JP2009276575A - 電子写真用キャリア、電子写真用二成分現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真用キャリア、電子写真用二成分現像剤及び画像形成方法 Download PDF

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真悟 阪下
Akihiro Koban
昭宏 小番
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Yoshihiro Moriya
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Abstract

【課題】環境変動に対しても安定に所望の低い抵抗値と優れた帯電特性を保持し、長期の攪拌においても被覆層の削れや剥離、及びそれに伴うトナーの色汚れを抑制し得るキャリア提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂と導電性微粒子を溶剤に溶解乃至分散させた被覆層分散液を用いて、磁性を有する芯材粒子表面に被覆層を形成させて得られる電子写真用キャリアにおいて、前記結着樹脂として、少なくともグアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と、該グアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と架橋反応可能な樹脂とを含有し、且つ、前記導電性微粒子としてアクセプター性ドーパントを含む溶剤可溶性の導電性ポリマー微粒子を含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に好適に用いられる電子写真用キャリア及び該キャリアを用いた二成分現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法に関する。
電子写真に用いられている乾式現像方式は、帯電部材と摩擦させたトナーを、静電潜像担持体上の静電潜像に静電的に付着させて可視像を形成するものである。このような乾式現像方法には、トナーを主成分とする、いわゆる一成分系現像方式と、ガラスビーズ、磁性体キャリア、又はそれらの表面を樹脂などで被覆したキャリアと、トナーとを混合して使用する、いわゆる二成分系現像方式とがある。
前記二成分現像方式では、通常、内部に複数の磁極を有する磁石体からなるマグネットローラを備え、回転可能に支持された円筒状の現像剤担持体である現像スリーブを有する構成の二成分現像装置が用いられる。該現像スリーブ表面にトナーを付着させた静電潜像現像用キャリアを担持しながら像担持体との対向部である現像領域に搬送して、二成分現像剤からなる磁気ブラシにて現像を行うものである。このように、該二成分現像方式においては、静電潜像現像用キャリアとトナーとを攪拌混合することで帯電を行うので、トナーの帯電性が安定し、比較的安定した良好な画像が得られる。
前記二成分現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら、反復使用される。このため、キャリアに関しては、キャリア表面へのトナー成分のスペント防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体表面へのキャリア付着防止、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御、あるいは帯電量の調節等の目的で、通常、キャリア芯材に対して適当な樹脂材料で被覆等を施すことにより、硬く高強度の被覆層を設けることが行われている。例えば、特定の樹脂材料で被覆されたもの(特許文献1参照)、更にその被覆層に種々の添加剤を添加するもの(特許文献2〜8参照)、更にキャリア表面に添加剤を付着させたものを用いるもの(特許文献9参照)、更にコート膜厚よりも大きい導電性粒子をコート膜に含有させたものを用いるもの(特許文献10参照)等が開示されている。更に、特許文献11には、ベンゾグアナミン−n−ブチルアルコール−ホルムアルデヒド共重合体を主成分とするキャリア被覆材に用いることが記載され、特許文献12には、メラミン樹脂とアクリル樹脂の架橋物をキャリア被覆材として用いることが記載されている。
しかし、上述したキャリアにおいては、依然として耐久性及びキャリア付着抑制が不十分であり、特に耐久性に関しては、トナーのキャリア表面へのスペント及びそれに伴う帯電量の不安定化、並びに被覆樹脂の膜削れによる被覆層の減少及びそれに伴う抵抗低下、更には添加剤成分の脱離による色汚れ等が問題となっている。このため、初期には良好な画像を得ることができるが、コピー枚数が増加するに連れ複写画像の画質低下が生じるため、改良をする必要がある。
一方、近年、画像の高画質化・長寿命化の要望が高まっており、それらを達成していく上で、キャリアの抵抗調整が重要な課題の一つになっている。従来、キャリアの抵抗調整剤としては、被覆層に導電性を有する微粒子が用いられてきた。例えば、特許文献13及び14では、導電性の高いカーボンブラックやカーボンナノチューブを用いることで、被覆層の抵抗を低く調整している。しかしながら、カーボンブラックやカーボンナノチューブは、低い抵抗が得られる反面、被覆層中で均一に分散することが困難であり、その多くは凝集体として局在化することになる。このため、被覆層の組成が不均一となり、この凝集体を起点として被覆層が剥離や摩耗を起こし易く、更に剥離片に含まれるカーボン由来の黒色成分による色汚れも大きな問題となっている。
これに対して、特許文献15及び16では、導電性の金属酸化物微粒子を用いることで、被覆層の抵抗調整と色汚れの抑制の両立が図られている。該方法では、白色系の微粒子を用いるため、色汚れについては顕著な効果が表れている。その反面、カーボン系材料に比べると、金属酸化物微粒子の抵抗率が数段高いため、被覆層の抵抗を所望の低い値に調整するためには過剰量の微粒子を含有させなければならず、被覆層中で該微粒子を均一に分散することが困難となり、微粒子の局在化による被覆層の強度低下といった問題が生じている。
これに対して、特許文献17では、溶剤可溶性の導電性ポリマーを被覆樹脂として使用している。該方法では、導電性微粒子の含有による抵抗調整ではなく、被覆樹脂そのものに低抵抗で低着色性の材料を用いることで、被覆層の抵抗調整と、含有物の凝集・脱離に起因した被覆層の剥離や磨耗を抑制し、更にはトナーの色汚れを抑制している。しかしながら、導電性ポリマー自体を被覆樹脂として用いているため、高温・高湿といった外部環境の影響には非常に弱く、条件によっては導電性が消失することが問題となっている。また、キャリア表面へのトナースペントに対しても改善する必要がある。これに対して、特許文献18では、導電性ポリマーを結着樹脂からなる被覆層中に含有させることで前記の問題の解決を図っている。しかしながら、該方法では、被覆層を構成する結着樹脂については、特に考慮されておらず、高温・高湿といった外部環境の影響に対して安定な抵抗特性を有する被覆層を得るには更なる改善が必要とされている。
このように、キャリア粒子の抵抗調整、被覆層の膜削れの低減、色汚れの防止といった項目を同時に満たすことのできる手段は提示されておらず、更なる改善が必要とされているのが現状である。
特開昭58−108548号公報 特開昭54−155048号公報 特開昭57−40267号公報 特開昭58−108549号公報 特開昭59−166968号公報 特公平1−19584号公報 特公平3−628号公報 特開平6−202381号公報 特開平5−273789号公報 特開平9−160304号公報 特開平8−6307号公報 特第2683624号公報 特第3119705号公報 特開2007−094402号公報 特開2006−163368号公報 特開2007−240615号公報 特開平06−273981号公報 特開平06−089047号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、キャリア芯材表面に均一で緻密な被覆層を形成すると共に、環境変動に対しても安定に所望の低い抵抗値と優れた帯電特性を保持し、長期の攪拌においても被覆層の削れや剥離、及びそれに伴うトナーの色汚れを抑制し得るキャリア、及び該キャリアを用いた現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、グアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と、該樹脂と架橋反応可能な樹脂とを結着樹脂として含有させることで緻密な構造の被覆層を形成し、該被覆層中にアクセプター性ドーパントを含む溶剤可溶性の導電性ポリマー微粒子を含有させることにより、前記課題を達成し得ることを見出した。本発明は、通常、「アクセプター性ドーパント」に対して塩基性の物質を混ぜると「導電性」を消失するが、「グアナミン樹脂」や「メラミン樹脂」のような高分子量の塩基性物質の場合には「導電性」を保持することが可能であるという新たな知見に基づくものである。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、以下の<1>乃至<14>の発明によって、前記課題は解決される。
<1> 少なくとも結着樹脂と導電性微粒子を溶剤に溶解乃至分散させた被覆層分散液を用いて、磁性を有する芯材粒子表面に被覆層を形成させて得られる電子写真用キャリアにおいて、該結着樹脂として少なくともグアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と、該グアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と架橋反応可能な樹脂とを含有し、且つ、該導電性微粒子としてアクセプター性ドーパントを含む溶剤可溶性の導電性ポリマー微粒子を含有することを特徴とする電子写真用キャリアである。
<2> 前記結着樹脂として、ベンゾグアナミン樹脂を含有することを特徴とする前記<1>に記載の電子写真用キャリアである。
<3> 前記導電性ポリマー微粒子としてポリアニリンを含有することを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の電子写真用キャリアである。
<4> 前記導電性ポリマー微粒子の溶剤中での体積平均粒子径が10〜400nmであることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
<5> 前記被覆層分散液中に分子量1000以下の塩基性成分を含有しないことを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
<6> 前記導電性ポリマー微粒子の導電率が1S/cm以上であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
<7> 前記被覆層に体積平均粒径が500nm以下の無機微粒子が含有され、且つ、該無機微粒子の体積平均粒径をd(μm)、該被覆層の厚さをw(μm)とするとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
0.04≦d/w≦0.4・・・(1)
<8> 前記無機微粒子が多孔性無機微粒子であることを特徴とする前記<1>〜<7>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
