JPH07118488A - 自動車外装部品用オレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

自動車外装部品用オレフィン系樹脂組成物

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JPH07118488A
JPH07118488A JP5262420A JP26242093A JPH07118488A JP H07118488 A JPH07118488 A JP H07118488A JP 5262420 A JP5262420 A JP 5262420A JP 26242093 A JP26242093 A JP 26242093A JP H07118488 A JPH07118488 A JP H07118488A
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olefin
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Masahiro Terada
田 昌 浩 寺
Shoji Hiraoka
岡 章 二 平
Satoru Nagami
見 哲 永
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の自動車外装部品用オレフィン系樹脂
組成物は、特定のプロピレン・エチレンブロック共重合
体[A]と、特定のエチレン・α- オレフィン共重合体
ゴム[B]と、特定のグラフト変性プロピレン系重合体
[C]と、特定の共役ジエン重合体[D]と、特定の無
機充填剤[E]とを特定量含有してなり、特定の曲げ弾
性率を有する。 【効果】 上記樹脂組成物は、その成形体表面に、プラ
イマーまたは溶剤などの前処理を行なわずに直接アクリ
ルメラミン樹脂系塗料等の塗料を塗布した場合でも充分
な塗膜密着性が得られるほど被塗装性に優れるととも
に、剛性、耐衝撃性および外観などに優れた自動車外装
部品を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、自動車外装部品用オレフ
ィン系樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、プライマー
あるいは溶剤などを用いる前処理(表面処理)を行なわ
ない場合であっても、アクリルメラミン樹脂系塗料等の
塗料に対する被塗装性に優れるとともに、剛性および耐
衝撃性に優れたバンパーなどの自動車外装部品を提供し
得る、成形性に優れたオレフィン系樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、バンパーなどに代表される
自動車の外装部品に関しては、加工性、機械強度特性、
耐薬品性、リサイクル性などの観点からオレフィン系樹
脂が多く使用されるようになっている。
【0003】しかしながら、オレフィン系樹脂は、通
常、分子内に極性基を有しておらず化学的に不活性であ
るため、その成形体の塗装および接着において塗膜等の
密着性が良好でなく、オレフィン系樹脂成形体の二次加
工が困難であるという問題がある。
【0004】したがって、従来は、たとえばアクリルメ
ラミン樹脂系塗料等でオレフィン系樹脂成形体を塗装す
る場合、オレフィン系樹脂成形体の表面に、溶剤処理
法、火炎処理法、プラズマ処理法、紫外線処理法、また
はプライマー等の下塗り剤による塗装などによる前処理
を施して、良好な塗膜密着性を得ている。
【0005】しかしながら、このような前処理は、環境
汚染性、作業者の安全性、自動車外装部品の製造コスト
の面から問題となる。近年、上記のような前処理の工程
の簡略化が図れるように、たとえば分子内に極性基を有
する樹脂を添加したオレフィン系樹脂組成物のように、
樹脂組成物からの改良に関する提案が数多くなされてい
る。
【0006】たとえば、特開平5−70637号公報、
特開平4−335053号公報、特開平4−33505
4号公報、特開平4−272948号公報、特開平4−
272938号公報、特開平4−270744号公報な
どには、分子内に水酸基を有する樹脂を添加することに
よって塗膜密着性(被塗装性)の改良されたオレフィン
系樹脂組成物が得られることが示されている。
【0007】しかしながら、上記の公報に記載されてい
るオレフィン系樹脂組成物では、塗膜密着性と機械的強
度特性において、ともに充分な向上効果を得ることはで
きない。
【0008】したがって、従来より、上記のような前処
理を行なわなくてもアクリルメラミン樹脂系塗料等の塗
料に対する被塗装性に優れるとともに、剛性、耐衝撃
性、外観などに優れた自動車外装部品を提供し得るよう
な、成形性に優れたオレフィン系樹脂組成物の出現が望
まれている。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、表面にプライマ
ーあるいは溶剤などを用いる前処理を行なわなくてもア
クリルメラミン樹脂系塗料等に対する被塗装性に優れる
とともに、剛性、耐衝撃性、外観などに優れた自動車外
装部品を調製し得る、成形性に優れた自動車外装部品用
オレフィン系樹脂組成物を提供することを目的としてい
る。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る自動車外装部品用オレフィ
ン系樹脂組成物は、[A]メルトフローレートが50〜
