JPH0711880A - トンネル掘進機における掘削制御方法とその装置 - Google Patents

トンネル掘進機における掘削制御方法とその装置

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JPH0711880A
JPH0711880A JP18439593A JP18439593A JPH0711880A JP H0711880 A JPH0711880 A JP H0711880A JP 18439593 A JP18439593 A JP 18439593A JP 18439593 A JP18439593 A JP 18439593A JP H0711880 A JPH0711880 A JP H0711880A
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tunnel
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耕三 佐古井
Kenichi Oriide
健一 折出
Koichi Niyama
幸一 丹山
Shinichi Sugiyama
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カッターヘッドの負荷状況を正確に把握で
き、カッターヘッドに許容範囲以上の負荷が作用するの
を未然に防止でき、長期間安定して使用できる、トンネ
ル掘進機における掘削制御方法を提供する。 【構成】 トンネルの掘削作業時に、カッターヘッド2
の中心部の、反推進方向への変形量を計測し、該変形量
に基づいてシールドジャッキ16による推進を制御する
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トンネル掘進機におい
てその掘削作業時に掘進機本体の推進やカッターヘッド
の駆動を制御することにより、トンネルの掘削状態を制
御する方法とその装置に関し、詳しくは掘削時に地山か
らカッターヘッドに対して作用する負荷状況に応じて推
進装置やカッターヘッドの駆動装置を制御することによ
って、カッターヘッドを保護するためのものである。
【0002】
【従来の技術】この種の掘削制御方法として、掘削作業
時におけるカッターヘッドの駆動トルクを計測し、あら
かじめ設定した駆動トルクの上限値に達したときに掘進
機本体の推進、すなわち掘進機本体を推進するための推
進装置を停止して、カッターヘッドへの負荷を解消する
方法が、一般に採用されている。
【0003】その他、特開昭62−276195号公報
に記載の装置がある。この装置は、掘進機本体の前面に
カッターヘッドの外周部を軸受ハウジングおよび軸受を
介して回動自在に支持し、軸受ハウジングと掘進機本体
との間に油圧シリンダを介設して、この油圧シリンダの
油圧力を圧力検出器で計測することによって軸方向荷重
を検出する。そして、圧力検出器からの入力信号である
圧力値を設定値と比較させ、偏差が生じたときには、掘
進機本体の推進装置であるシールドジャッキへの圧油吐
出量を変化させてシールドジャッキの推進速度を調整す
る構造である。また、特開平4−92084号公報に記
載の装置もあるが、この装置は基本的には上記公報に記
載の装置と同じである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の方法あるいは装置では、次のような不都合があ
る。すなわち、 前者の場合、負荷抵抗が同じでもカッターヘッドに
作用する位置が変われば、駆動トルクが変化する。つま
り、カッターヘッドの中心部に負荷抵抗が集中的に作用
したときには、駆動トルクは小さくなるが、カッターヘ
ッドの外周部に作用したときには、駆動トルクは大きく
なる。しかも、掘削地山の状態やカッターヘッド内への
ズリの取り込み状態やカッターヘッド前面での土砂の付
着状態の変化で、カッターヘッドに作用する負荷抵抗が
変動する。したがって、駆動トルクの値だけではカッタ
ーヘッドの受ける荷重が、強度上問題となる危険荷重に
達しているか否かを正確には把握できないので、駆動ト
ルクの上限値をかなり低い値に設定しなければならな
い。が、そのように設定すると、掘削能力が十分に発揮
されず、作業効率が悪い。
【0005】 上記公報に記載の装置の場合、カッタ
ーヘッド外周部の軸受ハウジングの箇所に、油圧シリン
ダを介設してその油圧力を計測することによって軸方向
荷重を検出している。このため、油圧シリンダにはカッ
ターヘッド全体の荷重が作用するので、カッターヘッド
の全面に作用する押付力(スラスト力)が計測され、大