<9> 前記グアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と架橋反応可能な樹脂としてアクリル樹脂を含有することを特徴とする前記<1>〜<8>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
<10> 前記結着樹脂としてシリコーン樹脂を含有することを特徴とする前記<1>〜<9>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
<11> 前記電子写真用キャリアに1000Vの直流電圧を印加したときの体積抵抗率が〔log(Ω・cm)〕の単位で、10以上16以下であることを特徴とする前記<1>〜<10>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
<12> 前記電子写真用キャリアの体積平均粒径が20〜65μmであることを特徴とする前記<1>〜<11>のいずれかに記載の電子写真用キャリアである。
<13> 前記<1>〜<12>のいずれかに記載のキャリアと、トナーとからなることを特徴とする電子写真用二成分現像剤である。
<14> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<13>に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明は、電子写真用キャリアにおいて、結着樹脂として少なくともグアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と、該樹脂と架橋反応可能な樹脂とを含有し、且つ、導電性微粒子としてアクセプター性ドーパントを含む溶剤可溶性の導電性ポリマー微粒子を含有させることにより、環境変動や、長期使用においても良好な画像品質を維持し得る電子写真用キャリア、及び該キャリアを用いた二成分現像剤、並びに該現像剤を用いた画像形成方法を提供する。
本発明の電子写真用キャリアを構成する材料について説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正して他の実施形態を成すことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明は本発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲をなんら限定するものではない。
(キャリア)
―キャリア芯材―
キャリアの芯材としては、磁性を有する粒子であれば特に限定されるものではなく、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、銅−亜鉛フェライト、リチウム系フェライト等の公知のフェライトを用いることができる。
また、コア材抵抗を制御する目的や製造安定性を高める目的等で、この他のコア材の組成成分として、例えば、Li、Na、K、Ca、Ba、Y、Ti、Zr、V、Ag、Ni、Cu、Zn、Al、Sn、Sb及びBi等の組成成分元素の一種以上を含有させても良い。これらの配合量としては、総金属元素量の5原子%以下であることが好ましく、3原子%以下であることがより好ましい。
―結着樹脂―
本発明においては、被覆層を構成する結着樹脂として、少なくともグアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と、該樹脂と架橋反応可能な樹脂とを含有することを特徴とする。
グアナミン樹脂やメラミン樹脂は、高い正帯電付与性を有すると共に、硬度も高いため、帯電性・耐久性に優れた被覆層を形成することができる。更に、これらの樹脂と併せて適切な架橋反応性の樹脂を用いることにより、緻密性にも優れた被覆層が得られる。このため、環境変動に対する帯電安定性に優れると共に、被覆層中に含有される導電性ポリマーを環境変動から保護することで、所望の低い抵抗値を保持することが可能である。
また、本発明で用いられるグアナミン樹脂乃至メラミン樹脂としては、これらが共重合されたものであってもよい。
本発明においては、更に、前記結着樹脂としてベンゾグアナミン樹脂を含有することが好ましい。ベンゾグアナミン樹脂を含有することで、被覆層に特に優れた正帯電付与性を持たせることができる。
前記架橋反応性の樹脂としては、グアナミン樹脂やメラミン樹脂と架橋反応が可能であれば特に制限はなく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。
前記架橋反応性の樹脂の中でも、アクリル樹脂が特に好ましく、芯材及び被覆層に含有される微粒子との密着性が強く脆性が低いので、被覆層の剥離に対して非常に優れた性質を持ち、被覆層を安定的に維持することが可能であると共に、更に導電性粒子等の被覆層中に含有する粒子を強固に保持することが可能である。
前記アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、20〜100℃の範囲であることが好ましく、25〜80℃の範囲がより好ましい。結着樹脂であるアクリル樹脂のTgをこの範囲とすることによって、該結着樹脂は適度な弾性を持ち、現像剤の摩擦帯電時にキャリアが受ける衝撃を軽減させると考えられ、被覆層の剥離や磨耗が抑制される。
前記アクリル樹脂としては、水酸基やカルボン酸基を有するものが好ましく、水酸基を有するものがより好ましい。水酸基を有することにより、前述の芯材や微粒子との密着性を更に向上させることができ、微粒子の分散安定性についても向上させることができる。このときの水酸基価は好ましくは10以上であり、更に好ましくは20以上である。
また、アクリル樹脂単独使用の場合に発生しがちな樹脂同士の融着、いわゆるブロッキングについては、アクリル樹脂をグアナミン樹脂やメラミン樹脂と架橋させて使用するため、防止することが可能である。
更に、前記結着樹脂が、シリコーン部位を構成単位として含むことにより、キャリア表面の表面エネルギー自体を低くすることができ、トナースペントの発生自体を抑制することができるため、キャリア特性をより長期にわたって維持することができる。
該シリコーン部位の構成単位としては、メチルトリシロキサン単位、ジメチルジシロキサン単位、トリメチルシロキサン単位の少なくとも一種を含むことが好ましく、該シリコーン部分は、他のコート層樹脂と化学的に結合していても良く、ブレンド状態であっても良く、又は多層状になっていても良い。
ブレンドや多層状の構成とする場合には、シリコーン樹脂及び/又はその変性体を使用することが好ましく、特に、少なくとも下記一般式(1)で表される構成単位を持つシリコーン樹脂組成物を含むことにより、シリコーン樹脂もしくは他の樹脂の特異的な摩滅、磨耗、脱離といった不具合を抑制することができる。
Figure 2009276575
(式中、R〜Rは同じもの又は異なったものでよい炭化水素基及び/又はその誘導体、Xは縮合反応基を表し、a、bは整数を表す。)
〜Rで表される炭化水素基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜4のアルキレン基及びアリーレン基等が挙げられる。また、前記炭化水素基は、ヒドロキシル基、アルコキシ基等の各種置換基を含む誘導体であっても良い。更に、前記アリール基としては、ベンゼン由来のものの他、ナフタレンや、フェナンスレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のものであっても良い。本発明においては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基が好ましい。
で表される縮合反応基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基、メチルエチルケトオキシム基等が挙げられ、大気中の水分や加熱によって該部位にて縮合反応が起こり、三次元網目構造をとりうる。本発明で使用しうるシリコーン樹脂としては、前記一般式(1)で表される構成単位を有する、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂、及びアルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂等が挙げられる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(品番、信越化学工業社製)、SR2400、SR2405、SR2406(品番、東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。また、上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(以上、東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
また、前記アクリル樹脂及びシリコーン樹脂は、互いに化学結合を有する形態で結着樹脂層に含有されていても良い。このように結着樹脂に含有させる方法としては特に限定されるものではなく、例えば、前記一般式(1)で表されるシリコーン骨格の片末端にメタクリル基を有する化合物をマクロモノマーとして前記アクリル樹脂を構成するモノマーと共重合させる方法や、メルカプト基を有するシリコーンとアクリルモノマーを共重合させる方法、アルコキシシリル基を有するアクリル樹脂を、該アルコキシシリル基と前記シリコーン樹脂の縮合反応基で反応させて得る方法等が挙げられる。また、このようにアクリルとシリコーンが共重合された結着樹脂としては、例えば、X−22−8004、X22−8212、X22−8195X、X−24−798A(品番、信越化学工業社製)といったシリコーングラフトアクリル樹脂等が挙げられる。
―溶剤可溶性導電性ポリマー微粒子―
本発明においては、被覆層中に導電性微粒子として、アクセプター性ドーパントを含む溶剤可溶性の導電性ポリマー微粒子を含有することを特徴とする。ここで、「溶剤可溶性」とは、導電性ポリマー微粒子が溶剤中で体積平均粒子径400nm以下の大きさで分散し、均一な液体を形成し得る性質のことを意味する。
前記「均一な液体」とは導電性ポリマー微粒子が吸収をもたないある波長における、前記被覆層分散液の透過率が以下の条件を満たすことを指す。
|T6h(%)−T0h(%)|≦30%
(式中、T0h(%)は該被覆層分散液を調製した直後の透過率であり、T6h(%)は該被覆層分散液を調製直後から6時間静置させた後の透過率である。)
該|T6h(%)−T0h(%)|が30%より大きいということは、前記導電性ポリマー微粒子が経時で沈殿物を生じたということであり、即ち不均一で経時安定性が悪いということを意味する。
前記|T6h(%)−T0h(%)|を測定する測定器としては、各波長における透過率を測定できる分光光度計であれば特に制限は無いが、例えばUV−VIS分光光度計:UV−3100((株)島津製作所製)等が挙げられる。
本発明で使用する導電性ポリマー微粒子は、π共役系高分子にアクセプター性のドーパントを添加することで導電性を発現している。ドーパントの種類や濃度によりその導電性を制御することが可能であり、抵抗調整剤としてキャリア被覆層に添加する場合、導電性金属酸化物等に比べて少量の添加により、所望の低い抵抗値を得ることができる。また、前記導電性ポリマー微粒子は、結着樹脂との相溶性に優れ、且つ溶剤可溶性であるため、均一な組成の被覆層を形成すると共に、被覆層と芯材との密着性の向上や、被覆層と無機微粒子等との密着性の向上にも効果を発揮することができる。このため、不溶性の導電性微粒子(金属酸化物微粒子やカーボンブラック等)を使用する際に生じる、被覆層中での該微粒子の局在化による被覆層の強度低下、及び該微粒子乃至凝集体の被覆層からの脱離によるトナーの色汚れの発生といった問題を生じることもない。更に、導電性ポリマーは透明性にも優れるため、前記導電性ポリマー微粒子を用いるとトナーの色汚れの低減も図ることができる。