200g/10分の結晶性ポリプロピレン部分85〜9
5重量%と、エチレン含量が20〜50重量%のプロピ
レン・エチレンランダム共重合体部分5〜15重量%と
を含有してなる、メルトフローレートが20〜100g
/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体20
〜70重量%、[B]ムーニー粘度[ML1+4(100
℃)]が10〜60であり、エチレン含量が60〜95
モル%である、非共役ジエンを含有していてもよいエチ
レン・α- オレフィン共重合体ゴム15〜40重量%、
[C]無水マレイン酸のグラフト量が0.5〜5重量%
であり、極限粘度[η]が0.2〜0.5dl/gであ
るグラフト変性プロピレン系重合体1〜15重量%、
[D]少なくとも一方の分子末端に水酸基を有する、数
平均分子量が1,000〜8,000の、水素添加され
ていてもよい共役ジエン重合体1〜15重量%、および
[E]比表面積が30,000cm2 /g以上であり、
平均粒径が0.8〜2.5μmであり、長さが実質的に
12μm以下であり、かつ、平均アスペクト比が5以上
である無機充填剤8〜30重量%からなる樹脂組成物で
あり、かつ、該樹脂組成物の成形体が8,000kg/
cm2 以上の曲げ弾性率を有することを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る自動車外装部
品用オレフィン系樹脂組成物について具体的に説明す
る。
【0012】本発明に係る自動車外装部品用オレフィン
系樹脂組成物は、特定のプロピレン・エチレンブロック
共重合体[A]と、特定のエチレン・α- オレフィン共
重合体ゴム[B]と、特定のグラフト変性プロピレン系
重合体[C]と、特定の共役ジエン重合体[D]と、特
定の無機充填剤[E]とを特定量含有してなり、その成
形体が特定の曲げ弾性率を有する。
【0013】まず、これらの成分について説明する。プロピレン・エチレンブロック共重合体[A] 本発明で用いられるプロピレン・エチレンブロック共重
合体[A]は、プロピレンとエチレンとからなるブロッ
ク共重合体、またはプロピレンとエチレンと他のα- オ
レフィンとからなるブロック共重合体である。
【0014】上記α- オレフィンとしては、具体的に
は、ブテン-1、ペンテン-1、2-メチルブテン-1、3-メチ
ルブテン-1、ヘキセン-1、3-メチルペンテン-1、4-メチ
ルペンテン-1、3,3-ジメチルブテン-1、ヘプテン-1、メ
チルヘキセン-1、ジメチルペンテン-1、トリメチルブテ
ン-1、エチルペンテン-1、オクテン-1、メチルペンテン
-1、ジメチルヘキセン-1、トリメチルペンテン-1、エチ
ルヘキセン-1、メチルエチルペンテン-1、ジエチルブテ
ン-1、プロピルペンテン-1、デセン-1、メチルノネン-
1、ジメチルオクテン-1、トリメチルヘプテン-1、エチ
ルオクテン-1、メチルエチルヘプテン-1、ジエチルヘキ
セン-1、ドデセン-1、ヘキサドデセンなどが挙げられ
る。
【0015】本発明で用いられるプロピレン・エチレン
ブロック共重合体[A]は、ASTM D-1238に準
拠して測定したメルトフローレート(MFR;230
℃、荷重2.16kg)が50〜200g/10分、好
ましくは80〜160g/10分、さらに好ましくは1
00〜140g/10分の範囲にある結晶性ポリプロピ
レン部分と、エチレン含量が20〜50重量%、好まし
くは30〜50重量%、さらに好ましくは35〜45重
量%の範囲にあるプロピレン・エチレンランダム共重合
体部分とからなる。
【0016】このプロピレン・エチレンブロック共重合
体[A]においては、結晶性ポリプロピレン部分は、結
晶性ポリプロピレン部分およびプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体部分の合計量100重量%に対して、8
5〜95重量%、好ましくは90〜95重量%、さらに
好ましくは91〜94重量%含有されている。すなわ
ち、プロピレン・エチレンブロック共重合体[A]中
に、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分は、結
晶性ポリプロピレン部分およびプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体部分の合計量100重量%に対して、5
〜15重量%、好ましくは5〜10重量%、さらに好ま
しくは6〜9重量%含有されている。
【0017】上記の結晶性ポリプロピレン部分およびプ
ロピレン・エチレンランダム共重合体部分の含有量は、
n-デカンに145℃で溶解したポリマー溶液を冷却し、
濾過分別することにより、結晶性ポリプロピレン部分と
プロピレン・エチレンランダム共重合体部分とに分別し
て求めることができる。
【0018】また、上記の結晶性ポリプロピレン部分の
メルトフローレートの測定は、上記のようにして分別し
た結晶性ポリプロピレン部分について行なわれる。ま
た、上記のプロピレン・エチレンランダム共重合体部分
のエチレン含量は、上記のようにして分別したプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体部分について、赤外吸収
スペクトルを測定することにより、求めることができ
る。
【0019】このようなプロピレン・エチレンブロック
