JPH07118607A - 導電塗料とその製造方法、並びに導電性塗膜 - Google Patents

導電塗料とその製造方法、並びに導電性塗膜

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JPH07118607A
JPH07118607A JP26628993A JP26628993A JPH07118607A JP H07118607 A JPH07118607 A JP H07118607A JP 26628993 A JP26628993 A JP 26628993A JP 26628993 A JP26628993 A JP 26628993A JP H07118607 A JPH07118607 A JP H07118607A
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conductive
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JP26628993A
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Yuji Suzuki
祐二 鈴木
Yuichi Kojima
裕一 小島
Masami Akiyama
雅美 秋山
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Original Assignee
PLUS TEKU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散性,保存性に優れた、塗布,乾燥して導
電性,透明性に優れた導電塗料を提供する。 【構成】 (a)導電性を付与するドーパントを含む導
電性ポリアニリン、(b)ドーパントを含まないポリア
ニリンを溶解できるアミン・アミド系の溶剤、(c)該
導電性ポリアニリンのドーパントと反応して脱ドープさ
せる塩基性化合物、(d)合成樹脂バインダーを含有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば合成樹脂製のフ
イルム、シート、板、成形品などに帯電防止等の処理を
する導電塗料とその製造方法、および該塗料から得られ
る導電性塗膜に関するものであり、詳しくは、導電性ポ
リアニリンを導電フィラーとして分散した分散性,保存
性に優れた導電塗料、およびその製造方法、ならびに該
塗料を塗布,乾燥して得られる導電性,透明性に優れた
導電性塗膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂は、軽量、強度、加工性などに
優れているためフィルム、シート、板、成形品などに加
工され、幅広い分野で使用されているが、合成樹脂はそ
のほとんどが絶縁体であり、静電気などにより帯電し易
いという性質を持っており、帯電した合成樹脂は、その
表面に挨やゴミなどの汚れを吸着し商品性を著しく低下
させるとか、IC等の電子部品のパッケージに使用され
る場合にはIC回路が静電気により破壊されるなどの不
都合な問題がある。
【0003】そこでこのような静電気障害を防止する目
的で、合成樹脂製品に帯電防止処理を施すことが広く行
われている。
【0004】このような合成樹脂製品に対する帯電防止
処理では更に、フィルムやシートなどのうち内容物の確
認が要求される包装資材等の用途や、透明性樹脂の板や
成形品等では、帯電防止と共に透明性の保持という加重
的な要求が求められており、従来、このような透明性保
持を考慮した帯電防止処理としての技術もいくつか提供
されている。
【0005】例えば、界面活性剤を塗布する方法、水溶
性樹脂を塗布する方法、第4アンモニウム塩型ポリマー
を塗布する方法、透明導電フィラーと合成樹脂バインダ
ーを分散した透明導電塗料を塗布する方法などがこのよ
うな透明性保持と帯電防止の両者を満足するための方法
として知られている。
【0006】またこのような透明導電塗料としては、導
電性樹脂である導電性ポリアニリンの微粒子や、導電性
ポリアニリンで表面を被覆したプラスチツク粒子を含有
する塗料の提案もされている(特開平3−64369号
公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の透明性保持を考慮した帯電防止処理の技術のう
ち、界面活性剤を塗布する方法、水溶性樹脂を塗布する
方法、第4アンモニウム塩型ポリマーを塗布する方法