前記導電性ポリマー微粒子の体積平均粒子径としては、10〜400nmの範囲であることが好ましく、10〜200nmの範囲であることが更に好ましい。導電性ポリマー微粒子の体積平均粒子径が400nmを超えると、本発明における溶剤可溶性の定義から外れると共に、被覆層の厚さに対して大きすぎるため、被覆層の耐磨耗性等の膜物性を悪化させる傾向がある。なお、前記導電性ポリマー微粒子の溶剤中での体積平均粒子径については、例えばレーザードップラー/動的光散乱式粒度分布装置等を用いて測定することができる。
前記導電性ポリマー微粒子としては、溶剤可溶性であれば特に制限はなく、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレン、及びこれらの誘導体、及びこれらの共重合体等が挙げられる。また、これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
これらの導電性ポリマー微粒子には、導電性を向上させるために、アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、シアノ基等の官能基を導入することが好ましい。
このような導電性ポリマーの具体例としては、ポリアニリン、ポリ−o−トルイジン、ポリ−m−トルイジン、ポリ−o−アニシジン、ポリ−m−アニシジン、ポリ−3−イソプロピルアニリン、ポリ−3−イソブチルアニリン、ポリ−2,3−ジメチルアニリン、ポリ−2,5−ジメチルアニリン、ポリ−2,6−ジメチルアニリン、ポリ−3,5−ジメチルアニリン、ポリ−o−フェネチジン、ポリ−m−フェネチジン、ポリ−p−クレシジン、ポリ−3−フェノキシアニリン、ポリ−2−アニリンスルホン酸、ポリ−3−アニリンスルホン酸、ポリ−2,5−ジメトキシアニリン、ポリ−2,6−ジメトキシアニリン、ポリ−2,5−ジエトキシアニリン、ポリ−2,6−ジエトキシアニリン、ポリチオフェン、ポリ−3−メチルチオフェン、ポリ−3−エチルチオフェン、ポリ−3−プロピルチオフェン、ポリ−3−ブチルチオフェン、ポリ−3−ブロモチオフェン、ポリ−3−クロロチオフェン、ポリ−3−ヨードチオフェン、ポリ−3−シアノチオフェン、ポリ−3−フェニルチオフェン、ポリ−3,4−ジメチルチオフェン、ポリ−3,4−ジブチルチオフェン、ポリ−3−ヒドロキシチオフェン、ポリ−3−メトキシチオフェン、ポリ−3−エトキシチオフェン、ポリ−3−ブトキシチオフェン、ポリ−3−ヘキシルオキシチオフェン、ポリ−3−ヘプチルオキシチオフェン、ポリ−3−オクチルオキシチオフェン、ポリ−3−デシルオキシチオフェン、ポリ−3−ドデシルオキシチオフェン、ポリ−3−オクタデシルオキシチオフェン、ポリ−3,4−ジヒドロキシチオフェン、ポリ−3,4−ジメトキシチオフェン、ポリ−3,4−ジエトキシチオフェン、ポリ−3,4−ジプロポキシチオフェン、ポリ−3,4−ジブトキシチオフェン、ポリ−3,4−ジヘキシルオキシチオフェン、ポリ−3,4−ジヘプチルオキシチオフェン、ポリ−3,4−ジオクチルオキシチオフェン、ポリ−3,4−ジデシルオキシチオフェン、ポリ−3,4−ジドデシルオキシチオフェン、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン、ポリ−3,4−プロピレンジオキシチオフェン、ポリ−3,4−ブテンジオキシチオフェン、ポリ−3−メチル−4−メトキシチオフェン、ポリ−3−メチル−4−エトキシチオフェン、ポリ−3−カルボキシチオフェン、ポリ−3−メチル−4−カルボキシチオフェン、ポリ−3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン、ポリ−3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン、ポリピロール、ポリ−N−メチルピロール、ポリ−3−メチルピロール、ポリ−3−エチルピロール、ポリ−3−n−プロピルピロール、ポリ−3−ブチルピロール、ポリ−3−オクチルピロール、ポリ−3−デシルピロール、ポリ−3−ドデシルピロール、ポリ−3,4−ジメチルピロール、ポリ−3,4−ジブチルピロール、ポリ−3−カルボキシピロール、ポリ−3−メチル−4−カルボキシピロール、ポリ−3−メチル−4−カルボキシエチルピロール、ポリ−3−メチル−4−カルボキシブチルピロール、ポリ−3−ヒドロキシピロール、ポリ−3−メトキシピロール、ポリ−3−エトキシピロール、ポリ−3−ブトキシピロール、ポリ−3−ヘキシルオキシピロール、ポリ−3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール及びポリ−3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール等が挙げられる。
また、本発明において導電性付与のために用いられるアクセプター性ドーパントとしては、例えば、ハロゲン化合物、有機シアノ化合物、プロトン酸、ルイス酸、有機金属化合物、フラーレン、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、カルボン酸化フラーレン及びスルホン酸化フラーレン等が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、例えば、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)及びフッ化ヨウ素(IF)等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、BBr及びSO等が挙げられる。
有機シアノ化合物としては、共役結合に二つ以上のシアノ基を含む化合物を使用することができ、例えば、テトラシアノエチレン、テトラシアノエチレンオキサイド、テトラシアノベンゼン、ジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)、テトラシアノキノジメタン及びテトラシアノアザナフタレン等が挙げられる。
プロトン酸としては、無機酸、有機酸が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水素酸、フッ化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、有機カルボン酸、フェノール類及び有機スルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にカルボキシル基を一つ又は二つ以上を含むものを使用できる。有機カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、シュウ酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ニトロ酢酸及びトリフェニル酢酸等が挙げられる。
有機スルホン酸としては、脂肪族、芳香族、環状脂肪族等にスルホ基を一つ又は二つ以上含むもの、又は、スルホ基を含む高分子化合物を使用することができる。
スルホ基を一つ含む有機スルホン酸としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1−ドデカンスルホン酸、1−テトラデカンスルホン酸、1−ペンタデカンスルホン酸、2−ブロモエタンスルホン酸、3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、コリスチンメタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸、2−アミノ−5−ナフトール−7−スルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベンゼンスルホン酸、ヘキチルベンゼンスルホン酸、ヘプチルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、2,4−ジメチルベンゼンスルホン酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノ−2−クロロトルエン−5−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−5−メトキシ−2−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−5−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、5−アミノ−2−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アミノ−3−メチルベンゼン−1−スルホン酸、4−アセトアミド−3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホン酸、4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸、8−クロロナフタレン−1−スルホン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン重縮合物、アントラキノンスルホン酸及びピレンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの金属塩も使用することができる。
スルホ基を二つ以上含む有機スルホン酸としては、例えば、エタンジスルホン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、デカンジスルホン酸、o−ベンゼンジスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、トルエンジスルホン酸、キシレンジスルホン酸、クロロベンゼンジスルホン酸、フルオロベンゼンジスルホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベンゼンジスルホン酸、アニリン−2,4−ジスルホン酸、アニリン−2,5−ジスルホン酸、3,4−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メチルナフタレンジスルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、ペンタデシルナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−5−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸、1−アセトアミド−8−ヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、1−アミノ−3,8−ナフタレンジスルホン酸、3−アミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、4−アミノ−5−ナフトール−2,7−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアノトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、4−アセトアミド−4’−マレイミジルスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、ナフタレントリスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸及びアントラセンスルホン酸等が挙げられる。また、これらの有機スルホン酸の金属塩も使用することができる。