共重合体[A]は、ASTM D-1238に準拠して測
定したメルトフローレート(MFR;230℃、荷重
2.16kg)が20〜100g/10分、好ましくは
30〜80g/10分、さらに好ましくは40〜60g
/10分の範囲にある。
【0020】上記のようなメルトフローレートを有する
プロピレン・エチレンブロック共重合体[A]を用いる
と、成形性に優れたオレフィン系樹脂組成物が得られ
る。本発明においては、プロピレン・エチレンブロック
共重合体[A]の密度は、通常は0.89〜0.91g
/cm3 の範囲にあることが好ましい。
【0021】上記のような特性を有するプロピレン・エ
チレンブロック共重合体[A]は、種々の方法により製
造することができる。このプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体[A]の典型的な製造法としては、固体状チ
タン触媒成分と有機金属化合物触媒成分とから形成され
る触媒、あるいはこれらの両触媒成分および電子供与体
触媒成分から形成される触媒を用いてプロピレン・エチ
レンブロック共重合体[A]を製造する方法が挙げられ
る。
【0022】この製造法で用いられる固体状チタン触媒
成分としては、各種方法で製造された三塩化チタンまた
は三塩化チタン組成物であって、比表面積が好適には1
00m2 /g以上の担体に担持されたチタン触媒成分、
あるいはチタン、マグネシウム、ハロゲンおよび電子供
与体、好ましくは芳香族カルボン酸エステルまたはアル
キル基含有エーテルを必須成分とし、比表面積が好適に
は100m2 /g以上の担体に担持されたチタン触媒成
分が挙げられる。特に後者の担体付きチタン触媒成分を
用いて製造したプロピレン・エチレンブロック共重合体
が好適である。
【0023】また、有機金属化合物触媒成分としては、
有機アルミニウム化合物が好適であり、有機アルミニウ
ム化合物の具体的な例としては、トリアルキルアルミニ
ウム、ジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアル
ミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジハラ
イドなどが挙げられる。なお、有機アルミニウム化合物
は、固体状チタン触媒成分の種類に合わせて適宜選択す
ることができる。
【0024】電子供与体としては、窒素原子、リン原
子、硫黄原子、ケイ素原子あるいはホウ素原子などを有
する有機化合物を使用することができ、上記のような原
子を有するエステル化合物およびエーテル化合物などを
好適な例として挙げることができる。
【0025】なお、上記のような担体付き固体状チタン
触媒成分を用いたプロピレン・エチレンブロック共重合
体の製造方法は、たとえば特開昭50−108385
号、特開昭50−126590号、特開昭51−202
97号、特開昭51−28189号、特開昭52−15
1691号などの公報に詳細に開示されており、本発明
においてもこれらに記載されている技術を利用すること
ができる。
【0026】本発明においては、プロピレン・エチレン
ブロック共重合体[A]は、プロピレン・エチレンブロ
ック共重合体[A]、エチレン・α- オレフィン共重合
体ゴム[B]、グラフト変性プロピレン系重合体
[C]、共役ジエン重合体[D]および無機充填剤
[E]の合計量100重量%に対して、20〜70重量
%、好ましくは25〜65重量%、さらに好ましくは3
0〜60重量%の割合で用いられる。
【0027】上記のような割合でプロピレン・エチレン
ブロック共重合体[A]を用いることによって、耐衝撃
性、剛性などに優れるとともに、耐熱性、加工寸法安定
性に優れた成形体を提供し得る、成形性に優れたオレフ
ィン系樹脂組成物が得られる。
【0028】エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[B] 本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン共重合体
ゴム[B]は、エチレンと、プロピレン、ブテン-1、ペ
ンテン-1等のα- オレフィンとからなり、非共役ジエン
を含有していてもよいし、また含有していなくてもよ
い。
【0029】このような非共役ジエンとしては、たとえ
ば1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジシクロ
オクタジエン、メチレンノルボルネン、5-エチリデン-2
- ノルボルネンなどが挙げられる。
【0030】エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[B]としては、具体的には、エチレン・プロピレン共
重合体ゴム、エチレン・ブテン-1共重合体ゴム、エチレ
ン・プロピレン・ブテン-1共重合体ゴム、エチレン・プ
ロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン・ブテ
ン-1・非共役ジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレ
ン・ブテン-1・非共役ジエン共重合体ゴム等のオレフィ
ンを主成分とする無定形の弾性共重合体を挙げることが
できる。
【0031】本発明で用いられるエチレン・α- オレフ
ィン共重合体ゴム[B]のムーニー粘度[ML1+4 (1
00℃;JIS K-6300)は、10〜60、好まし
