JPH07118702A - 高い飽和磁束密度を有するFe−N系軟磁性粉末の製造方法 - Google Patents

高い飽和磁束密度を有するFe−N系軟磁性粉末の製造方法

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JPH07118702A
JPH07118702A JP5285694A JP28569493A JPH07118702A JP H07118702 A JPH07118702 A JP H07118702A JP 5285694 A JP5285694 A JP 5285694A JP 28569493 A JP28569493 A JP 28569493A JP H07118702 A JPH07118702 A JP H07118702A
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JP
Japan
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powder
nitrogen
phase
martensite
flux density
Prior art date
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JP5285694A
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Inventor
Koichiro Morimoto
耕一郎 森本
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い飽和磁束密度を有する軟磁性粉末の製造
方法に関する。 【構成】 純鉄粉末を、アンモニアと水素の混合ガス雰
囲気において加熱保持することにより窒素を固溶せしめ
てオーステナイト単相となし、続いて急冷することによ
り窒素固溶マルテンサイトを主相とするFe−N系原料
粉末を製造し、この窒素固溶マルテンサイトを主相とす
るFe−N系原料粉末に時効処理を施すことにより主相
窒素固溶マルテンサイト中に準安定Fe162 相が微量
析出したFe−N系原料粉末を製造し、ついで、この主
相窒素固溶マルテンサイト中に準安定Fe162 相が微
量析出したFe−N系原料粉末を、窒素を含む雰囲気中
にて高エネルギー粉砕処理を施すことにより準安定Fe
162 相の生成量を高めることを特徴とする高い飽和磁
束密度を有するFe−N系軟磁性粉末の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高い飽和磁束密度を
有する軟磁性粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、モーターやトランスなどの磁心、
さらに磁気シールドのための樹脂結合軟磁性複合部材な
どは、純Fe粉末などの軟磁性粉末に、所定割合のエポ
キシ樹脂などの樹脂結合剤を配合し、混合した後、所定
形状の圧粉体に加圧成形し、この圧粉体に樹脂硬化処理
を施すことにより製造されている。また、純Fe粉末よ
りも高い飽和磁束密度を必要とする場合には、Fe−C
o合金粉末が用いられることも良く知られているところ
である。
【0003】しかし、Fe−Co合金粉末は、純Fe粉
末よりも高価であるために純Fe粉末とほぼ同程度に安
価でかつ純Fe粉末よりも高い飽和磁束密度を有する軟
磁性粉末が求められており、かかる観点から、近年、純
Fe粉末よりも高い飽和磁束密度を有する準安定Fe16
2 化合物を含むFe−N合金粉末が注目されてきた。
【0004】前記準安定Fe162 化合物を含むFe−
N合金粉末を製造する方法としては、Cを含むマルテン
サイトを主体とするFe粉末をアンモニアガス雰囲気中
にて高エネルギー粉砕処理(この処理は、薄板を裁断し
て得られた純鉄フレークまたはFe−N系合金フレーク
を、粉砕用ボールとともに強力ボールミル、例えばアト
ライターミルに充填し、窒素および水素を主体とする雰
囲気中にて攪拌し、粉砕と圧着を繰り返すことにより機
械的に合金化する処理であり、すでに知られている処理
である。)を施す方法が提案されている(例えば、特開
平4−371504号公報などを参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記準安定F
162 化合物を含むFe−N系合金粉末を製造する方
