、プロピレンオキシド、ブチレンオキシ
ド、ブタジエンモノオキシド、ヘキシレンオキシド、ス
チレンオキシド、α−オレフィンオキシドなどを挙げる
ことができる。このうち、炭素数が3〜30のアルキレ
ンオキシドが好ましく、特にプロピレンオキシドが好ま
しい。この一般式IIで表されるエーテル化合物(b) にお
いて、(EO)n部分の分子量と(XO)k- R3 部分の分
子量の比率を0.2〜2.0、特に0.3〜1.8とするのが好
ましい。該エーテル化合物(b) は、公知の高級アルコー
ル系脱墨剤と比較して、インキとの親和性が高いため、
インキ剥離力が強く、特に剥離の難しいオフセットイン
キに対して、インキ剥離効果が高い。また、(EO)n部
分と(XO)k-R3 部分を特定の比率で混合することか
ら、疎水性が強く、フローテーション処理時において、
剥離したインキとの親和性が高いので、従来難しかった
4μm以下の微細インキの捕集力に優れている。従っ
て、フローテーション処理において剥離したインキを泡
によって効率よくパルプから分離、除去することがで
き、その結果、高白色度のくすみの少ない高b値の再生
パルプを得ることが出来る。
【0011】なお、この分子量比率が2.0を越えると親
水性が増大するためフローテーション処理時のインキ親
和力とインキ捕集力が弱まる。逆に、分子量比率が0.2
未満である場合には、フローテーション処理において泡
立ちが低く、泡が充分かきとれない上に、フローテーシ
ョン処理においてインキ捕集力が低下する。これに対
し、分子量比率が0.3〜1.8である場合には、特にイン
キの捕集力が向上する。また一般式IIにおいて、R2
アルコール残基を形成する高級アルコールは、炭素数1
6〜22、好ましくは16〜18の直鎖高級アルコール
であって、そのうち炭素数18の直鎖高級アルコールを
60%以上含有するものである。このような高級アルコ
ールとして挙げることができるのは、例えばパルミチル
アルコール、ステアリルアルコール、ノナデカアルコー
ル、エライジルアルコール、ベヘニルアルコール、オレ
イルアルコールや動植物油脂由来のアルコール、例えば
牛脂アルコール、魚油アルコール、豚脂アルコール及び
これらの硬化物である。
【0012】該脱墨剤に用いる高級アルコールの炭素数
が前記範囲より短い場合、アルキル基の鎖長が短いため
疎水性が不十分になり、エチレンオキシドとアルキレン
オキシド又はそのアシル化合物の分子量比率が所定の範
囲にあってもフローテーション処理において剥離したイ
ンキの捕集性が不足し、高白色度の高品質再生パルプを
得ることが出来ない。一方、アルキル基が前記範囲より
長い場合には、疎水性が高くなり、脱墨剤が離解時に溶
解したり、分散しないために高白色度で残インキが少な
い高品質再生パルプを得ることが出来ない。本発明で
は、一般式IIのエーテル化合物(b) を製造する場合、反
応系中の水分を0.3%以下とし、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなど塩基性触媒または、酸化マグネシウ
ム−アルミニウム系固体触媒等の添加量を、各アルキレ
ンオキシド付加工程における中間生成物、最終製品に対
して常に0.35%以下とし、一般に行なわれているアル
キレンオキシド付加反応の条件下で行うことが出来る。
ちなみに、高級アルコールへのアルキレンオキシド付加
は触媒量の水酸化カリウムの存在下、約100〜200
℃、圧力1〜3Kg/cm2でアルキレンオキシドを数時間応
させることによって行うことができる。
【0013】得られた化合物(a) 及び(b) に含まれる副
生成物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール及びエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポ
リマーなどのポリアルキレンオキシドを、脱墨剤の重量
を基準にして、0.1〜5重量%、特に0.3〜3重量%に
するのが好ましい。しかしながら、本発明の脱墨剤を製
造した後、上記範囲となるようにポリアルキレングリコ
ールを添加してもよい。本発明の脱墨剤では、化合物
(a) と(b) の配合比は、重量比で5/95〜45/5
5、特に10/90〜40/60とするのが好ましい。
すなわち、この範囲では、化合物(a) のインキ剥離力と
化合物(b) のインキ剥離力の相乗効果により優れたイン
キ剥離力を示し、化合物(b) のインキ捕集力により剥離
されたインキを系外に除去することにより、再生パルプ
の品質を向上させることができる。更に、化合物(a) の
配合により、フローテーション時の泡量を多くすること
ができ、且つ、泡切れ性がよいため効率のよいフローテ
ーション処理を行うことができる。
【0014】本発明の化合物(a) 及び(b) の混合物は、
古紙離解工程、熟成工程もしくは両工程に分割添加して
も良い。また化合物(a) を離解工程で、化合物(b) をフ
ロテーション工程で分割添加しても、フローテーション
処理時の化合物(a) 及び(b)の混合割合が、重量比で5
/95〜45/55、特に10/90〜40/60であ
れば良好な効果を発揮する。なお、化合物(a) 及び(b)
を併せた添加量は、原料古紙に対し0.1〜2重量%(以
下、%と略称する)とするのが好ましい。この範囲にす
ると高白色度で残インキの低い高品質な再生パルプを得
ることができ、また、適度な泡立ちと安定操業を可能に