くは10〜50、さらに好ましくは10〜30の範囲に
ある。
【0032】また、エチレン・α- オレフィン共重合体
ゴム[B]のエチレン含量は、60〜95モル%、好ま
しくは70〜90モル%、さらに好ましくは75〜85
モル%の範囲にある。
【0033】本発明においては、エチレン・α- オレフ
ィン共重合体ゴム[B]は、プロピレン・エチレンブロ
ック共重合体[A]、エチレン・α- オレフィン共重合
体ゴム[B]、グラフト変性プロピレン系重合体
[C]、共役ジエン重合体[D]および無機充填剤
[E]の合計量100重量%に対して、15〜40重量
%、好ましくは15〜30重量%、さらに好ましくは1
7〜25重量%の割合で用いられる。
【0034】上記のような割合でエチレン・α- オレフ
ィン共重合体ゴム[B]を用いることによって、耐衝撃
性に優れた成形体を提供し得る、成形性に優れたオレフ
ィン系樹脂組成物が得られる。
【0035】グラフト変性プロピレン系重合体[C] 本発明で用いられるグラフト変性プロピレン系重合体
[C]は、プロピレンの単独重合体または共重合体であ
って、無水マレイン酸でグラフト変性されている。
【0036】グラフト変性プロピレン系重合体の原料と
なるプロピレン系重合体としては、具体的には、プロピ
レン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合
体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレ
ン・ブテン-1ランダム共重合体などが挙げられる。
【0037】本発明におけるグラフト変性とは、上記の
ようなプロピレン系重合体と極性基含有エチレン性不飽
和化合物である無水マレイン酸とをラジカル開始剤の存
在下に加熱することによって、無水マレイン酸がプロピ
レン系重合体にグラフトされることをいう。
【0038】上記ラジカル開始剤としては、有機過酸化
物、アゾ化合物などが用いられる。ラジカル開始剤は、
上記プロピレン系重合体100重量部に対して、0.0
1〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部の割合
で用いられる。
【0039】本発明におけるグラフト変性は、従来公知
の方法にて行なうことができる。たとえば、プロピレン
系重合体と無水マレイン酸とをラジカル開始剤の存在下
にて溶融混練する方法、プロピレン系重合体の有機溶媒
溶液に無水マレイン酸とラジカル開始剤を添加して加熱
する方法などが挙げられる。
【0040】上記のような方法で製造されたグラフト変
性プロピレン系重合体における無水マレイン酸のグラフ
ト量は、グラフト変性前のプロピレン系重合体100重
量%に対して0.5〜5重量%、好ましくは1〜5重量
%、さらに好ましくは2〜4重量%である。
【0041】このグラフト量は、赤外吸光分析法により
求めることができる。また、このグラフト変性プロピレ
ン系重合体の135℃、デカリン中で測定される極限粘
度[η]は、0.2〜0.5dl/g、好ましくは0.
3〜0.5dl/gの範囲にある。
【0042】本発明においては、グラフト変性プロピレ
ン系重合体[C]は、プロピレン・エチレンブロック共
重合体[A]、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[B]、グラフト変性プロピレン系重合体[C]、共役
ジエン重合体[D]および無機充填剤[E]の合計量1
00重量%に対して、1〜15重量%、好ましくは5〜
15重量%、さらに好ましくは8〜15重量%の割合で
用いられる。
【0043】上記のような割合でグラフト変性プロピレ
ン系重合体[C]を用いることによって、被塗装性に優
れた成形体を提供し得るオレフィン系樹脂組成物が得ら
れる。
【0044】共役ジエン重合体[D] 本発明で用いられる共役ジエン重合体[D]は、水素添
加されていてもよい共役ジエンの単独重合体または共重
合体であって、少なくとも一方の分子末端に水酸基を有
する。
【0045】この共役ジエン重合体[D]の原料となる
共役ジエンとしては、具体的には、1,3-ブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメ
チル-1,3- ブタジエン、1-フェニル-1,3- ブタジエンな
どが挙げられる。
【0046】これらの共役ジエンは、単独または組み合
わせて用いられる。このような共役ジエン重合体[D]
としては、分子末端に水酸基を有するポリブタジエン、
分子末端に水酸基を有するポリイソプレン、分子末端に
水酸基を有するポリブタジエン水素添加物、分子末端に
水酸基を有するポリイソプレン水素添加物などが挙げら
れる。本発明においては、水素添加されている共役ジエ
ン重合体が好ましい。
【0047】本発明で用いられる共役ジエン重合体
[D]は、蒸気浸透圧計(Vapor Osmome-ter)で測定し
た数平均分子量(Mn)が1,000〜8,000、好
ましくは2,000〜5,000の範囲にある。
【0048】また、この共役ジエン重合体[D]は、1
分子当たりの平均水酸基数が0.5〜10、好ましくは
1〜5であり、水酸基価が10〜200KOHmg/
g、好ましくは20〜100KOHmg/gである。
【0049】少なくとも一方の分子末端に水酸基を有す
る共役ジエン重合体[D]は、上記のような共役ジエン
を原料として、周知の方法、たとえばラジカル重合法、