法は、(a) 準安定Fe162 化合物の析出量が十分
でない、(b) Cの添加により飽和磁束密度が減少す
る、などの問題点があり、なお一層準安定Fe162
合物を多く含み、より大きな飽和磁束密度を有する軟磁
性粉末が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
さらに多くの準安定Fe162 化合物を多く含み、より
大きな飽和磁束密度を有する軟磁性粉末を得るべく研究
を行った結果、純鉄粉末をアンモニアと水素の混合ガス
雰囲気において加熱保持することにより窒素を固溶せし
めたオーステナイト単相となし、つづいて急冷すると、
窒素固溶マルテンサイトを主相とするCを含まないFe
−N系粉末を製造することができ、この窒素固溶マルテ
ンサイトを主相とするCを含まないFe−N系粉末に時
効処理を施すと、主相である窒素固溶マルテンサイト中
に準安定Fe162 相が微量析出したFe−N系原料粉
末が得られ、ついで、この主相である窒素固溶マルテン
サイト中に準安定Fe162 相が微量析出したFe−N
系原料粉末を窒素を含む雰囲気中にて高エネルギー粉砕
処理すると、従来よりも準安定Fe162化合物を多く
含むFe−N系軟磁性粉末を製造することができ、さら
にCを含まないところから飽和磁束密度を減少させるこ
とはないという知見を得たのである。
【0007】この発明は、かかる知見に基づいて成され
たものであって、純鉄粉末を、アンモニアと水素の混合
ガス雰囲気において加熱保持することにより窒素を固溶
せしめたオーステナイト単相となし、続いて急冷するこ
とにより窒素固溶マルテンサイトを主相とするFe−N
系粉末を製造し、この窒素固溶マルテンサイトを主相と
するFe−N系粉末に時効処理を施すことにより主相の
窒素固溶マルテンサイト中に準安定Fe162 相が微量
析出したFe−N系原料粉末を製造し、ついで、この主
相の窒素固溶マルテンサイト中に準安定Fe162相が
微量析出したFe−N系原料粉末を窒素を含む雰囲気中
にて高エネルギー粉砕処理を施すことにより準安定Fe
162 相を形成する高い飽和磁束密度を有するFe−N
系軟磁性粉末を製造する方法、に特徴を有するものであ
る。
【0008】この時効処理を施して得られた窒素固溶マ
ルテンサイト中に準安定Fe162相が微量析出してい
るFe−N系原料粉末を高エネルギー粉砕処理すると、
窒素固溶マルテンサイトの結晶構造がFe162 相と同
じ体心正方晶(bct)であるところから、高エネルギ
ー粉砕処理中にボールの大きな衝撃エネルギーを受けて
すでに析出しているFe162 相が核となって窒素の規
則配列が促進され、それによって準安定Fe162 相の
生成率が高められるものと考えられる。
【0009】また、飽和磁束密度を大きく減少させるC
を添加することなく窒素を固溶させて窒素固溶マルテン
サイトを主相とするFe−N系原料粉末を製造すること
ができるので、これを原料粉末として高エネルギー粉砕
処理して得られたFe−N系軟磁性粉末は高い飽和磁束
密度が得られるのである。
【0010】
【実施例】
実施例 平均粒径:40μmのアトマイズ純鉄粉を用意し、この
粉末をアンモニア(10容量%)および水素(90容量
%)からなる混合ガス雰囲気中に800℃、2時間保持
したのち水焼き入れし、窒素固溶マルテンサイトを主相
とするFe−N系粉末を製造した。
【0011】この窒素固溶マルテンサイトを主相とする
Fe−N系粉末を、窒素雰囲気中、200℃、1時間保
持の時効処理を施して窒素固溶マルテンサイト中に準安
定Fe162 相が微量析出したFe−N系原料粉末を製
造した。
【0012】ついで、このFe−N系原料粉末15gを
直径:11mmのステンレス鋼製ボール11個と共にス
テンレス鋼製容器に充填し、ステンレス鋼製容器内をア
ンモニアガス雰囲気とし、公転速度:300rpm.で
40時間ステンレス鋼製容器を回転するという条件で遊
星ボールミルによる高エネルギー粉砕処理を施し、準安
定Fe162 化合物を含む本発明Fe−N系軟磁性粉末
を製造した。
【0013】比較例 実施例で得られた窒素固溶マルテンサイトを主相とする
Fe−N系粉末を時効処理することなく実施例と同様の
高エネルギー粉砕処理を施し、準安定Fe162 相を含
む比較Fe−N系軟磁性粉末を製造した。
【0014】従来例 C:0.5%を含有し、残部FeからなるFe合金溶湯
