JPH07118535B2 - 電荷転送素子とその駆動方法 - Google Patents

電荷転送素子とその駆動方法

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JPH07118535B2
JPH07118535B2 JP6089688A JP6089688A JPH07118535B2 JP H07118535 B2 JPH07118535 B2 JP H07118535B2 JP 6089688 A JP6089688 A JP 6089688A JP 6089688 A JP6089688 A JP 6089688A JP H07118535 B2 JPH07118535 B2 JP H07118535B2
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信一 寺西
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は電荷転送素子(CCD)およびその駆動方法に
関する。
(従来の技術) 従来、電荷転送素子の出力法として、浮遊拡散層法と呼
ばれる信号電荷検出法が適用されてきた。第2図(a)
(b)(c)は従来の浮遊拡散層法に基づく構造の模式
的平面図、およびそのB−B′,C−C′線における模式
的断面図である。この従来例は、n型シリコン半導体基
板1中に、p型ウェル2が形成され、さらに、p型ウェ
ル2中にN型埋込層3が形成されている。いわゆる埋込
型電荷転送素子を示している。n型埋込層3上には酸化
膜(図示省略)を介して電荷転送ゲート4〜7が形成さ
れている。電荷転送ゲートのうち出力に最も近い電荷転
送ゲート4は出力ゲートと呼ばれる。出力ゲート4に隣
接して高濃度のn型の浮遊拡散層8、n型の埋込型のリ
セットチャネル領域9,並びに高濃度のn型のリセットド
レイン10が設けられている。リセットチャネル領域の上
に酸化膜(図示省略)を介してリセットゲート11が設け
られている。浮遊拡散層8は第3図に示すようなソース
フォロア増幅器の入力端子と電気的に接続されている。
このソースフォロア増幅器は電荷転送素子と同一シリコ
ンチップ上に集積化されている。
次に、浮遊拡散層法による駆動方法を示すタイミングチ
ャートを第4図に示す。第4図中に示した時刻t1および
t2におけるポテンシャルを第5図に示した。第4図にお
いて時刻T1からT5までの期間が1周期である。電荷転送
ゲート群中の出力ゲート4の隣りの電荷転送ゲート5に
は第4図(a)に示すパルスが、出力ゲート4には第4
図(b)に示す直流電圧が、リセットゲート11には第4
図(c)に示すパルスが、リセットドレイン10には直流
電圧が印加される。
信号電荷は、以下に説明するように検出される。時刻T1
からT4までの期間に電荷転送ゲート5の直下に蓄積され
た信号電荷は、時刻T4からT5までの期間に第5図に示す
ように浮遊拡散層8に転送され、浮遊拡散層8に蓄積さ
れる。信号電荷蓄積に伴う浮遊拡散層8の電位変動が第
3図に示す入力増幅器により検出され、外部へ出力され
る。この信号電荷の検出は周期的に行なわれるため、各
周期毎に、信号電荷の転送されない期間、すなわち時刻
T1からT4までの期間内に、検出済の信号電荷をリセット
ドレイン10に吸収させ、浮遊拡散層8をリセットする駆
動が行なわれる。このリセット動作のためにリセットゲ
ート11に印加されるパルスが第4図(c)である。リセ
ットゲート11に印加されるパルスがハイレベルである期
間内の時刻t1においては、第5図に示すようにリセット
チャネル領域9が導通状態となり、浮遊拡散層8の電位
はリセットドレイン10の電位と同電位にリセットされ
る。
(発明が解決しようとする課題) この浮遊拡散層法を適用した電荷転送素子においては、
浮遊拡散層8のリセット動作の際、リセット雑音と呼ば
れる雑音が生じる。このリセット雑音はリセットチャネ
ル領域9が導通状態であるときのリセットチャネル領域
9の熱雑音に起因し、リセット動作直後に浮遊拡散層8
に残留する電荷数が変動するという雑音である。リセッ
ト雑音の雑音等価電子数は浮遊拡散層8の容量をCファ
ラド,ボルツマン定数をk、絶対温度をTケルビン、電
子の電荷の絶対値をqクーロンとすると、 で近似できる。リセット雑音は、電荷転送素子で発生す
るランダム雑音の主成分であり、電荷転送素子の雑音特
性を著しく劣化させる。
さらに、第3図に示したオンチップ出力増幅器はMOS型
であるために1/fノイズが発生する。第3図の増幅器は
2段のソースフォロア構成になっているが、初段で発生