アニオン重合法等によって製造される。
【0050】上記の水素添加された共役ジエン重合体
は、上記のような方法で得られた共役ジエン重合体に水
素添加することにより調製することができる。この水素
添加は、一般に使用されている接触水素化処理の手段を
採用して行なうことができる。
【0051】本発明においては、共役ジエン重合体
[D]は、プロピレン・エチレンブロック共重合体
[A]、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[B]、グラフト変性プロピレン系重合体[C]、共役
ジエン重合体[D]および無機充填剤[E]の合計量1
00重量%に対して、1〜15重量%、好ましくは2〜
10重量%、さらに好ましくは3〜8重量%の割合で用
いられる。
【0052】上記のような割合で共役ジエン重合体
[D]を用いることによって、被塗装性に優れた成形体
を提供し得るオレフィン系樹脂組成物が得られる。無機充填剤[E] 本発明で用いられる無機充填材[E]としては、ポリオ
レフィン等の改質に用いられる従来公知の無機充填剤が
用いられる。
【0053】無機充填材[E]の具体的な例としては、
軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、塩基性炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、ケ
イ酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾーノトライト、
花弁状ケイ酸カルシウム)、珪藻土、ケイ酸アルミニウ
ム、無水ケイ酸、含水ケイ酸、マイカ、ケイ酸マグネシ
ウム(アスベスト、PFM(Processed Mineral Fibe
r) 等)、チタン酸カリウム、石膏繊維、シリカ、アル
ミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウ
ム、二硫化モリブデン、グラファイト、ガラス繊維(チ
ョップドストランド、ローピング、ミルドガラス繊維、
ガラスフレーク等)、カットファイバー、ロックファイ
バー、ミクロファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウム
繊維、硫酸マグネシウム繊維などが挙げられる。
【0054】本発明で用いられる無機充填剤[E]は、
比表面積が30,000cm2 /g以上、好ましくは3
0,000〜50,000cm2 /gであり、平均粒径
が0.8〜2.5μm、好ましくは1.5〜2.5μm
であり、長さが実質的に12μm以下、好ましくは5μ
m以下であり、かつ、平均アスペクト比(縦または横の
いずれかの長さと厚みとの比を示す)が5以上、好まし
くは5〜20である。ここで、「長さが実質的に」と
は、ほとんどの無機充填剤粒子が上記範囲にあることを
いう。本発明では、上記のような特性を有する微粉末の
タルクが特に好ましい。
【0055】比表面積、平均粒径、粒子の長さおよび平
均アスペクト比が上記のような範囲にある無機充填剤
[E]を用いると、機械的強度特性のバランス、および
外観に優れた成形体を提供し得るオレフィン系樹脂組成
物が得られる。
【0056】なお、無機充填剤の比表面積は、空気透過
法によって測定することができ、平均粒径は、液相沈降
方式によって測定することができる。また、無機充填剤
の長さおよびアスペクト比は、顕微鏡観察によって測定
することができる。
【0057】本発明においては、無機充填剤[E]は、
プロピレン・エチレンブロック共重合体[A]、エチレ
ン・α- オレフィン共重合体ゴム[B]、グラフト変性
プロピレン系重合体[C]、共役ジエン重合体[D]お
よび無機充填剤[E]の合計量100重量%に対して、
8〜30重量%、好ましくは10〜30重量%、さらに
好ましくは12〜30重量%の割合で用いられる。
【0058】上記のような割合で無機充填剤[E]を用
いることよって、成形体の弾性率を向上させることがで
きる。本発明に係る自動車外装部品用オレフィン系樹脂
組成物は、上記のプロピレン・エチレンブロック共重合
体[A]、エチレン・α- オレフィン共重合体ゴム
[B]、グラフト変性プロピレン系重合体[C]、共役
ジエン重合体[D]および無機充填剤[E]からなる。
本発明においては、8,000kg/cm2 以上の曲げ
弾性率を有する成形体を提供し得るオレフィン系樹脂組
成物が、自動車外装部品に利用する観点から好ましい。
特に8,000〜20,000kg/cm2の曲げ弾性
率を有する成形体を提供し得るオレフィン系樹脂組成物
が好ましい。
【0059】オレフィン系樹脂組成物の製造 本発明に係る自動車外装部品用オレフィン系樹脂組成物
は、上述したプロピレン・エチレンブロック共重合体
[A]と、非共役ジエンを含有していてもよいエチレン
・α- オレフィン共重合ゴム[B]と、グラフト変性プ
ロピレン系重合体[C]と、水素添加されていてもよい
共役ジエン重合体[D]と、無機充填材[E]とを上述
した割合で溶融混練することにより製造することができ
る。
【0060】上記混練は、たとえば一軸押出機、二軸押
出機、二軸混練機、バンバリーミキサー、ロールなどの
混練装置を用いて行なうことができる。このオレフィン
系樹脂組成物を製造するには、上述した成分を上述した
特定の組成割合になるように、通常のオレフィン系樹脂
組成物の分野において実施されている混合方法を適用し
