JPH07118356A - 樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents

樹脂水性分散体の製造方法

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JPH07118356A
JPH07118356A JP6057830A JP5783094A JPH07118356A JP H07118356 A JPH07118356 A JP H07118356A JP 6057830 A JP6057830 A JP 6057830A JP 5783094 A JP5783094 A JP 5783094A JP H07118356 A JPH07118356 A JP H07118356A
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久男 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化硬化性を有し、かつ貯蔵安定性に優れ、
長期貯蔵や加温下での貯蔵において安定で、光沢、外観
性、塗装作業性などに優れる水性塗料組成物としと使用
可能な樹脂水性分散体を得る。 【構成】 樹脂骨格の側鎖部に不飽和アルキル基を全樹
脂中に5〜60重量%有し、塩基で中和することにより水
可溶性となり得る酸価20〜100、水酸基価40〜150、数平
均分子量1,000〜100,000の水溶性アクリル樹脂と、同様
の樹脂骨格の側鎖部を有し、塩基で中和しても水不溶性
である酸価20未満で水酸基価および数平均分子量が同様
の疎水性アクリル樹脂との20/80〜90/10(重量比)の
混合物に、ジイソシアネート化合物を加えて、樹脂固形
分60%のメチルイソブチルケトン溶液とし、温度20℃で
測定した粘度が10〜300%増粘するように分子間架橋を
行わせ、樹脂の全カルボキシル基の40〜100モル%の塩
基を加えて中和し、攪拌下に水を加えて乳化分散する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性塗料組成物に使用可
能な樹脂水性分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系樹脂を主成分とする塗料に
は、乳化重合反応により合成される樹脂エマルジョンを
用いたものが、常温乾燥型塗料として建築用や家庭用等
に広く普及している。またアクリル系樹脂の他のタイプ
として、コロイダルディスパージョン型、水溶性型ある
いはこれらの中間に位置すると見られる各種のいわゆる
ハイブリッド型水性塗料があり、工業用として常温乾燥
並びに焼付塗装に供されている。水溶性型の塗料は、造
膜性、塗膜光沢、貯蔵安定性に優れてはいるが、塗装作
業性に劣るといわれ、たれ易く厚膜塗装に適さず、はけ
塗りやローラー塗り適性にも劣るという本質的欠点が指
摘されるため、水分散型樹脂を主体とする塗料に関心が
移っている。
【0003】水分散型塗料の1つに、水溶性アクリル樹
脂を造膜成分兼乳化剤として、疎水性アクリル樹脂を強
制乳化させて得られる樹脂水性分散体を主成分とするタ
イプの塗料が研究されている。このものは水溶性型の特
長である造膜性、光沢の良さに加えて、塗装作業性、特
に厚膜塗装適性、はけ塗り、ローラー塗り適性、スプレ
ー塗装での微粒化の良さ、さらには乾燥が速いといった
分散型塗料のもつ長所を合せもつという特徴があり、酸
化硬化型塗料およびアミノプラスト樹脂やフェノール樹
脂、ブロックイソシアネート化合物などと組合せ、焼付
型塗料として検討されている。酸化硬化型塗料として使
用する場合、用いるアクリル樹脂はアクリル樹脂骨格の
側鎖部に、酸化重合性の基、例えば不飽和脂肪酸基、ア
リル基、ジシクロペンテニル基などの不飽和アルキル基
を導入したものが使用対象となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
2種類の樹脂を配合し乳化する樹脂水性分散体には、長
期にわたり懸濁安定性に優れる分散体を得ることが難し
く、貯蔵中に懸濁樹脂粒子が凝集を起こして沈降した
り、巨視的な樹脂相として析離する傾向が強いという問
題点があり、この樹脂水性分散体を塗料用樹脂成分とし
て使用すると、製造後短期間には外観や膜品質上に問題