は、湿度により導電性が変化することや、洗浄によりそ
の機能が喪失するという問題があることが知られてい
る。
【0008】また、導電性フィラーを分散させた透明導
電性塗料については、その導電性フィラーとして例え
ば、導電性カーボンブラック、導電性金属酸化物微粒
子、屈折率が比較的合成樹脂に近い硫酸バリウム等の無
機フィラーの表面を導電性金属酸化物で被覆したものを
用いる方法が知られているが、導電性カーボンブラック
を導電性フィラーとして使用した透明導電塗料は透明性
を発現させるために膜厚を非常に薄くする必要があるた
め、塗膜の耐久性が悪くカーボンブラックが塗膜から脱
落して周囲を汚染するという問題がある。また、導電性
金属酸化物微粒子や、表面を導電性金属酸化物で被覆し
た硫酸バリウム等の無機フィラーを使用した透明導電塗
料は、高価な導電性フィラーを多量に添加しなければな
らない上、これらの比重が合成樹脂バインダーやそれを
溶解分散する溶剤に比較してはるかに高いため、時間が
たつにつれて塗料中のフィラーが沈降してしまうという
問題がある。
【0009】一方、導電性ポリアニリンの微粒子や導電
性ポリアニリンで表面を被覆したプラスチツク粒子を使
用する上述提案(特開平3−64369号公報)の塗料
は、上記の導電性金属酸化物微粒子や導電性金属酸化物
で表面を被覆した無機フィラーを分散させた塗料に比較
すると、フィラー沈降の問題は改善されている。しか
し、例えば透明薄膜を形成する為に固形分濃度を減少さ
せた組成では沈降現象を招くことが避けられないという
問題がある他、導電性ポリアニリンは、イミン構造の−
N−とアミン構造の−NH−との間に水素結合が生じ易
いため粒子の凝集が起こり易く、均一な分散状態を維持
したまま薄膜を形成するのは容易でなく、分散性を維持
した保存は困難という問題もある。
【0010】しかしながら近年におけるプラスチック材
料の種々の用途への利用の拡大や、様々な装置,電子機
器等へのマイコン搭載の普及という面から、プラスチッ
ク材料等を容易な処理で確実に帯電防止処理等ができる
必要性はますます拡大しており、これらのことから、耐
久性に優れ、湿度に左右されない安定した導電性能を持
つ導電塗料の開発、その導電塗料を用いて容易に行える
塗膜処理、帯電防止性等の要求を長期にわたり安定して
発揮できる塗膜の形成、を満足できる技術の開発の要求
が高まっている。
【0011】本発明は、以上のような従来技術の背景の
下に、沈降や凝集の無い良好な分散性と保存安定性をも
った導電塗料、及びその製造方法を提供することを目的
としてなされたものである。
【0012】また本発明はまた、長期に渡り安定した分
散状態に保持できる導電塗料、及びその製造方法を提供
することを別の目的とする。
【0013】更にまた、本発明の特に強調すべき目的
は、導電性塗膜(帯電防止塗膜)として、塗布・乾燥に
より、従来にない優れた透明性と導電性を有する導電性
塗膜を提供するところにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
前記の問題点を解決し、沈降や凝集がなく、均一な塗膜
を形成できる導電塗料を開発するために種々研究を重ね
た結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0015】すなわち本発明よりなる導電塗料の特徴
は、(a)導電性を付与するドーパントを含む導電性ポ
リアニリン、(b)ドーパントを含まないポリアニリン
を溶解できるアミン・アミド系の溶剤、(c)該導電性
ポリアニリンのドーパントと反応して脱ドープさせる塩
基性化合物、(d)合成樹脂バインダー、の(a)〜
(d)を含有する構成をなすところにある。
【0016】以下に、本発明の詳細について説明を行
う。
【0017】本発明の導電塗料に於いて、導電性フィラ
ーとして使用される導電性ポリアニリンは、アニリンま
たはアニリン誘導体の酸化重合体であり、アニリンまた
はアニリン誘導体と酸化剤とドーパントを水を主成分と
する水性溶媒中で撹拌することで得られる。
【0018】アニリン誘導体は、アニリンのオルトまた
はメタの位置を炭素数1〜18のアルキル基、アルコキ
シル基などで置換した化合物を挙げることができ、具体
的には、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、o
−エチルアニリン、m−エチルアニリン、o−メトキシ
アニリン、m−メトキシアニリン、o−エトキシアニリ
ン、m−エトキシアニリン等が例示できる。酸化剤とし