て均一になるように混合すれば良い。
【0061】この際、同時に全組成成分を混合してもよ
く、また、組成成分の一部をあらかじめ混合して、いわ
ゆるマスターバッチを製造し、このマスターバッチと残
りの組成成分を混合してもよい。
【0062】また、本発明に係るオレフィン系樹脂組成
物中に、成形体の物性、被塗装性を損なわない範囲にお
いて、各種添加剤を配合することもできる。このような
添加剤としては、具体的には、フェノール系、イオウ
系、リン系等の酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、分散
剤、銅害防止剤、中和剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、過
酸化物等の流れ性改良剤、電気的性質改良剤、紫外線吸
収剤、耐光安定剤、ウェルド強度改良剤、核剤などを挙
げることができる。
【0063】またさらに、本発明に係るオレフィン系樹
脂組成物中に、成形体の物性、被塗装性を損なわない範
囲において、他の熱可塑性樹脂、顔料を必要に応じて配
合することができる。
【0064】本発明において使用できる上記の他の熱可
塑性樹脂の具体的な例としては、高密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖
状低密度ポリエチレン、ポリブテン-1、プロピレン・ブ
テン-1共重合体、スチレン・ブタジエン(・スチレン)
ブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イ
ソプレン(・スチレン)ブロック共重合体およびその水
素添加物などを挙げることができる。
【0065】本発明において使用できる顔料の具体的な
例としては、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、
ベンガラ、群青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レー
キ顔料、フタロシアニン顔料などを挙げることができ
る。
【0066】本発明に係る自動車外装部品用オレフィン
系樹脂組成物は、通常、上記成分を押出機などの混練装
置で混練した後、混練物をペレット状に成形され、それ
ぞれの熱可塑性樹脂の分野において一般に行なわれてい
る射出成形法、押出成形法、カレンダー成形法等の成形
方法によって所望の成形体に製造される。
【0067】本発明に係る自動車外装部品用オレフィン
系樹脂組成物から形成される成形体は、アクリルメラミ
ン樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料等に対する被塗装性
に優れている。
【0068】たとえばアクリルメラミン樹脂系塗料を用
いた塗装方法について一例を挙げて説明すると、本発明
に係るオレフィン系樹脂組成物から形成された成形体に
対して、水洗および一般的な工業用洗剤を用いた洗浄を
少なくともそれぞれ1回ずつ行ない、さらに水洗した
後、成形体を加熱乾燥させる。すなわち、本発明に係る
オレフィン系樹脂組成物から形成された成形体にこの塗
料を塗装する場合には、従来から行なわれていた塩素系
溶剤蒸気を用いた洗浄を行なうことは必ずしも必要とし
ない。このようにして乾燥された成形体にアクリルメラ
ミン樹脂系塗料を塗布し、必要に応じて加熱することに
より、成形体表面にアクリルメラミン樹脂塗膜を形成す
ることができる。こうして形成された塗膜は、成形体に
対して塩素系溶剤蒸気洗浄およびプライマーの塗布など
の前処理を行なっていないにも拘らず、成形体に対して
非常に良好な密着性を有している。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る自動車外装部品用オレフィ
ン系樹脂組成物は、特定のプロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体[A]と、特定のエチレン・α- オレフィン
共重合体ゴム[B]と、特定のグラフト変性プロピレン
系重合体[C]と、特定の共役ジエン重合体[D]と、
特定の無機充填剤[E]とを特定量含有してなり、特定
の曲げ弾性率を有する成形体を提供することができるの
で、この樹脂組成物から形成される成形体表面に、プラ
イマーまたは溶剤などの前処理を行なわずに直接アクリ
ルメラミン樹脂系塗料等の塗料を塗布した場合でも充分
な塗膜密着性が得られるほど被塗装性に優れるととも
に、剛性、耐衝撃性および外観などに優れた自動車外装
部品を提供することができる。
【0070】また、本発明に係る自動車外装部品用オレ
フィン系樹脂組成物は、成形性に優れている。以下、本
発明を実施例により説明するが、本発明は、これらの実
施例に限定されるものではない。
【0071】実施例および比較例におけるオレフィン系
樹脂組成物の成形体の諸特性は、次のようにして測定し
た。 (1)被塗装性(塗膜の密着性) ・試験片の作製 45トンの射出成形機にて成形した角板に次の塗料を塗
布した。なお実施例1〜2および比較例1〜4では、下
記塗料塗布前に角板表面をイソプロパノールを含浸させ
た布で拭いた。
【0072】・塗装 1液アクリルメラミン樹脂塗料[商品名:ルーガベー
ク、関西ペイント(株)製]を乾燥後の塗膜厚が35μ
mになるようにエアガンにて試験片表面を塗装した。焼
き付けは、140℃で30分行なった。