がないものの、長期間の貯蔵中には艶引け、ブツなどの
塗膜欠陥を生じ、実用面で重大な問題点を残している。
【0005】本発明は上記問題点の解決を計るものであ
って、本発明の目的は、不飽和脂肪酸などの不飽和基を
側鎖に有する水溶性アクリル樹脂ならびに疎水性アクリ
ル樹脂から、酸化硬化型でしかも貯蔵安定性に優れた樹
脂水性分散体を与える製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記樹脂Aと
樹脂Bとの20/80〜90/10(重量比)の混合物
にジイソシアネート化合物を加えて、下記粘度測定条件
による粘度が10〜300%増粘するように分子間架橋
を行わせ、続いて樹脂の全カルボキシル基の40〜10
0モル%の塩基を加えて中和し、攪拌下に水を加えて乳
化分散することを特徴とする樹脂水性分散体の製造方法
である。 樹脂A;樹脂骨格の側鎖部に不飽和アルキル基を全樹脂
中に5〜60重量%有し、かつ塩基で中和することによ
り水可溶性となり得る酸価20〜100、水酸基価40
〜150、数平均分子量1,000〜100,000の
水溶性アクリル樹脂。 樹脂B;樹脂骨格の側鎖部に不飽和アルキル基を全樹脂
中に5〜60重量%有し、かつ塩基で中和しても水不溶
性である酸価20未満、水酸基価40〜150、数平均
分子量1,000〜100,000の疎水性アクリル樹
脂。 粘度測定条件;樹脂固形分60重量%のメチルイソブチ
ルケトン溶液とし、温度20℃で測定する。
【0007】本発明の樹脂水性分散体の製造方法に用い
られる樹脂Aならびに樹脂Bは、α,βエチレン性単量
体の重合体を樹脂骨核として有している。α,βエチレ
ン性単量体としては、一般のアクリル系樹脂の製造に使
用される全ての単量体が使用可能であり、たとえばアク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレ
イン酸などに代表されるカルボキシル基含有単量体、ア
クリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエ
チル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、N−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミドなどに代表されるヒドロ
キシル基含有単量体、下記式
【化1】 (式中、R1はHまたはCH3を示し、R2はCn2n+1
但し、nは1≦n≦18の整数で示されるアルキル基を
示す。)で表わされるアクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル類などがある。このほか、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、N−メトキシアクリルアミド、N−メトキシメ
タクリルアミド、アリルアクリレート、アリルメタクリ
レート、スチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタク
リレート、ジシクロペンテニルメタクリレートなどがあ
げられる。
【0008】本発明で用いられる樹脂Aならびに樹脂B
は、上述の単量体類を重合して得られる樹脂骨格を有す
るが、その骨格の側鎖部に酸化硬化性を有する不飽和ア
ルキル基が導入されている。不飽和アルキル基と骨格と
の結合形態は特に限定されないが、経済的かつ容易に製
造可能なものとして次の(1)〜(4)のものが例示で
きる。
【化2】 (式中、R1はHまたはCH3、R3は不飽和アルキル基
を示す。)
【0009】不飽和アルキル基としては、乾性油脂肪
酸、半乾性油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸などの不飽和
脂肪酸を起源とする不飽和アルキル基、アリル基または
ジシクロペンテニル基が好ましく、これらは1種以上の
ものが含まれていてもよい。
【0010】上記(1)はアクリル酸またはメタクリル
酸を含むアクリル樹脂を製造後、これに不飽和脂肪酸の
グリシジルエステルを反応させるか、またはグリシジル
アクリレートもしくはグリシジルメタクリレートに不飽
和脂肪酸を反応させた単量体を予め合成し、これと他の