ては、塩素、臭素、沃素等のハロゲン類、過マンガン酸
カリウム、クロム酸などの遷移金属化合物、過酸化水
素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、過硫酸、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸及びその塩類、
硝酸、硫酸などのプロトン酸などが挙げられ、これら
は、単独にまたは2種以上を混合して用いることができ
る。ドーパントには、塩素、臭素、沃素等のハロゲン
類、ヘキサフルオロリン等のルイス酸、塩酸、硫酸、p
−トルエンスルホン酸、サルチル酸、酢酸、安息香酸等
のプロトン酸等が使用できる。
【0019】また、導電性重合体の耐久性を向上させる
ために抗酸化剤、紫外線吸収剤等を添加しても良い。
【0020】本発明の導電塗料に於ける導電性ポリアニ
リンの濃度は得ようとする塗膜の導電性の程度に応じて
任意に選択できるが、あまり濃度が高いと塗料の粘度が
上昇して作業性が悪化するので、溶剤100重量部に対
して5重量部以下が好ましく、更に好ましくは2重量部
以下である。
【0021】本発明の導電塗料の溶剤としては、ドーパ
ントを含まないポリアニリンに対して溶解性を持つアミ
ン・アミド系の溶剤が用いられる。ドーパントを含む導
電性ポリアニリンは、一般に溶剤に不溶であるが、これ
を脱ドープしたドーバントを含まないポリアニリンは、
アミン・アミド系の溶剤や、硫酸、酢酸などの酸に溶解
する。しかし硫酸や酢酸などの酸を用いることは、本発
明の導電塗料に添加される後述の塩基性化合物の効果を
無効にするので適当でない。
【0022】上記アミン・アミド系の溶剤として具体的
には、N−メチルー2−ピロリドン、N,N−ジメチル
アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ピロリドン、ピ
ロリジン、ピペリジン、ピリジン等を挙げることがで
き、これらは単独にあるいは2種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0023】溶剤としては、ドーパントを含まないポリ
アニリンに対して溶解性を持つ上記アミン・アミド系の
溶剤と共に、それ以外の溶剤(例えば水、アルコール、
グリコール類や、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶
剤、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族系溶剤、塩化メチレン等のハロゲン系
溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤等)を混合して使
用することもできるが、アミン・アミド系以外の溶剤
は、アミン・アミド系の溶剤と相溶するものであること
が必要であり、混合比は本発明の目的を阻害しない範囲
で任意に選択される。通常、全溶剤量の半量以下である
ことが望ましい。
【0024】本発明の導電塗料においては、導電性ポリ
アニリンの分散性を改良するために塩基性化合物を添加
することを特徴とする。この塩基性化合物は、導電性ポ
リアニリンの含有するドーパントと反応して脱ドープさ
せるものであれば特に制限されず、例えば、アルカリ金
属及びアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア、メチ
ルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、トリエチ
レンジアミン等の低級脂肪族アミン類、ポリエチレンイ
ミン等の塩基性高分子化合物などが挙げられるが、揮発
しやすいものの方が塗膜の導電性が高い傾向にあり、特
にアンモニアが好ましく用いられる。
【0025】塩基性化合物の添加量は、不揮発性塩基性
化合物の場合には、導電性ポリアニリン100重量部に
対して5〜100重量部(重量比で1:0.05〜1:
1)が好ましく、とりわけ20〜50重量部(重量比で
1:0.20〜1:0.50)が好ましい。5重量部未
満では分散性改良の効果がないばかりか、導電性ポリア
ニリンの凝集を促進してしまい、本発明の目的を達成で
きない。また100重量部より多量に添加すると塗膜の
導電性が低下して本発明の目的を達成できなくなるとい
う問題があるため、上記の範囲とされる。一方、揮発性
塩基性化合物の場合には、5重量部以上であれば作用的
には上限の制限はない。但し100重量部より多量に添
