JPH071189A

JPH071189A - 溶接用回転治具

Info

Publication number: JPH071189A
Application number: JP14486393A
Authority: JP
Inventors: Setsuo Nakamura; 村節男中; Kenzo Natsume; 目謙三夏
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1993-06-16
Filing date: 1993-06-16
Publication date: 1995-01-06

Abstract

(57)【要約】【目的】溶接作業性の向上を実現でき、溶接作業中に
おける回転台の回転角度を大きくすることが可能である
と共に、回転台の停止位置に関係なく回転台上の溶接ガ
ンに電源を接続することができる溶接用回転治具を提供
する。【構成】リアピラーインナーＷを載置すると共にこの
リアピラーインナーＷに対して溶接を行う溶接ガンＷＧ
を載置する回転台４を備えた溶接用回転治具１におい
て、回転台４と同軸に設けられて溶接ガンＷＧと電気的
に接続可能でかつ電源供給ガンＢＧと電気的に接続可能
としたリング状をなす電源接続部１０と、回転台４と電
源接続部１０との間に設けられて電源接続部１０を回転
台４に対して絶縁状態で摺動可能に支持するガイド１５
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば、ボディーサ
イド組立てラインにおいて、ワークにポータブルスポッ
ト溶接およびマルチスポット溶接を行う場合に、ワーク
および溶接ガンを載置するのに利用される溶接用回転治
具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記したような溶接用回転治具と
しては、例えば、ワークを載置すると共にこのワークに
対してスポット溶接を行う溶接ガンを載置する回転台を
備えたものがあり、この溶接用回転治具を用いてスポッ
ト溶接を行う際には、スポット溶接機のトランスをワー
クおよび溶接ガンとともに回転台上に載置し、タイマと
トランスとを弛みをもたせたケーブルで直に接続するこ
とによって、溶接ガンに電源を供給するようにしてい
た。

【０００３】また、従来における他の溶接用回転治具と
しては、回転台に電源接続用鍵盤を備えたものがあり、
この溶接用回転治具を用いてワークに対してスポット溶
接を行う際には、回転台の近傍にトランスおよび電源供
給ガンを配置し、回転台上の溶接ガンを電源接続用鍵盤
に接続すると共に、所定の部位に位置させた電源接続用
鍵盤に電源供給ガンを接続することにより、溶接ガンに
電源を供給するようにしていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の溶接用回転治具において、前者の溶接用回転治具で
は、ワークに対してスポット溶接を行う場合に、作業者
の足元にあるケーブルに作業者が足を取られて転倒した
りこのケーブルを切断したりしてしまう恐れがあること
から、結局、ケーブルの弛み量を多くすることができ
ず、溶接作業中の回転台の回転角度が小さく制限されて
しまうという問題があった。

【０００５】また、後者の回転台に電源接続用鍵盤を設
けた溶接用回転治具では、溶接作業中に回転台を回すこ
とができないのは言うまでもなく、電源接続用鍵盤を所
定の部位に位置させて回転台を停止させる位置決め機構
が必要であるという問題を有しており、これらの問題を
解決することが従来の課題であった。

【０００６】

【発明の目的】この発明は、上記した従来の課題に着目
してなされたもので、溶接作業性の向上を実現でき、溶
接作業中における回転台の回転角度を大きくすることが
可能であると共に、回転台の停止位置に関係なく回転台
上の溶接ガンに電源を接続することができる溶接用回転
治具を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、ワークを載
置すると共に前記ワークに対して溶接を行う溶接ガンを
載置する回転台を備えた溶接用回転治具において、前記
回転台と同軸に設けられて前記溶接ガンと電気的に接続
可能でかつ電源供給ガンと電気的に接続可能としたリン
グ状をなす電源接続部と、前記回転台と電源接続部との
間に設けられて当該電源接続部を回転台に対して絶縁状
態で摺動可能に支持するガイドを備えた構成としたこと
を特徴としており、この溶接用回転治具の構成を前述し
た従来の課題を解決するための手段としている。

【０００８】そして、一実施態様において、電源接続部
が、リング状をなす２枚の導電板を絶縁状態で重ね合わ
せてなるものとしてある構成とし、また、必要に応じて
採用される実施態様では、電源接続部が、リング状をな
す２枚の導電板を絶縁状態で重ね合わせると共にその径
方向に絶縁状態で２分割してなるものとしてある構成と
し、さらに他の実施態様では、回転台の回転を規制する
回転制動機構を備えた構成としている。

【０００９】

【発明の作用】この発明に係わる溶接用回転治具では、
電源接続部に、回転台上に載置した溶接ガンを電気的に
接続すると共に電源供給ガンを電気的に接続すると、溶
接ガンに電源が供給されることとなる。