共重合性単量体とを重合させて容易に製造される。
(2)は(1)の不飽和脂肪酸のグリシジルエステルに
代えて、不飽和アルコールのグリシジルエーテル類を用
い、(1)と同様の手法によって容易に製造し得る。
(3)は不飽和脂肪酸とN−メチルモノエタノールアミ
ンとから得られる下記成分とカルボン酸含有アクリル樹
脂とから脱水エステル化反応により容易に製造すること
ができる。 R3COON(CH3)CH2CH2OH (式中、R3は不飽和アルキル基を示す。) (4)は不飽和アルコールのアクリル酸またはメタクリ
ル酸エステル系単量体と他の単量体との共重合により容
易に製造される。上記のアクリル樹脂は単量体を溶液重
合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合など公知の重合反応
によって重合することにより製造される。
【0011】本発明において、樹脂Aは塩基により中和
することにより、水に安定に溶解する程度の極性を有
し、酸価が20〜100、水酸基価が40〜150、数
平均分子量が1,000〜100,000の範囲にある
ものが対象となる。酸価20未満では水溶性に乏しく、
樹脂Bを安定に乳化することができず、また、100を
越える場合、塗料組成物としたとき塗膜の耐水性を損な
い好ましくない。樹脂A中の水酸基はジイソシアネート
化合物との反応点として不可欠なものであり、水酸基価
が40未満では反応点として不足し、150を越えると
塗膜の耐水性に悪影響を与え好ましくない。樹脂Aの分
子量は数平均分子量で、1,000未満では塗膜の耐久
性に不安があり、一方、100,000を越えると乳化
工程での樹脂粘度が過度に高まり、製造工程に負荷がか
かり現実的ではない。
【0012】本発明の樹脂Bは極性の低い疎水性アクリ
ル樹脂からなり、樹脂水性分散体中の分散相成分を構成
する。樹脂Bは酸価が20未満、水酸基価が40〜15
0、数平均分子量が1,000〜100,000の樹脂
が対象となる。酸価20以上では親水性が強く、分散相
を形成し難く好ましくない。水酸基価ならびに数平均分
子量は、前述の樹脂Aの場合と同じ理由により上記範囲
が重要となる。
【0013】本発明に用いる樹脂Aおよび樹脂Bは、樹
脂中に占める不飽和アルキル基の重量比率が5〜60重
量%の範囲にあることが必須の条件である。不飽和アル
キル基、アリル基またはジシクロペンテニル基の重量比
率が5重量%未満では酸化重合反応の反応点が不足し、
耐久性のある塗膜が得難く、また60重量%を越えて導
入されると、逆に過度な重合反応が進み塗膜をもろくし
好ましくない。
【0014】樹脂水性分散体を構成する樹脂Aと樹脂B
の比率は重量比で20/80〜90/10の範囲とする
ことが必要である。樹脂Aが20重量%未満では、乳化
剤としての量的不足から微細で安定な懸濁体が得られ
ず、また90重量%を越える場合は製造上には何ら問題
はないが、樹脂A単独の水溶液に極めて近い性質の樹脂
水性分散体となり、利用価値が乏しく意味をなさない。
【0015】本発明の樹脂水性分散体の製造方法では、
上記の樹脂Aおよび樹脂Bの2種類の樹脂混合物に少量
のジイソシアネート化合物を反応させ、樹脂Aと樹脂B
の一部を化学的に架橋した構造を有する架橋成分とし、
その架橋成分と樹脂Aとの乳化力により、樹脂Bを安定
に乳化分散させる。
【0016】ジイソシアネート化合物は、その使用量が
少量であり、かつ2つの樹脂を架橋する働きだけである
ため、特に構造を限定する必要はない。ジイソシアネー
ト化合物として市販され、容易に使用し得る代表的なも
のとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロ
ヘキシルメタジイソシアネート、リジンジイソシアネー
トなどが例示される。勿論上記例示以外のものであって
も1分子中に2個のイソシアネート基を有するものは全
て使用可能であり、また2個以上のイソシアネート基を
有するものもこれらに組み合せて用いることが可能であ
る。
【0017】ジイソシアネート化合物の使用量は、ジイ
ソシアネート化合物反応後の下記粘度測定条件下で測定
された樹脂粘度が、反応前の樹脂混合物の同測定条件下
での樹脂粘度に比べて10〜300%高くなるような量
とする。 粘度測定条件 樹脂をメチルイソブチルケトンに溶解して固形分60%