きな荷重がカッターヘッドの一部に集中的に作用してい
るのか、全体的に作用しているのかまでは検出すること
ができない。したがって前者の場合と同様に、強度上問
題となる危険荷重に達しているか否かを正確には把握で
きないため、押付力の上限値をかなり低い値に設定しな
ければならないので、掘削能力が十分に発揮されず、作
業効率が悪い。
【0006】そこで、掘削作業時におけるカッターヘッ
ドの変形状態を検出するために、カッターヘッドの適所
に歪ゲージを直接に取り付け、歪ゲージでカッターヘッ
ドの応力状態を計測する方法が考えられる。しかし、こ
の方法の場合には、歪ゲージを泥水や泥土、ズリなどか
ら防護するため、カバーで覆う必要があるので、カバー
の有する剛性によって、カッターヘッド自身の剛性とに
差異が生じ、カッターヘッドの応力状態を正確に把握で
きない。
【0007】この発明は上述の点に鑑みなされたもの
で、主にカッターヘッドの中心部の変形量を計測するこ
とで、従来の方法あるいは従来の装置に比べてカッター
ヘッドの負荷状況を正確に把握でき、カッターヘッドに
許容範囲以上の負荷が作用するのを未然に防止でき、長
期間安定して使用できる、トンネル掘進機における掘削
制御方法とその装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の掘削制御方法は、トンネルの掘削作業時
に、前記カッターヘッドの中心部の、反推進方向への変
形量を計測し、該変形量に基づいてシールドジャッキな
どの推進装置による推進を制御するものである。
【0009】請求項2記載のように、上記請求項1の掘
削制御方法において、前記カッターヘッドの中心部の前
記変形量を測定するとともに、前記カッターヘッドの駆
動トルク値を計測し、前記変形量および駆動トルク値に
基づいて前記推進装置による推進を制御することが好ま
しい。
【0010】請求項3記載のように、上記請求項1又は
2の掘削制御方法において、前記カッターヘッドの中心
部の前記変形量を計測して、その変形量があらかじめ設
定した許容最大変形量に達するか、それを超えるかした
場合に、前記推進装置による推進を中止した状態で前記
変形量を再び計測し、この変形量が“0”に戻らないと
きは前記カッターヘッドの駆動を中止することができ
る。
【0011】上記方法を実施するために本発明の掘削制
御装置は、掘進機本体の前端にカッターヘッドを外周部
又は中間部で回動自在に支持して駆動装置により回転さ
せるように構成し、前記掘進機本体をシールドジャッキ
などの推進装置で推進させてトンネルを掘削するトンネ
ル掘進機における掘削制御装置であって、前記カッター
ヘッドの中心部に検出シャフトの基端を固設して、該検
出シャフトの先端を前記掘進機本体内に向け延設し、前
記掘進機本体内の、前記検出シャフトの先端面に対向す
る固定部に、検出シャフトの先端面との距離を計測する
距離センサーを装着し、該距離センサーにて計測した前
記検出シャフトの先端面と前記固定部間の測定距離に基
いて前記推進装置による推進を制御する制御装置を設け
ている。
【0012】請求項5記載のように、上記請求項4の装
置において、前記カッターヘッドの駆動装置に、その駆
動トルクを計測する計測装置を設け、該計測装置により
計測した駆動トルク値および前記検出シャフトの先端面
と前記固定部間の測定距離に基づいて、前記推進装置に
よる推進を制御するように前記制御装置を構成すること
が好ましい。
【0013】
【作用】上記の構成を有する本発明の掘削制御方法によ
れば、カッターヘッドを回転させると同時に推進装置で
掘進機本体を前方へ推進させて、カッターヘッドを地山
に押し付けてトンネルを掘削する際に、カッターヘッド
に作用する地山等の負荷抵抗でカッターヘッドの中心部
が反掘進方向へ変形するが、この変形(以下、変位とも
いう)量を計測し、計測した変形量に基づいて掘進機本
体の推進状態いいかえればカッターヘッドの押し付け力
が調整される。これは、カッターヘッドが一般的には鋼
から形成され、一種の弾性体であることから、負荷重が
作用するとその大きさに比例してカッターヘッドが変形
すること、およびカッターヘッドは全体的に変形する
が、中心部における変形が最も大きいことから、負荷重
が作用すると、カッターヘッドの中心部が敏感にかつ大
きく変形するので、その変形量から負荷重を導き出せる
からである。具体的には、あらかじめトンネルを掘削す
る地盤で実測することで、カッターヘッドが負荷重を受
けて中心部が変形するときの負荷重と変形量の関係およ
び許容最大変形量を求めておき、計測した変形量と比較
する。これによって、カッターヘッドに対する負荷状況
を瞬時にかつ正確に把握でき、推進装置による推進を効