また、前記アクセプター性ドーパントの他に、溶剤可溶性や、耐熱性、耐水性を向上させるために、高分子構造内に前記したようなドーパント部位を有する高分子をアクセプター性ドーパントとして使用することもできる。このような高分子ドーパントとしては、硫酸エステル基、リン酸エステル基、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基等を有するものが挙げられ、中でも、スルホ基、あるいは、カルボキシル基を有するものがより好ましい。
本発明においては、前記導電性ポリマー微粒子の導電率が1S/cm以上であることが好ましく、10S/cm以上であることがより好ましい。
前記導電性ポリマー微粒子の導電率が1S/cm未満であると、導電性が不十分であり、被覆層の抵抗を所望の値まで低下させるためには該導電性ポリマー微粒子の含有量を増加させることが必要となり、被覆層の種々の物性に影響が生じることがあるため好ましくない。
前記導電性ポリマー微粒子の含有量としては、該導電性ポリマー微粒子の導電率や、被覆層の膜厚、あるいは所望する被覆層の抵抗値等にもよるが、被覆層全体の1〜20質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、被覆層の抵抗を所望の値に調整できないことがあり、20質量%よりも多い場合には被覆層の他の物性に影響を生じることがあるため好ましくない。
―無機微粒子―
本発明においては、更に、被覆層に体積平均粒径が500nm以下の無機微粒子が含有され、且つ、該無機微粒子の体積平均粒径をd(μm)、該被覆層の厚さをw(μm)とするとき、下記式(1)の関係を満たすことが好ましい。
0.04≦d/w≦0.4・・・(1)
更に、該無機微粒子の体積平均粒径が10〜200nmの範囲であり、該無機微粒子の体積平均粒径と被覆層の厚さとの関係が0.04≦d/w≦0.2の範囲であることがより好ましい。
被覆層中に前記無機微粒子を含有することにより、前記導電性ポリマー微粒子が環境変動の影響を受けにくくなり、被覆層の抵抗をより安定化させることができる。
前記無機微粒子の体積平均粒径が500nmより大きい場合や、前記無機微粒子の体積平均粒径と被覆層の厚さとの関係が前記式(1)の範囲を外れる場合、特に、d/wが0.4よりも大きい場合には、無機微粒子が大きすぎるため、被覆層の表面平滑性が損なわれたり、該無機微粒子を被覆層中に保持することが困難となったりした結果、無機微粒子の脱離等により被覆層の強度が低下することがあり好ましくない。
本発明においては、更に、前記無機微粒子が多孔性無機微粒子であることが好ましい。該無機微粒子が多孔性であることにより、前記導電性ポリマー微粒子の環境変動に対する導電率安定性、結果として、被覆層の抵抗安定性をより向上させることができる。また、該多孔性微粒子を用いる場合には、細孔内に結着樹脂乃至導電性ポリマーが入り込むことで密着性が向上するため、該微粒子の被覆層からの脱離が抑制されることからも好ましい。
なお、前記無機微粒子の体積平均粒径については、例えばレーザードップラー/動的光散乱式粒度分布装置等を用いて測定することができる。
多孔性無機微粒子とは、粒子内部に多数の細孔を有する微粒子のことで、細孔を有さない微粒子に比べて見掛け比重が小さく、かつ、細孔内に結着樹脂が入ることで結着樹脂との密着性に優れるため、被覆層からの脱離を抑制することができる。なお、粒子内部の細孔の有無については、細孔分布を測定できる機器、例えば、自動比表面積/細孔分布測定装置:TriStar3000(Micromeritics社製)を用いて確認可能である。
多孔性微粒子のBET比表面積としては、50〜1000m/gの範囲であることが好ましく、100〜700m/gの範囲であることがより好ましい。
多孔性微粒子のBET比表面積が50m/g未満であると、細孔内への結着樹脂の浸漬による密着性向上の効果が乏しく、被覆層からの脱離を生じ、被覆層の耐久性が悪化する傾向にある。一方、1000m/gを超えると、被覆層分散液の粘度が上昇し、該多孔性微粒子の分散状態が不均一となり、凝集体を生じるため、被覆層から脱離し易くなり、被覆層の耐久性が悪化する傾向にある。なお、BET比表面積の測定方法としては、BET比表面積を測定できる機器、例えば、自動比表面積/細孔分布測定装置:TriStar3000(Micromeritics社製)を用いて測定することができる。
前記無機微粒子としては、前記条件を満たすものであれば特に制限はなく、従来公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化スズ、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。
前記無機微粒子、特に多孔性無機微粒子は、該粒子表面を疎水化処理されていることが好ましい。該無機微粒子の疎水化度は50%以上が好ましい。
無機微粒子の疎水化度が50%未満であると、環境変動に対する被覆層の抵抗安定性を十分に向上させることができない場合があるというおそれがある。なお、該疎水化度は、メタノール疎水化度を測定することにより得ることができる。該メタノール疎水化度の測定は次のように行う。イオン交換水100mlをビーカーに入れ、微粒子0.5gを添加する。マグネチックスターラーで攪拌しながら、これにメタノールを滴下していく。すべての微粒子が水中に懸濁したときのメタノールの容量%をメタノール疎水化度とする。
前記無機微粒子は、更に、導電性処理を施されていてもよい。このような導電性処理の方法としては、金属又はその合金、金属酸化物を該無機微粒子の表面に蒸着させたり、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、ステンレス、銀、又はこれらの合金、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウム等を固溶体や融着の形態として該無機微粒子乃至多孔性無機微粒子の表面に被覆させたりしてもよい。これらの中でも、酸化スズ、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウムを用いて導電性処理をすることが特に好ましい。
前記無機微粒子の含有量は、被覆層の膜厚や、被覆層を構成する材料によっても適宜選択されるが、被覆層全体の1〜50質量%の範囲が好ましく、10〜50質量%の範囲がより好ましい。
前記含有量が、1質量%未満であると、環境変動に対する被覆層の抵抗安定性を十分に向上させることができないことや、被覆層の補強効果が十分に得られないことがあり好ましくない。一方、50質量%を超えると、被覆層からの該無機微粒子の脱離が生じ易くなり、被覆層の耐久性が悪化することがあり好ましくない。
前記被覆層の厚さとしては、0.1〜5μmであることが好ましく、0.5〜3μmであることが更に好ましい。
―被覆層分散液―
本発明においては、前記結着樹脂として少なくともグアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と、該樹脂と架橋反応可能な樹脂と、前記溶剤可溶性の導電性ポリマー微粒子とを溶剤に溶解乃至分散させた被覆層分散液を用いて、前記磁性を有する芯材粒子表面に被覆層を形成させることを特徴とする。
ここで、溶剤とは前記結着樹脂、及び前記導電性ポリマー微粒子を溶解乃至分散させるものであれば特に制限はなく、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ベンゼン等の炭化水素類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロメチリデン等の含ハロゲン化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、イソプロピルセロソルブ、エチルカルビトール等のエーテル類、アセトニトリル、ピリジン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物及び水等が挙げられる。
本発明においては、前記被覆層分散液中に分子量1000以下の塩基性成分を含有しないことが好ましい。
特に、前記導電性ポリマー微粒子として、酸性ドーパントにより導電性を発現している、例えば、ポリアニリン類等を用いる場合、被覆層分散液中に分子量1000以下の塩基性成分を含有すると、脱ドープにより著しく導電性が低下し、被覆層の所望の抵抗値を得ることができなくなる。また、種類によっては、導電性ポリマー微粒子の溶剤に対する溶解性が失われ、凝集体を生じ、不均一な被覆層となって耐久性が悪化することがある。
また、前記被覆層分散液の表面張力は30dyne/cm以下であることが好ましい。該被覆層分散液の表面張力を該範囲に調整することで、芯材に対しての該被覆層分散液の濡れ性を向上させ、該被覆層分散液のなじみにくさから生じる前記無機微粒子のムラ付き、被覆層膜厚の不均一化を低減させることができる。
該被覆層分散液の表面張力が30dyne/cmを超えると、芯材に対しての被覆層の濡れ性が悪化し、容易になじみにくく、例えば、凹凸を有する芯材の凹部や凸部の一方に結着樹脂や前記導電性ポリマー成分、前記無機微粒子が溜まりこみやすくなり、該無機微粒子が一様に分散した被覆層を得ることが困難となる。
―キャリア被覆層の形成方法―
前記被覆層の形成方法としては、従来公知の方法が使用でき、芯材粒子の表面に前記被覆層分散液を噴霧法あるいは浸漬法等の手段で塗布する方法が挙げられる。
更に、このようにして前記被覆層が塗布形成されたキャリア粒子を加熱処理することによって、該被覆層の重合反応を促進させることが好ましい。該加熱処理は、被覆層形成後、引き続きコート装置内で行っても良く、あるいは、被覆層形成後、通常の電気炉や焼成キルン等、別の加熱手段によって行っても良い。
加熱処理温度としては、使用する被覆層樹脂の種類や、使用する導電性ポリマー微粒子の耐熱温度によって異なるため、一概に決められるものではないが、120〜350℃程度が好ましく、150〜250℃程度がより好ましい。また、被覆層の緻密性を高くして、環境変動に対する被覆層の抵抗安定性を向上させるために、被覆層樹脂の分解温度以下で、且つ、導電性ポリマー微粒子の導電性を維持し得る耐熱温度以下という条件を満たす上限温度であることが特に好ましい。なお、該被覆層樹脂の分解温度としては、220℃程度までの上限温度であることが好ましく、加熱処理時間としては、5〜120分間程度であることが好ましい。
本発明で用いられる前記キャリアの体積抵抗率は、10〔log(Ω・cm)〕以上16〔log(Ω・cm)〕以下であることが好ましく、10〔log(Ω・cm)〕以上14〔log(Ω・cm)〕以下であることがより好ましい。
前記体積抵抗率が10〔log(Ω・cm)〕未満の場合は非画像部でのキャリア付着が生じて好ましくなく、16〔log(Ω・cm)〕より大きい場合は現像時、エッジ部における画像濃度が強調されるいわゆるエッジ効果が顕著になり好ましくない。該体積抵抗率は必要に応じて、キャリアの被覆層の膜厚、前記導電性ポリマー微粒子の含有量を調整することで、該範囲内で任意に調整可能である。