する1/fノイズが主成分である。
これらのノイズは、特に電荷転送素子を用いた固体撮像
素子においては、低照度被写体撮像時の画質を劣化させ
る。
このリセット雑音を除去するためには、リセット動作の
完了した直後、すなわち第4図中時刻T3からT4までの期
間において、浮遊拡散層8内に残留する電荷をゼロに
し、浮遊拡散層8を完全に空乏化させればよい。しか
し、従来の構造では、浮遊拡散層8は、第3図の出力増
幅器へ接続される配線とオーミック接触をするという要
請から、浮遊拡散層8を完全に空乏化させることは実現
できず、リセット雑音の発生をなくすことは不可能であ
った。
この発明の目的は、このような問題点を解決し、雑音の
小さい出力構造、およびその駆動方法を提供する事にあ
る。
(課題を解決するための手段) この発明は、第1導電型の半導体基板上に設けられた第
1導電型とは逆導電型である第2導電型のウェルと、こ
のウェル内に設けられた第1導電型の埋込層と、この埋
込層上に配列された電荷転送ゲート群と、この電荷転送
ゲート群の出力側に隣接して設けられた第1導電型の浮
遊拡散層と、前記浮遊拡散層に隣接し、かつ互いに前記
浮遊拡散層をはさんで反対側に位置する第2導電型のソ
ースドレイン領域と、前記ソースドレイン領域の両側で
かつ前記浮遊拡散領域に接する部分に設けられた空乏化
している第2導電型の微少領域と、前記ソースドレイイ
ン領域の周囲のうち前記浮遊拡散層と前記微少領域とに
接する部分を除く周囲を囲み、かつ、前記微少領域に接
するように設けられた、前記ウェルが形成されていない
第1導電型の基板領域と、前記浮遊拡散層を挟んで前記
転送ゲート電極群と反対側に位置するリセットチャネル
領域と、このリセットチャネル領域に隣接したリセット
ドレインとを有することを特徴とする電荷転送素子と、 第1導電型の半導体基板上に設けられた第1導電型とは
逆導電型である第2導電型のウェルと、このウェル内に
設けられた第1導電型の埋込層と、この埋込層上に配列
された電荷転送ゲート群と、この電荷転送ゲート群の出
力側に隣接して設けられた第1導電型の浮遊拡散層と、
前記浮遊拡散層に隣接し、かつ互いに前記浮遊拡散層を
はさんで反対側に位置する第2導電型のソースドレイン
領域と、前記ソースドレイン領域の両側でかつ前記浮遊
拡散領域に接する部分に設けられた空乏化している第2
導電型の微少領域と、前記ソースドレイイン領域の周囲
のうち前記浮遊拡散層と前記微少領域とに接する部分を
除く周囲を囲み、かつ、前記微少領域に接するように設
けられた、前記ウェルが形成されていない第1導電型の
基板領域と、前記浮遊拡散層を挟んで前記転送ゲート電
極群と反対側に位置するリセットチャネル領域と、この
リセットチャネル領域に隣接したリセットドレインとを
有する電荷転送素子の前記浮遊拡散層がリセット時に完
全に空乏化するようにリセットドレインの電位、リセッ
トチャネル領域の電位、浮遊拡散層の電位をそれぞれ定
めることを特徴とする電荷転送素子の駆動方法を提供す
る。
(作用) この発明の構成によれば、出力部は浮遊拡散層を上部ゲ
ート、半導体基板を下部ゲート、ソースドレイン領域を
ソースとドレイン、2個のソースドレイン領域にはさま
れたウェル領域をチャネル領域とするジャンクション電
界効果トランジスタ(JFET)とみなせる。浮遊拡散層に
蓄積される信号電荷量によってチャネルコンダクタンス
を制御することが可能であり、このJFETを出力増幅器の
初段のドライバとして用いることができる。従って浮遊
拡散層にオーミック接触をとる必要がなく、リセット動
作直後に完全に空乏化することができ、リセット雑音の
発生をなくすることができる。また、出力増幅器初段の
ドライバがMOS FETではなくJFETであるので1/f雑音を大
幅に低減することができる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面を用いて説明する。第1
図(a)(b)(c)(d)はこの発明の一実施例であ
る電荷転送素子の出力部の模式的平面図、および第1図
(a)におけるA−A′,B−B′,C−C′線に沿う模式
的断面図である。第2図と同一構成要素は同一記号で示
す。この実施例はn型シリコン半導体基板1中にp型ウ
ェル2が形成され、さらに、p型ウェル2中にn型埋込
層3が形成されている、いわゆる埋込型電荷転送素子で
ある。n型埋込層3上には酸化膜(図示省略)を介して
電荷転送ゲート4〜7が形成されている。電荷転送ゲー
トのうち出力に最も近い電荷転送ゲート4は出力ゲート
と呼ばれる。出力ゲート4に隣接して浮遊拡散層12、n