果的に制御し、カッターヘッドの損傷や破損を未然に防
止することができる。とくに、従来の駆動トルクのみに
よる掘削制御では、カッターヘッドの中心部に集中的に
作用する負荷重の場合、許容最大荷重を超えた、いわゆ
る危険荷重が作用しているときにも駆動トルク値はそれ
程高くならないという欠点があったが、本発明の掘削制
御方法ではカッターヘッドの変形量に基づいて負荷重を
把握するうえに、カッターヘッドの変形量の最も大きい
中心部で計測しているので、そのような欠点が解消され
る。
【0014】請求項2記載の掘削制御方法によれば、カ
ッターヘッドの変形量と併せて駆動トルク値も計測する
ので、とくにカッターヘッドの中心部から離れた箇所、
つまり中間部および外周部に作用する負荷重を、駆動ト
ルク値から比較的正確に把握することができる。このた
め、カッターヘッドのほぼ全面にわたって作用する負荷
重の状態を把握できるため、推進装置による推進の制御
が一層正確になり、カッターヘッドの損傷や破損も一層
確実に防止できる。
【0015】請求項3記載の掘削制御方法は、推進装置
による推進を中止した状態ではカッターヘッドへの作用
荷重が“0”となるから、カッターヘッドの変形量は
“0”になるはずである。したがって、“0”にならな
い場合にはカッターヘッドに永久歪が生じていると判断
し、その変形量の大きさに基づいてカッターヘッドの異
常を検出するものである。これにより、加圧泥水室内の
泥水を抜き取ることなく或いはカッターヘッドを取り外
さなくても、カッターヘッドの異常が検出でき、異常な
状態でカッターヘッドの使用を継続することがなくなる
ため、カッターヘッド以外の部分に異常が拡大すること
も防止される。
【0016】上記の構成を有する本発明の掘削制御装置
(請求項4)では、外周支持および中間支持のカッター
ヘッドでは負荷重を受けたときにその中心部が変形し易
く、またカッターヘッドの中心部に反推進方向(後方)
に向けてシャフトが延設されているから、このシャフト
がカッターヘッドの変形に応じ前後方向に移動する。そ
こで、掘進機本体内の固定部の距離センサーで、このセ
ンサーとシャフト端面との距離を継続的に測定すること
により、カッターヘッドの変形(変位)量を正確に計測
できる。なお、基本的な作用は、上記請求項1の掘削制
御方法について上記した作用と共通する。したがって、
カッターヘッドの変形量に基づいて負荷重を把握したう
えで、推進装置による掘進機本体の推進を正確に制御で
きる。
【0017】請求項5記載の掘削制御装置についての作
用は、請求項2の掘削制御方法について上記した作用と
共通する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の掘削制御装置をシールド掘進
機に適用した実施例の図面に基づいて説明する。
【0019】図1(a)および(b)はシールド掘進機の正
面図および側方視断面図、図2(a)は図1(b)のA部分
を拡大した断面図、図2(b)は図2(a)のB−B線断面
図である。
【0020】図1に示すように、泥水式シールド掘進機
の本体1は中空の円筒体からなり、シールドプレート1
aの後端部内周面に、シール部材1bが配装されてい
る。掘進機本体1の前端面に、カッターヘッド2が回動
自在に支持されている。このカッターヘッド2は、図1
(a)のように円板状で、中心部より円周方向にかけて略
扇状に拡がる複数本のカッターアーム2aを備え、各カ
ッターアーム2aには多数のカッタービット2bが取り
付けられている。なお、図1(a)中の符号2cはコピー
カッターである。また、カッターヘッド2の支持構造
は、その外周部裏面に駆動アーム3を突設し、環状の駆
動ディスク4で支持され、軸受を内蔵したリングギヤ7
で回動自在に支持した外周支持タイプで、カッターヘッ
ド2は掘進機本体1内に配設された油圧モーター6によ
りリングギヤ7を介して回転される。
【0021】掘進機本体1内の前端部で、カッターヘッ
ド2のすぐ後方が、バルクヘッド8で仕切られ、このバ
ルクヘッド8とカッターヘッド2の空間が加圧泥水室9
に構成されている。そして、加圧泥水室9には、送泥管
10と排泥管11とが接続されている。また、カッター
ヘッド2の後面中心部には、検出シャフト12が後方へ
向けて延設され、このシャフト12は、後述するように
バルクヘッド8を貫通する。なお、図1(b)中の符号1
3はエレクター、14はエレクター13の支持リング、
15はエレクター駆動用モータ、16はシールドジャッ
キである。
【0022】なお、シールド掘進機の場合、通常、コピ
ーカッター用スイベルジョイントや加泥剤注入用のスイ
ベルジョイントを装備するためのシャフトが、カッター