の溶液とし、20℃にてB型粘度計で測定する。
【0018】増粘率が10%未満では、ジイソシアネー
ト処理のない従来の樹脂水性分散体と大差なくて貯蔵安
定性改善効果に乏しく、300%を越えて増粘させると
反応中にゲル化を起こすなど、製造上の問題を生じ易く
適当ではない。
【0019】ジイソシアネート化合物の反応は、まず樹
脂Aおよび樹脂Bを均一に混合し、温度を室温〜150
℃、望ましくは50〜120℃に加熱し、攪拌しながら
ジイソシアネート化合物を滴下し、滴下後1〜6時間程
度、同一温度で攪拌を続けることにより行われる。樹脂
Aおよび樹脂Bはいずれも一般にその分子量から相当粘
度の高いものであり、無溶剤で上記の混合ならびに反応
を進めることは難しく、通常イソシアネート化合物と反
応性のない有機溶剤に溶解し、樹脂溶液として取扱う
が、ジイソシアネート化合物についても必要により、ジ
イソシアネートと反応性のない有機溶剤に溶解して反応
に用いてもよい。この目的に用いる溶剤としては、一般
に活性水素を持たない溶剤、例えばエーテル類、ケトン
類、エステル類、炭化水素類などが適している。水溶性
のない溶剤を使用する場合は、反応後減圧ないし凍結乾
燥等により、樹脂の乳化を阻害しない程度まで脱溶剤す
る必要がある。脱溶剤後、粘度を下げて取扱いを容易に
するために、改めて親水性の有機溶剤を加えてもよい。
しかし水性塗料組成物としての本来の意味から、可能な
限り溶剤量を制限することが望ましく、通常最終樹脂1
00部に対して60〜70部がその上限である。
【0020】上記のようにして製造された樹脂混合物に
対し、そのカルボキシル基の40〜100モル%に相当
する塩基を加えて中和し、しかるのち充分に攪拌しなが
ら水を徐々に加えて樹脂水性分散体とする。塩基として
は、塗料業界で一般に使用されるアルキルアミン類、ア
ルカノールアミン類、アンモニアなどが適している。中
和率が40モル%未満では樹脂の親水性が不足し、充分
な乳化力が期待できない。また100モル%を越えて用
いてもそれによる利点はない。樹脂混合物の粘度が高い
場合には、乳化に当り加温して系の温度を25℃から約
90℃に上げ乳化することも可能である。さらにオート
クレーブ等の耐圧密閉容器を使用すれば、乳化温度をさ
らに高くすることができる。
【0021】本発明で得られる樹脂水性分散体は不飽和
基を有するため、酸化硬化型塗料組成物として使用でき
る。この場合一般の硬化剤は不要で、上記成分に加え
て、さらに酸化重合を促進するための、いわゆるドライ
ヤーと呼ばれる各種の金属塩、金属錯体等を組合せて使
用されるクリヤー塗料として、または顔料を配合したエ
ナメル塗料として使用できる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、水溶性アクリル樹脂と
疎水性アクリル樹脂とから樹脂水性分散体を製造するに
当り、両樹脂分子の一部をジイソシアネート化合物によ
り架橋するという新規な処理を加えるとともに、上記水
溶性アクリル樹脂および疎水性アクリル樹脂として不飽
和基を有する樹脂を使用することにより、酸化硬化性を
有し、かつ貯蔵安定性に優れ、長期貯蔵や加温下での貯
蔵において安定で、光沢、外観性、塗装作業性などに優
れる水性塗料組成物として使用可能な樹脂水性分散体が
得られる。
【0023】
【実施例】以下実施例をもって本発明の内容をさらに詳
述する。なお、各例中%および部は、重量%および重量
部を示す。
【0024】(1)樹脂Aの製造 温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管、攪拌機を装備し
たガラス製フラスコに、表1のA(1)に示す配合比に
従い、反応溶剤としてメチルイソブチルケトン36.0
部を入れ、窒素ガスを通気しながら、115〜120℃
に加熱した。攪拌下に、アクリル酸7.3部、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート6.0部、n−ブチルメタ
アクリレート19.7部、スチレン9.0部、t−ブチ
ルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1.7部の混
合溶液を、約2時間を要して添加した。約1時間攪拌