前記体積抵抗率の測定方法としては、図1に示すような装置を用いる方法が挙げられる。具体的には、電極間距離0.2cm、表面積2.5cm×4cmの電極32a、電極32bを収容したフッ素樹脂製容器からなるセル31に、キャリア33を充填し、落下高さ:1cm、タッピングスピード:30回/min、タッピング回数:10回のタッピングを行う。次に、両電極間に1000Vの直流電圧を印加し、30秒後の抵抗値を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード株式会社製:High
Resistance Meter)により測定し、得られた抵抗値rを、下式のとおり計算して体積抵抗率Rを算出することができる。
R=Log[r×(2.5cm×4cm)÷0.2cm] 〔Log(Ω・cm)〕
また、本発明で用いられる前記キャリアの体積平均粒径は、20〜65μmの範囲であることが好ましく、20〜55μmの範囲であることがより好ましい。
前記キャリアの体積平均粒径が、20μm未満では前記芯材粒子の均一性が低下することに起因するキャリア付着が発生し好ましくなく、65μmを超える場合には画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られなくなり好ましくない。
前記体積平均粒径の測定方法としては、粒度分布を測定できる機器であれば特に制限はなく、例えば、マイクロトラック粒度分布計:モデルHRA9320―X100(日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記キャリアと、トナーとを含む二成分現像剤である。
前記現像剤におけるトナーとキャリアの混合割合は、キャリア100質量部に対して、トナー1.0〜10.0質量部が好ましい。
前記トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなり、離型剤、帯電制御剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
<トナー>
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、粉砕法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。
―結着樹脂―
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
―着色剤―
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
―離型剤―
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ワックス類等が好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド及びジアルキルケトン等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート及び1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス及びサゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が更に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1,000mPa・s(5〜1,000cps)が好ましく、10〜100mPa・s(10〜100cps)がより好ましい。
前記溶融粘度が、5mPa・s未満であると、離型性が低下することがあり、1,000mPa・sを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。離型剤の含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
―帯電制御剤―
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
前記負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体などを用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(いずれも、日本化薬株式会社製);アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(いずれも保土谷化学工業株式会社製);FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(いずれも、藤倉化成株式会社製)、などが挙げられる。
前記正の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等を用いることができる。具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);TP−302、TP−415、TP−4040(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(いずれも、ヘキスト社製);FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(いずれも、藤倉化成株式会社製);PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(いずれも、四国化成工業株式会社製)などが挙げられる。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の添加量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり、一義的に限定されるものではないが、前記結着樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。前記添加量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。また、前記添加量が0.1質量部未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。
前記トナー材料には、結着樹脂、離型剤、着色剤、及び帯電制御剤の他に、必要に応じて無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸等を添加することができる。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を用いることができ、シリコーンオイルやヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理されたシリカ微粒子や、特定の表面処理を施した酸化チタンを用いることがより好ましい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、アエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(いずれも、日本アエロジル株式会社製);HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(いずれも、ワッカーケミカル社製);カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(いずれも、キャボット社製)等を用いることができる。
前記無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100質量部に対し0.1〜5.0質量部が好ましく、0.8〜3.2質量部がより好ましい。
前記のトナーを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粉砕法、特定の結晶性高分子及び重合性単量体を含有する単量体組成物を水相中で直接的に重合する重合法(懸濁重合法、乳化重合法)、特定の結晶性高分子及びイソシアネート基含有プレポリマーを含有する組成物を水相中においてアミン類で直接的に伸長/架橋する重付加反応法、イソシアネート基含有プレポリマーを用いた重付加反応法、溶剤で溶解し脱溶剤して粉砕する方法、溶融スプレー法などが挙げられる。
前記粉砕法は、例えば、トナー材料を溶融乃至混練し、粉砕、分級等することにより、前記トナーの母体粒子を得る方法である。なお、該粉砕法の場合、前記トナーの平均円形度を高くする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、前記機械的衝撃力は、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いて前記トナーの母体粒子に付与することができる。
以上のトナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、株式会社池貝製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄し、除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のアミノ基を有する(メタ)アクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことによって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後、後述する無機微粒子の湿式処理を行えばよい。ラテックスとして懸濁重合法に使用される単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
これらの中でも、樹脂の選択性が高く、低温定着性が高く、また、造粒性に優れ、粒径、粒度分布、形状の制御が容易であるため、前記トナーとしては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られるものが好適である。
前記トナー材料としては、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、結着樹脂と、帯電制御剤と、着色剤とを反応させて得られる接着性基材などを少なくとも含み、更に必要に応じて、樹脂微粒子、離型剤などのその他の成分を含んでなる。
また、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体粒子に更に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
前記トナーは、その形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、平均円形度、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)などを有していることが好ましい。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、0.900〜0.980が好ましく、0.950〜0.975がより好ましい。なお、前記トナーとしては、前記平均円形度が0.94未満の粒子が15%以下であるものが好ましい。