する。
【0015】なお、本発明の脱墨剤を用いて脱墨処理を
行う場合、離解工程に該脱墨剤のほかに、必要に応じ
て、アルカリ剤として水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、また過酸化水素などの漂白剤を
併用することができる。また、処理工程におけるパルプ
濃度は4〜25%、温度は20〜70℃、かつpHは
7.5〜11.5、特に8.0〜11.5とすることが
好ましい。パルプ濃度が4%未満または温度が20℃以
下であると、離解時にパルプ繊維間の摩擦力が少ないた
め未離解のパルプが多くなり、製紙原料として用いるこ
とが出来なくなったり、インキ残量が多くなる。反対
に、パルプ濃度が25%以上又は温度が70℃以上であ
ると、パルプ繊維間の摩擦力が強すぎたり、熱により再
生パルプの紙力が弱くなり、高品質な再生パルプが得ら
れなくなる。また、離解時のpHが7以下であるとパル
プ繊維の膨潤度が低いため、未離解繊維が多くなって製
紙原料として用いることが出来なくなり、またインキ残
量が多くなって、高品質再生パルプを得ることが出来な
い。また、pHが11.5以上の場合には、アルカリ焼
けでパルプが黄変し白色度の低下が起こったり、紙力の
低下が起きる。
【0016】なお、本発明の脱墨剤は、公知の脱墨剤、
たとえば脂肪酸と併用した場合にも優れた性能を発揮す
る。なお、本発明の目的を達成する範囲内において、必
要に応じてアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性
剤、高分子分散凝集剤、酵素を使用することもできる。
また、熟成工程は離解工程と同じ薬品条件で行うことが
出来る。この際パルプ濃度を10〜30%、温度を30
〜80℃にして、1時間以上かけて熟成を行うことが望
ましい。パルプ濃度が10%以下、又は温度が30℃以
下になると、充分な熟成効果を得ることが出来ず、高品
質再生パルプを得ることが出来ない。また、温度を80
℃以上にすると熱により紙力が低下する。また、パルプ
濃度を30%以上にすると、充分な湿潤状態が得られず
熟成効果を得ることが出来ない。剥離したインキは、パ
ルプ濃度0.5〜1.5%、温度20〜45℃の条件下で、
フローテーションを行うことによりパルプスラリーから
効率的に除去できる。さらに、本発明の脱墨剤を用いる
工程中に、希釈脱水、スクリーン、ディスパーザー、ニ
ーダー処理工程など通常脱墨処理に用いる工程を設けて
も、再生パルプの品質や操業性には、なんら影響を与え
ないし、上記離解、熟成工程以外に、インキを剥離する
工程、例えば、ニーダー、リファイナー、ディスパーザ
ー等に本発明の脱墨剤を添加してもよい。
【0017】
【発明の効果】本発明の脱墨剤は、新聞、雑誌等の印刷
古紙のパルプ繊維に付着しているインキの剥離力やイン
キの捕集力に優れるので、この脱墨剤を使用すると、高
白色度、で残インキの少ない高品質な再生パルプを得る
ことができ、さらに脱墨工程、特にフローテーションに
おいて過剰な泡発生を防止して、泡トラブルの無い安定
した操業を行うことができる。次に実施例により本発明
をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。
【0018】
【実施例】化合物(a) の製造例 デシルアルコール(0.115モル)、ドデカノール(0.
885モル)と触媒量のKOHをオートクレーブに仕込
み、窒素置換を行った後、減圧下で脱水を行った。続い
て、プロピレンオキシド(3モル)を125℃、3kg/c
m2以下で付加、熟成し、PO付加体を得た。引き続い
て、エチレシオキシド(10モル)を160℃、3kg/c
m2以下で付加、熟成し、PO−EO体を得た(脱墨剤a
−1)。同様にして、表1の他の化合物(a) を製造し
た。化合物(b) の製造例 ステアリルアルコール(1モル)と触媒量のKOHをオ
ートクレーブに仕込み、窒素置換を行った後、減圧下で
脱水を行い反応系内の水分を0.21%とした。続いて、
プロピレンオキシド(1モル)を125℃、3.0Kg/
cm2 以下で付加、熟成し、PO付加体を得た。引き続い
て、エチレンオキシド(15モル)を160℃、3.0K
g/cm2 以下で付加、熟成しPO−EO付加体を得た。
更にプロピレンオキシド(20モル)を125℃、3.0
Kg/cm2 以下で付加、熟成し、PO−EO−PO付加
体を得た(脱墨剤b−1)。同様にして、表2の他の化
合物(b) を製造した。
【0019】〔実施例1〜6及び比較例1〜5〕原料の
印刷古紙(オフセット印刷古紙/活版印刷古紙/ちらし
=4/3/3重量比)を3×3cmに切断後、パルプ離解
機に入れ、原料古紙重量に対し、苛性ソーダ1.0%、3
号ケイ酸ソーダ3.5%、過酸化水素(有効成分)1.0
%、及び表−1と表−2の化合物(a) 及び(b) から表3
に示す割合で混合して脱墨剤を調製し、原料古紙に対
し、該脱墨剤0.35%添加した。続いてパルプ濃度5%
となるように温水を加え、35℃で7分間離解処理を行
った。得られたパルプスラリーを15%に濃縮した後、
65℃で60分間ソーキングし、その後温水を加えてパ
ルプ濃度1%に希釈し、30℃で7分間フローテーショ
ン処理を行った。次にフローテーション処理したパルプ
スラリーを10%に濃縮後、水で1%に希釈し、タッピ
シートマシーンによりパルプシートを作成した。なお、
離解時のpHは10.2、ソーキング時のpHは10.