をアトマイズして、粉末内部組織が炭素固溶マルテンサ
イトを主相とする平均粒径:40ミクロンのアトマイズ
原料粉末を製造し、この原料粉末を前記実施例と同じ条
件で高エネルギー粉砕処理を施し、準安定Fe162
合物を含む従来Fe−N系軟磁性粉末を製造した。
【0015】実施例で得られた本発明Fe−N系軟磁性
粉末、比較例で得られた比較Fe−N系軟磁性粉末およ
び従来例で得られた従来Fe−N系軟磁性粉末につい
て、200KV透過電子顕微鏡を用い、制限視野電子線
回折を行い、その結果の回折パターンの中のFe162
相の反射を用いて、暗視野像を結像し、この写真からF
162 相の体積分率を算出し求めた。さらに、前記粉
末の飽和磁束密度(Bs)を振動試料型磁力計を用いて
10kOeの磁界を印加して測定した。これらFe16
2 相の体積分率および飽和磁束密度(Bs )の測定値を
表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】表1に示に示される結果から、時効処理
を施して窒素固溶マルテンサイト中に準安定Fe162
相が微量析出した原料粉末をアンモニアガス雰囲気中に
て高エネルギー粉砕処理を施す実施例により得られたF
e−N系軟磁性粉末は、時効処理を施さないままアンモ
ニアガス雰囲気中にて高エネルギー粉砕処理を施す比較
例により得られたFe−N系軟磁性粉末粉末および炭素
固溶マルテンサイトを主相を有する原料粉末をアンモニ
アガス雰囲気中にて高エネルギー粉砕処理を施す従来例
により得られたFe−N系軟磁性粉末に比べて、生成さ
れるFe162 相の体積分率が大きく、かつ飽和磁束密
度も優れていることが分かる。
【0018】上述のように、窒素固溶マルテンサイトを
主相とするFe−N系粉末に時効処理を施すことにより
主相の窒素固溶マルテンサイト中に準安定Fe162
が微量析出したCを含まないFe−N系原料粉末を製造
し、ついで、この主相の窒素固溶マルテンサイト中に準
安定Fe162 相が微量析出したCを含まないFe−N
系原料粉末を、窒素を含む雰囲気中にて高エネルギー粉
砕処理を施すと、Fe162 相を多く含みかつ飽和磁束
密度の高い合金粉末を安価に大量に製造することがで
き、産業上優れた効果を奏するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純鉄粉末を、アンモニアと水素の混合ガ
    ス雰囲気において加熱保持することにより窒素固溶のオ
    ーステナイト単相となし、続いて急冷することにより窒
    素固溶マルテンサイトを主相とするFe−N系粉末を製
    造し、 この窒素固溶マルテンサイトを主相とするFe−N系粉
    末に時効処理を施すことにより主相の窒素固溶マルテン
    サイト中に準安定Fe162 相が微量析出したFe−N
    系原料粉末を製造し、 ついで、この主相の窒素固溶マルテンサイト中に準安定
    Fe162 相が微量析出したFe−N系原料粉末に、窒
    素を含む雰囲気中にて高エネルギー粉砕処理を施すこと
    により準安定Fe162 相の生成量を高めることを特徴
    とする高い飽和磁束密度を有するFe−N系軟磁性粉末
    の製造方法。
JP5285694A 1993-10-21 1993-10-21 高い飽和磁束密度を有するFe−N系軟磁性粉末の製造方法 Withdrawn JPH07118702A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025161A (ja) * 2013-07-25 2015-02-05 株式会社日本テクノ 鉄または鉄合金の表面硬化方法及び装置、鉄または鉄合金の表面硬化構造
JP2015507354A (ja) * 2011-12-15 2015-03-05 ケース ウェスターン リザーヴ ユニヴァーシティ 転移により得られる希土類元素を含まない窒化物磁石及びその製造方法
US10867730B2 (en) 2011-12-15 2020-12-15 Case Western Reserve University Transformation enabled nitride magnets absent rare earths and a process of making the same

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