型の埋込型のリセットチャネル領域9、並びに高濃度の
n型のリセットドレイン10が設けられている。埋込層
3、浮遊拡散層12、リセットチャネル領域9は同一工程
で作成できる。リセットチャネル領域9上に酸化膜(図
示省略)を介してリセットゲート11が設けられている。
浮遊拡散層12に隣接し、かつ互いに浮遊拡散層12をはさ
んで反対側に位置するp型の2個のソースドレイン領域
13が設けられている。このソースドレイン領域13の周囲
のうち、浮遊拡散層12に接する部分とその近傍のp型の
微小領域14に接する部分を除くソースドレイン領域13の
周囲を囲む、p型ウェル2が形成されず、n型基板1が
表面に露出している基板領域15が設けられている。n型
の基板領域15はp型のソースドレイン領域13とその他の
p型ウェル2とを電気的に分離するためにある。この分
離効果を高めるために基板領域15の表面部分に高濃度n
型をドープすることもできる。ソースドレイン領域13は
p型ウェル2が形成され、さらに高濃度のp型層が形成
されている。ソースドレイン領域13はオーミック接触し
た金属配線が接続されている。微小領域14はソースドレ
イン領域13と浮遊拡散層12とp型ウェル2に三方を接す
る領域で、アクセプタ濃度は大きくせず、空乏化しやす
くする。すなわちp型ウェル2と同じ工程で作成され
る。p型ウェル2が表面に露出している部分のうち、微
小領域を除いた部分の表面はアクセプタが高濃度にドー
プされたチャネルストップ領域16が形成されており、素
子分離効果を高めている。ソースドレイン領域13の表面
部のp型層とチャネルストップ領域16は同一工程で作成
される。
第4図に示すタイミングチャートによってこの発明の一
実施例は駆動される。第4図中に示した時刻t1およびt2
におけるポテンシャルを第6図に示した。第4図におい
て時刻T1からT5までの期間が1周期である。電荷転送ゲ
ート群中の出力ゲート4の隣りの電荷転送ゲート5には
第4図(a)に示すパルスが、出力ゲート4には第4図
(b)に示す直流電圧が、リセットゲート11には第4図
(c)に示すパルスが、リセットドレイン10には直流電
圧が印加される。微小領域14は浮遊拡散層12および基板
領域15となすpn接合による空乏層によって完全に空乏化
するように、微小領域14の大きさと浮遊拡散層12および
基板領域15のバイアス電圧を設計する。
信号電荷は以下に説明するように検出される。時刻T1
らT4までの期間に電荷転送ゲート5の直下に蓄積された
信号電荷は、時刻T4からT5までの期間に第6図に示すよ
うに浮遊拡散層12に転送され、浮遊拡散層12に蓄積され
る。浮遊拡散層12に信号電荷が蓄積されると、浮遊拡散
層12とp型ウェル2との間のpn接合の逆バイアス電圧は
小さくなり、空乏層は小さくなる。この様子を第7図に
示した。第7図の曲線(a)は浮遊拡散層12に信号電荷
がなく、浮遊拡散層12は完全に空乏化しているときの電
位分布を示した。実線は中性領域、破線は空乏領域を示
す。第7図の曲線(b)は信号電荷が浮遊拡散層12に蓄
積されているときの電位分布を示した。曲線(b)で
は、p型ウェル2において中性領域が曲線(a)に比較
して大きくなっている。ソースドレイン領域13をソース
とドレイン、浮遊拡散層12を上部ゲート、シリコン基板
1を下部ゲート、p型ウェル2をチャネルとするp型チ
ャネルJFETにおいて、蓄積された信号電荷が増加すると
コンダクタンスは大きくなる。このJFETを第3図に示す
ような出力増幅回路の初段のドライバとして使う。初段
のロードや次段はオンチップされたトランジスタを用い
ることも可能であるし、外部のトランジスターを用いる
こともできる。
この信号電荷の検出は周期的に行なわれるため、各周期
毎に、信号電荷の転送されない期間、すなわち時刻T1
らT4までの期間内に、検出済の信号電荷をリセットドレ
イン10に吸収させ、浮遊拡散層12をリセットする駆動が
行なわれる。すなわち、このリセット動作のためにリセ
ットゲート11に印加されるパルスが第4図(c)であ
り、リセットゲート11に印加されるパルスがハイレベル
である期間内の時刻t1においては第6図に示す電位分布
となる。リセットドレイン10の電位、リセットチャネル
のチャネル電位、完全に空乏化した浮遊拡散層の電位の
順に電位が階段状に小さくなるようにする。その結果、
浮遊拡散層12は完全に空乏化した状態でリセットされ
る。従って、リセット雑音は発生せず、良好な特性の電
荷転送素子が得られる。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、リセット動作