ヘッド2の中心部に取り付けられているので、上記検出
シャフト12をそのシャフトで代用することができる。
【0023】図2に示すように、検出シャフト12の先
端側は、バルクヘッド8に穿設された開口8aを貫通し
て突出し、軸受ハウジング17内の前後の軸受18・1
9を介して回動自在に支承されている。また、軸受ハウ
ジング17はバルクヘッド8に対し、本例では軸受ハウ
ジング17に設けられた軸方向の溝17aに嵌合する回
転ストッパ25aとゴム製ブーツからなるフレキシブル
ジョイント20を介して、シール21と軸受18、19
の摺動抵抗による回転力での軸受ハウジング17の回転
は拘束され、前後方向に摺動可能に支持されている。さ
らに、加圧泥水室9内の泥水が漏れ出すのを防ぐため
に、軸受18のすぐ前方で軸受ハウジング17とシャフ
ト12の間にシール21が、また、バルクヘッド8の開
口8aと軸受ハウジング17の間にシール22がそれぞ
れ介装されている。シャフト12の後端面には軸受止め
23が、軸受ハウジング17の後端面には軸受止め24
がそれぞれ装着されており、したがって、本例では、シ
ャフト12が軸受ハウジング17と一体的に前後方向に
摺動する。
【0024】そして、シャフト12の後方でこれと対向
する位置の、掘進機本体1内の固定部、本例では、図1
(b)のように送泥管10と排泥管11とに跨がり、鉛直
方向に支持された支持フレーム25に、距離センサーと
してのレーザセンサー26が設置されている。このレー
ザセンサー26は、周知のようにレーザビームを発射し
てその反射ビームをレーザセンサで受光し、投射光と反
射光との角度によってレーザセンサー26とその反射面
との距離を計測する。
【0025】また、本実施例では、カッターヘッド2の
駆動用油圧モーター6の油圧力を検出するようになって
いる。そして、レーザセンサー26で計測した距離L
(又はL’)を、無負荷状態での基準距離L(又はL
’)と比較して得られる、検出シャフト12の移動寸
法δおよび油圧モーター6の油圧力との両方の値に基づ
いて、制御装置(図示せず)によってシールドジャッキ
16の推進力が制御される。
【0026】上記のようにして本実施例にかかるシール
ド掘削機の掘削制御装置が構成されるので、以下、同装
置の使用態様をその掘削制御方法と併せて図1〜図3を
参照して説明する。
【0027】上記の軸受18・19にはころがり軸受を
用いており、前後方向の隙間は1/10mm程度である
のに対し、カッターヘッド2の破壊防止に要するシャフ
ト12の移動量、いいかえればカッターヘッド2の中心
部の変形量δは、3mm以上になると考えられる。ま
た、レーザセンサー26の測定精度、つまり、測定誤差
は1/100mm程度である。したがって軸受18・1
9に起因する誤差(ガタ)は、変形量δの計測時の誤差
範囲内にあり、問題にはならない。
【0028】ところで、カッターヘッド2に作用する荷
重WTHは、推進装置の全推力をWとすると、WTH=W
−Wf1−Wf2になる。ただし、Wf1をシールド掘進機
の前面に作用する泥水圧または泥土圧による推進抵抗
力、Wf2を周辺の地山とシールド掘進機間の摩擦による
推進時の摩擦抵抗力とする。なおWはシールドジャッ
キの駆動圧力と装備されているシールドジャッキの仕様
とによって求まり、またWf1はシールド掘進機の直径と
作用外圧(シールド掘進機の運転中、常時測定されてい
る。)とから求まる。さらにWf2は、適当な摩擦係数を
選択することで、算出できる。
【0029】そして、横軸の荷重Wは、カッターヘッド
2に作用する荷重WTHとシールド掘進機の推進抵抗力W
f2の和、いいかえればシールドジャッキ16の全推力と
泥水圧または泥土圧による推進抵抗力の差(W
f1)とし、縦軸はレーザセンサー26により計測した
変位量δとする。
【0030】カッターヘッド2の限界強度すなわち荷重
に対する最大変形量は、工場等でシールド掘進機を組み
立てた状態で、カッターヘッド2に一定の荷重を作用さ
せ、そのときの変形状態を調べる程度の実験で、あとは
机上でカッターヘッド2への作用荷重を仮定して解析計
算により、許容最大荷重Waと許容最大変形量δaを求
めることができる。図3(b)は計算により求めた荷重W
と変形量δの関係を表した線図である。
【0031】一方、トンネルの掘削地盤において上記の
シ−ルド掘進機を運転し、カッターヘッド2が無負荷状
態での検出シャフト12の変位δを“0”とし、シール
ドジャッキ16を伸長してカッターヘッド2の地山に対
する押付力W’を変えながらその時々の変位量δ’を求
め、横軸に荷重W’、縦軸に変位δ’を採ると、図3
(a)に示すように変位δ’が荷重W’に一次比例する固