【００１０】つまり、電源供給用のケーブルを弛ませる
必要がないので、作業者が足を取られたり、ケーブルを
切断したりすることがほとんどなくなり、その結果、作
業性は向上することとなる。

【００１１】また、電源接続部はリング状をなしている
ことから、この電源接続部に対する電源供給ガンの接続
は任意の位置でなされることとなる。

【００１２】さらに、電源接続部はガイドを介して回転
台に絶縁状態で摺動可能に支持されていることから、電
源接続部に電源供給ガンを電気的に接続して溶接作業を
行っている間であっても、回転台の回転は支障なく行わ
れることとなる。

【００１３】そして、必要に応じて採用される実施態様
では、電源接続部が、リング状をなす２枚の導電板を絶
縁状態で重ね合わせると共にその径方向に絶縁状態で２
分割した合計４枚の導電板からなるものとしてあること
から、２系統の溶接ガンに対する電源の供給が同時にな
されることとなる。

【００１４】

【実施例】以下、この発明を図面に基づいて説明する。

【００１５】図１〜図５はこの発明に係わる溶接用回転
治具の一実施例を示しており、この実施例では、この発
明に係わる溶接用回転治具を自動車のボディーサイド組
立てラインにおけるサブ工程としてのリアピラーインナ
ー組立て工程に採用した場合を示す。

【００１６】図１ないし図３に示すように、この溶接用
回転治具１は、ベースプレート２と、このベースプレー
ト２の中心に鉛直方向に設けた円筒形状をなす回転軸３
と、この回転軸３に支持される回転台４を備えており、
回転軸３はその下端に設けたリブ３ａをベースプレート
２にボルト止めすることにより固定してある。

【００１７】前記回転台４は、リアピラーインナー（ワ
ーク）ＷおよびこのリアピラーインナーＷに対して溶接
を行うマルチスポット溶接機の溶接ガンＷＧを載置する
ものであって、ボス部４ａおよびこのボス部４ａの上端
でかつ周囲にフランジ４ｃを介して固定した台本体４ｂ
を具備しており、回転軸３にその上下端部に配置された
ボールベアリング６およびローラベアリング７を介して
ボス部４ａを嵌合することによって、回転軸３を中心と
して回転するものとしてある。

【００１８】また、この溶接用回転治具１は、リング状
をなす２枚の銅板（導電板）１１，１２を同じくリング
状をなす絶縁体１３を介して重ね合わせてなる電源接続
部１０を備えている。この全体でリング状をなす電源接
続部１０は、回転台４と同軸に設けてあり、この回転台
４の下側面にボルト止めした複数個（図では４個）のブ
ラケット１４を介して回転台４に取り付けてある。この
場合、電源接続部１０とブラケット１４との間には、ブ
ラケット１４側に固定したナイロンよりなるガイド１５
がそれぞれ設けてあり、電源接続部１０はこのガイド１
５に対して摺動可能となっている。そして、この電源接
続部１０の銅板１１，１２には、回転台４上の溶接ガン
ＷＧと電気的に接続可能とした母線１６がコネクタ１
７，１８を介してそれぞれ接続してあり、この電源接続
部１０を電源供給ガンＢＷの上，下アームＡ，Ｂにより
挟んで加圧することによって、上，下アームＡ，Ｂから
銅板１１，１２、コネクタ１７，１８および母線１６を
介して回転台４上の溶接ガンＷＧに電源を供給するよう
にしてある。

【００１９】さらに、この溶接用回転治具１は、回転台
４の回転を規制する回転制動機構２０（図３にのみ示
す）を備えている。この回転制動機構２０は、ベースプ
レート２に固定したシリンダ２１と、ベースプレート２
に設けた支軸２２を中心にして回動可能とした制動アー
ム２３を備えており、シリンダ２１におけるシリンダロ
ッド２１ａの先端を制動アーム２３の基端（図示下端）
に枢着連結させてある。そして、この回転制動機構２０
では、ロッド２１ａを引込んだ状態（図に仮想線で示す
状態）にあるシリンダ２１のロッド押出し作動によって
制動アーム２３を時計回り方向に回動させ、その先端部
を回転台４のボス部４ａに圧接させる（図に実線で示す
状態）ことにより、回転台４を停止させるようにしてい
る。