【0073】・碁盤目試験 JIS K-5400に記載されている碁盤目試験の方法
に準じて、碁盤目を付けた試験片を作製し、セロテープ
TD[ニチバン(株)製、商品名]を試験片に張り付けた後
このセロテープを速やかに90度の方向に引張って剥離
させ、残った碁盤目の塗膜数を数え、この数を塗膜付着
性の指標とした。 (2)曲げ弾性率(FM) 曲げ弾性率は、厚み4mmの試験片について、JIS
K-7203に準拠して曲げ試験を行なって求めた。
【0074】
【参考例1】 [少なくとも一方の分子末端に水酸基を有する共役ジエ
ン重合体の水素添加物の製造]容量500mlのオート
クレーブに1,3-ブタジエン100g、イソプロピルアル
コール70gおよび60%過酸化水素水10gを仕込ん
だ後、これらの化合物を窒素雰囲気下に、90℃にて5
時間加熱した。
【0075】次いで、このオートクレーブを冷却した
後、未反応の1,3-ブタジエンを除去し、生成した重合体
を取り出して乾燥した。このようにして得られたブタジ
エンの重合体(以下、PBDと称する場合がある)は、
蒸気浸透圧計(Vapor Osmometer) で測定した数平均分
子量が3,360であり、水酸基価が48であった。
【0076】次いで、上記PBD50gおよびカーボン
担持ルテニウム触媒(ルテニウム金属濃度5重量%)5
gを容量200mlのオートクレーブに仕込み、系内の
空気を窒素で置換した後、水素ガスを系内の全圧が50
kg/cm2 になるまで送入した。
【0077】次いで、このオートクレーブを100℃ま
で昇温し、系内の全圧が50kg/cm2 に保たれるよ
うに水素ガスをオートクレーブ内に供給し、水素添加反
応を8時間行なった。
【0078】反応終了後、水素を除去し、触媒を濾別し
てから、生成した水素添加物をメタノール中で析出さ
せ、析出した水素添加物を乾燥した。上記のようにして
得られた水素添加物(以下、HPBDと称する場合があ
る)は、蒸気浸透圧計で測定した数平均分子量が4,0
00であり、ヨウ素価が1.2であり、水酸基価が45
であった。また、このHPBDが分子末端に水酸基を有
することは、核磁気共鳴分析、赤外吸光分析により確認
された。
【0079】
【参考例2】 [無水マレイン酸変性プロピレン単独重合体の製造]プ
ロピレン単独重合体(MFR:10g/10分、AST
M D-1238、230℃、荷重2.16kg)50g
およびp-キシレン500mlを1リットル容量のガラス
製セパラブルフラスコに入れて130℃に加熱し、p-キ
シレンにプロピレン単独重合体を溶解させた。
【0080】次いで、得られた溶解液に、無水マレイン
酸5gとジクミルパーオキサイド0.5gを4時間かけ
て滴下し、さらに130℃で2時間加熱した。次いで、
この溶解液を放冷した後アセトンに投入し、無水マレイ
ン酸でグラフト変性されたプロピレン単独重合体を得
た。
【0081】得られた無水マレイン酸でグラフト変性さ
れたプロピレン単独重合体(以下、MPPと称する場合
がある)中における無水マレイン酸のグラフト量は、グ
ラフト変性前のプロピレン単独重合体100重量%に対
して3重量%であり、135℃デカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.4dl/gであった。
【0082】なお、上記グラフト量は、赤外吸光分析法
により測定した。
【0083】
【実施例1】プロピレン・エチレンブロック共重合体
[メルトフローレート:40g/10分、密度:0.9
1g/cm3 、結晶性ポリプロピレン部分の含量:92
重量%、プロピレン・エチレンランダム共重合体部分:
8重量%、結晶性ポリプロピレン部分のメルトフローレ
ート:120g/10分、プロピレン・エチレンランダ
ム共重合体部分におけるエチレン含量:30重量%、以
下、PPと称する場合がある]32重量部と、エチレン
・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体
ゴム[ムーニー粘度[ML1+4 (100℃)]:15、
エチレン含量:81モル%、以下、EPTと称する場合
がある]25重量部と、参考例2のMPP 10重量部
と、参考例1のHPBD 5重量部と、タルク[比表面
積:40,000cm2 /g、平均粒径:2.2μm、
平均アスペクト比:10]28重量部とを、二軸押出機
により所定の温度にて溶融混練し、ペレタイザーを用い
てオレフィン系樹脂組成物のペレットを製造した。
【0084】この組成物を射出成形機により下記の条件
で成形して角板を調製し、上述した碁盤目試験および曲
げ試験の試験片を得て、これらの試験を行なった。 (角板の成形条件) ・樹脂温度:200℃、 ・金型温度:40℃、 ・圧力600kg/cm2 結果を第1表に示す。
【0085】
【実施例2】実施例1において、PP、EPTおよびタ
ルクの配合量をそれぞれ51重量部、20重量部、14
重量部とした以外は、実施例1と同様に行なった。
【0086】結果を第1表に示す。
【0087】
【比較例1】実施例1において、EPT、MPP、HP
BDおよびタルクを用いずに、PPのみを用いた以外
は、実施例1と同様に行なった。
【0088】結果を第1表に示す。
【0089】
【比較例2】実施例1において、PP、MPP、HPB
Dおよびタルクを用いずに、EPTのみを用いた以外
は、実施例1と同様に行なった。
【0090】結果を第1表に示す。
【0091】
【比較例3】実施例1において、PPおよびHPBDの