有の線図が得られる。
【0032】そこで、実測により求めた単位荷重W’あ
たりの変形割合θ’(図3(a))と、計算により求めた単
位荷重Wあたりの変形割合θ(図3(b))とが一致すれ
ば、計算上の仮定条件が正しかったことになる。一般に
は、計算で求める場合にカッターヘッド2の強度上の諸
条件を実際よりもやや厳しく設定するので、tanθ’≦t
anθとなるのが通常の例であるが、このような場合に
も、実測により求めた単位荷重W’あたりの変形割合
θ’に基づいて修正することで、簡単に許容最大荷重W
a’と許容最大変形量δa’が決定される。
【0033】さて、トンネルの掘削作業に際しては、計
算により求めたうえ、実測にて修正済みの荷重Wと変形
量δの関係を表した線図(図3(b))に基づき、許容最
大変形量δaを超えないように、シールドジャッキ16
の推進力を制御して作業が遂行される。すなわち、カッ
ターヘッド2を回転させると同時に、シールドジャッキ
16でシールド掘進機本体1を前方へ推進させ、カッタ
ーヘッド2を地山に押し付けてトンネルが掘削されてい
く。このとき、地山からの荷重をカッターヘッド2が受
け、とくにその中心部が反掘進方向へ変形するが、この
変形量δがレーザセンサー26によって計測される。ま
た、上記したとおり油圧モータ6の油圧力(いいかえれ
ば、カッターヘッド2の駆動トルク)も同時に計測され
る。
【0034】こうして変形量δと駆動トルク値の両方の
計測値に応じてシールドジャッキ16による掘進機本体
1の推進状態、いいかえればカッターヘッド2の押し付
け力が調整される。カッターヘッド2の中心部の変形量
δが小さい場合に駆動トルク値が大きくなれば、それは
カッターヘッド2の外周部に大きな荷重が作用したもの
と判断されるから、カッターヘッド2の外周部の荷重が
駆動トルク値によって検知されることになる。したがっ
て、許容最大駆動トルク値は、従来の駆動トルクのみに
よる制御方法に比べてかなり大きくすることができるか
ら、駆動トルクによる制御を併用しても、掘削能力が十
分に発揮されるので、作業効率が低下することはない、
また、図3(a)の線図を下方へ延長し、この延長線(破
線)が変形量δ=0の線と交差する点の荷重Wsが、シ
ールド掘進機の推進抵抗力、つまりシールド掘進機のみ
の推進に必要な力Wf2になる。このWsの値は、シール
ド掘進機の周辺の地山条件によって変化するから、この
値(Ws)が変化するということは、掘進機やカッター
ヘッド周辺の地山の条件が変化していることを示してい
る。ただし、トンネル掘削作業中には、その状態の変化
を目視にて確認することができないが、データから間接
的に知ることができる。
【0035】そのほか、上記した変形・荷重の線図(図
3)を用いることの利点として、カッターヘッド2への
作用荷重が“0”、つまりシールドジャッキ16の推進
力が“0”の場合には、カッターヘッド2の変形量は
“0”になるはずであるから、推進力を“0”にしても
カッターヘッド2の変形量が“0”にならないときに
は、カッターヘッド2が永久変形を起こしていることに
なる。たとえば、トンネル掘削作業時に、過大な荷重が
カッターヘッド2の一部に作用して塑性変形を生じた
り、カッターヘッド2の一部が破損して強度低下により
塑性変形を生じたりしているので、そのようなカッター
ヘッド2の異常も検知できることが挙げられる。
【0036】以上、本発明の一実施例について説明した
が、下記のように実施することもできる。
【0037】 カッターヘッド2の駆動トルクによる
制御を省くことができる。
【0038】 距離センサーであれば、とくにレーザ
センサー26に限定されない。またセンサー26の取付
位置は、掘進機本体1内の可動しない箇所であれば、支
持フレーム25には限定されない。
【0039】 泥水式シールド掘進機に限定されるこ
とはなく、またシールド掘進機以外のトンネル掘進機に
も適用できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明のトンネル掘削機における掘削制御方法および同
装置には、次のような効果がある。
【0041】(1) 請求項1の方法および請求項4の装置
では、カッターヘッドの変形量に基づいてカッターヘッ
ドの受ける負荷重を計測するので、カッターヘッドに対
する負荷状況を瞬時にかつ正確に把握でき、推進装置に
よる推進を効果的に制御し、カッターヘッドの損傷や破
損を未然に防止できる。
【0042】(2) 請求項2の方法および請求項5の装置
では、カッターヘッドの変形量と併せて駆動トルク値も
計測するので、とくにカッターヘッドの中心部から離れ