前記平均円形度が0.900未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。前記平均円形度が0.980を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2100、シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて濃度を5,000〜15,000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000〜15,000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、即ち、添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分に濡らすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜10μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000〜15,000個/μlに合わせることが可能となる。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3〜10μmが好ましく、3〜8μmがより好ましい。
前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、10μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.10〜1.25がより好ましい。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(マルチサイザーIII、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2質量%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2質量%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
<現像剤入り容器>
前記現像剤入り容器は、本発明の前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、現像剤容器本体とキャップとを有してなるものなどが好適に挙げられる。
前記現像剤容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物である現像剤が排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記現像剤容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度良いものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
前記現像剤入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けて現像剤の補給に好適に使用することができる。
<プロセスカートリッジ>
本発明で用いられるプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持し、かつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
前記プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、特に後述する本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図2に示すように、静電潜像担持体(感光体ょ101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。図2中103は露光手段による露光であり、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。105は記録媒体を表す。前記感光体101としては、後述する画像形成装置と同様なものを用いることができる。前記帯電手段102としては、任意の帯電部材が用いられる。
次に、図2に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
―静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段―
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」又は「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
―現像工程及び現像手段―
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、前記現像剤入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記現像剤である。
―転写工程及び転写手段―
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
―定着工程及び定着手段―
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図3を参照しながら説明する。図3に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10(感光体10)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレード90が配置されており、また、記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、この現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図3に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図4を参照しながら説明する。図4に示す画像形成装置100は、図3に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図3に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図4においては、図3におけるものと同じものは同符号で示した。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図5を参照しながら説明する。図5に示すタンデム型画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。このタンデム型画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図5中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム型画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図6に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(図5に示す、ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図6中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。図5において、52は分離ローラである。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、本発明のキャリアを用いることにより、トナー飛散や地汚れ、色汚れの発生が少なく、安定した品質の画像を長期にわたって提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
<トナー1の作製>
―有機微粒子エマルションの合成―
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン83質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。次いで、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを[微粒子分散液1]とする。
得られた[微粒子分散液1]に含まれる微粒子の体積平均粒径を、レーザー散乱法を用いた粒径分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)により測定したところ、105nmであった。また、[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分のみを単離した。この樹脂分のガラス転移温度(Tg)は59℃であり、重量平均分子量(Mw)は15万であった。
―水相の調製―
水990質量部、[微粒子分散液1]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。この液体を[水相1]とする。
―低分子ポリエステルの合成―
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、1.3〜2.0kPa(10〜15mmHg)の減圧下に5時間反応した後、反応容器内に無水トリメリット酸44質量部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を合成した。
得られた[低分子ポリエステル1]のガラス転移温度(Tg)は45℃であり、重量平均分子量(Mw)は5,800であり、数平均分子量は2,600であり、酸価は24mgKOH/gであった。
―ポリエステルプレポリマーの合成―
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応容器内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させた。次いで、1.3〜2.0kPa(10〜15mmHg)の減圧下で5時間反応させ、[中間体ポリエステル1]を合成した。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、[中間体ポリエステル1]410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を入れ、100℃下5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。
得られた[プレポリマー1]中の遊離イソシアネート含有率は、1.74質量%であった。
―ケチミンの合成―
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、イソホロンジアミン170質量部とメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を合成した。得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
―マスターバッチ(MB)の調製―
水1,200質量部、カーボンブラック(PBk−7:Printex60、デグサ社製、DBP吸油量=114ml/100mg、pH=10)540質量部、及びポリエステル樹脂(三洋化成工業株式会社製、RS801)1,200質量部を加えて、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)で混合した。得られた混合物を、2本ロールを用いて150℃にて30分間混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕してマスターバッチを得た。これを[マスターバッチ1]とする。
―油相の調製―