配合量をそれぞれ37重量部、0重量部とした以外は、
実施例1と同様に行なった。
【0092】結果を第1表に示す。
【0093】
【比較例4】実施例1において、PPおよびMPPの配
合量をそれぞれ42重量部、0重量部とした以外は、実
施例1と同様に行なった。
【0094】結果を第1表に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【実施例3】実施例1において、試験片表面をイソプロ
パノールを含浸させた布で拭かずに、塗装して碁盤目試
験を行なった以外は、実施例1と同様に行なった。
【0097】結果を第2表に示す。
【0098】
【実施例4】実施例1において、試験片表面をイソプロ
パノールを含浸させた布で拭く代わりに、下記に示す表
面処理を施した試験片を塗装して碁盤目試験を行なった
以外は、実施例1と同様に行なった。 [表面処理]試験片を水洗した後、一般工業用洗浄剤I
D−112[東ソー(株)製、商品名]の4%水溶液
(60℃)にて1.5分洗浄して水洗した。
【0099】さらに、この試験片を一般工業用洗浄剤I
D−113[東ソー(株)製、商品名]の1%水溶液
(55℃)にて1分洗浄して水洗し、80℃で10分間
乾燥した。
【0100】結果を第2表に示す。
【0101】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 岡 章 二 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 永 見 哲 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]メルトフローレートが50〜200
    g/10分の結晶性ポリプロピレン部分85〜95重量
    %と、エチレン含量が20〜50重量%のプロピレン・
    エチレンランダム共重合体部分5〜15重量%とを含有
    してなる、メルトフローレートが20〜100g/10
    分のプロピレン・エチレンブロック共重合体20〜70
    重量%、[B]ムーニー粘度[ML1+4(100℃)]が1
    0〜60であり、エチレン含量が60〜95モル%であ
    る、非共役ジエンを含有していてもよいエチレン・α-
    オレフィン共重合体ゴム15〜40重量%、[C]無水
    マレイン酸のグラフト量が0.5〜5重量%であり、極
    限粘度[η]が0.2〜0.5dl/gであるグラフト
    変性プロピレン系重合体1〜15重量%、[D]少なく
    とも一方の分子末端に水酸基を有する、数平均分子量が
    1,000〜8,000の、水素添加されていてもよい
    共役ジエン重合体1〜15重量%、および[E]比表面
    積が30,000cm2 /g以上であり、平均粒径が
    0.8〜2.5μmであり、長さが実質的に12μm以
    下であり、かつ、平均アスペクト比が5以上である無機
    充填剤8〜30重量%からなる樹脂組成物であり、か
    つ、 該樹脂組成物の成形体が8,000kg/cm2 以上の
    曲げ弾性率を有することを特徴とする自動車外装部品用
    オレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】プロピレン・エチレンブロック共重合体
    [A]25〜65重量%と、非共役ジエンを含有してい
    てもよいエチレン・α- オレフィン共重合体ゴム[B]
    15〜30重量%と、グラフト変性プロピレン系重合体
    [C]5〜15重量%と、水素添加されていてもよい共
    役ジエン重合体[D]2〜10重量%と、無機充填剤
    [E]10〜30重量%とからなることを特徴とする請
    求項1に記載の自動車外装部品用オレフィン系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】前記無機充填剤[E]が、タルクであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の自動車外装部
    品用オレフィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記プロピレン・エチレンブロック共重合
    体[A]が、メルトフローレートが80〜160g/1
    0分の結晶性ポリプロピレン部分90〜95重量%と、
    エチレン含量が30〜50重量%のプロピレン・エチレ
    ンランダム共重合体部分5〜10重量%とを含有してな
    り、かつ、メルトフローレートが30〜80g/10分
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の自動車外装部品用オレフィン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記エチレン・α- オレフィン共重合体ゴ
    ム[B]が、ムーニー粘度[ML1+ 4(100℃)]が10
    〜50であり、エチレン含量が70〜90モル%である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動
    車外装部品用オレフィン系樹脂組成物。
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