た箇所、つまり中間部および外周部に作用する負荷重
を、駆動トルク値から比較的正確に把握することがで
き、カッターヘッドのほぼ全面に作用する負荷重の状態
を把握できるので、推進装置による推進の制御が一層正
確になり、カッターヘッドの損傷や破損も一層確実に防
止できる。
【0043】(3) 請求項3の方法では、カッターヘッド
を取り外さなくても、カッターヘッドの異常が検出で
き、異常な状態でカッターヘッドの使用を継続すること
がなくなるため、カッターヘッド以外の部分に異常が拡
大することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の掘削制御装置を備えたシー
ルド掘進機を示す正面図、図1(b)は同側方視断面図で
ある。
【図2】図2(a)は図1(b)のA部分を拡大した断面
図、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
【図3】図3(a)は実測により求めた荷重W’と変形量
δ’の関係を表した線図、図3(b)は計算により求めた
荷重Wと変形量δの関係を表した線図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機本体 2 カッターヘッド 6 油圧モーター 8 バルクヘッド 9 加圧泥水室 12 検出シャフト 16 シールドジャッキ(推進装置) 25 支持フレーム(固定部) 26 レーザセンサー(距離センサー)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹山 幸一 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 杉山 伸一 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘進機本体の前端に設けたカッターヘッ
    ドを駆動装置を介して回転させると同時に、前記掘進機
    本体をシールドジャッキなどの推進装置で推進させてト
    ンネルを掘削するトンネル掘進機における掘削制御方法
    であって、 トンネルの掘削作業時に、前記カッターヘッドの中心部
    の、反推進方向への変形量を計測し、該変形量に基づい
    て前記推進装置による推進を制御することを特徴とする
    トンネル掘進機における掘削制御方法。
  2. 【請求項2】 前記カッターヘッドの中心部の前記変形
    量を計測するとともに、前記カッターヘッドの駆動トル
    ク値を計測し、前記変形量および駆動トルク値に基づい
    て前記推進装置による推進を制御する請求項1記載のト
    ンネル掘進機における掘削制御方法。
  3. 【請求項3】 前記カッターヘッドの中心部の前記変形
    量を計測して、その変形量があらかじめ設定した許容最
    大変形量に達するか、それを超えるかした場合に、前記
    推進装置による推進を中止した状態で前記変形量を再び
    計測し、この変形量が“0”に戻らないときは前記カッ
    ターヘッドの駆動を中止する請求項1又は2記載のトン
    ネル掘進機における掘削制御方法。
  4. 【請求項4】 掘進機本体の前端にカッターヘッドを外
    周部又は中間部で回動自在に支持して駆動装置により回
    転させるように構成し、前記掘進機本体をシールドジャ
    ッキなどの推進装置で推進させてトンネルを掘削するト
    ンネル掘進機における掘削制御装置であって、 前記カッターヘッドの中心部に検出シャフトの基端を固
    設して、該検出シャフトの先端を前記掘進機本体内に向
    け延設し、 前記掘進機本体内の、前記検出シャフトの先端面に対向
    する固定部に、検出シャフトの先端面との距離を計測す
    る距離センサーを装着し、該距離センサーにて計測した
    前記検出シャフトの先端面と前記固定部間の測定距離に
    基いて前記推進装置による推進を制御する制御装置を設
    けたことを特徴とするトンネル掘進機における掘削制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記カッターヘッドの駆動装置に、その
    駆動トルクを計測する計測装置を設け、 該計測装置により計測した駆動トルク値および前記検出
    シャフトの先端面と前記固定部間の測定距離に基づい
    て、前記推進装置による推進を制御するように前記制御
    装置を構成した請求項4記載のトンネル掘進機における
    掘削制御装置。
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