【００２０】さらにまた、この溶接用回転治具１は、回
転台４の回転限においてこの回転台４を固定するロック
機構３０を備えている。このロック機構３０は、シリン
ダ３１と、このシリンダ３１のロッド３１ａに連結した
トグルクランプ３２を備えており、シリンダ３１のロッ
ド押出し・引込み作動により、トグルクランプ３２を駆
動して回転台４側のロック部４ｄを把持・解放し、回転
台４を固定・解除するものとしてある。

【００２１】なお、図２および図３における符号３５
は、ショックアブソーバであり、回転台４が回転限に到
達した際に，回転台４側に設けたブロック４ｅと当接し
て衝撃を和らげるようにしている。

【００２２】この溶接用回転治具１は、図４および図５
に示すように、自動車のボディーサイド組立てラインに
おけるサブ工程としてのリアピラーインナー組立て工程
において、マテリアルハンドリングロボットＲの走行方
向（図４矢印方向）に沿って複数設置したステージＳ上
にそれぞれ配設されており、これらの溶接用回転治具１
は、各ステージＳに設けたスライド機構Ｓａにより、マ
テリアルハンドリングロボットＲの走行方向と直交する
方向に往復移動できるようになっている。

【００２３】そして、この溶接用回転治具１では、ま
ず、回転制動機構２０のシリンダ２１をロッド押出し作
動させて回転台４の回転を規制した状態で、リアピラー
インナーＷを手作業にて回転台４にセットする。

【００２４】これより前に、回転台４上に載置したマル
チスポット溶接機の溶接ガンＷＧをコネクタ１７，１８
を介して電源接続部１０に接続する母線１６に電気的に
接続しておく。

【００２５】次いで、電源接続部１０を電源供給ガンＢ
Ｗの上，下アームＡ，Ｂにより挟んで加圧して、上，下
アームＡ，Ｂから銅板１１，１２、コネクタ１７，１８
および母線１６を介して回転台４上の溶接ガンＷＧに電
源を供給し、リアピラーインナーＷに対するマルチスポ
ット溶接を行う。

【００２６】そして、溶接が終了したのちは、ステージ
Ｓに設けたスライド機構Ｓａを作動させて、溶接用回転
治具１をマテリアルハンドリングロボットＲ側に移動さ
せ、ロック機構３０のシリンダ３１をロッド押出し作動
させてトグルクランプ３２により回転台４を固定するの
に続いて、マテリアルハンドリングロボットＲに次工程
に向けてのリアピラーインナーＷの搬出を行わせる。

【００２７】こののち、ステージＳのスライド機構Ｓａ
を作動させて、溶接用回転治具１をマテリアルハンドリ
ングロボットＲとは反対側に移動させ、以後、上記動作
を繰り返して行う。

【００２８】したがって、この溶接用回転治具１では、
電源供給用のケーブルを弛ませる必要がないので、作業
者が足を取られたり、ケーブルを切断したりすることは
なくなり、溶接作業性は大幅に向上することとなる。

【００２９】また、電源接続部１０はリング状をなして
いることから、この電源接続部１０に対する電源供給ガ
ンＢＷの接続は任意の位置でなされることとなり、加え
て、電源接続部１０はガイド１５を介して回転台４に絶
縁状態で摺動可能に支持されているので、上記のように
マルチスポット溶接を行っている間にポータブルスポッ
ト溶接を併せて行う場合に、回転台４を適宜回転させな
がら作業を行うことが可能となる。

【００３０】さらに、この実施例では、回転制動機構２
０を備えていることから、回転台４を任意の位置で停止
させることができることとなる。

【００３１】図６および図７はこの発明に係わる溶接用
回転治具の他の実施例を示しており、この実施例の溶接
用回転治具５１は、リング状をなす２枚の銅板（導電
板）６１，６２を同じくリング状をなす絶縁体６３を介
して重ね合わせると共にこれらの銅板６１，６２をその
径方向に絶縁体６４で２分割した合計４枚の銅板６１
ａ，６１ｂ，６２ａ，６２ｂからなる電源接続部６０を
備えている。

【００３２】また、この溶接用回転治具５１では、電源
接続部６０の銅板６１ａ，６１ｂ，６２ａ，６２ｂに、
コネクタ６７ａ，６７ｂ，６８ａ，６８ｂを介して母線
６６がそれぞれ接続してあり、この電源接続部６０の銅
板６１ａ，６２ａを電源供給ガンＢＷ１の上，下アーム
Ａ１，Ｂ１により挟んで加圧すると共に銅板６１ｂ，６
２ｂを電源供給ガンＢＷ２の上，下アームＡ２，Ｂ２に
より挟んで加圧することによって、電源供給ガンＢＷ１
の上，下アームＡ１，Ｂ１および電源供給ガンＢＷ２の
上，下アームＡ２，Ｂ２から銅板６１ａ，６１ｂ，６２
ａ，６２ｂ、コネクタ６７ａ，６７ｂ，６８ａ，６８ｂ
および母線６６を介して回転台４上の２個の溶接ガンＷ
Ｇ１，ＷＧ２に電源を供給するようにしてある。