加しても分散性の向上には効果が小さく、添加される合
成樹脂バインダーの劣化を促進する可能性が生じ、資源
の有効利用の観点からも導電性ポリアニリン100重量
部に対して100重量部(重量比で1:1)以下とする
のが好ましい場合が多い。
【0026】本発明の導電塗料に使用される合成樹脂バ
インダーとしては、該塗料に使用される溶剤に均一に分
散、溶解するものであれば特に制限はなく、エポキシ、
アルキド、メラミン、フエノール、不飽和ポリエステ
ル、アクリル、シリコン、ウレタン等の架橋構造を有す
る樹脂や、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニ
ルアルコール、熱可塑性ウレタン等の熱可塑性樹脂、あ
るいは合成ゴムなどのエラストマー等が単独あるいは2
種以上用いられる。
【0027】合成樹脂バインダーの添加量については、
塗膜に必要とされる表面抵抗率や耐久性、密着性などに
応じて選択される。少なすぎる場合には塗膜の耐久性や
密着性に悪影響を与え、反対に多すぎれば、目的とする
導電性能が得られなくなる。塗料の固形分に対し5〜9
5重量%の添加が好ましく、とりわけ30〜80重量%
が好ましい。
【0028】なお、以上の成分の他に酸化防止剤、紫外
線吸収剤、湿潤剤、乳化剤、消泡剤、密着性向上剤、光
沢改良剤、着色剤、導電フィラー、ドーパント等通常透
明導電塗料に於いて使用される添加剤を必要に応じて添
加することができる。
【0029】本発明の導電塗料の好ましい製造方法とし
ては、導電性を付与するドーパントを含む導電性ポリア
ニリンを、ポリアニリンを溶解することのできるアミン
・アミド系の溶剤の1種または2種以上、もしくはそれ
らを含む混合溶剤に分散させて導電塗料を製造するに際
し、上記した特定量の塩基性化合物を共存させて、塗料
溶剤中で導電性ポリアニリンを脱ドープする方法を挙げ
ることができる。
【0030】本発明の導電塗料を製造する際の各成分の
添加順序については、以下の方法を好ましく採用するこ
とができる。導電性ポリアニリンを溶剤に分散させた
後、塩基性化合物を添加して分散液を調製してから合成
樹脂バインダーを添加する方法。溶剤に塩基性化合物
を溶解した後、導電性ポリアニリンを分散して分散液を
調製してから合成樹脂バインダーを添加する方法。合
成樹脂バインダーを添加した溶剤に、導電性ポリアニリ
ンを分散させた後、塩基性化合物を添加する方法等であ
る。
【0031】本発明の導電塗料を塗布、乾燥して得られ
る導電塗膜は、塗料中の導電性ポリアニリンの分散状態
を維持したまま成膜されるため、導電性ポリアニリンが
均一かつ微細に分散している。
【0032】本発明の導電性塗膜は、塗膜の表面抵抗率
が1×1012Ω以下であることが必要である。表面抵抗
率が1×1012Ωよりも大きいと充分な帯電防止効果が
得られないため好ましくない。
【0033】塗膜の表面抵抗率は、導電性ポリアニリン
の含有量、塩基性化合物の種類と添加量、合成樹脂バイ
ンダーの種類と含有量及び塗工方法、膜厚等の条件に影
響されるが、本発明の導電性塗膜はそれらの条件を包含
したものである。
【0034】本発明の上記方法とは別に、あらかじめ塩
基性化合物で脱ドープ処理したポリアニリンを用いる方
法、即ち、導電性ポリアニリンを脱ドープして溶剤可溶
としたポリアニリンと、合成樹脂バインダーを溶剤に溶
解し、更に可溶性のドーパントを添加する塗料の製造方
法や、ポリアニリンと合成樹脂バインダーの溶解した溶
液を塗布、乾燥して成膜し、これをドーパントの溶液に
浸漬することによって導電性塗膜を得る方法なども考え
られるが、しかしながらこれらの方法は、導電性ポリア
ニリンを脱ドープするという煩雑な工程が必要である上
に、脱ドープして溶剤に溶解したポリアニリンに可溶性
ドーパントが添加されると、直ちに不溶性の導電性ポリ
アニリンが析出し、安定な分散状態を維持できないとい
う問題がある。また、ポリアニリンと合成樹脂バインダ
ーの溶解した溶液を塗布、乾燥して成膜し、これをドー
パントの溶液に浸漬する方法は、ドーパントの溶液に数
時間から数日間という長時間浸漬しなければならず生産
性に劣る。さらには、脱ドープされたポリアニリンは溶
剤可溶性ではあるが、溶解度は余り高くない上に、水素
結合による架橋構造を取り易いため、溶解分散が不能で
ある凝集体を形成し易いという問題があるので、本発明
の目的を達成するためにこれらの方法を採用することは
好ましくない。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例ならびに比較例により以