撹拌棒、及び温度計の付いた反応容器内に、[低分子ポリエステル1]300質量部、カルナウバワックス90質量部、ライスワックス10質量部、及び酢酸エチル1000質量部を仕込み、撹拌しながら79℃で溶解させた後に一気に4℃まで急冷した。これをビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス株式会社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒で、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散を行い、体積平均粒径0.6μmのワックス分散液を得た。
次いで、[マスターバッチ1]500質量部と、[低分子ポリエステル1]の70質量%酢酸エチル溶液640質量部を加え、10時間混合した後に前記ビーズミルで5パスし、酢酸エチルを加えて固形分濃度50質量%に調整した[油相1]を作製した。
―重合トナーの作製―
[油相1]73.2質量部、[プレポリマー1]6.8質量部、及び[ケチミン化合物1]0.48質量部を容器内に入れ、充分混合した[乳化油相1]に[水相1]120質量部を加え、ホモミキサーで1分間混合した後、パドルで1時間ゆっくり攪拌しながら収斂させて、[乳化スラリー1]を得た。
得られた[乳化スラリー1]を、30℃で1時間脱溶剤し、更に60℃で5時間熟成して水洗浄、濾過、乾燥を行った後に、目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径6.1μm、個数平均粒径5.4μm、平均円形度0.972のトナー母体粒子を作製した。
次に、得られたトナー母体粒子100質量部に、疎水性シリカ0.7質量部と疎水化酸化チタン0.3質量部をヘンシェルミキサーを用いて混合して、[トナー1]を作製した。
以下の実施例1〜5及び比較例1〜3において、無機微粒子の粒度分布、キャリアの粒度分布、被覆層の厚さ、及びキャリアの電気抵抗は、以下のようにして測定した。
<無機微粒子の粒度分布の測定>
ナノトラック粒度分布測定装置:UPA−EX150(日機装株式会社)製)を用いて、多孔性微粒子の粒度分布を測定した。
<キャリアの粒度分布の測定>
マイクロトラック粒度分布計:モデルHRA9320―X100(日機装株式会社製)を用いて、キャリアの粒度分布を測定した。
<被覆層の厚さの測定>
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察して、被覆層の厚さを測定して求めた。
<キャリアの体積抵抗率の測定>
キャリアの体積抵抗率は、2mmの間隔で平行に配置した電極を有する容器にキャリアを充填し、両極間の電位差50Vでの直流抵抗を横川ヒューレットパッカード株式会社製4329A High Resistance Meterによって測定した。
(実施例1)
―キャリア1の作製―
・グアナミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、マイコート106 固形分77質量%)
30.0質量部
・アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3012X 水酸基価50 固形分50質量%)65.0質量部
・シリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング株式会社製、SR2405 固形分50質量%)
100.0質量部
・可溶性導電性ポリアニリン溶液(体積平均粒子径180nm、導電率285S/cm、固形分5質量%)160.0質量部
・多孔性無機微粒子(体積平均粒径150nm)20.0質量部
・トルエン 510質量部
上記材料をホモミキサーで10分間撹拌して分散させ、被覆層分散液を調製した。芯材としてフェライト粉(1kガウスでの飽和磁気モーメント 65emu/g)を用い、該被覆層分散液を芯材表面に膜厚が1.0μmになるように転動流動式コーティング装置を用いて塗布し、乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて170℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き90μmの篩を用いて解砕し、「キャリア1」とした。
得られたキャリア1は、体積平均粒径Dvが38.1μm、個数平均粒径Dnが33.4μm、Dv/Dnが1.14であった。また、キャリア1の体積抵抗率は4.77×1011Ω・cmであり、膜厚は1.0μmであった。
(実施例2)
―キャリア2の作製―
・グアナミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、マイコート106 固形分77質量%)
40.0質量部
・シリコーングラフトアクリル樹脂溶液(信越化学工業株式会社製、X−22−8004 固形分40質量%)235.0質量部
・可溶性導電性ポリアニリン溶液(体積平均粒子径180nm、導電率210S/cm 固形分5質量%)160.0質量部
・メチルエチルケトン 450質量部
上記材料を用いて実施例1と同様の方法により、「キャリア2」を作製した。
得られたキャリア2は、体積平均粒径Dvが38.5μm、個数平均粒径Dnが33.7μm、Dv/Dnが1.14であった。また、キャリア2の体積抵抗率は6.28×1012Ω・cmであり、膜厚は1.0μmであった。
(実施例3)
―キャリア3の作製―
・グアナミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、マイコート106 固形分77質量%)
25.0質量部
・アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3012X 水酸基価50 固形分50質量%)60.0質量部
・シリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング株式会社製、SR2405 固形分50質量%)
95.0質量部
・可溶性導電性ポリアニリン溶液(体積平均粒子径70nm、導電率31S/cm 固形分5質量%)160.0質量部
・多孔性無機微粒子(体積平均粒径15nm)30.0質量部
・トルエン 520質量部
上記材料を用いて実施例1と同様の方法により、「キャリア3」を作製した。
得られたキャリア3は、体積平均粒径Dvが38.4μm、個数平均粒径Dnが33.5μm、Dv/Dnが1.15であった。また、キャリア3の体積抵抗率は8.33×1012Ω・cmであり、膜厚は1.0μmであった。
(実施例4)
―キャリア4の作製―
・メラミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、サイメル303 揮発分0質量%)
35.0質量部
・アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3012X 水酸基価50 固形分50質量%)145.0質量部
・可溶性導電性ポリアニリン溶液(体積平均粒子径300nm、導電率0.8S/cm 固形分5質量%)160.0質量部
・多孔性無機微粒子(体積平均粒径150nm)20.0質量部
・トルエン 530質量部
上記材料を用いて実施例1と同様の方法により、「キャリア4」を作製した。
得られたキャリア4は、体積平均粒径Dvが38.1μm、個数平均粒径Dnが33.5μm、Dv/Dnが1.14であった。また、キャリア4の体積抵抗率は4.92×1013Ω・cmであり、膜厚は1.0μmであった。
(実施例5)
―キャリア5の作製―
・メラミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、サイメル303 揮発分0質量%)
20.0質量部
・アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3546−3 水酸基価15 固形分50質量%)55.0質量部
・シリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング株式会社製、 SR2405 固形分50質量%)
90.0質量部
・アミノシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、 SH6020 固形分100%)6.0質量部
・可溶性導電性ポリピロール溶液(体積平均粒子径380nm、導電率0.1S/cm 固形分10質量%)80.0質量部
・非多孔性アルミナ微粒子(住友化学工業株式会社製、体積平均粒径300nm)30.0質量部
・トルエン 610質量部
上記材料を用いて、膜厚が0.5μmとなるように調整した以外は、実施例1と同様にして、「キャリア5」を作製した。
得られたキャリア5は、体積平均粒径Dvが37.8μm、個数平均粒径Dnが33.1μm、Dv/Dnが1.14であった。また、キャリア5の体積抵抗率は8.04×1013Ω・cmであり、膜厚は0.5μmであった。
(比較例1)
―比較キャリア1の作製―
・グアナミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、マイコート106 固形分77質量%)
25.0質量部
・アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3546−3 水酸基価15 固形分50質量%)60.0質量部
・シリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング株式会社製、SR2405 固形分50質量%)
95.0質量部
・不溶性導電性ポリアニリン微粒子(体積平均粒子径600nm、導電率20S/cm)8.0質量部
・多孔性無機微粒子(体積平均粒径150nm)30.0質量部
・トルエン 670質量部
上記材料を用いて実施例1と同様の方法により、「比較キャリア1」を作製した。
得られた比較キャリア1は、体積平均粒径Dvが38.3μm、個数平均粒径Dnが34.1μm、Dv/Dnが1.12であった。また、比較キャリア1の体積抵抗率は3.50×1013Ω・cmであり、膜厚は1.0μmであった。
(比較例2)
―比較キャリア2の作製―
・グアナミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、マイコート106 固形分77質量%)
30.0質量部
・アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3546−3 水酸基価15 固形分50質量%)75.0質量部
・シリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング株式会社製、SR2405 固形分50質量%)
115.0質量部
・アミノシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、SH6020 固形分100%)8.0質量部
・不溶性導電性ポリアニリン微粒子(体積平均粒子径600nm、導電率20S/cm)8.0質量部
・トルエン 650質量部
上記材料を用いて実施例1と同様の方法により、「比較キャリア2」を作製した。
得られた比較キャリア2は、体積平均粒径Dvが38.6μm、個数平均粒径Dnが33.8μm、Dv/Dnが1.14であった。また、比較キャリア2の体積抵抗率は9.62×1014Ω・cmであり、膜厚は1.0μmであった。
(比較例3)
―比較キャリア3の作製―
・メラミン樹脂溶液(三井サイテック株式会社製、サイメル303 揮発分0質量%)
30.0質量部
・アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3546−3 水酸基価15 固形分50質量%)130.0質量部
・アミノシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、SH6020 固形分100%)6.0質量部
・不溶性導電性ポリピロール微粒子(体積平均粒子径800nm、導電率0.04S/cm)8.0質量部
・非多孔性アルミナ微粒子(体積平均粒径700nm)30.0質量部
・トルエン 700質量部
上記材料を用いて実施例1と同様の方法により、「比較キャリア3」を作製した。
得られた比較キャリア3は、体積平均粒径Dvが38.4μm、個数平均粒径Dnが33.6μm、Dv/Dnが1.14であった。また、比較キャリア3の体積抵抗率は3.13×1015Ω・cmであり、膜厚は1.0μmであった。
(比較例4)
―比較キャリア4の作製―
・スチレン−メタクリル酸メチル共重合体 195.0質量部
・可溶性導電性ポリアニリン溶液(体積平均粒子径70nm、導電率31S/cm、固形分5質量%)160.0質量部
・多孔性無機微粒子(体積平均粒径15nm)30.0質量部
・トルエン 515質量部
上記材料を用いて実施例1と同様の方法により、「比較キャリア4」を作製した。
得られた比較キャリア4は、体積平均粒径Dvが38.2μm、個数平均粒径Dnが33.2μm、Dv/Dnが1.15であった。また、比較キャリア4の体積抵抗率は8.62×1012Ω・cmであり、膜厚は1.0μmであった。
―現像剤の作製―
作製した前記キャリア1〜5及び前記比較キャリア1〜4と、トナー1とをトナーによるキャリア被覆率が50%となるような割合で調節し、ターブラーミキサーで攪拌して、実施例1〜5及び比較例1〜4の現像剤を作製した。
作製した前記現像剤を用いて、以下のようにして、キャリア被覆層の削れ・剥離、画像濃度、トナー飛散性、地汚れ、色汚れ、及び総合評価を行った。その結果を表1及び表2に示す。
<キャリア被覆層の削れ・剥離評価>
作製した前記現像剤をタンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo450、(株)リコー製)を用いて、20万枚のランニング評価を行い、ランニングを終えたキャリアの抵抗低下量の比率として以下のように評価した。
〔評価基準〕
◎:20万枚ラン後の抵抗/ラン初期の抵抗の比が1〜1/10以内
○:20万枚ラン後の抵抗/ラン初期の抵抗の比が1/10より小さく、1/100以上
△:20万枚ラン後の抵抗/ラン初期の抵抗の比が1/100より小さく、1/1000以上
×:20万枚ラン後の抵抗/ラン初期の抵抗の比が1/1000より小さい
ここでいう抵抗低下量とは、初期のキャリアを抵抗計測平行電極:ギャップ2mmの電極間に投入し、DC200Vを印加して、30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した値を体積抵抗率に変換した値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーをブローオフ装置にて除去して得たキャリアを、該抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量のことをいい、目標値は2.0〔Log(Ω・cm)〕以下である。また、抵抗低下の原因は、キャリアの被覆層の芯材からの脱離であるため、この膜削れを減らすことで、抵抗低下量を抑えることができる。
<画像濃度>
次に、作製した前記現像剤を、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて、複写紙(TYPE6000<70W>、株式会社リコー製)に各現像剤の付着量が1.00±0.05mg/cm2のベタ画像を形成した。該ベタ画像の形成は、該複写紙100万枚に対して、繰り返し行った。
得られたベタ画像の画像濃度を、初期及び100万枚耐久後について、目視で観察し、下記基準に基づいて4段階で評価した。なお、得られた画像濃度が高い程、高濃度の画像が形成できる。該評価は本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法の実施例に相当する。
〔評価基準〕
◎:初期及び100万枚耐久後において、画像濃度に変化がなく、高画質が得られた
○:100万枚耐久後において、画像濃度がやや低下したが、高画質が得られた
△:100万枚耐久後において、画像濃度が低下し、画質が低下した
×:100万枚耐久後において、画像濃度が著しく低下し、画質が大きく低下した
<トナー飛散>
画像面積率5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて100万枚連続出力した際の機内のトナー汚染の程度を目視にて、下記基準に基づいて4段階で評価した。
〔評価基準〕
◎:機内のトナー汚染がまったくなく、優良な状態である
○:機内のトナー汚染がなく、良好な状態である
△:機内のトナー汚染があるが、実使用可能なレベルである
×:機内のトナー汚染がひどく、実使用不可能なレベルである
<地汚れ>
画像面積率5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて100万枚連続出力した際の画像背景部の地汚れの程度を目視により、下記基準に基づいて3段階で評価した。
〔評価基準〕
○:画像背景部に地汚れの発生がない
△:画像背景部に地汚れがやや発生している
×:画像背景部に地汚れが発生している
<色汚れ>
画像面積率0.5%のチャートを、タンデム型カラー画像形成装置(imagio Neo 450、株式会社リコー製)を用いて3万枚連続出力した後、イエロー単色画像を出力し、初期及び3万枚出力後のイエロー単色画像について、画像濃度をX−RITE938(x−rite社製)により測定した。イエロー画像濃度が1.4±0.5のポイントでのCIE L*、CIE a*、CIE b*を3点測定して平均値を求め、下記式に代入してΔE値を算出し、下記基準に基づいて3段階で評価した。
ΔE=√((初期L*)2+(初期a*)2+(初期b*)2)−√((ラン後L*)2+(ラン後a*)2+(ラン後b*)2)
〔評価基準〕
○:ΔEが2未満で色汚れがない
△:ΔEが2乃至4で色汚れが目立たず、色調変化は指摘されない
×:ΔEが4を越え明らかに色汚れが目立ち、色調変化を指摘される
<総合評価>
以上の評価結果から、総合的に判断して、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:非常に良好
○:良好
×:不良
Figure 2009276575
※実施例で用いた導電性ポリマーはドデシルベンゼンスルホン酸等のアクセプター性ドーパントを含むものである。
Figure 2009276575
表1、及び表2の結果から、キャリア1〜5を用いた実施例1〜5の現像剤は、比較例1〜4の現像剤に比べて、被覆層の削れや剥離を抑制し、トナー飛散や地汚れ、色汚れの発生がなく、高画像濃度が得られることが確認できた。
本発明のキャリアの体積抵抗率測定に用いる装置の構成を示す概略図である。 プロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。 画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図5に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
符号の説明
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニングブレード
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体(感光体)
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (14)

  1. 少なくとも結着樹脂と導電性微粒子を溶剤に溶解乃至分散させた被覆層分散液を用いて、磁性を有する芯材粒子表面に被覆層を形成させて得られる電子写真用キャリアにおいて、
    前記結着樹脂として、少なくともグアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と、該グアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と架橋反応可能な樹脂とを含有し、且つ、前記導電性微粒子としてアクセプター性ドーパントを含む溶剤可溶性の導電性ポリマー微粒子を含有する
    ことを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 前記結着樹脂として、ベンゾグアナミン樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  3. 前記導電性ポリマー微粒子として、ポリアニリンを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用キャリア。
  4. 前記導電性ポリマー微粒子の溶剤中での体積平均粒子径が10〜400nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  5. 前記被覆層分散液中に分子量1000以下の塩基性成分を含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  6. 前記導電性ポリマー微粒子の導電率が1S/cm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  7. 前記被覆層に体積平均粒径が500nm以下の無機微粒子が含有され、且つ、該無機微粒子の体積平均粒径をd(μm)、該被覆層の厚さをw(μm)とするとき、下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
    0.04≦d/w≦0.4・・・(1)
  8. 前記無機微粒子が多孔性無機微粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  9. 前記グアナミン樹脂乃至メラミン樹脂と架橋反応可能な樹脂として、アクリル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  10. 前記結着樹脂としてシリコーン樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  11. 前記電子写真用キャリアに1000Vの直流電圧を印加したときの体積抵抗率が、〔log(Ω・cm)〕の単位で、10以上16以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  12. 前記電子写真用キャリアの体積平均粒径が20〜65μmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の電子写真用キャリアと、トナーとからなることを特徴とする電子写真用二成分現像剤。
  14. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像を請求項13に記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
    前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む
    ことを特徴とする画像形成方法。
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