【００３３】この場合、電源供給ガンＢＷ１の上アーム
Ａ１および電源供給ガンＢＷ２の上アームＡ２を第１ト
ランスＴＲ１側に接続すると共に、電源供給ガンＢＷ１
の下アームＢ１および電源供給ガンＢＷ２の下アームＢ
２を第２トランスＴＲ２側に接続することにより、溶接
ガンＷＧ１は電源接続部６０の銅板６１ａ，６１ｂ側か
ら電源を取り込むと共に溶接ガンＷＧ２は電源接続部６
０の銅板６２ａ，６２ｂ側から電源を取り込むものとな
っており、他の構成は、先の実施例の溶接用回転治具１
と同じである。

【００３４】したがって、この溶接用回転治具５１で
は、回転台４上に２個の溶接ガンＷＧ１，ＷＧ２を載置
して同時にスポット溶接が行えることから、溶接ガンを
１個とした場合に比べて溶接に要する時間を半減させる
ことが可能となる。

【００３５】また、電源接続部６０を上記構成としてい
ることから、電源供給中に２つの系統でそれぞれ生じる
磁界が交差することがないので、回転台４を高く設定し
たり、電源接続部６０の径を大きくしたりすることな
く、電源の供給ができることとなる。

【００３６】なお、上記した２つの実施例では、この発
明に係わる溶接用回転治具１，５１を自動車のボディー
サイド組立てラインにおけるサブ工程としてのリアピラ
ーインナー組立て工程に採用した場合を示したが、これ
に限定されるものではなく、また、詳細な構成も上記し
た２つの実施例に限定されるものではない。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
溶接用回転治具では、上記した構成としたから、溶接作
業性の向上を実現させることでき、溶接作業中における
回転台の回転を支障なく行うことが可能であると共に、
回転台の停止位置に関係なく回転台上の溶接ガンに電源
を接続することができるという極めて優れた効果がもた
らされ、必要に応じて採用される実施態様においては、
回転台を高く設定したり、電源接続部の径を大きくした
りすることなく、溶接に要する時間を半減させることが
可能であるという極めて優れた効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係わる溶接用回転治具の一実施例を
示す側面説明図である。

【図２】図１に示した溶接用回転治具の断面説明図であ
る。

【図３】図１に示した溶接用回転治具の平面説明図であ
る。

【図４】図１の溶接用回転治具を自動車のボディーサイ
ド組立てラインにおけるサブ工程としてのリアピラーイ
ンナー組立て工程に採用した状況を示す平面説明図であ
る。

【図５】図１の溶接用回転治具を自動車のボディーサイ
ド組立てラインにおけるサブ工程としてのリアピラーイ
ンナー組立て工程に採用した状況を示す側面説明図であ
る。

【図６】この発明に係わる溶接用回転治具の他の実施例
を示す側面方向からの断面説明図である。

【図７】図６に示した溶接用回転治具の平面説明図であ
る。

【符号の説明】

１，５１溶接用回転治具４回転台１０，６０電源接続部１１，１２，６１ａ，６１ｂ，６２ａ，６２ｂ銅板
（導電板）１５ガイド２０回転制動機構ＢＷ電源供給ガンＷＧ，ＷＧ１，ＷＧ２溶接ガンＷリアピラーインナー（ワーク）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ワークを載置すると共に前記ワークに対
して溶接を行う溶接ガンを載置する回転台を備えた溶接
用回転治具において、前記回転台と同軸に設けられて前
記溶接ガンと電気的に接続可能でかつ電源供給ガンと電
気的に接続可能としたリング状をなす電源接続部と、前
記回転台と電源接続部との間に設けられて当該電源接続
部を回転台に対して絶縁状態で摺動可能に支持するガイ
ドを備えたことを特徴とする溶接用回転治具。
【請求項２】電源接続部が、リング状をなす２枚の導
電板を絶縁状態で重ね合わせてなるものとしてある請求
項１に記載の溶接用回転治具。
【請求項３】電源接続部が、リング状をなす２枚の導
電板を絶縁状態で重ね合わせると共にその径方向に絶縁
状態で２分割してなるものとしてある請求項１に記載の
溶接用回転治具。
【請求項４】回転台の回転を規制する回転制動機構を
備えた請求項１ないし請求項３のいずれかに記載の溶接
用回転治具。