5であった。得られたパルプシートの白色度を測色色差
計で測定し、残インキ面積率を画像解析装置で測定し
た。結果を表3に示す。表中、フローテーション時の操
業性(泡)は、次の基準で評価した。 A:操業性良好 B:泡やや多いが操業性問題なし D:泡が多すぎて操業困難 C:泡やや少ないが操業性問題なし E:泡が少なすぎて操業困難
【0020】
【表1】 表−1 化合物(a) R1 O(AO)p H 1 AO*)No. 炭素鎖長及び含有量% 種類及び付加モル数p a−1 C10/C12 = 10/90 PO3 EO10 (ブロック) a−2 C12/C14 = 65/35 EO10/PO5 (ランダム) a−3 C10/C12/C14 PO5 EO15PO15 (ブロック) = 10 / 70 / 20 a−4 C12/C13 = 60/40 (EO10/BO2 )PO4 (ランダム 、ブロック) a−5 C11/C12 = 30/70 EO8 PO2 (ブロック) *)EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシ
ド、BOはブチレンオキシドを示す。
【0021】
【表2】 表−2 化合物(b) R2 O-(PO)m-(EO)n-(XO)k- R3 2 m/n (XO)k- R3 M1/M2 副生成物No. 鎖長と含有量% 付加モル数 の総炭素数 ( 重量%) b−1 C18 = 100 1/15 60 0.57 2.41 b−2 C16/C18 6/20 40 1.22 1.59 = 30/70 b−3 C18/C22 4/20 90 0.50 1.18 = 80/20 b−4 C16/C18 3/35 47 1.68 2.61 = 20/80 * M1 は、(EO)nの分子量、 M2 は、(XO)
k−R3 の分子量 XOは、プロピレンオキシド(No.1, 3, 4)またはブチレ
ンオキシド(No.2 ) であり、R3 は水素(No.1, 2, 3)ま
たはメチルエステル基(No.4)である。
【0022】
【表3】 表−3(評価結果) 実施例No. a/b重量比 白色度 残インキ数*) 操業性 1 a-1/b-1=30/70 56.8 0.381 A 2 a-2/b-2=20/80 57.2 0.337 A 3 a-3/b-3=40/60 56.5 0.402 B 4 a-4/b-4=10/90 56.1 0.445 C 5 a-5/b-2=25/75 56.7 0.393 A 6 a-1/b-4=70/30 55.4 0.534 B 比較例No. 1 a−2 52.6 0.995 D 2 b−3 54.9 0.678 C 3 C1837OPO20(EO30/PO25)H (ブロック・ランダム体) 52.5 1.011 C 4 C1225OEO3 (EO30/PO30)H ( ブロック・ランダム体) 52.1 1.063 D 5 (C1837O/ C2449O=30/70) PO5 /EO10H( ランダム体) 51.5 1.168 E *)単位(個/1フィールド) 表中のEO、POはエチレンオキシドおよびプロピレン
オキシドを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式Iで表される化合物(a) と一
    般式IIで表される化合物(b) を含有することを特徴とす
    る古紙再生用脱墨剤。 R1 O(AO)p H (I) (式中、R1 は炭素数10〜14のアルキル基であり、
    AOはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブ
    チレンオキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種
    の残基であり、p は1〜100の整数を表す。)、 R2 O-(PO)m-(EO)n-(XO)k-R3 (II) (式中、R2 は炭素数16〜22のアルキル基又は炭素
    数16〜22のアルケニル基であり、R3 は水素又は炭
    素数2〜24のアシル基、PO、EO、及びXOは、そ
    れぞれプロピレンオキシド、エチレンオキシド、及び炭
    素数が3以上のアルキレンオキシドであり、m=1〜
    8、n=10〜40、kは重合XOの炭素数の合計が3
    〜120となる数である。又、式中、PO、EOの付加
    形態はブロックである。)。
  2. 【請求項2】 化合物(a) 及び(b) が5/95〜45/
    55の重量比で含まれる請求項1記載の古紙再生用脱墨
    剤。
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