によって浮遊拡散層を完全に空乏化する事が実現できる
ので、リセット雑音を完全に抑圧できる。さらに出力ア
ンプの初段のドライバをMOS型トランジスタから接合型
電界効果トランジスタにすることができるようになり1/
fノイズが大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)(c)(d)はこの発明の一実施例
の電荷転送素子の出力構造の模式的平面図、およびその
B−B′,C−C′,D−D′線に沿う模式的断面図、第2
図(a)(b)(c)は従来の電荷転送素子の出力構造
の模式的平面図、およびそのB−B′,C−C′線に沿う
模式的断面図、第3図は、出力増幅器の回路図、第4図
は電荷転送素子の出力部を駆動するためのパルスチャー
ト、第5図は従来の電荷転送素子の出力部の電位図、第
6図はこの発明の一実施例の電荷転送素子の出力部の電
位図、第7図はこの発明の一実施例の電荷転送素子の浮
遊拡散層の深さ方向の電位図である。 1……半導体基板、2……ウェル、3……埋込層、4〜
7……電荷転送ゲート群、9……リセットチャネル領
域、10……リセットドレイン、11……リセットゲート、
12……浮遊拡散層、13……ソースドレイン領域、14……
微小領域、15……基板領域。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型の半導体基板上に設けられた第
    1導電型とは逆導電型である第2導電型のウェルと、こ
    のウェル内に設けられた第1導電型の埋込層と、この埋
    込層上に配列された電荷転送ゲート群と、この電荷転送
    ゲート群の出力側に隣接して設けられた第1導電型の浮
    遊拡散層と、前記浮遊拡散層に隣接し、かつ互いに前記
    浮遊拡散層をはさんで反対側に位置する第2導電型のソ
    ースドレイン領域と、前記ソースドレイン領域の両側で
    かつ前記浮遊拡散領域に接する部分に設けられた空乏化
    している第2導電型の微少領域と、前記ソースドレイイ
    ン領域の周囲のうち前記浮遊拡散層と前記微少領域とに
    接する部分を除く周囲を囲み、かつ、前記微少領域に接
    するように設けられた、前記ウェルが形成されていない
    第1導電型の基板領域と、前記浮遊拡散層を挟んで前記
    転送ゲート電極群と反対側に位置するリセットチャネル
    領域と、このリセットチャネル領域に隣接したリセット
    ドレインとを有することを特徴とする電荷転送素子。
  2. 【請求項2】第1導電型の半導体基板上に設けられた第
    1導電型とは逆導電型である第2導電型のウェルと、こ
    のウェル内に設けられた第1導電型の埋込層と、この埋
    込層上に配列された電荷転送ゲート群と、この電荷転送
    ゲート群の出力側に隣接して設けられた第1導電型の浮
    遊拡散層と、前記浮遊拡散層に隣接し、かつ互いに前記
    浮遊拡散層をはさんで反対側に位置する第2導電型のソ
    ースドレイン領域と、前記ソースドレイン領域の両側で
    かつ前記浮遊拡散領域に接する部分にに設けられた空乏
    化している第2導電型の微少領域と、前記ソースドレイ
    イン領域の周囲のうち前記浮遊拡散層と前記微少領域と
    に接する部分を除く周囲を囲み、かつ、前記微少領域に
    接するように設けられた、前記ウェルが形成されていな
    い第1導電型の基板領域と、前記浮遊拡散層を挟んで前
    記転送ゲート電極群と反対側に位置するリセットチャネ
    ル領域と、このリセットチャネル領域に隣接したリセッ
    トドレインとを有する電荷転送素子の前記浮遊拡散層が
    リセット時に完全に空乏化するように前記リセットドレ
    インの電位、リセットチャネル領域の電位、浮遊拡散層
    の電位をそれぞれ定めることを特徴とする電荷転送素子
    の駆動方法。
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FR2960341B1 (fr) * 2010-05-18 2012-05-11 E2V Semiconductors Capteur d'image matriciel a transfert de charges a grille dissymetrique.
CN108140652B (zh) * 2015-03-05 2022-08-30 达特茅斯学院 图像传感器像素的无栅极复位

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