下、更に詳細に説明する。なお、以下の説明において評
価は下記の方法に従った。
【0036】:分散性 製造した塗料を厚さ1.5mmのガラス板2枚ではさ
み、導電性ポリアニリンの凝集状態を顕微鏡観察し(倍
率100倍)、4段階で評価した。
【0037】1・・・凝集なし 2・・・0.5〜5ミクロンの凝集粒子がある 3・・・5〜50ミクロンの凝集粒子がある 4・・・50ミクロン以上の凝集粒子がある :保存性 塗料を製造後、2週間室温中で静置し導電性ポリアニリ
ンの沈降状態を目視観察し、3段階で評価した。
【0038】1・・・沈降なし 2・・・振とう程度で再分散可能な沈降がある 3・・・振とうで再分散不能な沈降がある :表面抵抗率 製造した塗料を厚さ100μmの透明PETフィルムに
乾燥状態で3g/m2となるようコーターで塗工し、8
0℃で3時間真空乾燥して得られた評価用フィルムの表
面抵抗率を、ハイレスタIP(三菱油化(株)製)によ
り測定した。
【0039】:へーズ(曇価) 評価で作成した評価用フィルムのへーズを、デジタル
ヘーズコンピューター(スガ試験機(株)製)にてJI
SK−7105に準拠して測定した。
【0040】この方法により測定した上記評価で使用
した透明PETフィルムのへーズは2.8、市販のOH
P用フィルムのへーズは7程度、書類のホルダーに使用
される若干曇った乳白のフィルムのへーズは30程度で
あった。
【0041】実施例1 容量2000mlのガラス製ビーカーに、試薬1級のジ
メチルホルムアミド390重量部と、試薬特級のN−メ
チル−2−ピロリドン400重量部とを入れ、これに導
電性ポリアニリン粉末(Versicon:登録商標、
アライドシグナル社製平均粒径0.2μm)10重量部
を撹拌しながら添加し、予備分散液とした。
【0042】この予備分散液を1mmφのガラスビーズ
を充填したガラス容器にいれ、ぺイントシェーカー(浅
田鉄工(株)製)で2時間分散した。ガラスビーズを濾
別した分散液に、28重量%の試薬アンモニア水をアン
モニア換算で0.5重量部、撹拌しながら添加し、導電
性ポリアニリン分散液を得た。
【0043】これとは別に、試薬1級のテトラヒドロフ
ラン180重量部に熱可塑性ポリウレタン(パンデツク
ス T−5275N大日本インキ化学工業(株)製)2
0重量部を溶解した合成樹脂溶液200重量部を用意
し、前記導電性ポリアニリン分散液に撹拌しながら添加
して塗料Aを調製した。
【0044】実施例2〜5 アンモニアの添加量を変えた以外は、実施例1と同様に
して塗料B〜Eを調製した。
【0045】実施例6〜7 アンモニアをトリエチレンジアミン(東京化成(株)
製)とポリエチレンイミン(商品名エポミンSP−20
0(株)日本触媒製)に変更して、実施例1と同様の手
法で塗料F,Gを調製した。
【0046】実施例8 導電性ポリアニリンの濃度を変更した以外は、実施例1
と同様の手法で塗料Hを調整した。上記各実施例の塗料
の組成を表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】評価試験1 各塗料について、下記の評価試験を行い、また各塗
料を塗布、乾燥して得られた評価用フィルムについての
評価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0049】
【表2】
【0050】この表2の結果から、本発明の導電塗料は
凝集や沈降がほとんど無く、良好な分散性と保存性を持
つことがわかる。また、これらの導電塗料から得られる
塗膜は、導電性ポリアニリンの凝集がなく、良好な透明
性と導電性を持つことがわかる。なお後述の比較例1,
2の関係で分かるように、アンモニア水の5重量部未満
の微量添加では導電性ポリアニリンの凝集が促進される
傾向が認められるが、5重量部を越えて添加することで
無添加の場合に比べて明らかに分散性と保存性が向上す
ることが分かる。
【0051】比較例1〜2 実施例と同様の手法でアンモニアを添加しない塗料Iと
アンモニアの添加量を変更した塗料Jを調製した。
【0052】比較例3 アンモニアをポリエチレンイミンに変更した以外は実施
例5と同様にして塗料Kを調整した。
【0053】比較例4 導電性ポリアニリン30重量部を、pHl2以上に調製
したアンモニア水800重量部に分散し、24時間撹拌
した後もpHが12以上であることを確認した後、ポリ
アニリンを濾別し、蒸留水とアセトンで十分に洗浄し
た。
【0054】洗浄液が中性で無色透明であることを確認