後、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート
0.2部、メチルイソブチルケトン2.0部からなる溶
液を約5分を要して滴下した。滴下後さらに約3時間攪
拌を続け、高酸価アクリル樹脂を合成し、続いて2段目
の反応として、このアクリル樹脂溶液に表1の原料
(2)に示す脱水ヒマシ油脂肪酸グリシジルエステル1
8.0部および反応触媒としてトリエチルアミン0.1
部を加え、120〜130℃の反応温度にて攪拌しなが
ら3時間反応させ、側鎖に不飽和アルキル基を有する樹
脂A(1)を得た。樹脂特性値を表1に示す。
【0025】同様にして表1に示すA(2)、A(3)
の配合に基づき、それぞれの高酸価アクリル樹脂を合成
し、さらにそれぞれの不飽和脂肪酸グリシジルエステル
を反応させて側鎖に不飽和アルキル基を有する水溶性ア
クリル樹脂A(2)、A(3)を得た。また、表1の原
料(1)のA(4)の配合に基づき、反応溶剤としてエ
チレングリコールジメチルエーテルを用いた他は上記と
同様の合成方法により高酸価アクリル樹脂を合成し、次
に表1の原料(2)のA(4)に記載のメチルモノエタ
ノールアミンとサフラワー油脂肪酸とのアミド化物を混
合し、135〜150℃で約5時間、脱水エステル化反
応を行い、不飽和アルキル基を側鎖に有する水溶性アク
リル樹脂A(4)を得た。なお、表1中A(4)の固形
分値が80%となっているのは、脱水エステル化に際
し、反応水と同時にエチレングリコールジメチルエーテ
ルの一部が溜出するため、反応終了後に固形分を80%
に再調整したためである。
【0026】
【表1】
【0027】(2)樹脂Bの製造 前項(1)のA(1)〜A(3)と同様にして、表2の
原料(1)に示す配合に基づきアクリル樹脂を合成し、
続いて原料(2)を加えて2段目の反応を行い、不飽和
アルキル基を有する樹脂B(1)、B(3)を得た。ま
た、原料(1)のアクリルモノマーとしてグリシジルメ
タクリレートを用い、2段目の反応に不飽和脂肪酸を用
いた他は合成条件はB(1)、B(3)と全く同一の方
法で不飽和アルキル基を有する樹脂B(2)を得た。さ
らに、反応溶剤をメチルイソブチルケトンに代えてエチ
レングリコールジメチルエーテルを用いた他は前項
(1)と同様にして樹脂B(4)を得た。
【0028】
【表2】
【0029】実施例1 前記(1)の樹脂Aの製造と同一の樹脂合成装置を用
い、樹脂A(1)55部、樹脂B(1)45部をフラス
コに取り、90〜110℃に加温攪拌しながら、これに
ヘキサメチレンジイソシアネート0.36部とメチルイ
ソブチルケトン3.6部からなるジイソシアネート溶液
を約5分間を要して滴下し、滴下後1時間同温度に保っ
た。反応終了後、固形分を60%に調整し、反応開始前
の樹脂混合物の粘度と比較したところ、温度20℃での
粘度が1240センチポイズから1900センチポイズ
に上昇した。
【0030】反応物を80〜90℃に保ち、減圧操作に
よりメチルイソブチルケトンのほぼ全量を系外に抜き取
り、新たに希釈溶剤として3−メチル−3−メトキシブ
タノール10.5部を加え、固形分約85%の樹脂を得
た。次にこの樹脂に40℃でトリエチルアミン2.6部
を加え、均一に混合した後、強力な卓上攪拌機を用いて
攪拌しながら脱イオン水84.9部を徐々に加え、固形
分38%で透明感のある乳白色樹脂水性分散体を得た。
【0031】上記樹脂水性分散体を室温で6ケ月貯蔵し
たが、樹脂の凝集や沈降物の発生等が認められず、貯蔵
安定性に優れていた。また、加温下での貯蔵安定性を評
価するため40℃で1ケ月間貯蔵したが、凝集や沈降物
の発生を認めず、安定性に富むことが確認された。ジイ
ソシアネート添加反応前後の粘度、増粘の度合、樹脂水
性分散体の固形分、外観、貯蔵安定性の結果を表3に示
す。
【0032】実施例2〜3 表3に示される実施例2〜3のそれぞれの配合に基づ
き、実施例1と全く同じ方法で、実施例2〜3の樹脂水
性分散体を得た。ジイソシアネート添加反応前後の粘
度、増粘の度合、樹脂水性分散体の固形分、外観、貯蔵
安定性評価の結果を表3に示す。いずれの樹脂水性分散
体も貯蔵安定性に優れるものであった。
【0033】実施例4 前記(1)の水溶性アクリル樹脂の製造で用いたのと同
一の樹脂合成装置を用い、樹脂A(4)65部、樹脂B
(4)35部を用い、イソホロンジイソシアネート0.
67部とエチレングリコールジメチルエーテル5.0部
のジイソシアネート溶液を用いた他は実施例1と同様に
反応させてジイソシアネート反応物を作り、脱溶剤工程
をすることなく、トリエチルアミン6.0部と脱イオン
水143.8部を用いて実施例1と同様に中和し、水分
散化を行い、実施例4の樹脂水性分散体を得た。ジイソ
シアネート添加前後の粘度、増粘の度合、樹脂水性分散
体の固形分、外観、貯蔵安定性評価の結果を表3に示
す。このものも実施例1〜3と同様に貯蔵安定性に優れ
たものであった。
【0034】なお、実施例4は反応溶剤としてエチレン
グリコールジメチルエーテルを用いているので、粘度の
測定は初期混合物、ならびに最終反応物のそれぞれを1
00〜120℃で減圧脱溶剤し、メチルイソブチルケト
ンにて固形分60%に希釈して測定した。
【0035】実施例5 実施例1の樹脂水性分散体の固形分100部に対し、ル
チル型酸化チタン80部、ナフテン酸コバルトをコバル
ト金属量として0.05部、ナフテン酸マンガンを金属
量として0.1部、さらにレベリング剤として信越シリ
コーンX−24−3005(商品名、信越化学工業
(株)製)0.5部を加え、サンドミルにより顔料分散
した。顔料分散後、トリエチルアミン0.3部を加え、
脱イオン水により約1800センチポイズに粘度を調整
して酸化硬化型白エナメルを得た。製造直後および25
℃の恒温室に6ケ月間貯蔵後の白エナメルをリン酸亜鉛
処理鉄板上にはけ塗りし、塗膜性能試験を行った。試験
結果を表4に示す。塗膜性能は貯蔵による影響は全く無
く、貯蔵安定性に優れていた。
【0036】実施例6〜8 実施例5と同様の固形分組成となる白エナメルを実施例
2、3、4の樹脂水性分散体を用いて実施例5と同様に
して製造し、それぞれ実施例6、7、8とした。ただ
し、実施例7に限り、白エナメルの中和用には、トリエ
チルアミンに代えてジメチルアミノエタノール0.2部
を使用した。次に実施例5と同様にそれぞれリン酸亜鉛
処理鉄板上にはけ塗りし、塗膜性能試験を行った。試験
結果を表4に示す。上記実施例6〜8のいずれの場合も
貯蔵による塗膜性能の変化は無く、貯蔵安定性に優れる
ものであった。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】比較例1 実施例1において、水溶性樹脂と疎水性樹脂の混合物と
ジイソシアネートとの架橋反応のみを省略し、それ以外
の工程ならびに成分量を同じくして実施例1に対応する
樹脂水性分散体を製造し、比較例1の樹脂特性値を表5
に示す。
【0040】比較例2 比較例1で得られた固形分38%の樹脂水性分散体を用
い、実施例5と全く同じ方法で、同じ固形分比率の白エ
ナメルを製造し、比較例2とした。比較例2についての
塗膜性能試験結果を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】表5に示すごとく、ジイソシアネートによ
る処理を施さない比較例1の樹脂水性分散体は、貯蔵中
に樹脂の沈降分離を起こし貯蔵安定性に問題があった。
また、この樹脂水性分散体を用いて製造された比較例2
のエナメルは、貯蔵中に塗膜光沢の著しい低下や、塗面
に凝集物に起因する突起状欠陥、いわゆるブツを多発し
安定性に問題があった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記樹脂Aと樹脂Bとの20/80〜9
    0/10(重量比)の混合物にジイソシアネート化合物
    を加えて、下記粘度測定条件による粘度が10〜300
    %増粘するように分子間架橋を行わせ、続いて樹脂の全
    カルボキシル基の40〜100モル%の塩基を加えて中
    和し、攪拌下に水を加えて乳化分散することを特徴とす
    る樹脂水性分散体の製造方法。 樹脂A;樹脂骨格の側鎖部に不飽和アルキル基を全樹脂
    中に5〜60重量%有し、かつ塩基で中和することによ
    り水可溶性となり得る酸価20〜100、水酸基価40
    〜150、数平均分子量1,000〜100,000の
    水溶性アクリル樹脂。 樹脂B;樹脂骨格の側鎖部に不飽和アルキル基を全樹脂
    中に5〜60重量%有し、かつ塩基で中和しても水不溶
    性である酸価20未満、水酸基価40〜150、数平均
    分子量1,000〜100,000の疎水性アクリル樹
    脂。 粘度測定条件;樹脂固形分60重量%のメチルイソブチ
    ルケトン溶液とし、温度20℃で測定する。
  2. 【請求項2】 樹脂Aと樹脂Bとの混合物にジイソシア
    ネート化合物を加えた配合物の分子間架橋は、温度50
    〜120℃で行うものである請求項1記載の樹脂水性分
    散体の製造方法。
  3. 【請求項3】 樹脂Aおよび樹脂Bの不飽和アルキル基
    が乾性油もしくは半乾性油の脂肪酸または脱水ヒマシ油
    脂肪酸を起源とする不飽和アルキル基、アリル基および
    ジシクロペンテニル基から選ばれる1種以上のものであ
    る請求項1または2記載の樹脂水性分散体の製造方法。
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