してから、ポリアニリンを真空乾燥し、脱ドープポリア
ニリン粉末15重量部を得た。
【0055】得られた脱ドープポリアニリン5重量部を
ジメチルホルムアミド390重量部とN−メチル−2−
ピロリドン300重量部に溶解分散し、ポリアニリン溶
液を得た。これとは別に、試薬1級のp−トルエンスル
ホン酸5重量部をN−メチル−2−ピロリドン100重
量部に溶解したドーパント溶液を用意し、前記ポリアニ
リン溶液695重量部にドーパント溶液105重量部を
撹拌しながら添加し、導電性ポリアニリン分散液を得
た。
【0056】この導電性ポリアニリン分散液800重量
部に、実施例と同様の合成樹脂溶液200重量部を添加
し、塗料Lを調製した。これらの各比較例の塗料の組成
を表3に示した。
【0057】
【表3】
【0058】評価試験2 比較例の各塗料について上記評価試験1と同様に評価試
験を行うと共に、実施例と同様に各塗料を塗布、乾
燥して得られたPETフィルムについての評価試験
を行って、その結果を表4に示した。
【0059】
【表4】
【0060】この表4の結果から、本発明の範囲からは
ずれた組成の塗料(比較例1、2)は、導電性ポリアニ
リンが凝集、沈降しており、分散性と保存性に劣る。ま
た、その塗膜も透明性と導電性に劣り、到底実用に耐え
るものではない。本発明の範囲以上に不揮発性の塩基性
化合物を添加した場合(比較例3)には、塗膜の導電性
が劣り実用性がない。また、あらかじめ導電性ポリアニ
リンを脱ドープし、溶剤に溶解して、可溶性のドーパン
トを添加する塗料の製造方法は(比較例4)、導電性ポ
リアニリンの凝集があり、塗膜の導電性も劣るため、実
用に耐えるものではなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明により、良好な分散性と保存安定
性を持つ、導電性ポリアニリンを分散した透明導電塗料
を得ることができ、この導電塗料は分散性を維持したま
ま保存,使用することができるため、塗膜塗工の作業を
効率よく行なうことができるという効果も得られる。
【0062】本発明の導電性ポリアニリン分散導電塗料
により成膜した導電層は、導電性ポリアニリンが非常に
微細かつ均一に分散しているため、表面抵抗率の経時変
化が少なく、安定した導電性と、良好な透明性を持つ。
【0063】また、この導電塗料は乾燥して皮膜を形成
するだけで、なんら後処理を必要とせず容易に導電性皮
膜が得られる為、工業的に非常に有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/12 G 1/20 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドーパントを含まないポリアニリンを溶
    解できるアミン・アミド系の溶剤100重量部、導電性
    を付与するドーパントを含む導電性ポリアニリン5重量
    部以下、導電性ポリアニリンのドーパントと反応して脱
    ドープさせる揮発性の塩基性化合物を重量比で導電性ポ
    リアニリン1に対し0.05以上、及び合成樹脂バイン
    ダーを塗料の固形分に対して5〜95重量%含有するこ
    とを特徴とする導電塗料。
  2. 【請求項2】 ドーパントを含まないポリアニリンを溶
    解できるアミン・アミド系の溶剤100重量部、導電性
    を付与するドーパントを含む導電性ポリアニリン5重量
    部以下、導電性ポリアニリンのドーパントと反応して脱
    ドープさせる不揮発性の塩基性化合物を重量比で導電性
    ポリアニリン1に対し0.05〜1、及び合成樹脂バイ
    ンダーを塗料の固形分に対して5〜95重量%含有する
    ことを特徴とする導電塗料。
  3. 【請求項3】 ドーパントを含まないポリアニリンを溶
    解することのできるアミン・アミド系の溶剤、もしくは
    これとバインダーを有する混合溶剤に、導電性ポリアニ
    リンを分散含有させるに際し、該導電性ポリアニリン1
    00重量部に対して5〜100重量部の塩基性化合物を
    共存させることを特徴とする請求項1又は2に記載した
    導電塗料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の導電塗料を物体
    の表面に塗布・乾燥して得られる表面抵抗率が1×10
    12Ω以下である導電性塗膜。
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